JPH07116428A - 平行流式積層フィルタ - Google Patents

平行流式積層フィルタ

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JPH07116428A
JPH07116428A JP29121193A JP29121193A JPH07116428A JP H07116428 A JPH07116428 A JP H07116428A JP 29121193 A JP29121193 A JP 29121193A JP 29121193 A JP29121193 A JP 29121193A JP H07116428 A JPH07116428 A JP H07116428A
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JP
Japan
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fiber layer
density
fibers
liquid
density fiber
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JP29121193A
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Mika Hazama
美香 間
Noritoshi Kimura
文紀 木村
Akinori Minami
彰則 南
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よく液体中の粒子を捕集することがで
き、しかも、大量の液体を低い圧力損失で処理すること
ができるフィルタを得ること。 【構成】 2以上の繊維層が積層されたフィルタの積層
界面と実質的に平行な方向に被処理液体が通液される平
行流式積層フィルタにおいて、繊維が機械的に絡合され
ている見かけ密度0.1〜0.4g/cm3 の高密度繊
維層と、これより密度が低い低密度繊維層とが積層され
ていることを特徴とする平行流式積層フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体の濾過を行う積層フ
ィルタに関し、とくに2以上の繊維層が積層されたフィ
ルタの積層界面と平行な方向に被処理液を通液させて濾
過を行う平行流式積層フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体濾過に用いられる積層フィル
タとしては、積層されたフィルタの積層界面と垂直な方
向に被処理液を通液するものが一般的に用いられてお
り、例えば図6に示すように密度の異なる繊維層を上流
側から下流側へと順次粗から密になるように積層したも
のが知られている。この従来の積層フィルタでは、被処
理液中の大きな粒子を上流側の粗な密度の繊維層1で捕
集し、小さな粒子を下流側の密な繊維層2で捕集するこ
とから、異なるサイズの粒子を含む液体を濾過する場
合、単一の密度の繊維層からなるフィルタに比べて、高
い捕集効率で被処理液中の粒子を捕集することができ
る。
【0003】しかし、この従来の積層フィルタを用いて
濾過を続けると、粒子を捕集するに従って捕集した粒子
によって繊維層の空隙が塞がっていき、とくに密な繊維
層1で目詰りが生じて流路を塞ぎ、圧力損失を高めるた
め、使用寿命が短いという欠点があった。とくに、被処
理液体を流路内で循環させ、流路途中に設けたフィルタ
により塵埃などの粒子を捕集する循環型フィルタでは、
大量の液体を循環させながら処理する必要があるが、従
来の積層フィルタではすぐに目詰りし、一定の流量を確
保できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の欠点を解消するべくなされたものであり、効
率よく液体中の粒子を捕集することができ、しかも、大
量の液体を低い圧力損失で処理することができるフィル
タを得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記、課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、「2以上の繊維層が積層
されたフィルタの積層界面と実質的に平行な方向に被処
理液が通液される平行流式積層フィルタにおいて、繊維
が機械的に絡合されている見かけ密度0.1〜0.4g
/cm3 の高密度繊維層と、これより密度が低い低密度
繊維層とが積層されていることを特徴とする平行流式積
層フィルタ。」をその要旨とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、「高密度繊
維層を構成する繊維に、分割繊維を部分的にまたは全面
的に分割した繊維が含まれることを特徴とする請求項1
に記載の平行流式積層フィルタ。」をその要旨とする。
【0007】請求項1記載の発明では、2以上の繊維層
が積層されたフィルタの積層界面と実質的に平行な方向
に被処理液が通液されるが、繊維層として見かけ密度
0.1〜0.4g/cm3 の高密度繊維層11と、これ
より密度が低い低密度繊維層21とが積層されているた
め、被処理液は低密度繊維層を主たる流路として流れる
ので、通液抵抗が小さく、大量の液体を処理できる。し
