JP3535112B2 - 耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼および該熱間工具鋼からなる高温用部材 - Google Patents
耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼および該熱間工具鋼からなる高温用部材Info
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Description
(好適には300℃以上)で使用される熱間工具鋼、お
よびその熱間工具鋼からなる鋳造機用構造部材、射出成
形機用構造部材、熱間鍛造機用部材などの高温用部材に
関するものである。
びそれらを主成分とする合金などを鋳造法により製造す
る際に、高温に晒される鋳造機用構造部材として、5%
Cr系のJIS−SKD61鋼のような熱間工具鋼が採
用されてきた。また、最近それらの軽金属や低融点金属
などの射出成形機構造部材としても同様にJIS−SK
D61鋼が採用されている。
S−SKD61鋼を用いた場合には種々の要因により寿
命に至るが、その一つとして高温で応力が付加される環
境で長時間使用時のクリープ破断延性の不足、クリープ
ひずみの増大が挙げられる。これはJIS−SKD61
鋼は焼戻しマルテンサイト中に微細に炭化物を析出させ
て強化を図っているが、高温で長時間使用すると転位の
回復や炭化物の凝集・粗大化などが生じるために、当初
の材料特性を維持することはできずに徐々に軟化してし
まうからである。さらには高温加熱される射出機などで
は固体合金に剪断力を与えて溶融する迄の過程で摩耗傷
がつき折損しやすくなるなどの危険性も出てくる。
ネル(商標名、以下同じ)718などのNi基耐熱合金
が知られている。しかし、この材料は溶融したアルミニ
ウムやマグネシウム及びそれらを主成分とする合金によ
る溶損が著しいという問題がある。さらにアルミニウム
やマグネシウム及びそれらを主成分とする合金を溶融さ
せるために構造部材をヒータ等により加熱したとき、イ
ンコネル718のようなNi基耐熱合金は熱伝導性が悪
く、高温での延靭性が低いため、部材の内外面の温度差
に起因した熱応力が発生し、素材の劣化、構造部材とし
ての信頼性が低下する問題があった。また、一般に工具
材料や弁材料として用いられるステライト(商標名、以
下同じ)や、その他のコバルト基合金は、高温強度に優
れた材料であり、溶損が少ないことも判っているが、靭
性がやや劣るのと、高価であるため構造部材としては使
用しづらいという問題がある。
S−SKD61鋼に比べて高い高温クリープ強度と同等
の短時間引張強度を有し、溶融したアルミニウムやマグ
ネシウム及びそれらを主成分とする合金に対する耐溶損
特性に優れ、良好な熱伝導性を有することによる部材の
温度差に起因した熱応力の発生を抑制する信頼性の高い
熱間工具鋼およびその熱間工具鋼からなる高温用部材を
提供することを目的としている。
本発明の耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼のうち
請求項1記載の発明は、質量%で、C:0.05〜0.
15%、Si:0.30%以下、Mn:0.30%以
下、Ni:1.0%以下、Cr:5.0〜13.0%、
Mo:1.0%以下、W:1.0〜8.0%、Co:
1.0〜10.0%、B:0.003〜0.020%、
N:0.005〜0.050%を含有し、残部がFe及
び不可避的不純物からなることを特徴とする。
た熱間工具鋼の発明は、請求項1記載の発明において、
組成成分としてさらに、質量%で、V:0.01〜1.
