JPH0760026A - 風呂用の濁り除去フィルタ - Google Patents

風呂用の濁り除去フィルタ

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Publication number
JPH0760026A
JPH0760026A JP23420393A JP23420393A JPH0760026A JP H0760026 A JPH0760026 A JP H0760026A JP 23420393 A JP23420393 A JP 23420393A JP 23420393 A JP23420393 A JP 23420393A JP H0760026 A JPH0760026 A JP H0760026A
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JP
Japan
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filter
turbidity
water
fibers
bath
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Application number
JP23420393A
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English (en)
Inventor
Noritoshi Kimura
文紀 木村
Akinori Minami
彰則 南
Mika Hazama
美香 間
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 風呂の水の濁りを取り除くことができ、目詰
りしにくく、しかも大量の水の処理が可能な風呂用のフ
ィルタを提供すること。 【構成】 構成繊維が機械的に絡合されていると共に、
繊維間が接着結合された平均孔径150〜250μmの
不織布からなり、該不織布にζ(ゼータ)電位がプラス
のポリマーが付着していることを特徴とする風呂用の濁
り除去フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は風呂の入浴による水
(湯)の濁りを除くためのフィルタに関し、とくに水を
循環させて繰り返し使用する循環風呂に用いるフィルタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に風呂は入浴後、水を捨て浴槽を掃
除して使用する。しかし、最近、水を循環させて循環中
にフィルタなどにより水を浄化することで、浴槽の掃除
などの手間を省き、水を節約し、24時間いつでも入浴
を可能にする循環風呂が使用されるようになってきてい
る。従来、この循環風呂には水を浄化するためのフィル
タとして、活性炭、麦飯石、糸巻カートリッジフィルタ
などが用いられている。しかし、これらのフィルタでは
水の濁りの原因となる微細な粒子を完全に取り除くこと
ができず、連続使用により水を何度も循環させると、入
浴による水の濁りが徐々に蓄積されていき、濁りがひど
くなって使用者に不快感を与えるため、結局水を取り替
えなければならないという問題があった。また、上記カ
ートリッジフィルタなどでは、水の濁りを取るためにフ
ィルタに比較的緻密なものを使用しているので、目詰り
しやすく、フィルタを短期間に交換しなければならなか
った。緻密なフィルタでは圧力損失も増大しやすいの
で、循環ポンプに高い負荷がかかりやすく、循環する大
量の水を処理するには不適当であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解消するべくなされたものであり、風呂の水の
濁りを取り除くことができ、目詰りしにくく、しかも大
量の水の処理が可能な風呂用のフィルタを提供すること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、構成繊維が機械的に絡合さ
れていると共に、繊維間が接着結合された平均孔径15
0〜250μmの不織布からなり、該不織布にζ(ゼー
タ)電位がプラスのポリマーが付着していることを特徴
とする風呂用の濁り除去フィルタをその要旨とする。
【0005】請求項2記載の発明は、水の流出側よりも