かも、被処理液は低密度繊維層21の繊維と衝突しなが
ら流れるため、層流としては流れず、乱流となり、高密
度繊維層11とも頻繁に接触し、一方、高密度繊維層1
1は繊維が機械的に絡合されていて、3次元的な空隙構
造を持ち、表面に多数の繊維が突出しているため、低密
度繊維層21で捕集できない小さい粒子も効率よく捕集
できる。また、高密度繊維層11が粒子を捕集すること
で目詰りが進んでも、被処理液は低密度繊維層21を通
ることができるので流路が遮断されない。このため、こ
の発明の積層フィルタは高い捕集効率と低い通液抵抗で
大量の液体を処理できる。
【0008】請求項2記載の発明では、高密度繊維層1
1を構成する繊維に分割繊維を部分的にまたは全面的に
分割した繊維が含まれているため、分割された微細な繊
維によってより小さな粒子の捕集を可能にすると共に、
高密度繊維層11の表面積を増大することによって、よ
り高い捕集効率のフィルタとすることができる。
【0009】以下、図面に沿って本発明を更に詳細に説
明する。本発明の平行流式積層フィルタは、例えば図1
の断面図に示すように、高密度繊維層11と低密度繊維
層21とを積層した構造からなり、容器31内に、矢印
で示す被処理液の通液方向と、繊維層の積層界面とが実
質的に平行となるように配置される。なお、本発明でい
う実質的に平行には、図1のように実際に平行である場
合の他に、図2のように積層界面が通液方向に対して傾
いていても、高密度繊維層が被処理液の流路を完全に遮
っていないものであれば含まれる。
【0010】容器の流入口から入った被処理液は、高密
度繊維層11にも低密度繊維層21にも流れるが、より
通液抵抗の小さな低密度繊維層21に優先的に流れる。
低密度繊維層21は、被処理液中に含まれる大きな粒子
を捕集すると共に、被処理液の流れを乱す。流れを乱さ
れた被処理液は、頻繁に高密度繊維層11内へと入り込
み、この際、機械的な絡合により繊維が三次元的に絡み
合って微小な空隙を多数形成し、繊維が表面に多数突出
した構造を持つ高密度繊維層によって被処理液中に含ま
れる小さな粒子が捕集される。濾過された処理液は容器
の流出口から出て行く。高密度繊維層11では粒子の捕
集に伴って目詰りが進んで行くが、被処理液は主として
低密度繊維層21を流れるため、通液抵抗を著しく増大
させることがなく、長い期間に渡って一定の処理流量を
確保することができる。
【0011】本発明の平行流式積層フィルタには、例え
ば、図3に示すような高密度繊維層11と低密度繊維層
21とを交互に積層したもの、図4に示すような高密度
繊維層11のシートと低密度繊維層21のシートとを積
層し、平巻きにして円柱状としたもの、あるいは図5に
示すような、一点を中心にして放射状に交互に高密度繊
維層11と低密度繊維層21とを配置した断面形状を有
する円柱状のものなどが用いられる。図5の積層フィル
タは、例えば、円の直径の幅の長さを持つ高密度繊維層
シートと低密度繊維層シートとを交互に積層し、この積
層物を圧縮しながら中心線に該当する部分に線状のシー
ル部を形成して各繊維層を結合し、シール部以外の部分
の厚みを回復させることによって得られる。
【0012】高密度繊維層11には、構成繊維が機械的
に絡合された見かけ密度0.1〜0.4g/cm3 のも
のが使用される。繊維を機械的に絡合する手段としては
ニードルパンチ法、水流絡合法などが用いられ、繊維を
三次元的に絡合すると共に、繊維層表面に多数の繊維が
突出した構造を形成する。なお、繊維層の強度を高める
ために接着性繊維やバインダーによる接着を併用しても
よいが、高密度繊維層表面に突出する繊維(表面の繊維
毛羽)を押えたり、高密度繊維層の空隙を塞がないよう
にすることが望ましい。また、高密度繊維層を補強する
ために編物、織物、ネット、メッシュなどの補強材と複
合してもよく、この場合、補強材と繊維ウェブとを重
ね、機械的な絡合処理を施すことで一体化できる。高密
度繊維層にはバフ処理などにより表面に起毛処理を施し
てもよく、このようにすると微細な繊維が被処理液の主
たる流路となる低密度繊維層側に多く突出するため、粒
子の捕集能力が増す。
【0013】高密度繊維層11の見かけ密度が0.4g
/cm3 を超えると、通液抵抗が大きくなりすぎて、被
処理液が高密度繊維層内部に入らなくなり、粒子の捕集
効率が低下する。一方、見かけ密度が0.1g/cm3
より小さくなると、小さな粒子の捕集が困難となるうえ
に、低密度繊維層との密度差が小さくなって、被処理液
が低密度繊維層に優先的に流れず、高密度繊維層にも同
じように流れてしまう。とくに望ましい高密度繊維層1
1の見かけ密度は0.15〜0.3g/cm3である。
【0014】高密度繊維層11を構成する繊維には、平
均繊度が0.001〜1.5デニールの繊維を用いるこ
とが望ましい。上記範囲の平均繊度の繊維を用いると、
機械的な絡合手段によって高い密度の繊維層が形成する
ことが可能となり、結果として微小な空隙を多数有する
と共に、細い繊維が表面に多数突出した構造を持つ繊維
層が得られる。平均繊度が1.5デニールを超えると、
1μm未満の微小な粒子の捕集が難しくなり、平均繊度
が0.001デニール未満になると機械的な絡合手段に
よって均一な構造の繊維層を形成することが困難とな
る。高密度繊維層11を構成する繊維の平均繊度は0.
