JP3168679B2 - 光磁気記録再生方法 - Google Patents

光磁気記録再生方法

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JP3168679B2 JP09819892A JP9819892A JP3168679B2 JP 3168679 B2 JP3168679 B2 JP 3168679B2 JP 09819892 A JP09819892 A JP 09819892A JP 9819892 A JP9819892 A JP 9819892A JP 3168679 B2 JP3168679 B2 JP 3168679B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録再生方法に係
わる。
【0002】
【従来の技術】光照射、例えばレーザビームによって情
報記録ピット即ちバブル磁区を形成し、この記録情報を
光磁気相互作用、即ちカー効果或いはファラデー効果に
よってその記録情報を読み出す光磁気記録再生方式によ
る場合、その記録密度を上げるには、記録ピットの微小
化をはかることになるが、この場合、その再生時の解像
度は、その読み出し光の波長λと、対物レンズの開口数
N.A.によって決まる。
【0003】このような制約を超えて解像度の向上をは
かるもの(以下超解像度という)として、本出願人の出
願に係る特開平1−143042号公報に、室温で互い
に順次磁気的に結合する第1、第2及び第3の磁性膜、
即ち再生層、メモリ層、記録層の多層膜構造の磁気記録
媒体を用いて、再生時に、その再生光のレーザビームス
ポット内に生じる高温部で磁区の消滅ないしは縮小を行
って、低温部においてのみ限定的に磁区を生じさせてこ
れを読み出し、再生時の解像度の向上、いては記録密
度の向上をはかるものである。
【0004】しかしながら、このような再生方法を適用
する磁気記録媒体に対する記録方法は、特別の考慮はな
されていないものであって従前における通常の方法、即
ち、記録の書き換えに当たっては、一旦全磁性膜に亘っ
て先の記録の消去を行って、その後に次の新しい情報に
基づく記録を行うという方法が一般的で、この場合、消
去のための時間、装置の複雑などの問題が残っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁性膜の多
層構造を採った磁気記録媒体を用いて再生時の高解像度
化をはかると共に、その記録に当たって先に記録されて
いる情報を一旦消去する記録態様を採ることなく、先の
記録上に新しい情報に基づく記録を書き換えて行くいわ
ゆるオーバーライトを行うことができるようにする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、図2
に構成図を示すように室温で順次磁気的に結合する再生
層31と、メモリ層32と、記録層33とが順次積層さ
れて成る多層磁性膜を有する光磁気記録媒体が用いられ
る。
【0007】そして、この光磁気記録媒体に対する情報
の記録は、光強度変調記録を採り、低光強度(低パワー
L という)照射で、再生層31とメモリ層32とが記
録層33の磁化状態の転写による磁化によって行なわれ
る第1の記録と、高光強度(高パワーPH という)照射
で再生層31とメモリ層32と記録層33の3層の磁化
が外部記録磁界によって行なわれる第2の記録とにより
なされる。
【0008】更に、記録情報の再生は、再生光スポット
内における温度分布による高温領域において再生層31
の磁化が再生磁界方向に揃えられて記録情報の読み出し
が不能とされ、低温領域において限定的に記録情報を読
み出す。
【0009】また、図11にその構成図を示すように、
室温で順次磁気的に結合する再生層31と、切断層34
と、メモリ層32と、中間層35と、記録層33とが順
次積層されて成る多層磁性膜を有する光磁気記録媒体
用いることもできる
【0010】そして、この光磁気記録媒体に対する情報
の記録は、光強度変調記録を採り、低光強度照射で、再
生層31と切断層34とメモリ層32とが記録層の磁化
状態の転写による磁化によって行なわれる第1の記録
と、高光強度照射で少なくとも再生層31と切断層34
