JP3343617B2 - 光磁気記録方法及び光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録方法及び光磁気記録媒体

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JP3343617B2 JP19095591A JP19095591A JP3343617B2 JP 3343617 B2 JP3343617 B2 JP 3343617B2 JP 19095591 A JP19095591 A JP 19095591A JP 19095591 A JP19095591 A JP 19095591A JP 3343617 B2 JP3343617 B2 JP 3343617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光を用いて情報の
記録、再生、消去を行う光磁気記録方法及び光磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在行
われている光磁気記録方法では、情報を記録する時に、
消去、記録、照合の3工程が必要であるため時間がかか
るという問題がある。この問題を解決するために、下記
のようなオーバーライトの方式が提案されている。
【0003】(i)磁界変調方式 照射レーザビームの強度を一定に保ち記録情報に応じて
印加磁界の極性を高速に反転させて記録を行う方式であ
る(特開昭63−204532号、同63−76135
号公報等)。この方式では、印加磁界の極性を高速に反
転させなければならないため、媒体面からある程度離れ
た位置から記録に必要な磁界を発生させるためのパワー
が大きくなり、高周波化は困難である。また、磁気ヘッ
ドを媒体面に近接させる方法も提案されているが、この
方法では光ディスク本来の非接触というメリットがなく
なる。
【0004】(ii)交換結合2層膜方式 希土類金属−遷移金属アモルファス合金の2層膜を記録
膜とする光磁気記録媒体を使用し、2層間の交換結合を
利用してオーバーライトを行う方式である(特開昭62
−175948号公報等)。具体的には、例えばTbF
eからなる記録層とTbFeCoからなる補助層を備え
た光磁気記録媒体を用い、初期化を行った後、外部磁界
の印加とパワーの異なるレーザビームの照射とによりオ
ーバーライトを実現しようとするものである。この方法
では、情報を記録した時に2層間に磁壁が存在する場合
があり、記録情報の安定性に問題があった。初期化に大
きな磁界が必要である、等の問題がある。
【0005】本発明はこのような従来技術の実情に鑑み
てなされたもので、交換結合2層膜を利用してオーバー
ライトを行う方式において、記録情報の安定性が改善さ
れ、信頼性が向上し、同時に再生特性を向上させた光磁
気記録方法及び光磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、基板上に2層以上の磁性層を積層
してなり、そのうちの少なくとも2層間には交換結合力
が働いている光磁気記録媒体を使用し、前記2層をレー
ザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及び第2磁性層と
したとき、光記録を行う前に磁界により第1磁性層の磁
気モーメントの方向を一方向に揃えておき、光記録を行
う時には、前記の磁界と同一方向に磁界をかけながら、
記録信号に対応させて少なくとも2値にパワーを変調さ
せたレーザ光を照射して第2磁性層の磁気モーメントの
方向を反転させ、更にその後、前記磁界とは逆方向の磁
界を印加して、第1磁性層と第2磁性層の間に磁壁が存
在する部分のみ第1磁性層の磁気モーメントを反転させ
ることによりオーバーライト可能な記録を行うことを特
徴とする光磁気記録方が提供される。
【0007】また、本発明によれば、基板上に2層以上
の磁性層を積層してなり、そのうちの少なくとも2層間
には交換結合力が働いている光磁気記録媒体を使用し、
前記2層をレーザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及
び第2磁性層としたとき、光記録を行う前に、磁界によ
り第1磁性層の磁気モーメントの方向を一方向に揃えて
おき、光記録を行う時には、前記の磁界と同一方向に磁
