JPH0756277A - 染料固体微粒子分散物の調製方法および該分散物を含むハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

染料固体微粒子分散物の調製方法および該分散物を含むハロゲン化銀感光材料

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JPH0756277A
JPH0756277A JP20539693A JP20539693A JPH0756277A JP H0756277 A JPH0756277 A JP H0756277A JP 20539693 A JP20539693 A JP 20539693A JP 20539693 A JP20539693 A JP 20539693A JP H0756277 A JPH0756277 A JP H0756277A
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Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
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Abstract

(57)【要約】 【目的】処理時の脱色性と保存時の固定性の両方を満足
し、且つ光吸収特性に優れた染料固体微粒子分散物の調
製方法及び該染料分散物を用いたハロゲン化銀感光材料
を提供する。 【構成】染料の固体微粒子分散物を調製するに当たり、
多価イオンを存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀感光材料に
関し、特に感材層中に良好に含有され、優れた光吸収特
性を有し、且つ現像処理時に残色汚染を生じないように
脱色され得る新規な染料固体微粒子分散物の調製方法及
び該染料分散物を含むハロゲン化銀感光材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料において、特
定の波長の光を吸収させる目的で、写真乳剤層その他の
親水性コロイド層を着色することがしばしば行われる。
写真乳剤層に入射すべき光の分光組成を制御することが
必要なとき、通常写真乳剤層よりも支持体から遠い側に
着色層が設けられる。このような着色層はフィルター層
と呼ばれる。写真乳剤層が複数である場合には、フィル
ター層がそれらの中間に位置することもある。
【0003】写真乳剤層を通過する際あるいは透過後に
散乱された光が、乳剤層と支持体の界面あるいは乳剤層
と反対側の感光材料の表面で反射されて再び写真乳剤層
中に入射することにもとずく画像のボケすなわちハレー
ションを防止することを目的として、ハレーション防止
層と呼ばれる着色層を設けることが行われる。写真乳剤
層が複数ある場合には、それらの層の中間にハレーショ
ン防止層がおかれることもある。写真乳剤層中での光の
散乱にもとづく画像鮮鋭度の低下(この現象は一般にイ
ラジエーションと呼ばれている)を防止するために、写
真乳剤層を着色することも行われている。
【0004】これらの着色すべき親水性コロイド層には
通常、染料を含有させる。この染料は、下記のような条
件を満足することが必要である。 (1) 使用目的に応じた適正な分光吸収を有すること。 (2) 写真化学的に不活性であること。すなわちハロゲン
化銀写真乳剤層の性能に化学的な意味での悪影響、たと
えば感度の低下、潜像退行、またはカブリ等を与えない
こと。 (3) 写真処理過程において脱色されるか、または処理液
中もしくは水洗中に溶出して、処理後の写真感光材料上
に有害な着色を残さないこと。 (4) 染着された層から他の層へ拡散しないこと。 (5)溶液中あるいは写真材料中での経時安定性に優れ、
変退色しないこと。
【0005】特に、着色層がフィルター層である場合、
あるいは支持体の写真乳剤層と同じ側におかれたハレー
ション防止層である場合には、それらの層が選択的に着
色され、それ以外の層に着色が実質的に及ばないように
することを必要とすることが多い。なぜなら、そうでな
いと、他の層に対して有害な分光的効果を及ぼすだけで
なく、フィルター層あるいはハレーション防止層として
の効果も減殺されるからである。また、イラジエーショ
ンを防止する場合でも、目的とする乳剤層のみを選択的
に染色することは他層に対して同様な悪影響を及ぼすこ
となく、しかも望みとする機能を十分に発揮させるため
に必要となる。しかし、染料を加えた層と他の親水性コ
ロイド層とが湿潤状態で接触すると、染料の一部が前者
から後者へ拡散することがしばしば生ずる。このような
染料の拡散を防止するために従来より多くの努力がなさ