記録層33の磁化が外部記録磁界によって行なわれる
第2の記録とによりなされる。
【0011】そして、その記録情報の再生は、再生光ス
ポット内における温度分布による高温領域において再生
層31の磁化が再生磁界方向に揃えられて記録情報の読
み出しが不能とされ、低温領域において限定的に記録情
報を読み出す。
【0012】
【作用】上述したところから明らかなように、本発明方
法では、再生時には、再生光のスポットより小さい領域
でその読み出しを行うので超解像度化され、記録時には
光強度変調をもってオーバーライトが可能となる。
【0013】
【実施例】本発明による光磁気記録方法において用いる
光磁気記録媒体5は、図1に示すように、光透過性の例
えばガラス基板、樹脂基板等の基板1上に、例えば誘電
体膜2を介して多層磁性膜3、保護膜4が被着されて成
る。
【0014】誘電体膜2は、例えばSiN膜等より成
り、多層磁性膜3の保護、カーエンハンスメント等の目
的をもって形成される。
【0015】保護膜4もまた、SiN等によって構成で
きる。
【0016】多層磁性膜4は、図2に示すように、基板
1側からそれぞれ例えば希上類−遷移金属によって構成
される少なくとも再生層31、メモリ層32、記録層3
3が順次被着された構成を有する。
【0017】図3は本発明による光磁気記録を実施する
装置の模式図で、図1及び図2で説明した構成によるデ
ィスク状光磁気記録媒体5が、その中心軸を回転中心と
して回転するようになされ、これに対する記録再生を行
う光記録再生ヘッド、いわゆる光ピックアップから照射
光例えばレーザ光LB が媒体(ディスク)5の図1の基
板1側から照射される。
【0018】光磁気記録再生ヘッドは、図示しないがア
クチュエータによってディスク状の光磁気記録媒体5の
半径方向に光LB の照射位置を移動できるように、即
ち、照射光LB の媒体5上の照射軌跡が、媒体5の回転
中心を中心とする螺旋状、または同心円を描くようにな
されている。
【0019】また、照射光LB の、光磁気記録媒体5に
対する光照射部に、所定の記録磁界Hrec を印加する第
1の磁界発生手段11と、他の位置において所定の初期
化磁界Hini を印加する第2の磁界発生手段12とを設
ける。これら第1及び第2の磁界発生手段11及び12
は、永久磁石または電磁石によって構成し得る。
【0020】そして、この光磁気記録媒体5に対して、
2値の光強度変調記録即ち2値の光強度(パワー)PH
及びPL をもって高温と、低温の2値のスポット加熱T
H 及びTL によって、すでに記録されている情報記録ピ
ットの有無に拘らず、新たに記録情報の書き換えを行う
ことができるようにする。
【0021】実施 この場合、多層磁性膜3が、図2で示すように、再生層
31、メモリ層32、記録層33の3層構造を有する場
合で、次の順で、この場合の本発明による記録再生方法
を説明する。 A1 初期化 B1 再生 C1 記録
【0022】A1 初期化 図3において、光磁気記録媒体5の回転によって第2の
磁界発生手段12の初期化磁界Hini によって、この磁
界方向に再生層31と記録層32を磁化する。このため
に次の条件(数1)〜(数5)が満たされるようになさ
れる。
【0023】
【数1】HC1<HW1
【0024】
【数2】HC1+HW1>Hini
【0025】
【数3】HC2+HW21 −HW23 >Hini
【0026】
【数4】HC3+HW3<Hini
【0027】
【数5】HC3>HW3
【0028】ここでMS ,HC ,HW ,hはそれぞれの
飽和磁化、保磁力、交換結合力、膜厚を示す。添字の
1,2,3はそれぞれ再生層、メモリー層、記録層を表
わす。HW1は再生層31がメモリ層32から受ける交換
結合力で、HW3は記録層33がメモリ層32から受ける
交換結合力で、HW21 ,Hw23 はメモリー層32がそれ
ぞれ再生層31、記録層32から受ける交換結合力であ
る。
【0029】各変換結合力は、次の(数6)で与えられ
る。
【0030】
【数6】
【0031】σw12 , σw23 はそれぞれ再生層31とメ
モリー層32、メモリー層31と記録層33の間にでき
る界面磁壁エネルギーである。
