JP5425553B2 - エアーフィルター用不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、空気中の砂塵やカーボンダストその他のダストやミストを捕集処理することが可能であって、主として自動車などの内燃機関で使用するエンジン吸入部で使用する空気取り入れ用フィルターに好適なエアーフィルター用不織布に関する。
一般に、フィルター用不織布としては、捕集効率を高めるために、密度が異なる不織布、あるいは繊維太さの異なる不織布を2種類以上複合してシート化した後、プリーツ加工をしたものが用いられている。
特許文献1、2には密度が異なる層をニードルパンチで多層化したフィルターが開示され、特許文献3には、密度が異なるスパンボンド不織布層を積層したフィルターが開示されている。また、特許文献4には、表層と裏層で繊維径が異なるフィルターが開示され、特許文献5には、エアーレイド法により、繊維径が異なる多層のウエッブを積層して接着する方法が開示されている。
特開平10−180023号公報 特開2003−340220号公報 特開2003−236321号公報 特開平11−90135号公報 特開2007−170224号公報
ところで、エアーフィルター用の基材には、10μm未満の微細ダストやミストを捕集するために、2dt以下の繊度の極細繊維や分割繊維を使用したメルトブロー不織布や、エアーレイド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が使用される。また、密度としては、0.15g/cm以上の不織布が一般的に使用されている。
上記のような不織布を使用したフィルターでは、孔径(ポアサイズ)が小さいため捕集効率は高くなるが、目詰まりを起こし易く、フィルターの寿命が短くなるという欠点を有する。また、通気抵抗が高く、圧力損失が高いという欠点も有する。
一方において、10μm以上のダストを捕集するために、3dt以上の繊度の繊維を用いた不織布や、密度が0.14g/cm以下の不織布が使用されることもある。
このような不織布を使用したフィルターでは、孔径が大きいため、フィルターの寿命は長くなるが、捕集効率が低下してしまうという欠点がある。
このような問題に対処するため、前記したように、特許文献1〜3では、密度が異なる不織布を多層に積層する技術が開示されているが、特許文献1、2は実質的には繊維径が異なる複数の不織布が必要であり、また、ニードルパンチによる貫通孔が存在するという問題がある。特許文献3のフィルターは、異なる密度の不織布を接合するために不織布同士の界面が存在し、界面に粒子が集中するという問題がある。
他方、特許文献4、5のフィルターは、ウエッブを積層した後に熱により接合するため、前記のような問題点が解消されているが、複数の繊維径の原料を準備し、順次積層する装置が必要であり、ウエッブ形成装置、原料供給装置が複雑で大型になるという新たな問題がある。
本発明は、積層界面に粒子が集中する問題を解消すると同時に、ウエッブ形成装置や原料供給装置が簡略化された不織布を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、不織布層内に積層界面が存在しない単層で且つ厚さ方向に密度勾配を形成した不織布をエアーフィルター用として採用することを基本とするものであり、以下の技術的特徴を有する発明である。
(1)坪量が150〜400g/mで、JIS−L−1906(A法)に規定する通気量が20〜80cc/cm/sec.である単層のシート状不織布であって、その一方
の表層部が低密度部で他方の表層部が高密度部であり、両表層部間の中間層部を含んで一方の表層部から他方の表層部にかけて厚さ方向に連続的な密度勾配が形成されていることを特徴とするエアーフィルター用不織布。
(2)前記低密度部の密度が0.01〜0.13g/cmで、前記高密度部の密度が0.15〜0.35 g/cmであり、高密度部の密度が低密度部の密度の1.5〜15倍であることを特徴とする(1)項記載のエアーフィルター用不織布。
(3)前記単層のシート状不織布は、その低密度部の最大孔径が30〜120μmであることを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のエアーフィルター用不織布。
