JPH0763780B2

JPH0763780B2 - 順送り金型への材料先端送込み方法及び装置

Info

Publication number: JPH0763780B2
Application number: JP2212825A
Authority: JP
Inventors: 滋河原
Original assignee: 株式会社プレス技術研究所
Priority date: 1990-08-11
Filing date: 1990-08-11
Publication date: 1995-07-12
Anticipated expiration: 2010-07-12
Also published as: JPH0494829A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、順送り金型への材料先端送込み方法及び装置
に関するものである。

（従来の技術）プレス加工の中で、もっとも生産性の高いものとして、
複数の上下型を一定ピッチで直列状に配置した順送り金
型を用いる加工方法が知られている。この加工方法で
は、帯板状の材料をプッシュローラ等の送り装置によっ
て一定ピッチで順送り金型に間欠送りすることで、プレ
スの１ストロークで多工程の抜きや成形を要する部品が
速く連続的に生産できる。

（発明が解決しようとする課題）前記順送り金型を用いる加工方法には一つの問題があ
る。これは、打抜きだけで加工が終了する場合はあまり
問題がないのであるが、複雑な立体形状部品では、順送
り金型内で工程を追って曲げや成形または絞り加工する
ため、材料の順送り金型への先端挿入時において、材料
の先端部分の非加工部分に「そり」や「ゆがみ」等の変
形が生じ、この変形が、材料が順送り金型を通過する際
にガイド等に接触して、材料通過の妨げとなる。

このため、従来において、プレス機械を単動運転状態に
しておき、作業者が１工程ずつ順送り金型の一つの上下
型に対して位置合わせしながら手で送り、材料の先端部
分が順送り金型の全工程を通過するまで単発的に加工を
行っており、材料の先端部分が順送り金型の全工程を通
過した後は、非加工部分に「そり」や「ゆがみ」等の変
形がない正常なストリップレイアウトの状態で順送りさ
れて行くので、連続自動プレスができるのである。

なお、複雑な立体形状部品を製作する場合、材料の先端
部を順送り金型に加工しない状態で予め通過させてお
き、材料の途中から順送り金型で連続自動プレスするこ
とはできず（１ストロークで全工程の上型が下降し、ま
た、通常第１のステージにてパイロット孔が形成される
等のため）、必ず材料の先端から順送り金型に挿入しな
ければならない。

したがって、せっかく自動加工ができる仕事でありなが
ら、順送り金型への材料の先端挿入のために、１コイル
ごとにかなりの時間が費やされ、作業能率が著しく低下
し、稼働率の向上を図る上で大きな妨げとなっていた。

そこで本発明は、このような従来の課題に鑑み、材料を
順送り金型に先端部分から自動的に送込むことができる
送込み方法および装置を提供するものである。

（課題を解決するための手段）本発明に係る送込み方法は、複数のステージＩ〜Ｖを一
定ピッチＰで配列した順送り金型４に、材料１を一定ピ
ッチＰづつ送りながら順次加工を積重ねて行くものにお
いて、順送り金型４に材料を送込むに際し、材料１の先
端が順送り金型４の全工程を通過するまでの間、順送り
金型４の各ステージＩ〜Ｖの加工金型部12〜16を停止さ
せておき、その後、順送り作動毎にステージＩ〜Ｖの各
加工金型部12〜16を上手側から順次作動させて行くもの
である。

本発明に係る送込み装置は、複数のステージＩ〜Ｖを一
定ピッチＰで配列した順送り金型４に、材料１を一定ピ
ッチＰづつ送りながら順次加工を積重ねて行くものにお
いて、順送り金型４の各ステージＩ〜Ｖの加工金型部12
〜16を独立して作動可能に設け、材料１の先端が順送り
金型４の全工程を通過するまでの間、順送り金型４の各
ステージＩ〜Ｖの加工金型部12〜16を停止させておき、
その後、順送り動作毎にステージＩ〜Ｖの各加工金型部
12〜16を上手側から順次作動させるようにすべく、前記
加工金型部12〜16を順送り動作に連動して作動させるた
めの連動手段34〜38を各加工金型部12〜16に夫々解除自
在に設けたものである。

