JPH0757317A - 光磁気記録媒体および記録再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体および記録再生方法

Info

Publication number
JPH0757317A
JPH0757317A JP19627793A JP19627793A JPH0757317A JP H0757317 A JPH0757317 A JP H0757317A JP 19627793 A JP19627793 A JP 19627793A JP 19627793 A JP19627793 A JP 19627793A JP H0757317 A JPH0757317 A JP H0757317A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic layer
magnetic
magneto
optical recording
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19627793A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Osato
陽一 大里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP19627793A priority Critical patent/JPH0757317A/ja
Priority to US08/281,182 priority patent/US5596555A/en
Priority to CA002128964A priority patent/CA2128964C/en
Priority to KR1019940018432A priority patent/KR950004143A/ko
Priority to EP94305603A priority patent/EP0637019A3/en
Priority to AU68772/94A priority patent/AU659976B2/en
Publication of JPH0757317A publication Critical patent/JPH0757317A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 交換結合二層膜を利用してオーバーライトを
行う方式において記録情報の安定性が改善され、同時に
再生特性を向上させた光磁気記録媒体および記録再生方
法を提供する。 【構成】 基板上(1)に第一磁性層(2)と第二磁性
層(3)とが積層され、かつ下記式(1) 〜(4) を満たす
光磁気記録媒体。 (1) Hc2 > Hc1 (2) Hc2 > σw/2Ms22 (3) Hc1 > σw/2Ms11 (4) Tcomp1 < Tc1 (Hc1 、Hc2 :各層の保磁力、 Tc1 、Tc2
各層のキュリー温度、Ms1 、Ms2 :各層の飽和磁
化、 h1 、h2 :各層の膜厚、 Tcomp1 :第一磁性
層の補償温度、 σw:界面磁壁エネルギー) および、この媒体を用いた記録再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光を用いて情報の
記録、再生、消去を行う光磁気記録媒体、および光磁気
記録・再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在行われている光磁気記録方法では、
情報を記録するときに消去、記録、照合の3工程が必要
であるため時間がかかるという問題がある。この問題を
解決するために、次のようなオーバーライトの方式が提
案されている。
【0003】.磁界変調方式 照射レーザビームの強度を一定に保ち、記録情報に応じ
て加える磁界の極性を高速に反転させて記録を行う方式
である(特開昭63−204532号、特開昭63−7
6135号等)。この方式では加える磁界の極性を高速
に反転させなければならないため、磁界発生用記録ヘッ
ドと媒体面がぶつからないようにある程度離れた位置か
ら記録磁界を発生させるには大きな電力の投入が必要で
技術的に難しい。また磁気ヘッドを媒体面に非常に近接
させる方法も提案されているが、この方法では光ディス
ク本来の非接触での記録再生というメリットが生かされ
ない。
【0004】.交換結合二層膜方式 希土類−遷移金属非晶質合金の2層膜を記録膜とする光
磁気記録媒体を使用し、2層間の交換結合を利用してオ
ーバライトを行う方式である(特開昭62−17594
8号等)。具体的には、例えばTbFeからなる記録層
とTbFeCoからなる補助層を備えた光磁気媒体を用
い補助層の磁化を揃える初期化を行った後、記録バイア
ス磁界を加え、2値のパワーのレーザビームを照射して
オーバーライトを実現するものである。この方式では、
