JPH0762494A - 低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼 - Google Patents
低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼Info
- Publication number
- JPH0762494A JPH0762494A JP21442593A JP21442593A JPH0762494A JP H0762494 A JPH0762494 A JP H0762494A JP 21442593 A JP21442593 A JP 21442593A JP 21442593 A JP21442593 A JP 21442593A JP H0762494 A JPH0762494 A JP H0762494A
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- Japan
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- cycle fatigue
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱間鍛造金型の素材として適するほか、とく
に低サイクル疲労特性に優れていることが要求される温
間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など被鍛造材の鍛造温度
が３００℃以上７００℃以下の鍛造金型の素材として適
し、特に破断回数３００００〜４００００回以下の低サ
イクル域で優れた疲労特性を有する低サイクル疲労特性
に優れた熱間工具鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．３２〜０．４２％、Ｓ
ｉ：０．１０〜１．２０％、Ｍｎ：０．１０〜０．５０
％、Ｃｒ：４．５０〜５．５０％、Ｍｏ：１．００〜
１．５０％、Ｖ：０．３０〜０．８０％、Ｐ：０．０１
０％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｎｉ：１．００％以
下、Ｃｏ：１．００％以下、Ｗ：１．００％以下、残部
Ｆｅおよび不純物よりなり、エレクトロスラグ再溶解し
てなる低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼。
に低サイクル疲労特性に優れていることが要求される温
間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など被鍛造材の鍛造温度
が３００℃以上７００℃以下の鍛造金型の素材として適
し、特に破断回数３００００〜４００００回以下の低サ
イクル域で優れた疲労特性を有する低サイクル疲労特性
に優れた熱間工具鋼を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：０．３２〜０．４２％、Ｓ
ｉ：０．１０〜１．２０％、Ｍｎ：０．１０〜０．５０
％、Ｃｒ：４．５０〜５．５０％、Ｍｏ：１．００〜
１．５０％、Ｖ：０．３０〜０．８０％、Ｐ：０．０１
０％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｎｉ：１．００％以
下、Ｃｏ：１．００％以下、Ｗ：１．００％以下、残部
Ｆｅおよび不純物よりなり、エレクトロスラグ再溶解し
てなる低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、低サイクル疲労特性に
優れた熱間工具鋼に係わり、いわゆる熱間金型の素材と
して適するほか、温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など
被鍛造材の鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の鍛造
金型の素材としても好適に利用されうる低サイクル疲労
特性に優れた熱間工具鋼に関するものである。
優れた熱間工具鋼に係わり、いわゆる熱間金型の素材と
して適するほか、温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など
