JPH076068U - 自転車用前輪泥除け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画一化された前輪泥除け装置１を、サイズの
小さな自転車に取り付けた場合に、泥除け装置１の後端
部に足が衝突することを防止する。 【構成】 自転車の前輪４の周外方に配置されかつ前ホ
ーク２より後方に延びる泥除け本体３の前端部に設けら
れた取付部６を、前ホーク２に、泥除け本体３の後端部
が自転車のペダルの回転軌跡Ｐから離遠するべく前ホー
ク２に対する取付部６の取付角度を調整する取付補助具
１５を介して固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自転車の前輪の周外方に取りつけられる自転車用前輪泥除け装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在、自転車前輪の周外方に配置されかつ前ホークより後方に延びる自転車用 前輪泥除けとしては、該前輪泥除けの前端部に前ホークへ固定するための取付部 を備えたものがある。 この前輪泥除けを自転車に取付けるには、例えば、前ホークのホークステム下 部に設けられたボルトを、前輪泥除けの取付部に形成された取付孔に挿通させて ナットにより固定している。

【０００３】 従来、製造コスト低減のために、自転車のサイズに関わらず、前輪泥除けはす べて同一のもの、すなわち、同形・同大のものが使用されており、通常、最も大 径の前輪に適合し得る形状・大きさに画一化されて製造されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる大径の前輪を有する自転車に取り付けた場合には特に問 題は生じないが、径の小さな自転車に取り付けた場合には、該自転車のフレーム サイズも通常それに比例して小さなものが使用されており、したがって、前輪泥 除けの後端部が自転車のペダルの回転軌跡に近接することとなり、走行中に足が 泥除けの後端部に衝突するという問題点があった。

【０００５】 そこで、本考案は、サイズの小さな自転車に取り付けた場合に、泥除けの後端 部に足が衝突することを防止するために、該後端部をペダルの回転軌跡から離遠 させることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、自転車の前輪の周外方に配置されかつ自転車の前ホークより後方に 延びる泥除け本体の前端部に設けられた取付部が、前記前ホークに固定された自 転車用前輪泥除け装置において、上記目的を達成するため、次の技術的手段を講 じた。

【０００７】 すなわち、本考案の自転車用泥除け装置は、前記取付部と前記前ホークとが、 前記泥除け本体の後端部が前記自転車のペダルの回転軌跡から離遠するべく前記 前ホークに対する前記取付部の取付角度を調整する取付補助具を介して固定され ていることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

泥除け本体は、その前端部を取付補助具を介して前ホークに固定することによ り、前ホークに対する取付角度が調整されて、その後端部が自転車のペダルの回 転軌跡から離遠される。したがって、走行中に足が泥除け本体の後端部に衝突す ることが防止される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図１〜図８に示す本考案の実施例に係る前輪泥除け装置１は、マウンテンバイ ク形式の自転車に装着されている。 この前輪泥除け装置１は、前輪４の周外方に配置されかつ自転車の前ホーク２ より後方に伸びる上方湾曲状の泥除け本体３を備えている。この泥除け本体３は 、合成樹脂により一体成形されており、その長さは前輪４のほぼ１／８円とされ 、また、その前半部の幅方向両サイド部分には一対の突条部５が形成されている 。なお、本実施例において、前ホーク２は、下前向き傾斜状とされており、自転 車のフレーム３０に固定されるホークステム９と、該ホークステム９の下端部か ら左右外方に屈曲する肩部を介して下方に延設された左右一対のホーク足１８と を備えてなる。そして、このホーク足１８の下端部に前輪４が支持されている。

【００１０】 また、泥除け本体３の前端部幅方向中央には、Ｌ形金具１４が、その一片が上 方突出するようにインサート成形されている。このＬ形金具１４の一片には、縦 長の取付孔８が形成されており、而して、該Ｌ形金具１４の一片が泥除け本体３ の取付部６とされている。 そして、取付部６が、ホークステム９下部に形成された挿通孔１０に挿通され たボルト１１とナット１２とからなる締結具１３によって、取付補助具１５を介 して前ホーク２に固定されている。なお、ボルト１１は、ホークステム９下部に 予め溶着されているものであってもよい。

【００１１】 この取付補助具１５は、金属製であって、取付部６の後面側に当接する基部３ １と、該基部３１の上端から前方に折り返し状に屈曲された係止部３２と、基部 ３１の下端から前方に延設されたぶれ防止部３３とを備えてなる。このぶれ防止 部３３は、左右一対のホーク足１８間に嵌着状に挿通され、泥除け本体３の左右 のぶれを防止するものである。

【００１２】 前記係止部３２には、取付部６の上端が嵌め込まれており、よって、図１に示 すように、取付部６は、取付補助具１５を用いずに泥除け本体３を前ホーク２に 取り付けた位置Ｙ（図１に二点鎖線で示す）に比して、泥除け本体３の後端部が 下方側に位置するように前ホーク２の軸心Ｏに対して傾斜して固定されることと なる。

【００１３】 また、基部３１の前面には、取付部６の後面の下端近傍に当接する突部３４が 設けられており、よって、取付部６に当接された基部３１が取付部６に対して若 干傾斜して、該基部３１の後面が前ホーク２の軸心Ｏに平行となるようにされて いる。 したがって、泥除け本体３は、取付補助具１５を介して前ホーク２に固定され ることにより、該前ホーク２の軸心Ｏに対する取付部６の取付角度が調整され、 よって、図１に示すように、自転車のペダル１７の回転軌跡Ｐから一定距離ｌだ け離遠されることとなり、走行中に足が泥除け本体３の後端部に衝突することが 防止される。