情報を記録した時に2層間に磁壁が存在する場合があ
り、記録情報の安定性に問題があったり、初期化に大き
な磁界が必要であるなどの問題が残されている。
【0005】
【発明解決しようとする課題】本発明はこのような従来
技術の問題点を解決するためのものであり、交換結合二
層膜を利用してオーバーライトを行う方式において記録
情報の安定性が改善され、同時に再生特性を向上させた
光磁気記録媒体および記録再生方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成できる。
【0007】透光性を有する基板上に少なくとも第一磁
性層と第二磁性層とがこの順序に積層され、かつ下記式
(1) 〜(4) を満たすことを特徴とする光磁気記録媒体。
【0008】(1) Hc2 > Hc1 (2) Hc2 > σw/2Ms22 (3) Hc1 > σw/2Ms11 (4) Tcomp1 < Tc1 (上記各式中、Hc1 およびHc2 は各々第一磁性層、
第二磁性層の保磁力、Tc1 およびTc2 は各々第一磁
性層、第二磁性層のキュリー温度、Ms1 およびMs2
は各々第一磁性層、第二磁性層の飽和磁化、h1 および
2 は各々第一磁性層、第二磁性層の膜厚、Tcomp1
第一磁性層の補償温度、σwは第一磁性層と第二磁性層
との間の界面磁壁エネルギーを表わす。) 本発明の光磁気記録媒体に対し光磁気記録を行う方法に
おいて、外部の磁界により該第一磁性層の磁気モーメン
トの方向を一定方向に揃えておき、該磁界と同一方向に
記録バイアス磁界をかけながら、次のように2値にパワ
ーを変調させたレーザ光を記録信号に応じて照射するこ
とを特徴とする光磁気記録方法。
【0009】 第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が
存在しない状態を得る低パワーのレーザ光。
【0010】 第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が
存在する状態を得る高パワーのレーザ光。
【0011】本発明の光磁気記録媒体の記録情報を再生
する方法において、第一磁性層の磁気モーメントの方向
とは逆方向の磁界をかけることによって第一磁性層の磁
気モーメントの方向を第一磁性層と第二磁性層の間に磁
壁が存在しない状態に変えた後に、記録情報を再生する
ことを特徴とする光磁気記録の再生方法。
【0012】本発明の光磁気記録媒体の記録情報を再生
する方法において、第一磁性層の磁気モーメントの方向
とは逆方向の磁界をかけながら再生レーザビームを照射
し、該ビームスポットの中心部分における第一磁性層の
磁気モーメントの方向を第一磁性層と第二磁性層の間に
磁壁が存在しない状態に変えながら記録情報を再生する
ことを特徴とする光磁気記録の再生方法。
【0013】
【作用】本発明の光磁気記録媒体は、上記式(1) 〜(4)
を満たす特別な性質を有するこにとによって、上記本発
明の記録再生方法を可能とし、記録安定性、再生特性を
向上させたものである。
【0014】本発明の光磁気記録媒体は、代表的には透
光性を有する基板上に2層以上の磁性層を積層してな
り、そのうち少なくとも2層間には交換結合力が働いて
いる。特に、本発明の光磁気記録媒体は、例えば、基板
上に2層以上の磁性膜を積層してなり、そのうち少なく
とも2層は希土類元素と遷移金属の非晶質合金からなる
垂直磁化膜であり、この2層をレーザ光の入射方向より
それぞれ第一磁性層および第二磁性層としたとき、第一
磁性層と第二磁性層は交換結合しており、室温付近での
保磁力は第一磁性層より第二磁性層の方が大きく、キュ
リー温度は第二磁性層より第一磁性層の方が高い。そし
て第一磁性層は室温とキュリー温度の間に補償温度を持
つ。そして室温で第一、第二磁性層間に界面磁壁が安定
に存在するものである。
【0015】そして、本発明の記録方法においては、こ
の光磁気記録媒体を使用し、例えば、前記2層をレーザ
光の入射側からそれぞれ第一磁性層および第二磁性層と
したとき、記録を行う前に外部磁界により第一磁性層の
磁気モーメントを一方向に揃えておく。次に前記の磁界
と同一方向に磁界をかけながら、記録信号に対応させて
2値にパワーを変調させたレーザ光を照射して、第一磁
性層の磁気モーメントを反転させるか、反転させないか
を選択し、この際第二磁性層の磁気モーメントは第一磁
性層と界面磁壁を形成しないように配向する。さらにそ
の後外部磁界により第一磁性層の磁気モーメントは一方
向に揃えられるがこの際第一、第二時磁性層間で副格子
磁化の方向が一致しない場合は界面磁壁が形成される。
【0016】また、本発明の再生方法においては、記録
情報を再生する場合、前記記録磁界とは逆方向の磁界を
加えて、第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が存在する
