JPH0759908B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH0759908B2
JPH0759908B2 JP18427186A JP18427186A JPH0759908B2 JP H0759908 B2 JPH0759908 B2 JP H0759908B2 JP 18427186 A JP18427186 A JP 18427186A JP 18427186 A JP18427186 A JP 18427186A JP H0759908 B2 JPH0759908 B2 JP H0759908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、運転状態に応じて、燃料貯留部から蒸発さ
れた蒸発燃料を、吸気通路に供給すると共に、空燃比セ
ンサの検出結果に基づいて、空燃比を目標値にフイード
バツク制御するエンジンの空燃比装置に関する。
(従来の技術) 一般に、蒸発燃料を処理するために、これを吸気通路に
放出して燃焼させる事が行なわれている。この場合、蒸
発燃料の発生量に関係なく蒸発燃料放出ライン末端の流
入口にかかる負圧で決定された量より、吸気通路に蒸発
燃料を放出するようにしている。従つて、運転状態に応
じて設定された空燃比が蒸発燃料の濃度変化に伴つて変
動する事になる。このため、燃焼状態が不安定になる虞
れがある。そこで、特開昭57−86555号公報に示される
ように、排気ガスの酸素濃度(分圧)を検出するO2セン
サを用いて、O2フイードバツク制御を実行し、蒸発燃料
の放出量を、空燃比が目標値になるようフイードバツク
制御するようにしている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このようなフイードバツク制御において
は、フイードバツク時に、蒸発燃料の現在の運転状態に
おける放出量の制限値のみを判定し、この制限値に放出
量を設定すべく制御している。このため、蒸発燃料の放
出の有無に応じて実際に燃焼される混合気の空燃比が、
制御範囲から大きく外れてフイードバツク制御不能にな
り、空燃比を長い時間をかければ目標値に徐々に戻るも
のの短時間の内に目標値に戻すことができず、非常に応
答性の悪いものとなる。
この発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、こ
の発明の目的は、蒸発燃料の供給の有無に拘らず、全運
転領域に渡つて応答性良く目標空燃比へのフイードバツ
ク制御することのできるエンジンの空燃比制御装置を提
供することである。
(問題点を解決するための手段) この発明に係るエンジンの空燃比制御装置は、上述した
問題点を解決し、目的を達成するため、燃料貯留部から
蒸発燃料を一時的に吸着する蒸発燃料吸着手段と、この
蒸発燃料吸着手段から蒸発燃料をエンジンの吸気通路
に、所定の運転状態で供給する供給手段と、混合気の空
燃比を検出する空燃比検出手段と、空燃比検出手段の検
出結果に基づいて混合気の空燃比を目標値にフイードバ
ツクするフイードバツク手段と、所定の運転条件下にお
いて、蒸発燃料供給の有無におけるフィードバツク制御
信号の偏差を検出する偏差検出手段と、この偏差検出手
段により検出した偏差に基づいて、蒸発燃料の空燃比に
及ぼす変化を検出し、この偏差に応じて蒸発燃料の供給
時に空燃比を補正する補正手段とを具備する事を特徴と
している。
(実施例) 以下に、この発明に係るエンジンの空燃比制御装置の一
実施例を、添付図面に参照して詳細に説明する。
第1図に示すように、エンジンのインテークマニホール
ド10の入口部10aにはエアークリーナ12が取り付けら
れ、出口部10bには燃料噴射弁14が連結されている。ま
た、このインテークマニホールド10の出口側端部は吸気
弁16を介してシリンダ18に接続されている。このシリン
ダ18は排気弁20を介して排気マニホールド22に接続され
ている。
このインテークマニホールド10内にはのスロツトル弁10
cが設けられており、このスロツトル弁10cより下流側部
分と燃料貯留部としての燃料タンク24との間には、燃料
タンク24内で気化された蒸発燃料を大気に放出すること
なく、エンジン内に導入するための蒸発燃料処理装置26
が配設されている。
この蒸発燃料処理装置26は、燃料タンク24と蒸発燃料取
込管28を介して連結され、この中に収納された吸着剤30
aに燃料タンク24内で気化した燃料を吸着させて一時的
に保持する蒸発燃料吸着装置(以下単にキヤニスタと呼
ぶ)30と、このキヤニスタ30と蒸発燃料放出管32を介し
て接続されると共に、インテークマニホールド10と蒸発
燃料導入管34を介して接続され、キヤニスタ30とインテ
ークマニホールド10との間の連通状態をエンジン制御ユ
ニツト(以下、単にECUと呼ぶ)52からの制御信号に応
じて開放量可変で開閉制御するパージ弁36とを主として
備えている。
ここで、前述したパージ弁36は、第2図に示すように構
成されている。即ち、このパージ弁36は、弁箱36aと、
弁箱36aの内部空間を入口室36bと出口室36cとに隔する
弁座36dと、ECU46からの開閉制御信号に応じて励磁/消
磁されるリニヤソレノイド36eと、このリニヤソレノイ
ド36eの励磁量に応じて移動し、弁座36dに当接して入口