流入側の平均孔径が大きくなるように、平均孔径の異な
る不織布が積層されている請求項1に記載の風呂用の濁
り除去フィルタをその要旨とする。
【0006】請求項3記載の発明は、活性炭フィルタと
共に用いることを特徴とする請求項1に記載の風呂用の
濁り除去フィルタをその要旨とする。
【0007】本発明の風呂用の濁り除去フィルタは、構
成繊維が機械的に絡合されていると共に、繊維間が接着
結合された平均孔径150〜250μmの不織布からな
るため、空隙率の高い粗い構造であるにもかかわらず、
耐圧性に優れている。このため、大量の水を処理しても
水圧でフィルタが潰れたり、圧密化されて目詰りが生じ
やすくなる心配はない。しかも、本発明の風呂用の濁り
除去フィルタは、この不織布にζ(ゼータ)電位がプラ
スのポリマーを付着しているため、粗い構造で本来なら
ば粒子の捕集能力がほとんどないフィルタであるにもか
かわらず、風呂の濁りが確実に除去される。すなわち、
本発明の風呂用の濁り除去フィルタは、上記構造を持つ
ことで、大量の水処理と、その水の濁りを除去するとい
う従来両立が困難であった課題を解決している。
【0008】本発明の風呂用の濁り除去フィルタには、
構成繊維が機械的に絡合されていると共に、繊維間が接
着結合された平均孔径150〜250μmの不織布が使
用されるが、その接着結合の手段には、接着性繊維によ
り繊維間を接着結合する方法や、接着樹脂により繊維間
を接着結合する方法などがある。
【0009】前者の接着結合方法の場合、接着性繊維を
含む繊維ウェブをニードルパンチ、水流絡合などの機械
的絡合手段によって絡合した後、熱処理によって接着性
繊維の低融点成分を溶融させ、冷却固化することで繊維
間を結合する。この接着性繊維には、低融点の樹脂から
なる繊維を用いてもよいが、繊維の骨格構造を残すこと
ができる複合繊維を用いる方がよく、とくに低融点成分
の鞘部と高融点成分の芯部とからなる芯鞘型複合繊維を
使用すると良い。複合繊維を構成する樹脂の組合せとし
ては、低融点ポリエステル/ポリエステル、ポリエチレ
ン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポ
リプロピレン/ポリエステルなどが用いられる。繊維ウ
ェブ中の接着性繊維の割合は25重量%以上、好ましく
は30重量%以上であるのがよく、これより接着性繊維
の割合が少ないと耐圧性が不足し、水圧によって厚みが
潰れたり、圧密化されたりする。なお、接着性繊維とし
て複合繊維を用いる場合には、繊維ウェブ中のすべての
繊維が接着性繊維で構成されていてもよい。
【0010】後者の接着結合方法の場合、繊維ウェブを
ニードルパンチ、水流絡合などの機械的絡合手段によっ
て絡合した後、エマルジョンなどの形態で接着樹脂が付
与され、乾燥処理することにより接着樹脂によって繊維
間が結合される。接着樹脂にはポリウレタン、ポリアク
リル酸エステル、SBR、ポリエステルなどが用いられ
る。この接着樹脂には100%モジュラスが50kg/
cm2 以上の樹脂を用いることが望ましく、これより1
00%モジュラスの小さい樹脂では耐圧性が不足し、水
圧によって厚みが潰れたり、圧密化される傾向がある。
なお、不織布中の繊維/樹脂の割合は90/10〜50
/50の範囲にあることが望ましく、この範囲よりも接
着樹脂の量が少なくなると得られるフィルタの耐圧性が
低下し、これより接着樹脂の量が多くなると繊維間の空
間が塞がれてフィルタの圧力損失が増大する。
【0011】本発明の風呂用の濁り除去フィルタは、上
記いずれの接着結合手段を用いる場合も、構成繊維は必
ずニードルパンチ、水流絡合などの手段によって機械的
に絡合されている。このため、繊維が3次元的に絡み合
った状態を、接着性繊維または接着樹脂によって固定さ
れており、空隙率の高い粗な構造でありながら耐圧性に
優れている。例えば、機械的絡合のみで不織布を形成し
た場合や、繊維間の接着結合のみで不織布を形成した場
合には、水圧により不織布の圧密化が生じ、目詰りしや
すくなるという問題がある。
【0012】本発明の風呂用の濁り除去フィルタを構成
する繊維には、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維、アクリル繊維、ナイロン繊維、塩化ビニル繊維など
の合成繊維や、上述した低融点ポリエステル/ポリエス
