JPH0759228B2 - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JPH0759228B2
JPH0759228B2 JP2245356A JP24535690A JPH0759228B2 JP H0759228 B2 JPH0759228 B2 JP H0759228B2 JP 2245356 A JP2245356 A JP 2245356A JP 24535690 A JP24535690 A JP 24535690A JP H0759228 B2 JPH0759228 B2 JP H0759228B2
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熱 井口
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ハイデック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低周波電磁誘導加熱などの電力を熱源とする
主として業務用加熱調理器に関する。
[従来の技術] 業務用の大容量の自動炊飯器、味噌汁を煮る鍋、スープ
ケトル、煮物鍋などの熱源として、電力加熱式の加熱調
理器の開発が近年強く要請されている。以下、業務用の
大容量の自動炊飯器を例にとって説明する。
日本人にとって米の「御飯」は昔から重要な主食であ
り、うまい「御飯」をたべることはいつの時代になって
も要求されるところである。昔はうまい「御飯」は、か
まどと釜を用い、水加減、火加減などのノウハウをいろ
いろ積み重ねられてきた。「初めチョロチョロ、中パッ
パッ、赤子泣いても蓋とるな」という諺の中には、御飯
炊きの極意が秘められているのである。
ところで一斗炊き(約15Kg)、二斗炊き、さらには四斗
炊き(1俵炊き)というような大容量の業務用炊飯器
は、駅弁などの弁当業者、給食業者、レストラン、寿司
屋、自衛隊などの各種団体などで広く使用されている。
そしてこれらの業者が使用している従来の業務用炊飯器
の熱源は、燃料事情の変遷により薪を燃やすことはな
く、ほとんどが燃焼ガスや高圧水蒸気である。また家庭
用の炊飯器は、電気抵抗式ヒーター(いわゆる電気
釜)、電気ヒーターによる熱風式、あるいは燃焼ガス加
熱式等が使用されている。また、別の公知例としては、
電気抵抗式ヒーターを用いた業務用釜(実開昭60−1193
27号公報)、縦型の電磁誘導発熱機構を用いた加熱容器
(特開昭63−76295号公報)が提案されている。さらに
金属パイプを用いた電磁誘導加熱調理器(実開昭56−86
789号公報、特公昭58−39525号公報)が提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、大容量の業務用加熱炊飯器の場合、燃焼
ガス加熱式では、排気ガスと排熱による作業環境の悪化
という問題を避けることができず、劣悪な作業環境のた
め、調理作業者が長続きしないという課題がある。とく
に夏期はその程度が厳しい。そのうえ燃焼ガス加熱式で
は、ガス量や空気混合量の制御が容易でなく、正確な温
度コントロールが困難で、しばしば炊き上げに失敗する
という課題がある。また、味噌汁を煮る鍋、スープケト
ル、煮物鍋などの熱源として燃焼ガスを用いると、煮詰
まってしまったり、焦げてしまうといった課題もある。
次に高圧水蒸気を用いた加熱方式は、高圧ボイラー設備
が必要で、装置コストが高いという課題、および精度の
良い温度制御が困難であるという課題がある。
また前記実開昭60−119327号公報の電気抵抗式ヒーター
方式は、部分加熱・局部加熱の課題があり、大容量の業
務用加熱調理器の熱源として不適当である。さらに前記
特開昭63−76295号公報の縦型の電磁誘導発熱機構を用
いた加熱容器は、加熱面積を大きくできないので、熱効
率をそれほど高くできないという問題があった。
また実開昭56−86789号公報及び特公昭58−39525号公報
で提案されている金属パイプを用いた電磁誘導加熱器
は、発熱部である金属パイプの断面に隙間(ギャップ)
が存在し、伝熱効率が阻害されるという問題があった。
本発明は、前記従来技術の課題を解決するため、加熱源
として電力供給による加熱を用い、かつ熱媒体を用いて
間接加熱することにより、加熱面積が大きく、熱効率が
