JP2886199B2 - 光磁気記録方法及び光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録方法及び光磁気記録媒体

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JP2886199B2
JP2886199B2 JP24496589A JP24496589A JP2886199B2 JP 2886199 B2 JP2886199 B2 JP 2886199B2 JP 24496589 A JP24496589 A JP 24496589A JP 24496589 A JP24496589 A JP 24496589A JP 2886199 B2 JP2886199 B2 JP 2886199B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は光磁気記録方法に関し、更に詳しくは記録の
重ね書き(オーバライト)機能を有する光磁気記録方法
に関する。
(従来の技術) TbFe,TbCo,TbFeCo,GdTbFe,GdTbFeCo等に代表される希
土類−遷移金属非晶質合金(a-RE-TM)の薄膜は、膜面
に垂直な方向に磁化容易軸を有し、熱的に磁気特性が変
化する。光磁気記録はa-RE-TM膜のこのような特性を利
用したもので、a-RE-TMからなる記録層へレーザーを照
射し、保磁力を外部磁界以下に減少させて微小反転磁区
を形成もしくは消滅させて情報の記録/消去を行い、極
力一回転等の磁気光学効果を利用して情報の再生を行な
う技術である。かかる光磁気記録は光記録に共通する非
接触アクセス性、媒体の可換性、高記録密度性等の利点
を有する反面、磁気記録に比べてオーバーライトがしに
くいという短所を有している。
光磁気記録におけるオーバーライト技術として種々の
ものが提案されているが、最も注目されている技術のひ
とつとして光変調方式で、単一ビームで動作するもの
(1ビーム法)がある。かかる技術は、例えば、特開昭
62-175948号公報に記載されているように記録再生層と
記録補助層を有する光磁気記録媒体に予め初期補助磁界
を印加し、記録補助層の磁化を所定の向きに揃えておい
た後、パルス状に変調されたビームを照射し、ビームの
強度が高いレベルの時にいずれか一方の磁化方向のビッ
トを形成させ、低レベルの時に他方のビットを形成させ
るものである。しかし、記録再生層と記録補助層は交換
結合2層膜となっており、制御が困難な交換結合力を、
温度とともに変化する各層の保磁力に対して特殊な大小
関係を持つように制御しなければならず、媒体の製造が
困難である。また、オーバーライトする前に記録補助層
の磁化をある一定の方向にそろえなければならず、数KO
eを印加できる大型の初期磁化用磁石が必要であるとい
った技術的難点がある。
一方、特開昭62-154347号公報に開示される技術にお
いては、記録層と補償点を有するバイアス層とを熱絶縁
機能を有する非磁性層を介して積層した媒体に関するも
のである。この技術においては、記録時と消去時でバイ
アス層の温度が異なるように媒体構造を設計し、かつそ
の異なる2つの温度でバイアス層の飽和磁化Msの向きが
異なるようにバイアス層の媒体設計を行う必要があり、
製作が困難である。
(発明が解決しようとする課題) 光磁気記録におけるオーバーライト技術として光変調
1ビーム法が有望視されているが、制御が困難で、複雑
なため、実用に適した光磁気記録方法は得られていな
い。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであ
り、光変調方式で1ビームパワー変調オーバーライトの
可能な光磁気記録方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、記録層とバイアス層が静磁的結合が主とな
るよう積層された光磁気記録媒体に対して、第1のパワ
ーレベルと第2のパワーレベルに変調されたレーザー光
