JPH0767522A - 水産物の品質劣化防止剤及び水産物の品質劣化防止方法 - Google Patents

水産物の品質劣化防止剤及び水産物の品質劣化防止方法

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JPH0767522A
JPH0767522A JP5235570A JP23557093A JPH0767522A JP H0767522 A JPH0767522 A JP H0767522A JP 5235570 A JP5235570 A JP 5235570A JP 23557093 A JP23557093 A JP 23557093A JP H0767522 A JPH0767522 A JP H0767522A
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JP
Japan
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preventing
deterioration
quality
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quality deterioration
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JP5235570A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Miyauchi
芳朗 宮内
Katsuhiko Sakurada
克彦 桜田
Hifumi Oishi
一二三 大石
Tomoko Uchida
智子 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYODO NYUGYO KK
Nichiro Corp
Original Assignee
KYODO NYUGYO KK
Nichiro Corp
Nichiro Gyogyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚介類の加工時に発生する蛋白質分解酵素に
由来する劣化に対し、劣化を防止する製剤およびこれを
用いた劣化防止方法を提供することを目的とする。 【構成】 乳成分中から分離した、分子量50,000
〜100,000のポリペプチドであるセリンプロテア
ーゼインヒビターを含有した、蛋白質分解酵素に由来す
る品質劣化防止剤を魚介類の加工時や製造時に際して浸
漬、混和等を行う品質劣化防止方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水産加工品の品質劣
化、特に魚介類の加工時に発生する蛋白質分解酵素に由
来する劣化に対し、劣化を防止する製剤およびこれを用
いた品質劣化防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚介類は畜肉に比べて鮮度低下が急速に
進行する。この原因には、細菌の汚染、タンパク質等の
成分の変性速度の速さ、等に原因がある他、各種の酵素
の影響が最も大きいと考えられる。特に、これらの酵素
のうち、自己消化酵素は、筋肉タンパク質を分解するこ
とで肉質を低下させたり、臭いや味に悪影響を与え、そ
の価値を低下させる原因となる。また、内在性酵素のあ
るものは、魚肉加工品の製造工程で、製品に悪影響を及
ぼすことがある。例えば、練り製品の坐り時において発
生する戻り現象による弾力低下は、近年になってMIP
(戻り誘導酵素)と呼ばれるプロテアーゼがその一因で
あることが明らかになった。さらに、畜産物の内臓、果
実などの農産物、麹菌、酵母などの微生物には蛋白質分
解酵素が多量に含まれており、魚介類と組み合わせた場
合に、魚介類に劣化を引き起こす場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの酵素活性の発
現を抑制するために、従来から、加熱法や、酵素作用を
抑制する薬品の添加など数多くの方法が考えられてきた
が、有効性、簡便性、安全性の面で必ずしも満足のいく
ものではなかった。
【0004】このような現状に鑑み、本発明者は蛋白質
分解酵素の抑制方法について種々の研究を重ねた結果、
蛋白質分解酵素の抑制に顕著な効果を示す物質を牛乳中
から発見し、これを単離することによって、蛋白質分解
酵素による品質劣化を極めて有効に防止しうる製剤をえ
ることを可能とした。さらに、これを使用するに当り、
