JP3086100B2 - 写真用支持体及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

写真用支持体及びハロゲン化銀写真感光材料

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JP3086100B2 JP05061771A JP6177193A JP3086100B2 JP 3086100 B2 JP3086100 B2 JP 3086100B2 JP 05061771 A JP05061771 A JP 05061771A JP 6177193 A JP6177193 A JP 6177193A JP 3086100 B2 JP3086100 B2 JP 3086100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀感光材料に
関し、特に迅速処理可能で染料層を有するハロゲン化銀
感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料において、特
定の波長域の光を吸収させる目的で、写真乳剤層または
その他の層を着色することがしばしば行なわれる。写真
乳剤層を通過する際あるいは透過後に散乱された光が、
乳剤層と支持体の界面、あるいは乳剤層と反対側の感光
材料の表面で反射されて再び写真乳剤層中に入射するこ
とにもとづく画像のボケ、すなわちハレーションを防止
することを目的として、写真乳剤層と支持体の間、ある
いは支持体の写真乳剤層とは反対の面に着色層を設ける
ことが行われる。このような着色層はハレーション防止
層と呼ばれる。重層感光材料の場合には、各層の中間に
ハレーション防止層がおかれることもある。さらにX線
感光材料においては、クロスオーバー光を減少させるよ
うなクロスオーバーカットフィルターとして、鮮鋭度向
上のための着色層を設けることもある。
【0003】これらの着色すべき層は、親水性コロイド
から成る場合が多くしたがってその着色のためには通
常、染料を層中に含有させる。この染料は下記のような
条件を満足することが必要である。 (1) 使用目的に応じた適正な分光吸収を有すること。 (2) 写真化学的に不活性であること。つまりハロゲン化
銀写真乳剤層の性能に化学的な意味での悪影響、たとえ
ば感度の低下、潜像退行、あるいはカブリを与えないこ
と。 (3) 写真処理過程において、脱色されるか、溶解除去さ
れて、処理後の写真感光材料上に有害な着色を残さない
こと。
【0004】特に、近年、写真感光材料は撮影枚数の増
加に応えるために、また情報を速く得るという社会情勢
から、できるだけ迅速に現像処理を終了することが望ま
れている。従って、着色層の染料が迅速現像処理を施し
た後に残らないことが必須である。特定の親水性コロイ
ド層の選択的着色のためにはいくつかの方法がある。親
水性コロイド層に染料イオンと反対の荷電をもつ部分を
含む親水性ポリマーを媒染剤として共存させ、これと染
料分子との相互作用(荷電による吸引および疎水性結合
と考えられる)によって、染料を特定層中に局在化する
方法が最も多く用いられる。しかし、媒染の方法を用い
た場合、染料を加えた層と他の親水コロイド層とが湿潤
状態で接触すると、染料の一部が前者から後者へ拡散す
ることがしばしば生ずることがある。このような染料の
拡散は、媒染剤の化学構造に依存することは勿論である
が、用いられた染料の化学構造にも依存するものであ
る。
【0005】また、高分子媒染剤が用いられた場合、写
真処理、特に処理時間の短縮された写真処理の後に、感
光材料上の着色の残留が特に生じ易い。これは、媒染剤
の染料に対する結合力は現像液のようなアルカリ性の液
中ではかなり弱くなるけれども、なお若干の結合力が残
っているため染料あるいは可逆性脱色生成物が媒染剤を
含む層中に残留するからであると考えられる。また染料
を写真感光材料中の特定の層に留める他の手段として特
開昭56−12639号、同55−155350号、同
55−155351号、同52−92716号、同63
−197943号、同63−27838号、同64−4
0827号、ヨーロッパ特許0015601B1号、同
0276566A1号、国際出願公開88/04794
号に開示されているように染料を分散固体で存在させる
ことが提案されている。
【0006】染料を分散固体状態で存在させる方法は前
記の(1) 〜(3) の項目に対し有力な方法である。しか
し、新たに分散工程を設ける必要があり、コストアップ
につながる。また、染料を分子状で用いる媒染等に比べ
単位分子量あたりの吸光度が低くなるなどの欠点を有し
ている。近年、ハロゲン化銀写真感光材料に対し、現像
処理時間の短縮、画質の向上が求められている。画質の
向上に対し、アンチハレーション層、両面感材において
はクロスオーバーカット層を設けることが有力な手段で
ある。しかし、これらの方法は新たに染料層として親水
性コロイド層を増やすことになり、現像処理中での含水
量をふやすことから、乾燥過程に負荷をかけ、処理時間