を照射して光磁気記録を行う方法において、前記光磁気
記録媒体は、記録層の磁化反転温度をTr、第1のパワー
レベル及び第2のパワーレベルのレーザー光照射により
記録層及びバイアス層が昇温する温度を各々T1,T2とし
たとき、これらがT1>T2Trなる関係を満たし、T1及び
T2からTrまで冷却されたときバイアス層から記録層側へ
漏洩する漏洩磁界を各々 T1及びT2からTrまで冷却されたときの記録層の自己漏洩
磁界をそれぞれ での記録層の保持力をHCR(Tr)とすると、T1からTrに
冷却されたとき なる関係を満たし、T2からTrに冷却されたとき なる関係を満たし、光磁気記録媒体に第1のパワーレベ
ルのレーザ光を照射した後T1からTrまで冷却された時、
レーザー光照射領域の磁化の向きは記録層の自己漏洩磁
界により決定され、第2のパワーレベルのレーザー光を
照射した後T2からTrまで冷却された時、レーザー光照射
領域の磁化の向きはバイアス層から記録層へ漏洩する漏
洩磁界により決定されることを特徴とする光磁気記録方
法である。
また、本発明は、記録層とバイアス層が静磁的結合が
主となるよう積層された光磁気記録媒体に対して、第1
のパワーレベルと第2のパワーレベルに変調されたレー
ザー光を照射する光磁気記録を行う方法において、記録
層の磁化反転温度をTrR、バイアス層の磁化反転温度をT
rB、第1のパワーレベル及び第2のパワーレベルのレー
ザー光照射により記録層及びバイアス層が昇温する温度
を各々T1,T2としたとき、これらがTrB>T1>T2TrR
る関係を満たし、T1及びT2からTrまで冷却されたときバ
イアス層から記録層側へ漏洩する漏洩磁界を各々 T1及びT2からTrまで冷却されたときの記録層の自己漏洩
磁界をそれぞれHs1及びHs2,Trに記録層の保持力をHc
R(Tr)とすると、T1からTrに冷却されたとき なる関係を満たし、T2からTrに冷却されたとき なる関係を満たし、T2からTrに冷却されたとき なる関係を満たし、TrRにおいてバイアス層から記録層
への漏洩磁界と記録層の自己漏洩磁界の向きが異なるこ
とを特徴とする光磁気記録方法である。
本発明では光磁気記録媒体に対し、外部磁界Heを記録
層の自己漏洩磁界 の方向に、 を満たすように印加してもよい。すなわち、自己漏洩磁
界が弱い場合、自己漏洩磁界の方向に外部磁界を引加す
ることで、効率的にオーバーライトを行なうことができ
る。
また、光磁気記録媒体に対し、外部磁界Heをバイアス
層から記録層側へ漏洩する漏洩磁界 の方向に、 かつ を満たすように印加してもよい。
ここで、酸化反転温度とは、記録層の保磁力Hcが漏洩
磁界などによってその部位に印加されている磁界よりも
小さく、反転磁区が形成される条件が満たされる温度の
ことである。
本発明ではバイアス層は磁化反転しないほうが好まし
く、バイアス層が磁化反転しないための条件としては、
バイアス層の保磁力をHcB、バイアス層の自己漏洩磁界
と記録層からバイアス層側へ漏洩する漏洩磁界のベクト
ル和の膜面に垂直な成分をHeとすると、常にHcB>Heな
る関係を満たすことである。
バイアス層が充分大きい漏洩磁界を供給できるように
するには、バイアス層が補償温度Tcompを持ち、TrR>Tc
ompなる関係を満たしている方がより好ましい。また、
記録層が自己漏洩磁界で容易に反転できるためには、Tr
R近傍に記録層がキユリー温度を持ち、かつ補償温度(T
compRと略す)を持たないか、または、TcompRを持って
いてもTrR<TcompRである方がより好ましい。
バイアス層からの漏洩磁界 及び記録層の自己漏洩磁界 をT1→TrRとT2→TrRとで効果的に変化させるためには、
T1からTrRに降温してきたときの温度分布の半値幅 とT2からTrRに降温してきたときの温度分布の半値幅 との間に なる関係があった方がより好ましい。
記録層も補償温度を有していても有していなくてもよ
い。記録層がTr近傍にキユリー温度を有する場合には、
常温とキユリー温度との間に補償温度TcompRが存在しな