室36bと出口室36cとの間を開閉する弁体36fとを備えて
いる。
尚、リニヤソレノイド36eは、ECU46からの制御信号によ
り消磁されている場合に、弁体36fを弁座36dに当接させ
て入口室36bと出口室36cとの間を閉塞するように、スプ
リング36gにより付勢されている。
このようなパージ弁36において、蒸発燃料放出管32は、
入口室36bに連通され、また蒸発燃料導入管34は出口室3
6cに連通されている。
即ち、このパージ弁36においては、リニヤソレノイド36
eが消磁されている場合には、スプリング36gの付勢力に
より弁体36fは弁座36dに当接し、従つて、入口室36bと
出口室36cとの間は閉塞されている。このようにして、
蒸発燃料のパージは停止されることになる。一方、リニ
ヤソレノイド36eが励磁されている場合には、スプリン
グ36gの付勢力に抗して弁体36fは弁座36dから離され、
従つて入口室36bと出口室36cとの間は開放される。この
ようにして、蒸発燃料のパージは実行されることにな
る。
ここで、リニヤソレノイド36eの励磁/消磁を切換え制
御する、換言すれば、蒸発燃料のパージ量を制御するEC
U52には、排気ガス中の酸素濃度(分圧)を測定するO2
センサ38と、吸入空気量を測定するエアーフローセンサ
(以下、単にAFSと称す)40と、スロツトル弁10cの開度
を検出するTVO検出器42と、エンジンの回転数を検出す
る回転数検出器44と大気圧を検出する大気圧検出器46
と、エンジンと冷却水の水温を検出する水温検出器48
と、インテークマニホールド10のブースト圧を検出する
ブースト検出器50とが接続されている。
尚、O2センサ38は、排気マニホールド22に取り付けら
れ、排気ガス中の酸素濃度(分圧)を測定し、検出結果
をECU52に送るように構成されている。ECU52はこのO2
ンサ38からの検出結果に基づいて燃焼された混合気の空
燃比を検出している。即ち、このO2センサは空燃比セン
サとして機能している。
次に、ECU52における蒸発燃料のパージ(放出)量制御
及びO2センサ38に基づく混合気の空燃比を目標値にフイ
ードバツク制御する手順について説明する。
まず第3図に示すように、ステツプS1において、O2セン
サ38、AFS40、TVO検出器42、回転数検出器44、大気圧検
出器46、水温検出器48、ブースト検出器50からシリンダ
18内で燃焼される混合気の空燃比、インテークマニホー
ルド10への吸入空気の流量、スロツトル弁10cの開度、
エンジンの回転数、大気圧、エンジンの冷却水の水温、
インテークマニホールド10内のブースト圧等の諸データ
をECU52は読み込む。
そして、ステツプS2において、これら読み込んだデータ
に基づいて燃料供給領域を判定し、ステツプS3におい
て、この燃料供給領域がフイールドバツク領域であるか
を判別する。ここで、フイードバツク領域であると判別
されると、ステツプS4において、前回の蒸発燃料の放出
量の計算から所定時間が経過したか否かが判別される。
換言すれば、前回の計算値で制御を実行するか、改めて
計算し直すかがここで判別される。
このステツプS4において、所定時間が経過した事が、即
ち制御のための計算を改めてし直す事が判別された場合
には、ステツプS5において、パージ弁36のリニヤソレノ
イド36eを励磁してパージ弁36を開放する。そしてステ
ツプS6において、このようにパージ弁36が開放されて蒸
発燃料のインテークマニホールド10への放出がなされた
状態におけるフイードバツク補正量を計算し、図示しな
い記憶部に記憶する。
この後、ステツプS7において、パージ弁36のリニヤソレ
ノイド36eを消磁してパージ弁36を閉塞する。そしてス
テツプS8において、このようにパージ弁36が閉塞されて
蒸発燃料のインテークマニホールド10への放出が停止さ
れた状態におけるフイードバツク補正量を計算し、前述
の記憶部に記憶する。尚、上述したステツプS5乃至ステ
ツプS8の一連の動作は、混合気のO2フイードバツク制御
を実行しながら行なわれるものである。
そして、ステツプS9においてパージ弁36を開放・閉塞し
た状態における各々のフイードバツク補正量により、偏
差を規定する。そして、この偏差と蒸発燃料パージ(放
出)量とに基づいて、蒸発燃料放出領域の各運転状態、
即ち、例えばエンジン回転数とエンジン負荷により規定
されるところの運転状態に対応する空燃比補正量を計算
し、前述の記憶部に記憶する。上述したステツプS9まで
の動作により、故意にパージ弁36を開放・閉塞して、空
燃比補正量を規定する動作を完了することになる。この
計算した空燃比補正量に基づいて、予め記憶してあるエ
ンジの回転量と負荷との関連において規定された蒸発燃
料放出の補正量のマツプデータを、全運転領域に渡つて
書き換える。
一方、ステツプS3でフイードバツク領域でないと判別さ
れた場合、及びステツプS4で前回の蒸発燃料放出量の計
算から所定時間以内であるとの判別された場合には、ス
テツプS5乃至ステツプS9の手順を実行せず、直接にステ
ツプS10の手順を実行する。
このステツプS10においては、現在の運転状態が蒸発燃
料放出領域であるか否かが判別され、蒸発燃料放出領域
であると判別された場合にはステツプS11において基本
燃料に、蒸発燃料の補正値を加味した上で補正し、ステ
ツプS12において、現在の運転状態がフイードバツク領