被鍛造材の鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の鍛造
金型の素材としても好適に利用されうる低サイクル疲労
特性に優れた熱間工具鋼に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型
など被鍛造材の鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の
鍛造金型の素材としては、熱間鍛造金型用の例えばＪＩ
Ｓ Ｇ４４０４に制定されているＳＫＤ６１等がそのま
ま使用されていた。
など被鍛造材の鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の
鍛造金型の素材としては、熱間鍛造金型用の例えばＪＩ
Ｓ Ｇ４４０４に制定されているＳＫＤ６１等がそのま
ま使用されていた。
【０００３】このような従来のＳＫＤ６１等を素材とし
た熱間鍛造金型では、被鍛造材の温度が９００℃以上で
ある場合には、金型の表面はかなり高温になるため、金
型の表面はヒートチェック，高温摩耗や変形などの損傷
を受けるので、金型の寿命はこれらに対する抵抗特性で
決まり、ＳＫＤ６１等の熱間工具鋼は良好な性能を示す
ものとなっていた。
た熱間鍛造金型では、被鍛造材の温度が９００℃以上で
ある場合には、金型の表面はかなり高温になるため、金
型の表面はヒートチェック，高温摩耗や変形などの損傷
を受けるので、金型の寿命はこれらに対する抵抗特性で
決まり、ＳＫＤ６１等の熱間工具鋼は良好な性能を示す
ものとなっていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなＳＫＤ６１等の熱間工具鋼を素材とし且つ被鍛造材
温度が３００℃以上７００℃以下である温間鍛造に使用
される温間鍛造金型では、しばしば、割れを生じて寿命
が短いものになることがあるという問題点があった。
うなＳＫＤ６１等の熱間工具鋼を素材とし且つ被鍛造材
温度が３００℃以上７００℃以下である温間鍛造に使用
される温間鍛造金型では、しばしば、割れを生じて寿命
が短いものになることがあるという問題点があった。
【０００５】この場合、温間鍛造金型での割れは、ほと
んどの場合、低サイクル疲労割れであることが認めら
れ、金型への負荷が大きい場合には、ＳＫＤ６１等の従
来の熱間工具鋼では必ずしも十分ではなく、数千回の鍛
造で寿命となることがあるという問題点があった。
んどの場合、低サイクル疲労割れであることが認めら
れ、金型への負荷が大きい場合には、ＳＫＤ６１等の従
来の熱間工具鋼では必ずしも十分ではなく、数千回の鍛
造で寿命となることがあるという問題点があった。
【０００６】したがって、被鍛造材の温度が３００℃以
上７００℃以下の温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など
の鍛造金型の寿命を向上させるためには、低サイクル疲
労特性に優れた熱間工具鋼が必要であることから、この
ような低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼を開発す
ることが課題であった。
上７００℃以下の温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など
の鍛造金型の寿命を向上させるためには、低サイクル疲
労特性に優れた熱間工具鋼が必要であることから、この
ような低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼を開発す
ることが課題であった。
【０００７】ところが、従来の場合、金型鋼における低
サイクル疲労特性の向上手段については、ほとんど知ら
れていない。
サイクル疲労特性の向上手段については、ほとんど知ら
れていない。
【０００８】一般論として、不純物を低減すれば、疲労
特性は向上すると言われている（例えば、特開昭６１−
２１３３４９）。
特性は向上すると言われている（例えば、特開昭６１−
２１３３４９）。
【０００９】しかし、通常の場合、このように言われて
いる疲労特性は、高サイクル疲労特性の疲労限であっ
て、低サイクル疲労特性の疲労限ではないことから、低
サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼を別途開発するこ
