JPH0762897A - 建物の下部増築工法 - Google Patents

建物の下部増築工法

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JPH0762897A
JPH0762897A JP21643093A JP21643093A JPH0762897A JP H0762897 A JPH0762897 A JP H0762897A JP 21643093 A JP21643093 A JP 21643093A JP 21643093 A JP21643093 A JP 21643093A JP H0762897 A JPH0762897 A JP H0762897A
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JP
Japan
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existing
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building
skeleton
extension
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JP21643093A
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English (en)
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Satoshi Fujiwara
智 藤原
Hitoshi Kishimoto
均 岸本
Makoto Nagao
眞 永尾
Eiji Miyajima
栄二 宮嶋
Seiichi Nasu
誠一 那須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存躯体に対する増築による重量増加をなく
して既存躯体の耐震補強を不要にし、これにより既存住
空間の確保、工費節減、工期の短縮を図り、さらに他の
住居に長期間仮住まいすることも不要にすることができ
る建物の下部増築工法を提供しようとするものである。 【構成】 建屋を構成する既存躯体1aとこれを支持す
る既存基礎2とを分離する工程と、前記既存基礎2を利
用し、前記既存躯体1aを支持構造材4により支持しつ
つその既存躯体1aをジャッキアップする工程と、前記
既存基礎2を補強するための増築基礎5を施工する工程
と、これら増築基礎5および既存基礎2と前記既存躯体
1aとの間に増築躯体6を施工する工程と、この増築躯
体6と前記増築基礎5および既存基礎2との間に免震装
置7を設置する工程とを備えていることを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建屋とこれを支持する
基礎を備える既存の建物の下部にさらに増築部分を施工
する技術として利用した場合に好適な建物の下部増築工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばアパートやマンションなどの集合
住宅、あるいはテナントなどの建物においては、建物の
老巧化や機能不足および使い勝手の悪さなどから、居住
者にとっては住みにくいものが多くなってきている。特
に、昭和30年〜40年代に建築された集合住宅では、
古い上に床面積の狭いタイプのものが多く、建て替えの
必要性が高い。しかし、実際は工事費用の面、および工
事中の仮住まいの費用の面などから、なかなか実現しな
いのが現実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような既
存の建物に増築を行う方法があるが、これには以下のよ
うな課題が存する。既存の建物に増築を行う場合には、
増築に伴う重量増加のために、その建屋を構成する躯
体、並びに基礎などの既存部分に対して多大な耐震補強
工事が必要となる。即ち、この補強工事は、単に増築分
の重量増加に基づく長期鉛直荷重に対する補強だけでな
く、地震等に対する耐震補強工事も併せて必要となり、
このため、建屋自体の壁厚の増大、補強フレームの追加
など、貴重な住空間を狭めることとなってしまう問題が
ある。さらに、補強工事が大掛かりになるために工費の
増大や工期の長期化を招く問題もある。
【0004】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、建屋を構成する既存躯体の下に増築躯体を
施工するとともにこの増築時に免震装置を設置する工法
を採用することにより、既存躯体に対する増築による重
量増加をなくして既存躯体の耐震補強を不要にし、これ
により既存住空間の確保、工費節減、工期の短縮を図
り、さらに他の住居に長期間仮住まいすることも不要に
することができる建物の下部増築工法を提供しようとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建屋とこれを支持する基礎を備える建物の下部増築工法
であって、建屋を構成する既存躯体とこれを支持する既
存基礎とを分離する工程と、前記既存基礎を利用し、前
記既存躯体を支持構造材により支持しつつその既存躯体
をジャッキアップする工程と、前記既存基礎を補強する
ための増築基礎を施工する工程と、これら増築基礎およ
び既存基礎と前記既存躯体との間に増築躯体を施工する
工程と、この増築躯体と前記増築基礎および既存基礎と
の間に免震装置を設置する工程とを備えていることを特
徴としている。
【0006】
【作用】請求項1記載の発明では、建物の増築に際し
て、建屋を構成する既存躯体と既存基礎とを分離し、支
