JP2881240B2 - 光磁気記録情報担体の情報記録方法 - Google Patents

光磁気記録情報担体の情報記録方法

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JP2881240B2 JP30427589A JP30427589A JP2881240B2 JP 2881240 B2 JP2881240 B2 JP 2881240B2 JP 30427589 A JP30427589 A JP 30427589A JP 30427589 A JP30427589 A JP 30427589A JP 2881240 B2 JP2881240 B2 JP 2881240B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光磁気記録情報担体(光磁気ディスク)の情
報記録方法に関し、更に詳述すれば、旧情報の上に新情
報を直接書込むことが可能な、所謂光変調オーバーライ
ト機能を有する光磁気記録情報担体の情報記録方法に関
する。
〔従来の技術〕
本願発明者らは先に特願平1−119244号の発明におい
て光変調オーバーライト機能を有する光磁気記録情報担
体、即ち光磁気ディスクを提案している。
この発明に係る光磁気記録情報担体は端的には以下の
ようなものである。
「垂直磁気異方性を有する第1磁性層およびこの第1
磁性層に設けられ、垂直磁気異方性を有し、上記第1磁
性層と交換力で結合された第2磁性層を備えたものにお
いて、上記第2磁性層が (a)記録再生時に、磁化反転せず、磁化が一定方向の
向きに保たれ、 (b)Tc1<Tc2を満足すること (c)室温で Hc1>Hw1+Hb,Hc2>Hw2+Hbを満足すること を特徴とする光磁気記録情報担体。」 以下、図面を参照してより詳しく説明する。
第5図(a)は上述の特願平1−119244号の発明にお
いて提案されている光磁気記録情報担体の外観及びそれ
に対して情報を記録し、また再生する装置の要部の構成
を併せて示す模式図、同(b)は光磁気記録情報担体に
対する情報の記録・再生状態を示す光磁気記録情報担体
の周方向に沿う部分断面図、同(c)は光磁気記録情報
担体に対する情報記録用のレーザビームのパワー変化の
特性を示すグラフである。
第5図(a),(b)において、11は光磁気記録情報
担体、20は光磁気記録情報担体11を照射し、情報を記録
・再生するビーム出射素子からのレーザビーム、16は上
記レーザビーム20が対物レンズ5にて集光されることに
より光磁気記録情報担体11に照射されるビームスポット
である。
18は上記光磁気記録情報担体11のレーザビーム20によ
り照射される部分に印加される磁界が一定方向となるよ
うな磁界を発生する磁界発生装置である。
2はガラス又はプラスチックからなる基板である。
13は第1磁性層であり、基板2に積層され、垂直磁気
異方性を有している。
14は第2磁性層であり、第1磁性層13に積層され、垂
直磁気異方性を有し、上記第1磁性層13と交換力で結合
されており、記録再生時に磁化反転せず磁化が一定方向
の向きに保たれる。
7は第1磁性層13に記録された情報の内、第1磁性層
13の磁化方向が第5図(b)上で上向きの部分をこの場
合二値化データの“1"としてその領域を示している。
第1磁性層13と第2磁性層14とは、Tc1<Tc2(但し、
Tc1,Tc2はそれぞれ第1磁性層13,第2磁性層のキュリ
ー温度)及び室温でHc1>Hw1+Hb,Hc2>Hw2+Hb(但
し、Hc1,Hc2はそれぞれ第1磁性層13,第2磁性層の室
温付近における保磁力,Hw1,Hw2はそれぞれ第1磁性層
13,第2磁性層の室温付近における交換結合力,Hbは磁界
発生装置18が発生する磁界)の関係を有し、例えば希土
類金属−遷移金属合金組成で形成されている。
また、所謂光変調ダイレクトオーバーライトを行うに
は、ビーム出射素子からのレーザビーム20の強度を少な
くとも高,中,低レベルの3値の制御する必要がある。