とが課題であった。
いる疲労特性は、高サイクル疲労特性の疲労限であっ
て、低サイクル疲労特性の疲労限ではないことから、低
サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼を別途開発するこ
とが課題であった。
【００１０】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、とくに、低サイクル疲労特
性に優れ、被鍛造材の温度が３００℃以上７００℃以下
である温間鍛造用金型，非鉄金属鍛造金型などの鍛造金
型の寿命をも向上させることが可能である低サイクル疲
労特性に優れた熱間工具鋼を提供することを目的として
いる。
みてなされたものであって、とくに、低サイクル疲労特
性に優れ、被鍛造材の温度が３００℃以上７００℃以下
である温間鍛造用金型，非鉄金属鍛造金型などの鍛造金
型の寿命をも向上させることが可能である低サイクル疲
労特性に優れた熱間工具鋼を提供することを目的として
いる。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる低サイク
ル疲労特性に優れた熱間工具鋼は、重量％で、Ｃ：０．
３２〜０．４２％、Ｓｉ：０．１０〜１．２０％、Ｍ
ｎ：０．１０〜０．５０％、Ｃｒ：４．５０〜５．５０
％、Ｍｏ：１．００〜１．５０％、Ｖ：０．３０〜０．
８０％、Ｐ：０．０１０％以下、Ｓ：０．００３％以
下、Ｎｉ：１．００％以下、Ｃｏ：１．００％以下、
Ｗ：１．００％以下、残部Ｆｅおよび不純物よりなり、
エレクトロスラグ再溶解してなる構成のものとしたこと
を特徴としている。
ル疲労特性に優れた熱間工具鋼は、重量％で、Ｃ：０．
３２〜０．４２％、Ｓｉ：０．１０〜１．２０％、Ｍ
ｎ：０．１０〜０．５０％、Ｃｒ：４．５０〜５．５０
％、Ｍｏ：１．００〜１．５０％、Ｖ：０．３０〜０．
８０％、Ｐ：０．０１０％以下、Ｓ：０．００３％以
下、Ｎｉ：１．００％以下、Ｃｏ：１．００％以下、
Ｗ：１．００％以下、残部Ｆｅおよび不純物よりなり、
エレクトロスラグ再溶解してなる構成のものとしたこと
を特徴としている。
【００１２】次に、本発明に係わる低サイクル疲労特性
に優れた熱間工具鋼の化学成分範囲（重量％）の限定理
由について説明する。
に優れた熱間工具鋼の化学成分範囲（重量％）の限定理
由について説明する。
【００１３】Ｃ：０．３２〜０．４２％ Ｃは、炭化物形成元素と結合して硬い炭化物を生成し、
熱間工具鋼の強度，硬さを向上させ、良好な耐摩耗性を
付与するのに有効な元素であり、熱間工具鋼として必要
な強度や耐摩耗性を確保するために、０．３２％以上含
有させることとした。そして、Ｃ含有量の増加とともに
強度は増加し、耐摩耗性の向上が得られるが、それとと
もに靭性，鍛造性，加工性が低下するため、０．４２％
以下とした。
熱間工具鋼の強度，硬さを向上させ、良好な耐摩耗性を
付与するのに有効な元素であり、熱間工具鋼として必要
な強度や耐摩耗性を確保するために、０．３２％以上含
有させることとした。そして、Ｃ含有量の増加とともに
強度は増加し、耐摩耗性の向上が得られるが、それとと
もに靭性，鍛造性，加工性が低下するため、０．４２％
以下とした。
【００１４】Ｓｉ：０．１０〜１．２０％ Ｓｉは、鋼の溶製時に脱酸剤として作用するほか、基地
の強化，耐酸化性の向上に有効な元素であり、また、疲
労限の向上にも有効な元素であるので、０．１０％以上
含有させることとした。ただし、多量に含有させると地
疵が多くなると共に、被削性，靭性，耐ヒートチェック
性等が低下することがあるため、１．２０％以下とし
た。
の強化，耐酸化性の向上に有効な元素であり、また、疲
労限の向上にも有効な元素であるので、０．１０％以上
含有させることとした。ただし、多量に含有させると地
疵が多くなると共に、被削性，靭性，耐ヒートチェック
性等が低下することがあるため、１．２０％以下とし
た。
【００１５】Ｍｎ：０．１０〜０．５０％ Ｍｎは、鋼の溶製時に脱酸剤および脱硫剤として作用す
るほか、焼入れ性の向上に有効な元素であるので、０．
１０％以上含有させることとした。しかし、多量に含有
すると熱間加工性や被削性を低下させることとなるの
で、０．５０％以下とした。
るほか、焼入れ性の向上に有効な元素であるので、０．
１０％以上含有させることとした。しかし、多量に含有