（作用）順送り金型４に材料１の先端を送込む際には、各ステー
ジＩ〜Ｖの連動手段34〜38を解除し、順送り動作があっ
ても、各加工金型部12〜16が作動しない状態にしてお
く。そして、順送り動作により、材料１の先端が順送り
金型４の全工程を通過するまでの間、材料１を一定ピッ
チＰづつ順次送り込んで行く。

材料１の先端が順送り金型４の全工程を通過すると、次
に順送り金型４の各ステージＩ〜Ｖの連動手段34〜38を
順送り動作毎に上手側から順次入れる。すると、順送り
作動毎に各ステージＩ〜Ｖの加工金型部12〜16が順次上
手側から作動し、材料１に所定の加工を施して行く。

これによれば、材料１の先端が順送り金型４の全工程を
通過するまでは、順送り金型４の各ステージＩ〜Ｖにお
いて、材料１に対する加工が行われず、したがって、材
料１の先端部分の非加工部分に「そり」や「ゆがみ」等
の変形が生じない状態で、材料１が順送り金型４内を良
好にくぐり抜けていくため、従来のように材料を手送り
する必要がなく、自動的に材料１の先端が送込まれる。

また、順送り金型４の加工金型部12〜16を上手側から順
次作動させるので、材料１を加工しない状態で送込んで
も、何ら支障なく加工できる。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図及び第２図において、１は帯板状の材料、２はベ
ッド、３はフレームである。４は順送り金型で、複数の
ステージ、例えば第１〜第５ステージＩ〜Ｖを直列状に
備え、材料１を一定ピッチＰづつ送りながら各ステージ
Ｉ〜Ｖで順次加工を積重ねて行くようになっている。即
ち、順送り金型４はベッド２上に固定された下金型５
と、この下金型５の上方に昇降自在に設けられた上金型
６とを備え、これらの下金型５及び上金型６には各ステ
ージＩ〜Ｖ毎に、材料１に対して成形、絞り、曲げ等の
所定の加工を加える加工金型部７〜11、12〜16が上下相
対応するように夫々設けられている。上金型６は各ステ
ージＩ〜Ｖの加工金型部12〜16毎に分割されており、そ
の各加工金型部12〜16が夫々独立して昇降フレーム17〜
21に取付けられている。各昇降フレーム17〜21はその両
端部でベッド２上に立設された各２本のガイド棒22〜26
に支持案内されると共に、各ガイド棒22〜26に套嵌され
たバネ27〜31により上方に付勢されている。32は昇降ヘ
ッドで、上金型６の各昇降フレーム17〜21にわたってそ
の上方に配置されており、この昇降ヘッド32はフレーム
３の昇降ラム33に取付けられている。そして、昇降フレ
ーム17〜21と昇降ヘッド32との間には、昇降ヘッド32の
昇降ストロークよりも若干大きい間隔がとられている。
34〜38は各昇降フレーム17〜21を順送り動作に連動して
作動させるための連動手段で、昇降ヘッド32と各昇降フ
レーム17〜21との間に配置されるストライカ39〜43と、
このストライカ39〜43を出退させるためのシリンダ44〜
48とを備え、シリンダ44〜48の伸縮によりストライカ39
〜43を昇降ヘッド32と各昇降フレーム17〜21間に出退さ
せることによって連動・解除を選択できるようになって
いる。各シリンダ44〜48は昇降ヘッド32に取付けられ、
またストライカ39〜43は昇降ヘッド32の下面に沿って摺
動自在となっている。49はフィードローラ、50はプルフ
ィードローラである。

上記構成において、コイル状に巻取られた材料１を操出
してその先端を順送り金型４に送込むには、先ず材料１
をフィードローラ49に通し、また順送り金型４の各連動
手段34〜38を解除する。この解除は各シリンダ44〜48を
縮め、ストライカ39〜43を昇降ヘッド32と各昇降フレー
ム17〜21との間から抜けば良い。次に順送り動作を開始
すると、昇降ヘッド32はその動作に同期して昇降する
が、各昇降フレーム17〜21との間に、その昇降ストロー
ク以上の間隔があるので、各昇降フレーム17〜21、加工
金型部12〜16は停止したままであり、材料１のみが順次
送られるだけである。そして、材料１の先端がプルフィ
ードローラ50に挿入されるまでこの動作を続ける。