01〜1.0デニールの範囲にあることがとくに望まし
い。
【0015】なお、上記高密度繊維層11には、機械
的、熱的又は化学的処理により分割できる分割繊維を、
部分的又は全体的に分割した繊維が含まれているとよ
い。分割繊維を用いると、繊維層を形成する際には取扱
い性の良い太い繊度の状態で取扱え、分割処理によって
より繊度を小さくできるのでよい。分割された微細な繊
維はより小さな粒子の捕集を可能にすると共に、高密度
繊維層の表面積を増大することによって捕集効率を高め
ることができる。分割繊維の含有量は多いほどその効果
が高く、高密度繊維層を構成する繊維の50%以上、と
くに好ましくは100%が分割繊維であるのがよい。
【0016】分割繊維としては、断面形状が2以上の樹
脂成分が所定の配置で貼り合わされた構造のものや、一
方の樹脂成分中に他方の樹脂成分が島状に多数分布した
海島構造のものなどが用いられる。一般に前者は樹脂の
性質の違いを利用して、機械的、熱的又は化学的な衝撃
により各樹脂成分ごとの繊維に分割され、後者は海成分
の樹脂を溶剤などにより抽出し、島成分の樹脂からなる
繊維を残すことで分割される。分割繊維の分割は全面的
に行ってもよいが、繊維の先端部分などの一部分だけを
分割してもよく、機械的衝撃などによって分割させる場
合には、繊維の一部分が分割されるケースが多い。具体
的には、ポリエステル系樹脂成分とポリアミド系樹脂成
分とからなる断面形状がオレンジ型の分割繊維や、海成
分がポリエステル系樹脂成分で島成分がポリアミド樹脂
成分である海島型分割繊維や、海成分がポリスチレン系
樹脂成分で島成分がポリアミド樹脂成分である海島型分
割繊維などが好適に用いられる。例えば、ポリエステル
系樹脂成分とポリアミド系樹脂成分とからなる断面形状
がオレンジ型の分割繊維は、機械的な衝撃により0.0
5〜0.5デニール程度の繊維に分割するため、水流絡
合処理などにより繊維を絡合すると同時に繊維を分割で
きるのでよい。
【0017】また、高密度繊維層11を構成する繊維に
は、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、蛋白
質などの親水成分を含む複合繊維、あるいはナイロン
(ポリアミド)繊維、レーヨン繊維、綿、羊毛、絹など
の親水性繊維が含まれていることが望ましい。これは、
高密度繊維層を構成する繊維がすべて疎水性繊維で構成
されている場合、液体とのぬれ性が悪くなり、被処理液
が高密度繊維層内に入りにくくなって、十分な濾過効率
が得られなくなることがあるからである。ただし、被処
理液によって分解したり、大幅に変形したりしない、耐
水性のある繊維を用いることが望ましい。
【0018】なお、高密度繊維層11を構成する繊維に
は、繊維表面にカチオン化処理などの粒子の吸着性を高
める処理が施されているとよく、このような処理をして
おけば、より微小な粒子の捕集が可能となり、捕集効率
を高めることができる。繊維の表面処理は、例えば、カ
チオン化処理剤などの表面改質剤を溶剤溶液またはエマ
ルジョン溶液などの形態とし、高密度繊維層に含浸、塗
布、コーティングなどの手段によって付着させることで
行える。カチオン化処理剤としては、ポリエチルポリア
ミン、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン、ポリアリルアミン、ポリカチオン−アクリル共
重合体、ポリビニルピリジン−スチレン共重合体四級塩
化物などが好適に用いられる。
【0019】低密度繊維層21には、高密度繊維層11
よりも低い密度のものが用いられ、例えば見かけ密度が
0.01〜0.15g/cm3 の不織布などが用いられ
る。見かけ密度が0.01g/cm3 未満では、低密度
繊維層で粒子を捕集することがほとんどできない上に、
被処理液が通液抵抗を受けずに通過するため、高密度繊
維層と被処理液との接触機会を高めることができないの
で、捕集効率の低い積層フィルタしか得られなくなる。
一方、見かけ密度が0.15g/cm3 を超えると、低
密度繊維層でも粒子を高い効率で捕集するため目詰りが
生じやすくなり、大きな流量の処理を長期に渡って行う
ことが難しくなる。とくに望ましい低密度繊維層21の
見かけ密度の範囲は、0.05〜0.1g/cm3 であ
る。
【0020】低密度繊維層21を構成する繊維として
は、被処理液によって分解したり、大幅に変形したりし