れてきた。
【0006】たとえば、解離したアニオン性染料と反対
の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共存さ
せ、染料分子との相互作用によって染料を特定層に局在
化させる方法が、米国特許2,548,564号、同
4,124,386号、同3,625,694号等に開
示されている。また、染料が吸着した金属塩微粒子を用
いて特定層を染色する方法が米国特許2,719,08
8号、同2,496,841号、同2,496,843
号、特開昭60−45237号等に開示されている。ま
た水に不溶性の染料固体を用いて特定層を染色する方法
が、特開昭55−120030号、同56−12639
号、同55−155350号、同55−155351
号、同63−27838号、同63−197943号、
同52−92716号、欧州特許公開15601号、同
323729号、同274723号、同276566
号、同299435号、国際公開88/04794号等
に開示されている。
【0007】しかしながら、水に不溶の染料固体を用い
て特定層を染色する方法を用いてもなお、ハロゲン化銀
感光材料中において固定が十分に行われずに他の層に拡
散して写真性能上悪影響を引き起こしたり、保存中に解
離溶解が進み、色相が変化したりすることが起こり問題
になっていた。さらには、この染料固体分散物の光吸収
特性が溶液吸収特性と異なり、しばしば短波化して必要
とした長波吸収が欠如したり、単位重量当たりの吸光度
(カバリングパワー)が低く多量の染料を感材中に添加
する必要が生じる結果、写真性能上の弊害を引き起こし
たり、コストアップとなってしまうという問題もあっ
た。
【0008】前者の固定性に関する問題の改良として、
固体微粒子状染料分散物を含む親水性コロイド層に多価
金属イオンを添加する技術が特開平5−27370号に
開示されており、これによって染料の固定性が不十分な
ことによって生じる問題は改善されたが、吸収特性の問
題については未解決のまま残されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、保存時の固定性と処理時の脱色性の両方を満足する
染料の固体微粒子分散物を用いることで、保存性に優
れ、写真感度を損なうことなく鮮鋭度に優れた写真材料
を提供することにある。本発明の第2の目的は、光吸収
特性に優れた染料の固体微粒子分散物を用いることで、
染料によって引き起こされる悪作用がなく、低コストな
ハロゲン化銀感光材料を提供することにある。本発明の
第3の目的は、光吸収特性と固定性/脱色性に優れた染
料の固体微粒子分散物の調製方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて検討を行った結果、次の手段により解決されるこ
とを見いだした。 支持体上に固体微粒子分散状態の染料を有するハロゲ
ン化銀感光材料において、染料微粒子分散物を調製する
際に多価イオンを存在させることを特徴とするハロゲン
化銀感光材料。 染料の固体微粒子分散物を調製するに当たり、多価イ
オンを存在させることを特徴とするハロゲン化銀感光材
料用染料固体微粒子分散物の調製方法。 多価イオンが多価金属イオンであることを特徴とする
の調製方法。 本発明における固体微粒子分散物として使用される染料
は国際公開WO88/04794号の表I〜表X、以下
に示す一般式(I)〜(VII)、及びその他が用いられ
る。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】(式中、A及びA′は同じでも異なってい
てもよく、各々酸性核を表し、Bは塩基性核を表し、X
及びYは同じでも異なっていてもよく、各々電子吸引性
基を表す。Rは水素原子又はアルキル基を表し、R1
びR2 は各々アルキル基、アリール基、アシル基又はス
ルホニル基を表し、R1 とR2 が連結して5又は6員環
を形成してもよい。R3 及びR6 は各々水素原子、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基
又はハロゲン原子を表し、R4 及びR5 は各々水素原子
又はR1 とR4 もしくはR2 とR5 が連結して5又は6
員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。L1
2 及びL3 は各々メチン基を表す。mは0又は1を表
し、n及びqは各々0、1又は2を表し、pは0又は1
を表し、pが0のとき、R3 はヒドロキシ基又はカルボ
キシル基を表し且つR4 及びR5は水素原子を表す。
B′はカルボキシル基、スルファモイル基、又はスルホ
ンアミド基を有するヘテロ環基を表す。Qはヘテロ環基