いことが好ましい。また、この間にTcompRが存在してい
る場合には、TrR>TcompRの関係を満たすことが好まし
い。
バイアス層からの漏洩磁界 及び記録層の自己漏洩磁界 を、効果的に変化させるためには、温度をT1からTrR
降下させた場合におけるビーム照射部分の温度分布曲線
の半値幅 と、T2からTrRに降下させた場合におけるビーム照射部
分の温度分曲線の半値幅 との間に、 なる関係があることが好ましい。
必要に応じて、記録層から自己漏洩磁界 及び を補助する目的で、自己漏洩磁界 及び を満たす外部磁界He1を付加することもできる。また、
バイアス層4からの漏洩磁界 を補助する目的で、漏洩磁界 の方向に、 を満たす外部磁界He2を付加することもできる。外部磁
界の印加は、媒体にレーザビームが照射されている間常
に行ってもよいし、媒体温度が記録層の磁化反転温度Tr
Rになったときに行ってもよい。
なお、 が充分に大きくない場合には、記録層は小さい磁界変化
で、再生信号にC/N差を発生させることができることが
好ましい。このような材料としては、Gd-Dy-Fe合金が知
られている(第11回日本応用磁気学会、学術講演概要集
(1987.11)P276)。通常 が達成しやすいので、記録層2としては、150Oe以下の
磁界変化でC/Nが飽和レベルまで達する材料を用いるこ
とが好ましい。
記録層2が一般式(GdxDy1-x)yFe1-y(ただし、x,yは
原子%で表わされ、夫々0<x<100,13<y<35の範囲
内である)で表わされる合金で形成されている場合に
は、再生信号の立上りが急峻であり、上述のような条件
を満たすことができる。従って、記録層2をこのような
材料で形成することにより、この発明に示す漏洩磁界を
利用した情報・消去が極めて行い易くなる。
本発明の光磁気記録媒体は記録層及びバイアス層が静
磁的作用が主の結合作用を及ぼすよう積層される。
記録層の磁化反転は他層からの交換結合力によって行
うのではなく、両層からの漏洩磁界と必要であれば外部
から印加される磁界とによって行われるので記録層とバ
イアス層は交換結合力を作用し合わないように積層さ
れ、もし交換結合力が作用している場合でも交換結合力
はバイアス磁界に比べて充分に小さな値にするのが良
い。意図的に交換結合力の介在を防止するには記録層と
バイアス層の間に中間層を設ければ良い。
記録層とバイアス層の間に中間層を設ける場合には、
中間層の膜厚は格別に限定されるものではなく、材料毎
に再生時のカーエンハンスメント、レーザービームの吸
収効率等を考慮し適宜決定すればよいが、2000Å以下が
適当である。交換結合力をなくす目的からは数Åでよ
く、バイアス層が記録層に充分大きな漏洩磁界を感じさ
せる程度に薄く、また、レーザー照射時にバイアス層が
充分にT1まで加熱される程度に薄いことが好ましい。こ
のような点から5Å〜500Åがより好ましい膜厚であ
る。またバイアス層を再生信号には最初から寄与せずレ
ーザー照射による熱だけ伝播してくればよいので、中間
層は、不透明でも構わない。
バイアス層の膜厚は、記録層に充分大きな漏洩磁界を
印加できる程度に厚く、またレーザー照射時に充分T1
で加熱され得る程度に薄いのが好ましく、250Å〜5000
Å、より好ましくは1000Å〜3000Åとするのが良い。記
録層の膜厚は、記録層自身に充分大きい漏洩磁界を印加
できる程度に厚いほうが好ましく、レーザー照射時に充
分T1まで加熱でき、かつバイアス層も充分に加熱される
程度に薄いことが好ましい。従って100Å〜5000Å、よ
りも好ましくは150Å〜1500Åとするのが良い。記録層
とバイアス層の膜厚は、100Å未満では充分な垂直磁気
異方性を有する膜がスパッタ法等では得られにくい。
(作用) 本発明の光磁気記録方法は静磁的に結合するように記
録層とバイアス層が積層された光磁気記録媒体にレーザ
ービームを照射し1ビームパワー変調オーバーライトを
実現するものである。
第1〜第5図を用いて本発明の光磁気記録方式を説明