テル複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維
などの複合繊維などが使用できるが、とくに、ポリエス
テル繊維、ポリプロピレン繊維、低融点ポリエステル/
ポリエステル複合繊維などの疎水性繊維を用いることが
好ましい。これは、疎水性繊維を用いた場合、親水性繊
維のように水の影響を受けて繊維どうしが密着して圧密
化することがないからである。また、上記構成繊維の繊
度は3〜100デニール、より好ましくは6〜60デニ
ールであるのがよく、これより繊度が小さいと平均孔径
が150μm以上の粗で耐圧性のある不織布構造とする
ことが困難となり、一方、これより繊度が大きいと平均
孔径が250μm以下の不織布を形成することが困難と
なる。
【0013】本発明の風呂用の濁り除去フィルタに使用
される不織布は平均孔径が150〜250μmに調整さ
れる。平均孔径がこれよりも小さいと目詰りが生じやす
くなり、頻繁にフィルタを交換する必要が生じ、一方、
平均孔径がこれよりも大きいとζ(ゼータ)電位がプラ
スの樹脂を不織布に付着せしめても水の濁りを十分に除
去できなくなる。不織布の平均孔径は、構成繊維の繊維
径、接着性繊維または接着樹脂の量、不織布の密度、水
流絡合またはニードルパンチの絡合条件などを変えるこ
とにより調整される。なお、本発明でいう平均孔径は不
織布の密度、繊維径、デニールから下記式により求めた
計算値を使用している。
【0014】
【数1】 ただし、aは格子間距離、ρは不織布の密度、Lは繊維
1g当たりの繊維長(=9×105 cm/平均デニー
ル)、cは格子を構成する1本の辺の長さ(=1c
m)。
【0015】上記の式では、不織布を1cm3 の規則的
な3次元格子状の立方体と仮定して格子間距離aを求め
ている。ここで、ρLは不織布1cm3 当たりに含まれ
る繊維の全長であり、これを格子を構成する1本の辺の
長さ(=1cm)で割ると、3次元格子を構成する辺の
本数が出る。辺は縦、横、高さの3方向にあるので3で
割ると1方向の辺の数が得られる。この辺の数は立方体
の一面に表れる格子の交差点の数と一致するので、この
数の平方根は立方体の一辺に存在する交差点の数とな
る。そして、この交差点の数から1を引くと、一辺に存
在する格子間隔の数が得られる。1cm3 の立方体を仮
定しているので、一辺の長さ1cmを格子間隔の数で割
ることで、格子間距離aが求まる。
【0016】πr2 =(a−d)2 ただし、rは孔の半径、aは格子間距離、dは繊維直径 この式は、不織布に形成される孔の面積πr2 と、上記
の式で求めた格子間距離aから繊維直径dを引いた長さ
を一辺とする正方形の面積(a−d)2 とが一致すると
仮定して導いたもので、この式を誘導した次式から平均
孔径φが求まる。
【0017】
【数2】
【0018】上記不織布の孔径は一様に分布していても
よいが、水の流出側よりも流入側の孔径が大きくなるよ
うに孔径が分布していることが望ましい。この様な構造
にすると汚れの原因となる比較的大きな粒子は流入側
で、比較的小さな粒子は流出側で捕集されることとな
り、目詰りが生じにくくなる。この様な孔径分布は、例
えば繊維径の異なる繊維からなる繊維ウェブを複数層積
層し、これに機械的な絡合処理と繊維間の接着結合手段
とを施すことにより、あるいは、繊維径の異なる繊維か
らなる繊維ウェブに、各々機械的な絡合処理と繊維間の
接着結合手段とを施して不織布とした後に、これら不織
布を積層することにより、容易に形成できる。孔径分布
は、例えば2層構造の場合は、流入側の層の平均孔径を
200〜250μmに、流出側の層を150〜200μ
mにするのがよい。また、3層構造の場合には、流入側
の層の平均孔径を210〜250μmに、中間層を18
0〜210μmに、流出側の層を150〜180μmに
するのがよい。
【0019】本発明の風呂用の濁り除去フィルタは、上
記の不織布にζ(ゼータ)電位がプラスのポリマーを付
着することによって得られる。驚くべきことに、ζ(ゼ
ータ)電位がプラスのポリマーを付着させると、平均孔
径が150〜250μmの粗い不織布を用いているにも
かかわらず、平均孔径5〜10μmの高性能フィルタで
も除去が困難であった風呂の水(湯)の濁りを除去する
ことができる。このζ(ゼータ)電位がプラスのポリマ
ーとしては、不織布に付着した場合の表面電位が+5m