種々の使用条件を検討した結果、より効果的に蛋白質分
解酵素の抑制を実施可能とする方法を見いだし、本発明
を完成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】特許を受けようとする第
1の発明における品質劣化防止剤は、牛乳中から分離し
た、分子量50,000〜100,000のポリペプチ
ドを主体としたものであり、セリンプロテアーゼのタン
パク質分解作用を極めて効果的に抑制する作用を有する
もの(セリンプロテアーゼインヒビター)である。この
インヒビターは乳成分から、ゲル濾過、イオン交換、逆
相、等のカラムクロマトグラフィーで得られる他、逆浸
透、限外濾過、イオン交換等の膜分離技術によっても得
ることができる。
【0006】特許を受けようとする第2発明は、上記第
1の発明による品質劣化防止剤を用い、水産加工品を製
造する際に、主として未加熱の魚介類のフィレ、切り身
あるいはこれらを寄せた冷凍ブロックにおいて、加工前
及び加工工程中の自己消化を抑制することを目的とし
て、浸漬液に溶解せしめた当該品質劣化防止剤中に漬込
むことを特徴とする発明である。このとき、同浸漬液
は、品質劣化防止剤単独でも良いし、調味加工等の目的
のために各種の添加物を加えてもよい。さらに、既存の
品質劣化防止剤(V.C等の酸化防止剤等)を加えるこ
とで、自己消化以外の品質を劣化せしめないようにする
効果を持たせることも可能となる。
【0007】特許を受けようとする第3の発明は、前記
第1の発明による品質劣化防止剤を用い、各種の魚種か
らすりみを製造する際、あるいは各種魚種のすりみから
練り製品を製造する際に、当該品質劣化防止剤を添加す
ることによって、練り製品製造工程中に生ずる「戻り」
を抑制し、弾力の優れた練り製品を製造することを目的
とした発明である。このとき、すりみ製造時において
は、冷凍変性防止剤等の添加物と共に添加してもよい
し、練り製品の製造時には、添加物、副材料と共に擂
潰、混和してもよい。
【0008】特許を受けようとする第4の発明は、前記
第1の発明による品質劣化防止剤を用い、各種の魚介類
と、高い蛋白質分解酵素活性を有するような畜産、農産
物、微生物を組み合わせた水産加工品を製造する際に、
当該品質劣化防止剤に浸漬あるいは混和することによっ
て、当該食品の劣化を防止することを目的とした発明で
ある。
【0009】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明について、より
詳細に説明する。 〈試験例1〉牛乳中からホエーを得、DEAE−セルロ
ースに吸収させ、1MのNaClで溶出させた成分を凍
結乾燥する。これを、0.1MのTris−HClバッ
ファー(pH7.2)で平衡化したセファロースCL−
4Bカラム(ファルマシア社)でゲル濾過法により分画
し、当該品質保持剤の主体と成るセリンプロテアーゼイ
ンヒビター画分を分離した。さらに、この画分をトヨパ
ールHW−55(東ソー)にて、インヒビターの高い画
分を分取した。この画分は分子量50,000〜10
0,000の範囲にあり、等電点4.5のタンパク質で
あった。このインヒビターの阻害効果を、トリプシン及
びパシフィックホワイティングから得たMIP(戻り誘
導酵素)を用いて調べた。
【0010】活性測定は各プロテアーゼに対しメチルク
マリルアミドペプタイドを基質に用い、トリプシンは3
7℃、MIPは60℃で反応させインヒビター活性を測
定した。その結果、トリプシン活性は0.175μM、
MIP活性は1.4μMのインヒビターで完全に阻害さ
れた。以上、本発明の品質劣化防止剤に含有されるセリ
ンプロテアーゼインヒビターは、セリンプロテアーゼに
顕著な効果を示すことを認めた。
【0011】
【実施例1】サバフィレを、本発明の品質劣化防止剤の
溶液(3倍量)に浸漬し、30℃下に20時間放置し
た。これらのフィレについて、5倍量の5%TCAにて
ホモジナイズし、遠沈上清に含まれるTCA可溶性蛋白
態窒素の含量から自己消化の程度を確認した。表1にこ
れらの結果を示す。
【0012】
【表1】
【0013】この結果、本品質劣化防止剤はサバの自己
消化による筋肉タンパク質のアミノ酸への分解を防止す
ることが判明した。
【0014】
【実施例2】ミナミダラの摺身から蒲鉾を作る際に本発
明品の品質劣化防止剤を混和した。かまぼこの製造方法
は常法に準じて行った。すなわち、ミナミダラのすりみ
2kgをベビーサイレントカッターで荒摺り後、3%食
塩を添加し7分間塩摺りを行い、できた肉糊を折径48
mmのケーシングチューブに詰め、50℃30分、又は