界をかけながら、記録信号に対応させて少なくとも2値
にパワーを変調させたレーザ光を照射し、低パワーのレ
ーザ光の照射により、第2磁性層の磁気モーメントの方
向を第1磁性層からの交換結合力により反転させて2層
間に界面が存在しない状態とし、高パワーのレーザ光の
照射により、まず第1磁性層の磁気モーメントの方向を
反転させ、その後第2磁性層の磁気モーメントを第1磁
性層からの交換結合力により2層間に磁壁が存在しない
状態に向かせ、更にその後に、前記磁界とは逆方向の磁
界をかけ、記録に関与しなかった部分の第1磁性層の磁
気モーメントの方向を2層間に磁壁が存在しない元の状
態に戻すことによりオーバーライト可能な記録を行うよ
うにしたことを特徴とする光磁気記録方が提供され
る。
【0008】また、本発明によれば、基板上に2層以上
の磁性層を積層してなり、そのうちの少なくとも2層間
には交換結合力が働いている光磁気記録媒体を使用し、
前記2層をレーザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及
び第2磁性層としたとき、光記録を行う前に、磁界によ
り第1磁性層の磁気モーメントの方向を一方向に揃えて
おき、記録を行う時には、前記磁界とは逆方向の磁界を
かけながら、記録信号に対応させて少なくとも2値にパ
ワーを変調させたレーザ光を照射し、低パワーのレーザ
光の照射により、第2磁性層の磁気モーメントの方向を
第1磁性層からの交換結合力により反転させて2層間に
磁壁が存在しない状態にし、高パワーのレーザ光の照射
により、まず第1磁性層の磁気モーメントの方向を反転
させ、その後第2磁性層の磁気モーメントを第1磁性層
からの交換結合力により2層間に磁壁が存在しない状態
に向かせ、更にその後に記録時と同一方向の磁界をか
け、記録に関与しなかった部分の第1磁性層の磁気モー
メントの方向を2層間に磁壁が存在しない元の状態に戻
すことによりオーバーライト可能な記録を行うようにし
たことを特徴とする光磁気記録方が提供される。
【0009】また、本発明によれば、基板上に2層以上
の磁性膜を積層してなり、そのうちの少なくとも2層は
希土類金属と鉄族遷移金属を主成分とするアモルファス
合金からなる垂直磁化膜であり、この2層をレーザ光の
入射方向よりそれぞれ第1磁性層及び第2磁性層とした
とき、第1磁性層と第2磁性層は交換結合しており、室
温付近での保磁力は第1磁性層より第2磁性層の方が大
きく、キュリー温度は第2磁性層より第1磁性層の方が
高く、かつ第1磁性層の補償温度は第1磁性層のキュリ
ー温度と第2磁性層のキュリー温度との間に存在するこ
とを特徴とする、上記方法に使用される光磁気記録媒体
が提供される。
【0010】さらに、本発明によれば、基板上に2層以
上の磁性膜を積層してなり、そのうちの少なくとも2層
は希土類金属と鉄族遷移金属を主成分とするアモルファ
ス合金からなる垂直磁化膜であり、この2層をレーザ光
の入射方向よりそれぞれ第1磁性層及び第2磁性層とし
たとき、第1磁性層と第2磁性層は交換結合しており、
室温付近での保磁力は第1磁性層より第2磁性層の方が
大きく、キュリー温度は第2磁性層より第1磁性層の方
が高く、第1磁性層は希土類金属の磁気モーメントが優
位であり、かつ第1磁性層の補償温度は室温とそのキュ
リー温度との間に存在しないことを特徴とする、上記方
法に使用される光磁気記録媒体が提供される。
【0011】
【実施例】以下本発明による光磁気記録方法について詳
述するが、まず、本発明において使用される光磁気記録
媒体について説明する。
【0012】図1は本発明で使用される光磁気記録媒体
の最も基本的な層構成を模式的に示す断面図であり、基
板1上に第1磁性層2及び第2磁性層3を積層してな
り、記録再生用レーザ光4は基板1側から入射されるよ
うになっている。第1磁性層2及び第2磁性層3はそれ
ぞれ希土類金属(Dy,Tb,Gd,Nd等)と鉄族遷
移金属(Fe,Co,Ni)とのアモルファス合金から
なる垂直磁化膜で構成され、両層2,3間には交換結合
力が働いている。第1磁性層2と第2磁性層3の組合せ
としては以下に示す2つのタイプに大別される。
【0013】第1のタイプの組合せにおいては各磁性層
の磁気特性は図2に示すようになっている。すなわち、
Hc1<Hc2(Hc1、Hc2はそれぞれ第1磁性層2、第2