の短縮とは矛盾することである。この矛盾を解決する方
法として疎水的な支持体とハロゲン化銀乳剤層等の親水
性コロイド層との接着を出す目的で設けられている下塗
層に染料を導入する方法がある。下塗層に固体状態で分
散した染料を導入したところ、ハロゲン化銀乳剤層と下
塗層とは別塗布であるため、ハロゲン化銀乳剤層を塗布
する前の下塗済み支持体の取り扱いで染料がとれ、工程
を汚染するという問題を生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は固体分
散染料を下塗層に導入した際の工程汚染の減少させるこ
とである。さらに鮮鋭度にすぐれ、迅速処理によっても
残色の少ないハロゲン化銀感材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する
写真感光材料において、該支持体上にハロゲン化銀乳剤
層とは別塗布により塗設されたポリマー層及び染料層を
支持体側から順次有し、該染料層は親水性コロイド中に
固体分散染料を含有して成り、該染料粒子はpH6.0
以下では実質的に水不溶性であり、pH8.0以上では
実質的に水溶性であり、染料粒子の球相当平均直径は
1.0μm以下であり、粒子の長さが最大となる該染料
層に垂直な断面における該染料粒子の厚み(t)と長さ
(D)の比(D/t)の平均値が8以上である事を特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料により達成された。本
発明の染料層に用いられる親水性コロイドとしては、ゼ
ラチン、フタル化ゼラチン、マレイン化ゼラチンなどの
アシル化ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリ
ル酸、メタクリル酸もしくはアミドなどをゼラチンにグ
ラフトさせたグラフト化ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニル
ピロリドン、コポリ−ビニルピロリドン−酢酸ビニル、
カゼイン、アガロース、アルブミン、アルギン酸ソー
ダ、ポリサッカライド、寒天、でんぷん、グラフトでん
ぷん、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンアシル
化、あるいはアクリル酸、メタクリル酸アクリルアミ
ド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミ
ドなどの単独もしくは共重合体、あるいはそれらの部分
加水分解物など合成もしくは天然の親水性高分子化合物
が用いられる。これらのものは、単独もしくは混合して
使用できる。好ましくはゼラチンである。
【0009】ハレーション防止層やクロスオーバーカッ
ト層のような着色層を親水性コロイドにより形成する
と、結果として水透過性層の嵩を増すことになり、その
ために現像処理時の乾燥性が悪くなる欠点があり、乳剤
層等の親水性コロイド層と支持体との接着性を向上する
目的で塗設されている下塗層を着色層とすることが望ま
しい。また、固体分散染料を膜中に導入すると、染料自
体が膜強度をになうわけではないから、膜強度が低下す
る。染料層と乳剤層を同時重層塗布した場合染料層の膜
強度をあげるために硬膜剤を多量添加すると乳剤層も架
橋がすすみ現像進行性悪化、現像銀濃度の低下、残色等
の問題を起こすことになる。染料層を乳剤層と別塗布で
設けた場合、染料層のみ硬膜を強化することができる。
一般に下塗層は乳剤層と別塗布で設けられるから、この
観点からも下塗層を染料層とすることは有力な手段であ
る。本発明のポリマー層及び染料層は当業界での下塗層
に該当する層である。
【0010】染料層の親水性コロイド塗布量は多いと前
記のとおり現像処理中で吸収する水分が多くなり乾燥性
に負荷をかける。したがって10mg/m2〜500mg/m2
が好ましく、さらに好ましくは50mg/m2〜250mg/
m2である。また、乾燥性に対し、全親水性コロイド量も
大きな要因となる。したがって、全親水性コロイド量と
しては4g/m2以下さらに3g/m2以下、さらに2g/
m2以下が好ましいが、あまり下げすぎるとハロゲン化銀
乳剤層の銀/バインダー比が高くなり、膜強度の低下、
取扱い性(クニック増減感等)の悪化が生じ好ましくな
く、1.5g/m2以上であることが必要である。染料の
塗布量としては1mg/m2〜300mg/m2、特に3mg/m2
〜150mg/m2であることが好ましい。
【0011】このような染料層に固体状に分散された染
料(固体分散染料)を導入した場合、染料粒子が大きい
と、染料層から染料が剥落することが問題となる。それ
を防ぐために染料層の上に別の親水性コロイド層を設け
ることは、処理での乾燥性の観点から好ましくない。そ
こで染料の粒子の粒径、形状を制御する必要がある。し
たがって染料粒子の球相当平均粒径が1μm以下である
ことが必要でありさらに0.5μm以下が好ましい。し
かし、あまりにこまかくしすぎると分散時に再凝集を生
じるなど工業的に好ましくないことが生じるので、0.