その内、レーザ強度が高レベルのパルスビームと、中レ
ベルのパルスビームとの2値においては、高レベルであ
る場合に、磁化反転を起こさない磁性層以外の磁性層に
上向き磁化を有するピットと下向き磁化を有するピット
とのいずれか一方のピットを形成させ、中レベルである
場合に他方のピットを形成させる。そして、低レベルの
レーザビームにより情報の読取りを行うのである。
次に動作について説明する。
光磁気記録情報担体11は図中の矢印a方向に回転駆動
されている。光磁気記録情報担体11は先に述べた様に、
2層の磁性層13,14にて構成されており、レーザビーム2
0が照射される側から順次、基板2,第1磁性層13,第2磁
性層14となっている。
ここで第1磁性層13は情報“0",“1"を表す磁化配向
を保持するための記録層であると共に読出し層であり、
第2磁性層14はオーバーライト機能を発揮すべく設けら
れている。この第2磁性層14は初期化層とも呼ばれ、従
来の補助層と初期化磁石とを兼ねた機能を有している。
ここで第1磁性層13と第2磁性層14との特性は、 そのキュリー温度をそれぞれTc1,Tc2とすると Tc1<Tc2 なる関係があり、また、それぞれの保磁力をHc1,Hc2
し、両層の交換結合力をHwi(i=1,2)とすると、次の
関係がある。
Hc1>Hw1+Hb …(1) Hc2>Hw2+Hb …(2) 式(1)は室温とTc1よりも低いある温度T0との間の
温度で成立する。
即ち、室温とT0との間の温度領域において、第1磁性
層13の保磁力Hc1は交換結合力の影響Hw1と記録時の磁界
発生装置18からの印加磁界Hbとの和よりも大きく、第2
磁性層14の磁化方向には左右されずに記録情報を表す磁
化方向を保持することが可能なことを意味する。
式(2)は動作条件範囲の全域に亙って成立する。即
ち、動作条件範囲内において、第2磁性層14の保磁力Hc
2は、交換結合力の影響Hw2と記録時の磁界発生装置18の
印加磁界Hbとの和よりも大きい。このため、第2磁性層
14を一度初期化すれば、例えば第5図(b)に示すよう
に上向きに初期化すれば、磁化反転することはなく、上
向きの磁化状態を保ち続けることができる。
まず、第1磁性層13に記録された情報を再生する場合
について説明する。
第5図(b)に示す如く、第1磁性層13はその膜厚方
向に2値コード、即ち“1",“0"に対応した方向に図上
で上向きまたは下向きに磁化されている。情報の再生に
際しては、この第1磁性層13にビームスポット16を照射
し、その照射部分の第1磁性層13の磁化方向を従来周知
の光カー効果により光学情報に変換することによって光
磁気記録情報担体11から情報を検出する。
この際、光磁気記録情報担体11へ照射されるレーザ強
度は、第7図のグラフの点Aに相当する強度である。こ
の強度では、ビームスポット16の照射部分の第1磁性層
13及び第2磁性層14の温度上昇の最高値は、第1磁性層
13及び第2磁性層14のキュリー温度Tc1,Tc2には達しな
い。従って、ビームスポット16の照射により磁化情報が
消去されることはない。
第1磁性層13の反転磁界の温度変化の特性を第6図の
グラフに、光磁気記録情報担体のレーザビームの強度と
レーザスポット内での磁性膜の温度変化との関係を第7
図にそれぞれ示す。反転磁界とは磁化を反転させるため
に最低限必要な磁界であり、 Hc1−Hw1 で与えられる。
第5図(c)において、レーザ強度(パワー)をR1
した場合の反転磁界の温度変化の様子は第6図において
は実線で、レーザ強度をR0とした場合のそれは破線でそ
れぞれ示されている。
以下に情報“0"又は“1"を記録する場合について説明
する。
オーバーライト方式ではない通常の光磁気記録情報担
体の場合、記録に先立って消去動作を行うが、オーバー
ライト方式では記録と消去が同時的に行うことが出来、
記録されている情報が“0"又は“1"のいずれであって
も、情報“0"を記録する場合、即ち第1磁性層13の磁化
方向を下向きにする場合の記録動作は次の如くである。