磁性層3の室温付近での保磁力である)であり、Tc2
Tc1(Tc1、Tc2はそれぞれ第1磁性層2、第2磁性層
3のキュリー温度である)であり、Tc2<Tcomp1<Tc
1(Tcomp1は第1磁性層2の補償温度である)である。
上記のような条件を満足する第1磁性層2と第2磁性層
3の材料の組合せとしては、例えば、TbFeCoとT
bFe、TbFeCoとDyFeCo、TbDyFeC
oとTbDyFeCo等が挙げられる。
【0014】第2のタイプの組合せにおいては各磁性層
の磁気特性は図3に示すようになっている。すなわち、
Hc1<Hc2であり、Tc2<Tc1であり、第1磁性層2は
希土類金属の磁気モーメントが優位であり、かつ第1磁
性層2の補償温度Tcomp1は室温Trとキュリー温度Tc1
の間に存在しないものとなっている。補償組成をX0
したとき第1磁性層2における希土類金属の濃度Xは、
0+1≦X≦X0+5〔atom%〕であるのが好ましい。
上記のような条件を満足する第1磁性層2と第2磁性層
3の材料の組合せとしては、第1のタイプと同様の構成
が挙げられ、第1のタイプより第1磁性層の希土類金属
の濃度Xが大きいものが好ましい。
【0015】基板1としては、ガラス、紫外線硬化樹脂
によるガイドトラックを設けたガラス、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、エポキシ系樹脂等を用
いることができる。
【0016】また、層構成としては図1に示すもののほ
か、中間層、保護層、反射層、誘電体層、ガスドトラッ
ク層、保護基板等を適宜の組合せで設けてもよいし、第
3磁性層、第4磁性層…等を設けてもよい。更に、これ
らの構造のものを2枚貼り合わせ、両面記録可能な媒体
としてもよい。
【0017】次に上記構成の光磁気記録媒体を用いた記
録方法について説明する。先ず請求項1の記録方法につ
いて述べる。この方法においては、図2及び図3の両タ
イプの光磁気記録媒体を使用することができる。先ず、
光磁気記録を行う前に200〜5000Oe程度の磁界
Hiを媒体に印加して、第1磁性層2の磁気モーメント
を一方向に揃える(初期化)。そして前記の磁界と同一
方向に50〜1000Oe程度の記録磁界Hwを印加し
ながら、記録信号に対応させて記録レーザパワーを図
に示すように少なくとも2値レベルで変化させて記録す
る。この場合の記録プロセスを図6に示す。例えば、第
1磁性層2の磁気モーメントの方向が記録磁界Hw(な
お、図中+符号は上向き、−符号は下向きを示す)と逆
の方向の場合を“0”、同じ方向の場合を“1”とする
と、当初は“1”であったビット(図6のイ)に初期化
後、低レベルPbのレーザ光を照射する(Lプロセス)
ことにより、磁性層の温度をTb (Tc2付近)まで上昇
させる。この状態で第2磁性層3の磁気モーメントは、
第1磁性層2の交換結合力により、両磁性層3、4間に
磁壁がなくなるように第2磁性層3の磁気モーメントが
反転される(図6の(a)のロ→ハ)。すなわち、
“1”→“0”となる。磁性層の温度TbがわずかにTc
2より大きくなっても第2磁性層3と2層間の界面との
温度差があり、第1磁性層2よりの交換結合力が比較的
大きい為、冷却時に同じ状態となる。なお、図中第1磁
性層2と第2磁性層3の間の破線は界面磁壁なし、実線
は界面磁壁ありを示す。
【0018】一方、図6の(b)に示すように当初は
“0”であったビット(ニ)に高レベルPaのレーザ光
を照射する(Hプロセス)ことにより、磁性層の温度は
Ta (Tc2以上)まで上昇し、第2磁性層3の磁気モー
メントは一且消失する。この状態から冷却する過程で、
第2磁性層3と2層間の界面との温度差が小さく、第1
磁性層2よりの交換結合力が小さい為に、記録磁界Hw
(+符号は図中上向きの方向、−符号は下向きの方向を
示す)の作用により、第2磁性層3の磁気モーメントは
磁界Hwの方向、すなわち上向きとなる。ここで第1磁
性層2と第2磁性層3との間には磁壁が形成される(図
6の(b)のホ)。
【0019】そこで、本発明では、上記の過程が終了し
た後、記録磁界Hwとは逆方向の磁界Hxを印加し、第1
磁性層2と第2磁性層3の間に磁壁が存在する部分のみ
第1磁性層2の磁気モーメントを反転させる。これによ
り、図6の(b)のホの状態がヘの状態に変わる。この