する。第1図は本発明による光磁気記録方式の記録媒体
の好ましい実施態様の構成断面であり、1は基板、2は
光磁気記録層、3は中間層、4はバイアス層、5は保護
層である。第2図はこの光磁気記録媒体の記録層及びバ
イアス層の保磁力Hcと飽和磁化Msの温度特性を示したも
のである。
第2図において、Taは保持温度、Tcompはバイアス層
の補償温度、Tcは記録層のキユリー温度、T1は第一のパ
ワーレベルによって選択される記録媒体の温度である。
なお、第二のパワーレベルによって選択される記録媒体
の温度T2及び記録層の磁化反転温度TrはTcとほぼ同じで
ある。第3、第4、第5図は第一、第二のパワーレベル
によって行われる情報の記録、消去動作時の記録層2と
バイアス層4の磁化の向き及び分布を示したものであ
る。磁化の向きを示す図において縦の線は反転磁区がで
きた状態を意味する。
バイアス層に作用するバイアス層自身からの漏洩磁界
ベクトルを バイアス層に作用する記録層からの漏洩磁界ベクトルを バイアス層の保磁力をHcBとすると、バイアス層には、
常に が成り立っており、磁化反転を起こらない。また、外部
より印加磁界 を与える場合においても、 は常に成り立ち、バイアス層に磁化反転は起こらない。
第1のパワーレベルによって行われる記録動作を第3
図に従って説明する。初期状態として(a)の様に記録
層2とバイアス層4の磁化をそろえる。これに第一のパ
ワーレベルのレーザービームを照射すると記録媒体の温
度がT1まで上昇し、(b)のような磁化状態になる。レ
ーザーの照射が終り、記録媒体が冷却されてTrになると
(c)のような磁化状態になる。このときの記録層2の
バイアス層4の磁化分布は媒体の熱拡散のため(e)に
示すようにブロードになっていて、バイアス層からの漏
洩磁界は記録層の磁化反転を妨げる程大きくならず、記
録層は記録層から記録層自身へ印加される自己漏洩磁界
によって磁化反転し(c1)のように反転磁区ができる。
この磁化状態が保たれたまま常温まで冷却されていき、
(d)に示すような記録状態となる。
この記録状態に第二のパワーレベルのレーザービーム
を照射して行なわれる消去動作について第4図にしたが
って説明する。第二のパワーレベルのレーザービームの
照射によって記録媒体はT2まで温度が上昇する。T2はTr
にほとんど等しいからこの温度で磁化反転が行なわれる
が、そのときのバイアス層の磁化Msの分布は(d)に示
すように第3図(e)のときよりも熱の拡散が少ない分
だけシャープになり漏洩磁界は記録層を再磁化反転させ
るに十分な大きさになる。その結果、反転磁区は消滅
し、常温において(c)に示すような消去状態となる。
反転磁区ができていない部分に第二のパワーレベルの
レーザービームを照射したときの動作を第5図にしたが
って説明する。第4図の場合と同じようにT2まで温度が
上昇したときのバイアス層の磁化分布は(d)に示すよ
うにシャープで漏洩磁界が大きいため記録層においては
反転磁区が形成される条件が満たされない。従って常温
にまで冷めたときは(c)に示すように消去状態のまま
である。
以上の3つの動作を組み合わせることによってダイレ
クトオーバーライトが実現できる。即ち、第二のパワー
レベルに、記録信号にしたがって変調された第一のパワ
ーレベルを重畳することによって、以前そこに記録され
ていた情報に関係なく1回の動作で新しい情報を記録す
ることができるのである。
いちど消去状態になると、その後何度T2まで上昇させ
ても上記の過程がくり返されるだけで特開昭62-80846号
公報に開示されるflip-flop記録媒体のような消去動作
の前にいちど記録を読んで消去パワーを加えるかどうか
の判定を行う必要はない。
以上の記録、消去重ね書き動作において、反転磁区の
形成、再磁化反転時のバイアス層の温度は同一であり、
その磁化の向きは同一であるので、特開昭62-154347号
公報と記録方法、記録媒体ともに異なる。
バイアス層からの漏洩磁界も記録層の自己漏洩磁界も
外部磁界によって補助することが可能である。外部磁界
