JPH076524U - ころ軸受用保持器 - Google Patents

ころ軸受用保持器

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JPH076524U
JPH076524U JP3580193U JP3580193U JPH076524U JP H076524 U JPH076524 U JP H076524U JP 3580193 U JP3580193 U JP 3580193U JP 3580193 U JP3580193 U JP 3580193U JP H076524 U JPH076524 U JP H076524U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ころ軸受用保持器の耐久性を向上させる。 【構成】 ころ軸受7における保持器5の外表面に独立
した微小な凹形状のくぼみを無数にランダムに形成し、
外表面の面粗さを、パラメータSK値が軸方向及び円周
方向の何れもマイナスとなり、しかも微小くぼみの占め
る表面積比率が10〜40%となるようにし、保持器7
の外表面の油膜形成率を向上させ、保持器7の耐カジ
リ、耐摩耗、耐焼付を向上し、長寿命化を図る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、ころ軸受用保持器、更に詳しくは、各種エンジンや自動車のオー トマチック用遊星歯車装置等に用いるころ軸受の保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1(A)、(B)に示すように、二輪車用エンジン、船外機用エンジン、汎 用エンジン等においては、クランク軸1とピストン2のピン3とをコンロッド4 で連結し、このコンロッド4の大径端4aとクランク軸1との間には、保持器5 付の針状ころ6からなるころ軸受7が多く使用されており、この保持器5は外径 案内形式になっている。
【0003】 上記ころ軸受7の使用部位は、自転と公転運動をするため、保持器5の外径面 に遠心力が加わり、カジリや摩耗、焼付を発生することがある。
【0004】 また、ミスアライメントによる誘起スラスト力が発生し、保持器5の幅面にも カジリや摩耗、焼付が生じる場合があり、このため、保持器が短寿命になる。
【0005】 図2(A)、(B)は自動車のオートマチック用遊星歯車装置におけるころ軸 受の使用部位を示し、遊星歯車装置は入力軸11と出力軸12を同軸心状に配置 し、入力軸11に固定した偏心輪13のピニオン歯車14と出力軸12の遊星歯 車15を噛合させ、かつ遊星歯車15を内歯歯車16と噛合させることにより、 出力軸12に減速回転を取り出すようになっており、上記偏心輪13のピニオン 歯車14を支承する部分に、保持器18付のころ19からなるころ軸受20が使 用されている。
【0006】 この遊星歯車装置におけるころ軸受20においても、先に述べたコンロッド4 のころ軸受7と同様に、自転と公転運動をするため、保持器18の外径面や幅面 にカジリや摩耗、焼付が発生することになる。
【0007】 従来、上記のようなころ軸受7、20において、保持器5、18のカジリや摩 耗、焼付を防止する手段としては、保持器の表面に、Cu、Ag等のメッキや他 の表面処理を施していた。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の表面処理は、処理コストが高くつき、十分 な効果を得るのが困難であり、しかもころ軸受の上記使用部位は、使用条件が年 々厳しくなっており、より優れた表面処理が求められている。
【0009】 そこでこの考案の課題は、保持器の表面に油膜の形成に優れた表面形状を与え 、保持器の耐カジリ、耐摩耗、耐焼付性を向上させることができるころ軸受用保 持器を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、この考案は、外径案内形式のころ軸受用保 持器において、保持器の表面に、微小なくぼみをランダムに形成し、面粗さのパ ラメータSK値がマイナスとなるようにし、かつ微小なくぼみの占める表面積比 率が10〜40%となるようにした構成を採用したものである。
【0011】
【作用】
保持器の表面に微小なくぼみをランダムに形成し、面粗さのパラメータSK値 がマイナスとなるようにし、微小なくぼみの占める表面積比率が10〜40%と なるようにしたので、保持器表面の油膜形成率が向上し、十分な油膜厚さを確保 することにより、外径面や幅面のカジリや摩耗、焼付の発生を防ぎ、保持器の長 寿命化を図ることができる。
【0012】
【実施例】 以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0013】 この考案の保持器を用いたころ軸受の使用部位は、図1(A)、(B)のよう に、エンジンにおけるコンロッド4の大径端部4aのころ軸受7や、図2(A) 、(B)に示した遊星歯車装置において、ピニオン歯車14の支持を行なうころ 軸受20であり、これらころ軸受7、20に用いられえる保持器5、18は、そ の表面、即ち外径面と両側幅面が、微小な無数のくぼみをランダムに設けた微小 粗面21に形成され、この微小粗面21は、面粗さを外径面の軸方向と円周方向 のそれぞれを求めてパラメータRMSで表示したとき、RMS0.09μm以上 になるようにすると共に、表面粗さのSK値がマイナス、好ましくは平均値が− 1.6以下になり、更に上記微小粗面21の微小なくぼみの平均面積は、等価円 直径3μmφ以下を除いて整理したとき35〜150μm2 、くぼみの表面に占 める表面積比率は、10〜40%、くぼみの最大面積は15000μm2 である 。