ようにして“0”→“1”となり、オーバーライトが実
現される。
【0020】なお、上記方法において図2の磁気特性を
持つ媒体を使用した場合にはTc1付近で第1磁性層2の
磁気モーメントの方向とHwの方向が逆方向であるため
高パワーレベルHaのレーザ光照射(Hプロセス)で媒体
が昇温する温度TaをTc1以下とする必要があるが、図
3の媒体を使用する場合にはTc1付近で第1磁性層2の
磁気モーメントの方向とHwの方向が同一方向であるた
めその制限はない。
【0021】次に請求項2の記録方法について述べる。
この方法においては、図2に示すタイプの光磁気記録媒
体を使用することができる。そして請求項1の方法と同
様に、先ず、光磁気記録を行う前に200〜5000O
e程度の磁界Hiを媒体に印加して、第1磁性層2の磁
気モーメントを一方向に揃える(初期化)。そして前記
の磁界と同一方向に50〜1000Oe程度の記録磁界
Hwを印加しながら、記録信号に対応させて記録レーザ
パワーを図に示すように少なくとも2値レベルで変化
させて記録する。この方法ではLプロセスは請求項1の
方法と同様であるが、Hプロセスは異なったものとな
る。このHプロセスについて説明すると、図7に示すよ
うにビット(イ)又は(イ’)に高レベルHaのレーザ
光を照射し、磁性層の温度をTa(Tc1以上)まで昇温さ
せる。ここでビット(イ)はHプロセスにより書き込ま
れた信号(“1”)を初期化した状態、ビット(イ’)
はLプロセスにより書き込まれた信号(“0”)を初期
化した状態である。この時、第1磁性層2と第2磁性層
3の磁気モーメントの関係は、まずTc2以上になった時
点で第2磁性層3の磁気モーメントが消失し、Tcomp1
になった時点で第1磁性層2の磁気モーメントが反対方
向を向く(記録が反転するのではなく鉄族遷移金属の磁
気モーメントが優位となる)。その後、Tc1付近又はそ
れ以上で、第1磁性層2の磁気モーメントは記録磁界H
wの方向に向く(イ、イ’→ロ→ハ)。そして、冷却過
程でTcomp1以下になった時点で第1磁性層2の磁気モ
ーメントが反対方向を向いた(希土類金属の磁気モーメ
ントが優位になった)後、第2磁性層3の磁気モーメン
トの方向を第1磁性層2からの交換結合力及び記録磁界
Hwにより2つの磁性層間に磁壁が存在しない状態に向
かせる(ハ→ニ→ホ)。
【0022】本方法においては、上記過程終了後、記録
磁界Hwと反対方向(下向き)に20〜2000Oe程度
の磁界を加えて転写を行う(図示せず)が、ここでの転
写は、初期化を行ったが直接、記録に関係しなかった部
分(トラック、セクタ等)の第1磁性層2の磁気モーメ
ントの方向を元に戻す事を意味する。
【0023】次に請求項3の記録方法について述べる。
この方法においては、図3のタイプの光磁気記録媒体を
使用することができる。先ず、光磁気記録を行う前に2
00〜5000Oe程度の磁界Hiを請求項1及び2の
方法の場合とは反対の向きに印加して、第1磁性層2の
磁気モーメントを一方向に揃える(初期化)。そして前
記磁界とは反対方向に50〜1000Oe程度の記録磁
界Hwを印加しながら、記録信号に対応させて記録レー
ザパワーを図に示すように少なくとも2値レベルで変
化させて記録する。この場合の記録プロセスを図8に示
す。例えば、図8の(a)のイのビットに初期化後、低
レベルPbのレーザ光を照射する(Lプロセス)ことに
より、磁性層の温度をTb(Tc2付近以上Tc1以下)まで
昇温させる。この時、第1磁性層2の交換結合力及び記
録磁界Hwにより、両磁性層3、4間に磁壁がなくなる
ように第2磁性層3の磁気モーメントを向かせる(図8
の(a)のハ)。Tb>Tc2となった場合は一且第2磁
性層3の磁気モーメントは消失し、冷却する過程で、上
記と同じ状態になる。
【0024】一方、図8の(b)ビット(ニ)に高レベル
Paのレーザ光を照射する(Hプロセス)ことにより、
磁性層の温度をTa(Tc1以上)まで上昇させる。この
時、第1磁性層2と第2磁性層3の磁気モーメントは共
に消失する。この状態から冷却する過程で、まず第1磁
性層2の磁気モーメントの方向がHwの方向を向き、そ
の後第1磁性層2の交換結合力により第2磁性層3の磁
気モーメントを両磁性層2、3間に磁壁がなくなるよう
に向かせる(図8の(b)のホ)。このHプロセスにお
