JP2021137815A - プレス型 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持できるプレス型を提供する。【解決手段】上刃11を有する上型1と、下刃21を有する下型2と、上型に懸架されたパッド3と、上型に装着された打ち分けプレート4を介して連動する打ち分け成形パンチ5と、打ち分け成形パンチとパッドとの間に介装された第1の加圧体61を備え、上刃と下刃とが外周部を切断しながら、打ち分け成形パンチと下型との間で、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けできるプレス型10である。打ち分けプレートには、孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチに当接する第1当接部41と、行わないときに当接する第2当接部42とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、プレス型に関し、詳しくは、車両用ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型に関する。
例えば、車両用ルーフパネルには、外形形状が同一のルーフパネルであって、ルーフ上面に、サンルーフ用窓孔が形成されたルーフパネルと、サンルーフ用窓孔が無いルーフパネルとがある。このサンルーフ用窓孔の外縁部には、窓枠部品と接合するための接合フランジが形成されている。
ここで、図8に示すように、従来のプレス加工方法の工程図によれば、サンルーフ用窓孔SMが無いルーフパネルR1の場合、絞成形工程T1と、ルーフ外周部RGを打ち抜く外形抜工程T2と、ルーフ前端部RZとルーフ後端部RKとを寄せ曲げ加工する寄曲げ工程T3と、からなる3工程でプレス加工できるが、サンルーフ用窓孔SMが有るルーフパネルR2の場合、上記絞成形工程T1と、ルーフ外周部RGとサンルーフ用窓孔SMを打ち抜く外形孔抜き加工と、サンルーフ用窓孔SMの接合フランジSGHを曲げ加工するフランジ曲げ加工とを行う外形孔抜き曲げ工程T4と、上記寄曲げ工程T3とからなる3工程でプレス加工する必要があった。そのため、ルーフ外周部RGを打ち抜きながら、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工及びフランジ曲げ加工の打ち分け構造を備えたプレス型が必要となる。例えば、特許文献1には、サンルーフ用窓孔のフランジ曲げ加工の打ち分けに用いることができるプレス型が開示されている。
すなわち、特許文献1には、図9に示すように、上型101に、パッド102と、選択的に上型101に連動する打ち分け成形パンチ103と、を備え、打ち分け成形パンチ103とパッド102との間に、打ち分け成形パンチ103の下降動作を比較的高い効率でパッド102に伝達する第1の弾性体104を介在させ、上型101とパッド102との間に、上型101の下降動作を比較的低い効率でパッド102に伝達する第2の弾性体105を介在させたプレス型100が開示されている。
また、上記プレス型100の上型101には、打ち分け装置106を備えている。打ち分け装置106は、上型101に対する打ち分け成形パンチ103の連動性を制御するものであり、打ち分け成形パンチ103と上型101との間に、打ち分けプレート107をスライド可能に設け、かつ、打ち分け成形パンチ103の上面および打ち分けプレート107の下面に、凹凸部を形成したものである。打ち分けプレート107は上型101によって支持されており、上型101と共に昇降する。
そして、打ち分け成形パンチ103、打ち分けプレート107双方の凸部同士を対面させた状態で、上型101を下降させると、打ち分け成形パンチ103および打ち分けプレート107の凸部同士が当接して、上型101の加工動作を打ち分け成形パンチ103に伝える。これによって、打ち分け成形パンチ103を上型101に連動させて下型108に向かって下降させることが可能となる。
また、打ち分けプレート107をスライドさせて、打ち分け成形パンチ103および打ち分けプレート107の、凹部と凸部とを対面させた場合には、上型101の下降に連動して打ち分けプレート107が下降するが、打ち分け成形パンチ103および打ち分けプレート107の凸部は相手方の凹部に逃げ、上型101の下降動作を打ち分け成形パンチ103に伝えることはない。したがって、上記プレス型100によれば、同一のプレス型にて、サンルーフ用窓孔のフランジ曲げ加工を打ち分けることができる。
特開2002−120023号公報
しかしながら、上記プレス型100は、サンルーフ用窓孔のフランジ曲げ加工を打ち分けるプレス型であるので、ルーフパネルの外周部を抜きながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工を打ち分けることができなかった。
そこで、本出願人は、同一のプレス型で、ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型200を検討した。しかし、以下のような問題があった。
すなわち、上記プレス型200では、図10(A)に示すように、サンルーフ用窓孔有りの場合、パッド202が下型208に接触したときから、上型101とパッド102との間に介在する第2の弾性体205の加圧力P2が、上型201の外周部を上方へ押し上げ、また、パッド202とサンルーフ用窓孔パンチ203との間に介在する第1の弾性体204の加圧力P1が、打ち分けプレート207を介して上型201に直接作用して、上型201の中央部をより強く上方へ押し上げることになる。そして、上型201の中央部が上方へより強く押し上げられると、上型201の外周側下端部が内方へ倒れ込み、上型201の外周側下端部に形成された外周抜きの抜き刃(上刃)201aと下型208の外周側に形成された外周抜きの抜き刃(下刃)208aとの抜クリアランスd1が過剰に狭くなる。