05μm以上であることが好ましい。球形の粒子に対し
板状の粒子、針状の粒子であれば、球相当平均粒径が同
じでも厚さは薄くなるため、本発明の染料層のごとき薄
層に導入するのは非常に有利である。本発明の特徴は固
体分散染料の形状にある。即ち、D/tの平均値が8以
上である事は染料粒子が針状又は平板状である事を意味
する。本発明においては、特に平板状である事が好まし
い。一般に、平板状又は針状粒子を含有する親水性コロ
イド層を支持体上に塗設すると、該粒子はその塗布方向
に配向する。従って本発明において、個々の染料粒子の
D/tの値を測定する為には、塗布方向を含む主平面に
垂直な断面からD及びtの値を測定する。具体的には、
染料層に対して平行な方向の粒子の長さが最大となる染
料層に垂直な断面において各染料粒子の厚さ(t)と長
さ(D)を測定すればよい。例えば、染料層の主平面に
垂直に切断し、断面(a)とし、次に主平面に垂直で断
面(a)に対して20度毎に断面(b)〜(j)をと
り、この断面(a)〜(j)を透過型電子顕微鏡で観
察、撮影し、各粒子に対して厚さ(t)と長さ(D)を
測定することが出来る。本発明におけるD/tの平均値
は8以上であるが、好ましくは15以上、特に20以上
である。しかし、D/tの値が大きすぎるとかえって膜
強度を低下させる為、30以下であることが好ましい。
【0012】本発明の染料は処理後に感材から溶出して
いることが望まれ、処理前の感材では特定の層に固定し
ていることが望まれる。(拡散すると感度低下生じる)
このような目的の染料としては下記のものがあげられ
る。
【0013】
【化1】
【0014】式中、Dは発色団を有する化合物を表わ
し、XはDに直接もしくは2価の連結基を介して結合し
た解離性プロトン又は解離性プロトンを有する基を表わ
し、yは1〜7の整数を表わす。
【0015】以下に一般式(I)について詳細に説明す
る。Dで表わされる発色団を有する化合物は多くの周知
の色素化合物の中から選ぶことができる。これらの化合
物としては、オキソノール色素、メロシアニン色素、シ
アニン色素、アリーリデン色素、アゾメチン色素、トリ
フェニルメタン色素、アゾ色素、アントラキノン色素、
インドアニリン色素等を挙げることができる。
【0016】Xで表わされる解離性プロトン又は解離性
プロトンを有する基は、一般式(I)で表わされる化合
物が本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に添加された
状態では非解離であり、一般式(I)の化合物を実質的
に水不溶性にする特性を有し、同材料が現像処理され工
程では解離して一般式(I)の化合物を実質的に水可溶
性にする特性を有する。これらの基の例としては、カル
ボン酸基、スルホンアミド基、アリールスルファモイル
基、スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモ
イル基、オキソノール色素のエノール基、フェノール性
水酸基等を挙げることができる。
【0017】一般式(I)で表わされる化合物のうちよ
り好ましいものは下記一般式(II)、(III) 、(IV)、
(V)で表わされる化合物である。
【0018】
【化2】
【0019】式中、A1 、A2 は各々酸性核を表わし、
1 は塩基性核を表わし、Qはアリール基又は複素環基
を表わし、L1 、L2 、L3 は各々メチン基を表わし、
mは0、1、2を表わし、n、pは各々0、1、2、3
を表わす。但し、一般式(II)〜(V)の化合物は1分
子中に、カルボン酸基、スルホンアミド基、アリールス
ルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、カルボニ
ルスルファモイル基、オキソノール色素のエノール基、
フェノール性水酸基からなる群の中より選ばれる少なく
とも1個の基を有し、それ以上の水溶性基(例えば、ス
ルホン酸基、リン酸基)を有しないこととする。
【0020】A1 又はA2 で表わされる酸性核は、環状
のケトメチレン化合物又は電子吸引性基によってはさま
れたメチレン基を有する化合物が好ましい。環状のケト
メチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オ
ン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,
4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビ
ツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ジオ
キソピラゾロピリジン、ヒドロキシピリドン、ピラゾリ
ジンジオン、2,5−ジヒドロフランを挙げることがで
き、それぞれ置換基を有していてもよい。
【0021】電子吸引性基によってはさまれたメチレン
基を有する化合物はZ1 CH2 2と表わすことがで
き、ここにZ1 、Z2 は各々CN、SO2 1 、COR
1 、COOR2 、CONHR2 、SO2 NHR2 、C
〔=C(CN)2 〕R1 、C〔=C(CN)2 〕NHR
1 を表わし、R1 はアルキル基、アリール基、複素環基
を表わし、R2 は水素原子、R1 で表わされる基を表わ
し、それぞれ置換基を有していてもよい。
【0022】B1 で表わされる塩基性核の例としては、
ピリジン、キノリン、インドレニン、オキサゾール、イ
ミダゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾ
イミダゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾリン、ナフ
トオキサゾール、ピロールを挙げることができ、それぞ
れ置換基を有していてもよい。
【0023】Qで表わされるアリール基の例としては、
フェニル基、ナフチル基を挙げることができ、それぞれ
置換基を有していてもよい。Qで表わされる複素環基の
例としては、ピロール、インドール、フラン、チオフェ
ン、イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリ
ン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、
インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チア
ジアジン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベ
ンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピ
ロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾール、クマリ
ン、クマロンを挙げることができそれぞれ置換基を有し
ていてもよい。
【0024】L1 、L2 、L3 で表わされるメチン基
は、置換基を有していてもよく、その置換基どうしが連
