JPH0767226B2 - デジタル保護継電器 - Google Patents

デジタル保護継電器

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JPH0767226B2
JPH0767226B2 JP63312665A JP31266588A JPH0767226B2 JP H0767226 B2 JPH0767226 B2 JP H0767226B2 JP 63312665 A JP63312665 A JP 63312665A JP 31266588 A JP31266588 A JP 31266588A JP H0767226 B2 JPH0767226 B2 JP H0767226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電力系統の交流電圧、交流電流等の電気量
の振幅値に応動するデジタル保護継電器、特にその周波
数特性の善に関するものである。
〔従来の技術〕
発電機等が停止状態から、ランナウェイ速度までの間で
運転された場合、電力系統の周波数は0から定格周波数
の2倍程度まで変化する。この様な電力系統の事故を検
出する従来のデジタル保護継電器の演算処理には、以下
に示す2種類の方式が提案されている。
以下、従来の演算処理方式について説明するが、交流電
気量は、振幅値I、位相角θ、瞬時値iとしてi=Isin
(θ)なる交流電流とし、サンプリング周期をTとす
る。サンプリング時刻毎のサンプリング値を区別するた
め、nT(n=0,2,……とし、n=0は当該時刻)を添字
として、i(0)=Isin(θ),i(T)=Isin(θ−
T),i(2T)=Isin(θ−2T)、……と表わすこととす
る。
第5図は、例えば特開昭58−051315号公報に示された第
1の従来の交流電流のデジタル処理装置に使用している
原理を示す図であり、この場合のサンプリング周期T
は、前記交流電流の基本周波数f0に対して、電気角で90
゜相当に選ばれていて、8個のサンプリング値i
(0),i(T),i(2T)……i(7T)を用いて処理さ
れ、 で表わされる。
また、第6図は例えば特公昭63−11847号公報に示され
た第2の従来の保護継電器に使用している原理を示す図
であり、この場合のサンプリング周期Tは規定しない
が、5個のサンプリング値i(0),i(T),i(2T),i
(3T),i(4T)を用いて処理され、 で表わされる。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭58−05135号公報に示された演算処理について
は、サンプリング周期Tは、交流の基本周波数f0に対
し、90゜相当時間々隔に固定するが、周波数がfであれ
ば、第3式のように見えてくる。
例えば、交流電流の周波数がf=f0=50Hzであれば、サ
ンプリング周期はT1 90゜となる。
ここで、周波数を変化させた場合の振幅値演算結果Fnを
第1式で求めるため、fとf0比を で表わすと、 Fn=i{1‐cos(90゜m)・cos(180゜m)・cos(360゜m)・cos(2 θ‐630゜m)}1/2 ……(4) となり、m=0〜2まで変化させた時のFnの値を示す
と、第2図の点線の如くになり、斜線部分がサンプリン
グの時刻によって変化する。
従って、周波数が変化した事によって、交流電流の振幅
値演算結果に誤差が含まれる事になり、正確な判定が出
来ない。また、サンプリング周期Tを、基本周波数の90
゜相当時間に選ぶ必要があり、サンプリング値も8個を
使用しているため、結果が出力されるまでの時間が、90
゜×8=720゜相当時間必要であり、さらに多量のデー
ターを使用しているため、計算処理に要するメモリー量
も多量になるなどの問題点があった。
また、特公昭63−11847号公報に示された演算処理につ
いては、演算結果が第2式で示された様に、サンプリン
グ周期Tに無関係であるため、振幅値は、第2図の実線
の如くになり、交流電流の周波数変化に全く影響されな
い。しかし、第2式の演算処理を実現するためには、分
子項を分母項で除算演算する手段が含まれている為、分
母項が0の近辺で演算不能の恐れがあり、演算をパスさ
せる等の特別な処理が必要になり、演算の信頼性が十分
とは言えない場合が発生し、信頼性を要求されるデジタ
ル保護継電器にとって問題があった。
ちなみに、第2式の分母項が0となる条件を求めると D=2i(2T)‐i(0)‐i(4T) =2Isin(θ‐2T)‐Isin(θ)‐Isin(θ‐4T) =2I{1-cos(2T)}sin(θ‐2T) =4Isin2(T)sin(θ‐2T) ……(5) となり、この第5式は、4Isin2(T)を振幅とした周期