いて第2磁性層3の磁気モーメントが2層間に磁壁を形
成しない方向に向くか否かは2層間の交換結合力の強
さ、記録磁界の大きさ等によって決まる。つまり、同一
記録媒体を使用した場合でも、Hwが大きい場合に請求
項1のプロセスでオーバーライトができ、Hwが小さい
場合に請求項3のプロセスでオーバーライトができ、
又、Hwが同じ場合でも、2層間の交換結合力が弱い記
録媒体を使用した場合には請求項1のプロセスでオーバ
ーライトができ、2層間の交換結合力が強い記録媒体を
使用した場合には請求項3のプロセスでオーバーライト
ができるようになる。
【0025】本方法においては、上記過程終了後、記録
磁界Hwと同一方向に磁界Hxを加えて転写を行う(図8
の(b)のヘ→ト)が、ここでの転写は、初期化を行っ
たが直接、記録に関係しなかった部分(トラック、セク
タ等)の第1磁性層2の磁気モーメントの方向を元に戻
す事を意味する。
【0026】上記請求項1〜3の方法において転写は直
流磁界を印加して行ったが、交流磁界を用いて行っても
よい。また、記録レーザ光の照射方法において図に示
すものを例示したが、Pa,Pbをそれぞれ複数パルスの
デューティー比の変化として与えてもよい。
【0027】
【発明の効果】請求項1の方法によれば、交換結合2層
膜を有する光磁気記録媒体を用いたオーバーライトにお
いて、保存時に2層間に磁壁が存在しないので、記録情
報の安定性が改善され、信頼性が向上する。請求項2及
び3の方法によれば、上記効果に加え、記録の直後に転
写に関係なく記録トラックの第1磁性層の磁化方向が記
録情報に対応している為、記録直後の照合が可能となる
利点がある。したがって、2ビーム光ヘッド等を利用
し、1パスでオーバーライト、照合が可能となる。請求
項4の記録媒体は、請求項1及び2の方法を好適に実施
可能とする。請求項5の記録媒体は、請求項1及び3の
方法を好適に実施可能とする。又、実際に読み出しを行
う第1磁性層のキュリー温度を比較的高く設定する事が
でき、再生信号強度が大きくなり、再生特性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される光磁気記録媒体の最も基本
的な層構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明で使用しうる第1のタイプの光磁気記録
媒体の磁性層の磁気特性を示す図である。
【図3】本発明で使用しうる第2のタイプの光磁気記録
媒体の磁性層の磁気特性を示す図である。
【図4】記録レーザパワーの説明図である。
【図5】従来方法による記録プロセスを示す図である。
【図6】請求項1の方法による記録プロセスを示す図で
ある。
【図7】請求項2の方法による記録プロセスを示す図で
ある。
【図8】請求項3の方法による記録プロセスを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 第1磁性層 3 第2磁性層 4 レーザ光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−48450(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に2層以上の磁性層を積層してな
    り、そのうちの少なくとも2層間には交換結合力が働い
    ている光磁気記録媒体を使用し、 前記2層をレーザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及
    び第2磁性層としたとき、光記録を行う前に磁界により
    第1磁性層の磁気モーメントの方向を一方向に揃えてお
    き、 光記録を行う時には、前記の磁界と同一方向に磁界をか
    けながら、記録信号に対応させて少なくとも2値にパワ
    ーを変調させたレーザ光を照射して第2磁性層の磁気モ
    ーメントの方向を反転させ、 更にその後、前記磁界とは逆方向の磁界を印加して、第
    1磁性層と第2磁性層の間に磁壁が存在する部分のみ第
    1磁性層の磁気モーメントを反転させることによりオー
    バーライト可能な記録を行うことを特徴とする光磁気記
    録方
  2. 【請求項2】 基板上に2層以上の磁性層を積層してな
    り、そのうちの少なくとも2層間には交換結合力が働い