高レベルR1のレーザビーム20を照射すると、ビームス
ポット16内の温度は、第6図のTr1まで上昇する。そし
て、ディスクが回転してビームスポット16にレーザビー
ム20が照射されなくなると、第1磁性層13の温度は降下
する。第6図の実線からわかるように、Tc1と室温との
間の全ての温度領域において |Hb|>Hw1−Hc1 であるため、第1磁性層13の磁化方向は磁界発生装置18
が発生する磁界、即ちバイアス磁界Hbの方向、即ち下向
きになる。
また記録されている情報が“0"又は“1"のいずれであ
っても、情報“1"を記録する場合、即ち第1磁性層13の
磁化方向を上向きにする場合の記録動作は以下の如くで
ある。
中レベルR0のレーザビーム20を照射すると、ビームス
ポット16内の温度は第6図のTr0まで上昇する。そし
て、ディスクが回転してビームスポット16にレーザビー
ム20が照射されなくなると、第1磁性層13の温度は降下
する。第6図の破線からわかるように、例えば温度Tp付
近では |Hb|<Hw1−Hc1 であるため、第1磁性層13の磁化方向は交換力の働く方
向、即ち第2磁性層14の磁化方向である上向きのままと
なる。
以上の如き動作により、オーバーライト時には、レー
ザビーム強度を、情報の2値コード“0",“1"に応じ
て、第7図の各点C,Bに相当する高レベルR1と中レベルR
0とに強度変調すれば、初期化磁石を必要とせずに旧デ
ータ上にリアルタイムでオーバーライトが可能である。
つまり、初期化状態ではディスク全面の磁化方向を上
向きか下向き(実施例では上向き)のどちらかにそろえ
ておき、この状態でレーザパワーを高レベルR1(高レベ
ルR1で加熱された領域:H)と中レベルR0(中レベルR1
加熱された領域:L)の2値で変調すると高レベルR1のパ
ルスで熱せられた領域が磁化反転されて下向きに変わ
り、中レベルR0のパワーで照射された領域は上向きのま
まで残る。第8図は、この状態を示している。
次にこの上に異なる信号を記録すると、同じように高
レベルR1の高パワーで熱せられた領域では前の磁化方向
がどうであれ、下向きになる。
また、中レベルR0のパワーで照射された領域は前の磁
化方向がどうであれ、上向きの磁化方向になり、第9図
に示す状態になる。
このとき中レベルR0のパワーは高レベルR1のパワーに
比べて小さいので加熱領域が小さく、磁化が変化する領
域が狭いため、以前下向きに記録されていた領域がR0
照射されると両サイドに下向きの領域がそのまま残る。
なお、第7図の点Aに対応するレーザ強度は前述の如
く情報の読出しの際の強度である。この点Aに対応する
強度では、ビームスポット16の第1磁性層13及び第2磁
性層14の最高上昇温度は、第1磁性層13及び第2磁性層
14のキュリー温度Tc1,Tc2には到達しない。従って、ビ
ームスポット16の照射により磁化方向、即ち記録されて
いる情報が消去されることはない。
次にレーザ強度が中レベルR0の場合と高レベルR1の場
合とで、第6図に示す如く、第1磁性層13の反転磁界の
温度変化が実線のように異なる理由を説明する。
レーザ照射により、両磁性層13,14は共に温度が上昇
するが、その後の放熱速度は、第1磁性層13の方が第2
磁性層14よりも大きい。これは以下の理由による。
(i)レーザビーム20は第1磁性層13側から照射される
ため、第1磁性層13の最高到達温度は、第2磁性層14の
それよりも高く、そのため放熱速度も大きい。
(ii)第1磁性層13は基板2に接しており、基板2を通
して放熱する。
(iii)第1磁性層13の膜厚は極めて薄く、このため放
熱量が大きい。
このように第1磁性層13の放熱速度の方が第2磁性層
14のそれよりも大きい。中レベルR0のレーザビーム20に
より、第1磁性層13の温度が第6図のTr0まで上昇し、
その後第1磁性層13の温度が第6図のTp付近まで低下し
た時点の第2磁性層14の温度をT2r0とする。また、高レ
ベルR1のレーザビーム20により、第1磁性層13の温度が