(4)前記単層のシート状不織布は、その高密度部の最小孔径が0.5〜15μmであることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のエアーフィルター用不織布。
(5)前記単層のシート状不織布は、合成繊維から構成されている単層不織布であることを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれかに記載のエアーフィルター用不織布。
(6)前記合成繊維は、熱融着性合成繊維を50質量%以上含有することを特徴とする(5)項記載のエアーフィルター用不織布。
(7)前記シート状不織布は、短繊維チョップを乾式抄紙して形成されている均一密度の単層ウェブに、その熱融着性合成繊維を熱融着せしめて層内密度を調節する熱処理を施すことによって、前記一方の表層部が低密度部で、他方の表層部が高密度部であり、両表層部間の中間層部を含んで一方の表層部から他方の表層部にかけて厚さ方向に密度が連続的に変化している密度勾配が形成されている単層不織布からなることを特徴とする、(6)項記載のエアーフィルター用不織布。
(8)前記(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載のエアーフィルター用不織布からなる内燃機関の空気取り入れ口用エアーフィルター。
(9)前記(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載のエアーフィルター用不織布を製造する方法であって、
熱融着性合成繊維の含有割合が全繊維の50質量%以上である繊維長1〜8mmの短繊維チョップをエアーレイド方式により抄紙して単層のウェブを形成する工程、
該単層のウェブに熱処理を施すことにより前記熱融着性合成繊維を熱融着させて、前記一方の表層部が低密度部で、他方の表層部が高密度部であり、両表層部間の中間層部を含んで一方の表層部から他方の表層部に向けて密度が連続的に変化している密度勾配層を形成する熱処理工程、
を有することを特徴とする、エアーフィルター用不織布の製造方法。
(10)前記単層のウェブを形成する工程が、均一密度の単層のウェブを形成する工程であり、前記熱処理工程が、前記均一密度の単層ウェブを熱風ドライヤーで加熱し、異なる温度の2本の加熱ロール間に通して表裏面から異なる温度で加熱加圧して厚さ方向に密度勾配を有する層を形成する処理であることを特徴とする(9)項記載のエアーフィルター用不織布を製造する方法。
本発明における、一方の表層部から他方の表層部に向けて連続的に密度が変化している層を有する不織布をフィルター用不織布として使用することで、ダスト、ミストの捕捉機能に優れていて、寿命が長いエアーフィルターを形成することが可能となった。また、本発明のエアーフィルター用不織布は、単一の繊維原料から、1台の機械で、1回の原料供給で製造することが可能であるという利点をも有している。
本発明の不織布の断面写真からなる図である。 ダスト補集後の不織布の断面写真からなる図である。
以下、本発明のエアーフィルター用不織布について具体的に説明する。
本発明のフィルター用不織布は、低密度部である一方の面側の表層部から中間層部を経て他方の面側の高密度部にかけて、厚さ方向に層内密度が連続的に変化している単層の不織布であることによって、ダストの捕集効率と圧力損失とフィルター寿命のバランスの取れたフィルターを構成することを可能ならしめた不織布であり、厚さ方向に複数層が界面を形成して接している積層構造の不織布とは異なるものである。
本発明の不織布をエアーフィルターとして使用する場合には、低密度部から高密度部にかけて連続した密度勾配を有する単層構造の不織布の低密度部側(粗面層側)の面から導入されるエアーから粒子の大きいダストやミストを低密度部側で捕捉し、反対側の高密度部に向かって徐々に小さくなるダストやミストを徐々に高密度化する不織布層内で確実に捕捉することが可能である。このように厚さ方向に連続した密度勾配を有する単層構造であることによって、不織布が密度の異なる複数層で形成されているエアーフィルター不織布の場合に生起する、複数層の界面にダストやミストが堆積する現象が生起しないので、不織布全体の経時でのダスト、ミストの捕捉効率の低下を緩やかにすることができ、フィルター寿命を長くすることができるという効果を奏する。