0%を含有することを特徴とする。
た熱間工具鋼の発明は、請求項1または2の発明におい
て、組成成分としてさらに、質量%で、Nb、Taの1
種又は2種:0.01〜1.0%を含有することを特徴
とする。
た熱間工具鋼の発明は、請求項1〜3記載の発明におい
て、Co+W含有量が質量%で5.0%以上であること
を特徴とする。
た熱間工具鋼の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載
の発明において、次式で示されるCr当量の値が7.0
以下であることを特徴とする。 Cr当量=[Cr%]+6[Si%]+4[Mo%]+
1.5[W%]+11[V%]+5[Nb%]−40
[C%]−2[Mn%]−4[Ni%]−30[N%]
−2[Co%]。
部材の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の熱間工
具鋼からなり、鋳造機用構造部材、射出成形機用構造部
材、熱間鍛造機用部材のいずれかを構成することを特徴
とする。
部材の発明は、請求項6記載の発明において、一部また
は全部に表面硬化処理が施されていることを特徴とす
る。
部材の発明は、請求項7記載の発明において、表面硬化
処理が窒化、炭化、イオン注入法のいずれかであること
を特徴とする。
記組成により、高い短時間引張強度、高温クリープ強度
を有し、溶融したアルミニウム合金等に対する優れた耐
溶損特性を示し、さらに、良好な熱伝導性を有する。本
発明の熱間工具鋼を用いた高温用部材は、上記特性によ
り、高温状態での使用に際し優れた耐久性を有し、さら
に高い信頼性をもたらす。
よびその作用について説明する。なお、以下の含有量は
いずれも質量%で示されている。
進する元素であり、焼入れ性確保のためには不可欠な元
素である。同時にFe、Cr、Mo、W、V、Nbなど
と結合して炭化物を形成して、高温強度を高めるために
も不可欠の元素である。すなわち、高温用部材として最
低限必要である強度、硬さ、耐摩耗性などを保証するた
めには必須の元素である。その効果を発揮するためには
最低0.05%以上の含有量が必要である。しかしなが
ら多すぎる含有は炭化物の過度の粗大化を招きやすく、
高温強度の低下をもたらすため、上限を0.15%とす
る。なお、同様の理由で下限を0.07%とするのが望
ましい。
れ、その結果、鋼は不純物としてSiを不可避的に含有
することになる。しかしSiは炭化物の粗大化を促進し
たり、ラーベス相と呼ばれる金属間化合物を形成して鋼
の靭性を低下させる。したがって極力低下することが望
ましく、Siの含有量を0.30%以下に限定する。な
お、同様の理由で0.20%以下に規制するのが望まし
い。
焼入れ性の向上にも寄与する。しかしながら多すぎる添
加は靭性の劣化を招いたり、高温強度を低下させる。し
たがってその含有量は0.30%以下に限定する。な
お、同様の理由で0.20%以下に規制するのが望まし
い。
ェライト生成を抑制するためには有効な元素であり、所
望により積極的に含有させる。しかしながら多すぎる含
有は耐溶損性を低下させる。したがってその含有量は
1.0%以下に限定する。Niは不可避不純物として含
まれる場合もあるが、積極的に含有させる場合には、上
記作用を充分に得るために0.2%以上含有させるのが
望ましい。
Cと結合して炭化物を形成することにより合金の強度を
高めるために、高温用部材としては必要不可欠の添加元
素である。さらに溶融金属に対する安定性が高いため
に、合金の耐溶損特性を向上させる。その効果を発揮す
るために最低5.0%以上の含有が必要である。しかし
ながら多すぎる含有はδフェライトの生成を促進して、
靭性の低下や高温強度の低下を招く。従ってその含有量
を5.0〜13.0%の範囲に限定する。なお、同様の
理由で下限を8.0%、上限を11.0%とするのが望
ましい。
とともに、炭化物の微細析出を促進し、かつその凝集を
防止する効果があり、また溶融金属に対する安定性が高
いために合金の耐溶損性を向上させるので所望により含
有させる。しかしながら多すぎる含有はδフェライトの
生成を促進して、靭性の劣化や高温強度の低下を招く。
従ってその含有量は1.0%以下に限定する。さらに、
上記作用を充分に得るためには、0.2%以上含有させ
るのが望ましい。
ともに、炭化物の凝集を防止する効果があり、また溶融
金属に対する安定性が高いために合金の耐溶損性を向上
させる。しかもその効果はMoよりも大きいために必ず
含有させることが必要である。その効果を発揮するため
には、最低1.0%以上含有させることが必要である。
しかしながら多すぎる含有はδフェライトやラーベス相
の生成を促進するために靭性の低下や高温強度の低下を
招く。したがってその含有量は1.0〜8.0%の範囲
に限定する。なお、同様の理由により下限を3.0%、
上限を6.0%とするのが望ましい。
の向上に寄与するので所望により含有させる。その効果
を発揮させるためには最低0.01%以上の含有が必要
である。しかしながら多すぎる含有は炭化物の過度の粗
大化を招きやすくなり、逆に高温強度の低下をもたらす
ため、その含有量は0.01〜1.0%の範囲に限定す
る。なお、同様の理由で下限を0.10%、上限を0.