第6図のTr1まで上昇した後、第1磁性層13の温度が第
6図のTp付近まで低下した時点の第2磁性層14の温度を
T2r1とすると、前述した放熱速度の差から T2r0<T2r1 となる。
即ち、高レベルR1のレーザビーム20を照射した場合の
方が、第1磁性層13の温度がTp付近である際の第2磁性
層14の温度は高くなる。交換結合力は磁性層が高温にな
ると減少する傾向があることを考え合わせると、高レベ
ルR1のレーザビーム20を照射した場合の交換結合力は小
さくなる。従って、第6図における第1磁性層13の反転
磁界の温度変化に実線と破線の差が生じるのである。
そして、これが温度に対する磁化のヒステリシスの原
因となり、オーバーライトを可能にしている。
「例1」 光磁気記録情報担体11はガラス基板2上にスパッター
法等で例えば、 第1磁性層13:Tb23Fe72Co5 膜厚 500Å) 第2磁性層14:Gd14Tb14Co72 膜厚1500Å) のフェリ磁性体を順に積層して得られ、磁性層は交換力
で結びついている。
第1磁性層13のキュリー温度は180℃程度であり、第
2磁性層14は室温から250℃まで1kOe以上の磁化反転磁
界を有し、第2磁性層は動作温度範囲内では磁化反転を
起こさない。第1磁性層13は150℃程度で交換力が保磁
力より大きくなり、交換力と保磁力の差が最も大きくな
る場合にその差は磁界にして1kOe程度である。
磁界発生装置18は、常に一定方向に約1kOeの磁界を発
生している。光磁気記録情報担体11を第2磁性層14の反
転磁界以上の磁界に曝すなどして第2磁性層14を最初に
一度だけ例えば上向きに一様に磁化させておく。この時
点の磁界発生装置18の発生磁界方向は上向きになってお
り、第1磁性層13と第2磁性層14とは前述の関係を有し
ている。
以上のように構成された光磁気記録情報担体11におい
ては、前記動作によりレーザ強度のみを変調することに
より、光変調ダイレクトオーバーライトが可能である。
具体的には、線速6m/secでピット長0.8〜5μmの信
号を磁界発生装置18の発生磁界を1000Oe,レーザパワー
をピークパワーは16mW,ボトムパワーは5mWにそれぞれ光
変調して消去比25dB以上の特性が得られた。再生時のレ
ーザパワーは1.5mWで行った。
「例2〜8」 第1磁性層13のキュリー温度近傍で第2磁性層14の保
磁力が充分に大きければよく、両磁性層13,14をスパッ
ター法でガラス基板2に積層して「例1」と同様に第1
表に示すような種々の光磁気記録情報担体を得た。
各々、第1表に示した光磁気記録情報担体を用い、線
速6m/secの場合、第2表に示すように光変調する他は
「例1」と同様にして、それぞれ消去比20dB以上及び最
適パワーで23〜35dB程度の特性が得られ、「例1」と同
様の光変調ダイレクトオーバーライトが可能であった。
「例9」 更に他の例の光磁気記録情報担体としては、遷移金属
と希土類金属とのフェリ磁性を示すアモルファス合金が
適切であり、例えば 第1磁性層 Tb23Fe67Co10 (膜厚 500Å) 第2磁性層 Gd12Tb12Co76 (膜厚1500Å) の組成・膜厚の組み合わせで「例1」と同様にして良好
なオーバーライトが達成できる。
なお、各磁性層は、DyFeCo,TbCo,TbFe/GdCo,GdDyCo,T
bDyCo,DyCo等のフェリ磁性体で構成してもよく、動作領
域で磁化反転しない第2磁性層14と第1磁性層13とが室
温付近でのみ関与させる磁性層が光磁気記録情報担体11
に含まれても良く、また信号品質向上,磁性層の酸化腐
食低減のため誘電層が含まれていても良い。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、第5図(a)では省略しているが、光磁気
記録情報担体11上への情報の記録は実際には光磁気記録
情報担体11上に同心円状または螺旋状に形成されたトラ
ックに沿って行われる。
第8図はトラックの構成を示す模式的平面図である。