を印加する場合には、レーザービームが照射されている
間、常に外部磁界を印加しても、あるいは、媒体温度が
記録層の磁化反転温度Trになったときに外部磁界を印加
しても良い。T1とT2は通常の半導体レーザーの照射(最
大15mW程度)パワーの範囲で選択ができる程度であれば
よい。
以上が本実施例の原理的な説明である。このように本
発明では、既記録内容の如何にかかわらず、高レベルの
レーザービームにより「記録状態」が、低レベルのレー
ザービームにより「消去状態」が形成される。すなわ
ち、新たに記録すべき情報信号に応じて高レベルと低レ
ベル間で強度変調されたレーザービームを照射すること
によって、高速オーバーライトが実現される。このため
従来のバイアス層を有する光磁気記録媒体で高速オーバ
ーライトを行なう場合に必要とした、既記録の磁区を検
出するためのレーザービームを必要とせず、1ヘッド・
1ビーム方式の簡易な構成で高速オーバーライトが可能
となり、消去マージンも十分に確保される。
さらに、記録及び消去時に外部印加磁界Hexを付与す
る場合でも、その磁界の向き及び強度は記録時と消去時
とで等しくてよく、また磁界強度そのものも数百Oe程度
と小さくて済むので、装置が小型となり、光学ヘッド内
のサーボ用電磁駆動系への悪影響という問題も回避され
る。
また、再生レーザーパワーはT2以下の温度上昇をもた
らすパワーであれば良い。
光磁気記録媒体構造に関しては、(i)制御の難かし
い交換結合作用を用いなくともよい。(ii)記録層とバ
イアス層の間の温度の特殊な大小関係を必要としないと
いう理由で媒体構造の設計の自由度が大きく、また、製
作も容易である。また、光磁気記録媒体材料に関して
は、補償温度、キユリー温度等の磁気特性の制限が少な
く、選択の自由度が大きいといった優位性を有してい
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
i)実施例−1 1.2mm厚の石英基板に100nm厚のSi-Nの下地層、25nmの
Tb30.6(Fe0.95Co0.06)69.4記録層、20nmのSi-N中間層、
200nm厚の(Gd0.25Tb0.75)22.7Co77.3バイアス層、100nm
厚のSi-N保護層をRFスパッタ法により成膜して第6図に
示す構造の光磁気記録媒体を作成した。記録層はキユリ
ー温度が163℃、常温の保磁力が6KOe、常温の磁化は160
emu/ccであった。バイアス層は補償温度が140℃、常温
での保磁力が3.5KOe、常温の磁化は200emu/ccであっ
た。この記録媒体に波長830nmの半導体レーザーを用
い、線速14mm/secで記録・消去試験を行なったところ、
5mW・100nsecパルス照射で記録した信号を、3.5mWの連
続照射によって消去できた。
ii)実施例−2 5.25インチφのトラッキンググループつきガラス基板
に140nm厚のSi-Nの下地層、25nm厚のTb28(Fe0.85C
o0.15)72記録層、20nmのSi-N中間層、150nm厚の(Gd0.25
Tb0.75)22.7Co77.3バイアス層、100nm厚のSi-N保護層を
RFスパッタ法により成膜して第6図に示す構造の光磁気
記録体を作成した。記録層はキユリー温度が180℃、補
償温度が110℃、常温の保磁力が7.3KOe、常温の磁化は1
70emu/ccであった。バイアス層は補償温度が130℃、常
温の保磁力が4KOe、常温の磁化は180emu/ccであった。
以上の構成で線速10m/secで記録パワー8mW、消去パワー
4.5mWで、外部磁界をバイアス層からの漏洩磁界の方向
に200Oe印加して1MHzと2MHzの記録信号間のオーバーラ
イトを実現した。
iii)実施例−3 5.25インチφのトラッキンググループつきガラス基板
に100nm厚のSi-Nの下地層、25nm厚のTb28(Fe0.85C
o0.15)72記録層、50nmのSi-N中間層、150nm厚の(Gd0.25
Tb0.75)18.4Co81.6バイアス層、100nm厚のSi-N保護層を
