JPH11344599A - 放射線増感スクリーン - Google Patents

放射線増感スクリーン

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JPH11344599A
JPH11344599A JP33659398A JP33659398A JPH11344599A JP H11344599 A JPH11344599 A JP H11344599A JP 33659398 A JP33659398 A JP 33659398A JP 33659398 A JP33659398 A JP 33659398A JP H11344599 A JPH11344599 A JP H11344599A
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screen
light
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度および鮮鋭度の優れた放射線増感スクリ
ーンを提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも一層の蛍光体層を
有する放射線増感スクリーンにおいて、該蛍光体層が実
質的にテルビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍光体から
なり、かつ増感スクリーンが該蛍光体の発光光の一部を
吸収して490〜600nmの波長範囲に発光のピーク
を示す蛍光染料もしくは蛍光顔料を含有していることを
特徴とする放射線増感スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線写真画像の
撮影の実施に際して用いる放射線増感スクリーンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療診断に利用されるX線撮影などの放
射線撮影では、X線などの放射線を有効に用いて高感
度、高画質の画像を得るために、透明支持体の両面にハ
ロゲン化銀乳剤を塗布したハロゲン化銀写真感光材料
(両面感光材料)の両側に二枚の放射線増感スクリーン
を配置して、被写体を透過したX線に露光することによ
り画像が形成される。このような両面システムにおいて
は、増感スクリーンが発した光が隣接する感光材料の片
側の乳剤層を透過して支持体の反対側の乳剤層に達して
ハロゲン化銀を感光させる、いわゆるクロスオーバー現
象が生じ、画像の鮮鋭度を低下させる大きな原因となっ
ている。このクロスオーバー光を遮蔽するために、従来
より感光材料(以下、単に感材とも称する)および増感
スクリーン(単にスクリーンとも称する)の双方につい
て、各種様々な研究が行われている。
【0003】増感スクリーンによりクロスオーバー光を
遮断する方法としては、例えばWO93−01521号
公報、EP650089号公報およびEP592724
号公報に記載されているように、蛍光体の発光波長を紫
外領域にもっていくことによりクロスオーバーを切るこ
とが提案されている。また、テルビウム賦活酸硫化ガド
リニウム(Gd22 S:Tb)系蛍光体を用いるスク
リーンについても、以下のようにクロスオーバーを低減
する提案がなされている。例えば、特開昭61−151
534号公報には、蛍光体の組成の調整と吸収染料の添
加によって青色発光に比べて緑色発光の比率の高いスク
リーンが記載されている。特開昭62−222200号
公報および特開平4−155297号公報には、蛍光体
層の着色に分布をもたせることにより鮮鋭度の改善され
たスクリーンが記載されている。RD83−22709
号およびRD82−218041号には、黄色染料や吸
収染料を添加することによって鮮鋭度を改善することが
提案されている。特公昭58−2640号公報には、蛍
光体表面に吸収顔料を付着させることにより鮮鋭度を改
良することが提案されている。米国特許第436294
4号明細書には、表面保護層により発光光の一部を吸収
することが提案されている。なお、クロスオーバーの少
ないスクリーンとして蛍光体層が黄色に染色されたスク
リーン(イーストマンコダック社、LanexMedi
um)が実際に市販されている。しかしながら、このよ
うな吸収染料や顔料を用いた場合には、その添加により
感度が低下することが原理的に避けられない。
【0004】蛍光染料もしくは蛍光顔料を含有する増感
スクリーンに関しては、EP0595089号公報に紫
外発光蛍光体との組合せで感度が増加するとの記載があ
る。DE2807398号公報およびDE314381
0号公報には、微粒子蛍光顔料を用いるスクリーンが記
載されている。しかし、いずれもGd22 S:Tb系
蛍光体を用いるスクリーンではなく、またクロスオーバ
ーを改善するものでもなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】市場からは、高感度で
あってかつ高鮮鋭度の放射線画像をもたらす放射線撮影
システムが強く要望されており、その実現のための放射
線増感スクリーンの一層の開発が待ち望まれている。放
射線写真画像形成方法において、高感度を示す放射線増
感スクリーンとしては、希土類系蛍光体を用いる放射線
増感スクリーンが知られているが、このタイプの放射線
増感スクリーンを用いる放射線写真画像形成システムに
おいては、これまでに検討された改良では、充分なクロ
スオーバーの低減ができず、従って、鮮鋭度について
は、さらに改良することが必要である。従って、本発明
の目的は、感度及び鮮鋭度がともに優れた放射線写真画
像を与える放射線増感スクリーンを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、放射線増感
スクリーン用の蛍光体としてテルビウム賦活酸硫化ガド
リニウム蛍光体について研究を重ねた。そして、この蛍
光体の主発光のピーク波長が約545nmにあり、一方
該波長に感度が高くなるように色増感されたハロゲン化
銀写真感光材料は500nm以下の可視領域で感度が低
いことに注目して研究を続けた結果、放射線増感スクリ
ーンに、その蛍光体からの発光光のうちで波長が500
nm以下の発光光を吸収して、蛍光体の主発光のピーク
波長付近(すなわち、ハロゲン化銀写真感光材料が高い
感度を示す領域)に発光を示す蛍光染料もしくは蛍光顔
料を含有させることにより、クロスオーバーの低減と感
度の上昇とが同時に実現することを見出した。また、感
光材料にはこの蛍光体の主発光のピーク波長付近の光を
選択的に吸収するような染料を含有させることによっ
て、クロスオーバーをさらに効率良く低減させることが
できることを見い出した。すなわち、本発明者の研究の
結果、放射線増感スクリーンに、蛍光染料もしくは蛍光
顔料を導入することによって、クロスオーバーの原因と
なる蛍光体から感光材料に照射される短波長側の発光光
を効果的に低減させると同時に、その蛍光染料もしくは
蛍光顔料による発光波長の変換(シフト)によって、増
感スクリーンからの発光光を、感光材料が高い感度を示
す波長領域において増大させることができる。すなわ
ち、本発明者の研究により、上記のような放射線増感ス
クリーンを用いることにより、感度および鮮鋭度がとも
に優れた放射線写真画像を形成することが可能となるこ
とが明らかになった。
【0007】本発明は、支持体上に少なくとも一層の蛍
光体層を有する放射線増感スクリーンにおいて、該蛍光
体層がテルビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍光体から
なり、かつ増感スクリーンが該蛍光体の発光光の一部を
吸収して490〜600nmの波長範囲に発光のピーク
を示す蛍光染料もしくは蛍光顔料を含有していることを
特徴とする放射線増感スクリーンにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の放射線増感スクリーンの
好ましい態様を以下に記載する。 (1)蛍光染料もしくは蛍光顔料が500nmより短波
長側の波長領域に光吸収ピークを有し、かつ450〜6
00nmの波長領域内に発光ピークを有するが、該発光
ピークの波長は該光吸収ピークの波長よりも少なくとも
10nm長波長側にあるものである。 (2)蛍光染料もしくは蛍光顔料が400〜490nm
の波長領域内に光吸収ピークを有し、かつ500〜60
0nmの波長領域内に発光ピークを有するものである。 (3)蛍光染料もしくは蛍光顔料が示す発光の半値幅が