を表す。但し、一般式(I)ないし(VII)で表される化
合物は、1分子中に水とエタノールの容積比が1対1の
混合溶液中に於けるpKaが4〜11の範囲にある解離
性基を少なくとも1個有する。)
【0014】まず、一般式(I)ないし(VII)で表され
る化合物について詳しく説明する。A又はA′で表され
る酸性核は、好ましくは2−ピラゾリン−5−オン、ロ
ダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オ
キサゾリジンジオン、イソオキサゾリジノン、バルビツ
ール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ピラゾ
ロピリジン又はヒドロキシピリドンを表す。Bで表され
る塩基性核は、好ましくはピリジン、キノリン、インド
レニン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオ
キサゾール又はピロールを表す。B′のヘテロ環の例と
しては、ピロール、インドール、チオフェン、フラン、
イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、
カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、イン
ドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジア
ジン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾ
キノリジン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロ
ロピリダジン、テトラゾールなどがある。Qで表わされ
るヘテロ環は、好ましくはベンゾ縮環していてもよい5
員のヘテロ環であり、より好ましくはベンゾ縮環してい
てもよい5員の含窒素ヘテロ環である。Qのヘテロ環の
例としては、ピロール、インドール、ピラゾール、ピラ
ゾロピリミドン、ベンゾインドールなどがある。
【0015】水とエタノールの容積比が1対1の混合溶
液中におけるpKa(酸解離定数)が4〜11の範囲に
ある解離性プロトンを有する基は、pH6又はpH6以
下で実質的に色素分子を水不溶性にし、pH8又はpH
8以上で実質的に色素分子を水溶性にするものであれ
ば、種類及び色素分子への置換位置に特に制限はない
が、好ましくは、カルボキシル基、スルファモイル基、
スルホンアミド基、ヒドロキシ基でありより好ましいも
のはカルボキシル基である。解離性基は色素分子に直接
置換するだけでなく、2価の連結基(例えばアルキレン
基、フェニレン基)を介して置換していてもよい。2価
の連結基を介した例としては、4−カルボキシフェニ
ル、2−メチル−3−カルボキシフェニル、2,4−ジ
カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、
3−カルボキシフェニル、2,5−ジカルボキシフェニ
ル、3−エチルスルファモイルフェニル、4−フェニル
スルファモイルフェニル、2−カルボキシフェニル、
2,4,6−トリヒドロキシフェニル、3−ベンゼンス
ルホンアミドフェニル、4−(p−シアミベンゼンスル
ホンアミド)フェニル、3−ヒドロキシフェニル、2−
ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−ヒ
ドロキシ−4−カルボキシフェニル、3−メトキシ−4
−カルボキシフェニル、2−メチル−4−フェニルスル
ファモイルフェニル、4−カルボキシベンジル、2−カ
ルボキシベンジル、3−スルファモイルフェニル、4−
スルファモイルフェニル、2,5−ジスルファモイルフ
ェニル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3
−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、8−カ
ルボキシオクチル等を挙げることができる。
【0016】R、R3 又はR6 で表わされるアルキル基
は炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソアミル、n−オクチ
ル等の基を挙げることができる。R1 、R2 で表される
アルキル基は炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチ
ル、n−オクタデシル、イソブチル、イソプロピル)が
好ましく、置換基〔例えば、塩素臭素等のハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、ア
ルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、
i−プロポキシカルボニル)、アリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ基)、フェニル基、アミド基(例えば、
アセチルアミノ、メタンスルホンアミド)、カルバモイ
ル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル)、スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイル)〕を有していても良い。
1 又はR2 で表わされるアリール基はフェニル基、ナ
フチル基が好ましく、置換基〔置換基としては上記のR
1 及びR2 で表わされるアルキル基が有する置換基とし
て挙げた基及びアルキル基(例えばメチル、エチル)が
含まれる。〕を有していても良い。
【0017】R1 又はR2 で表わされるアシル基は炭素
数2〜10のアシル基が好ましく、例えば、アセチル、
プロピオニル、n−オクタノイル、n−デカノイル、イ
ソブタノイル、ベンゾイル等の基を挙げることができ
る。R1 又はR2 で表わされるアルキルスルホニル基も
しくはアリールスルホニル基としては、メタンスルホニ
ル、エタンスルホニル、n−ブタンスルホニル、n−オ
クタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエン
スルホニル、o−カルボキシベンゼンスルホニル等の基
を挙げることができる。R3 又はR6 で表わされるアル
コキシ基は炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく例
えばメトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、n−オクトキ
シ、2−エチルヘキシルオキシ、イソブトキシ、イソプ
ロポキシ等の基を挙げることができる。R3 又はR6
表わされるハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素を
挙げることができる。R1 とR4 又はR2 とR5 が連結
して形成される環としては、例えばジュロリジン環を挙
げることができる。R1 とR2 が連結して形成される5
又は6員環としては、例えばピペリジン環、モルホリン
環、ピロリジン環を挙げることができる。L1 、L2
はL3 で表わされるメチン基は、置換基(例えばメチ
ル、エチル、シアノ、フェニル、塩素原子、ヒドロキシ
プロピル)を有していても良い。
【0018】X又はYで表わされる電子吸引性基は同じ
でも異っていてもよく、シアノ基、カルボキシ基、アル
キルカルボニル基(置換されてよいアルキルカルボニル
基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ヘプタノ
イル、ドデカノイル、ヘキサデカノイル、1−オキソ−
7−クロロヘプチル)、アリールカルボニル基(置換さ
れてよいアリールカルボニル基であり、例えば、ベンゾ
イル、4−エトキシカルボニルベンゾイル、3−クロロ
ベンゾイル)、アルコキシカルボニル基(置換されてよ
いアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
t−アミルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニ
ル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、オクチルオ
キシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ドデシルオ
キシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル、オク
タデシルオキシカルボニル、2−ブトキシエトキシカル
ボニル、2−メチルスルホニルエトキシカルボニル、2
−シアノエトキシカルボニル、2−(2−クロロエトキ
シ)エトキシカルボニル、2−〔2−(2−クロロエト
キシ)エトキシ〕エトキシカルボニル)、アリールオキ
シカルボニル基(置換されてよいアリールオキシカルボ
ニル基であり、例えば、フェノキシカルボニル、3−エ
チルフェノキシカルボニル、4−エチルフェノキシカル
ボニル、4−フルオロフェノキシカルボニル、4−ニト
ロフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカル
ボニル、2,4−ジ−(t−アミル)フェノキシカルボ
ニル)、カルバモイル基(置換されてよいカルバモイル