部分のみ第一磁性層の磁気モーメントを反転させ磁壁を
解消して記録情報を再生できる。
【0017】また、本発明のもうひとつの再生方法にお
いては、前記記録を行い、前記記録磁界とは逆方向の磁
界を加えて再生ビームを照射する。ビームの中心部分で
は周りに比べて高い温度まで上昇し、ビームの中心部分
だけで第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が存在する部
分のみ第一磁性層の磁気モーメントを反転させ磁壁を解
消して記録情報を再生できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0019】図1は、本発明の光磁気記録媒体の層構成
を例示する模式的断面図である。この図に示す光磁気記
録媒体は、基板1上に第一磁性層2および第二磁性層3
を順次直接積層してなる。この記録媒体においては、記
録再生用レーザ光は基板1側から入射する。
【0020】第一磁性層2と第二磁性層3は、それぞれ
希土類元素(Tb、Dy、Gd、Nd、Ho等)と鉄族
遷移金属(Fe、Co、Ni等)との非晶質合金からな
る垂直磁化膜で構成され、両層間には交換結合力が働い
ている。基板1としては、ガラス、紫外線硬化樹脂によ
るガイドトラックを設けたガラス、ポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート、エポキシ系樹脂など公知の
材料を制限無く用いることができる。
【0021】本発明の光磁気記録媒体は、次の条件を満
たす。
【0022】(1) Hc2 > Hc1 (2) Hc2 > σw/2Ms22 (3) Hc1 > σw/2Ms11 (4) Tcomp1 < Tc1 (上記各式中、Hc1 およびHc2 は各々第一磁性層、
第二磁性層の保磁力、Tc1 およびTc2 は各々第一磁
性層、第二磁性層のキュリー温度、Ms1 およびMs2
は各々第一磁性層、第二磁性層の飽和磁化、h1 および
2 は各々第一磁性層、第二磁性層の膜厚、Tcomp1
第一磁性層の補償温度、σwは第一磁性層と第二磁性層
との間の界面磁壁エネルギーを表わす。) 更に本発明の好適な例は以下の条件を満たす媒体であ
る。
【0023】(1')Hc2 −σw/2Ms2 h > Hi
> Hc1 +σw/2Hc1 h (2) Hc2 > σw/2Ms22 (3) Hc1 > σw/2Ms11 (4')室温(RT) < Tcomp1 < Tc1 上記式(1')は、外部磁界Hiによって第一磁性層だけを
一方向に着磁できる条件を示す。また上記式(2)(3)は、
2層間の界面磁壁が安定に存在する条件を示す。上記式
(4')は、第二磁性層が補償温度を持ち、外部磁界と記録
磁界が同一方向で、キュリー温度記録が可能な条件を示
す(補償温度を越えて温度上昇、自発磁化が逆転した
後、記録磁界によりキュリー温度付近で磁化反転=記録
される)。図2は、本発明の光磁気記録媒体の層構成の
他の例を示す模式的断面図である。この図に示す光磁気
記録媒体は、基板1上に、ガイドトラック層4、保護層
5、第一磁性層2、第二磁性層3、保護層5、反射層6
を順次積層してなる。また更に、交換結合力の調整機能
を持つ中間層を設けてもよいし、さらに機能を付加する
ための第三磁性層、第四磁性層などを設けてもよい。さ
らに、これらの構造のものを2枚貼り合わせて両面記録
可能な媒体としてもよい。
【0024】図3は、本発明の光磁気記録方法を例示す
る状態遷移図である。ここでは、第一磁性層2、第二磁
性層3とも希土類元素の副格子磁化が優位のものとす
る。ここでは両層の磁気モーメントが平行の場合、界面
磁壁は形成されないことになる。
【0025】まず光磁気記録を行う前に200〜500
0 Oe程度の外部磁界Hiを加え、第一磁性層2の磁
気モーメントを一方向(ここでは上向き)に揃え、いわ
ゆる初期化を行う[図3(a)]。ここで初期化に必要
なHiの大きさが、例えば500 Oeより小さい場合
は、外部磁界Hiの代わりに記録磁界Hbで兼用するこ
とも可能である。
【0026】次に外部磁界と同一方向(上向き)に50
〜500 Oe程度の記録磁界Hbを加えながら記録信
号に対応させレーザパワーを2値レベルで変化させて照
射することによって以下の様な記録を行う。
【0027】低レベルPbのレーザ光を照射すること
(以下、Lプロセスと称す)により、磁性層の温度は第
二磁性層のキュリー温度Tc2 以上まで上昇し、第二磁
性層3の磁気モーメントは消失した状態となる[図3
(b)]。そして、レーザスポットが移動し、磁性層が
室温まで降温すれば図3(a)に示す状態に戻る。
【0028】一方、高レベルPaのレーザ光を照射する
こと(以下、Hプロセスと称す)により、磁性層の温度
は第一磁性層の補償温度Tcomp1 以上まで上昇し、第一
磁性層2は遷移金属の副格子磁化が優位となり磁気モー
