JPH09192427A - エアクリーナー用濾材及びその製造方法 - Google Patents

エアクリーナー用濾材及びその製造方法

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JPH09192427A
JPH09192427A JP2601596A JP2601596A JPH09192427A JP H09192427 A JPH09192427 A JP H09192427A JP 2601596 A JP2601596 A JP 2601596A JP 2601596 A JP2601596 A JP 2601596A JP H09192427 A JPH09192427 A JP H09192427A
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卓哉 矢形
Noritoshi Sasaki
範利 佐々木
Norimitsu Kitazawa
敬光 北澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塵埃、とくに砂塵に対する初期捕集効率を向
上させると共に、目詰りしにくくて塵埃、とくにカーボ
ン粒子の処理容量が大きく、結果として使用寿命が長
く、かつプリーツ加工などの加工が可能なエアクリーナ
ー用濾材を提供すること。 【構成】 熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎水性繊維
で構成される繊維層が2層以上積層され、熱接着性疎水
性繊維によって結合されている濾材であって、空気流出
側の繊維層が空気流入側の繊維層よりも平均繊度が小さ
く、かつ繊維の重量に対する油剤の付着量の割合が0.
2重量%以下であることを特徴とするエアクリーナー用
濾材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアクリーナー用濾
材、特には自動車等のエアクリーナーに用いられる濾材
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車のエアクリーナーは外気中
の塵埃を十分に捕集した後で、清浄化空気をエンジンル
ームに導入するために使用される。これらの塵埃の内、
とくに砂塵を主成分とする塵埃はエンジン内に入るとト
ラブルを生じるため十分に除去されている必要がある。
また、近年、道路環境の変化に伴い、特に都市部におい
てカーボンダストが増加するようになってきたため、カ
ーボンダストに対する高い濾過性能を要求されるように
なってきた。
【0003】従来、エアクリーナー用の濾材としては、
繊維ウェブからなる外層(粗層)と中間層(中間密度
層)と内層(緻密層)との積層体に樹脂エマルジョンを
含浸し、乾燥して得た、剛性があり、密度勾配を有する
エアクリーナー用濾材や、内層に緻密な湿式不織布を用
いることで更に捕集効率を高めたエアクリーナー用濾材
(特開昭62−279817号公報)が知られていた。
これらのエアクリーナー用濾材では、砂塵などの塵埃を
より確実に捕集するために、微細な繊維を用いたり、含
浸する樹脂量を増やすことにより内層を緻密化すること
が試みられたが、このようにすると、塵埃の捕集効率は
高まるものの、カーボン粒子などによる目詰りが生じや
すくなるため、一定の圧力損失となるまでに処理できる
塵埃の量が低下し、使用寿命が短くなるという問題があ
った。このため、繊維間の開孔径を大きくしてカーボン
粒子の処理量を増加させることが試みられたが、このよ
うにすると砂塵の捕集効率が著しく低下し、使用に耐え
ないものとなってしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の欠点を解消するべくなされたものであり、塵
埃、とくに砂塵に対する初期捕集効率を向上させると共
に、目詰りしにくくて塵埃、とくにカーボン粒子の処理
容量が大きく、結果として使用寿命が長く、かつプリー
ツ加工などの加工が可能なエアクリーナー用濾材を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、熱接着性
疎水性繊維と非熱接着性疎水性繊維で構成される繊維層
が2層以上積層され、熱接着性疎水性繊維によって結合
されている濾材であって、空気流出側の繊維層が空気流
入側の繊維層よりも平均繊度が小さく、かつ繊維の重量
に対する油剤の付着量の割合が0.2重量%以下である
ことを特徴とするエアクリーナー用濾材によって解決さ
れる。