高い炊飯ができ、調理環境にも優れ、味噌汁、スープ、
煮物などの加熱調理の場合も、煮詰まったり焦げたりす
ることを防ぎ、かつ装置コストもあまり高くない加熱調
理器を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明の加熱調理器は、外釜
と内釜が一体化され、内釜で調理材料を加熱し、前記外
釜のいずれかの部分に加熱源として電力を用いた複数本
の低周波電磁誘導加熱部を備え、外釜と内釜との間には
食用油からなる熱媒体が封入され、前記熱媒体を介して
内釜を加熱する手段を備えた加熱調理器であって、前記
複数本の加熱部は、それぞれ磁束を流すための鉄心と、
その表面に巻回した誘導コイルと、その外側のジュール
熱により発熱する金属製発熱パイプから構成され、かつ
前記金属製発熱パイプは熱媒体中に存在するとともに前
記金属製発熱パイプの断面には実質的に隙間が存在しな
いことを特徴とする。
また前記構成においては、低周波電磁誘導加熱部のコイ
ル部への電力供給は、おおむね周波数1,000Hz未満の交
流電源を用いることができるが、商用波数(50Hzまたは
60Hz)の交流電源であることが好ましい。
また前記構成においては、外釜または内釜の側部に支持
軸を有し、前記支持軸を介して自動反転手段を備えてな
ることが操作上好ましい。
また前記構成においては、加熱調理器として業務用自動
炊飯器とすることができる。もちろん、味噌汁を煮る
鍋、スープケトル、煮物鍋など各種の大容量加熱調理器
とすることもできる。
さらに前記構成においては、内釜内の米の温度が62℃以
下で10分間以上保持する前炊き領域と、内釜内の米の温
度が62℃を越え水の沸点近辺の温度で20分間以上保持す
る炊き上げ領域と、熱媒体の加熱を止めた状態で保持す
る蒸らし領域とからなる制御手段を備えることが好まし
い。
[作用] 前記本発明の構成によれば、外釜と内釜が一体化され、
内釜で調理材料を加熱し、前記外釜のいずれかの部分に
加熱源として電力を用いた複数本の低周波誘導加熱加熱
部を備え、外釜と内釜との間には食用油からなる熱媒体
が封入され、前記熱媒体を介して内釜を加熱する手段を
備えた加熱調理器であって、前記複数本の加熱部は、そ
れぞれ磁束を流すための鉄心と、その表面に巻回した誘
導コイルと、その外側のジュール熱により発熱する金属
製発熱パイプから構成され、かつ前記金属製発熱パイプ
は熱媒体中に存在するので、加熱面積を大きくでき、し
かも大電力を供給できるという効果を発揮することがで
きる。また、外釜に熱媒体を封入し、熱媒体を電力を用
いて加熱し、内釜で米などの調理材料を加熱するように
したので、大容量の熱を短時間に移動させることがで
き、しかも温度制御に優れ、局部加熱のない昇温を行う
ことができる。この結果、放熱、排気熱なども少なく、
調理環境を向上することができる。また、外釜と内釜を
一体化しているので、加熱部および加熱媒体が封入さ
れ、安全な装置とすることができる。さらに前記金属製
発熱パイプの断面には一体化され、実質的に隙間が存在
しないので、伝熱効率が高いものとなる。この結果、炊
飯器のように短時間に大量の熱エネルギーを必要とする
加熱器に好適なものとなる。さらに、熱媒体として食用
油を用いたので、衛生性、安全性に優れた装置とするこ
とができる。
また、外釜のいずれかの部分に低周波電磁誘導加熱部を
備えたので、短時間に大量の熱を効率よく発生させるこ
とができるとともに、温度制御が優れたものとする。す
なわち、電気抵抗式ヒーターや高周波電磁誘導加熱ヒー
ターに比べて格段に温度制御に優れたものとなる。
また、低周波電磁誘導加熱部のコイル部への電力供給
が、商用波数の交流電源(50Hzまたは60Hz)であるとい
う本発明の好ましい例によれば、装置コストを安価にで
き、しかも耐久性に優れた装置とすることができる。高
周波電流の発生装置のようなインバータ等の半導体を用
いた部品を使用しないからである。
また、外釜または内釜の側部に支持軸を有し、前記支持
軸を介して自動反転手段を備えてなるという本発明の好
ましい例によれば、自動的に釜全体を反転させることが
でき、たとえば炊いた御飯の取り出し、洗浄などを容易
に行うことができる。
また、加熱調理器が、業務用自動炊飯器または調理用鍋
であるという本発明の好ましい例によれば、加熱調理器
の中で最も難しい業務用炊飯器の自動炊飯の他、味噌汁