メントは逆転する[図3(c)]。このとき記録バイア
ス磁界Hbによって第一磁性層2は磁化反転する[図3
(d)]。そして、レーザスポットが移動し第一磁性層
の補償温度Tcomp1 以下まで降温すると、再び第一磁性
層2は希土類元素の副格子磁化が優位となり磁気モーメ
ントが逆転する[図3(e)]。さらに降温が進み、磁
性層の温度が第二磁性層のキュリー温度Tc2 以下まで
下がると、第一磁性層の副格子磁化と同方向に(界面磁
壁を形成しないように)第二磁性層の磁化が生じる[図
3(e’)]。さらに光磁気記録媒体は回転し外部磁界
Hiを通過すると、第一磁性層の磁化は上向きに揃えら
れて図3(f)に示す状態となる。
【0029】図4は、本発明の光磁気記録の再生方法を
例示する図である。上述のLプロセス、Hプロセスによ
る記録が終ると、図4(a)に示す様に記録部分の第一
磁性層2の磁気モーメントが全て上向きとなっており、
再生ビームを照射しても第二磁性層3の記録情報は再生
し難い。そこで再生ビームを照射する際、前記の記録磁
界Hbを下向きに反転し、かつ磁界の大きさをHc1
σw/2Ms1 h >Hb > Hc1 −σw/2Ms
1 の条件を満たすように設定すると、界面磁壁が形成さ
れている部分では第一磁性層2の磁気モーメントが下向
きに反転し、かつ界面磁壁が形成されていない部分では
第一磁性層の磁気モーメントは上向きのままとなり、第
二磁性層3の記録情報が第一磁性層2に転写され図4
(b)に示す状態となる。この様な図4(b)に示す状
態とすれば良好な再生が可能であり、また界面磁壁が存
在しないので再生レーザパワーを大きくしても記録ビッ
トが不安定になることもない。
【0030】図5は、本発明の光磁気記録方法の他の例
を示す状態遷移図である。ここでは、第一磁性層2の副
格子磁化は希土類元素が優位、第二磁性層3は遷移金属
の副格子磁化が優位の光磁気記録媒体を使用したこと以
外は、図3に示した方法と同じ記録操作を行う。ここで
は両層の磁気モーメントが反平行の場合界面磁壁は形成
されないことになる。
【0031】この図5に示す様に、この場合の記録方法
においては、Hプロセスにおいて磁性層の温度が磁性層
の温度が第二磁性層のキュリー温度Tc2 から室温に戻
る過程の状態[図5(e)〜(f)]が、図3に示した
ものと異なる。これは、上述の様に第一磁性層2の副格
子磁化は希土類元素が優位、第二磁性層3は遷移金属の
副格子磁化が優位としたからである。従って、Hプロセ
スで記録した部分は、図4(f)に示す様に両磁性層の
磁気モーメントが平行(ここでは上向き)で界面磁壁が
形成された状態となる。
【0032】図6は、本発明の光磁気記録の再生方法を
例示する図である。図5(a)〜(f)に示した上述の
記録が終ると、図6(a)に示す様に記録部分の第一磁
性層2の磁気モーメントが全て上向きとなっており、再
生ビームを照射しても第二磁性層3の記録情報は再生し
難い。そこで再生ビームを照射する際、図5における記
録磁界Hbを下向きに反転し、かつ磁界の大きさを、H
1 −σw/2Ms11 > Hb > Hc1(t)−
σw(t) /2Ms1(t)h1 の条件を満たすように設定す
る。ここでHc1(t) 、σw(t) 、Ms1(t) は、それぞ
れ温度tにおける第一磁性層の保磁力、界面磁壁エネル
ギー、飽和磁化を表わす。
【0033】磁界Hbの上記式の条件のうち、Hc1
σw/2Ms11 > Hbは、再生時に加えられる
磁界だけで第一磁性層の磁気モーメントが反転すること
がない様にするための条件である。
【0034】また磁界Hbの上記式の条件のうち、Hb
> Hc1(t)−σw(t) /2Ms 1(t)h1 の条件は次
のことを示す。後に詳述する再生ビームによると、ビー
ムスポットの中心部分が一番高い温度になり、スポット
周辺では温度上昇が小さい。そこで再生ビームのパワー
を段々と大きくして上記式の温度tを大きくすると、t
が室温の場合はHc1(t)−σw(t) /2Ms1(t)h1
Hc1 −σw/2Ms 11 に等しく、磁壁が安定に存
在するためのマージンを意味する。これは正の値(例え
ば200〜500 Oe)である。そこで室温の場合の
Hc1 −σw/2Ms1 hの値よりHbの値を僅かに小
さく設定しておくと、温度が上昇してHc1(t)−σw
(t) /2Ms1(t)h1 の値が僅かでも減少すると、Hb
> Hc 1(t)−σw(t) /2Ms1(t)h1 となり、加
えられる磁界Hbで第一磁性層の磁気モーメントは反
転、第二磁性層の記録情報が第一磁性層に転写されるこ
とが可能になる。
【0035】図7に、温度tを変えてHc1(t)−σw
(t) /2Ms1(t)h1 の値を測定したグラフを示す。
【0036】測定サンプルは次のような構成とした。ス
ライドガラス基板上に、Gd25Fe75膜(at%:
副格子磁化Gd優位、保磁力Hc1は1000 Oe、