即ち、トラックはその中央部の凸状のランド部52とラン
ド部52の両側に延在する溝部51とにて構成されており、
各トラックのランド部52はそれぞれ溝部51を介して隣り
合っている。
このような光磁気記録情報担体11上のトラックへの情
報記録に際しては、中レベルR0と高レベルR1との二つの
強度のレーザビームが使用されるが、高出力(高パワ
ー)である高レベルR1にて記録した場合は光磁気記録情
報担体11のトラック上に形成されるマークは、第8図に
“H"を付して示すように、光磁気記録情報担体11の径方
向(図上で上下方向)に拡大する。
一方、低出力(低パワー)である中レベルR0にて記録
した場合は、“L"を付して示すように光磁気記録情報担
体11のトラック上に形成される低パワーマークは光磁気
記録情報担体11の径方向にさほど拡大することはない。
第9図は高パワーマーク53が一旦記録されている上に
低パワーマークをオーバーライトした状態を示してい
る。即ち、ランド部52の両側の溝部51へはみ出している
高パワーマーク53上を低パワーマークにてオーバーライ
トすると、加熱領域が狭いためにランド部52の両側の溝
部51に高パワーマーク53の消し残り部55が発生する。な
お、参照符号56にて示されている矢符の長さは低パワー
マークの幅を示している。
ところで、第9図の模式図は高パワーマーク53及びこ
れにオーバーライトされる低パワーマークの双方の中心
が正しくランド部52の中心に一致した状態で記録されて
いる場合を示している。即ち、トラック(ランド部52)
の中心線に対する位置ズレの制御誤差を意味するトラッ
クオフセットが“0"の状態を示している。
第10図は上述のトラックオフセットが“0"でない場合
を示す模式図である。
ここでは高パワーマーク53はトラックオフセットが
“0"で記録されているが、その上にオーバーライトされ
ている低パワーマークは参照符号59にて示す幅のトラッ
クオフセットにてランド部52上に記録されている。即
ち、参照符号58にて示されている二点破線がトラック中
心線(ランド部52の中心でもある)であり、参照符号57
にて示されている一点破線が低パワーマークの中心線で
あり、両者の間隔がトラックオフセット59である。
ところで、トラックオフセット59が一定値以上になる
と、低パワーマークにより消去された後の高パワーマー
ク53の消し残り部55がランド部52上に大きく残存するこ
とになる。第10図はそのような状況を示す模式図であ
り、低パワーマークが図上で大きく下側へオフセットし
ているため、図上で上側り消し残り部55がランド部52上
に大きく残されている。
この第10図に示されている如く、ランド部52上に高パ
ワーマーク53の消し残り部55が大きく残された場合に
は、実際には低パワーマークに対応した情報が記録され
ているはずであるにも拘わらず、消し残り部55の影響で
高パワーマーク53に対応した情報が記録されているよう
に光磁気記録情報担体11から情報が読出される可能性が
あるという問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、高パワーマーク上を低パワーマークでオーバーライ
トした場合の消し残りによる信号の誤認識を回避し得る
光磁気記録情報担体の情報記録方法の提供を目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の光磁気記録情報担体の情報記録方法では、情
報記録に使用される2種類の強度の光ビームの内、比較
的小出力である光ビームにより形成されるマークの幅を
トラックのランド幅と光ビームのトラック中心に対する
位置制御の最大誤差、即ちトラックオフセットの最大値
との和以上として情報をオーバーライトする。
〔作用〕
本発明の光磁気記録情報担体の情報記録方法によれ
ば、オーバーライトの際にトラックオフセットが発生し
ても、比較的小出力の光ビームによるマークがトラック
のランド部分の全域に形成されるので、先にランド部に