RFスパッタ法により成膜して第6図に示す構造の光磁気
記録媒体を作成した。記録層はキユリー温度が180℃、
補償温度が110℃、常温の保磁力が7.3KOe、常温の磁化
は170emu/ccであった。バイアス層は常温の保磁力が2.4
KOe、常温の磁化は180emu/ccで補償温度を常温から400
℃の間に持たない。以上の構成で線速10m/secで記録パ
ワー10mW、消去パワー6.5mWで、外部磁界をバイアス層
からの漏洩磁界の方向に400Oe印加して1MHzと2MHzの記
録信号間のオーバーライトを実現した。
iv)実施例−4 1.2mmの厚の石英基板に100nm厚のSi-N下地層、25nm厚
のTb28(Fe0.85Co0.15)72記録層、20nm厚のSi-N中間層、
200nm厚のTb22Co78バイアス層、100nm厚のSi-N保護層を
この順に成膜した光磁気記録媒体に、スポット径1.35μ
m、パワー8mW、パルス幅50nsecのパルスレーザを照射
した際の照射部分の温度分布を数値計算により求めた。
レーザビーム照射直後で、中心温度が216℃になり、温
度がピーク値のe-2倍になる領域の半径σは580nmと算出
された。
一方、同じスポット径で、14.6mW、パルス幅50nsecの
レーザビームを照射後30秒経過後、中心温度はやはり21
6℃と算出されたが、σは750nmと算出され、ブロードな
温度分布になることが確認された。
上記夫々の場合について、ビーム照射スポット中心
で、かつ記録層の厚さ中心においてのバイアス層からの
漏洩磁界HBを数値計算により求めた結果、夫々543Oeと4
54Oeとなり、89OeのHB差を発生できることが確認され
た。すなわち、この発明の原理に基づいて、情報の記録
・消去を行えることができることが確認された。
v)実施例−5 Example4と同一の光磁気記録媒体でExample4と同様に
して求められた2種類のビーム照射部分の温度分布につ
いて、ビーム照射スポット中心で、バイアス層から記録
層に向って、夫々12.5nm、62.5nm、112.5nmの距離の位
置において、各々Example4と同様にしてHB差を計算し
た。これらの距離は、記録層の厚さを25nmとした場合
に、中間層の厚みを0nm、50nm、100nmにした場合に相当
する。これらの距離におけるHB差は、夫々、100Oe、69O
e、52Oeであった。
vi)実施例−6 バイアス層の厚み以外Example4と同一の光磁気記録媒
体で、バイアス層の厚みを変化させ、Example4と同様に
して求められた2種類のビーム照射部分の温度分布につ
いて、ビーム照射スポット中心で、かつ記録層の厚さ中
心におけるHB差を算出した。バイアス層の厚さを、夫々
50nm、100nm、400nm、としたところ、各厚さに対応する
HB差は夫々32Oe、52Oe、106Oeとなった。
vii)実施例−7 5.25インチφのトラッキンググループ付ガラス基板に
100nm厚のSi-N下地層、25nm厚の(Gd0.5Tb0.5)15Fe85
録層、10nm厚のSi-N中間層、400nm厚のTb22Co78バイア
ス層、100nm厚のSi-N保護膜をこの順に、RFスパッタリ
ングにより成膜して、Fig.2に示す構造を有する光磁気
記録媒体を作成した。
記録層は、±50Oeの磁界で、C/Nが0dBから48dBまで変
化した。計算によると、バイアス層は、レーザビーム照
射スポット中心で110OeのHB差を発生させることが確認
された。
記録層からの漏洩磁界の方向に700Oeの外部磁界を印
加しつつ、線速10m/secで、記録パワー9mW、消去パワー
4.5mWとして、1ビームパワー変調によるオーバーライ
ト試験を行った。この試験では、1MHzの記録信号で記録
された媒体に、2MHzの新しい記録信号を記録した。その
結果、従前の1MHzの情報は消去され、新しい2MHzの情報
のみが記録されていた。すなわち、1ビームオーバーラ