V以上になるものが好ましく、例えばポリビニルピリジ
ン−スチレン共重合体4級塩化物、ポリカチオン−アク
リル共重合体、ポリアリルアミン、ポリエチルポリアミ
ン、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒド
リンなどが適している。また、これらポリマーの付着手
段としては、ポリマーを溶剤溶液、エマルジョン溶液な
どの溶液状態とし、不織布に含浸または塗布するのがよ
い。このような付着手段によると、構成繊維表面に比較
的均一にζ(ゼータ)電位がプラスのポリマーを付着で
きるため、濁りの原因となる物質を吸着できる機能を持
つ表面の面積を極めて大きくできる。なお、上記ポリマ
ーの内、水溶性のものはエポキシ、メラミン、アルデヒ
ドなどの架橋剤で架橋させ、水に不溶にしておくことが
望ましい。
【0020】なお、本発明の風呂用の濁り除去フィルタ
は活性炭フィルタと共に用いるとよく、とくに活性炭フ
ィルタのプレフィルタとして用いると、風呂の水の濁り
を効率よく除けるだけでなく、除去能力を長期にわたっ
て持続させることができる。これは、活性炭フィルタに
は、初期の段階では濁りの原因物質を吸着することで、
濁りの除去能力が徐々に低下して使用に耐えなくなって
しまうが、活性炭フィルタの活性炭の表面に微生物膜が
形成されるまで使用すると、この微生物膜により濁り成
分が生物分解されて濁りが除去できるという性質があ
り、この微生物膜が形成されるまでの期間の濁りの除去
能力の低下を、本発明のフィルタによって補うことで、
微生物膜を利用した濁りの除去を利用できるようになる
からである。従って、本発明のフィルタを活性炭フィル
タのプレフィルタとして用いると、非常に長期にわたっ
てフィルタ交換せずに使用することができる。
【0021】
【実施例】実施例1 繊度30デニール、繊維長76mmのポリエステル繊維
20%と、繊度15デニール、繊維長76mmのポリエ
ステル繊維50%と、繊度15デニール、繊維長51m
mの芯鞘型ポリエステル系複合繊維(芯成分:ポリエチ
レンテレフタレート、鞘成分:融点110℃のポリエス
テル)30%とからなる繊維ウェブAに、針密度70本
/cm2 の条件でニードルパンチを施した後、120℃
のドライヤーで加熱し、更に150℃のヒートロールで
加熱加圧処理して平均孔径220μm、目付250g/
2 の不織布Aを得た。繊度15デニール、繊維長76
mmのポリエステル繊維70%と、繊度15デニール、
繊維長51mmの芯鞘型ポリエステル系複合繊維(芯成
分:ポリエチレンテレフタレート、鞘成分:融点110
℃のポリエステル)30%とからなる繊維ウェブBに、
針密度70本/cm2 の条件でニードルパンチを施した
後、120℃のドライヤーで加熱し、更に150℃のヒ
ートロールで加熱加圧処理して平均孔径200μm、目
付250g/m2 の不織布Bを得た。繊度6デニール、
繊維長76mmのポリエステル繊維50%と、繊度15
デニール、繊維長76mmのポリエステル繊維20%
と、繊度15デニール、繊維長51mmの芯鞘型ポリエ
ステル系複合繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレー
ト、鞘成分:融点110℃のポリエステル)30%とか
らなる繊維ウェブCに、針密度70本/cm2 の条件で
ニードルパンチを施した後、120℃のドライヤーで加
熱し、更に150℃のヒートロールで加熱加圧処理して
平均孔径160μm、目付250g/m2 の不織布Cを
得た。上記各不織布ABCに、ポリビニルピリジン−ス
チレン共重合体四級アンモニウム塩の0.3重量%アル
コール溶液をピックアップが150%となるように含浸
し、80℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フィルタ(ζ
電位=+15mV)を得た。得られたフィルタをABC
の順に重ね、不織布A側を水の流入側として、後述する
濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表1に示し
た。
【0022】実施例2 ポリビニルピリジン−スチレン共重合体四級アンモニウ
ム塩の0.3重量%アルコール溶液に代えて、ポリカチ
オン−アクリル共重合体水系エマルジョン(固形分5重
量%)をピックアップが100%となるように不織布に