【0006】また、本発明は、熱接着性疎水性繊維と非
熱接着性疎水性繊維とで構成される2層以上の繊維層
を、空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維層よりも平
均繊度が小さくなるように積層した後、加熱して熱接着
性疎水性繊維の熱接着により構成繊維を結合し、次い
で、水洗することにより繊維に付着する油剤を0.2重
量%以下になるまで除去し、乾燥することを特徴とする
エアクリーナー用濾材の製造方法に関する。
【0007】すなわち、本発明では空気流出側の繊維層
(内層)の繊維径を小さくし、熱接着性疎水性繊維で繊
維を結合することで緻密に形成しているため、従来の繊
維間を結合するための樹脂量を増やして緻密化する場合
と異なり、繊維間隙を樹脂の被膜が塞いでしまうことも
なく、塵埃、とくにカーボン粒子による目詰りが生じに
くい。また、本発明では、構成繊維に疎水性繊維を使用
すると共に、油剤を繊維重量の0.2重量%以下に除去
しているため、繊維間隙が保持されているにもかかわら
ず、塵埃、とくに砂塵を高い捕集効率で捕集できる。こ
の理由は明らかではないが、油剤が付着していない、あ
るいはほとんど付着していない疎水性繊維で構成される
繊維層では、自然帯電が生じ、この帯電による静電気力
によって砂塵が吸着されて捕集効率が向上するものと推
定される。更に、本発明のエアークリーナー用濾材は十
分な量の熱接着性繊維で結合されているため十分な剛性
が付与される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、熱接着性疎水性繊維
と非熱接着性疎水性繊維とで構成される繊維層が2層以
上積層され、熱接着性疎水性繊維によって構成繊維が結
合される。熱接着性疎水性繊維としては、ポリオレフィ
ン系、ポリエステル系の疎水性の繊維であって、熱接着
性を示すものが使用でき、例えば、ポリプロピレン/ポ
リエチレン複合繊維、ポリエステル/低融点ポリエステ
ル複合繊維、ポリエステル/ポリエチレン複合繊維、ポ
リプロピレン/変性ポリプロピレン複合繊維などの低融
点樹脂成分を含む複合繊維や、低融点ポリエステル繊
維、ポリエチレン繊維などの低融点樹脂からなる繊維が
好適に使用できる。
【0009】また、非熱接着性疎水性繊維としては、ポ
リオレフィン系、ポリエステル系の疎水性の繊維であっ
て、上記熱接着性疎水性繊維が熱接着性を示し始める温
度、すなわち、熱接着性疎水性繊維に含まれる低融点樹
脂成分の融点付近の温度において熱接着性を示さない繊
維が使用され、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエス
テル繊維などが好適に使用できる。非熱接着性疎水性繊
維を構成する樹脂の融点は、熱接着性疎水性繊維の低融
点樹脂成分の融点より少なくとも20℃以上、好ましく
は30℃以上高いことが望ましい。
【0010】上記の熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎
水性繊維は、いずれも疎水性であって、標準状態(温度
20℃、相対湿度65%)における水分率が2.0以
下、より好ましくは1.0以下であることが望ましく、
繊維の水分率が低いほど塵埃の捕集効率は高くなる傾向
を示す。濾材を構成する繊維の水分率が上記より高い
と、十分な塵埃の捕集効率が得られない場合がある。
【0011】また、上記の熱接着性疎水性繊維と非熱接
着性疎水性繊維は、いずれも繊維長10〜100mm程
度の短繊維であることが望ましい。これは、長繊維の場
合、繊維を厚み方向も含めたランダムな方向に配向させ
ることが難しく、また熱接着性疎水性繊維と非熱接着性
疎水性繊維を均質に混合し、所望の配合率に設定するこ
とが容易ではないからである。
【0012】本発明で使用する繊維層には、上記の繊維
以外の他の繊維が含まれていてもよいが、例えば、天然
繊維、再生繊維または親水性合成繊維などの場合には、
濾材の自然帯電を妨げ、塵埃の捕集効率を低下させるお
それがあるので、できるだけ少量であることが望まし
く、特に必要がある場合を除いては含まれない方がよ
い。
【0013】上記の熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎
水性繊維とで構成される繊維層は、2層以上積層され、
空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維層よりも平均繊
度が小さくなるように配置される。
【0014】例えば、繊維層が空気流入側から順に外