イトが可能であることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明の光磁記録方法によれば作成が容易な光磁気記
録媒体を用いて、1ビームパワー変調によって高速オー
バーライト機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光磁圧記録媒体の好ましい実施態様の
構成断面、第2図は第1図を構成する光磁気記録媒体の
熱磁気特性、第3図は第一のパワーレベルの照射時の記
録層とバイアス層の磁化の向きの温度変化、第4図、第
5図は第二のパワーレベルの照射時の記録層とバイアス
層の磁化の向きの温度変化、第6図は本発明の光磁気記
録媒体の好ましい実施態様の構成断面である。 1……基板、2……記録層、3……中間層、4……バイ
アス層、5……保護層、6……下地層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−74147(JP,A) 特開 昭56−119951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録層とバイアス層が静磁的結合が主とな
    るよう積層された光磁気記録媒体に対して、第1のパワ
    ーレベルと第2のパワーレベルに変調されたレーザー光
    を照射して光磁気記録を行なう光磁気記録方法におい
    て、前記光磁気記録媒体は、記録層の磁化反転温度を
    Tr、第1のパワーレベル及び第2のパワーレベルのレー
    ザー光照射により記録層及びバイアス層が昇温する温度
    を各々T1、T2としたとき、これらがT1>T2>Trなる関係
    を満たし、T1及びT2からTrまで冷却されたときバイアス
    層から記録層側へ漏洩する磁界を各々HB1及びHB2、T1
    びT2からTrまで冷却されたときの記録層の自己漏洩磁界
    をそれぞれHS1及びHS2、Trでの記録層の保磁力をH
    CR(Tr)とすると、T1からTrに冷却されたときHCR(Tr)≦H
    S1‐HB1なる関係を満たし、T2からTrに冷却されたときH
    CR(Tr)≦HB2‐HS2なる関係を満たし、光磁気記録媒体に
    第1のパワーレベルのレーザー光を照射した後T1からTr
    まで冷却されたとき、レーザー光照射領域の磁化の向き
    はバイアス層から記録層へ漏洩する磁界により決定され
    ることを特徴とする光磁気記録方法。
  2. 【請求項2】記録層とバイアス層が静磁的結合が主とな
    るよう積層された光磁気記録媒体に対して、第1のパワ
    ーレベルと第2のパワーレベルに変調されたレーザー光
    を照射する光磁気記録を行う方法において、記録層の磁
    化反転温度をTrR、バイアス層の磁化反転温度をTrB、第
    1のパワーレベル及び第2のパワーレベルのレーザー光
    照射により記録層及びバイアス層が昇温する温度を各々
    T1、T2としたとき、これらがTrB>T1>T2>TrRなる関係
    を満たし、T1及びT2からTrまで冷却されたときバイアス
    層から記録層側へ漏洩する時間を各々HB1及びHB2、T1
    びT2からTrまで冷却された床の記録層の自己漏洩磁界を
    それぞれHS1及びHS2、Trでの記録層の保磁力をHCR(Tr)
    とすると、T1からTrに冷却されたときHCR(Tr)≦HS1‐H
    B1なる関係を満たし、T2からTrに冷却されたときH
    CR(Tr)≦HB2‐HS2なる関係を満たし、TrRにおいてバイ
    アス層から記録層への漏洩磁界と記録層の自己漏洩磁界
    の向きが異なることを特徴とする光磁気記録方法。
  3. 【請求項3】前記光磁気記録媒体に対し、記録層の自己
    漏洩磁界HS1及びHS2の方向に、HCR(Tr)≦HS1+He
    HB1、かつHCR(Tr)≦HB2‐HS2‐Heを満たすように外部磁
    界Heを印加することを特徴とする請求項1または2記載