本発明のエアーフィルター用不織布は、クリーンルームあるいは自動車エンジンなどに用いられているエアーフィルターのように、プリーツ加工して用いられる坪量が150〜400g/mで、通気量が20〜80cc/cm/sec.の不織布である。ここで、通気量の数値は、JIS−L−1906のA法(フラジール形法)に規定する測定法で測定される通気量の数値である。
本発明の不織布は、厚さ方向に連続する密度勾配が形成されている単層の不織布である。ここで、単層とは、複数の層を別々に成形して貼合したものではなく、また、異なる原料で異なる複数の層を順次積層して形成したものでないことを意味する。即ち、同一の原料を用い、抄紙機において1回の原料供給によりウェブを形成し、その後の工程で、一方の面の表層部が低密度部で、他方の面の表層部が高密度部であり、表層部側から中間層を経て他方の表層部側に至る層内の密度が連続的に変化している状態の密度勾配が形成されている層構造であることを意味する。
本発明の不織布における、低密度部と高密度部の密度の数値の比率は、不織布のエアーフィルターとしての用途によって異なる要求性能に応じて適時変更することが可能である。
低密度部の密度は、0.01〜0.13g/cm、好ましくは0.06〜0.13g/cmであり、高密度部の密度は0.15〜0.35g/cm、好ましくは0.17〜0.35g/cmの範囲であり、高密度部の密度が低密度部の密度の1.5〜15倍であることが好ましい。低密度部の密度が0.01g/cm未満であると構造体としての強度が弱く、また、殆どの粒子が低密度部を通過してしまうので好ましくない。低密度部の密度が0.13g/cmを越えると、圧力損失や目詰まりの可能性が大きくなる。
また、高密度部の密度が0.15g/cm未満では、小さな粒子が充分に捕捉されず、0.35g/cmを超えると、圧力損失や目詰まりの可能性が大きくなる。
不織布全体としては、平均密度が0.1〜0.25g/cmであることが好ましい。
本発明のエアーフィルター用不織布における低密度部は、片側表面から厚さ方向の1/3までの表層部を意味する。また、高密度部とは、低密度部と反対側の表面から厚さ方向の1/3までの表層部を意味する。各表層部の密度の測定は、後述する測定方法に従って行われる。
本発明で「密度が連続的に変化している」とは、低密度側の表層部と高密度側の表層部のいずれか一方の表層部から、中間層を経て、他方の表層部にかけて、密度が連続的に高くなっているか又は連続的に低くなっていることを意味するが、層内で密度が段差をもって急激に変化している箇所がない限り、厚さ方向に密度が一定となっている層内箇所が部分的にあっても差し支えない。このような密度勾配が層内に形成されている単層構造の不織布であることにより、層内にダストやミストが集中蓄積される箇所がなく、厚さ方向に全層満遍なくダストやミストが捕捉される。以上の本発明の構成を満たすフィルターは、ダスト非透過性に優れており、一旦捕捉したダストが脈動するエアーで透過してしまう可能性も低い。
自動車用のエアーフィルターの場合、エンジンに必要な空気を供給するため、フィルター用不織布の通気量は20cc/cm/sec.より大きいことが求められるが、通気量が大きい不織布は微粒子を捕捉しにくいので、本発明の不織布が自動車用としても使用できる不織布である場合は、通気量が20〜80cc/cm/sec.であることが好ましい。
ところで、実際に空気供給側に圧力がかかった状態で空気が流れる際には、通気抵抗があることは不可避であるので、本発明の不織布については、JIS−D−1612−8.に規定する通気抵抗の値で、2.5〜3.0(KPa)であることが好ましい。2.5未満の場合には孔径の大きな貫通部分が存在する可能性があり、そのような貫通部分があると大きな粒子が捕捉されないので好ましくない。また、3.0を超えると、圧力損失によるエネルギーロスが大きくなるので好ましくない。
本発明の不織布は、最大孔径が30〜120μm、特に好ましくは60〜80μmであることが好ましい。市販されているニードルパンチ法による不織布では、一般的に最大孔径が120〜150μmであるために、ダストの非透過性評価が劣る傾向があるが、本発明によれば、最大孔径をダストの非透過性に優れる60〜80μmの範囲に設定することが可能である。
最小孔径は0.5〜15μmであることが好ましい。0.5μm未満では圧力損失が大きく、目詰まりを起こし易いし、15μmを超えると微細粒子の捕捉性能が低下するので好ましくない。