補償温度150℃、キュリー温度245℃)を1800
オングストロームの厚さに設けた。さらにTb22Fe
70Co8膜(at%:副格子磁化FeCo優位、保磁
力Hc2は15000 Oe、キュリー温度175℃)
を400オングストロームの厚さに設けた。さらに保護
膜としてSi34 膜を800オングストロームの厚さ
に設けた。
【0037】測定方法は次のようなものとした。まず測
定温度を変えられるVSM(試料振動型磁化測定器)に
サンプルをセットし、15KOe以上の磁界を加え、T
bFeCo膜(第二磁性層に相当)を上向きに着磁す
る。次に例えば3KOe程度のTbFeCo膜の磁化は
反転させない大きさの磁界を極性を変えながら加え、G
dFe膜(第一磁性層に相当)を上向きに着磁した後
(界面磁壁を形成)、下向きの磁化を加えながらGdF
e膜の磁化が反転する磁界の大きさを調べた。つまり、
Hc1(t)−σw(t) /2Ms1(t)h1 に相当する。ここ
で、温度を変えながら測定した結果が図7に示すグラフ
である。
【0038】この図7に示す結果から、室温では約50
0 Oeであったマージン(Hc1(t)−σw(t) /2M
1(t)h1 )が、90〜110℃では約150 Oeに
減少していることがわかる。そこで再生レーザビームの
スポット中心部分で磁性層の温度が90〜110℃まで
昇温し、スポット周辺部分では例えば70℃以下であれ
ば、加える下向き磁界を例えば200 Oeにすると、
再生ビームの中心部分だけTbFeCo第二磁性層の磁
化を転写させて読み出せることがわかる。すなわち図7
は、本発明の再生方法での第一磁性層安定性マージンの
温度依存性を示す。
【0039】従って、図6(a)に示す状態の記録状態
において、磁界を加えずに小さなパワーのビーム(再生
パワーを適正な大きさに、加える磁界を適正な大きさに
する)で再生すれば、図6(b)に示す様に、スポット
中央部分だけ第二磁性層3の記録情報が第一磁性層2に
転写される。この様な図6(b)に示す状態とすれば隣
接トラックからの再生信号の漏れ込み、前後の記録ビッ
トからの再生時の漏れ込みなどが減少し、高密度記録を
した場合に良好な再生信号が得られる。
【0040】次に、本発明を具体的に実施した例を詳述
する。
【0041】厚さ1.2mm、直径130mmのポリカ
ーボネイト基板上に、スパッタリング法によって厚さ約
80nmのSi34 からなる誘電体保護膜を設け、次
に厚さ約180nmのGd25Fe75(at%)の第
一磁性層を設け、次に厚さ約40nmのTb22Fe7
0Co8(at%)の第二磁性層を設け、更に厚さ約8
0nmのSi34 からなる誘電体保護膜を設けスパッ
タリングを終了した。最後にスピンナーにより、アクリ
レート系樹脂をコートし保護コート層とし、光磁気記録
媒体を得た。
【0042】この記録媒体の特性等は以下の通りであ
る。
【0043】 第一磁性層の保磁力(Hc1 ) : 1000Oe 第一磁性層のキュリー温度(Tc1 ): 245℃ 第一磁性層の飽和磁化(Ms1 ) : 200emu/cc 第一磁性層の膜厚(h1 ) : 180nm 第一磁性層の補償温度(Tcomp1 ) : 150℃ 第二磁性層の保磁力(Hc2 ) : 15000Oe 第二磁性層のキュリー温度(Tc2 ): 175℃ 第二磁性層の飽和磁化(Ms2 ) : 35emu/cc 第二磁性層の膜厚(h2 ) : 40nm 界面磁壁エネルギー(σw) : 2.0erg/cm
2
【0044】この光磁気記録媒体を1800rpmで回
転させ、半径35mmの位置で周波数3.7MHzで2
値の記録パワー(Pb:5mW、Pa:12mW)で上
向きに300 Oeの磁界を加えながら記録を行った。
ここで第一磁性層を上向きに着磁(初期化)させる外部
磁界の大きさは2KOeである。
【0045】次に1mWの連続ビームで初期信号を再生
したが確認できなかった。そこで1mWの連続ビームで
記録信号を再生しながら、下向きの600 Oeの磁界
を加えた。すると第二磁性層の記録情報が第一磁性層に
転写され、C/N比45dBの良好な再生信号が得られ
た。
【0046】次に1mWの連続ビームで記録信号を再生
しながら、下向きに磁界を加えていった。約100 O
eから第二磁性層の記録情報の転写が始まり、150〜
350 Oeの磁界でC/N比47dBの再生信号が確
認できた。500 Oe以上の磁界ではC/N比が45
dBに低下した。
【0047】同様に200 Oeの磁界を下向きに加え
ながら、再生ビームのパワーを1mWから大きくする
と、再生パワーが2.5mWまではC/N比が47dB
であったが3mWまで大きくするとC/N比は44dB
に低下した。
【0048】以上の実施例から、本発明の光磁気記録媒
体に2値のパワーでオーバライトした後、外部磁界と反
対方向の磁界を加え、第一磁性層に第二磁性層の記録情
報を転写して良好読み出すことが可能であることがわか
