JPH076037Y2 - センターピラーガーニッシュ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、自動車のセンターピラーガーニッシュ、特
にシートベルト引出端の位置を調整可能なセンターピラ
ーガーニッシュに関する。

《従来の技術》 自動車のフロントシート用のシートベルトは、リトラク
ター付きの場合、一端はフロアに固定されたリトラクタ
ーに巻き取られ、他端は、フロアに直接固定されてい
る。リトラクターから引き出されたシートベルトは、セ
ンターピラーに設けられたアンカーを中継点として折り
返され、シートベルト中間に設けられたタングをフロン
トシート横のバックルに嵌合させて乗員を拘束するよう
になっている。しかしながら、乗員の体格はまちまちな
ので、センターピラーのアンカーの位置がある人にとっ
てては高すぎたり、ある人にとっては低すぎたりするこ
とがある。このためセンターピラーのアンカー位置また
はシートベルトの折り返し位置を上下に調整できるよう
にした装置が開発されている。またこのような装置にお
いて、アンカーやリトラクターまでのシートベルトをセ
ンターピラーガーニッシュで覆って見栄えの向上を図っ
た装置も提案されている。

第３図および第４図には、このような機能を有するセン
ターピラーガーニッシュの一例が示されている。以下、
この明細書において方向をいうときは車室内側を表側と
し車室外側を裏側とする。樹脂製のガーニッシュ本体１
は、表側すなわち車室内側に凸に湾曲して形成され、下
部には別のセンターピラーガーニッシュが接続される。
ガーニッシュ本体１には、その中間部に開口２が形成さ
れ、この開口２を塞ぐように、同様に湾曲形成されてシ
ートベルト引出口３を有するスライドプレート４が、ガ
ーニッシュ本体１の裏面に上下方向に摺動可能に保持さ
れている。

ガーニッシュ本体１の裏面には、左右方向の一方の側部
に上下方向に沿う直線状のガイドリブ５が内側に向けて
突設され、他方の側部には上下方向に沿って複数のピン
６が裏側に向けて突設されている。スライドプレート４
は、その一方の側部端がガイドリブ５の表側の面5aに当
接するとともに、他方の側縁部が帯状のガイドプレート
７とガーニッシュ本体１との間に摺動可能に挾持されて
いる。ガイドプレート７はその取付穴８を各ピン６に挿
入した後、そのガイドプレート７から突出した先端部を
熱加締めすることにより、ガーニッシュ本体１の裏面に
固定される。

リトラクターからのシートベルトは、スライドプレート
４の内側に配置されたアンカーからシートベルト引出口
３および開口２を通して外側に引き出される。スライド
プレート４を上下に移動調整することにより、シートベ
ルト引出口３の位置が変わるので、シートベルト引出端
の位置が上下に調整される。このスライドプレート４の
上下動に応じてアンカーの位置が変化するものもあれ
ば、アンカーの位置は変わらずに、シートベルトの引出
口３だけが変わるものもある。

《考案が解決しようとする課題》 ところで、図示の従来例においては、スライドプレート
４を摺動案内するためにガイドプレート７を必要とし、
さらにその取付穴８をガーニッシュ本体１の複数のピン
６に挿入するための位置精度および各ピン６を熱加締め
するための工数を必要とし、全体的にコストを引き上げ
る要因になっていた。

そこでこの考案の目的は、部品点数の削減によるコスト
低減を図ったセンターピラーガーニッシュを提供するこ
とにある。

《課題を解決するための手段》 この考案によるセンターピラーガーニッシュは、表側に
凸に湾曲したガーニッシュ本体の裏面にガーニッシュ本
体に形成された開口を塞ぐようにシートベルト引出口を
有するスライドプレートを重ねて摺動可能に保持したセ
ンターピラーガーニッシュであって、前記ガーニッシュ
本体の裏面の両側部に沿ってそれぞれガイドリブを内側
に向けて突設し、前記各ガイドリブの表側の面に前記ス
ライドプレートの両側縁を当接されるとともに、前記ス
ライドプレートの裏面に前記ガイドリブのうちの一方の
ガイドリブの先端縁に当接するスライドリブを突設した
ことを特徴とする。

《作用》 スライドプレートは、その両側縁を両側のガイドリブの
表側面に当接させることにより前後方向の位置規制がな
されるとともに、スライドリブを一方のガイドリブの先
端縁に当接されることにより左右方向の位置規制がなさ
れる。