持構造体で既存躯体を支持しつつその既存躯体をジャッ
キアップすることにより、既存基礎と既存躯体との間に
増築基礎および増築躯体を施工するための工事スペース
を確保することが可能になる。そして増築基礎の施工に
より既存基礎が実質的に補強された形態となる。それら
の基礎と既存躯体との間に増築躯体を施工し、さらにこ
の増築躯体と基礎との間に免震装置を設置する工程を採
用しているので、この免震装置が増築された建屋の地震
力の増加を抑制する。また、既存躯体を持ち上げてその
下に増築躯体を施工するので既存の建屋部分については
増築による重量増加がなく、したがって、耐震補強を不
要にしてそのまま既存の建屋部分を活かすことができ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例についてを添付図面を
参照して説明する。図1ないし図4は、本実施例による
建物の下部増築工法の施工手順の一例を示すもので、こ
れらの図において、符号1で示すものが既存の建物の建
屋、符号2で示すものが建屋1を支持する既存の基礎で
ある。図1において、増築対象である建物の建屋1は、
この実施例では四階建のRC(鉄筋コンクリート)造の
ものが示され、また、基礎2については、下端部が硬岩
層等の地盤支持層(図示略)に達する深さの基礎杭2a
が施工されているものが示されている。
【0008】この建屋1の増築に際しては、まず、建屋
1を構成する既存躯体1a部分と既存基礎2部分とを分
離させる。この分離工事においては、図1に示すよう
に、建屋1の周囲及び床下部分の地盤Gを掘削して、既
存躯体1aをジャッキアップするために必要な作業空間
を確保し、既存躯体1aと既存基礎2との間にジャッキ
装置3をセットする。そして、このジャッキ装置3によ
り、及び必要に応じ鋼材等を用いて既存躯体1aを支持
した状態で既存基礎2を図中cで示す切断線に基づいて
水平方向に切断し、既存躯体1a部分と既存基礎2部分
とを分離させる。
【0009】次に、図2に示すように既存躯体1aから
分離させた既存基礎2を利用し、既存躯体1aを支持構
造材4により支持しつつジャッキ装置3にてジャッキア
ップする。ここで、支持構造材4としては、既存躯体1
aの重量、即ち建屋1の重量を支持可能な強度を持つ鋼
材等にて、予めジャッキ装置3のストロークに合わせて
あるいは安全上必要な程度のストローク(ジャッキアッ
プ高さ)に合わせて短寸状に分割して形成したものを準
備しておき、これを既存躯体1aのジャッキアップ高さ
に合わせて一段ずつセットしながら順次熔接止めあるい
はボルト止め等の手段により連結して施工してゆけばよ
い。なお、支持構造材4を配置する位置関係について
は、後述するように増築躯体の柱や梁の位置と重複しな
い部位に配置することになるが、施工上有利であるなら
ば、支持構造材4自体を増築躯体の柱や梁として初めか
ら利用するようにしてもよい。4aは補強材である。
【0010】次に、建屋1を支持していた既存の基礎2
に加え、図3に示すように既存の基礎2を補強する形態
となる増築基礎5を施工する。この増築基礎5について
も、地盤Gの性状や地盤支持層との関係において必要な
らば、基礎杭5aも併せて施工しておく。増築基礎5及
び基礎杭5aの施工に際しては、前工程での既存躯体1
aのジャッキアップ工程によりその増築基礎5及び基礎
杭5aの施工が可能な程度の高さおよび作業スペースを
確保するとともに、既存躯体1a直下の地盤Gの表面を
他の部位とほぼ均一になる程度に掘り下げてから施工す
ればよい。
【0011】次に、図4に示すように、既存躯体1a
と、増築基礎5を含む既存基礎2との間に増築躯体6を
施工するとともに、これと平行してあるいは増築躯体6
の施工後に、その増築躯体6と増築基礎5及び既存基礎
2との間に免震装置7を設置する。そして、この増築躯
体6の施工および免震装置7の設置後に、あるいはその
途中において支持構造材4を順次撤去する。
【0012】前記免震装置7としては、建物の固有周期
を大きくして地震エネルギーを吸収する免震装置など、
建物の耐震性や固有周期等を考慮して、公知の種々の方
式のものを採用することができるが、ここでは例えば、
建屋柱下に設置される積層ゴムによって、建屋鉛直荷重
を支持すると共に、地震時には積層ゴムに組み込まれた
ダンパー(減衰機構)もしくは独立して取り付けられる
ダンパーによって変位振幅を抑制するものが組み合わさ
れて用いられる。
【0013】このようにして、既存躯体1aのジャッキ
アップ、増築基礎5の施工、増築躯体6の施工、免震装
置7の設置等を実施したら、次いで必要に応じて内外
装、設備のリニューアル等を施すことにより、既存建屋
1の下部に増築階8を有する建物を構築することができ
る。
【0014】図5は、既存建屋の下部に2層分の増築を
行った場合における在来工法での増築と、本実施例のよ
うに免震装置7を設置することによる免震構法(MRー
2工法と称する)を取り入れた増築、及び既存部のみと
で、設計用の地震荷重を設計用地震層せん断力の比較と
して示したものである(既存部、増築部共にRC構造の
場合)。
【0015】この図5から理解できるように、免震装置
7の免震効果によって、増築することによる重量増に対
する地震力の増加は、既存部のみの地震力に対して僅か
な増加にとどまっている。したがって、実施例のように
免震装置7を増築躯体6と増築基礎5および既存基礎2
との間に設置することにより、増築分の重量増加に対す
る基礎部分の補強は必要だが、既存躯体1aの耐震補強
に関しては、これをなくすことができることになる。
【0016】また、このように既存躯体1aの下に増築
躯体6を施工する方法であるから、既存躯体1aに対す
る増築分の重量増加はなくなり、これにより既存躯体1