100nm以下である。 (4)蛍光染料もしくは蛍光顔料がカルボシアニン色
素、キサンテン色素、トリアリールメタン色素、クマリ
ン色素、フタルイミド化合物、ナフタルイミド化合物、
ジケトピロロピロール化合物および/またはペリレン化
合物である。 (5)蛍光染料もしくは蛍光顔料が蛍光体層(または、
表面保護層)に含有されている。 (6)テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍光体にお
けるテルビウムの賦活量が、ガドリニウム1モル当た
り、0.001〜0.02モルである。
【0009】以下、本発明の放射線増感スクリーンにつ
いて詳細に説明する。本発明の放射線増感スクリーン
は、基本構成として支持体とこの上に形成された一層以
上の蛍光体層とからなる。増感スクリーンは公知の放射
線増感紙と同様な構成を有することができ、たとえば支
持体と蛍光体層との間には光反射層や光吸収層を設けて
もよいし、また蛍光体層の上には表面保護層を設けるの
が好ましい。本発明の特徴的な要件である蛍光染料もし
くは蛍光顔料は、増感スクリーンのどの層に含有させて
もよいが、その効果を有効に発揮するためには蛍光体層
又は表面保護層に含有させることが好ましく、特に好ま
しくは蛍光体層である。
【0010】本発明の放射線増感スクリーンにおいて用
いる蛍光体は、下記の基本組成式(I)で表されるテル
ビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍光体である。なお、
この基本組成式(I)で表される蛍光体に、その特性を
向上させるための10%未満程度の添加物や、表面を修
飾するためのシリカ、アルミナなどが添加された蛍光体
も本発明に含まれる。また、Gdの一部(50原子%未
満、好ましくは30原子%未満、特に10原子%未満)
を、La、Lu及び/又はYで置き換えることも可能で
ある。 基本組成式(I):Gd22 S:Tb ここで、賦活剤TbはGdに置換されるものとする。T
bの置換される割合は任意であるが、モル比で0.00
02〜0.2であることが好ましく、より好ましくは
0.0005〜0.05であり、特に好ましくは0.0
01〜0.02である。
【0011】図2に、本発明に用いるGd22 S:T
b蛍光体のX線励起による発光スペクトルの例を示す
(W管球、40kVpのX線で励起)。図2から明らか
なように、Gd22 S:Tb蛍光体は主発光のピーク
が約545nmにあるが、それ以外にも380〜500
nmにかけて複数の発光ピークを示す。
【0012】本発明の特徴的な要件である蛍光染料もし
くは蛍光顔料は、上記蛍光体の発光光の一部を吸収して
490〜600nmの波長範囲に発光のピークを示すよ
うな物質である。すなわち、545nm付近以外の発光
光を吸収して545nm付近に発光するような蛍光染料
または顔料である。蛍光染料または蛍光顔料の発光のピ
ーク波長はハロゲン化銀写真感光材料の分光感度に合わ
せて設定されるが、具体的には、少なくとも500nm
以下の波長の光を吸収して、490〜600nmの波長
範囲に発光のピークを示す蛍光染料もしくは蛍光顔料で
あるのが好ましい。ただし、発光スペクトルのピーク波
長は、吸収スペクトルのピーク波長よりも、10nm以
上、特に20nm以上、長波長側にあることが好まし
い。発光のピークは、より好ましくは500〜570n
mの範囲である。発光光の半値幅は100nm以下であ
るのが好ましく、より好ましくは80nm以下であり、
特に好ましくは70nm以下である。このような発光波
長の変換により、感光材料と組み合わせた場合に感度の
向上を達成できると同時に、青色発光光の減少によりク
ロスーバーを顕著に低減させることができる。
【0013】また、本発明において蛍光染料もしくは蛍
光顔料は、発光量子収率が20%以上のものであること
が好ましい。ここで、量子収率は、 量子収率(%)=(発光光子数/吸収した光子数)x1
00 で表される。量子収率は、高ければ高いほど好ましく、
好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上であ
る。
【0014】蛍光染料もしくは蛍光顔料は、無機化合物
蛍光体でも有機化合物でもよく、特に制限はない。ただ
し、蛍光体層に含有させた場合に、上記蛍光体の充填率
を損なわないためには蛍光体染料もしくは顔料の粒子径
は小さいほうが好ましく、通常は0〜2μmの範囲であ
り、好ましくは0〜1μmの範囲である。また、増感ス
クリーン中において固体状で存在しないことが好まし
い。よって、このように小さい粒子径であって高い量子
収率を有するものとしては、有機化合物の蛍光染料また
は蛍光顔料が好ましく用いられる。
【0015】蛍光染料もしくは蛍光顔料としては、公知
の染料または顔料、例えば「染料便覧」(315〜11
09頁、有機合成協会編、1970年刊)や「色材工学
ハンドブック」(225〜417頁、(社)色材協会
編、1989年刊)に記載されている染料または顔料を
使用することができる。特に、「レーザーダイズ」(前
田三男著、アカデミックプレス、1984年刊)に記載
の染料が好ましい。具体的には、26〜29頁の第4表
に記載のカルボシアニン色素、74〜75頁の第11表
に記載のフタロシアニン色素、76〜105頁の第12
表に記載のキサンテン色素、106頁の第13表に記載
のトリアリールメタン色素、107〜110頁の第14
表に記載のアクリジン色素、137〜149頁の第18
表に記載の縮合環化合物、189〜238頁の第23表
に記載のクマリン及びアザクマリン色素、239〜24
6頁の第25表に記載のキノロン及びアザキノロン色
素、247〜261頁の第26表に記載のオキサゾール
及びベンゾオキサゾール化合物、273〜275頁の第
29表に記載のフラン及びベンゾフラン化合物、276
頁の第30表に記載のピラゾリン化合物、277頁の第
31表に記載のフタルイミド及びナフタルイミド化合
物、282頁の第32表に記載のペテリジン化合物、2
83頁の第33表に記載のピリリウム、ホスホリン、ボ
ラジアジニウム及びピリジン化合物等を挙げることがで
きる。また、特開昭58−210084号公報に記載さ
れているジケトピロロピロール化合物、及び特開平7−
188178号公報に記載されているペリレン化合物等
を挙げることができる。
【0016】蛍光染料もしくは蛍光顔料は、吸収スペク
トルの極大(ピーク)波長が350〜500nmの範囲
にあって、かつ蛍光(発光)スペクトルの極大(ピー
ク)波長が500〜600nmの範囲にあることが望ま
しい。ただし、発光スペクトルのピーク波長は、吸収ス
ペクトルのピーク波長よりも少なくとも10nm(好ま
しくは、少なくとも20nm)長波長側にあることが好
ましい。また、吸収スペクトルの極大波長は400〜4
90nmの範囲であって、かつ蛍光スペクトルの極大波
長は500〜570nmの範囲であるものも好ましい。
そして上記化合物のうちでそのような蛍光染料または顔
料は、カルボシアニン色素、キサンテン色素、トリアリ
ールメタン色素、アクリジン色素、クマリン及びアザク
マリン色素、フタルイミド及びナフタルイミド化合物、
ピリリウム化合物、ジケトピロロピロール化合物、及び
ペリレン化合物である。特に望ましくは、蛍光スペクト
ルの極大波長は500〜555nmの範囲であり、その
ような蛍光染料または顔料はカルボシアニン色素、キサ
ンテン色素、トリアリールメタン色素、クマリン色素、
フタルイミド及びナフタルイミド化合物、ジケトピロロ
ピロール化合物、及びペリレン化合物である。
【0017】これらの蛍光染料または蛍光顔料は、残光
がないことが好ましい。蛍光寿命が10-2秒以下である
ものが好ましく用いられる。また、これら蛍光染料また
は蛍光顔料には保存経時や光、熱による分解が起こりに
くいことが要求される。以下に、本発明に用いる蛍光染
料および蛍光顔料の具体例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】蛍光体層は、前記蛍光体の粒子と、上記蛍
光体染料又は顔料を含有させる場合にはその粒子とを結
合剤樹脂を含有する有機溶剤溶液に分散させて分散液を
調製した後、その分散液を支持体(支持体上に光反射層
等の下塗層が設けられている場合にはその下塗層)の上
に直接塗布、乾燥することにより形成することができ
る。あるいは、別に用意した仮支持体上にこの分散液を
塗布、乾燥して蛍光体シートを形成した後、蛍光体シー
トを仮支持体から剥がし取って、接着剤を用いてい支持
体上に付設してもよい。
【0034】蛍光体粒子の粒径に特に制限はなく、通常