一方、図10(B)に示すように、サンルーフ用窓孔無しの場合、パッド202が下型208に接触したときから、上型101とパッド102との間に介在する第2の弾性体205の加圧力P2が、上型201の外周部を上方へ押し上げるが、パッド202とサンルーフ用窓孔パンチ203との間に介在する第1の弾性体204の加圧力P1は、パッド202が下型208に接触しても、サンルーフ用窓孔パンチ203と打ち分けプレート207とが離間しているので、上型201に作用せず、上型201の中央部を上方へ押し上げることには、ならない。そのため、上型201の外周側下端部は、内方へ殆ど倒れ込まず、上刃201aと下刃208aとの抜クリアランスd1の変化は、殆ど生じない。
したがって、サンルーフ用窓孔有りの場合とサンルーフ用窓孔無しの場合とで、外周抜きの抜クリアランスd1が大幅に相違することになる。例えば、サンルーフ用窓孔有り場合で、外周抜きの抜クリアランスd1を適正クリアランスに設定すると、サンルーフ用窓孔無しの場合には、外周抜きの抜クリアランスd1が大きくなり過ぎて、ルーフ外周部の抜きバリが大きくなるという問題があった。その逆に、サンルーフ用窓孔無しの場合で、外周抜きの抜クリアランスd1を適正クリアランスに設定すると、サンルーフ用窓孔有りの場合には、外周抜きの抜クリアランスd1が小さくなり過ぎて、ルーフ外周部の抜き刃の欠損等が生じやすいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、車両用ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持できるプレス型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るプレス型は、次のような構成を有している。
(1)外周側下端部に切断用の上刃を有する上型と、前記上刃と噛み合って車両用ルーフパネルの外周部を切断する下刃を有する下型と、前記上型に懸架されたパッドと、前記上型に横スライド可能に装着された打ち分けプレートと、当該打ち分けプレートを介して前記上型に連動する打ち分け成形パンチと、当該打ち分け成形パンチと前記パッドとの間に介装された第1の加圧体とを備え、前記上刃と前記下刃とが噛み合って前記車両用ルーフパネルの外周部を切断しながら、前記打ち分け成形パンチと前記下型との間で、接合フランジを有するサンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型であって、
前記打ち分け成形パンチには、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き上刃とフランジ曲げ上刃とを備え、
前記下型には、前記孔抜き上刃と噛み合って前記接合フランジの先端部を切断する孔抜き下刃と、前記フランジ曲げ上刃と噛み合って前記接合フランジを基端部から下方に折り曲げるフランジ曲げ下刃とを備え、
前記打ち分けプレートには、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに前記打ち分け成形パンチに当接する第1当接部と、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに前記打ち分け成形パンチに当接する第2当接部と、を備えていることを特徴とする。
本発明においては、打ち分け成形パンチには、サンルーフ用窓孔の孔抜き上刃とフランジ曲げ上刃とを備え、下型には、孔抜き上刃と噛み合って接合フランジの先端部を切断する孔抜き下刃と、フランジ曲げ上刃と噛み合って接合フランジを基端部から下方に折り曲げるフランジ曲げ下刃とを備え、また、打ち分けプレートには、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチに当接する第1当接部と、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに打ち分け成形パンチに当接する第2当接部と、を備えているので、車両用ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができる。
また、打ち分けプレートには、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチに当接する第1当接部と、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに打ち分け成形パンチに当接する第2当接部と、を備えているので、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッドが下型に接触したときから、第1の加圧体の加圧力が、打ち分けプレートの第1当接部又は第2当接部を介して上型の中央部にそれぞれ作用して、上型の中央部を上方へ押し上げることになる。そして、上型の中央部が上方へ押し上げられると、上型の外周側下端部が内方へ倒れ込み、上型の外周側下端部に形成された上刃と下型に形成された下刃との間の外周抜きの抜クリアランスが同程度に狭くなる。そのため、狭くなった状態で外周抜きの抜きクリアランスを適正値に設定すればよく、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持させることができる。
よって、本発明によれば、ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持できるプレス型を提供することができる。
(2)(1)に記載されたプレス型において、
前記第1の加圧体は、所定の加圧力でピストンロッドが進退する圧力シリンダであることを特徴とする。