ない耐水性のある繊維を用いることが望ましく、例え
ば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、アクリル繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維など
の繊維が好適に用いられる。低密度繊維層21は上記繊
維を水流絡合法やニードルパンチ法により機械的に絡合
させることにより、または接着性繊維やバインダーによ
って繊維交点で接着結合させることにより、または絡合
と繊維交点での接着結合とを併用することなどにより形
成されるが、密度が低いために、とくに粒子の捕集が進
んで目が詰ってくると液圧によるつぶれを受けることが
あるので、繊維交点が接着結合された耐液圧性のある構
造となっていることが望ましい。
【0021】高密度繊維層11と低密度繊維層21と
は、接合されていても、いなくてもよいが、接合する場
合には、高密度繊維層表面の繊維の毛羽をできるだけ押
えないように、また、繊維層内の空隙を塞がないように
接合することが望ましい。また、各繊維層間には、補強
などの目的でメッシュ、ネット、織物、編物などの層を
形成してもよく、とくに、大量の液体の処理を要求され
る場合などには、セパレータを介して積層フィルタ内に
空隙を形成してもよい。
【0022】
【実施例】
実施例1 繊度2デニールのポリアミド/ポリエステルのオレンジ
型分割繊維(鐘紡株式会社 商品名ベリーマX)100
%からなる繊維ウェブに水流絡合処理を施して、繊維を
平均繊度0.2デニール程度の微細繊維に分割すると共
に、繊維どうしを絡合し、目付90g/m2 、厚み0.
4mmの水流絡合不織布(見かけ密度0.22g/cm
3 )からなる高密度繊維層Aを得た。繊度15デニール
のポリエステル繊維40%と繊度30デニールのポリエ
ステル繊維30%と繊度15デニールの芯鞘型ポリエス
テル複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:
融点110℃の低融点ポリエステル)30%からなる繊
維ウェブを、ニードルパンチ処理した後、温度140℃
で5秒間加熱加圧処理して複合繊維により繊維交点を接
着し、目付250g/m2 、厚み2.5mmの不織布
(見かけ密度0.10g/cm3 )からなる低密度繊維
層Sを得た。上記高密度繊維層Aと低密度繊維層Sとを
重ねて巻き、図4に示すような直径72mm、高さ70
mmの渦巻き状の積層フィルタを得た。得られた積層フ
ィルタを被処理液が循環する系内にある内径72mmの
アクリルパイプに、積層フィルタの繊維層の積層界面と
平行の方向に被処理液が流れるように、積層フィルタを
セットし、被処理液として濃度0.0125g/リット
ル、平均粒径0.15μmのポリメチルメタクリレート
分散溶液(初期濁度13〜14)20リットルを流速1
3リットル/分の条件で20時間循環させた。循環中に
流速が低下することはなく、大量の液体を通液抵抗を増
大させることなく処理でき、また循環後の捕集効率は9
8%と高かった。
【0023】実施例2 繊度2デニールのポリアミド/ポリエステルのオレンジ
型分割繊維(鐘紡株式会社 商品名ベリーマX)100
%からなる繊維ウェブに水流絡合処理を施して、繊維を
平均繊度0.2デニール程度の微細繊維に分割すると共
に、繊維どうしを絡合した、目付90g/m2 、厚み
0.5mmの水流絡合不織布(見かけ密度0.18g/
cm3 )からなる高密度繊維層Bを、高密度繊維層Aに
代えて用いたこと以外は、実施例1と同様にして渦巻き
状の積層フィルタを得た。得られた積層フィルタを用い
て、実施例1と同様にして試験を行ったところ、循環中
に流速が低下することはなく、循環後の捕集効率は95
%であった。
【0024】実施例3 繊度1デニールのポリアミド/ポリエステルの海島型分
割繊維(海成分:ポリエステル、島成分:ポリアミド)
100%からなる繊維ウェブにニードルパンチ処理を施
した後、アクリル樹脂バインダーを含浸し乾燥した。次
いで、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液で煮沸処理
して海島型分割繊維のポリエステル成分を抽出し、平均
繊度約0.1デニール程度のポリアミドからなる微細繊
維に分割し、目付120g/m2 、厚み0.4mmの不
織布(見かけ密度0.30g/cm3 )からなる高密度