は約1〜15μmの範囲であり、好ましくは約2〜10
μmの範囲である。蛍光体層中における蛍光体粒子の体
積充填率は高い方が好ましく、通常は60〜85%の範
囲にあり、好ましくは65〜80%の範囲であり、特に
好ましくは68〜75%の範囲である。(蛍光体層にお
ける蛍光体粒子の比率は通常は80重量%以上であり、
好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%
以上である。)また、蛍光染料または顔料の含有量は通
常は蛍光体1kgに対して0.1〜5000mgの範囲
にあり、好ましくは1〜1000mgの範囲であり、特
に好ましくは5〜500mgの範囲である。蛍光体層の
形成に用いる結合剤樹脂、有機溶剤及び任意に用いるこ
とのできる各種添加剤については、公知の各種の文献に
記載されている。蛍光体層の厚みは、目標とする感度に
応じて任意に設定することができるが、好ましくはフロ
ント側スクリーンについては70〜150μmの範囲で
あり、バック側スクリーンについては80〜400μm
の範囲である。なお、蛍光体層のX線吸収率は蛍光体粒
子の塗布量によって決定される。
【0035】なお、蛍光体層は一層でもよいが、あるい
は二層以上から構成してもよい。好ましくは、一層乃至
三層であり、より好ましくは一層もしくは二層である。
例えば、粒径分布の比較的狭い、粒径の異なる蛍光体粒
子からなる層を積層してもよいし、その場合には支持体
に近い層ほど粒径が小さくなるようにしてもよい。ま
た、粒径の異なる蛍光体粒子を混合して蛍光体層を形成
してもよいし、あるいは特公昭55−33560号の第
3頁左欄3行目〜第4頁左欄39行目に記載されている
ように、蛍光体粒子の粒径分布が傾斜している構造の蛍
光体層であってもよい。通常、Gd22 S:Tb蛍光
体の粒径分布の変動係数は30〜50%の範囲にある
が、その変動係数が30%以下の単分散の蛍光体粒子も
好ましく用いることができる。
【0036】支持体としては、公知の放射線増感スクリ
ーンに用いる各種の支持体の中から目的に応じて適宜選
択して使用することができる。例えば、二酸化チタン等
の白色顔料を含むポリマーフィルムもしくはカーボンブ
ラック等の黒色顔料を含むポリマーフィルムが好ましく
用いられる。
【0037】支持体の表面(蛍光体層が設けられる側の
表面)には、光反射材料を含有する光反射層などの下塗
層を設けてもよい。光反射層は二酸化チタン等の白色顔
料を含むポリマーバインダからなる層である。例えば、
特開平9−21899号公報の実施例1及び2に記載さ
れているように、平均粒径が0.1〜0.5μmの範囲
の二酸化チタンを体積充填率で10〜75%含む光反射
層を厚み10〜100μmの範囲で設けるのが好まし
い。
【0038】蛍光体層の表面には表面保護層を設けるの
が好ましい。表面保護層としては、蛍光体の主発光波長
において測定される光散乱長が5〜80μmの範囲にあ
ることが好ましく、より好ましくは10〜70μmの範
囲であり、特に好ましくは10〜60μmの範囲であ
る。ここで、光散乱長は、光が一回散乱するまでに直進
する平均距離を表し、散乱長が短いほど光散乱性が高い
ことを意味する。また、光が吸収されるまでの平均自由
距離を表す光吸収長は任意であるが、スクリーン感度の
観点からは表面保護層の吸収はない方が減感が少ないた
め好ましい。散乱不足を補う意味で、極僅かな吸収性を
持たせることもできる。吸収長は、好ましくは800μ
m以上であり、特に好ましくは1200μm以上であ
る。光散乱長および光吸収長は、下記の方法によって測
定した測定値を用いてクベルカ・ムンク(Kubelk
a−Munk)の理論に基づく計算式により算出するこ
とができる。
【0039】まず、測定対象の表面保護層と同一の組成
を有し、互いに層厚が相違する三枚以上のフィルム試料
を作製する。次に、各々のフィルム試料の厚み(μm)
と拡散透過率(%)とを測定する。拡散透過率は、通常
の分光光度計に積分球を付設した装置により測定するこ
とができる。本発明における測定では、自記分光光度計
((株)日立製作所製、U−3210型)に150φ積
分球(150−0901)を付設して用いる。測定波長
は、表面保護層を付設する対象の蛍光体層の蛍光体の主
発光のピーク波長と一致させる必要がある。次いで、フ
ィルムの厚み(μm)と拡散透過率(%)の測定値と
を、クベルカ・ムンクの理論式より導出される下記の式
(A)に導入する。式(A)は、例えば「蛍光体ハンド
ブック」(蛍光体同学会編集、(株)オーム社、198
7年刊行)403頁の式5・1・12〜5・1・15か
ら拡散透過率T(%)の境界条件の下に簡単に導くこと
ができる。
【0040】
【数1】T/100= 4β/[(1+β)2 ・exp(αd)−(1−β)2 ・exp(−αd)] …(A)
【0041】ただし、Tは拡散透過率(%)、dはフィ
ルム厚み(μm)であり、αおよびβはそれぞれ下記の
式で定義される。
【0042】
【数2】α=[K・(K+2S)]1/2 β=[K/(K+2S)]1/2
【0043】三枚以上のフィルムについて測定したT
(拡散透過率:%)及びd(フィルム厚み:μm)をそ
れぞれ上記の式(A)に導入し、式(A)を満足するK
およびSを算出する。散乱長(μm)は1/Sにより定
義され、そして吸収長(μm)は1/Kにより定義され
る。
【0044】表面保護層はまた、光散乱性粒子が樹脂材
料中に分散含有された構成であることが好ましい。光散
乱性粒子の光屈折率は通常は1.6以上であり、好まし
くは1.9以上である。また、光散乱性粒子の粒子径は
通常は0.1〜1.0μmの範囲にある。このような光
散乱性粒子の例としては、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、酸化チタン、酸化ニオブ、硫酸バリウ
ム、炭酸鉛、酸化ケイ素、ポリメチルメタクリレート、
スチレン、およびメラミンの微粒子を挙げることができ
る。これらのうちで特に高い屈折率を有する好ましい光
散乱性粒子は、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタン、およ
び炭酸鉛の微粒子であり、特に好ましくは酸化チタン
(特にアナタース型)である。
【0045】表面保護層を形成するのに用いる樹脂材料
については、特段の制限はないが、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ア
ラミド、フッ素樹脂、ポリエステル等を好ましく用いる
ことができる。表面保護層は、上記の光散乱性粒子を樹
脂材料(結合剤樹脂)を含有する有機溶剤溶液に分散さ
せて分散液を調製した後、その分散液を蛍光体層上に
(あるいは任意の補助層を介して)直接に塗布、乾燥す
ることにより形成することができる。あるいは別途形成
した保護層用シートを接着剤を用いて蛍光体層上に付設
してもよい。表面保護層の厚みは、通常は2〜12μm
の範囲にあり、好ましくは3.5〜10μmの範囲であ
る。なお、この分散液に前記蛍光染料もしくは蛍光顔料
の粒子を添加することにより、表面保護層に蛍光染料ま
たは顔料を含有させてもよい。
【0046】さらに、放射線増感スクリーンの好ましい
製造方法およびそれに用いる材料については、例えば特
開平9−21899号公報の第6頁左欄47行目〜第8
頁左欄5行目、特開平6−347598号公報の第2頁
右欄17行目〜第3頁左欄33行目、および同公報第3
頁左欄42行目〜第4頁左欄22行目に詳しい記載があ
り、それらを参照することができる。
【0047】次に、本発明の放射線増感スクリーンと組
み合わせて有利に用いることができるハロゲン化銀写真
感光材料について詳しく述べる。ハロゲン化銀写真感光
材料は、本発明の増感スクリーンと組み合わせて放射線
露光を行った場合にクロスオーバーが10%以下のもの
である。特に、クロスオーバーが8%以下のものが好ま
しい。ここで、クロスオーバーは次のようにして求めた
値である。
【0048】まず、一枚の増感スクリーンを用意し、ス
クリーンの前側に両面に乳剤層を有する感光材料を接触
させて配置し、さらにその感材の前側に黒紙を接触させ
て配置した状態で、X線発生装置のフォーカルスポット
とスクリーンとの距離を変えることによりX線照射量を
変えて露光を行う。露光後の感材を現像処理し、これを
二分割して、一方からはスクリーンと接触していた側の
乳剤層を剥離し、他方からはその逆側の乳剤層を剥離す
る。次いで、各々の乳剤層の各露光量に対する濃度をグ
ラフ上にプロットし、各乳剤層の特性曲線を作成する。