60℃30分の加熱を行なって戻りを起こさせた後で9
0℃40分加熱しゲルを形成させた。本品質劣化防止剤
は、塩摺り工程の時点で食塩の添加と同時に行った。次
の表2に結果を示す。
【0015】
【表2】
【0016】以上の結果から本品質劣化防止剤は戻りに
よるミナミダラの蒲鉾の弾力低下を極めて有効に防止す
ることが確認された。
【0017】
【実施例3】スケトウダラの摺身と米麹を混合した味付
け蒲鉾を作る際に本発明品の品質劣化防止剤を混和し
た。蒲鉾の製造方法は常法に準じて行った。すなわち、
ミナミダラのすりみ2kgをベビーサイレントカッター
で荒摺り後1%麹と3%食塩を添加して塩摺りを行い、
できた肉糊を折径48mmのケーシングチューブに詰
め、90℃40分加熱しゲルを形成させた。対照とし
て、麹無添加の試料を作成した。本品質劣化防止剤は、
塩摺り工程の時点で食塩の添加と同時に行った。次の表
3に結果を示す。
【0018】
【表3】
【0019】以上の結果から本品質劣化防止剤は米麹中
の酵素によるスケトウダラ蒲鉾の弾力低下を極めて有効
に防止することが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上のように、第1発明である乳成分中
から分離した、分子量50,000〜100,000の
ポリペプチドであるセリンプロテアーゼインヒビターを
含有した、蛋白質分解酵素に由来する水産物の品質劣化
防止剤を用いて、第2発明のように魚のフィレ、切り
身、又はブロック等の未加熱の魚介類に対し、浸漬を行
ったり、第3発明のように魚介類のすりみ、及び練り製
品の製造時に、混和を行うことによって、自己消化を抑
制せしめたり、戻りによる弾力低下を抑制せしめること
ができるという効果を有する。
【0021】また、第4発明のように、魚介類を加工す
る際に、品質劣化防止剤を用いて浸漬、混和などを行う
ことにより接触する畜肉、農産物、微生物の有するセリ
ンプロテアーゼによる品質の劣化を防止するという効果
を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 9/99 9152−4B (72)発明者 大石 一二三 東京都西多摩郡日の出町平井180 協同乳 業株式会社研究所内 (72)発明者 内田 智子 東京都西多摩郡日の出町平井180 協同乳 業株式会社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳成分から分離した、分子量50,00
    0〜100,000のポリペプチドであるセリンプロテ
    アーゼインヒビターを含有した、蛋白質分解酵素に由来
    する水産物の品質劣化防止剤。
  2. 【請求項2】 魚のフィレ、切り身、又はブロック等の
    未加熱の魚介類に対し、浸漬を行うことによって、自己
    消化を抑制せしめることを特徴とする請求項第1項に記
    載された品質劣化防止剤を用いた水産物の品質劣化防止
    方法。
  3. 【請求項3】 魚介類のすりみ、及び練り製品の製造時
    に、混和を行うことによって、戻りを抑制せしめること
    を特徴とする請求項第1項に記載された品質劣化防止剤
    を用いた水産物の品質劣化防止方法。
  4. 【請求項4】 魚介類を加工する際に、接触する畜肉、
    農産物、微生物の有するセリンプロテアーゼによる品質
    の劣化を防止するために、請求項第1項に記載された品
    質劣化防止剤を用いて浸漬、混和などを行うことを特徴
    とする水産物の品質劣化防止方法。
JP5235570A 1993-08-27 1993-08-27 水産物の品質劣化防止剤及び水産物の品質劣化防止方法 Pending JPH0767522A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001231510A (ja) * 2000-02-22 2001-08-28 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 水産練製品
JP2006322803A (ja) * 2005-05-18 2006-11-30 Nippon Meat Packers Inc 食品品質検査試薬、食品品質の検査方法及び食品品質検査キット
CN111528269A (zh) * 2020-05-21 2020-08-14 南通大学 一种肉制品蛋白保鲜防腐剂及其制备方法

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