【0032】(数1)は、室温で再生層31にメモリー
層32の記録ピットが定常的に転写されているための条
件である。(数2)、(数3)は初期化磁界中で、それ
ぞれ再生層31、メモリー層32の記録ピットが消去さ
れないための条件である。(数4)は記録層33の磁化
が初期化磁界の方向に揃う条件、つまり初期化されるた
めの条件である。(数5)は記録層33がゼロ磁場中で
も初期化された状態を保ち続けるための条件である。
【0033】B1 再生 再生層31における記録ピット(磁区)を読みとる。こ
の場合、図4に示すように記録時の低パワーPL より更
に低い、即ち(数7)の関係を有する低い2〜4mWの
再生パワーPR の例えば3.5mWのレーザビームLB
の照射をもってカー効果、ないしはファラデー効果によ
る偏光の回転を生じさせ、これを検出することによって
情報の読み出しを行う通常の読み出し方法による。
【0034】
【数7】PR <PL <PH
【0035】この再生に当たっては、図3で示すよう
に、第1の磁界発生手段11によって再生磁界HR を、
初期化磁界Hini と同方向に、または逆方向に印加す
る。
【0036】この場合、光磁気記録媒体5上での、レー
ザ光スポットSPと温度との関係は、図5に示すよう
に、媒体のスポットSPに対する先行方向で高温とな
り、後行方向で低温となる。図中破線は、スポットSP
内での所定の温度TR での等温線を示し、温度Tが、領
域IでT<TR の低温部、領域IIでT>TR 高温部とな
る。
【0037】図6は、再生動作を説明するための、模式
図で、多層磁性膜3の再生層31、メモリ層32、記録
層33の磁化の向きを、各層31,32,33中に矢印
をもって示していて、下向きが初期化状態で、BPが上
向きの磁化による例えば“1”の記録情報による記録ピ
ットで、再生層31における記録ピットBPを読み出
す。図6においては、再生磁界HR を、初期化磁界H
ini と同方向に与えるようにした場合である。このとき
の模式的上面図を図7に示す。このとき光スポットSP
内の温度Tが、T<TR の低温領域Iで読み出し可能と
なり、T≧TR の図7で斜線を付して示す高温領域IIの
スポットSP内では、再生層31における情報ピットが
消失して検出(再生)不能領域となる。
【0038】即ち、スポットSP内の低温領域Iで検出
(再生)可能とするには、(数8)、(数9)の条件を
満たすことが必要である。
【0039】
【数8】HC1+HW1>HR
【0040】
【数9】HC2+HW21 −HW23 >HR
【0041】つまり、(数8),(数9)は、再生磁界
R 中で再生層31、メモリー層32に記録ピットBP
が保持されているための条件である。これによって温度
がT R 以下の低温部領域Iが検出領域となる。
【0042】一方温度がTR 以上の高温領域では再生層
31において記録ピットを消失させるいわば光学的なマ
スクとして働くが、次の(数10)、(数11)の条件
を満たさなければならない。再生層31の保磁力と交換
結合力の大小関係は示していないが、この関係はどちら
でもよい。
【0043】
【数10】HC1+HW1<HR
【数11】HC2−HW21 −HW23 >HR
【0044】(数10)は、再生層31の磁化が、メモ
リー層32の磁化の向きにかかわらず、再生磁界HR
方向に揃うことを示している。これによって高温領域は
検出できない領域、つまり光学的なマスクとなって光ス
ポットSP内の一部での検出(再生)を行う超解像度再
生がなされる。
【0045】更に、(数11)は、このような温度でも
記録ピットがメモリー層32には保持されているための
条件である。ここでも再生層31の保磁力と交換結合力
の大小関係は示していないが、この関係はどちらでもよ
い。
【0046】また再生時には低温領域、高温領域ともに
記録層33の保磁力、交換結合力と再生磁界との大小関
係(初期化のときの(数4)に相当)を示していない
が、これは膜の設計で、いずれをも採り得る。
【0047】C1 記録 この記録は、2値例えば“0”、“1”を、低パワーP
L 、高パワーPH のレーザビームをもって行う。そし
て、この記録は、記録磁界Hrec を初期化磁界H ini
は逆向きに与える。