《実施例》 第１図および第２図には、この考案の一実施例が示され
ている。樹脂製のガーニッシュ本体11は、表側すなわち
車室内側に凸に湾曲して形成され、その中間部に開口12
が形成されている。そしてこの開口12を塞ぐように、同
様に湾曲形成されてシートベルト引出口13を有するスラ
イドプレート14がガーニッシュ本体11の裏面に上下方向
に摺動可能に保持されている。

説明が煩雑になるのを避けるために、またこの考案の要
旨にあまり関係がないので図示を省略されているが、こ
のセンターピラーガーニッシュは、スライドプレート14
の表側に開口12から出る操作ノブが設けられていて、こ
の操作ノブを操作することにより、スライドプレート14
と一体的に結合したシートベルトアンカーのロックが解
除されて、シートベルトアンカーがスライドプレート14
と一体的に移動できるようになっている。

ガーニッシュ本体11の裏面には、左右方向の一方の側部
に上下方向に沿う直線状のガイドリブ15が内側に向けて
低く突設され、他方の側部には、上下方向に沿って三つ
の短い同形状のガイドリブ16が内側に向けて高く突設さ
れている。それぞれ三角形に図示されているのは補強用
のガセット15a,16aである。一方、スライドプレート14
の一方の側端縁14aには、上下方向に沿って左右方向外
側に向いた突条17が形成され、また他方の側部屈曲部の
表側角部にも上下方向に沿った別の突条18が形成され、
その裏面には複数のガセット19aにより補強されたスラ
イドリブ19が上下方向に沿って裏側に向けて突設されて
いる。

ガーニッシュ本体11は、下部が末広がりになっており、
スライドプレート14は、ガーニッシュ本体11の下部から
その裏面に沿わせて、その両側縁14a,14bがガーニッシ
ュ本体11のガイドリブ15,16の表側の面15b,16bにそれぞ
れ当接するように挿入される。こうすると、スライドプ
レート14の各突条17,18の先端面がガーニッシュ本体11
の裏面に当接するとともに、ガイドリブ16の先端面にス
ライドリブ19の側面が当接する。この結果、スライドプ
レート14は、その両側端縁14a,14bが各ガイドリブ15,16
に規制されてその前後方向の位置決めがなされるととも
に、突条17およびスライドリブ19がガーニッシュ本体11
の裏面および他方のリブ16に規制されて左右方向の位置
決めがなされ、突条17および18がガーニッシュ本体11の
裏面に線状に接触することによって上下方向にスムーズ
に摺動する。

突条17,18は、ガーニッシュ本体11側に設けてもよく、
またこの考案は、シートベルトアンカーが移動しないタ
イプのセンターピラーガーニッシュに適用することもで
きる。

《考案の効果》 以上のように、この考案によるセンターピラーガーニッ
シュは、ガーニッシュ本体の裏面両側部に沿ってそれぞ
れガイドリブを内側に向けて突設し、各ガイドリブの表
側の面にスライドプレートの両側縁を当接させるととも
に、スライドプレートの裏面にガイドリブのうちの一方
のガイドリブの先端縁に当接するスライドリブを突設し
たので、従来必要としていたガイドプレートが不要にな
り、部品点数削減による工数およびコストの低減を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示すセンターピラーガ
ーニッシュのガーニッシュ本体とスライドプレートの分
解斜視図、第２図は、第１図に示すガーニッシュ本体と
スライドプレートの拡大組立断面図、第３図は、従来の
センターピラーガーニッシュにおけるガーニッシュ本体
とスライドプレートとガイドプレートの分解斜視図、第
４図は第３図に示すガーニッシュ本体とスライドプレー
トとガイドプレートの拡大組立断面図である。 11……ガーニッシュ本体、12……開口、13……シートベ
ルト引出口、14……スライドプレート、15,16……ガイ
ドリブ、17,18……突条、19……スライドリブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表側に凸に湾曲したガーニッシュ本体の裏
   面にガーニッシュ本体に形成された開口を塞ぐようにシ
   ートベルト引出口を有するスライドプレートを重ねて摺
   動可能に保持したセンターピラーガーニッシュであっ
   て、前記ガーニッシュ本体の裏面の両側部に沿ってそれ
   ぞれガイドリブを内側に向けて突設し、前記各ガイドリ
   ブの表側の面に前記スライドプレートの両側縁を当接さ
   せるとともに、前記スライドプレートの裏面に前記ガイ
   ドリブのうちの一方のガイドリブの先端縁に当接するス
   ライドリブを突設したことを特徴とするセンターピラー
   ガーニッシュ。