JP4343557B2 - 粗塵用フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル空調や一般オフィスなどの空調に用いられるエアフィルタに係り、特に大気中の塵埃のうち粗塵を除去するのに好適なエアフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビル空調や一般オフィスなどの空調では、大気取り入れ口に、大気中の塵埃のうち特に粗塵を除去することを目的とした、粗塵用フィルタが設置されている。そして、粗塵用フィルタには、できる限り多くの塵埃(特に粗塵)を効率よく除去すると共に、塵埃による目詰まりに対しても濾過性能を保持したまま再生可能とする技術が要求されており、耐久性のある比較的目の粗い不織布が好適に使用されている。
【0003】
このような粗塵用フィルタとしては、例えば特開平7−136431号公報に、不織布からなる粗密構造濾材が記載されている。この粗密構造濾材は、クリンプを有する熱可塑性繊維を含む繊維層(粗層部分)とクリンプが崩れた熱可塑性繊維を含む繊維層(密層部分)とから構成された粗密構造濾材である。この粗密構造濾材は、粗層部分ではクリンプを有する熱可塑性繊維によって嵩高い構造となっており、一方密層部分ではクリンプが崩れた熱可塑性繊維によって厚さが圧縮された構造となっているので、この粗密構造によって、粒子捕集効率を高く維持したまま濾過寿命を長く保つことができる。また、繊維同士の結合はニードルパンチ処理の後で、アクリル系樹脂エマルジョンを泡立てた状態で含浸、乾燥することによって行われているので、繊維同士の結合も確実に行われており、再使用も可能な耐久性のある濾材となっている。
【0004】
また、このような粗塵用フィルタをビル空調などで使用する場合、ビル管理法などの規制により、ある程度の難燃化が必要とされる。このため接着剤に難燃剤を混入することにより、粗塵用フィルタ全体に対して難燃化処理を行っていた。
【0005】
しかし、近年フィルタの分野においても、環境に大きな負荷をかけないような素材が要求されている。すなわち、粗塵用フィルタにおいても、接着剤の使用や、難燃剤の使用によって、ダイオキシンなどの環境汚染物質が多く発生するという問題があり、対策が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−136431号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような問題を解決するため、従来より要求される濾過性能や難燃性を保持しながら、環境に大きな負荷をかけることのない、リサイクル使用性能に優れた、粗塵用フィルタを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、請求項1の発明では、熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布からなるフィルタであって、前記不織布は粗面層と密面層の二層構造を有しており、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含み、粗面層は更に1質量%以上の中空繊維を含み、密面層は中空繊維を含まず、粗面層及び密面層を構成する繊維の繊度は10〜40デシテックスであり、前記不織布の質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であることを特徴とする粗塵用フィルタである。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記粗面層及び前記密面層がそれぞれ90質量%以上の熱接着性繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の粗塵用フィルタである。
【0010】
また、請求項3の発明では、前記粗面層が3質量%以上の中空繊維を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の粗塵用フィルタである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる粗塵用フィルタの好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明の粗塵用フィルタは、熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布からなるフィルタであって、前記不織布は粗面層と密面層の二層構造を有しており、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含み、粗面層は更に1質量%以上の中空繊維を含み、前記不織布の質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であることを特徴とする粗塵用フィルタである。
【0013】
前記不織布は、従来より知られている不織布の製造方法によって得ることができ、例えば乾式法、エアレイ法、スパンボンド法等によって得ることができる。このうち乾式法による不織布は、厚み方向に繊維が配向しているので、厚みが大きく、且つ厚みがつぶれ難いため、嵩高な構造を必要とする本発明の粗塵用フィルタとして特に適している。
【0014】
なお、前記不織布は、熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布であり、前記不織布は接着剤の塗布や含浸などによって繊維同士が接着剤によって結合した不織布は含まれない。
【0015】