る。また、再生時の磁化と再生パワーを適正に選ぶこと
で、ビームの中央部だけを使って高密度記録情報をC/
N比良く再生可能であることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、交
換結合二層膜を利用してオーバーライトを行う方式にお
いて記録情報の安定性が改善され、同時に再生特性を向
上させた光磁気記録媒体および記録再生方法が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の層構成を例示する模
式的断面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の層構成の他の例を示
す模式的断面図である。
【図3】本発明の光磁気記録方法を例示する状態遷移図
である。
【図4】本発明の光磁気記録の再生方法を例示する図で
ある。
【図5】本発明の光磁気記録方法の他の例を示す状態遷
移図である。
【図6】本発明の光磁気記録の再生方法を例示する図で
ある。
【図7】本発明の再生方法での第一磁性層安定性マージ
ンの温度依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 第一磁性層 3 第二磁性層 4 ガイドトラック層 5 保護層 6 反射層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基板上に少なくとも第一
    磁性層と第二磁性層とがこの順序に積層され、かつ下記
    式(1) 〜(4) を満たすことを特徴とする光磁気記録媒
    体。 (1) Hc2 > Hc1 (2) Hc2 > σw/2Ms22 (3) Hc1 > σw/2Ms11 (4) Tcomp1 < Tc1 (上記各式中、Hc1 およびHc2 は各々第一磁性層、
    第二磁性層の保磁力、Tc1 およびTc2 は各々第一磁
    性層、第二磁性層のキュリー温度、Ms1 およびMs2
    は各々第一磁性層、第二磁性層の飽和磁化、h1 および
    2 は各々第一磁性層、第二磁性層の膜厚、Tcomp1
    第一磁性層の補償温度、σwは第一磁性層と第二磁性層
    との間の界面磁壁エネルギーを表わす。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光磁気記録媒体に対し光
    磁気記録を行う方法において、外部の磁界により該第一
    磁性層の磁気モーメントの方向を一定方向に揃えてお
    き、該磁界と同一方向に記録バイアス磁界をかけなが
    ら、次のように2値にパワーを変調させたレーザ光を記
    録信号に応じて照射することを特徴とする光磁気記録方
    法。 第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が存在しない状
    態を得る低パワーのレーザ光。 第一磁性層と第二磁性層の間に磁壁が存在する状態
    を得る高パワーのレーザ光。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光磁気記録媒体の記録情
    報を再生する方法において、第一磁性層の磁気モーメン
    トの方向とは逆方向の磁界をかけることによって第一磁
    性層の磁気モーメントの方向を第一磁性層と第二磁性層
    の間に磁壁が存在しない状態に変えた後に、記録情報を
    再生することを特徴とする光磁気記録の再生方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光磁気記録媒体の記録情
    報を再生する方法において、第一磁性層の磁気モーメン
    トの方向とは逆方向の磁界をかけながら再生レーザビー
    ムを照射し、該ビームスポットの中心部分における第一
    磁性層の磁気モーメントの方向を第一磁性層と第二磁性
    層の間に磁壁が存在しない状態に変えながら記録情報を
    再生することを特徴とする光磁気記録の再生方法。
JP19627793A 1993-07-29 1993-08-06 光磁気記録媒体および記録再生方法 Pending JPH0757317A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19627793A JPH0757317A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 光磁気記録媒体および記録再生方法
US08/281,182 US5596555A (en) 1993-07-29 1994-07-27 Magnetooptical recording medium having magnetic layers that satisfy predetermined coercive force relationships, and recording/reproduction method for the medium