【0048】C1-a 、低パワー記録 この低パワー記録は、図4で示すように、上述の再生パ
ワーPR よりは高いパワーPL 例えば6〜10mWのレ
ーザ光の照射によって行う。この場合には次の(数1
2)、(数13)、(数14)を満たさなければならな
い。
【0049】
【数12】HC2+HW21 +Hrec <HW23
【0050】
【数13】HC3−HW3>Hrec
【0051】
【数14】HC3>HW3
【0052】図8で示すように、低パワーPL のレーザ
光照射ではメモリー層32、再生層31が消去される。
このときの温度は再生時よりも十分高いので、再生層3
1の保磁力及び再生層31とメモリー層32の間の交換
結合力は室温に比べ小さくはなっている。
【0053】しかしこれら二つの量の大小関係、あるい
はこの二つの量の和と印加する記録磁界Hrec の大小関
係は磁性膜の選定によっていずれにも選べるので再生層
31の磁化の向きが記録磁界Hrec に従うか、あるいは
メモリー層32の磁化の向きに従うかはここで特定する
ことはできない(図8では記録磁界に従う場合を示し
た)。どちらの場合においても、メモリー層32の消去
の動作のみを考慮すれば、本来必要なのは記録層33か
らの交換結合力だけである。
【0054】しかし本発明の場合、超解像度再生をする
ための再生層31からの交換結合力や、高パワー記録の
ための記録磁界Hrec が場合によっては正しい動作を妨
げるように働く。
【0055】(数12)は、再生層31の磁化がどちら
に従うかにかかわらず、記録ピットの部分について、こ
れら余分な力(磁場)に逆らってメモリー層32が記録
層33の磁化の方向に揃うために最低限必要な条件であ
る。(数13)は、初期化された記録層33が記録磁界
の方向に揃わないための条件、(数14)は、初期化さ
れた状態を保持するための条件である。再生層31の磁
化の状態が記録磁界に従う場合には、記録層33の磁化
の状態がメモリー層32に転写されると同時に再生層3
1にまで転写されるわけではない。しかしこのような場
合においても室温では(数1)が満たされているので、
レーザーの照射後冷却過程において再生層への転写が行
なわれる。
【0056】C1-b 高パワー記録 高パワーPH 例えば20mWでのレーザ光照射では各磁
性層31〜33とも、キュリー温度以上あるいは保磁力
が記録磁界Hrec に比べ十分小さくなる温度以上に昇温
されるので図9に示すように、各層の磁化は記録磁界H
rec の方向に揃う。
【0057】また、低パワーも含め高密度記録するため
にはレーザビームのスポットSPより小さい記録磁区を
形成しなければならない。このためには図10で示すよ
うなスポットSP内の温度分布で高温の狭い領域だけ
が、それぞれ低パワー、高パワーの条件を満たすように
記録パワーを設定すればよい。また、高パワーの場合周
辺には低パワーの条件を満たす領域が生ずる。このため
多少の消し残りがあってもその部分は消去され、シャー
プな記録をすることができる。
【0058】上述の実施では、多層磁性膜3が、3層
構造による場合であるが、実際には次の問題がある。
【0059】1)理想的には再生層とメモリー層との交
換結合力が温度TR でステップ関数的にゼロになるのが
望ましいが、3層構造での実現が難しい。
【0060】2)室温から低パワーの温度範囲ではメモ
リー層32と記録層33の間に安定的に磁壁が存在しな
ければならないが、3層構造でこのような条件を満たす
ためには膜厚を厚くしたり、初期化磁界を非常に大きく
しなければならない。
【0061】3)低パワーでメモリー層32を消去する
際に、3層構造では再生層からの交換結合力の影響を受
けやすく、膜の設計上の自由度(マージン)が狭くな
る。
【0062】これに対処するものとして、以下の方法が
ある。この場合の例を参考例として説明する。
【0063】参考例 この場合、再生層31、メモリ層32、記録層33のほ
かに、これら間に切断層34、中間層35を介存させた
5層構造とする。
【0064】各層の磁性材料は全て結晶構造をとらない
アモルファスで、遷移金属と希土類金属の磁気モーメン
トが反強磁性的に結合したフェリ磁性体である。また、
記録層を除く全ての層は全ての動作温度範囲で遷移金属