a部分をそのまま活かすことができる。したがって、既
存住空間の確保、工費節減、工期の短縮を図ることがで
き、さらに、増築躯体6の施工が済めば、済みながらに
して工事を続けることができるので、居住者は特に他の
住居に長期間仮住まいする必要もなくなる。また、増築
された建物は、免震装置7の作用により地震時の安全性
も向上するので、付加価値の増大、耐久性の増大といっ
た効果も発揮するようになる。また、特に免震装置7
は、このように増築時に設置するので、その作業を増築
工事と平行して行うことができるという効果がある。
【0017】なお、実施例においては、RC(鉄筋コン
クリート)造の建物を増築する工法について説明した
が、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造、S(鉄骨)造
の建物においても本発明を適用できることは言うまでも
ない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における建
物の下部増築工法によれば、以下のような優れた効果を
奏することができる。
【0019】請求項1記載の建物の下部増築工法におい
ては、建屋を構成する既存躯体とこれを支持する既存基
礎とを分離する工程と、前記既存基礎を利用し、前記既
存躯体を支持構造材により支持しつつその既存躯体をジ
ャッキアップする工程と、前記既存基礎を補強するため
の増築基礎を施工する工程と、これら増築基礎および既
存基礎と前記既存躯体との間に増築躯体を施工する工程
と、この増築躯体と前記増築基礎および既存基礎との間
に免震装置を設置する工程とを備えた構成としたので、
免震装置の作用により既存躯体の耐震補強を不要にする
ことができる。特にこの免震装置は増築時に設置するの
で、その作業を増築工事と平行して行うことができると
いう効果がある。
【0020】また、既存躯体の下に増築躯体を施工する
方法としているから、既存躯体に対する増築分の重量増
加はなくなり、これにより既存躯体部分をそのまま活か
すことができる。したがって、既存住空間の確保、工費
節減、工期の短縮を図ることができ、さらに、増築躯体
の施工が済めば、済みながらにして工事を続けることが
できるので、居住者は特に他の住居に長期間仮住まいす
る必要もなくなる。また、増築された建物は、免震装置
の作用により地震時の安全性も向上するので、付加価値
の増大、耐久性の増大といった効果までも発揮するよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するために示した既存の
建物の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例を説明するために示した単位床
面積当りの設計用地震層せん断力を示すグラフである。
【符号の説明】
1 建屋 1a 躯体 2 既存基礎 2a 基礎杭 3 ジャッキ装置 4 支持構造材 5 増築基礎 5a 基礎杭 6 増築躯体 7 免震装置 8 増築階
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮嶋 栄二 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 那須 誠一 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋とこれを支持する基礎を備える建物
    の下部増築工法であって、建屋を構成する既存躯体とこ
    れを支持する既存基礎とを分離する工程と、前記既存基
    礎を利用し、前記既存躯体を支持構造材により支持しつ
    つその既存躯体をジャッキアップする工程と、前記既存
    基礎を補強するための増築基礎を施工する工程と、これ
    ら増築基礎および既存基礎と前記既存躯体との間に増築
    躯体を施工する工程と、この増築躯体と前記増築基礎お
    よび既存基礎との間に免震装置を設置する工程とを備え
    ていることを特徴とする建物の下部増築工法。
JP21643093A 1993-08-31 1993-08-31 建物の下部増築工法 Pending JPH0762897A (ja)

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JP21643093A JPH0762897A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 建物の下部増築工法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100454985B1 (ko) * 2002-03-13 2004-11-06 오원균 콘크리이트건물의 증고 방법.
JP2014231717A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社竹中工務店 既存構造物の改修装置
JP2014231718A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社竹中工務店 既存構造物の階高嵩上工法及び改修構造物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100454985B1 (ko) * 2002-03-13 2004-11-06 오원균 콘크리이트건물의 증고 방법.
JP2014231717A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 株式会社竹中工務店 既存構造物の改修装置
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