基であり、例えば、カルバモイル基エチルカルバモイ
ル、ドデシルカルバモイル、フェニルカルバモイル、4
−メトキシフェニルカルバモイル、2−ブロモフェニル
カルバモイル、4−クロロフェニルカルバモイル、4−
エトキシカルボニルフェニルカルバモイル、4−プロピ
ルスルホニルフェニルカルバモイル、4−シアノフェニ
ルカルバモイル、3−メチルフェニルカルバモイル、4
−ヘキシルオキシフェニルカルバモイル、2,4−ジ−
(t−アミル)フェニルカルバモイル、2−クロロ−3
−(ドデシルオキシカルバモイル)フェニルカルバモイ
ル、3−(ヘキシルオキシカルボニル)フェニルカルバ
モイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、
フェニルスルホニル)、スルファモイル基(置換されて
よいスルファモイル基であり、例えば、スルファモイ
ル、メチルスルファモイル)を表わす。
【0019】これらの染料のうち特に好ましいものは一
般式(III)に含まれる、少なくとも2個のカルボキシル
基を遊離酸の形で含有している一般式(III−A)で表わ
されるピラゾロンオキソノール染料である。 (III−A)
【0020】
【化3】
【0021】式中R1 およびR2 の各々はアルキル基、
置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはC
OOR基を表わし、Rは水素原子、アルキル基またはア
リール基を表わし、nは0、1または2を表わし染料分
子中に少なくとも2個のカルボキシル基を遊離酸の形で
含有している。
【0022】本発明に用いられる染料の具体例は国際特
許WO88/04794号、欧州特許公開EP0274
723A1号、同21513号、同15601号、同2
76,566号、同299,435号、特開昭52−9
2716号、同55−155350号、同55−155
351号、同61−205934号、特開平3−234
41号、同4−37740号、同4−127143号、
同3−23441号、同2−282244号、同2−2
77044号、同3−192157号、同3−1393
7号、同2−173630号、米国特許第252758
3号、同3486897号、同3746539号、同3
933798号、同4857446号、特願平1−50
874号、同1−103751号、同1−307363
号等に記載されており、合成法もこれらに記載されてい
る。
【0023】本発明において染料の固体微粒子分散物を
調製する際に使用する多価イオンは2価ないし3価のカ
チオンが好ましく、有機カチオンでは下記の(化4)、
(化5)、(化6)に示されるような4級アンモニウ
ム、グアニジニウム、アミジニウムなどのカチオンのビ
スないしトリス体(これらは、特開昭57−12509
1号、同63−316760号、特開平1−68746
号に記載された既知化合物である)、無機カチオンでは
写真作用が少なく環境に対し悪影響が少ないカルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、アルミ
ニウム、などの多価金属イオンが好ましい例として挙げ
られる。特に、多価金属イオンが好ましく、なかでもカ
ルシウム、マグネシウムが特に好ましい。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】本発明において多価イオンを存在させる染
料固体微粒子分散物の調製方法については、種々のもの
を用いることができる。例えば、ミルを用いて機械的
に分散する方法、染料を塩の形で水に溶解させ、つい
で酸を加えて微粒子を析出させる方法、染料を水に混
和できる有機溶剤に溶解させ、その溶液を過剰の水と混
ぜ微粒子を析出させる方法などがある。これらのいずれ
の場合にも本発明は有効である。例えばミルを用いて分
散するの場合、湿式分散においてはその分散媒体中に
多価イオンを存在させることが出来るし、乾式分散の場
合には多価イオンの塩を固体状で添加して分散すれば良
い。の場合には染料をあらかじめ溶解させる媒体
(水)に多価イオンを存在させても良いし、あるいは加
える酸の中に多価イオンを存在させても良い。の場合
には用いる過剰の水の中に多価イオンを存在させること
が出来る。
【0028】上記のように染料固体微粒子分散物をどの
ような方法で調製する場合においても多価イオンを調製
する工程の、どの段階に存在させても本発明の目的達成
に有効である。本発明の作用原理については十分には解
明されていないが、分散中に染料と多価イオンとの間で
水不溶性の塩が一部生成し、このものが、固定性が良く
吸収特性にも優れた分散物を与える何らかの役割を果た
していると推測している。