40%とするのが望ましい。
高温強度の向上や結晶粒の微細化に寄与するので、所望
により一方又は両方を含有させる。その効果を発揮させ
るためには合計量で最低0.01%以上の含有が必要で
ある。しかしながら多すぎる含有は炭化物の過度の粗大
化を招きやすくなり、逆に高温強度の低下や靭性の低下
をもたらすため、その含有量は合計で0.01〜1.0
%の範囲に限定する。なお、同様の理由で合計量の下限
を0.02%、上限を0.15%とするのが望ましい。
を向上させる。またδフェライトの析出を抑制し、高温
での強度や靭性の低下を防止する。したがってCoは必
ず添加することが必要であり、その効果を発揮するため
には、最低1.0%以上含有させることが必要である。
しかしながらCoは非常に高価な元素であるために過度
の添加は合金のコストを著しく高くしてしまう。したが
ってその添加量は1.0〜10.0%の範囲に限定す
る。なお、同様の理由で下限を3.0%、上限を6.0
%とするのが望ましい。
影響を与えることから、これらの特性をさらに向上させ
るためには前記限定範囲内で含有量をさらに増加させる
ことが望ましい。ただし同様の効果を有するWとCoの
間にはある程度の相補関係があり、高価な合金元素であ
るCoの一部をWにより代替させることが可能である。
従ってCo含有量とW含有量の合計を5.0%以上にす
ることが望ましい。
を安定させる作用をもつ。この作用により、高温での組
織的な経時変化を抑制して高温強度を長時間維持した
り、クラックの発生や伝播を抑制する。その効果を発揮
させるためには、最低0.003%以上の含有が必要で
ある。しかしながら多すぎる含有は延性や靭性の低下を
招く。したがってその含有量は0.003〜0.02%
の範囲に限定する。なお、同様の理由で下限を0.00
5%、上限を0.012%とするのが望ましい。
いは炭窒化物を形成して高温強度を高めるとともに、マ
トリックスを強化する。さらに高温での耐食性や強度を
向上させる。その効果を発揮させるためには最低0.0
05%以上の含有量が必要である。しかしながら多すぎ
る含有は溶損特性の劣化を生じる。したがってその含有
量は0.005〜0.05%の範囲に限定する。なお、
同様の理由で下限を0.01%、上限を0.03%とす
るのが望ましい。
の増加により高まるため、靭性や高温強度の低下を招
く。従ってこのCr当量を7.0以下に限定することが
望ましい。 Cr当量=[Cr%]+6[Si%]+4[Mo%]+
1.5[W%]+11[V%]+5[Nb%]−40
[C%]−2[Mn%]−4[Ni%]−30[N%]
−2[Co%]
する。本発明の熱間工具鋼は、規定された組成となるよ
うに各成分を調整して常法により溶製することができ
る。本発明としてはその溶製方法が特に限定されるもの
ではない。上記により得られた熱間工具鋼は、上記に示
す組成を有し、短時間引張強度、高温クリープ強度、耐
溶損特性に優れ、さらに良好な熱伝導性を有する。熱間
工具鋼は、適宜の加工がなされ、高温用部材として提供
される。なお、本発明としては、熱間工具鋼から高温用
部材に至るまでの製造工程は特に限定されるものではな
く、圧延、鍛造、曲げ加工、研削等の機械加工を適宜行
うことができる。該高温用部材の好適な用途は、例えば
300℃以上となる高温状態で使用され、上記特性が要
求される用途であり、例えば鋳造機用構造部材、射出成
形機用構造部材、熱間鍛造機用部材などが代表的な用途
として挙げられる。
1の一部を示す断面図であり、シリンダ2およびシリン
ダヘッド3は高温用部材として本発明の熱間工具鋼が使
用されている。また、シリンダ2の先端側外周部には、
シリンダ2の先端部およびシリンダヘッド3を加熱する
ヒータ4が配置されている。該射出成形機1の作動時に
は、前記シリンダ2およびシリンダヘッド3は高温状態
になり、低融点金属を射出成形する場合には内部を高温
の低融点金属が接触しながら移動する。また、シリンダ
2の先端部およびシリンダヘッド3は、外周側からヒー
タ4によって加熱される。
たシリンダ2およびシリンダヘッド3は、高温特性、耐
溶損特性に優れており、上記高温状態においても優れた
耐久性を示す。また熱伝導性にも優れており、ヒータ加
熱による熱応力の発生が小さくて機器として高い信頼性
を得ることができる。
が、本発明の高温用部材では、その表面の一部または全
部に表面硬化処理を施すことができる。該表面硬化処理
により、高温部材の耐摩耗性、耐溶損性等を向上させる
ことができる。この表面硬化処理の方法は、本発明とし
ては特に限定されるものではなく、例えば窒化処理、炭
化処理、炭素、窒素イオン等のイオン注入法が挙げられ
る。
1に示す組成を有する供試材を真空誘導溶解炉により5
0kg鋼塊に溶製した。なお、表中には上記供試材のC
o含有量とW含有量との合計(Co+W)、Cr当量を
併せて示す。溶製した各鋼塊は、拡散均質処理を施した
後に熱間鍛造により厚さ30mm×幅120mmの板材
とした。この板材から採取した試験片に、焼入れ処理と
して、1100℃で3時間の熱処理を施した後に空冷
し、焼戻し処理として670℃で20時間の熱処理を施
した後に炉冷した。
価するために焼入れ、焼戻し後の試験片を温度650
℃、応力157MPaの条件でのクリープ破断試験を実
施し、従来材SKD61鋼に対するクリープ破断寿命の
比を相対クリープ破断寿命と定義した。図2に各試験材
毎の相対クリープ破断寿命を示すが、発明材は従来材で
あるSKD61鋼(No.12)および比較材(No.