すると熱間加工性や被削性を低下させることとなるの
で、０．５０％以下とした。
【００１６】Ｃｒ：４．５０〜５．５０％ Ｃｒは、熱間工具鋼の焼入れ性を向上させると共に耐摩
耗性，耐熱衝撃性を向上させるのに有効な元素であるの
で、４．５０％以上含有させることとした。しかし、多
量に含有すると靭性や疲労強度が低下することとなるの
で、５．５０％以下とした。
耗性，耐熱衝撃性を向上させるのに有効な元素であるの
で、４．５０％以上含有させることとした。しかし、多
量に含有すると靭性や疲労強度が低下することとなるの
で、５．５０％以下とした。
【００１７】Ｍｏ：１．００〜１．５０％ Ｍｏは、熱間工具鋼の焼入れ性を向上させると共に、疲
労強度，耐摩耗性を向上させるのに有効な元素であるの
で、１．００％以上含有させることとしているが、多量
に含有すると靭性や被削性が低下することとなるので、
１．５０％以下とした。
労強度，耐摩耗性を向上させるのに有効な元素であるの
で、１．００％以上含有させることとしているが、多量
に含有すると靭性や被削性が低下することとなるので、
１．５０％以下とした。
【００１８】Ｖ：０．３０〜０．８０％ Ｖは、熱間工具鋼の疲労強度，耐摩耗性を向上させるの
に有効な元素であるので、０．３０％以上含有させるこ
ととしているが、多量に含有すると靭性，被削性，耐ヒ
ートチェック性が低下することとなるので、０．８０％
以下とした。
に有効な元素であるので、０．３０％以上含有させるこ
ととしているが、多量に含有すると靭性，被削性，耐ヒ
ートチェック性が低下することとなるので、０．８０％
以下とした。
【００１９】Ｐ：０．０１０％以下 Ｐは、地疵の発生を増大させると共に、疲労強度を低下
させる元素であり、Ｐ含有量を低減することによって靭
性ならびに低サイクル疲労強度を含む疲労強度，耐ヒー
トチェック性，衝撃値の異方性を向上させることができ
るので、０．０１０％以下としている。
させる元素であり、Ｐ含有量を低減することによって靭
性ならびに低サイクル疲労強度を含む疲労強度，耐ヒー
トチェック性，衝撃値の異方性を向上させることができ
るので、０．０１０％以下としている。
【００２０】Ｓ：０．００３％以下 Ｓは、成形加工時の被削性を向上させる元素ではある
が、疲労破壊の起点となる介在物量を増大させると共に
靭性を低下させる元素であり、Ｓ含有量を低減すること
によって介在物量を抑制し、靭性ならびに低サイクル疲
労強度を含む疲労強度を向上させることができるので、
０．００３％以下とした。
が、疲労破壊の起点となる介在物量を増大させると共に
靭性を低下させる元素であり、Ｓ含有量を低減すること
によって介在物量を抑制し、靭性ならびに低サイクル疲
労強度を含む疲労強度を向上させることができるので、
０．００３％以下とした。
【００２１】Ｎｉ：１．００％以下 Ｎｉは、熱間工具鋼の焼入れ性を向上させ、強度，耐衝
撃性を向上させる元素ではあるが、多すぎると焼なまし
を困難にするため、１．００％以下とした。
撃性を向上させる元素ではあるが、多すぎると焼なまし
を困難にするため、１．００％以下とした。
【００２２】Ｃｏ：１．００％以下 Ｃｏは、熱間工具鋼の強度を向上させる元素ではある
が、多すぎても効果が向上しないので、１．００％以下
とした。
が、多すぎても効果が向上しないので、１．００％以下
とした。
【００２３】Ｗ：１．００％以下 Ｗは、熱間工具鋼の高温強度を向上させる元素ではある
が、多すぎると靭性，被削性，耐ヒートチェック性を低
下させるので、１．００％以下とした。
が、多すぎると靭性，被削性，耐ヒートチェック性を低
下させるので、１．００％以下とした。
【００２４】本発明に係わる低サイクル疲労特性に優れ
た熱間工具鋼は、上記した化学成分組成を有するもので
あり、かつまたエレクトロスラグ再溶解してなるもので
ある。
た熱間工具鋼は、上記した化学成分組成を有するもので
あり、かつまたエレクトロスラグ再溶解してなるもので
ある。
【００２５】ここで実施するエレクトロスラグ再溶解
（ＥＳＲ）は、大気中または不活性ガス雰囲気中で溶融
スラグのジュール熱により消耗電極を溶解し、水冷銅る
つぼ内で積層凝固させる再溶解法であり、このエレクト
ロスラグ再溶解では、溶融スラグが溶鋼を大気から保護
し、溶鋼中の酸化物，硫化物等をスラグ中に吸収除去さ
せることによって、溶鋼の清浄化が達成される。