繊維層Cを得た。一方、繊度20デニールの芯鞘型ポリ
エステル複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート、
鞘:融点110℃の低融点ポリエステル)100%から
なる繊維ウェブをニードルパンチ処理した後、140℃
で5秒間加熱加圧処理して、目付210g/m2 、厚み
3mmの不織布(見かけ密度0.07g/cm3 )から
なる低密度繊維層Tを得た。上記高密度繊維層Cと低密
度繊維層Tとを重ねて巻き、図4に示すような直径72
mm、高さ70mmの渦巻き状の積層フィルタを得た。
得られた積層フィルタを用いて、実施例1と同様にして
試験を行ったところ、循環中に流速が低下することはな
く、循環後の捕集効率は90%であった。
【0025】実施例4 実施例1で用いた高密度繊維層Aと低密度繊維層Sと
を、低密度繊維層S/高密度繊維層A/低密度繊維層S
の順で重ねて平巻きし、図3に示すような直径72m
m、高さ70mmの渦巻き状の積層フィルタを得た。得
られた積層フィルタを用いて、実施例1と同様にして試
験を行ったところ、循環中に流速が低下することはな
く、循環後の捕集効率は93%であった。
【0026】実施例5 繊度15デニールのポリエステル繊維40%と繊度30
デニールのポリエステル繊維30%と繊度15デニール
の芯鞘型ポリエステル複合繊維(芯:ポリエチレンテレ
フタレート、鞘:融点110℃の低融点ポリエステル)
30%からなる繊維ウェブを、ニードルパンチ処理した
後、温度140℃で5秒間加熱加圧処理して複合繊維に
より繊維交点を接着した、目付250g/m2 、厚み
5.0mmの不織布(見かけ密度0.05g/cm3
からなる低密度繊維層Qを、低密度繊維層Sに代えて用
いたこと以外は、実施例1と同様にして渦巻き状の積層
フィルタを得た。得られた積層フィルタを用いて、実施
例1と同様にして試験を行ったところ、循環後の捕集効
率は80%であった。
【0027】実施例6 実施例1で用いた高密度繊維層Aに代えて、高密度繊維
層Aにポリビニルピリジン−スチレン共重合体四級アン
モニウム塩の0.3重量%アルコール溶液をピックアッ
プが100%となるように含浸し、80℃で乾燥して、
カチオン化処理を施した高密度繊維層Dを用いたこと以
外は、実施例1と同様にして渦巻き状の積層フィルタを
得た。得られた積層フィルタを用いて、実施例1と同様
にして試験を行ったところ、循環中に流速が低下するこ
とはなく、循環後の捕集効率は99%と極めて高かっ
た。
【0028】比較例1 高密度繊維層Aに代えて、繊度1.5デニールのポリエ
ステル繊維100%からなる繊維ウェブに水流絡合処理
を施して繊維どうしを絡合した、目付70g/m2 、厚
み0.78mmの水流絡合不織布(見かけ密度0.09
g/cm3 )からなる高密度繊維層Eを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして渦巻き状の積層フィルタを得
た。得られた積層フィルタを用いて、実施例1と同様に
して試験を行ったところ、循環後の捕集効率は52%で
あった。この積層フィルタは高密度繊維層の見かけ密度
が低いため、本発明のような高い捕集効率が得られなか
った。
【0029】比較例2 高密度繊維層Aに代えて、メルトブロー法により製造し
た平均繊度0.5デニールのポリプロピレン繊維からな
る目付80g/m2 、厚み0.5mmのメルトブロー不
織布(見かけ密度0.16g/cm3 )からなる高密度
繊維層Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして渦
巻き状の積層フィルタを得た。得られた積層フィルタを
用いて、実施例1と同様にして試験を行ったところ、循
環後の捕集効率は27%であった。この積層フィルタで
は、高密度繊維層の見かけ密度は0.16g/cm3
高かったが、メルトブロー法により製造したものである
ため、繊維が三次元的に絡合されておらず、繊維層表面
に繊維が突出した構造となっていないので、被処理液が
高密度繊維層内に入り込みにくく、高密度繊維層での粒
子の捕集が十分に行えなかった。
【0030】比較例3 実施例1で用いた高密度繊維層Aと低密度繊維層Sとを
積層し、直径72mmの円板状に裁断して積層フィルタ
を得た。得られた積層フィルタを、低密度繊維層側が上