本発明においては、第1の加圧体は、所定の加圧力でピストンロッドが進退する圧力シリンダであるので、第1の加圧体は、ピストンロッドのストローク量の違いによる加圧力の変化が少ない。そのため、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッドが下型に接触したときから加工完了する下死点まで、第1の加圧体が、略一定の加圧力で上型の中央部を上方へ押圧する。したがって、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを抜き加工開始から抜き加工完了まで適正な値に保持できる。
(3)(1)又は(2)に記載されたプレス型において、
前記上型と前記パッドとの間には、第2の加圧体が介装され、
前記第2の加圧体は、前記上型1の上端部に形成された貫通孔から挿入可能に形成され、前記上端部に締結されていることを特徴とする。
本発明においては、上型とパッドとの間には、第2の加圧体が介装され、第2の加圧体は、上型の上端部に形成された貫通孔から挿入可能に形成され、上端部に締結されているので、第1の加圧体を装着したパッドを上型に懸架した状態で、第2の加圧体を上型の上端部に形成された貫通孔から挿入して、上型の上端部に固定させることができる。そのため、第1の加圧体と第2の加圧体とをパッドや上型に簡単に組付けることができる。したがって、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持しつつ、プレス型の分解組付け時の手間を省くことができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載されたプレス型において、
前記打ち分けプレートには、前記打ち分け成形パンチの上方で、井桁状に形成された支持枠を備え、当該支持枠を前記打ち分け成形パンチの外周側に延設して、その外周側の支持枠に前記第1当接部と前記第2当接部とをそれぞれ略等間隔に設けたことを特徴とする。
本発明においては、打ち分けプレートには、前記打ち分け成形パンチの上方で、井桁状に形成された支持枠を備え、当該支持枠を前記打ち分け成形パンチの外周側に延設して、その外周側の支持枠に前記第1当接部と前記第2当接部とをそれぞれ略等間隔に設けたので、第1の加圧体の各加圧力が、打ち分け成形パンチの外周側でパッドに対して略均等に作用させることができる。そのため、サンルーフ用窓孔のフランジ曲げ加工時において、ルーフ上面に生じる歪を効果的に抑制しつつ、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持することができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載されたプレス型において、
前記打ち分け成形パンチには、切断された窓孔スクラップの払い部材を前記サンルーフ用窓孔の孔抜き上刃より窓内方に備え、
前記下型には、前記サンルーフ用窓孔の曲げ加工された接合フランジを上方に持ち上げるサブリフタを備えていることを特徴とする。
本発明においては、打ち分け成形パンチには、切断された窓孔スクラップの払い部材をサンルーフ用窓孔の孔抜き上刃より窓内方に備え、下型には、サンルーフ用窓孔の曲げ加工された接合フランジを上方に持ち上げるサブリフタを備えているので、サンルーフ用窓孔有りの場合における窓孔スクラップを、払い部材によって下型の孔抜き下刃の上面に残置させると共に、フランジ曲げ加工後のルーフパネルをサブリフタ等によって下型から離間した位置に持ち上げることができる。そのため、窓孔スクラップとフランジ曲げ加工後の車両用ルーフパネルとを、互いに分離した状態で同時に後工程に搬送して、後工程にて窓孔スクラップを簡単に処理することができる。その結果、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持させつつ、窓孔スクラップの処理の簡素化も行うことができる。
本発明によれば、ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスを適正な値に保持できるプレス型を提供することができる。
本発明の実施形態に係るプレス型によって成形する車両用ルーフパネルの概略斜視図である。 本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの下死点の状態で、図1に示すA−A断面で切断した断面図である。 本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの下死点の状態で、図1に示すB−B断面で切断した断面図である。 本発明の実施形態に係るプレス型の上型断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの上死点の状態で、図1に示すA断面で切断した断面図である。 本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔無しの下死点の状態で、図1に示すA断面で切断した断面図である。 図4に示す上型で、パッドと打ち分け成形パンチとを取り外した状態の部分斜視図である。 本発明の実施形態に係るプレス型と改善前のプレス型を用いて、外周抜きの抜きクリアランスを、サンルーフ用窓孔有り無しの場合で比較した測定グラフである。 車両用ルーフパネルにおいてサンルーフ用窓孔の有り無しを打ち分ける従来のプレス加工方法の工程説明図である。 特許文献1に記載されたサンルーフ用窓孔のフランジ曲げ加工を打ち分けるプレス型の概略断面図である。 図9に示すプレス型を、ルーフ外周部の抜き加工が可能なように改善した場合において、外周抜きの抜きクリアランスの変化を説明するプレス型の断面図であって、(A)はサンルーフ用窓孔有りの場合のプレス型の断面図を示し、(B)はサンルーフ用窓孔無しの場合のプレス型の断面図を示す。