（ＥＳＲ）は、大気中または不活性ガス雰囲気中で溶融
スラグのジュール熱により消耗電極を溶解し、水冷銅る
つぼ内で積層凝固させる再溶解法であり、このエレクト
ロスラグ再溶解では、溶融スラグが溶鋼を大気から保護
し、溶鋼中の酸化物，硫化物等をスラグ中に吸収除去さ
せることによって、溶鋼の清浄化が達成される。
【００２６】このエレクトロスラグ再溶解に際しては、
再溶解用の母材となる消耗電極と、水冷銅るつぼと、電
源とが主な消費材ないしは設備として用いられ、再溶解
後の鋼塊の駆動方式によって、例えば、るつぼ固定方
式，鋼塊引下げ方式，るつぼ移動方式，多極電極方式等
が採用され、電源には、単相直流，単相交流，多相交流
等が用いられるが、本発明では適宜のエレクロトスラグ
再溶解を採用することができる。
再溶解用の母材となる消耗電極と、水冷銅るつぼと、電
源とが主な消費材ないしは設備として用いられ、再溶解
後の鋼塊の駆動方式によって、例えば、るつぼ固定方
式，鋼塊引下げ方式，るつぼ移動方式，多極電極方式等
が採用され、電源には、単相直流，単相交流，多相交流
等が用いられるが、本発明では適宜のエレクロトスラグ
再溶解を採用することができる。
【００２７】このエレクトロスラグ再溶解によって高品
質の鋼塊を得るには、スラグの選定と溶解条件の設定が
大切であり、スラグの選定にあたってスラグの組成は融
点，密度，電気伝導度などの物性や高温における安定性
などを考慮することが望ましく、例えば、ＣａＦ２にＣ
ａＯ，ＭｇＯ，Ａｌ２Ｏ３等を加えた２元系や３元系の
ものなどが用いられる。
質の鋼塊を得るには、スラグの選定と溶解条件の設定が
大切であり、スラグの選定にあたってスラグの組成は融
点，密度，電気伝導度などの物性や高温における安定性
などを考慮することが望ましく、例えば、ＣａＦ２にＣ
ａＯ，ＭｇＯ，Ａｌ２Ｏ３等を加えた２元系や３元系の
ものなどが用いられる。
【００２８】
【発明の作用】本発明に係わる熱間工具鋼は、特定成分
を有する鋼に対してエレクトロスラグ再溶解してなるも
のであるから、熱間鍛造金型の素材として適するほか、
破壊起点となる介在物，炭化物の集積を防止しているた
め、とくに低サイクル疲労特性に優れていることが要求
される温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など被鍛造材の
鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の鍛造金型の素材
として適したものとなり、特に破断回数３００００〜４
００００回以下の低サイクル域で優れた疲労特性を有す
るものとなる。
を有する鋼に対してエレクトロスラグ再溶解してなるも
のであるから、熱間鍛造金型の素材として適するほか、
破壊起点となる介在物，炭化物の集積を防止しているた
め、とくに低サイクル疲労特性に優れていることが要求
される温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など被鍛造材の
鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の鍛造金型の素材
として適したものとなり、特に破断回数３００００〜４
００００回以下の低サイクル域で優れた疲労特性を有す
るものとなる。
【００２９】
【実施例】熱間工具鋼成分の鋼をアーク溶解によって溶
製したのち、エレクトロスラグ再溶解用消耗電極の形状
に鋳造成形し、水冷銅鋳型内で、スラグ組成として７０
重量％ＣａＦ２−３０重量Ａｌ２Ｏ３よりなるものを選
んでエレクトロスラグ再溶解を行って、表１の発明例の
欄に示す化学成分組成の鋼塊を得た。
製したのち、エレクトロスラグ再溶解用消耗電極の形状
に鋳造成形し、水冷銅鋳型内で、スラグ組成として７０
重量％ＣａＦ２−３０重量Ａｌ２Ｏ３よりなるものを選
んでエレクトロスラグ再溶解を行って、表１の発明例の
欄に示す化学成分組成の鋼塊を得た。
【００３０】次いで、各鋼塊を熱間加工および熱間圧延
して２００ｍｍφとし、焼なましを施したのち素材のＴ
方向から直径５ｍｍ，長さ４０ｍｍの平行部を持つ引張
試験片形の低サイクル疲労試験片形状に成形して、焼入
れ・焼もどしを施すことにより、表２に示す硬さの低サ
イクル疲労試験片を得た。
して２００ｍｍφとし、焼なましを施したのち素材のＴ
方向から直径５ｍｍ，長さ４０ｍｍの平行部を持つ引張