前記不織布は、例えば次のようにして得ることができる。不織布の製造方法である乾式法、エアレイ法、スパンボンド法等によって、粗面層に相当する繊維ウェブと密面層に相当する繊維ウェブとを形成し、密面層の上に粗面層が重なるように繊維ウェブを積層して、積層繊維ウェブを形成する。次に、この積層繊維ウェブに含まれている熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で加熱接着処理を行う。この加熱接着処理は、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いて、コンベアー上にある積層繊維ウェブの上から熱風を静かに吹きつけ、風圧で厚みがあまりつぶれないようにして、熱接着繊維同士接着するか、または熱接着繊維と他の繊維とを接着する方法や、エアースルー型の乾燥機を用いて、網状コンベアー上にある積層繊維ウェブの上から該コンベア−の下へ熱風を通して接着する方法などがある。
【0016】
前記不織布は、粗面層と密面層の二層構造を有しており、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含んでいる。このような熱接着性繊維には、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。
【0017】
前記不織布は、粗面層と密面層の二層構造を有しており、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含むことによって、繊維同士の結合点が多くなるので、エアフィルタとして使用した場合、風圧で厚みがつぶれることがなく、また再使用した場合にも初期の厚さがほぼ確保されるので濾過性能の保持と濾過寿命の保持が可能となる。熱接着性繊維が50質量%未満である場合は、繊維同士の結合点が少なくなるので、エアフィルタとして使用した場合、風圧で厚みがつぶれることがあり、また再使用した場合にも初期の厚さが確保されなくなるので濾過性能の保持と濾過寿命の保持ができなくなる。
【0018】
また、前記粗面層及び前記密面層はそれぞれ75質量%以上の熱接着性繊維を含んでいることが好ましく、90質量%以上の熱接着性繊維を含んでいることがより好ましい。熱接着性繊維をより多く含むことにより、繊維同士の結合点が更に多くなるので、エアフィルタとして使用した場合、風圧で厚みがつぶれることがなく、また再使用した場合にも初期の厚さがほぼ確保されるという効果を顕著に得ることができ、濾過性能の保持と濾過寿命の保持を更に確実にすることができる。
【0019】
本発明では、粗面層は更に1質量%以上の中空繊維を含んでいる。中空繊維とは繊維の内部において樹脂成分の存在していない空隙部を有する繊維をいい、その樹脂成分の存在していない空隙部が繊維の長さ方向に連続しているのが好ましい。なお、中空繊維の断面を観察した際に、樹脂成分の存在していない空隙部が繊維の中心部に存在している必要はない。また、中空繊維は、相互に独立した複数の空隙部を有する形態であることもできる。更には、例えば、長さ方向に連続した空隙部を有する中空繊維の横断面を観察した際に、樹脂成分の存在していない空隙部の形状は円形である必要はなく、楕円状、長円状、T状、Y状、+状、又は多角形状などの非円形であることができる。また、中空率は5〜30%が好ましく、10〜25%がより好ましく、10〜20%が更に好ましい。
【0020】
この中空繊維を構成する樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂)などを挙げることができ、それらの1種類からなるか、又は2種類以上の樹脂を組み合わせてなる(断面形状が、例えば、芯鞘状、偏芯状、海島状、貼り合わせ状、オレンジ状、多重バイメタル状のもの)ことができる。なお、前記中空繊維は、前記熱接着性繊維であることも可能である。
【0021】
本発明では、粗面層に1質量%以上の中空繊維を含んでいるので、粗面層が密面層よりも空隙率の大きい状態に保たれている。すなわち、本発明では、不織布構造を形成する過程において、熱接着繊維の融点以上の温度で繊維ウェブを加熱処理するが、繊維ウェブに含まれる中空繊維以外の繊維は加熱によってへたりが生じる。このため中空繊維が含まれない密面層では繊維ウェブの厚さが大きく減少してしまう。一方、粗面層では中空繊維が1質量%以上含まれるので、繊維ウェブの厚さの減少が少ない。このようにして、前記不織布は粗面層と密面層の二層構造を有している。さらに、この二層構造には、ゆるやかな粗密構造を形成することも可能である。すなわち、密面層の上に粗面層が形成されるように繊維ウェブを重ねてから熱風を上から静かに吹き付けることによって、下側の繊維になるほど荷重がかかるようにすれば、下側の繊維になるほど厚さが減少する比率も多くなる。このようにして、密面層から粗面層にかけてゆるやかな密度勾配を形成することも可能である。
【0022】
なお、中空繊維ではなく、例えば特開平7−136431号公報(特許文献1)に記載されるように、クリンプを有する熱可塑性繊維を含む繊維層(粗層部分)とクリンプが崩れた熱可塑性繊維を含む繊維層(密層部分)とから繊維ウェブを形成した場合、このクリンプを有する熱可塑性繊維は加熱処理によってへたりが生じてしまい粗密構造を充分に発現することができない。
【0023】
また、粗面層に1質量%以上の中空繊維を含んでいるので、本発明の粗塵用フィルタを使用後に洗浄して、乾燥させ再度使用する場合においても、粗面層の厚さの減少を防ぐ効果があり、フィルタの濾過性能や寿命を使用前の状態にほぼ保つという効果がある。
【0024】
本発明では、粗面層に1質量%以上の中空繊維を含むことを必要とするが、中空繊維が1質量%未満である場合は、粗面層を密面層よりも空隙率の大きい状態に保つことができなくなり、またフィルタの再使用時に使用前のフィルタの濾過性能や寿命を保つ効果が減少する。