層、中間層、内層の3層の繊維層からなる場合であれ
ば、平均繊度が、外層は3〜15デニール、中間層は
1.5〜6デニール、内層は0.7〜4デニールの範囲
にあり、空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維層より
も平均繊度が小さくなっていることが望ましい。繊度が
小さくなるとより繊維間の空隙を小さく形成することが
可能となり、微小な粒子が捕捉できる緻密な層を形成す
ることができる。すなわち、各繊維層の平均繊度を上記
のように空気流出側で空気流入側より小さくすることに
より、空気流入側から空気流出側にかけて粗から密に変
化する粗密構造を形成することができ、塵埃を効率よ
く、かつ濾材が目詰りしにくい状態で捕集することがで
きる。
【0015】また、本発明では、空気流出側の繊維層が
空気流入側の繊維層よりも含まれる熱接着性疎水性繊維
の割合が多いことが望ましい。例えば、繊維層が空気流
入側から順に外層、中間層、内層の3層の繊維層からな
る場合であれば、各繊維層における熱接着性疎水性繊維
の割合は、外層は5〜40%、中間層は30〜70%、
内層は40〜80%となっていることが望ましい。熱接
着性疎水性繊維の割合は、主として各繊維層の厚みのコ
ントロールと剛性に影響し、例えば、外層の熱接着性疎
水性繊維の割合が40%を越えると厚みが潰れすぎて緻
密化し、粗層としての働きをしなくなり、逆に内層での
熱接着性疎水性繊維の割合が40%未満になると緻密化
ができず、密層を形成することが困難になる。一方、外
層において熱接着性疎水性繊維の割合が5%未満になる
と形状保持性が損なわれると共に繊維の抜けが生じやす
くなり、内層において熱接着性疎水性繊維の割合が80
%を越えると緻密化しすぎて目詰りが生じやすくなる。
なお、すべての繊維層において必ずしも上流側の繊維層
より熱接着性疎水性繊維の割合が増えていなくてもよ
く、空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維層よりも熱
接着性疎水性繊維の割合が多くなっていればよい。
【0016】各繊維層の間で層間剥離が生じないよう
に、各繊維層は積層された後、絡合されていることが望
ましい。絡合方法としては、ニードルパンチ、水流絡合
などの機械的な絡合手段を用いることが望ましい。繊維
を絡合することにより、各繊維層の繊維の一部は他の繊
維層内に入り込むので、濾材の空気流出側が空気流入側
よりも、繊維径が小さくなるという関係が維持できるよ
うな絡合条件を選ぶ。一般的には、積層する時点で各繊
維層が上記の関係を満たしていれば、絡合後も上記の関
係は維持される。
【0017】各繊維層を積層した後に、加熱処理を施す
ことにより、熱接着性疎水性繊維の熱接着により、濾材
を構成する繊維が結合される。加熱処理の手段はとくに
限定されず、例えば、加熱ロール、ドライヤー、オーブ
ンなどが用いられる。また、加熱条件としては、熱接着
性疎水性繊維に含まれる低融点樹脂成分の融点以上、非
熱接着性疎水性繊維を構成する樹脂の融点未満の温度で
あることが望ましい。なお、濾材は圧縮により緻密層を
形成すると共に剛性が付与されていることが望ましいの
で、この加熱処理の際に、あるいいは加熱処理の後に加
圧処理されていると更によい。加熱処理の際に加圧処理
する方法としては、例えば、加熱ロールを通す際に積層
された繊維層の厚みよりもロール間の間隔を狭くしてお
く方法や、加熱プレスする方法などがあり、加熱処理の
後に加圧処理する方法としては、例えば、ドライヤーや
オーブンで加熱した直後に、積層された繊維層の厚みよ
りも間隔を狭く設定したロール間を通す方法や、プレス
機などでプレスする方法がある。
【0018】本発明のエアクリーナー用濾材は、繊維重
量に対する油剤の付着量が0.2重量%以下であること
が必要である。油剤の付着量がこれより多いと十分な塵
埃の捕集効率が得られなくなる。繊維重量に対する油剤
の付着量が少ないほど塵埃の捕集効率は向上する傾向に
あり、理想的には油剤が全く付着していない状態が望ま
しい。なお、ここで油剤とは、紡糸油剤や紡績油剤など
の繊維油剤の他、バインダーや各種処理剤に含まれる油
剤も含まれる。
【0019】一般に、繊維、とくに不織布の製造におい
て、カード法などにより繊維ウェブを形成するのに使用
される繊維長10〜100mmの短繊維では、繊維油剤
が付着しているため、上記のような付着量範囲とするた
めには、油剤を除去する必要がある。この油剤を除去す
る方法としては、例えば、水洗などの液体による洗浄が