各特性曲線の直線部分における両者の感度差ΔlogE
の平均値を求め、以下の式に導入することよりクロスオ
ーバー(%)を算出することができる。 クロスオーバー(%)=100/[antilog(Δ
logE)+1]
【0049】感光材料のクロスオーバーを10%以下に
するには、500〜600nmの波長範囲に吸収のピー
クを示し、かつ550nmの波長における吸収係数が4
50nmの波長における吸収係数の2倍以上である染料
を感材に含有させるのが好ましい。より好ましくはこの
吸収係数が3倍以上の染料である。たとえば、通常のG
22 S:Tb蛍光体を用いたスクリーンでは、クロ
スオーバーを充分に低減させるためにはその主発光のピ
ーク波長(約545nm)付近のみならず、380〜5
70nmの広い範囲に渡る発光光を吸収するような染料
を添加する必要があるが、本発明のスクリーンと組み合
わせることにより、500nm以下の短波長の青色光に
対しては吸収係数の小さな染料でも充分にクロスオーバ
ーを減少させることができる。逆に、上記のような染料
を用いることにより、500〜600nmの波長の光に
対する吸収係数を上げることが可能となり、染料の塗布
量を削減できると同時に、効率良くクロスオーバーを減
少させることができる。
【0050】このような500〜600nmの波長範囲
に比較的鋭い吸収ピークを有する染料を感材に含有させ
る方法については、特に制限はないが、例えば特開平2
−29641号公報に記載されているように、ハロゲン
化銀微結晶に染料(色素)を吸着させて鋭い吸収ピーク
を付与し下層に塗布する方法、およびSiO2 、雲母等
の透明な無機化合物に染料を吸着させて鋭い吸収ピーク
を付与し感材に添加する方法を好ましく用いることがで
きる。特に好ましいのは、特開平1−172828号公
報等に記載されているように、現像処理過程で脱色可能
な染料を固体微粒子の状態で層中に固定する方法であ
る。染料の固体微粒子は、固体微粒子分散物として感材
中に含有される。ここで、現像処理過程で脱色可能な染
料とは、処理前においては充分な光吸収を示すが、現
像、定着、水洗(安定化も含む)の処理過程において可
視部での吸光度が0.4以下に変化するもの、好ましく
は0〜0.25の範囲に変わるものをいう。
【0051】以下、現像処理過程で脱色可能な染料につ
いて詳細に説明する。染料としては、公知の染料または
顔料、例えば「染料便覧」(315〜1109ペ−ジ、
有機合成化学協会編、1970年刊)や、「色材工学ハ
ンドブック」(225〜417ペ−ジ、(社)色材協会
編、1989年刊)に記載のものを使用してもよいが、
下記式(FA)で表される染料が好ましく用いられる。
【0052】式(FA) : D−(X1 )y1 式(FA)中、Dは発色団を有する化合物から誘導され
る基を表し、X1 はDに直接もしくは2価の連結基を介
して結合した解離性プロトンまたは解離性プロトンを有
する基を表し、連結基を介するときのX1 には連結基が
含まれる。y1は1〜7の整数を表す。
【0053】Dが誘導される発色団を有する化合物は、
多くの周知の色素化合物の中から選ぶことができる。
【0054】これらの色素化合物の例としては、オキソ
ノール色素、メロシアニン色素、シアニン色素、アリー
リデン色素、アゾメチン色素、トリフェニルメタン色
素、アゾ色素、アントラキノン色素、インドアニリン色
素を挙げることができる。
【0055】X1 で表される連結基を有していてもよい
解離性プロトンまたは解離性プロトンを有する基は、式
(FA)で表される化合物が本発明のハロゲン化銀写真
感光材料中に添加された状態では非解離であり、式(F
A)の化合物を実質的に水不溶性にする特性を有し、同
材料が現像処理される工程(現像処理過程)では、解離
して式(FA)の化合物を実質的に水可溶性にする特性
を有する。これらの基の例としては、カルボン酸基、ス
ルホンアミド基、アリールスルファモイル基、スルホニ
ルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基、オキ
ソノール色素のエノール基、フェノール性水酸基を挙げ
ることができる。
【0056】式(FA)で表される化合物のうち好まし
いものとして、例えば下記式(FA1)、(FA2)、
(FA3)で表される化合物が挙げられる。
【0057】一般式(FA1) A1 =L1 −(L2 =L3m −Q 一般式(FA2) A1 =L1 −(L2 =L3n −A2 一般式(FA3) A1 =(L1 −L2k =B1
【0058】式中、A1 及びA2 はそれぞれ酸性核を表
す。B1 は塩基性核を表す。Qは、アリ−ル基または複
素環基を表し、L1 、L2 及びL3 はそれぞれメチン基
を表す。mは、0、1、2を表し、n、kはそれぞれ
0、1、2、3を表す。但し、式(FA1)〜(FA
3)の化合物は、一分子中に、カルボン酸基、スルホン
アミド基、アリールスルファモイル基、スルホニルカル
バモイル基、カルボニルスルファモイル基、オキソノー
ル色素のエノール基、フェノール性水酸基からなる郡よ
り選ばれる少なくとも一個の基を有し、それ以外の水溶
性基(例えば、スルホン酸基、リン酸基)を有しない。
【0059】A1 およびA2 で表される酸性核として
は、環状のケトメチレン化合物または電子吸引性基によ
って挟まれたメチレン基を有する化合物が好ましい。
【0060】環状のケトメチレン化合物の例としては、
2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、
チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イ
ソオキサゾロン、バルビツ−ル酸、チオバルビツ−ル
酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、ヒド
ロキシピリドン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒド
ロフラン−2−オンを挙げることができる。これらは、
置換基を有していてもよい。
【0061】電子吸引性基によって挟まれたメチレン基
を有する化合物は、Z1 CH22と表すことができ
る。ここにZ1 およびZ2 はそれぞれ−CN、−SO2
1 、−COR1 、−COOR2 、−CONHR2 、−
SO2 NHR2 、−C[=C(CN)2 ]R1 ,又は−
C[=C(CN)2 ]NHR1 を表す。R1 は、アルキ
ル基、アリ−ル基、または複素環基を表し、R2 は水素
原子、またはR1 で表される基を表し、そしてこれらは
それぞれ置換基を有していてもよい。
【0062】B1 で表される塩基性核の例としては、ピ
リジン、キノリン、インドレニン、オキサゾール、イミ
ダゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイ
ミダゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾリン、ナフト
オキサゾール、ピロールを挙げることができる。これら
はそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0063】Qで表されるアリール基の例としては、フ
ェニル基、ナフチル基を挙げることができる。これらは
それぞれ置換基を有していてもよい。Qで表される複素
環基の例としては、ピロール、インドール、フラン、チ
オフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、
キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサ
ジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾ
ール、ベンゾキノリン、チアゾアゾール、ピロロチアゾ
ール、ピロロピリダシン、テトラゾール、オキサゾー
ル、クマリン及びクマロンを挙げることができる。これ
らはいずれも置換基を有していてもよい。
【0064】L1 、L2 およびL3 で表されるメチン基
は、置換基を有していてもよく、その置換基同士が連結
して五又は六員環(例えば、シクロペンテン、シクロヘ
キセン)を形成していてもよい。
【0065】上述した各基が有していてもよい置換基
は、式(FA)並びに式(FA1)〜(FA3)の化合
物をpH5〜pH7の水に実質的に溶解させるような置
換基でなければ特に制限はない。例えば、以下の置換基
を挙げることができる。