【0025】
また、前記粗面層は3質量%以上の中空繊維を含むことが好ましい。3質量%以上の中空繊維を含むことによって、粗面層を密面層よりも空隙率の大きい状態に保つという効果や、フィルタの再使用時に使用前のフィルタの濾過性能や寿命を保つ効果を顕著に得ることができる。
【0026】
前記粗面層及び前記密面層において、熱接着性繊維および中空繊維以外の繊維は、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維、半合成繊維、無機繊維、天然繊維等が可能であるが、熱可塑性合成繊維であることが、廃棄処理や焼却処理時に環境に負担をかけない点で好ましい。また、熱接着性繊維および中空繊維など前記粗面層及び前記密面層を構成する繊維は同種の樹脂から形成されていることが好ましい。同種の樹脂から形成された繊維であることによって、熱接着繊維による繊維同士の結合の力が大きくなるという効果がある。また、炎を近づけたときに、炎との接触点がすぐに溶融して、その部分が下に落ちてしまい、結果としてフィルタが炎から遠ざかり難燃性に優れるという効果を顕著に得ることができる。これに対して、他の素材が混ざると、炎との接触点がすぐに溶融しなくなり、結果として難燃性に劣る場合が生じる。
【0027】
前記粗面層及び前記密面層を構成する繊維の繊度は、3〜70デシテックスが好ましく、10〜40デシテックスが更に好ましい。また、前記粗面層及び前記密面層を構成する繊維の平均繊度は、3〜70デシテックスが好ましく、10〜40デシテックスが更に好ましい。また、前記粗面層を構成する繊維の平均繊度は、前記密面層を構成する繊維の平均繊度以上であることが好ましい。
【0028】
なお、繊維の平均繊度の計算方法としては、各繊維の繊度をaデシテックス、bデシテックス、cデシテックス・・・として、各繊維の含有割合をそれぞれa’質量%、b’質量%、c’質量%・・・とすると、(a’/a)+(b’/b)+(c’/c)・・・=(100/x)の関係式が成り立ち、この関係式から平均繊度xを求めることができる。
【0029】
前記不織布の面密度は50〜1000g/mが好ましく、フィルタとして平板で用いる場合は面密度が100〜1000g/mが好ましく、150〜600g/mがより好ましい。またプリーツ加工や袋形状に加工する場合は50〜300g/mの面密度が好ましく、100〜200g/mがより好ましい。また、前記不織布の厚さは、5〜50mmであることが好ましく、10〜30mmがより好ましい。5mm以下である場合は塵埃の保持容量が少なくなり濾過寿命が短くなってしまうことがある。また、50mm以上の場合は圧力損失が高くなり過ぎるため、やはり濾過寿命が短くなってしまうことがある。
【0030】
前記不織布の粗面層と密面層の比率は、粗面層の面密度が密面層の面密度に対して、1/3〜3倍であることが好ましく、1/2〜2倍であることがより好ましい。
【0031】
前記不織布は、粗塵除去用のフィルタであり、ASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において、質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であり、好ましくは粒子捕集平均効率が70〜95%である。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、濾材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに濾材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵用のフィルタとして使用できない。また、前記不織布の圧力損失は面風速が1m/secのとき100Pa以下であることが好ましい。
【0032】
前記不織布がこのような、濾過性能を満足するようにするには、前記不織布の前記粗面層及び前記密面層を構成する繊維の繊度、面密度、厚さなどを前述の好ましい範囲から、適宜選択することによって可能である。
【0033】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
芯成分が融点255℃のポリエステル樹脂で鞘成分が融点110℃のポリエステル樹脂からなる芯鞘型の熱接着性繊維(繊度=22デシテックス、繊維長=64mm)100質量%の繊維原料を開繊した後、カード機にかけて面密度150g/mの密面層繊維ウェブを形成した。
次に、芯成分が融点255℃のポリエステル樹脂で鞘成分が融点110℃のポリエステル樹脂からなる芯鞘型の熱接着性繊維(繊度=22デシテックス、繊維長=64mm)95質量%と、断面円型で中空率16%のポリエステル繊維(繊度=33デシテックス、繊維長=76mm)5質量%とを混合した繊維原料を開繊した後、カード機にかけて面密度150g/mの粗面層繊維ウェブを形成して、密面層繊維ウェブの上に積層した。
次に、この積層繊維ウェブをコンベアー上に載置して、熱風吹き出し型乾燥機を用いて、コンベアー上にある積層繊維ウェブの上から熱風を静かに吹きつけ、風圧で厚みがあまりつぶれないようにして、この積層繊維ウェブに含まれている熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度130℃で接着処理を行った。
得られた不織布は、厚さが14mmで面密度が300g/mであり、繊維同士が熱接着性繊維によって結合されており、粗面層と密面層の二層構造を有しており、更に密面層から粗面層にかけてゆるやかな密度勾配が形成されている不織布であった。