あるが、特に油剤量を低減したい場合には、温度50℃
以上の水またはアルコールなどの溶剤を用いることが望
ましい。
【0020】以下、実施例を用いて本発明を更に具体的
に説明するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0021】
【実施例】
実施例1、2及び比較例1 繊度1.5デニール、繊維長38mmのポリエステル繊
維(融点:260℃)40重量%と、繊度2デニール、
繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複
合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)60重
量%とからなる目付120g/m2 の内層用繊維層(平
均繊度:1.8デニール)と、繊度2デニール、繊維長
51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)30重
量%と、繊度2デニール、繊維長51mmのポリエステ
ル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステル
の融点:110℃)70重量%と、からなる目付80g
/m2 の中間層用繊維層(平均繊度:2デニール)と、
繊度6デニール、繊維長51mmのポリエステル繊維
(融点:260℃)90重量%と、繊度4デニール、繊
維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合
繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)10重量
%とからなる目付80g/m2 の外層用繊維層(平均繊
度:5.8デニール)とを積層した後、ニードルパンチ
処理を施し、温度150℃の加熱ロール(ロール間スリ
ット1.5mm)に通して、ポリエステル/低融点ポリ
エステル複合繊維により繊維間を結合し、厚さ3.0m
mの積層不織布を得た。なお、使用したポリエステル繊
維とポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維の標準
状態における水分率は0.4〜0.5であった。次い
で、得られた積層不織布を、60℃の水で5分間水洗
して、乾燥する(実施例1)、60℃の水で30秒間
水洗して、乾燥する(実施例2)、水洗しない(比較
例1)ことにより各々エアクリーナー用濾材を得た。
【0022】比較例2 繊度1.5デニール、繊維長51mmのレーヨン繊維9
0重量%と、繊度1.5デニール、繊維長38mmのポ
リエステル繊維10重量%とからなる目付65g/m2
の内層用繊維層(平均繊度:1.5デニール)と、繊度
1.5デニール、繊維長51mmのレーヨン繊維40重
量%と、繊度1.5デニール、繊維長38mmのポリエ
ステル繊維20重量%と、繊度3デニール、繊維長64
mmのポリエステル繊維20重量%と、繊度6デニー
ル、繊維長51mmのポリエステル繊維20重量%とか
らなる目付60g/m2 の中間層用繊維層(平均繊度:
2.7デニール)と、繊度3デニール、繊維長51mm
のレーヨン繊維15重量%と、繊度3デニール、繊維長
64mmのポリエステル繊維35重量%と、繊度6デニ
ール、繊維長51mmのポリエステル繊維50重量%と
からなる目付55g/m2 の外層用繊維層(平均繊度:
4.5デニール)とを積層した後、ニードルパンチ処理
を施し、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンを含浸
し、130℃の熱風ドライヤーで乾燥することにより、
樹脂が70g/m2 付着した、厚さ3.0mm、目付2
50g/m2 の濾材を得た。
【0023】得られた濾材について、JIS8種塵埃
(砂塵)の初期捕集効率、フルライフの捕集効率及びD
HC( Dust Holding Capacity:塵埃保持量)、カーボ
ンのフルライフの捕集効率とDFC( Dust Feeding Ca
pacity:塵埃処理量)とを下記の方法で測定し、各濾材
の油剤付着量と合せて表1に示した。
【0024】(1)JIS8種塵埃の「初期捕集効
率」、「フルライフ捕集効率」及び「DHC」:これら
の測定は、JIS D 1612(自動車用エアクリー
ナー試験方法)に準じて行った。ただし、試験用のエア
クリーナーエレメントとして、有効濾過面積530cm
2 の平板濾材を使用した。また、JIS−8種塵埃の試
験条件は塵埃濃度1g/m3 及び風速30cm/秒と