【0014】 ここで、パラメータRMSとは、中心線から粗さ曲線f(x)までの偏差の自 乗を測定長さlの区間で積分し、その区間で平均した平方根の値であり、別名自 乗平均平方根粗さともいう。RMSは拡大記録した断面曲線、粗さ曲線から数値 計算で求められる。
【0015】 上記のような外表面の粗面条件を得るための表面加工処理は、特殊なバレル研 磨によって、所望する仕上げ面を得ることができ、例えば遠心流動バレル研磨法 により、チップを用いて保持器の表面にランダムな凹凸を形成した後、洗浄し、 更にバレル研磨法によって、表面仕上げ処理を施し、表面の微小な凸部を除去ま たは丸めることにより、保持器の表面に微小なくぼみを無数に形成するものであ る。
【0016】 また、SK値のコントロールは、遠心バレル研磨機の回転速度、加工時間、ワ ーク投入量、研磨剤の種類と大きさ(粒度)、チップの種類と大きさを選ぶこと により行なえる。
【0017】 前記パラメータSK値とは、表面粗さの分布曲線の歪み度(SKEWNESS )を指し、ガウス分布のような対象形分布はSK値が0となるが、パラメータS K値を周方向、軸方向とも平均値が−1.6以下とする設定値は、表面凹部の形 状、分布が加工条件によって油膜形成に有利な範囲である。
【0018】 上記パラメータSK値とは、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量であり、 対称な分布では、SK値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合では負、逆 の場合は正の値をとることになる。
【0019】 前記した保持器5、18の表面は、相手接触面の仕上げ面粗さの悪い条件にお いても、油膜の形成能力に優れ、十分な油膜厚さを確保し、相手接触面との金属 接触率を下げることによって、保持器5、18の耐カジリ、耐摩耗、耐焼付性を 向上させ、長寿命化を図ることができる。
【0020】 図3に従来の保持器の仕上げ面状況を、また、図4にこの考案の保持器におけ る外表面の微小粗面加工の仕上げ面状況を比較して示した。
【0021】 前記微小なくぼみの定量的測定を行なうには、保持器表面を拡大し、その画像 から市販されている画像解析システムにより定量化できる。
【0022】 画像の白い部分は表面平坦部、微小なくぼみは黒い部分として解析する。例え ば、(株)ピアスのLA−525画像解析システムを用いて解析すると、先ず原 画の濃淡を強調フィルターで明確化し、その後非常に微細な黒い部分である等価 円直径3μmφ以下はノイズイレーサーで除去する。
【0023】 ノイズイレーサーで除去した後に残された微小なくぼみの大きさ、分布、微小 なくぼみの表面積比率を求め、保持器表面を評価するものである。
【0024】
【考案の効果】
以上のように、この考案によると、ころ軸受用保持器の外表面に微小なくぼみ を形成し、この外表面の面粗さのパラメータSK値をマイナスとしたので、微小 なくぼみは油溜りとして接触部へ油を運び、圧縮されても転がり方向、直角方向 への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、相手面の仕上面粗さの良否にかかわ らず、油膜形成状況は良好で、金属接触率は小さく、保持器の耐カジリ、耐摩耗 、耐焼付性を向上させ、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はころ軸受の使用例であるエンジンコン
ロッド部分の断面図、(B)はころ軸受の拡大断面図
【図2】(A)はころ軸受の使用例である遊星歯車装置
の断面図、(B)は同上のころ軸受部分の拡大断面図
【図3】従来の保持器表面の仕上面状況を示す説明図
【図4】この考案の保持器表面の仕上面状況を示す説明
【符号の説明】
5、18 保持器 7、20 ころ軸受 21 微小粗面

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外径案内形式のころ軸受用保持器におい
    て、保持器の表面に、微小なくぼみをランダムに形成
    し、面粗さのパラメータSK値がマイナスとなるように
    し、かつ微小なくぼみの占める表面積比率が10〜40
    %となるようにしたことを特徴とするころ軸受用保持
    器。
  2. 【請求項2】 微小なくぼみの平均面積は、等価円直径
    3μmφ以下を除いて整理したとき35〜150μm2
    である請求項1に記載のころ軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のころ軸受用保持器にお
    いて、面粗さのパラメータSK値が−1.6以下となる
    ことを特徴とするころ軸受用保持器。
JP1993035801U 1993-06-30 1993-06-30 保持器付き針状ころの保持器 Expired - Fee Related JP2597975Y2 (ja)

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