結して5又は6員環(例えば、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン)を形成していてもよい。
【0025】上記した各基が有していてもよい置換基
は、以上(I)〜(V)の化合物をpH5〜pH7の水
に実質的に溶解させるような置換基でなければ特に制限
はない。例えば、カルボン酸基、炭素数1〜10のスル
ホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタ
ンスルホンアミド)、炭素数0〜10のスルファモイル
基(例えば、無置換のスルファモイル、メチルスルファ
モイル、フェニルスルファモイル、ブチルスルファモイ
ル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイル基(例
えば、メタンスルホニルカルバモイル、プロパンスルホ
ニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイ
ル)、炭素数1〜10のアシルスルファモイル基(例え
ば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモ
イル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルスルファ
モイル)、炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、
2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カル
ボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素数
2〜8のアルケニル(例えば、ビニル、アリル)、炭素
数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、B
r)、炭素数0〜10のアミノ基(例えば、無置換のア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシエ
チルアミノ)、炭素数2〜10のエステル基(例えば、
メトキシカルボニル)、炭素数1〜10のアミド基(例
えば、アセチルアミノ、ベンズアミド)、炭素数1〜1
0のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、
メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、炭素数6
〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、4
−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,
5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミド
フェニル、4−ブタンスルホンアミドフェニル)、炭素
数6〜10のアリーロキシ基(例えば、フェノキシ、4
−カルボキシフェノキシ、3−メチルフェノキシ、ナフ
トキシ)、炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、エチルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜1
0のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチル
チオ)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチ
ル、ベンゾイル、プロパノイル)、炭素数1〜10のス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、炭素数1〜10のウレイド基(例えば、ウレ
イド、メチルウレイド)、炭素数2〜10のウレタン基
(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボ
ニルアミノ)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基
(例えば、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、ピリ
ジン環、スルホラン環、フラン環、ピロール環、ピロリ
ジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピリミジン環)
等を挙げることができる。本発明の固体微粒子分散状の
一般式(I)で表わされる化合物の添加量は、5×10
-2モル〜5×10-7モル/m2が好ましく、特に1×10
-3〜5×10-5モル/m2が好ましい。以下に本発明に用
いられる一般式(I)〜(V)で表わされる化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】D/tが本発明の範囲の染料粒子を得るに
は、染料を国際特許WO88/04794号、ヨーロッ
パ特許EP0274723A1号、同276,566
号、同299,435号、特開昭52−92716号、
同55−155350号、同55−155351号、同
61−205934号、同48−68623号、米国特
許第2527583号、同3486897号、同374
6539号、同3933798号、同4130429
号、同4040841号、特願平1−50874号、同
1−103751号、同1−307363号に準じて合
成する際の染料晶析時に界面活性剤あるいは高分子ポリ
マー等の吸着物質を存在させること、あるいは、晶析後
染料を分散する間に界面活性剤あるいは高分子ポリマー
の存在下で加熱処理すること、あるいは両方の併用によ
り得られる。また、通常は染料の生成後、濾過した結晶
を乾燥工程を経て溶媒を除去してから分散を行なうが、
乾燥工程を経る際、染料の一次粒子の成長、一次粒子同
士が分散困難な集合体をつくることから、生成した結晶
を乾燥させることは本発明においては好ましくない。
【0032】本発明の染料層が好ましく導入される下塗
層について述べる。下塗層を設ける方法として、支持体
上に疎水性ポリマー層を塗設しさらに親水性コロイド層
を塗布する重層法が好ましく用いられる。疎水性ポリマ
ー層に用いられる分子物質としては例えばジエン系単量
体の共重合体が用いられる。ジエン系単量体の共重合体
とは、ブタジエン、イソプレンなど炭素数4ないし約8
のジエン系単量体を重合体の一成分とする共重合体をい
う。共重合の相手は、特開平1−186933号(3) 頁
左上欄18行目〜(3) 頁左下欄1行目に記載のものを用
いることができる。これらは乳化重合法により、好都合
に製造され、市販品も入手できる。又、この共重合体中
のジエン成分の量は約30〜60重量%、好ましくは3
2〜40重量%がよい。又、共重合体中には、アマイ
ド、ヒドロキシ、カルボキシなどの親水性部位をもつ単
量体を0.1ないし20重量%程度含ませることができ