次に、本発明の実施形態に係るプレス型について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係るプレス型の構造の一例を説明し、その後、本プレス型と改善前のプレス型を用いて、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けたときの外周抜きの抜きクリアランスの測定結果を説明する。
<本プレス型の構造の一例>
まず、本実施形態のプレス型の構造の一例について、図1〜図6を用いて詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態に係るプレス型によって成形した車両用ルーフパネルの概略斜視図を示す。図2に、本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの下死点の状態で、図1に示すA−A断面で切断した断面図を示す。図3に、本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの下死点の状態で、図1に示すB−B断面で切断した断面図を示す。図4に、本発明の実施形態に係るプレス型の上型断面図であって、サンルーフ用窓孔有りの上死点の状態で、図1に示すA断面で切断した断面図を示す。図5に、本発明の実施形態に係るプレス型の断面図であって、サンルーフ用窓孔無しの下死点の状態で、図1に示すA断面で切断した断面図を示す。図6に、図4に示す上型で、パッドと打ち分け成形パンチとを取り外した状態の部分斜視図を示す。
(車両用ルーフパネルの構造)
本プレス型10によって形成した車両用ルーフパネルRは、図1に示すように、所定の薄鋼板を絞り成形した絞りパネルWのルーフ外周部RGを切断したパネルである。本車両用ルーフパネルRには、ルーフ上面RJにサンルーフ用窓孔SMが形成されていないルーフパネルR1と、ルーフ上面RJにサンルーフ用窓孔SMが形成されているルーフパネルR2とを有する。上記薄鋼板の板厚は、0.7〜0.8mm程度である。
ここでは、サンルーフ用窓孔SMは、ルーフ上面RJの車幅方向中央部に2つ備えている。すなわち、車幅方向中央部で前後方向中間位置に形成された後窓孔SM1と、車幅方向中央部でパネル前端側に形成された前窓孔SM2とを備えている。サンルーフ用窓孔有りの場合には、両方の窓孔SM1、SM2が共に形成され、サンルーフ用窓孔無しの場合には、両方の窓孔SM1、SM2が共に形成されない。なお、サンルーフ用窓孔SMは、1つの場合もある。
各サンルーフ用窓孔SM(SM1、SM2)は、平面視で略矩形状に形成され、図示しない窓枠部材と接合する接合フランジSGH(SGH1、SGH2)が形成されている。接合フランジSGHは、ルーフ上面RJから下方へ垂直状に折り曲げて形成されている。また、接合フランジSGHのフランジ幅は、略一定であるが、窓孔コーナ部のフランジ幅のみ、短く形成されている。また、サンルーフ用窓孔SMが形成されないルーフ上面RJの後端側には、適宜な間隔で補強ビードHBが形成されている。
(本プレス型の構造)
本プレス型10は、図2〜図6に示すように、外周側下端部12に切断用の上刃11を有する上型1と、上刃11と噛み合って車両用ルーフパネルRの外周部RGを切断する下刃21を有する下型2と、上型1に懸架されたパッド3と、上型1に横スライド可能に装着された打ち分けプレート4と、当該打ち分けプレート4を介して上型1に連動する打ち分け成形パンチ5と、当該打ち分け成形パンチ5とパッド3との間に介装された第1の加圧体61とを備え、上刃11と下刃21とが噛み合って車両用ルーフパネルRの外周部RGを切断しながら、打ち分け成形パンチ5と下型2との間で、接合フランジSGHを有するサンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型である。
なお、パッド3には、上刃11の抜き線に沿って形成された縦壁部31と、縦壁部31の下端部に形成されルーフ上面RJを押圧する押圧部32とを備えている。また、打ち分け成形パンチ5には、その成形部54に沿って形成された縦壁部55を備え、縦壁部55の上端部551には、横板561と縦板562とからなり逆L字状断面の受圧ブロック56が連結されている。第1の加圧体61は、受圧ブロック56の横板561を上方へ加圧する位置で、パッド3の押圧部32の上端面に固定されている。
また、上型1とパッド3との間には、パッド3を下方へ押圧する第2の加圧体62が介装されている。第2の加圧体62は、パッド3の縦壁部31の上端面を下方へ加圧する位置で、上型1の上端部13に固定されている。また、上型1の外周側縦壁部16には、パッド3の縦壁部31に形成された係合溝311と係合し、パッド3を懸架するサイドピン15が装着されている。係合溝311の上下長さは、上下動するパッド3のストローク量PSTに対応して設定されている。なお、第1の加圧体61と第2の加圧体62は、上型1が上死点で、パッド3がサイドピン15に当接している状態では、その各加圧力P1、P2が上型1及びパッド3に作用しないように形成されている。
また、打ち分け成形パンチ5には、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51とフランジ曲げ上刃52とを備え、下型2には、孔抜き上刃51と噛み合って接合フランジSGHの先端部を切断する孔抜き下刃22と、フランジ曲げ上刃52と噛み合って接合フランジSGHを基端部から下方に折り曲げるフランジ曲げ下刃23とを備えている。
ここで、孔抜き上刃51とフランジ曲げ上刃52は、打ち分け成形パンチ5の成形部54に、互いに隣接して形成されている。また、孔抜き上刃51は、フランジ曲げ上刃52がルーフ上面RJに当接する以前に、接合フランジSGHの先端部を切断するように、フランジ曲げ上刃52より僅かに下方へ突出して形成されている。そのため、孔抜き上刃51と孔抜き下刃22とが噛み合って接合フランジSGHの先端部を切断した後、引き続いてフランジ曲げ上刃52とフランジ曲げ下刃23とが噛み合って、先端部が切断された接合フランジSGHを基端部から下方に折り曲げることができる。