材料１の先端がプルフィードローラ50に挟まれると、今
度は各連動手段34〜38を順送り動作毎に上手側から順次
連動状態に切換えて行く。この時には、シリンダ44〜48
を伸ばし、ストライカ39〜43を昇降ヘッド32と各昇降フ
レーム17〜21との間に介在させれば良い。すると、昇降
ヘッド32が下降した時にストライカ39〜43が昇降フレー
ム17〜21を打撃し下方に押下げるので、上金型６の加工
金型部12〜16が下降する。

先ず第１ステージＩの連動手段34を作動させ、昇降ヘッ
ド32と昇降フレーム17とを連動させると、昇降ヘッド32
の下降時に、上下の下降金型部７〜12が材料１に第１工
程の加工を施す。次に第２ステージIIの連動手段35を作
動させると、次の昇降ヘッド32の下降時に第２ステージ
IIの上下の加工金型部8,13が第１工程での加工済みの部
分に第２工程の加工を施す。同時に、一定ピッチＰだけ
離れた位置に第１ステージＩの加工金型部7,12により第
１工程の加工を施す。

以下、同様に第３〜第５ステージIII〜Ｖの連動手段36
〜38を作動させて行けば、通常の加工動作に移行でき
る。

なお、実施例では、ストライカ39〜43を立方体状に構成
しているが、円柱状、楔状にしても良い。またシリンダ
44〜48に代えてソレノイド等を用いても良い。

更に連動手段34〜38はストライカ39〜43によるものに限
定されず、例えば昇降フレーム17〜21をクランク機構で
駆動するように構成し、その駆動源側にクラッチを介装
したものであっても良い。

（発明の効果）本発明によれば、材料１の先端が順送り金型４の全工程
を通過するまで、順送り金型４の各ステージＩ〜Ｖの加
工金型部12〜16を停止させておき、その後、順送り動作
毎にステージＩ〜Ｖの各加工金型部12〜16を上手側から
順次作動させるようにすることによって、材料１の先端
部分の非加工部分に「そり」や「ゆがみ」等の変形を生
じさせることなく、材料１先端を順送り金型４内に良好
に通過させることができ、従来のように材料の挿入時に
おいて該材料を手送りする必要がなく、自動的に材料１
の先端を送込むことができ、したがって、自動で材料１
を順送り金型４に挿入させ、何ら支障なくそのまま自動
的に連続加工することができ、従来に比べて稼働率が著
しく向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は側面図、第２
図は正面図である。１……材料、４……順送り金型、５……下金型、６……
上金型、７〜11、12〜16……加工金型部、17……昇降フ
レーム、32……昇降ヘッド、39〜43……連動手段、50…
…プルフィードローラ、Ｉ〜Ｖ……ステージ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数のステージ（Ｉ）〜（Ｖ）を一定ピッ
チ（Ｐ）で配列した順送り金型（４）に、材料（１）を
一定ピッチ（Ｐ）づつ送りながら順次加工を積重ねて行
くものにおいて、順送り金型（４）に材料を送込むに際し、材料（１）の
先端が順送り金型（４）の全工程を通過するまでの間、
順送り金型（４）の各ステージ（Ｉ）〜（Ｖ）の加工金
型部（12）〜（16）を停止させておき、その後、順送り
動作毎にステージ（Ｉ）〜（Ｖ）の各加工金型部（12）
〜（16）を上手側から順次作動させて行くことを特徴と
する順送り金型への材料先端送込み方法。
【請求項２】複数のステージ（Ｉ）〜（Ｖ）を一定ピッ
チ（Ｐ）で配列した順送り金型（４）に、材料（１）を
一定ピッチ（Ｐ）づつ送りながら順次加工を積重ねて行
くものにおいて、順送り金型（４）の各ステージ（Ｉ）〜（Ｖ）の加工金
型部（12）〜（16）を独立して作動可能に設け、材料１
の先端が順送り金型４の全工程を通過するまでの間、順
送り金型（４）の各ステージ（Ｉ）〜（Ｖ）の加工金型
部（12）〜（16）を停止させておき、その後、順送り動
作毎にステージ（Ｉ）〜（Ｖ）の各加工金型部（12）〜
（16）を上手側から順次作動させるようにすべく、前記
加工金型部（12）〜（16）を順送り動作に連動して作動
させるための連動手段（34）〜（38）を各加工金型部
（12）〜（16）に夫々解除自在に設けたことを特徴とす
る順送り金型への材料先端送込み装置。