試験片形の低サイクル疲労試験片形状に成形して、焼入
れ・焼もどしを施すことにより、表２に示す硬さの低サ
イクル疲労試験片を得た。
【００３１】また、比較例では、上記発明例におけるエ
レクトロスラグ再溶解を除いて上記発明例と同様にして
低サイクル疲労試験片を得た。
レクトロスラグ再溶解を除いて上記発明例と同様にして
低サイクル疲労試験片を得た。
【００３２】そして、各低サイクル疲労試験片を用いて
疲労試験を行った。この場合、疲労試験は、最小荷重を
５ｋｇｆ／ｍｍ２，最大荷重を１１５ｋｇｆ／ｍｍ２お
よび１３０ｋｇｆ／ｍｍ２とする２種の１０Ｈｚの正弦
波荷重の片振引張方式で行った。
疲労試験を行った。この場合、疲労試験は、最小荷重を
５ｋｇｆ／ｍｍ２，最大荷重を１１５ｋｇｆ／ｍｍ２お
よび１３０ｋｇｆ／ｍｍ２とする２種の１０Ｈｚの正弦
波荷重の片振引張方式で行った。
【００３３】各試験片の破断回数を同じく表２に示す。
【００３４】
【表１】
【００３５】
【表２】
【００３６】表１および表２に示すように、本発明例の
場合には、従来の比較例の場合に比べて、破断回数３０
０００〜４００００回以下の低サイクル域で最大応力が
大きな値を示しており、疲労強度が高いものとなってい
ることが認められ、低サイクル疲労特性に優れたもので
あった。
場合には、従来の比較例の場合に比べて、破断回数３０
０００〜４００００回以下の低サイクル域で最大応力が
大きな値を示しており、疲労強度が高いものとなってい
ることが認められ、低サイクル疲労特性に優れたもので
あった。
【００３７】
【発明の効果】本発明に係わる熱間工具鋼は、重量％
で、Ｃ：０．３２〜０．４２％、Ｓｉ：０．１０〜１．
２０％、Ｍｎ：０．１０〜０．５０％、Ｃｒ：４．５０
〜５．５０％、Ｍｏ：１．００〜１．５０％、Ｖ：０．
３０〜０．８０％、Ｐ：０．０１０％以下、Ｓ：０．０
０３％以下、Ｎｉ：１．００％以下、Ｃｏ：１．００％
以下、Ｗ：１．００％以下、残部Ｆｅおよび不純物より
なり、エレクトロスラグ再溶解してなるものであるか
ら、破断回数が３００００〜４００００回以下の低サイ
クル域での疲労特性に著しく優れたものとなり、熱間鍛
造用金型のほか、とくに温間鍛造用金型や非鉄金属鍛造
用金型など被鍛造材の温度が３００℃以上７００℃以下
の鍛造用金型の素材として適したものであるという著し
く優れた効果がもたらされる。
で、Ｃ：０．３２〜０．４２％、Ｓｉ：０．１０〜１．
２０％、Ｍｎ：０．１０〜０．５０％、Ｃｒ：４．５０
〜５．５０％、Ｍｏ：１．００〜１．５０％、Ｖ：０．
３０〜０．８０％、Ｐ：０．０１０％以下、Ｓ：０．０
０３％以下、Ｎｉ：１．００％以下、Ｃｏ：１．００％
以下、Ｗ：１．００％以下、残部Ｆｅおよび不純物より
なり、エレクトロスラグ再溶解してなるものであるか
ら、破断回数が３００００〜４００００回以下の低サイ
クル域での疲労特性に著しく優れたものとなり、熱間鍛
造用金型のほか、とくに温間鍛造用金型や非鉄金属鍛造
用金型など被鍛造材の温度が３００℃以上７００℃以下
の鍛造用金型の素材として適したものであるという著し
く優れた効果がもたらされる。
Claims (2)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ：０．３２〜０．４２％、
Ｓｉ：０．１０〜１．２０％、Ｍｎ：０．１０〜０．５
０％、Ｃｒ：４．５０〜５．５０％、Ｍｏ：１．００〜
１．５０％、Ｖ：０．３０〜０．８０％、Ｐ：０．０１
０％以下、Ｓ：０．００３％以下、Ｎｉ：１．００％以
下、Ｃｏ：１．００％以下、Ｗ：１．００％以下、残部
Ｆｅおよび不純物よりなり、エレクトロスラグ再溶解し
てなることを特徴とする低サイクル疲労特性に優れた熱
間工具鋼。 - 【請求項２】 温間鍛造金型，非鉄金属鍛造金型など被
鍛造材の鍛造温度が３００℃以上７００℃以下の鍛造金
型の素材である請求項１に記載の低サイクル疲労特性に