【0066】カルボン酸基、炭素数1〜10のスルホン
アミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンス
ルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタンス
ルホンアミド)、炭素数0〜10のスルファモイル基
(例えば、無置換のスルファモイル、メチルスルファモ
イル、フェニルスルファモイル、ブチルスルファモイ
ル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイル基(例
えば、メタンスルホニルカルバモイル、プロパンスルホ
ニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイ
ル)、炭素数1〜10のアシルスルファモイル基(例え
ば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモ
イル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルスルファ
モイル)、炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、
2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カル
ボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素数
2〜8のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、炭
素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、B
r)、炭素数0〜10のアミノ酸基(例えば、無置換の
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシ
エチルアミノ)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニ
ル基(例えば、メトキシカルボニル)、炭素数1〜10
のアミド基(例えば、アセチルアミノ、ベンズアミ
ド)、炭素数1〜10のカルバモイル基(例えば、無置
換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバ
モイル)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェ
ニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−カルボ
キシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メ
タンスルホンアミドフェニル、4−ブタンスルホンアミ
ドフェニル)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(例
えば、フェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−メ
チルフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜8のアルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチル
チオ)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、ナフチルチオ)、炭素数1〜10のアシル
基(例えば、アセチル、ベンゾイル、プロパノイル)、
炭素数1〜10のスルホニル基(例えば、メタンスルホ
ニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜10のウレイ
ド基(例えば、ウレイド、メチルウレイド)、炭素数2
〜10のウレタン基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ、エトキシカルボニルアミノ)、シアノ基、水酸基、
ニトロ基、複素環基(例えば、5−カルボキシベンゾオ
キサゾール環、ピリジン環、スルホラン環、ピロ−ル
環、ピロリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピリ
ミジン環、フラン環)を挙げることができる。
【0067】また本発明に用いられる式(FA)で表さ
れる染料として、特開平4−45436号公報に記載の
染料は特に好ましく用いられる。
【0068】以下に、本発明に用いられる式(FA)並
びに式(FA1)〜(FA3)で表される化合物の具体
例を記載する。
【0069】
【化16】
【0070】
【化17】
【0071】
【化18】
【0072】
【化19】
【0073】
【化20】
【0074】
【化21】
【0075】
【化22】
【0076】
【化23】
【0077】
【化24】
【0078】
【化25】
【0079】その他、式(FA1)の具体例として、特
開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−
24)を、(FA2)の具体例として同公報記載の(II
I −5)〜(III −18)を、そして(FA3)の具体
例として同公報記載の(IV−2)〜(IV−7)を挙げる
ことができる。
【0080】このほか、本発明に使用することができる
染料としては、現像処理時に脱色可能な固体微粒子分散
状の染料として、特開平3−138640号公報に記載
のシアニン染料、ピリリウム染料およびアミニウム染料
が挙げられる。
【0081】本発明に用いる染料は、国際特許WO88
/04794号公報、ヨーロッパ特許(EP)0274
723A1号公報、同276566号公報、同2994
35号公報、特開昭52−92716号公報、同55−
155350号公報、同55−155351号公報、同
61−205934号公報、同48−68623号公
報、米国特許第2527583号明細書、同34868
97号明細書、同3746539号明細書、同3933
798号明細書、同4130429号明細書、同404
0841号明細書、特開平2−282244号公報、同
3−7931号公報、同3−167546号公報、特開
平1−266536号公報、同3−136038号公
報、同3−226736号公報、同3−138640号
公報、同3−211542号公報、特願平6−2279
82号公報、同6−227983号公報、同6−279
297号公報、同7−54026号公報、同7−101
968号公報、同7−135118号公報、特開平2−
282244号公報、特開平7−113072号公報、
特開平7−53946号公報等に記載されている方法又
はその方法に準じて合成できる。
【0082】本発明において、上述した現像処理過程で
脱色可能な染料は固体微粒子状で用いることが好まし
い。染料を固体微粒子化する方法としては、分散助剤の
存在下で公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動
ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミ
ル、ジェットミル、ローラーミル)を用い、機械的に分
散する方法を利用することができる。
【0083】使用する分散助剤は、上述した高分子化合
物を使用し、必要に応じて、二種以上を併用してもよ
い。同時に、公知のアニオン性、ノニオン性、あるいは
カチオン性の界面活性剤や、ポリマーを併用させてもよ
いが、上述した高分子化合物のみを使用することが好ま
しい。分散助剤は、分散前に染料粉末またはウェットケ
ーキと、混合しスラリーとして分散機に送り込むのが一
般的な方法であるが、予め、染料と混ぜ合わされた状態
で、熱処理や溶媒による処理を施して染料粉末またはウ
ェットケーキとしてもよい。分散中、微粒子化が進むに
つれて、分散液に添加することもできる。また、分散後
の物性の安定化のために、分散液に添加することもでき
る。いずれの場合も、溶媒(例えば、水、アルコールな
ど)を共存させるのが一般的である。分散前後又は分散
中に、適当なpH調整剤によりpHコントロールしても
よい。
【0084】機械的に分散する以外にも、pHをコント
ロールすることで溶媒中に溶解し、その後分散助剤の共
存下でpHを変化させて微粒子化してもよい。この時、
溶解に用いる溶媒として有機溶媒を使用してもよく、通