記録されているマークは完全にオーバーライトされる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述
する。
第1図は本発明に係る光磁気記録情報担体の情報記録
方法による情報の記録状態を示す模式図である。
ここでは、低パワーマークのトラック上における記録
幅はランド部52の幅とトラックオフセット59の最大値と
の和以上になるように設定されている。
この場合、高パワーマーク53もたとえば第8図に示し
たよりは幅が大きくなるが、ランド部52の両側の溝部51
内に納まっている限りは問題はない。
第1図では、高パワーマーク53上へトラックオフセッ
ト59が“0"で低パワーマークがオーバーライトされてい
る状態が示されている。この場合には、低パワーマーク
(Lを付して示す領域)はランド部52の両側の溝部51そ
れぞれへトラックオフセットの最大値の1/2ずつはみ出
している。従って、情報の読出しに際してはトラックの
ランド部52上には消し残り部55は存在しないので誤認識
は全く生じる可能性がない。
第2図では、高パワーマーク53上へトラックオフセッ
ト59が最大の状態で低パワーマークがオーバーライトさ
れている状態が示されている。この場合には、低パワー
マークはランド部52の一方の溝部51へはトラックオフセ
ットの最大値分はみ出し、他方へは丁度ランド部52と溝
部51との境界までになる。従って、トラックのランド部
52上にはやはり消し残り部55は存在しないので情報の読
出しに際して誤認識は全く生じる可能性がない。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
ここでは、第3図に示すような4層の磁性層にて構成
される光磁気記録情報担体を使用する。
この光磁気記録情報担体11は、たとえばガラス等の基
板2上にたとえばスパッタ法等で誘電体層81,記録層と
しての第1磁性層13,記録補助層としての第2磁性層14,
制御層としての第3磁性層83,初期化層としての第4磁
性層84及び保護層82を順次積層形成してある。
各層の材質及び層厚は以下の如くである。
誘電体層 :SiNx : 65nm 第1磁性層:Tb22Fe69Co9 : 80nm 第2磁性層:Gd8Dy17Fe60Co15 :150nm 第3磁性層:Tb30Fe84 : 20nm 第4磁性層:Tb30Co70 : 40nm 保護層 :SiNx : 70nm これらの各磁性層13,14,83,84の特性は以下の如くで
ある。
それぞれ隣接する磁性層は交換力で結合している。
第1磁性層13は情報の記録及び保持を行う。
第2磁性層14,第3磁性層83及び第4磁性層84は情報
媒体の役割はせず、光変調ダイレクトオーバーライトを
可能にするために付加された層であり、第4磁性層84は
レーザビームの照射による温度上昇に対して動作範囲内
では副格子磁化の反転は生ぜず、磁界発生装置18による
バイアス磁界と拮抗する作用を有する初期化層である。
第3磁性層83は第4磁性層84からの交換力を高温で遮
断するための制御層である。
Tciを第i磁性層のキュリー温度,Hciを第i磁性層の
反転磁界の半分の磁界幅(保持力に相当する),Hwiを隣
接する磁性層から第i磁性層が受ける交換力とすると、
各磁性層13,14,83,84の磁気特性は以下の(a)〜
(g)式の如くになる。
なお、交換力とは第i磁性層のループの遷移幅であっ
て、第2磁性層14及び第3磁性層83については第4図に
示す如き磁化反転に対して定義する。
Tc4>(Tcomp4)>Tc2>Tc1 >(Tcomp2)>Tc3>室温…(a) 第1磁性層:Hw1<Hc1;〜室温…(b) Hw1>Hc1;〜Tc1 …(c) 第2磁性層:Hw2>Hc2;〜Tc3 …(d) Hw2<Hc2;〜Tc1 …(e) 第3磁性層:Hw3>Hc3;〜Tc3 …(f) 第4磁性層:Hw4>Hc4;〜動作温度範囲内(g) (b)は室温で第1磁性層13の磁化が第2磁性層14の
磁化反転によっては反転せず、(d),(f)及び