本発明の上記フィルター用不織布は、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、耐オイル性などの観点から、合成繊維製であることが好ましい。合成繊維としては、状況に応じて任意素材のものを用いることが可能である。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリアミド繊維等が挙げられる。また、融点の異なる合成樹脂を組み合わせてなる複合繊維を使用することができる。複合繊維の樹脂の組合せとしては、PE/PP、PE/PET、PP/PETなどのように異種樹脂を組み合わせたものが例示される。また、低融点PET/PET、低融点PP/PP、などのように融点が異なる同一種類の樹脂の組み合わせでもよい。また、複合繊維には異なる樹脂を並列に紡糸したサイドバイサイド型複合繊維、低融点樹脂が外側、高融点樹脂が内側として紡糸した芯鞘型複合繊維等が存在するが、それらのいずれも使用可能である。リサイクルを容易にするという観点からは、融点の異なる同一種類樹脂による複合繊維で構成することが望ましい。
また、本発明で使用する合成繊維の繊度は、0.1〜72dtの範囲であることが望ましい。
難燃性を付与する場合には、不織布の素材として難燃性の熱融着性繊維を用いることが可能である。また、液体状難燃材を塗布することや、粉体状難燃剤を含有せしめることも可能である。
本発明のフィルター用不織布において、本発明の趣旨を損ねない範囲において、機能性繊維を配合することができる。例えば、フィルターの消臭性を向上させる必要がある場合は、不織布に活性炭繊維を配合することにより、匂い成分の吸収能を付与することも可能であり、このような活性炭繊維を配合した不織布は、同時にNOx、SOx成分の吸着能をも備えている。
本発明の不織布を製造する方式としては、厚さ方向で密度が連続的に変化する多孔質体を製造することを目的とするため、短繊維チョップを乾式抄紙する方法を採用するものであり、スパンボンド法、メルトブロー法のような長繊維不織布を製造する方式は採用しない。長繊維不織布の場合は、繊維軸方向が平面方向と平行になる傾向があり、密度の段差がある面が形成され易くなるが、短繊維不織布であれば、繊維軸が厚さ方向を向く割合がかなり多くなるので、以下に述べるような方法で、密度を厚さ方向に連続的に変化させることが容易である。
本発明の不織布は、走行している連続ワイヤー上に、原料供給機から短繊維を落下させ、繊維ウエッブを形成し、次いで繊維同士を接合する、いわゆるエアーレイド方式により製造される。連続ワイヤー上には繊維を保持するため、通常はティシュを巻き取りから繰り出して置き、その上に短繊維を供給する。
形成された繊維ウェブを不織布シートに加工する方法としては、原料自体を熱融着性繊維とする方法、バインダーを表面から散布する方法、あるいは、原料にバインダー粒子又はバインダー繊維となる熱融着性繊維を混合しておく方法等があるが、そのいずれでもよい。
バインダーを表面から散布する方法においては、バインダー量が厚さ方向に連続的に変化するように供給することにより、低密度部から高密度部へと密度が連続的に変化している層を形成することができる。
熱融着性を有していない繊維と熱融着性繊維を混合する場合には、全繊維の50質量%以上を占める、量的に「主成分」となる割合で熱融着性繊維を含有することが好ましい。熱融着性繊維が50質量%未満の場合には、接着されていない繊維が存在する不織布が形成される可能性が高くなるので好ましくない。熱融着性繊維は、好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上含有させる。
本発明の不織布を最も作り易い方法としては、原料繊維全体又は原料繊維の50質量%以上を熱融着性繊維としてウェブを形成し、熱風ドライヤーでウェブを加熱し、2本のプレスロール間に通してプレスして不織布シートにする方法である。
この方法においては、熱風加熱する際にウェブの表面部側からの熱風と裏面部側からの熱風に温度差を付けたり、表面層側と裏面層側に接するプレスロールに温度差を付けることにより、一方の表層部を低密度部で他方の表層部が高密度部であり、両表層間で密度が連続的に変化している不織布層を形成することができる。また、必要に応じて、低密度部と高密度部を形成したウェブの表面層側(低密度部側)に温度が低めのエアーを吹き付けたり、蒸気を吹き付けたりすることにより、空気又は水蒸気の力で繊維間隙を広げて低密度部側をさらに低密度化することも可能である。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例等で使用している繊維は下記のとおりである。