し、「初期捕集効率」は濾過面積100cm2 に対して
1.1gの割合で塵埃を供給した時点での捕集効率と
し、「フルライフ捕集効率」及び「DHC」は通気抵抗
が300mmAqに上昇した時点での捕集効率及び塵埃
保持量とした。
【0025】(2)カーボン粒子の「フルライフ捕集効
率」及び「DFC」:「DFC」の測定は、試験ダスト
を軽油燃焼カーボンからなるカーボン粒子に変更したこ
と以外は、前記のJIS8種塵埃の「DHC」の測定と
同様に行って、通気抵抗が300mmAqに上昇した時
点で、濾材に捕集されたカーボン粒子の保持量を測定
し、これに濾材を通過して絶対フィルターに捕集された
カーボン粒子の量を加えて求めた。また、「フルライフ
捕集効率」の測定は、試験ダストを軽油燃焼カーボンか
らなるカーボン粒子に変更したこと以外は、前記のJI
S8種塵埃の「フルライフ捕集効率」の測定と同様に行
った。なお、カーボン粒子の「フルライフ捕集効率」及
び「DFC」の試験条件は、カーボン粒子濃度0.04
g/m3 及び風速30cm/秒とした。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、実施例1、2及
び比較例1の濾材は、一般的な樹脂含浸タイプである比
較例2の濾材に比べて2倍近くのカーボン粒子の塵埃処
理容量(DFC)を持つことがわかる。また、水洗しな
い比較例1のものに比べて実施例1、2のものは、捕集
効率、とくにJIS8種塵埃の初期捕集効率に優れてお
り、例えば、実施例1と比較例1の初期捕集効率から、
未捕集の塵埃量の比率を計算すると(100−92.
8)/(100−96.7)=7.2/3.3=2.2
で、未捕集の塵埃が比較例1の濾材では実施例1の濾材
の2倍以上もあることがわかる。
【0028】実施例3及び比較例3 繊度2デニール、繊維長51mmのポリプロピレン繊維
(融点:170℃)40重量%と、繊度1.5デニー
ル、繊維長51mmのポリプロピレン/ポリエチレン複
合繊維(ポリエチレンの融点:130℃)60重量%と
からなる目付120g/m2 の内層用繊維層(平均繊
度:1.7デニール)と、繊度2デニール、繊維長51
mmのポリプロピレン繊維(融点:170℃)30重量
%と、繊度3デニール、繊維長51mmのポリプロピレ
ン/ポリエチレン複合繊維(ポリエチレンの融点:13
0℃)70重量%と、からなる目付85g/m2 の中間
層用繊維層(平均繊度:2.7デニール)と、繊度6デ
ニール、繊維長51mmのポリプロピレン繊維(融点:
170℃)90重量%と、繊度3デニール、繊維長51
mmのポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維(ポリエ
チレンの融点:130℃)10重量%とからなる目付8
5g/m2 の外層用繊維層(平均繊度:5.7デニー
ル)とを積層した後、ニードルパンチ処理を施し、温度
140℃の加熱ロール(ロール間スリット1.5mm)
に通して、ポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維
により繊維間を結合し、厚さ3.0mmの積層不織布を
得た。なお、使用したポリプロピレン繊維とポリプロピ
レン/ポリエチレン複合繊維の標準状態における水分率
は0であった。次いで、得られた積層不織布を、60
℃の水で5分間水洗して、乾燥する(実施例3)、水
洗しない(比較例3)ことにより各々エアクリーナー用
濾材を得た。
【0029】得られた濾材について、JIS8種塵埃
(砂塵)の初期捕集効率、フルライフの捕集効率及びD
HC、カーボンのフルライフの捕集効率とDFCとを測
定し、表2に示した。なお、実施例3のエアクリーナー
用濾材については、耐熱テストとして、120℃のドラ
イヤー中に72時間置いた後、取り出して5分以内に測
定を開始して、JIS8種塵埃の初期捕集効率、フルラ
イフの捕集効率及びDHC、カーボンのフルライフの捕
集効率とDFCを測定した。また、ドライヤーから取り
出した後、室温で30分間通風した後に、同様の項目に
ついて測定した。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、耐熱性について
は120℃で72時間処理した後、若干の初期捕集効率
の低下が見られるが、比較例3に比べればなお十分に高
い効率を維持しており、また、室温で30分通風するこ
とにより、ほぼ元の状態に復元することがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明のエアクリーナー用濾材は、従来