流となるようにアクリルパイプにセットし、実施例1と
同様にして試験を行ったところ、循環後の捕集効率は9
8%と高かったが、流速が8.9リットル/分まで低下
した。積層フィルタの積層界面と垂直の方向に被処理液
を通液させる、この積層フィルタでは、通液抵抗の上昇
が大きく、一定の処理流量の確保ができなかった。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、2以上の繊維
層が積層されたフィルタの積層界面と実質的に平行な方
向に被処理液が通液される平行流式積層フィルタであ
り、繊維層として見かけ密度0.1〜0.4g/cm3
の高密度繊維層と、これより密度が低い低密度繊維層と
が積層されているため、被処理液は低密度繊維層を主た
る流路として流れるので、通液抵抗が小さく、大量の液
体を処理できる。しかも、被処理液は低密度繊維層の繊
維と衝突しながら流れるため、層流としては流れず、乱
流となり、高密度繊維層とも頻繁に接触し、一方、高密
度繊維層は繊維が機械的に絡合されていて、3次元的な
空隙構造を持ち、表面に多数の繊維が突出しているた
め、低密度繊維層で捕集できない小さい粒子も効率よく
捕集できる。また、高密度繊維層が粒子を捕集すること
で目詰りが進んでも、被処理液は低密度繊維層を通るこ
とができるので流路が遮断されない。このため、この発
明の積層フィルタは高い捕集効率と低い通液抵抗で大量
の液体を処理できる。
【0032】本発明の積層フィルタは、上記の効果を有
するため、大量の水を長期にわたって処理する海水、河
川、湖沼、池などの水の浄化や、風呂、水槽などの水の
濁りや汚れの除去に使用するのに適している。とくに、
本発明の積層フィルタは被処理液を数回通すことで捕集
効率をより高くすることができるので、24時間入浴で
きる風呂や水槽などのように、水を一定の流路内で循環
し、その循環流路内に設けたフィルタにより塵埃やにご
りなどの粒子を捕集するようにした循環濾過用フィルタ
として用いると良い。
【0033】請求項2に記載の発明は、高密度繊維層を
構成する繊維に分割繊維を部分的にまたは全面的に分割
した繊維が含まれているため、分割された微細な繊維に
よってより小さな粒子の捕集を可能にすると共に、高密
度繊維層の表面積を増大することによって、より高い捕
集効率のフィルタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平行流式積層フィルタの一例を示す断
面図。
【図2】本発明の平行流式積層フィルタの別の例を示す
断面図。
【図3】本発明の平行流式積層フィルタの一例を示す斜
視図。
【図4】本発明の平行流式積層フィルタの別の例を示す
斜視図。
【図5】本発明の平行流式積層フィルタの更に別の例を
示す斜視図。
【図6】従来の積層フィルタの断面図。
【符号の説明】
11・・・高密度繊維層 21・・・低密度繊維層 31・・・容器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上の繊維層が積層されたフィルタの
    積層界面と実質的に平行な方向に被処理液が通液される
    平行流式積層フィルタにおいて、繊維が機械的に絡合さ
    れている見かけ密度0.1〜0.4g/cm3 の高密度
    繊維層と、これより密度が低い低密度繊維層とが積層さ
    れていることを特徴とする平行流式積層フィルタ。
  2. 【請求項2】 高密度繊維層を構成する繊維に、分割繊
    維を部分的にまたは全面的に分割した繊維が含まれるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の平行流式積層フィル
    タ。
JP29121193A 1993-10-26 1993-10-26 平行流式積層フィルタ Pending JPH07116428A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006040670A3 (en) * 2004-10-14 2006-07-13 Henning Joubert A filter with a filter element and a method of manufacturing the filter element
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