【0029】染料固体微粒子分散物の調製の際に存在さ
せる多価イオンの量は、染料の一部が多価イオンとイオ
ン対を形成できる量であれば任意の量を用いることが出
来る。この場合、好ましくは染料の0.5%から70
%、より好ましくは1%から50%が多価イオンとイオ
ン対を形成し得る量であることが望ましい。
【0030】染料固体微粒子分散物の調製は、分散用界
面活性剤やゼラチンなどの保護コロイドの存在下で調製
するのが望ましい。また、ハロゲン化銀乳剤、あるいは
乳化物あるいは重合体ラテックスあるいはその他のハロ
ゲン化銀写真感光材料の作成に必要な化合物の存在下で
調製することができる。
【0031】分散体中の本発明の染料は、平均粒径が1
0μm以下、より好ましくは1μm以下であり、特に好
ましくは0.01μm以上0.5μm以下である。
【0032】本発明の染料は、効果のある任意の量を使
用できるが、光学濃度が0.05乃至3.0の範囲にな
るように使用するのが好ましい。添加量としては0.5
mg/m2〜1000mg/m2が好ましく、より好ましくは1
mg/m2〜500mg/m2である。添加時期は塗布される前
のいかなる工程でもよい。一般式(I)で表される化合
物は、乳剤層やその他の親水性コロイド層(中間層、保
護層、アンチハレーション層、フィルター層等)の何れ
にも用いることが出来、単一の層に用いても複数の層に
用いてもよい。
【0033】親水性コロイドとしては、ゼラチンが代表
的なものであるが、その他写真用に使用しうるものとし
て従来知られているものはいずれも使用できる。本発明
に使用されるハロゲン化銀乳剤は、臭化銀、沃化銀、沃
臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀が好まし
い。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、立方体、
八面体のような規則的(regular) な結晶形を有するも
の、球状、板状などのような変則的(irregular)な結晶
形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複合形をもつ
ものである。また種々の結晶形の粒子の混合から成るも
のも使用できるが、規則的な結晶形を使用するのが好ま
しい。ハロゲン化銀粒子、写真乳剤、その製法、結合剤
または保護コロイド、硬膜剤、増感色素、安定化剤また
はカブリ防止剤等については特開平3−238447号
公報(18)頁左下欄18行目〜同公報(20)頁左下
欄17行目に記載の内容をそのまま本願発明に適用でき
る。
【0034】本発明の感光材料は塗布助剤、帯電防止、
スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性改良
(たとえば現像促進、硬調化、増感)などの種々の目的
で一種以上の界面活性剤を含んでもよい。本発明を用い
て作られた感光材料は、フィルター染料として、または
イラジェーションもしくはハレーション防止その他種々
の目的のために親水性コロイド層中に本発明以外の染料
を含有してもよい。このような染料として、オキソノー
ル染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシ
アニン染料、アントラキノン染料、アゾ染料が好ましく
使用され、この他にシアニン染料、アゾメチン染料、ト
リアリールメタン染料、フタロシアニン染料も有用であ
る。これらの染料は水溶性の場合には水に溶解して添加
することができ、水に溶けにくい場合には固体微粒子分
散体として添加することができる。油溶性染料を水中油
滴分散法により乳化して親水性コロイド層に添加するこ
ともできる。
【0035】多層多色写真感光材料、支持体、写真乳剤
層の塗布方法、感光材料の露光手段、感光材料の写真処
理等については特開平3−238447号公報(20)
頁右下欄14行目〜同公報(27)頁右上欄2行目まで
の記載の内容を適用することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1 下記染料を以下の(1)〜(5)の方法により分散固体
とし、下塗りした180μポリエチレンテレフタレート
透明支持体上に、下記に示す染料の分散固体0.07
g/m2、ゼラチン3g/m2および硬膜剤として1,2−
ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン0.06
g/m2を塗布したフィルムを作製した。 (1) 水21.7mlおよびTritonX−200界面活性剤
(TX−200)(Rohm& Haas社製)の6.7%溶液
2.65gとを60mlネジブタ瓶に入れた。染料の1.
0gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(Zr
O)のビーズ40ml(2mm径)を添加しふたをしっかり
しめたのちミルに置き4日間分散したのち12.5%ゼ
ラチン水溶液と混合し、泡を除去し、濾過してビーズを
除き分散物Aを得た。 (2) 上記(1)において、塩化カルシウム1.0gを添
加してミル分散する以外は同様に操作して分散物Bを得
た。 (3) 10%ゼラチン水溶液72gに水108ml、Triton
X−200界面活性剤6.7%溶液を1.5mlおよび1
規定のクエン酸水溶液0.5mlを加え40℃で攪拌して
いる中へ、一方のチューブより1規定のクエン酸を7ml
もう一方のチューブより7gの染料を1規定の炭酸ナト
リウム水溶液に溶かした染料溶液を5mlを同時に、いず
れも毎分5mlのスピードで添加して染料の固体分散物C
を得た。 (4) 上記(3)において、染料添加前のゼラチン、Trit
onX−200の水溶液に塩化亜鉛0.6gをあらかじめ
加える以外は同様に操作して分散物Dを得た。 (5) 上記(1)において、下記アミジンのビス体60mg
を添加してミル分散する以外は同様に操作して分散物E
を得た。 (6) 上記(4)において、塩化亜鉛のかわりに塩化マグ
ネシウムを0.5g加える以外は同様に操作して分散物
Fを得た。
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】ゼラチン下塗した透明ポリエチレンテレフ
タレート上に塗布したフィルムの分光吸収スペクトルを
測定し(日立320型分光光度計で測定)、680nm
における吸光度を表1にまとめた。また得られた塗布サ
ンプルを、pH5.0のリン酸緩衝液に1分間浸漬した
のち、流水で10秒間すすいで乾燥し、処理前の吸光度
に対する比率を固定率とし%で表わし表−1に示す。さ
らに塗布サンプルをpH10.0のリン酸緩衝液に亜硫
酸ナトリウムを10g/リットルの割合で溶解した溶液
を、空気バブリング攪拌している中へ45秒間浸漬した
のちpH5のリン酸緩衝液に10秒、引き続いて流水で
10秒すすいで乾燥し、吸光度を測定した。処理前の吸
光度に対する比率を残色率とし%で表わし、同じく表−
1に示した。高pH領域で亜硫酸ナトリウムが存在して
いる条件は一般的に現像液により近い条件であるので、
残色率は低い方が望ましい。
【0040】
【表1】
【0041】表−1から明らかなように、本発明の染料
固体分散物は多価イオンを添加しない分散物と比較し
て、ミルによる機械分散、析出による分散のいずれの場
合にも680nmにおける吸光度が大きく、しかも残色
率を悪化させることなく固定性が向上しているのがわか
る。
【0042】実施例2 実施例1で用いた染料を下記の染料、に替え、実
施例1の(1)及び(2)に従ってミル分散を行なっ
た。実施例1と同様に評価した結果を表−2に示す。た
だし、吸光度は染料では700nm、染料では56
0nmの値で比較した。
【0043】
【化9】
【0044】
【表2】
【0045】染料、、いずれの場合も、本発明の分
散法に従えば吸光度が大きく、しかも残色率を悪化させ
ることなく固定率が向上していることがわかる。
【0046】
【発明の効果】染料の固体微粒子分散物を調製するに当
り、多価イオンを存在させることにより、処理時の脱色
性と保存時の固定性の両方を満足し、且つ光吸収特性に
優れた染料固体微粒子分散物が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料の固体微粒子分散物を調製するに当
    たり、多価イオンを存在させることを特徴とするハロゲ
    ン化銀感光材料用染料固体微粒子分散物の調製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、多価イオンが多価金
    属イオンであることを特徴とする請求項1記載のハロゲ
    ン化銀感光材料用染料固体微粒子分散物の調製方法
  3. 【請求項3】 支持体上に固体微粒子分散状態の染料を
    有するハロゲン化銀感光材料において、染料の固体微粒
    子状分散物を調製する際に多価イオンを存在させること
    を特徴とするハロゲン化銀感光材料。
JP20539693A 1993-08-19 1993-08-19 染料固体微粒子分散物の調製方法および該分散物を含むハロゲン化銀感光材料 Pending JPH0756277A (ja)

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