また、打ち分けプレート4には、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチ5に当接する第1当接部41と、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに打ち分け成形パンチ5に当接する第2当接部42と、を備えている。打ち分けプレート4の上端面431は、上型1に形成された案内面131に沿って水平方向に摺接可能に形成されている。また、打ち分けプレート4の上端面431に対する第1当接部41の下方への突出量t1は、同上端面431に対する第2当接部の下方への突出量t2より、大きく形成されている。
第1当接部41と第2当接部42とにおける、上記突出量の差(t1−t2)に基づいて、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときには、孔抜き上刃51とフランジ曲げ上刃52が、パッド3の押圧部32より下方へ突出するが、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときには、孔抜き上刃51とフランジ曲げ上刃52が、パッド3の押圧部32より下方へ突出しない。そのため、車両用ルーフパネルRの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができる。
また、打ち分けプレート4の第1当接部41と第2当接部42は、打ち分け成形パンチ5の受圧ブロック56の横板561に当接する。また、第1の加圧体61は、受圧ブロック56の横板561を上方へ加圧する位置で、パッド3の押圧部32の上端面に固定されている。
そのため、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッド3が下型2に接触したときから、第1の加圧体61の加圧力P1が、上型1の中央部にそれぞれ作用して、上型1の中央部を上方へ押し上げることになる。
すなわち、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行う場合には、パッド3が下型2に接触したときから、第1の加圧体61の加圧力P1aは、受圧ブロック56の横板561と打ち分けプレート4の第1当接部41とを介して、上型1の中央部に作用する。また、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わない場合には、パッド3が下型2に接触したときから、第1の加圧体61の加圧力P1bは、受圧ブロック56の横板561と打ち分けプレート4の第2当接部42とを介して、上型1の中央部に作用する。
そして、上型1の中央部が上方へ押し上げられると、上型1の外周側下端部12が内方へ倒れ込み、上型1の外周側下端部12に形成された上刃11と下型2に形成された下刃21との間の外周抜きの抜クリアランスd1が同程度に狭くなる。そのため、狭くなった状態で外周抜きの抜きクリアランスd1を適正値に設定すればよく、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持させることができる。
また、第1の加圧体61は、所定の加圧力P1でピストンロッド611が進退する圧力シリンダ61Tであることが好ましい。この場合、第1の加圧体61は、ピストンロッド611のストローク量の違いによる加圧力の変化が少ない。そのため、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッド3が下型2に接触したときから加工完了する下死点まで、第1の加圧体61が、略一定の加圧力で上型1の中央部を上方へ押圧する。したがって、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を抜き加工開始から抜き加工完了まで適正な値に保持できる。なお、圧力シリンダ61Tには、例えば、窒素ガス等が封入されたガスシリンダが該当する。
また、第2の加圧体62は、上型1の外周側で上端部13に形成された貫通孔14から挿入可能に形成され、上端部13に締結されていることが好ましい。この場合、第1の加圧体61を装着したパッド3を上型1に懸架した状態で、第2の加圧体62を上型1の上端部13に形成された貫通孔14から挿入して、上型1の上端部13に固定させることができる。そのため、第1の加圧体61と第2の加圧体62とをパッド3や上型1に簡単に組付けることができる。したがって、外周抜きの抜クリアランスd1を抜き加工開始から抜き加工完了まで適正な値に保持しつつ、プレス型10の分解組付け時の手間を省くことができる。なお、第2の加圧体62は、第1の加圧体61と同様に、所定の加圧力P2でピストンロッド612が進退する圧力シリンダ62Tであることが好ましい。
また、打ち分けプレート4には、打ち分け成形パンチ5の上方で、井桁状に形成された支持枠43を備え、井桁状に形成された支持枠43を打ち分け成形パンチ5の外周側に延設して、その外周側の支持枠43に第1当接部41と第2当接部42とをそれぞれ略等間隔に設けたことが好ましい。この場合、複数の第1の加圧体61の各加圧力P1が、打ち分け成形パンチ5の外周側でパッド3に対して略均等に作用して、サンルーフ用窓孔SMのフランジ曲げ加工時において、ルーフ上面に生じる歪を効果的に抑制しつつ、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持することができる。