両立が困難であった砂塵の捕集効率の向上とカーボンラ
イフ(カーボンの処理容量)の向上とを達成しており、
また、剛性にも優れ、プリーツ加工などによる所望の形
状への成形が可能なことから、例えば自動車用のエアク
リーナーなどに使用すると、ロングライフで十分な塵埃
の除去が行える。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎水性
    繊維で構成される繊維層が2層以上積層され、熱接着性
    疎水性繊維によって結合されている濾材であって、空気
    流出側の繊維層が空気流入側の繊維層よりも平均繊度が
    小さく、かつ繊維の重量に対する油剤の付着量の割合が
    0.2重量%以下であることを特徴とするエアクリーナ
    ー用濾材。
  2. 【請求項2】 構成繊維の標準状態(温度20℃、相対
    湿度65%)における水分率が2.0以下であることを
    特徴とする請求項1に記載のエアクリーナー用濾材。
  3. 【請求項3】 空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維
    層よりも含まれる熱接着性疎水性繊維の割合が多いこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のエアクリーナー
    用濾材。
  4. 【請求項4】 空気流入側から順に外層、中間層、内層
    の3層の繊維層からなり、平均繊度が、外層は3〜15
    デニール、中間層は1.5〜6デニール、内層は0.7
    〜4デニールであることを特徴とする請求項1から3の
    いずれかに記載のエアクリーナー用濾材。
  5. 【請求項5】 空気流入側から順に外層、中間層、内層
    の3層の繊維層からなり、各繊維層における熱接着性疎
    水性繊維の割合が、外層は5〜40%、中間層は30〜
    70%、内層は30〜80%であることを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載のエアクリーナー用濾
    材。
  6. 【請求項6】 熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎水性
    繊維とで構成され、熱接着性疎水性繊維によって結合さ
    れている濾材であって、空気流出側が空気流入側よりも
    繊維径が小さく、かつ繊維の重量に対する油剤の付着量
    の割合が0.2重量%以下であることを特徴とするエア
    クリーナー用濾材。
  7. 【請求項7】 空気流出側が空気流入側よりも含まれる
    熱接着性疎水性繊維の割合が多いことを特徴とする請求
    項6に記載のエアクリーナー用濾材。
  8. 【請求項8】 熱接着性疎水性繊維と非熱接着性疎水性
    繊維とで構成される2層以上の繊維層を、空気流出側の
    繊維層が空気流入側の繊維層よりも、平均繊度が小さく
    なるように積層した後、加熱して熱接着性疎水性繊維の
    熱接着により構成繊維を結合し、次いで、水洗すること
    により繊維に付着する油剤を0.2重量%以下になるま
    で除去し、乾燥することを特徴とするエアクリーナー用
    濾材の製造方法。
  9. 【請求項9】 空気流出側の繊維層が空気流入側の繊維
    層よりも含まれる熱接着性疎水性繊維の割合が多くなる
    ように積層したことを特徴とする請求項8に記載のエア
    クリーナー用濾材の製造方法。
  10. 【請求項10】 繊維層を積層した後に、機械的に絡合
    することを特徴とする請求項8に記載のエアクリーナー
    用濾材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007190501A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Nippon Muki Co Ltd エアフィルタ用ろ材及びその製造方法
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JP2017008475A (ja) * 2010-10-14 2017-01-12 フェアテック インヴェストメント リミテッド 不織布のニードルパンチフェルト生地、その製造方法、および、それにより作られたフィルター

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