    の光磁気記録方法。
  4. 【請求項4】前記光磁気記録媒体に対し、バイアス層か
    ら記録層側へ漏洩する磁界HB1及びHB2の方向に、H
    CR(Tr)≦HS1‐HB1‐He、かつHCR(Tr)≦HB2+He‐HS2
    満たすように外部磁界Heを印加することを特徴とする請
    求項1または2記載の光磁気記録方法。
  5. 【請求項5】前記光磁気記録媒体のバイアス層の補償点
    をTcomp、記録層のキューリ点をTcとしたとき、Tcomp
    Tcなる関係が成り立つことを特徴とする請求項1または
    2記載の光磁気記録方法。
  6. 【請求項6】情報を記録するための記録層と、記録層に
    バイアス磁界を与えるためのバイアス層とを備え、これ
    らの層が垂直磁気記録異方性を有すると共に静磁的作用
    が主の結合作用を及ぼすように積層され、前記記録層
    は、一般式(GdxDy1-x)yFe1-y(ただしx、yは原子%で
    表され、それぞれ0<x<100、13<y<35の範囲内で
    ある)で表される合金で形成された光磁気記録媒体であ
    って、記録層の磁化反転温度をTrR、バイアス層の磁化
    反転温度をTrB、第1のパワーレベル及び第2のパワー
    レベルのレーザー光照射により記録層及びバイアス層が
    昇温する温度を各々T1、T2としたとき、これらがTrB>T
    1>T2>TrRなる関係を満たし、T1及びT2からTrまで冷却
    されたときバイアス層から記録層側へ漏洩する時間を各
    々HB1及びHB2、T1及びT2からTrまで冷却された床の記録
    層の自己漏洩磁界をそれぞれHS1及びHS2、Trでの記録層
    の保持力をHCR(Tr)とすると、T1からT2に冷却されたと
    きHCR(Tr)≦HS1‐HB1なる関係を満たし、T2からTrに冷
    却されたときHCR(Tr)≦HB2‐HS2なる関係を満たし、TrR
    においてバイアス層から記録層への漏洩磁界と記録層の
    磁気漏洩磁界の向きが異なることを特徴とする光磁気記
    録媒体。
  7. 【請求項7】情報を記録するための記録層と記録層にバ
    イアス磁界を与えるためのバイアス層とを備え、これら
    の層が垂直磁気異方性を有すると共に静磁的結合が主の
    結合作用を及ぼすように積層され、前記記録層は、一般
    式(GdxDy1-x)yFe1-y(ただしx、yは原子%で表され、
    それぞれ0<x<100、13<y<35の範囲内である)で
    表される合金で形成された光磁気記録媒体であって、記
    録層の磁化反転温度をTr、第1のパワーレベル及び第2
    のパワーレベルのレーザー光照射により記録層及びバイ
    アス層が昇温する温度を各々T1、T2としたとき、これら
    がT1>T2>Trなる関係を満たし、T1及びT2からTrまで冷
    却されたときバイアス層から記録層側へ漏洩する磁界を
    各々HB1及びHB2、T1及びT2からTrまで冷却されたときの
    記録層の自己漏洩磁界をそれぞれHS1及びHS2、Trでの記
    録層の保持力をHCR(Tr)とすると、T1からTrに冷却され
    たときHCR(Tr)≦HS1‐HB1なる関係を満たし、T2からTr
    に冷却されたときHCR(Tr)≦HB2‐HS2なる関係を満た
    し、第1のパワーレベルのレーザー光が照射された後T1
    からTrまで冷却されたとき、レーザー光照射領域の磁化
    の向きが自己漏洩磁界により決定され、第2のパワーレ
    ベルのレーザー光が照射された後T2からTrまで冷却され
    たときレーザー光照射領域の磁化の向きがバイアス層か
    ら記録層へ漏洩する漏洩磁界により決定されることを特
    徴とする光磁気記録媒体。
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