さらに、上型1には、打ち分け成形パンチ5を上下方向にガイドするガイドポスト161を避けた位置で、井桁状に形成された支持枠43の中心部に連結された駆動機構44を備えていることが好ましい。この場合、打ち分け成形パンチ5の外周側で略等間隔に設けた複数の第1当接部41と第2当接部42とを、1つの駆動機構44によって同時に切り替えることができる。そのため、サンルーフ用窓孔SMの打ち分けに伴う段取り工数を低減できると共に、打ち分け構造の簡素化を図ることができる。駆動機構44は、特に限定する必要はないが、例えば、支持枠43に連結したシリンダロッドを進退させるエアシリンダ等が該当する。なお、駆動機構44が故障した場合等に備えて、支持枠43には、上型1の外周側縦壁部16の外方から操作可能に形成された手動操作レバー45を設けても良い。
また、打ち分け成形パンチ5には、切断された窓孔スクラップSCの払いピン53をサンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51より窓内方に備え、下型2には、サンルーフ用窓孔SMの曲げ加工された接合フランジSGHを上方に持ち上げるサブリフタ24を備えていることが好ましい。この場合、サンルーフ用窓孔SM有りの場合における窓孔スクラップSCを、払いピン53によって下型2の孔抜き下刃22の上面に残置させることができると共に、フランジ曲げ加工後の車両用ルーフパネルRをサブリフタ24等によって下型2から離間した位置に持ち上げることができる。そのため、窓孔スクラップSCとフランジ曲げ加工後の車両用ルーフパネルRとを、バキュームカップ等によって吸着させて、互いに分離した状態で同時に後工程に搬送できる。
そして、例えば、後工程には、曲げ加工後の車両用ルーフパネルRを載置させる簡易治具を設けて、窓孔スクラップSCのみを、スクラップシュートでスクラップ処理コンベア等へ流し込むことによって、窓孔スクラップSCを簡単に処理することができる。その結果、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持させつつ、窓孔スクラップSCの処理の簡素化にも寄与できる。
<外周抜きの抜クリアランスの測定結果>
次に、本実施形態のプレス型と改善前のプレス型を用いて、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けたときの外周抜きの抜クリアランスの測定結果を、図7を用いて説明する。図7に、本発明の実施形態に係るプレス型と改善前のプレス型を用いて、外周抜きの抜クリアランスを、サンルーフ用窓孔有り無しの場合で比較した測定グラフを示す。
図7に示す測定グラフでは、縦軸に外周抜きの抜クリアランスd1を示し、横軸にプレス方向に下降する上型の下降位置を示す。また、図7に示す抜クリアランスd1の測定グラフは、以下の方法で計測した。すなわち、プレス機の上下動するスライドの下面に上型1を固定し、スライドと対向するボルスタの上面に下型2を固定する。またスライドの下面には、上型1の外周側下端部12の水平方向の変位を測定する電気式ダイヤルゲージを備えた測定装置を固定する。この状態で、スライドを下降させて下型に載置した絞りパネルWを加工する。電気式ダイヤルゲージの変位量は、スライドの下降位置に対応した抜クリアランスd1の値として記録される。
図7に示すように、本プレス型10において、サンルーフ有(サンルーフ用窓孔有り)の場合、上型1が下降し、パッド3が下型2に接触したときから、抜クリアランスd1の値が、小さくなる方向へ大きく変位した。その後、抜クリアランスd1の値は、加工完了まで略一定で推移した。
この理由は、以下のように考えられる。すなわち、パッド3が下型2に接触したことによって、第1の加圧体61の加圧力P1が受圧ブロック56と打ち分けプレート4の第1当接部41とを介して上型1の中央部に直接作用し、上型1の中央部が上方へ持ち上げられ、その結果、上型1の外周側下端部12に形成された上刃11が、下型2の下刃21に大きく近接したことよると考えられる。
また、本プレス型10において、サンルーフ無(サンルーフ用窓孔無し)の場合、パッド3が下型2に接触したときには、抜クリアランスd1の値が、殆ど変化しないが、上型1が更に下降した段階で、抜クリアランスd1の値が、サンルーフ有(サンルーフ用窓孔有り)の場合より僅かに大きいものの、小さくなる方向へ大きく変位した。その後、抜クリアランスd1の値は、加工完了まで略一定で推移した。
この理由は、以下のように考えられる。すなわち、パッド3が下型2に接触した段階では、受圧ブロック56と打ち分けプレート4の第2当接部42との間に隙間(第1当接部41と第2当接部との突出量の差=t1−t2)があるので、第1の加圧体61の加圧力P1が上型1の中央部に直接作用しないが、スライドが更に下降した段階では、その隙間が無くなり、第1の加圧体61の加圧力P1が受圧ブロック56と打ち分けプレート4の第2当接部42とを介して上型1の中央部に直接作用する。そのため、上型1の中央部が上方へ持ち上げられて、上型1の外周側下端部12に形成された上刃11が、下型2の下刃21に大きく近接したことによると考えられる。
なお、サンルーフ有(サンルーフ用窓孔有り)の場合より、サンルーフ無(サンルーフ用窓孔無し)の場合の方が、抜クリアランスd1の値が僅かに大きい結果となった理由は、第1当接部41と第2当接部との突出量の差(t1−t2)に伴って、第1の加圧体61におけるシリンダ内圧(ガス圧)の上昇に僅かな差が生じたものと考えられる。
しかし、サンルーフ用窓孔有りとサンルーフ用窓孔無しにおける抜クリアランスd1の差△d1は、僅かな値(0.01〜0.02mm程度)であり、例えば、板厚0.7mmの薄鋼板の適正クリアランス(0.07〜0.11mm程度)の範囲内に入るので、本プレス型10の外周抜きの抜クリアランスd1を、サンルーフ用窓孔有りとサンルーフ用窓孔無しの両方における適正な抜クリアランスとして設定することができる。