10、11)よりもクリープ破断強度に優れていること
は明らかである。また発明材でも(Co+W)量が5.
0%以上の範囲にあるもの(No.1〜7)は、よりク
リープ破断強度が高いことを示している。
めに、自作試験機による溶損試験を実施した。溶融状態
のAl−Mg合金中で、試験材を回転させながら650
℃で最長100時間あたりの溶損量、溶損速度定数を求
めた。従来材であるSKD61鋼(No.12)に対す
る各試験材の溶損速度定数を相対溶損速度係数と定義し
た。即ち、相対溶損速度係数が小さいほど耐溶損性に優
れていることを示している。図3に各試験材の相対溶損
速度係数を示すが、発明材はいずれの従来材、比較材よ
りも耐溶損特性に優れていることは明らかである。特に
インコネル718の従来材(No.13)は極端な溶損
性の低下が認められる。
囲気炉中に長時間保持し、表面を窒化処理した後の表面
の硬度をビッカース硬度試験機で測定したところ、MH
V450〜700という著しい硬度上昇が認められ、射
出成形機や押出機のシリンダーとスクリューのような摺
動部で耐摩耗性の確保、より一層の耐溶損性の向上が期
待できる。
材および従来材の一部(No.11、12、13)につ
いて、高温(650℃)での短時間引張強度と熱伝導度
を測定し、従来材No.12に対する相対値として図
4、5に示した。図から明らかなように、本発明材は、
従来材と同等の高温での短時間引張特性を有し、さら
に、高温での熱伝導度に優れている(従来材No.13
に対し)。
ル718のようなNi基超合金よりも耐溶損性に優れ、
JIS−SKD61鋼と同等の短時間引張特性を有し、
かつ該鋼よりも高温でのクリープ特性に優れ、熱伝導性
が良好なことによる熱応力の発生を抑制できる熱間工具
鋼を提供できる。従って鋳造機用構造部材、射出成形機
用構造部材、熱間鍛造機用部材として使用した場合に
は、著しく寿命を延長できるために産業上極めて有用で
ある。
面図である。
リープ破断寿命を示すグラフである。
溶損速度係数(SKD61鋼溶損速度定数に対する各試
験材の溶損速度定数)を示すグラフである。
度を示すグラフである。
すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.05〜0.15%、
Si:0.30%以下、Mn:0.30%以下、Ni:
1.0%以下、Cr:5.0〜13.0%、Mo:1.
0%以下、W:1.0〜8.0%、Co:1.0〜1
0.0%、B:0.003〜0.020%、N:0.0
05〜0.050%を含有し、残部がFe及び不可避的
不純物からなることを特徴とする耐溶損性・高温強度に
優れた熱間工具鋼。 - 【請求項2】 組成成分としてさらに、質量%で、V:
0.01〜1.0%を含有することを特徴とする請求項
1記載の耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼。 - 【請求項3】 組成成分としてさらに、質量%で、N
b、Taの1種又は2種:0.01〜1.0%を含有す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の耐溶損性
・高温強度に優れた熱間工具鋼。 - 【請求項4】 Co+W含有量が質量%で5.0%以上
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼。 - 【請求項5】 次式で示されるCr当量の値が7.0以
下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載の耐溶損性・高温強度に優れた熱間工具鋼 Cr当量=[Cr%]+6[Si%]+4[Mo%]+
1.5[W%]+11[V%]+5[Nb%]−40
[C%]−2[Mn%]−4[Ni%]−30[N%]
−2[Co%]。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱間工
具鋼からなり、鋳造機用構造部材、射出成形機用構造部
材または熱間鍛造機用部材を構成することを特徴とする
熱間工具鋼からなる高温用部材 - 【請求項7】 一部または全部に表面硬化処理が施され
ていることを特徴とする請求項6記載の熱間工具鋼から
なる高温用部材 - 【請求項8】 表面硬化処理が窒化、炭化、イオン注入
法のいずれかであることを特徴とする請求項7記載の熱
間工具鋼からなる高温用部材。
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