CA002128964A CA2128964C (en) 1993-07-29 1994-07-27 Magnetooptical recording medium and recording/reproduction method for medium
KR1019940018432A KR950004143A (ko) 1993-07-29 1994-07-28 광자기 기록 매체 및 그 매체의 기록 재생 방법
EP94305603A EP0637019A3 (en) 1993-07-29 1994-07-28 Magneto-optical recording medium and recording / reproducing method therefor.
AU68772/94A AU659976B2 (en) 1993-07-29 1994-07-28 Magnetooptical recording medium and recording/reproduction method for medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19627793A JPH0757317A (ja) 1993-08-06 1993-08-06 光磁気記録媒体および記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0757317A true JPH0757317A (ja) 1995-03-03

Family

ID=16355132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19627793A Pending JPH0757317A (ja) 1993-07-29 1993-08-06 光磁気記録媒体および記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0757317A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6147939A (en) Magneto-optical recording medium having intermediate layer of in-plane magnetization
US5663935A (en) Magneto-optical recording medium having two magnetic layers of exchange-coupled at ferromagnetic phase
JPH0535499B2 (ja)
KR940001452B1 (ko) 광자기 기록매체 및 이를 사용한 광자기 기록재생장치
WO1997022969A1 (fr) Support d'enregistrement magneto-optique et procede de reproduction de ce support
JP2703587B2 (ja) 光磁気記録媒体および記録方法
JP3585671B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその再生方法
KR100308857B1 (ko) 광자기기록매체및그기록방법과광자기기록장치
JPH0395745A (ja) 光磁気記録方法及び記録装置
JPH056588A (ja) 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法
JP3626050B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその記録方法
JPH0542062B2 (ja)
JP3359804B2 (ja) 光磁気記録媒体及びそれを用いた光磁気記録方法
JPH0757317A (ja) 光磁気記録媒体および記録再生方法
JP3168679B2 (ja) 光磁気記録再生方法
JPH10293949A (ja) 光磁気記録媒体
JPH0877626A (ja) 光磁気記録媒体
JP3343617B2 (ja) 光磁気記録方法及び光磁気記録媒体
JP3000385B2 (ja) 光磁気記録方法
JPH04313833A (ja) 光磁気記録媒体およびそれを用いた光磁気記録再生方法
JPH07161082A (ja) 光磁気記録媒体及び光磁気記録方法
JPH0744911A (ja) 光磁気記録媒体および記録再生方法
JP3490138B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH0522302B2 (ja)
JPH06309710A (ja) 光磁気記録媒体