これに対して、改善前のプレス型では、図7に示すように、サンルーフ無(サンルーフ用窓孔無し)の場合、パッド3が下型2に接触したときに、抜クリアランスd1の値が、僅かに小さくなるが、その後、抜クリアランスの値は、加工完了まで略一定で推移した。その結果、サンルーフ有(サンルーフ用窓孔有り)とサンルーフ無(サンルーフ用窓孔無し)の抜クリアランスの差△d2(0.06mm程度)は、本プレス型10の場合の抜クリアランスd1の差△d1(0.01〜0.02mm程度)に比較して、大幅に増大される。
以上の測定結果から、本プレス型10によれば、車両用ルーフパネルRの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持できるが、改善前のプレス型では、それが困難であることを確認することができた。
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係るプレス型10によれば、打ち分け成形パンチ5には、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51とフランジ曲げ上刃52とを備え、下型2には、孔抜き上刃51と噛み合って接合フランジSGHの先端部を切断する孔抜き下刃22と、フランジ曲げ上刃52と噛み合って接合フランジSGHを基端部から下方に折り曲げるフランジ曲げ下刃23とを備え、また、打ち分けプレート4には、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチ5に当接する第1当接部41と、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに打ち分け成形パンチ5に当接する第2当接部42と、を備えているので、車両用ルーフパネルRの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができる。
また、打ち分けプレート4には、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに打ち分け成形パンチ5に当接する第1当接部41と、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに打ち分け成形パンチ5に当接する第2当接部42と、を備えているので、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッド3が下型2に接触したときから、第1の加圧体61の加圧力P1(P1a、P1b)が、上型1の中央部にそれぞれ作用して、上型1の中央部を上方へ押し上げることになる。そして、上型1の中央部が上方へ押し上げられると、上型1の外周側下端部12が内方へ倒れ込み、上型1の外周側下端部12に形成された上刃11と下型2に形成された下刃21との間の外周抜きの抜クリアランスd1が同程度に狭くなる。そのため、狭くなった状態で外周抜きの抜きクリアランスd1を適正値に設定すればよく、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持させることができる。
よって、本実施形態によれば、車両用ルーフパネルRの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができると共に、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持できるプレス型10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、第1の加圧体61は、所定の加圧力P1でピストンロッド611が進退する圧力シリンダ61Tであるので、加圧体61は、ピストンロッド611のストローク量の違いによる加圧力の変化が少ない。そのため、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うか、行わないかに関わらず、パッド3が下型2に接触したときから加工完了する下死点まで、第1の加圧体61が、略一定の加圧力で上型1の中央部を上方へ押圧する。したがって、上記打ち分けの有無に関わらず、外周抜きの抜クリアランスd1を抜き加工開始から抜き加工完了まで適正な値に保持できる。
また、本実施形態によれば、上型1とパッド3との間には、第2の加圧体62が介装され、第2の加圧体62は、上型1の上端部13に形成された貫通孔14から挿入可能に形成され、上端部13に締結されているので、第1の加圧体61を装着したパッド3を上型1に懸架した状態で、第2の加圧体62を上型1の上端部13に形成された貫通孔14から挿入して、上型1の上端部13に固定させることができる。そのため、第1の加圧体61と第2の加圧体62とをパッド3や上型1に簡単に組付けることができる。したがって、外周抜きの抜クリアランスd1を抜き加工開始から抜き加工完了まで適正な値に保持しつつ、プレス型10の分解組付け時の手間を省くことができる。
また、本実施形態によれば、打ち分けプレート4には、打ち分け成形パンチ5の上方で、井桁状に形成された支持枠43を備え、当該支持枠43を打ち分け成形パンチ5の外周側に延設して、その外周側の支持枠431に第1当接部41と第2当接部42とをそれぞれ略等間隔に設けたので、複数の第1の加圧体61の各加圧力P1を、打ち分け成形パンチ5の外周側でパッド3に対して略均等に作用させることができる。そのため、サンルーフ用窓孔SMのフランジ曲げ加工時において、ルーフ上面に生じる歪を効果的に抑制しつつ、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持することができる。