この不織布をASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において評価すると、質量法による粒子捕集平均効率が77%であり、濾過寿命は粉塵捕集量400g/mであった。
また、この不織布をJIS L1091 A−1法に準じた難燃試験法で評価すると、難燃性の評価値が区分3であり、空調用の粗塵フィルタとして要求される難燃性を有していた。
また、ASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において評価した後、付着した粉塵を洗浄除去してから、再度同じ方法で濾過性能を評価したところ質量法による粒子捕集平均効率が76%であり、濾過寿命は粉塵捕集量399g/mであり、初期の粒子捕集平均効率及び濾過寿命とほぼ同等の値を得た。更に、付着した粉塵を洗浄除去してから、再度同じ方法で濾過性能を評価する操作を4回繰り返したところ、質量法による粒子捕集平均効率が75%であり、濾過寿命は粉塵捕集量397g/mであり、初期の粒子捕集平均効率及び濾過寿命とほぼ同等の値を得た。
このように、実施例1で得られた不織布は粗塵除去用のフィルタとして好適な粗塵用フィルタであった。
【0035】
(実施例2)
実施例1において、粗面層の面密度を270g/m、密面層の面密度を130g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして、不織布を作製したところ、得られた不織布は、厚さが20mmで面密度が400g/mであり、繊維同士が熱接着性繊維によって結合されており、粗面層と密面層の二層構造を有しており、更に密面層から粗面層にかけてゆるやかな密度勾配が形成されている不織布であった。
この不織布をASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において評価すると、質量法による粒子捕集平均効率が84%であり、濾過寿命は粉塵捕集量378g/mであった。
また、この不織布をJIS L1091 A−1法に準じた難燃試験法で評価すると、難燃性の評価値が区分3であり、空調用の粗塵フィルタとして要求される難燃性を有していた。
このように、実施例2で得られた不織布は粗塵除去用のフィルタとして好適な粗塵用フィルタであった。
【0036】
(比較例1)
実施例1において、粗面層繊維ウェブとして、芯成分が融点255℃のポリエステル樹脂で鞘成分が融点110℃のポリエステル樹脂からなる芯鞘型の熱接着性繊維(繊度=22デシテックス、繊維長=64mm)100質量%の繊維原料を開繊した後、カード機にかけて面密度150g/mの粗面層繊維ウェブを形成したこと以外は実施例1と同様にして、不織布を作製したところ、得られた不織布は、厚さが10mmで面密度が300g/mであり、繊維同士が熱接着性繊維によって結合されており、片面から他面にかけてゆるやかな密度勾配が形成されてはいるものの、粗面層と密面層の二層構造を有していなかった。
この不織布をASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において評価すると、質量法による粒子捕集平均効率が72%であり、濾過寿命は粉塵捕集量288g/mであり、実施例1の不織布と比較して28%も寿命が短いことが判った。
なお、この不織布をJIS L1091 A−1法に準じた難燃試験法で評価すると、難燃性の評価値が区分3であり、空調用の粗塵フィルタとして要求される難燃性は有していた。
このように、比較例1で得られた不織布は粗塵除去用のフィルタとして濾過性能の劣るものであった。
【0037】
【発明の効果】
本発明による粗塵用フィルタは、接着剤が使用されておらず、熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布からなっているので、接着のために必要とする物質の量が大幅に減量されている。このため、廃棄処分や焼却処分する際に環境に与える負荷が少なくなっている。また焼却に際しても、接着剤や難燃剤に起因するダイオキシン等の環境汚染物質の発生がないので、この点でも環境に大きな負荷をかけることがない。また、熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布の従来からの課題である、粗面層の厚さが確保されない問題についても、中空繊維の使用によって、厚さが確保している。その結果、要求される濾過性能を満たしており、特に濾過寿命が長くなっており、またリサイクル使用にも耐えられる特性を有しており、粗塵除去用のフィルタとして極めて優れている。

Claims (3)

  1. 熱接着性繊維によって繊維同士が結合された不織布からなるフィルタであって、前記不織布は粗面層と密面層の二層構造を有しており、粗面層及び密面層はそれぞれ50質量%以上の熱接着性繊維を含み、粗面層は更に1質量%以上の中空繊維を含み、密面層は中空繊維を含まず、粗面層及び密面層を構成する繊維の繊度は10〜40デシテックスであり、前記不織布の質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であることを特徴とする粗塵用フィルタ。
  2. 前記粗面層及び前記密面層がそれぞれ90質量%以上の熱接着性繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の粗塵用フィルタ。
  3. 前記粗面層が3質量%以上の中空繊維を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の粗塵用フィルタ。
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