含浸したこと以外は、実施例1と全く同様にして、風呂
用の濁り除去フィルタ(ζ電位=+20mV)を得た。
得られたフィルタをABCの順に重ね、不織布A側を水
の流入側として、濁り除去及び流量試験を行い、その結
果を表1に示した。
【0023】実施例3 ポリビニルピリジン−スチレン共重合体四級アンモニウ
ム塩の0.3重量%アルコール溶液に代えて、ポリアリ
ルアミンの2重量%水溶液100部とエポキシ樹脂の1
重量%水溶液1部とを混合した溶液を、ピックアップが
100%となるように不織布に含浸したこと以外は、実
施例1と全く同様にして、風呂用の濁り除去フィルタ
(ζ電位=+27mV)を得た。得られたフィルタをA
BCの順に重ね、不織布A側を水の流入側として、濁り
除去及び流量試験を行い、その結果を表1に示した。
【0024】実施例4 ポリビニルピリジン−スチレン共重合体四級アンモニウ
ム塩の0.3重量%アルコール溶液に代えて、ポリエチ
レンポリアミンの10重量%水溶液100部とメラミン
樹脂の1重量%水溶液1部とを混合した溶液を、ピック
アップが100%となるように不織布に含浸したこと以
外は、実施例1と全く同様にして、風呂用の濁り除去フ
ィルタ(ζ電位=+18mV)を得た。得られたフィル
タをABCの順に重ね、不織布A側を水の流入側とし
て、濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表1に示
した。
【0025】比較例1 実施例1で使用した不織布ABCを、ζ(ゼータ)電位
がプラスのポリマーを付着させずに、そのまま風呂用の
濁り除去フィルタ(ζ電位=−5mV)とした。このフ
ィルタをABCの順に重ね、不織布A側を水の流入側と
して、濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表1に
示した。
【0026】濁り除去及び流量試験 直径3cmの円形に打ち抜いたフィルタサンプルを、風
呂の水の循環経路中に設置したセル中にセットし、1分
間当たりの水の通過流量を測定した。これをフィルタを
装着しない場合のブランク流量で除し、流量比率(通過
流量/ブランク流量を百分率で表したもの)を求めた。
次いで、濁度1.0の風呂水20リットルを流速2リッ
トル/分で20時間循環した後、風呂水の濁度を測定し
た。なお、濁度はホルマジン標準法で測定した値を使用
した。この試験は実際の使用よりも厳しい条件設定とな
っており、一種の加速試験となっている。この試験にお
いては、濁度が0.4を越えるもの、または流量比率が
60%を下回るものは不可とした。実験は同じフィルタ
を取り替えずに用いて4回繰り返して行った。ただし、
濁度が0.4を越えたもの、または流量比率が60%を
下回ったものは、その時点で実験を打切った。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、ζ電位がプラス
のポリマーを付着した実施例1〜4では、4回の繰り返
し実験においても高い濁り除去能力を示したが、ζ電位
がプラスのポリマーを付着していない比較例1では、1
回目の通液でも濁りはほとんど除去できなかった。
【0029】実施例5 実施例1で使用した繊維ウェブABCを積層し、針密度
70本/cm2 の条件でニードルパンチを施した後、1
20℃のドライヤーで加熱し、更に150℃のヒートロ
ールで加熱加圧処理して、各繊維ウェブ層の平均孔径が
220μm、200μm、160μmで、目付が750
g/m2 の不織布を得た。この不織布に、ポリビニルピ
リジン−スチレン共重合体四級アンモニウム塩の0.3
重量%アルコール溶液をピックアップが150%となる
ように含浸し、80℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フ
ィルタ(ζ電位=+21mV)を得た。得られたフィル
タを繊維ウェブA側を水の流入側として、濁り除去及び
流量試験を行い、その結果を表2に示した。
【0030】実施例6 実施例1で使用した不織布Bに、ポリビニルピリジン−
スチレン共重合体四級アンモニウム塩の0.3重量%ア
ルコール溶液をピックアップが150%となるように含
浸し、80℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フィルタ
(ζ電位=+16mV)を得た。この同じフィルタを3
