JP2758518B2 - 転動ローラ - Google Patents
転動ローラInfo
- Publication number
- JP2758518B2 JP2758518B2 JP3217100A JP21710091A JP2758518B2 JP 2758518 B2 JP2758518 B2 JP 2758518B2 JP 3217100 A JP3217100 A JP 3217100A JP 21710091 A JP21710091 A JP 21710091A JP 2758518 B2 JP2758518 B2 JP 2758518B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- test
- rolling
- bearing
- life
- oil film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
上げの良い面でも長寿命を示す転動ローラに関する。
ラの転動寿命は、転動面の表面粗さが重要な因子である
ことは良く知られており、従来、転動面の仕上げをでき
るだけ滑らかな面にするのがよいと考えられていたが、
転動ローラの転動疲労寿命を向上させるための試行錯誤
を繰り返すなかで、転動面の仕上がりを良くしなくても
長寿命に効果のあることを見い出した。
ラは、転動面をRmax0.3〜0.8μmのランダム
なすり傷の粗面に形成した構造であり、長寿命の効果を
発揮することができるが、仕上げ面の良い相手に対して
は、油膜形成が不十分となり、相手部材の摩耗やピーリ
ング損傷が発生する場合があり、相手部材の仕上げ条件
に対して使用できる範囲が狭いという点で改善の必要性
が見い出された。
動面の面粗さの評価を軸方向だけでなく転がり方向にも
着目し、表面粗さを一定範囲に抑えることで油膜形成が
有利に行なえ、相手面の面粗さの良否何れにも対応でき
る長寿命の転動ローラを提供することを課題としてい
る。
めに、この発明は、転動ローラの表面に、面粗さをパラ
メータRMSで表示したとき、軸方向及び円周方向の何
れもRMS値が≧0.10μmの値を有する凹凸を形成
し、この凹凸の表面粗さのパラメータSK値を≦−1.
6となるようにした構成を採用したものである。
微小な凹凸の仕上げ面粗さをパラメータRMSで表示し
たとき、軸方向及び円周方向の何れもRMS値が≧0.
10μmの値を有し、この凹凸の表面粗さのパラメータ
SK値が≦−1.6となるようにしたので、転動面の油
膜形成率が向上し、相手面の面粗さのいかんにかかわら
ず、相手面にピーリング損傷や摩耗の発生がなく、長寿
命を得ることができる。
て説明する。
例としてころ軸受を示しており、このころ軸受1は円筒
ころ転動体2を外輪3に組込んだニードル軸受であり、
転動体2で相手軸4を支持するようになっている。
がランダムな方向の微小な凹凸2aに形成され、この微
小な凹凸2aは、面粗さをパラメータRMSで表示した
とき、軸方向及び円周方向の何れもRMS値が≧0.1
0μmの値を有するように形成し、かつ表面粗さのパラ
メータSK値が軸方向、円周方向とも≦−1.6になっ
ている。
の表面加工処理は、特殊なバレル研磨によって、所望す
る仕上面を得ることができる。
線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を 測定長さの
区間で積分し、その区間で平均した値の平方根であり、
別名自乗平均平方根粗さともいう。RMSは拡大記録し
た断面曲線、粗さ曲線から数値計算で求められ、粗さ計
の触針をローラの幅方向及び円周方向に移動させ測定す
る。 前記パラメータSK値とは、表面粗さの分布曲線
の歪み度(SKEWNESS)を指し、凹凸分布の非対
称性を知る目安の統計量であり、ガウス分布のような対
称な分布では、SK値は0に近くなり、凹凸の凸部を削
除した場合では負、逆の場合は正の値をとることにな
る。SK値のコントロールは、先に述べたバレル研磨機
の回転速度、加工時間、ワーク投入量、チップの種類と
大きさ等を選ぶことにより行え、パラメータSK値を幅
方向、周方向とも≦−1.6とした理由は、微小なくぼ
みが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向へ
の油のリークは少なく、油膜成形に優れ、相手面の仕上
げ面粗さの良否にかかわらず、油膜形成状況は良好で、
金属接触率は小さく、表面損傷を極力抑える効果があ
る。
面処理を施した複数種類のニードル軸受を製作し、相手
軸の面粗さを変えて寿命試験を行なった結果について説
明する。
示すように、外径Dr=38mm、内径dr=28mm、転
動体2の直径D=5mm、長さL=13mmで、14本の転
動体を用いた保持器5付の軸受である。
る5種類を製作した。各試験軸受の表面仕上げ面粗さを
パラメータRMSで表示したときの特性値を表1に、各
試験軸受の加工種類を表2に示すと共に、各試験軸受の
転動体における仕上げ面状況を図3に比較して示した。
で示したようなラジアル荷重試験機11を使用し、回転
軸12の両側に試験軸受1を取付け、回転と荷重を与え
て試験を行なうものである。
仕上は研削仕上のRmax0.4〜4μmである。アウ
ターレース(外輪)はRmax1.6μmで何れの場合
も共通である。
験の各相手面毎の結果を図5乃至図9に示す。
主体に行なった試験結果を、図8と図9はこの発明の試
験軸受DとEの試験結果を示している。
に、この発明の試験軸受C、D、Eは、相手軸面粗さの
のいかんにかかわらず全て長寿命を示した。
面側にピーリング損傷が見られることが多いが、この発
明の試験軸受C、D、Eには認められなかった。
SK値、RMSのL/Cと寿命(L10)を求めた結果を
示している。
軸受C、D、Eでは長寿命を示している。
11の如くバレル研磨特殊加工の1.0でも長寿命であ