    ている光磁気記録媒体を使用し、 前記2層をレーザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及
    び第2磁性層としたとき、光記録を行う前に、磁界によ
    り第1磁性層の磁気モーメントの方向を一方向に揃えて
    おき、 光記録を行う時には、前記の磁界と同一方向に磁界をか
    けながら、記録信号に対応させて少なくとも2値にパワ
    ーを変調させたレーザ光を照射し、低パワーのレーザ光
    の照射により、第2磁性層の磁気モーメントの方向を第
    1磁性層からの交換結合力により反転させて2層間に界
    面が存在しない状態とし、高パワーのレーザ光の照射に
    より、まず第1磁性層の磁気モーメントの方向を反転さ
    せ、その後第2磁性層の磁気モーメントを第1磁性層か
    らの交換結合力により2層間に磁壁が存在しない状態に
    向かせ、 更にその後に、前記磁界とは逆方向の磁界をかけ、記録
    に関与しなかった部分の第1磁性層の磁気モーメントの
    方向を2層間に磁壁が存在しない元の状態に戻すことに
    よりオーバーライト可能な記録を行うようにしたことを
    特徴とする光磁気記録方
  3. 【請求項3】 基板上に2層以上の磁性層を積層してな
    り、そのうちの少なくとも2層間には交換結合力が働い
    ている光磁気記録媒体を使用し、 前記2層をレーザ光の入射側からそれぞれ第1磁性層及
    び第2磁性層としたとき、光記録を行う前に、磁界によ
    り第1磁性層の磁気モーメントの方向を一方向に揃えて
    おき、 記録を行う時には、前記磁界とは逆方向の磁界をかけな
    がら、記録信号に対応させて少なくとも2値にパワーを
    変調させたレーザ光を照射し、低パワーのレーザ光の照
    射により、第2磁性層の磁気モーメントの方向を第1磁
    性層からの交換結合力により反転させて2層間に磁壁が
    存在しない状態にし、高パワーのレーザ光の照射によ
    り、まず第1磁性層の磁気モーメントの方向を反転さ
    せ、その後第2磁性層の磁気モーメントを第1磁性層か
    らの交換結合力により2層間に磁壁が存在しない状態に
    向かせ、 更にその後に記録時と同一方向の磁界をかけ、記録に関
    与しなかった部分の第1磁性層の磁気モーメントの方向
    を2層間に磁壁が存在しない元の状態に戻すことにより
    オーバーライト可能な記録を行うようにしたことを特徴
    とする光磁気記録方
  4. 【請求項4】 基板上に2層以上の磁性膜を積層してな
    り、 そのうちの少なくとも2層は希土類金属と鉄族遷移金属
    を主成分とするアモルファス合金からなる垂直磁化膜で
    あり、 この2層をレーザ光の入射方向よりそれぞれ第1磁性層
    及び第2磁性層としたとき、第1磁性層と第2磁性層は
    交換結合しており、 室温付近での保磁力は第1磁性層より第2磁性層の方が
    大きく、 キュリー温度は第2磁性層より第1磁性層の方が高く、
    かつ第1磁性層の補償温度は第1磁性層のキュリー温度
    と第2磁性層のキュリー温度との間に存在することを特
    徴とする、請求項1又は2に記載の方法に使用される光
    磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板上に2層以上の磁性膜を積層してな
    り、 そのうちの少なくとも2層は希土類金属と鉄族遷移金属
    を主成分とするアモルファス合金からなる垂直磁化膜で
    あり、 この2層をレーザ光の入射方向よりそれぞれ第1磁性層
    及び第2磁性層としたとき、第1磁性層と第2磁性層は
    交換結合しており、 室温付近での保磁力は第1磁性層より第2磁性層の方が
    大きく、 キュリー温度は第2磁性層より第1磁性層の方が高く、 第1磁性層は希土類金属の磁気モーメントが優位であ
    り、かつ第1磁性層の補償温度は室温とそのキュリー温
    度との間に存在しないことを特徴とする、請求項1又は
    3に記載の方法に使用される光磁気記録媒体。
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