層重ねて濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表2
に示した。
【0031】比較例2 繊度3デニール、繊維長51mmのポリエステル繊維7
0%と、繊度4デニール、繊維長51mmの芯鞘型ポリ
エステル系複合繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレ
ート、鞘成分:融点110℃のポリエステル)30%と
からなる繊維ウェブに、針密度70本/cm2 の条件で
ニードルパンチを施した後、120℃のドライヤーで加
熱し、更に150℃のヒートロールで加熱加圧処理し
て、平均孔径100μm、目付250g/m2 の不織布
を得た。この不織布に、ポリビニルピリジン−スチレン
共重合体四級アンモニウム塩の0.3重量%アルコール
溶液をピックアップが150%となるように含浸し、8
0℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フィルタ(ζ電位=
+25mV)を得た。この同じフィルタを3層重ねて濁
り除去及び流量試験を行い、その結果を表2に示した。
【0032】比較例3 繊度30デニール、繊維長76mmのポリエステル繊維
70%と、繊度15デニール、繊維長51mmの芯鞘型
ポリエステル系複合繊維(芯成分:ポリエチレンテレフ
タレート、鞘成分:融点110℃のポリエステル)30
%とからなる繊維ウェブに、針密度70本/cm2 の条
件でニードルパンチを施した後、120℃のドライヤー
で加熱し、更に150℃のヒートロールで加熱加圧処理
して、平均孔径270μm、目付250g/m2 の不織
布を得た。この不織布に、ポリビニルピリジン−スチレ
ン共重合体四級アンモニウム塩の0.3重量%アルコー
ル溶液をピックアップが150%となるように含浸し、
80℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フィルタ(ζ電位
=+18mV)を得た。この同じフィルタを3層重ねて
濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表2に示し
た。
【0033】
【表2】
【0034】表2から明らかなように、平均孔径が10
0μmの比較例2では1回目の通液で流量比率が55%
に低下し、大量の水の処理は困難となり、平均孔径が2
70μmの比較例3では2回目の通液で濁度が0.6と
濁りの除去が十分にできなくなった。これに対して、平
均孔径が200μmの実施例6では流量比率、濁度とも
一応満足できる結果であった。ただし、孔径勾配を設け
た実施例1及び実施例5の方が濁りの除去能力に優れ、
目詰りも起こしにくかった。
【0035】実施例7 繊度30デニール、繊維長76mmのポリエステル繊維
20%と、繊度15デニール、繊維長76mmのポリエ
ステル繊維80%とからなる繊維ウェブDに、針密度7
0本/cm2 の条件でニードルパンチを施した後、カレ
ンダー処理して平均孔径220μm、目付250g/m
2 のパンチフェルトを得た。繊度15デニール、繊維長
76mmのポリエステル繊維100%の繊維ウェブE
に、針密度70本/cm2 の条件でニードルパンチを施
した後、カレンダー処理して平均孔径200μm、目付
250g/m2 のパンチフェルトを得た。繊度6デニー
ル、繊維長51mmのポリエステル繊維50%と繊度1
5デニール、繊維長76mmのポリエステル繊維50%
とからなる繊維ウェブFに、針密度70本/cm2 の条
件でニードルパンチを施した後、カレンダー処理して平
均孔径160μm、目付250g/m2 のパンチフェル
トを得た。上記各パンチフェルトを、孔径の大きな順に
積層したものに、フィルム100%モジュラスが100
kg/cm2 のウレタン樹脂エマルジョンを50g/m
2含浸し、乾燥して不織布を得た。この不織布に、ポリ
ビニルピリジン−スチレン共重合体四級アンモニウム塩
の0.3重量%アルコール溶液をピックアップが150
%となるように含浸し、80℃で乾燥して、風呂用の濁
り除去フィルタ(ζ電位=+21mV)を得た。このフ
ィルタの濁り除去及び流量試験を行い、その結果を表3
に示した。
【0036】実施例8 実施例7で使用した繊維ウェブDEFをこの順に積層し