る。疎水性ポリマー層に用いられる他の高分子物質とし
ては、ガラス転移温度が−20℃から40℃の範囲にあ
る様な共重合体又はホモポリマーがあげられる。この様
な共重合体又はホモポリマーの合成に用いられる単量体
の例としては、特開平1−186933号(3) 頁左下欄
13行目〜(5) 頁右下欄14行目記載のものを用いるこ
とができる。好ましくはスチレン−ブタジエン共重合
体、塩化ビニリデン共重合体がよい。スチレン−ブタジ
エン共重合体として、スチレンとブタジエンの9/1〜
1/9の共重合体でもよく、さらに第3のコモノマーと
してアクリル酸等を有していてもよい。通常、これらの
重合体もしくは共重合体の水分散液を下塗層として塗布
するが、塗布する為には該水分散液を更に水で希釈し、
必要により、架橋剤、界面活性剤、膨潤剤、親水性ポリ
マー、マット剤、帯電防止剤、電解質等を添加する事が
出来る。架橋剤としては、特開平1−186933号
(6) 頁左上欄7行〜20行目のものを用いることがで
き、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ン・ナトリウム塩が好ましく用いられる。
【0033】膨潤剤としては、特に添加の必要はないが
例えばフェノール、レゾルシン等を添加してもよく、そ
の添加量は下塗液1リットル当り1〜10gである。親
水性ポリマーとしては、ゼラチンの如き天然ポリマー、
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体、アクリル酸−アクリルアミド共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、などの合成ポリマーを挙
げることが出来る。帯電防止剤としては、アニオン又は
カチオン界面活性剤、イオネン系ポリマー、特開昭49
−3972号等に記載のマレイン酸系共重合体、コロイ
ダルシリカ(例えば日産化学(株)製スノーテックス)
等を用いることが出来る。
【0034】電解質の例としてはHCl、HBr、HC
lO4 、LiCl、LiBr、LiI、LiCl4 、N
aCl、NaBr、NaI、NaClO4 、NaN
3 、NaOH、KCl、KBr、KI、KNO3 、N
4 Cl、RbCl、RbBr、RbI、MgCl2
MgBr2 、MaI2 、CaCl2 、CaBr2 、Ca
2 、Ca(ClO4 2 、SrCl2 、Sr(ClO
4 2 、BaCl2 、BaBr2 、BaI2 、AlCl
3 、LaCl3 、Zn(ClO4 2 などがある。
【0035】これらの電解質は、帯電防止効果を発現す
る事が可能でその添加量はm2当り0.001mg〜100
mg、好ましくは0.1mg〜10mg添加される。本発明に
係る第1及び第2の下塗層は、下塗用塗布液を一般によ
く知られた塗布方法、例えばディップコート法、エアー
ナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート
法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或い
は、米国特許第2,681,294号明細書に記載のホ
ッパーを使用するエクストルージョンコート法等により
塗布することが出来る。必要に応じて、米国特許第2,
761,791号、同3,508,947号、同2,9
41,898号、及び同3,526,528号明細書、
尾崎等著「コーティング工学」253頁(1973年朝
倉書店発行)などに記載された方法により2層以上の層
を同時に塗布することが出来る。本発明に係る疎水性ポ
リマー層の共重合体の塗布量としては、固形分として、
プラスチック支持体の1平方米当り、0.01〜10
g、特に0.2〜3gであることが好ましい。
【0036】親水性コロイドの塗布量としては、1〜5
00mg/m2が好ましく、さらに10〜400mg/m2が好
ましく、特に10〜300mg/m2が好ましい。親水性コ
ロイド層も疎水性ポリマー層と同様の方法で好ましく塗
布される。親水性コロイド層にラテックスを添加するこ
とが好ましく、ラテックスとしてはガラス転移温度が3
0℃以下であることが好ましく、ガラス転移温度はさら
に20℃以下が好ましい。ラテックスの具体例としてポ
リ酢酸ビニル、ポリブチルメタクリレート、ポリメチル
アクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルア
クリレート、ポリブタジエンポリエチレン、メチルメタ
クリレート−エチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル
−エチレン共重合体等が挙げられるが、本発明はこれに
限定されるものではない。ラテックスの塗布量として
は、5mg/m2〜250mg/m2特に5mg/m2〜100mg/
m2が好ましい。親水性コロイド層、ポリマー層ともハロ
ゲン化銀乳剤層とは別塗布で塗設されるが、ハロゲン化
銀乳剤層との接着力を強化する観点から80℃以上で乾
燥することが好ましい。
【0037】本発明の写真感光材料に用いられる各種添
加剤等については特に制限は無く例えば、以下の該当箇
所に記載のものを用いる事が出来る。 項 目 該 当 箇 所 1)ハロゲン化銀乳剤と 特開平2−68539号公報第8頁右下欄下から6 その製法 行目から同第10頁右上欄12行目、同3−245 37号公報第2頁右下欄10行目ないし第6頁右上 欄1行目、同第10頁左上欄16行目ないし第11 頁左下欄19行目、特願平2−225637号。 特開平2−97937号公報第20頁右下欄12行 目から同第21頁左下欄14行目及び特開平2−1 2236号公報第7頁右上欄19行目から同第8頁 左下欄12行目、特願平3−116573号。 2)化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行 目から同左上欄16行目、特願平3−105035 号。 3)カブリ防止剤、安定剤 特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行 目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄 2行目から同第4頁左下欄。 特開平2−103526号公報第17頁右下欄19 行目から同第18頁右上欄4行目及び同右下欄1行 目から5行目、さらに特開平1−237538号公 報に記載のチオスルフィン酸化合物。 4)色調改良剤 特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行 目から同第10頁左下欄20行目、特開平3−94 249号公報第6頁左下欄15行目から第11頁右 上欄19行目。 5)分光増感色素 特開平2−68539号公報第4頁右下欄4行目か ら同第8頁右下欄。 特開平2−55349号公報第7頁左上欄8行目か ら同第8頁右下欄8行目、同2−39042号公報 第7頁右下欄8行目から第13頁右下欄5行目。 