また、上型1には、支持枠43の中心部に連結された駆動機構44を備えているので、打ち分け成形パンチ5の外周側で略等間隔に設けた複数の第1当接部41と第2当接部42とを、1つの駆動機構44によって同時に切り替えることができる。そのため、サンルーフ用窓孔SMの打ち分けに伴う段取り工数を低減できると共に、打ち分け構造の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、打ち分け成形パンチ5には、切断された窓孔スクラップSCの払いピン53をサンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51より窓内方に備え、下型2には、サンルーフ用窓孔SMの曲げ加工された接合フランジSGHを上方に持ち上げるサブリフタ24を備えているので、サンルーフ用窓孔有りの場合における窓孔スクラップSCを、払いピン53によって下型2の孔抜き下刃22の上面に残置させると共に、フランジ曲げ加工後のルーフパネルRをサブリフタ等によって下型2から離間した位置に持ち上げることができる。そのため、窓孔スクラップSCとフランジ曲げ加工後の車両用ルーフパネルRとを、互いに分離した状態で同時に後工程に搬送して、後工程にて窓孔スクラップSC簡単に処理することができる。その結果、外周抜きの抜クリアランスd1を適正な値に保持させつつ、窓孔スクラップSCの処理の簡素化も行うことができる。
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。例えば、本実施形態では、打ち分け成形パンチ5には、切断された窓孔スクラップSCの払い部材として払いピン53をサンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51より窓内方に備えている。しかし、払い部材は、必ずしも、払いピン53に限る必要はない。例えば、サンルーフ用窓孔SMの孔抜き上刃51の抜き線に沿って、ルーフ上面RJに当接するウレタン又はゴム部材を、打ち分け成形パンチ5に装着させても良い。
本発明は、車両用ルーフパネルの外周抜きを行いながら、サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型として利用できる。
1 上型
2 下型
3 パッド
4 打ち分けプレート
5 打ち分け成形パンチ
10 プレス型
11 上刃
12 外周側下端部
13 上端部
14 貫通孔
21 下刃
22 孔抜き下刃
23 フランジ曲げ下刃
24 サブリフタ
41 第1当接部
42 第2当接部
43 支持枠
51 孔抜き上刃
52 フランジ曲げ上刃
53 払い部材(払いピン)
61 第1の加圧体
61T 圧力シリンダ
62 第2の加圧体
611 ピストンロッド
R 車両用ルーフパネル
RG 外周部
SC 窓孔スクラップ
SGH 接合フランジ
SM サンルーフ用窓孔
d1 抜クリアランス

Claims (5)

  1. 外周側下端部に切断用の上刃を有する上型と、前記上刃と噛み合って車両用ルーフパネルの外周部を切断する下刃を有する下型と、前記上型に懸架されたパッドと、前記上型に横スライド可能に装着された打ち分けプレートと、当該打ち分けプレートを介して前記上型に連動する打ち分け成形パンチと、当該打ち分け成形パンチと前記パッドとの間に介装された第1の加圧体とを備え、前記上刃と前記下刃とが噛み合って前記車両用ルーフパネルの外周部を切断しながら、前記打ち分け成形パンチと前記下型との間で、接合フランジを有するサンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を同時に打ち分けることができるプレス型であって、
    前記打ち分け成形パンチには、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き上刃とフランジ曲げ上刃とを備え、
    前記下型には、前記孔抜き上刃と噛み合って前記接合フランジの先端部を切断する孔抜き下刃と、前記フランジ曲げ上刃と噛み合って前記接合フランジを基端部から下方に折り曲げるフランジ曲げ下刃とを備え、
    前記打ち分けプレートには、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行うときに前記打ち分け成形パンチに当接する第1当接部と、前記サンルーフ用窓孔の孔抜き加工とフランジ曲げ加工の両方を行わないときに前記打ち分け成形パンチに当接する第2当接部と、を備えていることを特徴とするプレス型。
  2. 請求項1に記載されたプレス型において、
    前記第1の加圧体は、所定の加圧力でピストンロッドが進退する圧力シリンダであることを特徴とするプレス型。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたプレス型において、
    前記上型と前記パッドとの間には、第2の加圧体が介装され、
    前記第2の加圧体は、前記上型の上端部に形成された貫通孔から挿入可能に形成され、前記上端部に締結されていることを特徴とするプレス型。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたプレス型において、
    前記打ち分けプレートには、前記打ち分け成形パンチの上方で、井桁状に形成された支持枠を備え、当該支持枠を前記打ち分け成形パンチの外周側に延設して、その外周側の支持枠に前記第1当接部と前記第2当接部とをそれぞれ略等間隔に設けたことを特徴とするプレス型。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載されたプレス型において、
    前記打ち分け成形パンチには、切断された窓孔スクラップの払い部材を前記サンルーフ用窓孔の孔抜き上刃より窓内方に備え、
    前記下型には、前記サンルーフ用窓孔の曲げ加工された接合フランジを上方に持ち上げるサブリフタを備えていることを特徴とするプレス型。
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