関数であることが明らかであり、第7図に示す如くi=
Isin(θ)の交流電流に対して、2Tの位相遅れの関係
で、D=0となることが判る。これは、当該時刻のサン
プリング値i(0)が、D=0の時に得られるようなサ
ンプリングが行なわれた第7図の様な関係にあるときで
あり、 i(0)=−i(4T),i(2T)=0 となり、確かに第5式のDは、D=0が成立する。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、少ないサンプリング値を使用して高速度に計
算処理できるとともに、周波数が変化した場合の振幅値
演算誤差を小さくできる高信頼度のデジタル保護継電器
を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るデジタル保護継電器は、5個のサンプリ
ング値y(0)〜y(4T)を用い、 の演算処理を実行して、交流電気量の振幅値を演算する
ようにしたものである。
〔作用〕
この発明におけるデジタル保護継電器の振幅値演算は、
5個のサンプリング値を使用して、高速度で演算結果が
得られると共に、周波数変化があっても、高精度で演算
ができるものであり、デジタル保護継電器の性能及び信
頼性を大幅に向上させることになる。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第1
図において、当該時刻tのサンプリング値(1)をi
(0)、前記当該時刻tより、サンプリング時刻t−T,
t−2T,t−3T,t−4T前のサンプリング値(2),
(3),(4),(5)をそれぞれi(T),i(2T),i
(3T),i(4T)とし、積演算手段(6)で前記サンプリ
ング値(2)と(4)の積{i(T)・i(3T)}を得
ると共に、2乗演算手段(7)で前記サンプリング値
(3)の2乗i(2T)を得て、差演算手段(8)によ
り、{i(2T)−i(T)・i(3T)}を求める。
同様に積演算手段(9)及び差演算手段(10)で、前記
サンプリング値(1)と(5)を用いて、{i(2T)
−i(0)・i(4T)}を求める。前記差演算手段
(8)の出力は、2乗演算手段(11)と4倍演算手段
(12)とで2乗して4倍され、4・{i(2T)−i
(T)・i(3T)}となり、また、4倍演算手段(1
3)で4倍され4・{i(2T)−i(T)・i(3
T)}となる。
差演算手段(14)で前記4倍演算手段(13)と前記差演
算手段(10)の差を求めると、4{i(2T)−i
(T)・i(3T)}−{i(2T)−i(0)・i(4
T)}となり、前記4倍演算手段(12)の出力との比を
除算演算手段(15)で求めると、 が得られる。
これを、平方根演算手段(16)で平方根を求めれば、端
子(17)に振幅値演算結果Fnが求められる。
これを、演算式を用いて、以下に説明する。
となり、第7式でFnの値は、サンプリング周期Tには関
係なく、交流電流の振幅値Iのみで表わされているが、
これは換言すれば、サンプリング周期Tを一定にしてお
いて、交流電流の周波数fが変ったとしても同様と考え
ることが出来る。従って、交流電流の5個のサンプリン
グ値i(0)〜i(4T)を、前述の第7式の様にして演
算処理することにより交流電流の周波数には全く関係な
く、第2図の実線で示した直線が得られる。
第7式の分母項については、これをDとして、 D=4{i(2T)2-i(T)・i(3T)}‐{i(2T)2-i(0)・i(4T)} =4I2{sin(θ‐2T)‐sin(θ‐T)sin(θ‐3T)} ‐I{sin(θ‐2T)‐sin(θ)・sin(θ‐4T)} =4I2sin2(T){1‐cos(T)} =4I2sin4(T) ……(8) となるが、サンプリング周期Tが第3式で示すように でm=2の場合にのみ、D=4I2sin4(90゜×m)=4I2
sin4(90゜×2)=0となる。一般に、デジタル保護継
電器では、サンプリング周期Tは、30゜サンプリングと
称して、 に選ばれるから、第8式のDは、m=2の場合でも、 となり、0には成り得ない。従って、第7式の演算処理
においては、m<2の範囲において分母項が0となる条
件が存在しないため、不能解が発生することは無い。サ
ンプリング周期Tを、30゜m,60゜m,90゜mとした場合の
第8式のDの値を、第3図に示す。
次に、振幅値演算結果が出力されるまでの時間は、サン
プリング値5個を使用するため、サンプリング周期が30
゜の場合は、30゜×5=150゜相当時間であり、これは
交流電流の基本周波数f0においては、150/360サイクル
となり、約1/2サイクル以内であり高速度の演算処理が