特開平2−12236号公報第8頁左下欄13行目 から同右下欄4行目、同2−103536号公報第 16頁右下欄3行目から同第17頁左下欄20行目 、さらに特開平1−112235号、同2−124 560号、同3−7928号、特願平3−1895 32号及び同3−411064号に記載の分光増感 色素。 6)界面活性剤 特開平2−68539号公報第11頁左上欄14行 帯電防止剤 目から同第12頁左上欄9行目。 特開平2−12236号公報第9頁右上欄7行目か ら同右下欄7行目及び特開平2−18542号公報 第2頁左下欄13行目から同第4頁右下欄18行目 。 7)マット剤、滑り剤 特開平2−68539号公報第12頁左上欄10行 可塑剤 目から同右上欄10行目、同第14頁左下欄10行 目から同右下欄1行目。 特開平2−103526号公報第19頁左上欄15 行目から同第19頁右上欄15行目。 8)親水性コロイド 特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行 目から同左下欄16行目。 9)硬膜剤 特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行 目から同第13頁右上欄6行目。 特開平2−103526号公報第18頁右上欄5行 目から同17行目。 10) 染料 特開平2−103526号公報第17頁右下欄1行 目から同18行目、同2−39042号公報第4頁 右上欄1行目から第6頁右上欄5行目。 11) バインダー 特開平2−18542号公報第3頁右下欄1行目か ら20行目。 12) ポリヒドロキシ 特開平3−39948号公報第11頁左上欄から同 ベンゼン類 第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報 。 特開平2−55349号公報第11頁左上欄9行目 から同右下欄17行目。
【0038】 13) ポリマーラテックス 特開平2−103526号公報第18頁左下欄12 行目から同20行目。 14) 酸基を有する化合物 特開平2−103526号公報第18頁右下欄6行 目から同第19頁左上欄1行目、及び同2−553 49号公報第8頁右下欄13行目から同第11頁左 上欄8行目。 15) ヒドラジン造核剤 特開平2−12236号公報第2頁右上欄19行目 から同第7頁右上欄3行目の記載、同3−1741 43号公報第20頁右下欄1行目から同第27頁右 上欄20行目の一般式(II)及び化合物例II−1ない しII−54。 16) 造核促進剤 特開平2−103536号公報第9頁右上欄13行 目から同第16頁左上欄10行目の一般式(II−m )ないし(II−p)及び化合物例II−1ないしII− 22、特開平1−179939号公報に記載の化合 物。 17) 黒ポツ防止剤 米国特許第4956257号及び特開平1−118 832号公報に記載の化合物。 18) レドックス化合物 特開平2−301743号公報の一般式(I)で表 される化合物(特に化合物例1ないし50)、同3 −174143号公報第3頁ないし第20頁に記載 の一般式(R−1)、(R−2)、(R−3)、化 合物例1ないし75、さらに特願平3−69466 号、同3−15648号に記載の化合物。 19) モノメチン化合物 特開平2−287532号公報の一般式(II)の化合 物(特に化合物例II−1ないしII−26)。 20) 層構成 特開平3−198041号公報。 21) 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行 目から同第19頁左下欄15行目、及び特開平2− 115837号公報第3頁右下欄5行目から同第6 頁右上欄10行目。 特開平2−55349号公報第13頁右下欄1行目 から同第16頁左上欄10行目。 次に本発明について具体的に説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
実施例1
【0040】(1) 色素 III−3の合成 1−(4−カルボキシフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン(26.2g)、グルタコンアルデ
ヒドジアニル塩酸塩(14.2g)、N,N−ジメチル
ホルムアミド(200ml)の混合物にトリエチルアミン
(30.3g)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液
にメタノール(100ml)を加え除塵濾過した後、塩酸
−メタノール溶液(36%濃塩酸53mlとメタノール8
0mlの混合液)を、攪拌しながら20〜25℃、15分
で滴下した。滴下後20〜25℃で30分攪拌した後、
生成物を吸引濾過し、メタノール(200mlで3回)で
洗浄した。次いで、濾液が中性になるまで水で洗浄し、
色素 III−3の水湿潤物(以下 III−3−Aとする。)
83g(色素 III−3の含量28.5%)を得た。
【0041】(1−1)加熱処理 (i) 乾燥(加熱なし) III−3−A 60gを室温で送風乾燥(1週間)し
た。乾燥後の III−3の重量17.1g、これを III−
3−Bとする。
【0042】(ii)加熱乾燥 色素 III−3−A(60g)を60〜70℃で3日間常
圧で加熱乾燥した。乾燥後の III−3の重量17.1
g、これを III−3−Cとする。
【0043】(iii) 溶媒中での加熱処理 色素 III−3−B(10g)に水60mlを加えて攪拌し
ながら8時間加熱・還流し、室温まで冷却した後、固形
分を吸収濾過して取り出した。加熱処理した色素 III−
3の水湿潤物25g(色素 III−3の含量40%)を得
た。これを III−3−Dとする。
【0044】 (iv)カルボキシメチルセルロース共存下での加熱処理 色素 III−3−B(10g)にカルボキシメチルセルロ
ース1%水溶液100mlを加えて、8時間加熱・還流し
た。室温まで冷却した水懸濁液を III−3−Eとする。
【0045】(1−2)分散 前記方法で得た色素 III−3のB〜Eを以下の方法で分
散し、分散物(1) 〜(4) を得た。但し、すでに水やカル
ボキシメチルセルロースを含むもの(例えば、D、E)
は、記載の比率となるように水やカルボキシメチルセル
ロースの量を調節した。色素 III−3 3.75g(固
形分として)に分散剤としてカルボキシメチルセルロー
ス1%水溶液を37.5ml加えてプレミックスした後、
更に水53.7mlを加え、横型媒体分散機である Eiger
Motor Mill M−50を使用しジルコニアビーズにて8
時間分散した。ジルコニアビーズを濾過して除いた後、
分散液を水で希釈して色素濃度を2%にした。分散物
(4) の作成で分散時間を3時間とし、分散物(5) を作成
した。分散物(1) 〜(4) のD/tの平均を評価し、表1
に記載した。
【0046】(2) 支持体1〜5の作成 二軸延伸された厚さ175μmの青色染色ポリエチレン
テレフタレートフィルム上にコロナ放電処理をおこな
い、疎水性ポリマー層が下記の塗布量になるようにワイ
ヤーバーコーターにより両面塗布し、185℃にて1分