ることが判明した。
受の転動体を評価するには不充分であることも判明し
た。
A乃至Cの相手軸との組合せによるGrubinの式に基づく
油膜パラメータΛの計算値を表3に示す。
粗さにより大きく左右され、2μmでは0.91〜1.
30の範囲である。
12に示す関係があり、寿命の観点からも油膜パラメー
タは大きい方が良いと言われているが、寿命試験結果か
らも明らかな通り、一概にΛだけでは説明できない。
ピーリング性について、2円筒の試験機を用いて、自由
転がり条件下で、本発明試験軸受C及び試験軸受Aと同
一の表面状態の試験片を用いて加速ピーリング試験を行
なった。油膜形成状況の確認は、直流通電方式により行
なった。
通りであり、本発明試験軸受Cの仕上面の油膜形成率
は、試験軸受Aに比較して運転開始時で20%程度油膜
形成率が向上した。
ほぼ完全に油膜を形成することが確認された。更に、試
験軸受Aの仕上面では、長さ0.1mm程度のピーリング
の発生、進展が多数認められるのに対し、本発明試験軸
受Cの仕上面では、損傷は認められなかった。
2の例として円すいころ転動体12を外輪13と内輪1
4間に組込んだ円すいころ軸受を例示している。
ころ転動体12の表面を、第1の例で示したニードル軸
受における転動体2と同様のランダムな方向の微小な凹
凸2aに形成し、外輪13及び内輪14の転動面が標準
研削仕上げになっている。
成状況を確認するため、標準研削仕上げ転動体を用いた
円すいころ軸受(前記試験軸受Aに該当)とランダムな
微小な凹凸に仕上げた転動体を用いた本発明の円すいこ
ろ軸受(前記試験軸受Cに該当)とを用意し、スラスト
荷重条件での軸受回転トルクの比較を行なった。
用いて行なった軸受回転トルクの測定結果を示してい
る。
ろ転動体12は、内輪14の鍔14aに接触する大径端
面12aを含む外面全体にランダムな微小な凹凸が形成
されている。
円すいころ軸受は、従来の標準軸受に比べ、回転トルク
は30%程低下する。特に油膜の形成しにくい低速、大荷
重領域で効果が大きい。
3の例として円筒ころ軸受を示しており、外輪23と内
輪24の間に組込んだ円筒ころ転動体22の表面をラン
ダムな方向の微小な凹凸2aに形成し、外輪23及び内
輪24の転動面が標準研削仕上げになっている。
動体22は外輪23の鍔23aに接触する両端面22a
を含む外面全体がランダムな微小な凹凸に形成され、試
験を行なった結果は、第2の例の円すいころ軸受と全く
同様であった。
のころ転動体を例示したが転がり運動する部材に広く適
用することができる。
の表面をランダムな微小凹凸に形成し、この微小凹凸の
粗さを一定範囲に抑えるようにしたので、転動面の油膜
形成に有利となり、相手面が粗面でも仕上面の良い相手
に対しても長寿命を得ることができ、相手面の摩耗やピ
ーリング損傷がないという効果がある。
ル軸受の断面図
概略図
フ
いころ軸受の断面図
軸受の回転トルクの測定結果を示すグラフ
軸受の回転トルクの測定結果を示すグラフ
ころ軸受の断面図
Claims (1)
- 【請求項1】 転動ローラの表面に、面粗さをパラメー
タRMSで表示したとき、軸方向及び円周方向の何れも
RMS値が≧0.10μmの値を有する凹凸を形成し、
この凹凸の表面粗さのパラメータSK値が≦−1.6と
なるようにしたことを特徴とする転動ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3217100A JP2758518B2 (ja) | 1988-05-30 | 1991-08-28 | 転動ローラ |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13379488 | 1988-05-30 | ||
JP63-235732 | 1988-09-20 | ||
JP63-133794 | 1988-09-20 | ||
JP23573288 | 1988-09-20 | ||
JP3217100A JP2758518B2 (ja) | 1988-05-30 | 1991-08-28 | 転動ローラ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1121855A Division JPH02168021A (ja) | 1988-05-30 | 1989-05-15 | ころ軸受の転動体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0642536A JPH0642536A (ja) | 1994-02-15 |
JP2758518B2 true JP2758518B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=27316755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3217100A Expired - Lifetime JP2758518B2 (ja) | 1988-05-30 | 1991-08-28 | 転動ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2758518B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7811002B2 (en) | 2005-01-18 | 2010-10-12 | Nsk, Ltd. | Rolling device |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009963A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