(g)は記録後に室温で第2磁性層14,第3磁性層83及
び第4磁性層84の磁化方向が下向き(保護層82方向向
き)に揃っていることを示す。
本発明の光磁気記録情報担体の情報記録方法をこのよ
うな4層の磁性層を有する光磁気記録情報担体11を使用
して実施した場合には、前述の2層の磁性層を使用する
実施例では光スポットの位置ずれ及び光強度(レーザパ
ワー)の変動により発生するマークの消し残りが再生信
号に大きな悪影響を与える可能性があるのに比して、消
し残りが排除されて安定な記録,再生が可能になる。
〔発明の効果〕
以上に詳述した如く、本発明の光磁気記録情報担体の
情報記録方法によれば、高パワーマークが記録されてい
る上へ低パワーマークをオーバーライトした場合にも、
ランド部材には消し残り部が全く生じないので情報の読
出しに際して誤認識が生じることはなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明に係る光磁気記録情報担体の
情報記録方法を説明するための模式図であり、第1図は
トラックオフセットが“0"である場合を、第2図はトラ
ックオフセットが最大である場合をそれぞれ示し、第3
図は本発明の他の実施例に使用される4層の磁性層を有
する光磁気記録情報担体の構成を示す模式的側断面図、
第4図は磁性層相互の交換力の説明図、第5図(a)は
本発明の適用対象である光磁気記録情報担体及びその情
報の読出し装置の要部を示す模式図、同(b)は光磁気
記録情報担体の周方向に沿う部分断面図、同(c)は光
磁気記録情報担体に対する情報記録用のレーザビームの
パワー変化の特性を示すグラフ、第6図は本発明の適用
対象の光磁気記録情報担体の第1磁性層の反転磁界の温
度変化の特性を示すグラフ、第7図は光磁気記録情報担
体のレーザビームの強度とレーザスポット内での磁性膜
の温度変化との関係を示すグラフ、第8図乃至第10図は
従来の光磁気記録情報担体の情報記録方法の説明のため
の模式図である。 11……光磁気記録情報担体、20……レーザビーム、51…
…溝部、52……ランド部、53……高パワーマーク、55…
…消し残り部、56……低パワーマークの幅、57……低パ
ワーマークの中心、58……トラック(ランド部)の中
心、59……トラックオフセット なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
フロントページの続き (72)発明者 田中 邦麿 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者 渡辺 勢夫 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者 堤 和彦 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (56)参考文献 特開 平1−112505(JP,A) 特開 平1−119942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁気異方性を有する少なくとも2層の
    磁性層が積層され、前記2層の磁性層の内の1層の磁化
    方向が一定方向に維持されて情報の記録・再生時に磁化
    反転しない光磁気記録情報担体上に形成され、情報が記
    録されるべきランド部とその両側に延在する溝部とによ
    り構成されるトラックに2種類の強度の光ビームを照射
    することによりそれぞれに対応する2種類の情報をオー
    バーライトして記録する光磁気記録情報担体の情報記録
    方法において、 前記光ビームの内の強度が小さい方の光ビームの幅をト
    ラックのランド幅と光ビームのトラック中心に対する位
    置制御の最大誤差との和以上として情報を記録すること
    を特徴とする光磁気記録情報担体の情報記録方法。
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