を煮る鍋、スープケトル、煮物鍋など各種の大容量加熱
調理器に好適に応用できる。
さらに、内釜内の米の温度が62℃以下で10分間以上保持
する前炊き領域と、内釜内の米の温度が62℃を越え水の
沸点近辺の温度で20分間以上保持する炊き上げ領域と、
熱媒体の加熱を止めた状態で保持する蒸らし領域とから
なる制御手段を備えるという本発明の好ましい構成によ
れば、自動的に釜の温度を制御することができ、常に一
定の炊き上げ品質の御飯を得ることができる。
[実施例] 以下図面を用いて本発明の一実施例を説明する。第1〜
2図は本発明の一実施例の加熱調理器である。すなわ
ち、第1図は本発明の一実施例の自動炊飯器の正面図、
第2図は同側面図である。
第1〜2図において、1は米を炊くための内釜、2は熱
媒体を封入しかつ電磁誘導加熱器を備えた外釜、3は低
周波電磁誘導加熱部、4は熱媒体、5,5′は外釜2の側
面に固定されている支持軸、6,7は機台、8,8′は支持軸
5,5′を機台6,7にそれぞれ回転可能に支持するベアリン
グボックス、9は外釜2の下部の周囲を覆うケーシング
部、10はアーム22を固定するためのアーム固定部、11は
電力を供給するための電線12を導入するパイプ、13は機
台アンカー部、14は熱媒体供給部(安全弁を兼ねてもよ
い)、15は蓋部、17〜19はギアである。
以上のように構成した自動炊飯器について、以下その作
用を説明する。
まず、内釜1外釜2とは一体化されている。一体化は溶
接などにより行うことができる。外釜2には低周波電磁
誘導加熱部3が設けられている。電磁誘導加熱部3は、
熱媒体を介して内釜1を加熱することから、外釜2の下
部に設けることが好ましい。
内釜1と外釜2との間には熱媒体4が封入されている。
熱媒体4の封入は、たとえば熱媒体供給部14から熱媒体
を入れ、気体の部分を真空ポンプで減圧にするとか、通
常使用する温度より高温に加熱した状態で熱媒体を溢れ
させ、密封してしまう方法などが採用できる。熱媒体は
シリコーンオイル、鉱物油、食用油などどのようなもの
でも使用できるが、衛生上、安全上の理由からてんぷら
油などの食用油を用いることが好ましい。そして、てん
ぷら油を用いる場合は、酸化を防ぐため、内釜1と外釜
2との間を真空に保ったり、てんぷら油で満たしてしま
うことが好ましい。別の手段として酸化防止剤を加えて
もよい。
第1〜2図の例においては電磁誘導加熱部3の数は3本
のものを示した、これは三相交流電源を用いた例の場合
である。ほかに単相交流電源であっても使用することが
できる。電磁誘導加熱部3の詳細な説明及び発熱原理な
どは後に記載する。なお、電磁誘導加熱部3に示すよう
な穴(細いパイプ状であってもよい)をもう一つ設け
て、空気や水などの冷却流体を流せるようにしておいて
もよい。急冷する必要がある場合の急冷手段のためであ
る。別の急冷手段としては、外部にタンクを設けてお
き、加熱オイルを排出してしまうとか、冷却オイルを加
える手段なども採用できる。このような場合には窒素ガ
スなどの不活性ガスを用いてオイルの酸化を防止するこ
とが好ましい。
なお本実施例において内釜1は、底の浅い形状のものを
示したが、これは熱媒体4との接触面積を大きくして伝
熱効率を向上させたためであるが、必ずしも底の浅い形
状のものには限定されるわけではなく、温度差(△T)
を大きくとれる場合や、味噌汁やスープ用などには、そ
れぞれその用途に合った形状にすることができる。
また本実施例の内釜1の内容積は、五升炊き(約7.5K
g)以上が好ましく、一斗炊き(約15Kg)〜四斗炊き
(1俵炊き)、またはそれ以上の大容量炊きも可能であ
る。
次に、前記実施例の自動炊飯器の自動反転機構について
説明する。第3図は、定常位置(実線)と反転位置(2
点鎖線)を示すものである。そして、16はモータ、20は
ネジ軸、21はネジホルダー、22はアームであり、そのほ
か第1〜2図と共通する部品は同一番号を付している。
以上のように構成された自動反転機構について、以下そ
の作用を説明する。
洗った米及び水を仕込む場合、及び炊飯時は、ケーシン
グ部が9の位置(定常位置)になるように、ネジホルダ
ー21はネジ軸20の左端に位置する。そして炊飯後の御飯
を取り出したり、内側を洗浄するときは、スイッチ(図
示せず)を押すことにより、モータ16が回転し、ギア17