リッチまたは希土類金属リッチとし得る。
【0065】再生層31は再生を担うため、キュリー温
度が高く磁気光学効果の大きい例えばGdFeCo系か
らなる。
【0066】切断層34は例えばTbFeを主成分と
し、さらに非磁性元素等を添加することによってキュリ
ー温度を下げるようにすることもできるものであり、ま
た室温ではできる限り補償組成に近い遷移金属リッチが
よい。
【0067】メモリー層32は記録を担うので室温で保
磁力が大きい例えばTbFe(Co)からなる。また、
このメモリ層32は、希土類遷移金属の組成比は室温で
補償組成近傍とすることが好ましい。また、このメモリ
ー層32は切断層34よりもキュリー温度が高くなけれ
ばならいのでCoの添加量を大きくする。室温での保磁
力は1T以上が望ましい。
【0068】中間層35は磁壁を安定に保持する層なの
で垂直磁気異方性の小さいGdFeからなる。
【0069】記録層36は室温で保磁力が初期化磁界よ
りも小さく、低パワーではメモリ層32の保磁力よりも
大きくなければならない。このためGdTbFeCoを
主成分とし、組成は、遷移金属リッチの場合は室温での
保磁力が0.4〜0.6T程度、低パワーの温度付近に
補償温度をもち、室温では0.2〜0.6T程度の保磁
力を有する。本実施例では希土類金属リッチの組成を用
いた。
【0070】この参考例についても、次の順で説明す
る。 A2 初期化 B2 再生 C2 記録
【0071】尚、図12は主として再生動作を説明する
ため、図13及び図14はそれぞれ低パワー記録、高パ
ワー記録を説明するためのそれぞれ各層の磁化状態を矢
印をもって示し、各図において各層中の白抜き矢印内の
破線矢印は遷移金属副格子磁化、実線矢印は希土類金属
副格子磁化を示し、その大小は両金属のいずれがリッチ
(長い方がリッチ)かを示す。
【0072】A2 .初期化 この例においても初期化磁界Hini によって記録層33
のみが初期化される。そして、この場合においても、前
記(数1)〜(数6)の全てが成り立つようにする。
【0073】しかしながらこの場合、実施例の場合と異
なる点は、初期化された状態では磁壁は中間層35の中
にあるということである。これは垂直磁気異方性の小さ
な膜の中に磁壁が存在することによって、記録層33の
膜厚を厚くしないでメモリ層32と記録層33との交換
結合力を小さくすることができる。このことによって
(数5)より室温での記録層の保磁力も小さくすること
ができ、さらに(数4)から初期化磁界を小さくするこ
とができる。
【0074】また本参考例の場合、この温度では記録層
33は希土類リッチなので記録層33の磁化の向きは希
土類副格子磁気モーメントの向きに従う(図12参
照)。一般に重希土類遷移金属系非晶質薄膜の場合、補
償点近傍で保磁力が非常に大きくなることが知られてい
る。後述するように低パワー照射時の温度付近に補償温
度を設定することによって室温での記録層の保磁力を小
さくできるので、初期化磁界の大きさをさらに小さくす
ることができる。
【0075】B2 .再生 温度がTR 以下つまり記録ピット検出可能領域では初期
化の場合と同様に(数8)、(数9)が成り立つ。一方
図12に示すように温度がTR 以上になると切断層34
のキュリー温度を越えるので、再生層31とメモリー層
32の間には交換結合力は働かなくなる。このため実施
例1ではこの状態での条件が(数10)、(数11)で
あるに対し、この実施例2ではHW1=HW21 =0である
から、下記(数15)、(数16)となる。
【0076】
【数15】HC1<HR
【0077】
【数16】HC2−HW23 >HR
【0078】実施例の切断層がない場合、ある温度で交
換結合力を急峻に切断することは非常に難しいが、切断
層34を設置することにより理想的なステップ関数的な
交換結合力の温度変化を得ることができる。
【0079】C2 .記録参考例 では、記録層33に高パワーの温度以下で室温以
上に補償温度をもつ希土類リッチな組成を用いているの
で、図13、図14に示すように記録磁界を初期化磁界
と同じ方向に印加しなければならない。
【0080】C2-a 低パワー記録 低パワーPL の場合には前記(数12)〜(数14)式