域にある時には、フイードバツク補正量をO2フイードバ
ツク制御信号及び他の補正信号に基づいて補正すること
になる。尚、現在の運転状態がフイードバツク領域にな
い時には、フイードバツク補正量を実質的に0になるよ
うに、即ち、乗算により補正をする場合には補正係数を
1に、加算により補正をする場合には定数を0になるよ
うに設定した上で補正する。このようにフイードバツク
補正量の補正を行つた上で、ステツプS13において、燃
料噴射装置14を補正した値で噴射駆動する。
また、ステツプS10において、現在の運転状態が蒸発燃
料放出領域でないと判別された場合には、ステツプS14
において、基本燃料を設定し、前述したステツプS12の
補正を経た上でステツプS13において燃料噴射装置14を
噴射駆動する。
以上詳述したように、この一実施例によれば、パージ弁
36を開放すべくリニヤソレノイド36eを励磁し、キヤニ
スタ30から蒸発燃料をインテークマニホールド10内に放
出し、この蒸発燃料の放出に伴い、混合気のベース空燃
比が変動したとしても、O2センサに38により実際に燃焼
された混合気の空燃比を検出し、蒸発燃料の供給の有無
に応じたフイードバツク制御信号の偏差を検出し、この
偏差に応じて蒸発燃料の供給の有無に応じてフイードバ
ツク補正量を補正するようにしている。このようにし
て、例え急に蒸発燃料が供給されたり、その供給が停止
されて、空燃比が急激に変化したとしても、全運転領域
において、短時間の内の応答性良く空燃比を目標値にフ
イードバツク制御できるようになる。
この発明は上述した一実施例の構成に限定されることな
く、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能で
ある。
例えば、上述した一実施例においては、エンジンは燃料
噴射装置を備えるように説明したが、キヤブレタを備え
たタイプにも適用できることは言うまでもない。
(発明の効果) 以上詳述したように、この発明に係るエンジンの空燃比
制御装置は、燃料貯留部から蒸発燃料を一時的に吸着す
る蒸発燃料吸着手段と、この蒸発燃料吸着手段から蒸発
燃料をエンジンの吸気通路に、所定の運転状態で供給す
る供給手段と、混合気の空燃比を検出する空燃比検出手
段と、空燃比検出手段の検出結果に基づいて混合気の空
燃比を目標値にフイードバツクするフイードバツク手段
と、所定の運転条件下において、蒸発燃料供給の有無に
おけるフィードバツク制御信号の偏差を検出する偏差検
出手段と、この偏差検出手段により検出した偏差に基づ
いて、蒸発燃料の空燃比に及ぼす変化を検出し、この偏
差に応じて蒸発燃料の供給時に空燃比を補正する補正手
段とを具備する事を特徴としている。
従つてこの発明によれば、蒸発燃料の供給の有無に拘ら
ず、全運転領域に渡つて目標空燃比へのフイードバツク
制御することのできるエンジンの空燃比制御装置が提供
されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るエンジンの空燃比制御装置の構
成を概略的に示す正面図、 第2図はパージ弁の構成を示す断面図、そして 第3図はECUにおける空燃比のフイードバツク制御の制
御手順を示すフローチヤートである。 図中、10……インテークマニホールド、10a……入口
部、10b……出口部、10c……スロツトル弁、12……エア
ークリーナ、14……燃料噴射装置、16……吸気弁、18…
…シリンダ、20……排気弁、22……排気マニホールド、
24……燃料タンク、26……蒸発燃料処理装置、28……蒸
発燃料取込管、30……キヤニスタ、32……蒸発燃料放出
管、34……蒸発燃料導入管、36……パージ弁、36a……
弁箱、36b……入口室、36c……出口室、36d……弁座、3
6e……リニヤソレノイド、36f……弁体、36g……スプリ
ング、38……O2センサ、40……AFS、42……TVO検出器、
44……回転数検出器、46……大気圧検出器、48……水温
検出器、50……ブースト検出器、52……ECUである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料貯留部から蒸発燃料を一時的に吸着す
    る蒸発燃料吸着手段と、 この蒸発燃料吸着手段から蒸発燃料をエンジンの吸気通
    路に、所定の運転状態で供給する供給手段と、 混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 空燃比検出手段の検出結果に基づいて混合気の空燃比を
    目標値にフィードバックするフィードバック手段と、 所定の運転条件下において、蒸発燃料供給の有無におけ
    るフィイードバック制御信号の偏差を検出する偏差検出
    手段と、 この偏差検出手段により検出した偏差に基づいて、蒸発
    燃料の空燃比に及ぼす変化を検出し、この偏差に応じて
    蒸発燃料の供給時に空燃比を補正する補正手段とを具備
    する事を特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
JP18427186A 1986-08-07 1986-08-07 エンジンの空燃比制御装置 Expired - Fee Related JPH0759908B2 (ja)

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