〜19を介してネジホルダー21をネジ軸20の右の端に移動
させる。その結果、ケーシング部が9′の位置(反転位
置)まで回転する。
次に低周波電磁誘導加熱部3について第4〜7図を用い
て説明する。第4図は低周波電磁誘導加熱部3のモデル
を示す斜視図、第5図は発熱パイプの断面図、第6図は
使用できる一例結線図、第7図は発熱原理を説明する図
である。
第4〜5図において、31は磁束を流すための鉄心(硅素
鋼板またはアモルファス合金)、32は誘導コイル、33は
金属製発熱パイプ、34は銅パイプ、35はステンレスパイ
プ、36は磁束の流れ、37は電流の流れを示す。前記にお
いて、金属製発熱パイプ33は内側の銅パイプ34と外側の
ステンレスパイプ35とが一体的にはり合わされており、
銅パイプ34とステンレスパイプ35との間には隙間(ギャ
ップ)がない。金属製発熱パイプ33は単体でもよい。
以上のように構成した低周波電磁誘導加熱部3につい
て、その作用を説明する。
50Hzまたは60Hzのような商用波数の交流電源から誘導コ
イル32に電力を供給すると、鉄心31に磁束が発生し、磁
束の流れ36のように流れる。そうすると金属製発熱パイ
プ33に電流の流れ37が発生する。その結果、ジュール熱
により金属製発熱パイプ33が発熱する。また、銅パイプ
34とステンレスパイプ35との間に隙間(ギャップ)があ
るものに比べると伝熱効率が高いものとなる。すなわ
ち、前記隙間(ギャップ)があると、これにより熱伝導
が阻害されるからである。
この発熱原理を第7図を用いて説明する。第7図(A)
は変圧器の原理を示す図である。すなわちコイルを100
回巻いた1次側に100V、10Aの交流(50Hzまたは60Hz)
の電流を流すと、コイルを100回巻いた2次側には理論
的には、100V、10Aの交流(50Hzまたは60Hz)の電流が
逆向きに付加電流として流れる。次に第7図(B)のよ
うに2次側のコイルを1回巻きにして同様に1次側に交
流電流を流すと、2次側には1V、1000Aの誘導電流が逆
向きに流れる。すなわち低電圧大電流の短絡変圧器が達
成できる。
低周波電磁誘導加熱部3は、1次側に誘導コイルを、2
次側に金属製パイプを配置し、前記した低電圧大電流の
短絡変圧器の原理を応用したものである。2次側の金属
製パイプは、導電性を有する金属であればいかなるもの
であってもよい。たとえば銅製、鋼製ステンレス鋼製な
どである。第7図(B)に示すとおり、金属製パイプ
(たとえば銅パイプ)に流れる電流は大きいので、加熱
するには極めて有効である。すなわち大電流の交流電流
が流れることにより、短絡電流によるジュール熱が発生
し、これが発熱に有効であると考えられているからであ
る。この意味から加熱にとって高電圧は有効ではない。
したがって本発明においては、電力のうち真に加熱に有
効な大電流を取り出したことに意義がある。また2次側
の銅パイプには極めて低い電圧が流れるが、これは人体
が接触しても感電しない程度であるので、安全性も極め
て高い。加えて本発明の原理によれば、加熱面積は必然
的に大きくなる。コイルの外側に金属製パイプを配置さ
せるからである。この結果、加熱面積を大きくでき、し
かも供給電力を大きくかけられるという相乗効果を発揮
することができる。
次に低周波電磁誘導加熱部3の結線方式は、たとえば第
6図に一例として示す方式を採用できる。第6図(A)
〜(B)は単相電源の場合の一例結線図、第6図(C)
〜(E)は三相電源の場合の一例結線図である。この他
の様々な結線方式も採用できる。
次に第1〜3図に示す本実施例の自動炊飯器を用いた具
体的実施例について説明する。
実施例1 まず、温度制御をどのようにするかを把握するため、ご
く少数存在するかまどを使った御飯を炊いているその道
の名人に実験してもらい、実際に釜の中とかまど内の温
度を測定した。その結果、第8図のような温度曲線を得
ることができた。第8図からわかることは、前炊き領域
のかまどの中の温度は400℃以下で、釜の中の温度は62
℃以下で約10分保持することである。これは糊化温度
(約62℃といわれている)以下で米に十分な対流を起こ
させ温度を均一化し、いわゆる芯の発生を防止するため
である。「初めチョロチョロ」とはこれを意味してい
る。次に、炊き上げ領域においては、初めに一気に火勢
を強くして600℃程度まで昇温し(「中パッパッ」)、