間乾燥した。 (疎水性ポリマー層) ・ブタジェン−スチレン共重合体ラテックス ブタジェン/スチレン重量比=31/69 0.32g/m2 ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 8.4mg/m2 *ラテックス溶液中には、乳化分散剤−Aをラテックス
固形分に対し0.4wt%含有。
【0047】
【化8】
【0048】次に、親水性コロイド層が下記の塗布量に
なるようにワイヤーバーコーターにより両面塗布し、1
55℃にて1分間乾燥した。
【0049】 (親水性コロイド層) ・ゼラチン 80mg/m2 ・ポリエチルアクリレート 20mg/m2 ・塗布助剤−B 1.8mg/m2 ・染料( III−3) 表−1記載の合成方法、量 ・添加剤−C 0.27mg/m2
【0050】
【化9】
【0051】(3) 平板状粒子の調製 水1リットル中に臭化カリウム6g、平均分子量1万5
千の低分子量ゼラチン7gを添加し、55℃に保った容
器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4.0
0g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38ccをダ
ブルジェット法により37秒間で添加した。つぎに、ゼ
ラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温して硝酸
銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間かけて添
加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添加、
そのままの温度で10分間物理熟成した後、100%酢
酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀153g
の水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で35分かけて添
加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15ccを
添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した後、3
5℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μm、
厚み0.145μm、直径の変動係数18.5%の単分
散純臭化銀平板状粒子を得た。この後、凝集沈降法によ
り可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチ
ン30gとフェノキシエタノール2.35gおよび増粘
剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを
添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.90、pA
g8.00に調整した。この乳剤を攪拌しながら56℃
に保った状態で化学増感を施した。まず、チオスルフォ
ン酸化合物−I
【0052】
【化10】
【0053】を1×10-5モル/モルAg添加し、つぎ
にAgI微粒子を0.1モル%添加し、さらに二酸化チ
オ尿素0.043mgを添加し、22分間そのまま保持し
て還元増感を施した。つぎに、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgと増
感色素−I
【0054】
【化11】
【0055】を400mgを添加した。さらに塩化カルシ
ウム0.83gを添加した。引続きチオ硫酸ナトリウム
1.3mgとセレン化合物−I 1.9mgと塩化金酸2.
6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加し、40
分後に35℃に冷却した。こうして平板状粒子T−1を
調製完了した。
【0056】
【化12】
【0057】塗布試料の調製 T−1のハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加し
て塗布液とした塗布試料を作製した。 ・ゼラチン(乳剤中のGelも含め) 108g ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値に なるように添加量を調整 ・化合物−I 34mg ・化合物−II 4.8g ・化合物−III 15mg
【0058】
【化13】
【0059】
【化14】
【0060】上記塗布液に対し、染料−Iが片面あたり
10mg/m2となるように染料乳化物Aを添加した。
【0061】
【化15】
【0062】(1) 染料乳化物Aの調製 上記染料−I 60gおよび下記高沸点有機溶媒−I
62.8g、−II 62.8gおよび酢酸エチル333
gを60℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナト
リウムの5%水溶液65ccとゼラチン94gと水581
ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分
散した。つぎに、下記化合物−IV 2gおよび水6リッ
トルを加え、40℃に降温した。つぎに、旭化成製限外
濾過ラボモジュールACP1050を用いて、全量が2
kgとなるまで濃縮し、前記化合物−IVを1g加えて染料
乳化物Aとした。
【0063】
【化16】
【0064】表面保護層は各成分が下記の塗布量となる
ように調製準備した。 ・ゼラチン 0.78g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.080g/m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 0.015g/m2 ・塗布助剤−I 0.013g/m2 ・塗布助剤−II 0.045g/m2 ・塗布助剤−III 0.0065g/m2 ・塗布助剤−IV 0.003g/m2 ・塗布助剤−V 0.001g/m2 ・化合物−V 1.7mg/m2 ・化合物−VI 100mg/m2 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g/m2 ・プロキセル(NaOHでpH7.4に調整) 0.0005g/m2
【0065】
【化17】
【0066】(4) 染料剥落評価 120℃に加熱した支持体1〜5を2cm×2cmの大きさ
の白紙に3kgの荷重をかけ5回こすった。白紙の着色具
合で評価した。 ○:着色がわずかである。実用上問題なし。 △:着色している。実用上懸念。 ×:著しく着色している。実用上問題である。
【0067】(5) 吸光度(支持体) 支持体1〜5を分光光度計(日立(株)製)U3200
にて350〜800nmをスキャンし、ピークの吸光度
を求めた。
【0068】
【表1】 表1に示したごとく本発明により耐傷性に優れ、少ない