て、針密度70本/cm2 の条件でニードルパンチを施
した後、カレンダー処理して各ウェブ層の平均孔径が2
20μm、200μm、160μmで目付が750g/
2 のパンチフェルトを得た。このパンチフェルトに、
フィルム100%モジュラスが100kg/cm2 のウ
レタン樹脂エマルジョンを150g/m2 含浸し、乾燥
して不織布を得た。得られた不織布に、ポリビニルピリ
ジン−スチレン共重合体四級アンモニウム塩の0.3重
量%アルコール溶液をピックアップが150%となるよ
うに含浸し、80℃で乾燥して、風呂用の濁り除去フィ
ルタ(ζ電位=+16mV)を得た。このフィルタの濁
り除去及び流量試験を行い、その結果を表3に示した。
【0037】比較例4 ウレタン樹脂エマルジョンを用いないこと以外は、実施
例7と同様にして風呂用の濁り除去フィルタ(ζ電位=
+20mV)を得た。得られたフィルタの濁り除去及び
流量試験を行い、その結果を表3に示した。
【0038】
【表3】
【0039】表3から明らかなように、絡合された繊維
間をフィルム100%モジュラスが100kg/cm2
のウレタン樹脂エマルジョンで接着結合した不織布を使
用した実施例7、8の風呂用の濁り除去フィルタは、目
詰りなく、大量の風呂の水の濁りを除去できることを示
した。なお、ウレタン樹脂によって繊維間を接着結合し
なかった比較例4のフィルタでは、水圧によりフィルタ
の圧密化が起こり、1回目の通液で流量比率が56%と
なった。
【0040】
【発明の効果】本発明の風呂用の濁り除去フィルタは、
構成繊維が機械的に絡合されていると共に、繊維間が接
着結合された平均孔径150〜250μmの不織布から
なるので、低い圧力損失で通液でき、しかも水圧により
潰れたり、圧密化したりしない。このため、目詰りしに
くく、風呂の大量の水を循環処理することが可能であ
る。しかも、本発明の除去フィルタにはζ(ゼータ)電
位がプラスのポリマーが付着しているので、粗い構造で
あるにもかかわらず、風呂の水の濁りを除去することが
できる。従って、本発明の除去フィルタを用いれば、循
環風呂の水を長期にわたって清浄に保つことができるた
め、水を頻繁に交換する必要がなく、また、フィルタも
長期にわたって使用できるため、フィルタ交換の手間を
省け、ランニングコストを下げることもできる。
【0041】また、請求項2に記載の発明にあっては、
フィルタの孔径が、水の流出側よりも流入側の孔径が大
きくなるように分布しているので、より目詰りが生じに
くい。
【0042】また、請求項3に記載の発明にあっては、
活性炭フィルタと共に用いられるので、飛躍的に濁りを
除去できる期間が伸び、長寿命化が計れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成繊維が機械的に絡合されていると共
    に、繊維間が接着結合された平均孔径150〜250μ
    mの不織布からなり、該不織布にζ(ゼータ)電位がプ
    ラスのポリマーが付着していることを特徴とする風呂用
    の濁り除去フィルタ。
  2. 【請求項2】 水の流出側よりも流入側の孔径が大きく
    なるように、孔径分布している請求項1に記載の風呂用
    の濁り除去フィルタ。
  3. 【請求項3】 活性炭フィルタと共に用いることを特徴
    とする請求項1に記載の風呂用の濁り除去フィルタ。
JP23420393A 1993-08-26 1993-08-26 風呂用の濁り除去フィルタ Pending JPH0760026A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005066595A (ja) * 2003-08-06 2005-03-17 Asahi Kasei Clean Chemical Co Ltd 繊維製接触材と水処理装置および水処理方法
JP2010064032A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Kankyo Kogaku:Kk 浄水装置
JP2015164715A (ja) * 2013-04-24 2015-09-17 富士フイルム株式会社 濾過フィルタ、濾過方法、セルロースアシレートフィルム及びその製造方法

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