が成り立たなければならない。しかし消去の動作が行な
われる温度では、図13のように再生の際に示した温度
R を越えているので切断層34はキュリー温度以上に
なっている。従ってメモリ層32は再生層31からの交
換結合力の影響を受けなくなる。よってこの参考例の場
合(数12)については、次の(数17)に変わる。
【0081】
【数17】HC2+Hrec <HW23
【0082】これによってオーバーライトのためのメモ
リ層32、中間層36、記録層35を設計するとき、超
解像のための切断層34、再生層32とは切り離して考
えることができる。従って成膜の自由度も大きくなる。
また記録層33はこの温度付近に補償温度を有する。こ
のため低パワー温度付近で記録層33の保磁力は極大値
をとるので(数13)(数14)からわかるように記録
磁界や記録層33とメモリ層32との交換結合力を制御
する上での自由度が大きくなる。
【0083】C2-b 高パワー記録 高パワーPH については、全ての層がキュリー温度以上
あるいは、保磁力が記録磁界に比べて十分小さくなる温
度以上に昇温されるので、各層の磁化は記録磁界の向き
に揃う。記録層33は、この温度では少なくとも補償温
度以上で、遷移金属リッチな状態である。従って、図1
4で示されるように、初期化と同じ方向に記録磁界を印
加しても各々副格子磁化に着目すれば低パワーとは逆方
向に磁化していることがわかる。
【0084】
【発明の効果】上述したところから明らかなように、本
発明方法では、再生時には、再生光のスポットより小さ
い領域で、その読み出しを行うので超解像度化されると
共に、記録時にはオーバーライトが可能になり、消去過
程つまり一旦全磁性層を消去するという過程を必要とし
ないので記録の簡易化をはかることができる。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる光磁気記録媒体の構成図で
ある。
【図2】多層磁性膜の構成図である。
【図3】本発明方法の一例の実施装置の模式図である。
【図4】光パワーの説明図である。
【図5】光磁気記録媒体上の温度分布図である。
【図6】再生動作の説明図である。
【図7】再生動作の説明図である。
【図8】低パワー記録の説明図である。
【図9】高パワー記録の説明図である。
【図10】光スポット内の温度分布図である。
【図11】参考例に用いる光磁気記録媒体の多層磁性膜
の構成図である。
【図12】参考例の再生動作の説明図である。
【図13】参考例の低パワー記録の説明図である。
【図14】参考例の高パワー記録の説明図である。
【符号の説明】
3 多層磁性膜 31 再生層 32 メモリ層 33 記録層 34 切断層 35 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−274732(JP,A) 特開 平3−219449(JP,A) 特開 平3−156751(JP,A) 特開 平3−162742(JP,A) 特開 平5−73976(JP,A) 特開 平4−212743(JP,A) 特開 平5−242556(JP,A) 特開 平3−93056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で順次磁気的に結合する再生層と、
    メモリ層と、記録層とが順次積層されて成る多層磁性膜
    を有する光磁気記録媒体が用いられ、 該光磁気記録媒体に対する情報の記録は、光強度変調記
    録を採り、低光強度照射で、上記再生層と上記メモリ層
    の磁化とが上記記録層の磁化状態の転写による磁化によ
    って行われる第1の記録と、高光強度照射で上記再生層
    とメモリ層と記録層の3層の磁化が外部記録磁界によっ
    て行なわれる第2の記録とによりなされ、 記録情報の再生は、再生光スポット内における温度分布
    による高温領域において再生層の磁化が再生磁界方向に
    揃えられて記録情報の読み出しが不能とされ、低温領域
    において限定的に記録情報を読み出すことを特徴とする
    光磁気記録再生方法。
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