【００１４】 なお、上記実施例における自転車には、前輪４の制動用のカンティレバーブレ ーキ装置１９が装着されている。このブレーキ１９は、ホークステム９の上部に 固定されたケーブルハンガー２２を備えている。該ケーブルハンガー２２は、リ ング状のケーブルハンガー本体２０と、該ケーブルハンガー本体２０外周の一部 に形成されたアウター受け部２１とを備えている。このアウター受け部２１には 、ブレーキケーブル２３のアウター２４が保持されており、そのアウター２４の 端部からインナーワイヤー２５が下方に突出している。そして、インナーワイヤ ー２５の先端に吊具２６が固定され、該吊具２６のフック２７にアーチワイヤー ２８が吊下げられている。

【００１５】 ところで、マウンテンバイクにおけるオフロード走行中は、振動や衝撃が激し いため、アーチワイヤー２８が外れることがあり、かかる場合に、アーチワイヤ ーと前輪４とが接触又は引っ掛かる等して走行の妨げとなることがある。 そこで、上記実施例の泥除け本体３の前端部幅方向中央に、前方に突出する脱 落防止突部７を一体成形している。この脱落防止突部７は、図１及び図３に示す ように、左右一対のホーク足１８間を通過して前ホーク２よりも前方に突出され て、吊具２６とカンティレバーブレーキ１９との間に位置するようになっており 、この突出部は前上方傾斜状に屈曲されている。

【００１６】 したがって、ブレーキケーブル２３のアウター２４がアウター受け部２１より 外れたり、アーチワイヤー２８が吊具２６のフック２７より外れた場合であって も、脱落したアーチワイヤー２８は泥除け本体３の脱落防止突部７により下部か ら支承されるので、アーチワイヤー２８が前輪４のタイヤに引っ掛かり、前輪４ がロックして自転車が転倒するということはない。

【００１７】 なお、脱落防止突部７の基端部には、左右方向に延びる溝部１６が形成されて おり、脱落防止突部７が不要なときには容易に取り除くことができるようにされ ている。 また、図２に示すように、自転車の後輪４０上方には、後輪泥除け装置３５が 装着されている。

【００１８】 この後輪泥除け装置３５は、図９〜図１１に示すように、後輪４０の周外方に 位置しかつ自転車のバックホーク３６より後方に伸びる上方湾曲状の後輪泥除け 本体３７を備えている。この後輪泥除け本体３７は、合成樹脂により一体成形さ れており、その長さは、後輪４０のほぼ１／８円とされており、その前半部に左 右側壁３９が形成されており、取付金具４８を介して左右一対のバックホーク３ ６間に架設されたブリッジ４９に固定されている。

【００１９】 前記取付金具４８は、ボルト４３、スプリングワッシャ４４、平ワッシャ４５ 、及び、ブリッジ４９を前後から締め付けるアール付ワッシャ４６，４７により ブリッジ４９に固定されている。そして、この取付金具４８には、取付安定性の 向上のため、ブリッジ４９に当接する突起５０が設けられている。 そして、該取付金具４８と泥除け本体３７とがネジ等により固定されている。

【００２０】 また、後輪泥除け本体３７の後端部には、スポイラー部４２が形成されており 、走行時における後輪泥除け本体３７の後部浮き上がりの防止を図っている。 なお、本考案は、上記実施例に限定されるものではない。 たとえば、上記実施例では補助取付具１５の基部３１の前面下端近傍に突部３ ４を設けたが、これに代えて、補助取付具１５の基部３１の前面と後面とを、基 部３１の上下の板厚を変えることにより傾斜させてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の自転車用前輪泥除け装置は、取付部と前ホーク とが、泥除け本体の後端部が前記自転車のペダルの回転軌跡から離遠するべく前 ホークに対する取付部の取付角度を調整する取付補助具を介して固定されている ものであるから、泥除け本体を取付補助具を用いて前ホークに固定することによ り、泥除け本体の前ホークに対する取付角度が調整されて、その後端部が自転車 のペダルの回転軌跡から離遠させることができ、よって、画一化された前輪泥除 け装置をサイズの小さな自転車に装着した際に、走行中に足が泥除け本体の後端 部に衝突することを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】自転車用前輪泥除け装置の装着状態を示す側断
面図である。

【図２】自転車の全体側面図である。

【図３】自転車の前輪上方部分を示す斜視図である。

【図４】泥除け本体の側面図である。

【図５】泥除け本体の平面図である。

【図６】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図７】補助取付具を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は
正面図、（ｃ）は側面図である。

【図８】本考案の要部を示す側断面図である。

【図９】後輪泥除け本体を示し、（ａ）は底面図、
（ｂ）はＢ−Ｂ線断面図である。

【図１０】後輪泥除け本体の取付金具を示し、（ａ）は
平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図１１】後輪泥除け本体の取付金具の取付状態を示す
分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 自転車用前輪泥除け装置 ２ 前ホーク ３ 泥除け本体 ４ 自転車の前輪 ６ 泥除け本体の取付部 １５ 取付補助具 Ｐ 自転車のペダルの回転軌跡

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の前輪（４）の周外方に配置され
   かつ自転車の前ホーク（２）より後方に延びる泥除け本
   体（３）の前端部に設けられた取付部（６）が、前記前
   ホーク（２）に固定された自転車用前輪泥除け装置にお
   いて、 前記取付部（６）と前記前ホーク（２）とが、前記泥除
   け本体（３）の後端部が前記自転車のペダルの回転軌跡
   （Ｐ）から離遠するべく前記前ホーク（２）に対する前
   記取付部（６）の取付角度を調整する取付補助具（１
   ５）を介して固定されていることを特徴とする自転車用
   前輪泥除け装置。