「熱融着性繊維1」:PET/PET芯/鞘型複合繊維、繊維長5mm、繊維径2.2dt(商品名「テトロン」、帝人ファイバー株式会社社製)
「熱融着性繊維2」:PET/PET芯/鞘型複合繊維、繊維長5mm、繊維径4.4dt(商品名「メルティー」、ユニチカファイバー株式会社社製)
「熱融着性繊維3」:PET/PET芯/鞘型複合繊維、繊維長5mm、繊維径22dt(商品名「メルティー」、ユニチカファイバー株式会社社製)
<実施例1>
走行する無端のメッシュ状コンベア上に坪量14g/mのティシュを繰り出し、その上に、繊維径の異なる熱融着性繊維1と熱融着性繊維2とを1:1の質量比で配合し、空気中で均一に混合して調製した原料繊維を、エアーレイド方式のウェブフォーミング機により空気流とともに落下堆積させてウェブを形成した。
次いで、形成されたウェブを温度150℃のスルーエアードライヤーを通過させ、表面側のロール温度が30℃で、裏面側のロール温度が50℃の一対のプレスロール間に線圧70kgf/cmで通してプレスすることによって、坪量300g/m、厚さ2.0mm、密度0.15g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター1とした。
<実施例2>
実施例1の方法で、熱融着性繊維1と熱融着性繊維2とを7:3の質量比で配合したものを原料繊維とし、実施例1と同様にして、坪量300g/m、厚さ2.0mm、密度0.15g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター2とした。
<実施例3>
実施例1の方法で、熱融着性繊維1と熱融着性繊維2とを1:1の質量比で配合したものを原料繊維とし、実施例1と同様にして坪量330g/m、厚さ2.0mm、密度0.165g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター3とした。
<実施例4>
実施例2の方法で、熱融着性繊維2を熱融着性繊維3とした以外は、実施例2と同様にして、坪量300g/m、厚さ2.0mm、密度0.15g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター4とした。
<実施例5>
実施例1の方法で、熱融着性繊維2を単独で原料繊維とした以外は、実施例1と同様にして、坪量350g/m、厚さ2.0mm、密度0.17g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター5とした。
<実施例6>
実施例1の方法で、熱融着性繊維1を単独で原料繊維とした以外は、実施例1と同様にして、坪量280g/m、厚さ2.0mm、密度0.14g/cmの乾式不織布シートを作成した。
得られた乾式不織布シートを、プリーツ加工したものをフィルター6とした。
<参考例1、参考例2>
従来品のエアークリーナー用エアーフィルター(3層ウエッブをニードルパンチ及びアクリルバインダーで貼合したタイプ)を参考例1とし、改良品のエアークリーナー用エアーフィルター(4層ウエッブをニードルパンチ及びアクリルバインダーで貼合したタイプ)を参考例2とした。
実施例1〜6及び参考例1,2の不織布の諸物性を測定し、JIS Z−8901に規定される8種のダストを用いてエアーフィルターとしての性能評価を行った。結果を表1に示す。
なお、実施例1〜6及び参考例1,2の不織布の諸物性の測定法及びエアーフィルターとしての性能評価方法は以下の通りである。
<厚さの測定方法>
JIS L−1906に基づき荷重2kPaで測定した。
<密度の測定方法>
不織布を薄片化処理したものを試料として断面の軟X線写真を撮影し、得られた画像をスキャナーで読み込み、色調濃淡を256階調で数値化し、片側表面から厚さ方向の1/3までの表層部、中間の1/3厚さ分の中間部、もう片側の表面から厚さ方向の1/3までの表層部、の各層平均密度を算出した。具体的には以下の手順による。
1)薄片化処理
垂直スライサーにより、不織布を幅20mm×厚さ2.0mmの薄片状にして試料とした。
2)軟X線撮影
軟X線発生装置〔EMS−2特型,ソフテック(株)製〕を用い、上記試料の断面を下記条件にて撮影した。
撮影条件:大焦点(BR)モード、電圧11kVp、電流4mA、照射時間5min.