釜の中の温度を水の沸点に保ち、その後薪を引くことで
ある。そして、30分経過後に杉の葉を一枝燃やして蒸ら
し領域を作ることである。
以上の実施例から、米36を水41.4を用いて炊飯する場
合、第9図のような釜内の理想温度曲線を導くことがで
きた。すなわち、内釜内の米の温度が62℃以下で10分間
以上保持する前炊き領域と、内釜内の米の温度が62℃を
越え水の沸点近辺の温度で20分間以上保持する炊き上げ
領域と、熱媒体の加熱を止めた状態で保持する蒸らし領
域とを設けることである。
そして、実際の装置の熱媒体の温度(オイル温度)を制
御するため、内釜の底の温度(コンプレッションフィッ
テングにより、内釜の外側からやや凹んだ部分にセンサ
ーを挿入している)、蒸気温度、各種コントロール時間
を要素にとり、第10図(A)〜(C)に示すような温度
制御のフローチャート図を作成した。
第10図(A)は自動炊飯器の通常の炊飯工程のフローチ
ャート図であり、同(B)図は油温加熱防止のためのフ
ローチャート図、同(C)図は空炊き防止のためのフロ
ーチャート図である。別にマニュアル加熱することもで
き、たとえば味噌汁やスープを暖めておく場合には、オ
イルの温度を80℃程度に保持しておくという制御もでき
る。
実施例2 第1〜3図に示す自動炊飯器を用い、第10図(A)に示
すフローチャート(マイコン制御)で実際に米36を水4
1.4を仕込み炊飯した。内釜1の外直径は約1000mm、同
深さ約300mm、外釜2の外直径は約1050mm、同深さ約600
mm、加熱部3の大きさは、外径120mm、長さ650mmのもの
3本使用、加熱容量30Kw、熱媒体としてサラダオイル
(食品用油)を150使用した。内釜、外釜の材料はとも
にステンレスとした。
この結果を第11図に示す。第11図から明らかな通り、釜
の中の温度はほぼ第9図に示す理想温度変化曲線のよう
になり、65分間で36(二斗)の米を炊き上げることがで
きた。炊き上げた御飯の品質は、第8図に示したかまど
で名人が炊いた御飯と同様なものであり、第1〜3図に
示す自動炊飯器は優れたものであることを確認できた。
以上説明した通り本実施例によれば、下記の利点を得る
ことができる。
複数本の加熱部は、それぞれ磁束を流すための鉄心
と、その表面に巻回した誘導コイルと、その外側のジュ
ール熱により発熱する金属製発熱パイプから構成され、
かつ前記金属製発熱パイプを熱媒体中に存在させ、外釜
に熱媒体を封入し、熱媒体の加熱により内釜で米を炊く
ようにしたので、大容量の熱を短時間に移動させること
ができ、しかも温度制御に優れた昇温を行うことができ
る。また、短時間に大量の熱を効率よく発生させること
ができる。また、外釜と内釜を一体化しているので、加
熱部および加熱媒体が封入され、安全な装置とすること
ができる。
低周波電磁誘導加熱部のコイル部への電力供給が、商
用波数の交流電源(50Hzまたは60Hz)を用いたので、装
置コストを安価にでき、しかも耐久性に優れた装置とす
ることができる。
熱媒体が食用油を用いたので、衛生性、安全性に優れ
た装置とすることができる。
外釜または内釜の側部に支持軸を有し、前記支持軸を
介して自動反転手段を備えているので、自動的に釜全体
を反転させることができ、炊いた御飯の取り出し、洗浄
などを容易に行うことができる。
内釜内の米の温度が62℃以下で10分間以上保持する前
炊き領域と、内釜内の米の温度が62℃を越え水の沸点近
辺の温度で20分間以上保持する炊き上げ領域と、熱媒体
の加熱を止めた状態で保持する蒸らし領域とからなる制
御手段を備えるので、自動的に釜の温度を制御すること
ができ、常に一定の炊き上げ品質の御飯を得ることがで
きる。
本実施例の自動炊飯器は、炊飯のみならず、味噌汁を
煮る鍋、スープケトル、煮物鍋などの各種加熱調理器と
して有用なものである。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明によれば、外釜と内釜が一体
化され、内釜で調理材料を加熱し、前記外釜のいずれか
の部分に加熱源として電力を用いた複数本の低周波誘導
加熱加熱部を備え、外釜と内釜との間には食用油からな
る熱媒体が封入され、前記熱媒体を介して内釜を加熱す
る手段を備えた加熱調理器であって、前記複数本の加熱
部は、それぞれ磁束を流すための鉄心と、その表面に巻
回した誘導コイルと、その外側のジュール熱により発熱