優れた熱間工具鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21442593A JPH0762494A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21442593A JPH0762494A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0762494A true JPH0762494A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16655583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21442593A Pending JPH0762494A (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 低サイクル疲労特性に優れた熱間工具鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762494A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008308745A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Daido Steel Co Ltd | 熱間鍛造金型及びその製造方法 |
| EP2270245A1 (en) | 2009-06-16 | 2011-01-05 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Hot work tool steel and steel product using the same |
| EP2270246A1 (en) | 2009-06-16 | 2011-01-05 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Hot work tool steel and steel product using the same |
| CN111172448A (zh) * | 2018-11-12 | 2020-05-19 | 中国科学院金属研究所 | 一种厚大断面高均质塑料模具钢制备方法 |
| CN111621695A (zh) * | 2020-01-10 | 2020-09-04 | 宝鼎科技股份有限公司 | 一种hc166高合金模具钢锻件及制作方法 |
| CN115491571A (zh) * | 2022-09-28 | 2022-12-20 | 河冶科技股份有限公司 | 热作模具钢的制备方法及热作模具钢 |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP21442593A patent/JPH0762494A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008308745A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Daido Steel Co Ltd | 熱間鍛造金型及びその製造方法 |
| EP2270245A1 (en) | 2009-06-16 | 2011-01-05 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Hot work tool steel and steel product using the same |
| EP2270246A1 (en) | 2009-06-16 | 2011-01-05 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Hot work tool steel and steel product using the same |
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| CN111621695A (zh) * | 2020-01-10 | 2020-09-04 | 宝鼎科技股份有限公司 | 一种hc166高合金模具钢锻件及制作方法 |
| CN115491571A (zh) * | 2022-09-28 | 2022-12-20 | 河冶科技股份有限公司 | 热作模具钢的制备方法及热作模具钢 |
| CN115491571B (zh) * | 2022-09-28 | 2023-06-02 | 河冶科技股份有限公司 | 热作模具钢的制备方法及热作模具钢 |
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