常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0085】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で、攪拌しながら保存したり、親水性コ
ロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用
しゼリー状態にする)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で、防腐
剤を添加することが好ましい。
【0086】このように調製された染料の固体微粒子
は、平均粒子径が通常は0.005〜10μm、好まし
くは0.01〜3μmであり、特に0.05〜0.5μ
mであることが好ましい。
【0087】このような染料は、感材中のいずれの部位
に添加してもよいが、支持体と乳剤層との間に設けた下
塗り親水性コロイド層の少なくとも一層および/または
非感光性親水性コロイド層に添加することが好ましい。
あるいは、写真乳剤層を二層以上積層し、そのうちの下
側(支持体に近い側)の乳剤層に染料を導入してもよ
い。ここで、下塗り親水性コロイド層とは支持体の上に
塗設される親水性コロイド層をいい、下塗り親水性コロ
イド層を塗布し、乾燥した後に、この上層を塗設する。
またこの下塗り親水性コロイド層上に塗設される非感光
性親水性コロイド層は、その上層となる感光性ハロゲン
化銀乳剤層と同時重層塗布されるものであり、非感光性
親水性コロイド層の乾燥前に感光性ハロゲン化銀乳剤層
が塗設される。
【0088】下塗り親水性コロイド、ハロゲン化銀乳剤
層とこの下塗り親水性コロイド層との間に塗設される非
感光性親水性コロイド層および/または写真乳剤層に含
有される固体微粒子状の染料は、互いに同一のものであ
ってもよく、それぞれ別のものであってもよい。また同
一層に二種以上の複数の染料を使用してもよい。
【0089】脱色可能な染料の固形分での使用量(支持
体1m2 当り、支持体両面の合計)は、必要な吸光度と
分散物の吸光係数にもよるが通常は0.005〜2g/
2の範囲にある。好ましくは0.03〜2g/m2
範囲であり、より好ましくは0.04〜0.15g/m
2 の範囲であり、特に好ましくは0.05〜0.12g
/m2 の範囲である。このとき、染料を片面にのみ添加
することもできる。
【0090】さらに染料を固体微粒子状とする方法、お
よび固体微粒子の粒子サイズ、形状は同じであっても異
なっていてもよい。
【0091】親水性コロイドとしては、特に制限はない
が、通常はゼラチンを用いることが好ましい。
【0092】染料を含有する下塗り親水性コロイド層に
含有されるゼラチン塗布量は支持体の片側1m2 当り
0.05〜0.3gの範囲であるのが好ましい。特に
0.05〜0.2gの範囲であることが最も好ましい。
【0093】染料を含有する非感光性親水性コロイド層
に含有されるゼラチン塗布量は、支持体の片側1m2
り0.05〜0.5gの範囲であることが好ましい。特
に、0.1〜0.4gの範囲であることが最も好まし
い。
【0094】脱色可能な染料を含有する下塗り親水性コ
ロイド層、染料を含有する非感光性親水性コロイド層、
感光性ハロゲン化銀乳剤層、及び表面保護層の親水性コ
ロイドの合計としては、支持体の片側1m2 当り1.4
〜2.6gの範囲であることが好ましい。
【0095】上述のような下塗り親水性コロイド層およ
び非感光性親水性コロイド層のうちの少なくとも一方に
はゼラチン反応性のポリマーラテックスを含有させるこ
とが好ましい。
【0096】好ましく用いられるゼラチン反応性のポリ
マーラテックスとは、感光材料に塗布されたゼラチン
と、ポリマーラテックス表面の反応性基がゼラチン末端
基と化学的に結合することを意味し、特に活性メチレン
基を有するポリマーラテックスが好ましい。
【0097】本発明において好ましい活性メチレン基を
有するポリマーラテックスは下記一般式(II)で表され
るポリマーである。
【0098】
【化26】
【0099】一般式(II)中、C1 は活性メチレン基を
含有するエチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り
返し単位を表し、A1 はC1 以外で、かつその単独重合
体のガラス転移温度が35℃以下であるようなエチレン
性不飽和モノマーより誘導される繰返し単位を表し、B
1 はC1 、A1 以外のエチレン性不飽和モノマーより誘
導される繰り返し単位を表す。
【0100】x、y、zは、各成分の重量百分率比を表
し、xは0.5〜40、yは60〜99.5、zは0〜
50の値をとる。ここでx+y+z=100を表す。
【0101】さらに詳細に説明すると、C1 で表される
活性メチレン基を含有するエチレン性不飽和モノマーは
下記式で表される。
【0102】
【化27】
【0103】式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基(たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、
n−ブチル)またはハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子)を表し、好ましくは水素原子、メチル基、塩
素原子を表す。
【0104】xは活性メチレン基を含む一価の基を表
し、これについては後に詳述する。
【0105】Lは単結合もしくは二価の連結基を表し、
具体的には下記式で表される。
【0106】
【化28】
【0107】L1 は−CON(R2 )−、(ただし、R
2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
6の置換アルキル基を表す)、−COO−、 −NHCO
−、−OCO−、下記の基
【0108】
【化29】
【0109】(R3 、R4 はそれぞれ独立に、水素原
子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子または置換もしくは
無置換のアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基も
しくはアリールオキシ基を表し、R2 は上記と同義のも
のである)を表し、L2 はL1とXを結ぶ連結基を表
し、m1は0または1であり、m2は0または1であ
る。L2 で表される連結基は具体的には、下記式で表さ
れる。
【0110】
【化30】
【0111】J1 、J2 、J3 は同じでも異なっていて
もよく、-CO-、-SO2- 、-CON(R5)-[R5 は水素原子、
アルキル基(炭素数1〜6)、または置換アルキル基
(炭素数1〜6)]、-SO2N(R5)-(R5 は上記と同
義)、-N(R5)-R6-(R5 は上記と同義、R6 は炭素数1
〜約4のアルキレン基)、-N(R5)-R6-N(R7)-[R5 、R
6 は上記と同義、R7 は水素原子、アルキル基(炭素数
1〜6)、または置換アルキル基(炭素数1〜6)]、
-O-、 -S-、 -N(R5)-CO-N(R7)-(R5 、R7 は上記と同
義)、-N(R5)-SO2-N(R7)- (R5 、R7 は上記と同
義)、-COO-、 -OCO-、 -N(R5)CO2-(R5 は上記と同
義)、-N(R5)CO-(R5 は上記と同義)等を挙げることが
できる。
【0112】p、q、r、sは0または1である。
【0113】X1 、X2 、X3 は互いに同じでも異なっ
ていてもよく、炭素数1〜10の無置換もしくは置換の
アルキレン基、アラルキレン基、又はフェニレン基を表
し、アルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。アルキレン
基としては例えばメチレン、メチルメチレン、ジメチル
メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、デシルメチレ
ン、アラルキレン基としては例えばベンジリデン、フェ
ニレン基としては例えばp−フェニレン、m−フェニレ
ン、メチルフェニレンがある。
【0114】前述のXで表される活性メチレン基を含む
一価の基の好ましい具体例としてはR8-CO-CH2-COO-、NC
-CH2-COO- 、R8-CO-CH2-CO−、R8-CO-CH2-CON(R5)-を挙
げることができる。ここでR5 は前記と同じであり、R
8 は炭素数1〜12の置換または無置換のアルキル基
(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
t−ブチル、n−ノニル、2−メトキシエチル、4−フ