する金属製発熱パイプから構成され、かつ前記金属製発
熱パイプは熱媒体中に存在するので、加熱面積を大きく
でき、しかも大電力を供給できるという効果を発揮する
ことができる。また、外釜に熱媒体を封入し、熱媒体を
電力を用いて加熱し、内釜で米などの調理材料を加熱す
るようにしたので、大容量の熱を短時間に移動させるこ
とができ、しかも温度制御に優れ、局部加熱のない昇温
を行うことができる。この結果、放熱、排気熱なども少
なく、調理環境を向上することができる。また、外釜と
内釜を一体化しているので、加熱部および加熱媒体が封
入され、安全な装置とすることができる。さらに前記金
属製発熱パイプの断面には一体化され、実質的に隙間が
存在しないので、伝熱効率が高いものとなる。この結
果、炊飯器のように短時間に大量の熱エネルギーを必要
とする加熱器に好適なものとなる。さらに、熱媒体とし
て食用油を用いたので、衛生性、安全性に優れた装置と
することができる。
また、外釜のいずれかの部分に低周波電磁誘導加熱部を
備えたので、短時間に大量の熱を効率よく発生させるこ
とができるとともに、温度制御が優れたものとなる。す
なわち、電気抵抗式ヒーターや高周波電磁誘導加熱ヒー
ターに比べて格段に温度制御に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の自動炊飯器の正面図、第2
図は同側面図、第3図は同反転機構を示す図、第4図は
同低周波電磁誘導加熱部のモデルを示す斜視図、第5図
は同発熱パイプの断面図、第6図(A)〜(E)は同使
用できる一例結線図、第7図(A)〜(B)は同発熱原
理を説明する図、第8図はかまどを用いた場合の温度状
態を示す図、第9図は釜内の理想温度曲線を示す図、第
10図(A)〜(C)は本発明の一実施例の制御フローチ
ャート図、第11図は同実験例の温度状態を示す図であ
る。 1…内釜、2…外釜、3…低周波電磁誘導加熱部、4…
熱媒体、5,5′…支持軸、6,7…機台、8,8′…ベアリン
グボックス、9…ケーシング部、10…アーム固定部、11
…パイプ、13…機台アンカー部、14…熱媒体供給部(安
全弁)、15…蓋部、17〜19…ギア、16…モータ、20…ネ
ジ軸、21…ネジホルダー、22…アーム、31…鉄心、32…
誘導コイル、33…金属製発熱パイプ、34…銅パイプ、34
…ステンレスパイプ、36…磁束の流れ、37…電流の流
れ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外釜と内釜が一体化され、内釜で調理材料
    を加熱し、前記外釜のいずれかの部分に加熱源として電
    力を用いた複数本の低周波電磁誘導加熱部を備え、外釜
    と内釜との間には食用油からなる熱媒体が封入され、前
    記熱媒体を介して内釜を加熱する手段を備えた加熱調理
    器であって、前記複数本の加熱部は、それぞれ磁束を流
    すための鉄心と、その表面に巻回した誘導コイルと、そ
    の外側のジュール熱により発熱する金属製発熱パイプか
    ら構成され、かつ前記金属製発熱パイプは熱媒体中に存
    在するとともに前記金属製発熱パイプの断面には実質的
    に隙間が存在しないことを特徴とする加熱調理器。
  2. 【請求項2】低周波電磁誘導加熱部のコイル部への電力
    供給が、商用波数の交流電源である請求項1記載の加熱
    調理器。
  3. 【請求項3】外釜または内釜の側部に支持軸を有し、前
    記支持軸を介して自動反転手段を備えてなる請求項1記
    載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】加熱調理器が、業務用自動炊飯器または調
    理用鍋である請求項1記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】内釜内の米の温度が62℃以下で10分間以上
    保持する前炊き領域と、内釜内の米の温度が62℃を越え
    水の沸点近辺の温度で20分間以上保持する炊き上げ領域
    と、熱媒体の加熱を止めた状態で保持する蒸らし領域と
    からなる制御手段を備えた請求項4記載の加熱調理器。
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