現像条件:現像液5min.→停止液30sec.→定着液10min.浸漬
3)画像スキャン
透過ドラムスキャナー(スキャンデントシメーター2605)を使用して上記で撮影した画像をスキャンした。
測定条件:サンプリングピッチ25×25μm、ドラムスピード2回転/sec.、濃
度階調 256
4)画像濃淡測定
スキャンした画像を解析ソフト〔10 Mate,(株)アイ・スペック製〕を用いて解
析し、試料の各層について、各々19×0.75mm範囲の平均濃度値を得た。
5)密度の算出
密度が既知の不織布(0.05〜0.43g/m)を用意して、上記と同様にして軟X線写真を撮影し、それぞれの密度と濃度値の関係から検量線を得た。
該検量線を用い、試料の平均濃度値から各層の密度を求めた。
<通気量測定方法>
JIS L−1906の8.27.1のA法(フラジール形法)により測定した。
<孔径の測定方法>
3cm×3cmの試験片をサンプリングし、住友スリーエム社製フッ素系不活性液体フレオンFC−40を含浸させ、Porous Materials社製 Automated Perm Porometerで測定した。この装置はASTM・F−316−80に基づいた装置である。測定は、低密度側から高密度側に空気が流れる方向で行い、繰り返し回数はn=5とした。測定ごとにバブルポイント並びに累積流量曲線を得た。なお、最大孔径はバブルポイント法により計算し、最小孔径は、液体を含浸しない場合の99%の流量となった時点を便宜上最小孔径とした。
<通気抵抗測定方法>
JIS D−1612の8.通気抵抗試験の規定により測定し、以下の基準で通気抵抗性を評価した。評価基準としては、数値が2.5未満のときは◎、数値が2.5以上3.0未満のときは○、数値が3.0以上3.5未満のときは△、数値が3.5以上のときは×とした。
<初期清浄効率の評価方法>
試験用ダストはJIS Z−8901に規定される8種(微粒)とし、JIS D−1612の9.4.(1)初期清浄効率試験の規定により測定した。
評価基準としては、数値が98.5以上のときは評価を◎、98.5未満98.0以上のときは評価を○、98.0未満97.5以上のときは評価を△、97.5未満のときは評価を×とした。
<フルライフ清浄効率の評価方法>
試験用ダストはJIS Z−8901に規定される8種(微粒)とし、JIS D−1612の9.4.(3)フルライフ清浄効率試験の規定により測定した。
評価基準としては、数値が99.0以上のときは評価を◎、99.0未満98.5以上のときは評価を○、98.5未満98.0以上のときは評価を△、98.0未満のときは評価を×とした。
<ダスト保持量の評価方法>
試験用ダストはJIS Z−8901に規定される8種(微粒)とし、JIS D−1612の10.ダスト保持量試験の規定により測定した。
社内評価基準により、「優れる」を◎、「良好」を○、「若干劣る」を△、「劣る」を×とした。
<ダスト非透過性の評価方法>
エアーを脈動させて、捕捉された試験用ダストが濾材を透過する割合。
評価基準としては、数値が1.0未満のときは評価を○、1.0以上2.0未満のときは評価を△、2.0以上のときは評価を×とした。
Figure 0005425553
本発明の不織布をフィルター用不織布は、高い捕集効率を長期間に亘って維持できる寿命が長いエアーフィルター部材であり、安価に製造することができるので、内燃機関の空気取り入れ口用としてのみならず、各種エアコンディショナー用の長寿命フィルターとしての利用も可能である。

Claims (5)

  1. エアーレイド方式で短繊維チョップを抄紙して形成されており、坪量が150〜400g/mで、JIS−L−1906(A法)に規定する通気量が20〜80cc/cm/sec.である単層のシート状不織布であって、その一方の表層部が、密度が0.01〜0.13g/cm で最大孔径が30〜120μmの低密度部で他方の表層部が密度が0.15〜0.35g/cm でかつ前記低密度部の密度の1.5〜15倍の密度である高密度部であり、両表層部間の中間層部を含んで一方の表層部から他方の表層部にかけて厚さ方向に密度が連続的に変化している密度勾配を有することを特徴とする、エアーフィルター用不織布。
  2. 前記単層のシート状不織布は、その高密度部の最小孔径が0.5〜15μmであることを特徴とする請求項1記載のエアーフィルター用不織布。
  3. 前記単層のシート状不織布は、合成繊維から構成されている単層不織布であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアーフィルター用不織布。
  4. 前記合成繊維は、熱融着性合成繊維を主成分とすることを特徴とする、請求項3記載のエアーフィルター用不織布。
  5. 前記単層のシート状不織布は、短繊維チョップを乾式抄紙して形成されている均一密度の単層ウェブに、その熱融着性合成繊維を熱融着せしめて層内密度を調節する熱処理を施すことによって、前記一方の表層部が低密度部で、他方の表層部が高密度部であり、両表層部間の中間層部を含んで一方の表層部から他方の表層部にかけて厚さ方向に密度が連続的に変化している密度勾配が形成されている単層不織布からなることを特徴とする、請求項4記載のエアーフィルター用不織布。
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