塗布量で吸光度の大きな支持体が得られることがわか
る。
【0069】(6) 写真性能の評価 写真材料に、富士写真フイルム(株)GRENEXオル
ソスクリーンHR−4をカセッテを使用して両側に密着
させ、両側から0.05秒の露光を与え、X線センシト
メトリーをおこなった。露光量の調整は、X線管球とカ
セットとの距離を変化させることにより行った。露光
後、下記の現像液と定着液にて自動現像機処理を行っ
た。感度は、かぶりに加えて1.0の濃度を与える露光
量の比の逆数とし、感材1を100とした時の相対値で
示した。
【0070】
【表2】
【0071】この実験に用いた自現機は、富士写真フイ
ルム社製自現機FPM−9000型を改造したものであ
り、その処理工程は下記の通りである。1日の感材平均
処理量は四切サイズ換算で約200枚である。
【0072】 処理工程 処理槽液量 処理温度 処理パス長 処理時間 現 像 22リットル 35℃ 613mm 8.8 秒 (液面面積と処理槽容量比=25cm2/リットル) 定 着 15.5リットル 32℃ 539mm 7.7 秒 水 洗 15リットル 17℃ 263mm 3.8 秒 流水 スクイズ 304mm 4.4 秒 乾 燥 温風58℃ 368mm 5.3 秒 (ヒートローラー 100℃ 2対) トータル 2087mm 30.0 秒
【0073】処理液およびその補充については次の通り
である。
【0074】現像処理 (濃縮液の調製)
【0075】 <現像液> パーツ剤A 水酸化カリウム 270g 亜硫酸カリウム 1125g 炭酸ナトリウム 450g ホウ酸 75g ジエチレングリコール 150g ジエチレントリアミン五酢酸 30g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプトテトラゾール 1.5g ハイドロキノン 405g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 30g 水を加えて 4500ml
【0076】 パーツ剤B トリエチレングリコール 750g 3−3’−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g 氷酢酸 75g 5−ニトロインダゾール 4.5g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 67.5g 水を加えて 1000ml
【0077】 パーツ剤C グルタールアルデヒド(50wt/vol%) 150g 臭化カリウム 15g メタ重亜硫酸カリウム 120g 水を加えて 750ml
【0078】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−5−メルカプトテトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0079】処理液の調製 上記現像液濃縮液を下記の容器に各パーツ剤毎に充填し
た。この容器はパーツ剤A、B、Cの各部分容器が容器
自身によって一つに連結されているものである。
【0080】また、上記定着液濃縮液も同種の容器に充
填した。
【0081】まず、現像槽内にスターターとして、酢酸
54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液300ml
を添加した。
【0082】上記処理剤入容器を逆さにして自現機の側
面に装着されている処理液ストックタンクの穿孔刃にさ
しこんで、キャップの封止膜を破り、容器内の各処理剤
をストックタンクに充填した。
【0083】これらの各処理剤を下記の割合で自現機の
現像槽、定着槽に、それぞれ自現機に設置されているポ
ンプを作動して満たした。
【0084】また、感材が四切サイズ換算で8枚処理さ
れる毎にも、この割合で、処理剤原液と水とを混合して
自現機の処理層に補充した。
【0085】 現像液 パーツ剤A 60ml パーツ剤B 13.4ml パーツ剤C 10ml 水 116.6ml pH 10.50
【0086】 定着液 濃縮液 80ml 水 120ml pH 4.62
【0087】水洗槽には水道水を満たした。
【0088】実施例2 支持体6の作成 支持体3の作成において染料(III−3)の塗布量を0mg
/m2としたほかは、支持体3と同様に作成した。
【0089】写真感光材料6〜8の作成 支持体6上に下記のアンチハレーション層(AH層)を
設け乳剤層、表面保護層は写真感光材料3と同様に設け
た。 AH層 ゼラチン 1g/m2 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン 表3記載の量 染料分散物(3) 染料塗布量 25mg/m2
【0090】膜強度の評価 写真感光材料を前記現像液35℃に25秒浸漬した後先
端が0.4mmの半径の半球である針に、感材に垂直に0
gから連続的に荷重をかけ感材の膜が破断した荷重を求
めた。結果を表3に示した。
【0091】残色の評価 前記自動現像機処理をし、Dmin の目視観察し残色の評
価を行なった。 ○:実用上問題なし △:実用上やや問題あり ×:実用上問題あり 結果を表3に示した。
【0092】
【表3】
【0093】表−3より、本発明の感光材料3は残色が
少なく、膜強度が大であることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/83

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有する写真感光材料において、該支持体上に
    ハロゲン化銀乳剤層とは別塗布により塗設されたポリマ
    ー層及び染料層を支持体側から順次有し、該染料層は親
    水性コロイド中に固体分散染料を含有して成り、該染料
    粒子はpH6.0以下では実質的に水不溶性であり、p
    H8.0以上では実質的に水溶性であり、染料粒子の球
    相当平均直径は1.0μm以下であり、粒子の長さが最
    大となる該染料層に垂直な断面における該染料粒子の厚
    み(t)と長さ(D)の比(D/t)の平均値が8以上
    である事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 プラスティックフィルム上にポリマー層
    及び染料層を順次有してなる写真用支持体において、該
    染料粒子はpH6.0以下では実質的に水不溶性であ
    り、pH8.0以上では実質的に水溶性であり、染料粒
    子の球相当直径は1.0μm以下であり、粒子の長さが
    最大となる該染料層に垂直な断面における該染料粒子の
    厚み(t)と長さ(D)の比(D/t)の平均値が8以
    上である事を特徴とする写真用支持体。
  3. 【請求項3】 D/tの平均値が15以上である事を特
    徴とする請求項1のハロゲン化銀写真感光材料。
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