WO2006001149A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-05 | Ntn Corporation | 転がり軸受 |
EP1770290B1 (en) | 2004-06-25 | 2011-05-04 | NTN Corporation | Rolling bearing |
US9074621B2 (en) | 2004-07-05 | 2015-07-07 | Ntn Corporation | Roller bearing for automobiles |
JP2006022935A (ja) * | 2004-07-05 | 2006-01-26 | Ntn Corp | 円すいころ軸受 |
US8118004B2 (en) | 2005-12-27 | 2012-02-21 | Ntn Corporation | Rocker arm, rocker shaft, valve cap, adjust screw, pivot receiving member, and valve of arm type valve operating device |
US9670959B2 (en) * | 2013-02-06 | 2017-06-06 | Aktiebolaget Skf | Bearing with improved resistance to micropitting |
IT201900000238A1 (it) | 2019-01-09 | 2020-07-09 | Skf Ab | Rolling contact bearing with improved performances |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6124818A (ja) * | 1984-07-14 | 1986-02-03 | Ntn Toyo Bearing Co Ltd | 軸受転動体 |
GB2219359B (en) * | 1988-05-30 | 1992-11-04 | Ntn Toyo Bearing Co Ltd | Roller elements for machine parts such as roller bearings. |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP3217100A patent/JP2758518B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
W.E.DUCKWORTH,"METARIALS IN ENGINEERING" VOL.▲II▼ NO.5 (1981) P.260〜P.265 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7811002B2 (en) | 2005-01-18 | 2010-10-12 | Nsk, Ltd. | Rolling device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0642536A (ja) | 1994-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR910006195B1 (ko) | 로울러 베어링의 전동체 | |
JPH03117725A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2997074B2 (ja) | エアコンディショナー用コンプレッサの軸受 | |
JP2758518B2 (ja) | 転動ローラ | |
DE102004006313B4 (de) | Zylinderrollenlager | |
JP2634495B2 (ja) | オートマチックトランスミッション用軸受 | |
JP3459484B2 (ja) | 玉軸受用玉 | |
WO2005032762A1 (ja) | 円錐ころ軸受と円錐ころ加工方法 | |
JP2899047B2 (ja) | 内接式遊星歯車減速機用偏心軸受 | |
JP3030100B2 (ja) | 圧延用ローラの軸受 | |
JPH09291942A (ja) | ラジアル転がり軸受 | |
EP1770291A1 (en) | Rolling bearing | |
JPH03117724A (ja) | ころ軸受 | |
JP2769206B2 (ja) | ころ軸受 | |
JP2899735B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP2597975Y2 (ja) | 保持器付き針状ころの保持器 | |
JPH0791452A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2760626B2 (ja) | 等速自在継手 | |
JPH03277823A (ja) | 等速自在継手 | |
JP2003176826A (ja) | 転がり軸受 | |
JPH04321816A (ja) | 歯車軸支持装置 | |
JPH04175511A (ja) | スタータ用針状ころ軸受 | |
JP3069713B2 (ja) | ころ軸受用保持器 | |
JPH07103243A (ja) | 転がり軸受 | |
JPH03172614A (ja) | ころ軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080313 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090313 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313 Year of fee payment: 12 |