実現できる。
ここで得られた振幅値演算結果Fnを、図示はしないが、
比較演算手段によって所定値(整定値とも言う)と比較
して、その大きさを比較し、電力系統の事故を検出する
のが、デジタル保護継電器である。
第4図は前記振幅値演算を実施するデジタル保護継電器
(32)のハードウェア構成図である。図において、(1
8)は電圧変成器、(19)は電流変成器、(20)(21)
は入力変換器で、電力系統の電圧及び電流を処理容易な
値に変換するものであり、(22)(23)はフィルタで、
周知の如く、電圧及び電流に含まれる高調波のうち、サ
ンプリング周波数の1/2以上の周波数を除去するもので
ある。(24)(25)はサンプルホールドで、サンプリン
グ値を次のサンプリング周期まで保持するものである。
(26)はマルチプレクサでサンプルホールド(24)(2
5)の出力を順次切り替えて、アナログ・デジタル変換
器(27)に伝達するものである。(28)はマイクロプロ
セッサで、メモリー(29)にあらかじめ収納されている
プログラムを利用して演算を実施し、その結果を、出力
回路(30)により端子(31)に出力させるものである。
(32)はデジタル保護継電器である。
なお、上記実施例では、交流電流の振幅値を求めるとし
て説明したが、交流電流は電力系統の相電流、線間電流
又は、前記相電流、線間電流から得られる対称分、すな
わち、正相電流、逆相電流又は零相電流であっても同様
である。
さらに同様に、交流電圧であっても、全く同様に適用し
て同様の効果を奏する。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば、任意の周期Tでサン
プリングした5個のサンプリング値y(0)〜y(4T)
を用い、 の演算処理を実行するようにしたので、周波数の変化に
影響されなく、かつ高速度で結果が得られ、また、除算
演算の不能解が無い高信頼度のデジタル保護継電器が得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による振幅値演算手段の原
理を示すブロック図、第2図は振幅値演算結果の周波数
特性図、第3図はこの発明の振幅値演算式の分母項の周
波数特性図、第4図はこの発明の演算手段を実現するデ
ジタル保護継電器のハードウェア構成の一例を示す接続
図、第5図,第6図は従来の振幅値演算手段の原理図、
第7図は従来の振幅値演算式の分母項の演算結果を示す
図である。 図において、(1)〜(5)は交流電流のサンプリング
値、(8),(10),(14)は差演算手段、(7),
(11)は2乗演算手段、(12),(13)は4倍演算手
段、(6),(9)は積演算手段、(15)は除算演算手
段、(16)は平方根演算手段、(17)は端子、(18)は
電圧変成器、(19)は電流変成器、(20),(21)は入
力変換器、(22),(23)はフィルタ、(24),(25)
はサンプルホールド、(26)はマルチプレクサ、(27)
はアナログ,デジタル変換器、(28)はマイクロプロセ
ッサ、(29)はメモリー、(30)は出力回路、(31)は
端子、(32)はデジタル保護継電器である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力系統の交流電気量を、一定の周期Tで
    サンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリン
    グされたアナログ値をデジタル値に変換するアナログ/
    デジタル変換手段と、デジタル変換されたサンプリング
    値に基づき演算処理して前記交流電気量の振幅値を検出
    する演算処理手段とを有するデジタル保護継電器におい
    て、当該サンプリングの時刻tより所定サンプリング数
    nだけ離れた時刻t−nT(n=0、1、2、3、4)に
    おける前記交流電気量のサンプリング値y(t−nT)を
    y(nT)としたとき、下式 を前記演算処理手段により演算して前記交流電気量の振
    幅値を検出することを特徴とするデジタル保護継電器。
JP63312665A 1988-12-09 1988-12-09 デジタル保護継電器 Expired - Fee Related JPH0767226B2 (ja)

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JP4811950B2 (ja) * 2007-05-23 2011-11-09 株式会社高岳製作所 振幅値演算方法
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