ェノキシブチル、ベンジル、2−メタンスルホンアミド
エチル等)、置換または無置換のアリール基(例えばフ
ェニル、p−メチルフェニル、p−メトキシフェニル、
o−クロロフェニル等)、アルコキシ基(例えば、メト
キシ、エトキシ、メトキシエトキシ、n−ブトキシ
等)、シクロアルキルオキシ基(例えばシクリヘキシル
オキシ)、アリーロキシ(例えばフェノキシ、p−メチ
ルフェノキシ、o−クロロフェノキシ、p−シアノフェ
ノキシ等)、アミノ酸、置換アミノ基(例えばメチルア
ミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ
等)を表す。
【0115】以下に、一般式(II)で表されるポリマー
において、C1 で表される活性メチレン基を有するエチ
レン性不飽和モノマーを例示するがこれらに限定される
ものではない。
【0116】 M−1 2−アセトアセトキシエチルメタクリレート M−2 2−アセトアセトキシエチルアクリレート M−3 2−アセトアセトキシプロピルメタクリレート M−4 2−アセトアセトキシプロピルアクリレート M−5 2−アセトアセトアミドエチルメタクリレート M−6 2−アセトアセトアミドエチルアクリレート M−7 2−シアノアセトキシエチルメタクリレート M−8 2−シアノアセトキシエチルアクリレート M−9 N−(2−シアノアセトキシエチル)アクリル
アミド M−10 2−プロピオニルアセトキシエチルアクリレー
ト M−11 N−(2−プロピオニルアセトキシエチル)メ
タクリルアミド M−12 N−4−(アセトアセトキシベンジル)フェニ
ルアクリルアミド M−13 エチルアクリロイルアセテート M−14 アクリロイルメチルアセテート M−15 N−メタクリロイルオキシメチルアセトアセト
アミド M−16 エチルメタクリロイルアセトアセテート M−17 N−アリルシアノアセトアミド M−18 メチルアクリロイルアセトアセテート M−19 N−(2−メタクリロイルオキシメチル)シア
ノアセトアミド M−20 p−(2−アセトアセチル)エチルスチレン M−21 4−アセトアセチル−1−メタクリロイルピペ
ラジン M−22 エチル−α−アセトアセトキシメタクリレート M−23 N−ブチル−N−アクリロイルオキシエチルア
セトアセトアミド M−24 p−(2−アセトアセトキシ)エチルスチレン
【0117】A1 で表される繰返し単位を与えるエチレ
ン性不飽和モノマーは、その単独重合体のガラス転移温
度が35℃以下となるようなモノマーであり、具体的に
はアルクルアクリレート(例えばメチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘ
キシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−ドデシルアクリレートな
ど)、アルキルメタクリレート(例えば、n−ブチルメ
タクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレー
トなど)、ジエン類(例えばブタジエン、イソプレン
等)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等)を挙げることができる。
【0118】更に好ましいモノマーとしては単独重合体
のガラス移転温度が10℃以下のモノマーであり、この
ようなモノマーとしては炭素数2以上のアルキル側鎖を
有するアルキルアクリレート(例えば、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート等)、炭素数6以上のアルキル側鎖を有する
アルキルメタクリレート(例えば、n−ヘキシルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等)、ジ
エン類(例えばブタジエン、イソプレン)を特に好まし
い例として挙げることができる。
【0119】上記のポリマーのガラス転移温度の値につ
いては、J.Brandrup、 E.H.Immergut共編 「Polymer Hand
book」 第3版( John Wiley & Sons, 1989年)V1/209〜
#V1/277 頁に記載されている。
【0120】B1 で表される繰り返し単位は、A1 以外
の繰り返し単位、すなわちその単独重合体のガラス転移
温度が35℃を越えるようなモノマーより誘導される繰
り返し単位である。
【0121】具体的には、アクリル酸エステル類(例え
ば、t−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、
2−ナフチルアクリレート等)、メタクリル酸エステル
類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレー
ト、4−クロロベンジルメタクリレート、エチレンクリ
コールジメタクリレート等);ビニルエステル類(例え
ば安息香酸ビニル、ピバロイルオキシエチレン等);ア
クリルアミド類(例えば、アクリルアミド、メチルアク
リルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリル
アミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリル
アミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジルアク
リルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メトキ
シエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリ
ルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリル
アミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチルア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等);
【0122】メタクリルアミド類(例えば、メタクリル
アミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルア
ミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルア
ミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシル
メタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロ
キシメチルメタクリルアミド、メトキシエチルメタクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フ
ェニルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、
ジエチルメタクリルアミド、β−シアノエチルメタクリ
ルアミド等);
【0123】スチレン類(例えば、スチレン、メチルス
チレン、ジメチルスチレン、トリメチレンスチレン、エ
チルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロスチレ
ン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルス
チレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安
息香酸メチルエステル等);ジビニルベンゼン、アクリ
ルニトリル、メタアクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルオキサゾリドン、塩化ビニリデン、フ
ェニルビニルケトン等を挙げることができる。
【0124】また、式(II)で表されるポリマーにおい
ては、特公昭60−15935号公報、同45−383
2号公報、同53−28086号公報、米国特許第3、
700、456号明細書等に記載されているようなアニ
オン性官能基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸
基)を有するモノマーをラテックスの安定性を向上させ
る等の目的で共重合してもよい。
【0125】このようなモノマーとしては、以下の化合
物を挙げることができる。アクリル酸;メタクリル酸;
イタコン酸、マレイン酸;イタコン酸モノアルキル、例
えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル
等;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル等;シトラコン酸;スチ
レンスルホン酸;ビニルベンジルスルホン酸;ビニルス
ルホン酸;アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、例
えば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸、アクリロ
イルオキシエチルスルホン酸、アクリロイルオキシプロ
ピルスルホン酸など;メタクリロイルオキシアルキルス
ルホン酸、例えば、メタクリロイルオキシメチルスルホ
ン酸、メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、メタク
リロイルオキシプロピルスルホン酸など;アクリルアミ
ドアルキルスルホン酸、例えば、2−アクリルアミド−
2−メチルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2
−メチルブタンスルホン酸など;メタクリルアミドアル
キルスルホン酸、例えば、2−メタクリルアミド−2−
メチルエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2
−メチルブタンスルホン酸など;これらの酸はアルカリ
金属(例えば、Na、K等)又はアンモニウムイオンの
塩であってもよい。
【0126】x、y、zは前記のように重合体中の各モ
ノマー成分の重量百分率比を表し、xは0.5〜40、
好ましくは0.5〜30、特に好ましくは1〜20であ
り、yは60〜99.5、好ましくは70〜99.5、
特に好ましくは75〜99であり、そしてzは0〜5
0、好ましくは0〜35、特に好ましくは0〜25であ
る。
【0127】また、上記のアニオン性官能基を有するモ
ノマー(単量体)は、その単独重合体のガラス転移温度
の大小に依らず、ラテックスの安定性付与等の必要に応
じて用いることが可能であり、用いた場合の好ましい量
は、ポリマーの全重量に対して0.5〜20重量%、特
に好ましくは1〜10重量%である。
【0128】一般式(II)のポリマーラテックスの好ま
しい化合物について、以下に例示する。括弧内は共重合
体における各成分の重量百分率を表す。
【0129】II−1 エチルアクリレート/M−1/ア
クリル酸共重合体(85/10/5) II−2 n−ブチルアクリレート/M−1/メタクリル
酸共重合体(85/5/10) II−3〜7 n−ブチルアクリレート/M−1/アクリ
ル酸共重合体(x/y/z) II−3 x/y/z=95/2/3 II−4 x/y/z=92/5/3 II−5 x/y/z=89/8/3 II−6 x/y/z=81/16/3 II−7 x/y/z=72/25/3 II−8 n−ブチルアクリレート/スチレン/M−1/
メタクリル酸共重合体(65/20/5/10) II−9 メチルアクリレート/M−4/メタクリル酸共
重合体(80/15/5) II−10 n−ブチルアクリレート/M−5/アクリル酸
共重合体(85/10/5) II−11 n−ブチルアクリレート/M−7/メタクリル
酸共重合体(85/10 /5)II−12 2−エチルヘキシルアクリレート/M−
9共重合体(75/25) II−13 n−ブチルアクリレート/M−14/スチレン
スルフィン酸カリウム共重合体(75/20/5) II−14 n−ヘキシルアクリレート/メトキシエチルア
クリレート/M−2共重合体(70/20/10) II−15 2−エチルへキシルアクリレート/M−15/
メタクリル酸共重合体(90/5/5) II−16 n−ブチルアクリレート/M−1/M−17/
アクリル酸共重合体(75/5/15/5)
【0130】本発明においてポリマーラテックスは一般
によく知られている乳化重合法によって調製され、その
粒子径の好ましい範囲は0.01〜0.1μmである。
乳化重合法は好ましくは少なくとも一種の乳化剤を用い
て水あるいは水と水に混和しうる有機溶媒(例えばメタ
ノール、エタノール、アセトン等)の混和溶媒中でモノ
マーを乳化させラジカル重合開始剤を用いて一般に30
℃〜約100℃、好ましくは40℃〜約90℃の温度で
行われる。水に混和しうる有機溶媒の量は水に対して体
積比で0〜100%、好ましくは0〜50%である。
【0131】重合反応は、通常重合すべき単量体に対し
0.05〜5重量%のラジカル重量開始剤と必要に応じ
て0.1〜10重量%の乳化剤を用いて行われる。重合
開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、ハ
イドロパーオキサイド、レドックス溶媒など、例えば過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチル
パーオクエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロ
ピル−カーボネート、2,4−ジクロロベンジルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが
ある。
【0132】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
両性、あるいはノニオン性の界面活性剤の他に、水溶性
ポリマーなどがある。例えば、ラウリン酸ソーダ、ドデ
シル硫酸ナトリウム、1−オクトキシカルボニルメチル
−1−オキトキシカルボニルメタンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリルナフタリンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナト
リウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ド
デシルトリメチレンアンモニウムクロライド、N−2−
エチルヘキシルピリジニウムクロライド、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンラウリンエステル、ポリビニルアルコール、特
公昭53−6190号公報に記載の乳化剤、水溶性ポリ
マーなどがある。
【0133】乳化重合においては、その目的に応じて、
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、
かつ、容易に変更できることは言うまでもない。また、
乳化重合反応は、モノマー界面活性剤、媒体を予め容器
に全量入れておき、開始剤を投入して行ってもよいし、
必要に応じて各成分の一部あるいは全量を滴下しながら
重合を行ってもよい。
【0134】本発明の一般式(II)で表されるポリマー
におけるC1 で表される活性メチレン基を有するモノマ
ーやポリマーラテックスの種類やその合成法について
は、上記の他に米国特許3,459,790号明細書、
同3,619,195号明細書、同3,929,482
号明細書、同3,700,456号明細書、西独特許
2,442,165号公報、欧州特許13,147号公
報、特開昭50−73625号公報、同50−1463
31号公報等の記載を参考に行うことができる。さら
に、活性メチレン基を有するポリマーラテックスは、コ
ア/シェル構造を有するポリマーラテックスが好まし
い。
【0135】本発明において、活性メチレン基を有する
ポリマーラテックスは、乳剤層のゼラチンに対する含有
率と、乳剤層より上部の非感光性親水性コロイド層のゼ
ラチンに対する含有率の比(乳剤層の含有率/非感光性
層の含有率)が1.0以下、好ましくは、0.9〜0に
なるように使用されることが好ましい。
【0136】乳剤層が複数ある場合は、そのトータルの
ゼラチン量とトータルのポリマーラテックスの量から乳
剤層のポリマーラテックスの含有率を求める。乳剤層よ
り上部の非感光性層が複数ある場合には、その中の少な
くとも一層のポリマーラテックスのゼラチンに対する含
有率が乳剤層における含有率に対して上記の比の範囲に
入ればよい。この含有率の比の規定を満たしていれば活
性メチレン基を有するポリマーラテックスの使用量は任
意であるが、好ましくは、10mg/m2 〜10g/m
2 、特に100mg/m2 〜1.5g/m2 である。添
加層におけるゼラチンに対する含有率は、5〜400重
量%の範囲、特に10〜200重量%の範囲が好まし
い。
【0137】本発明においては、感光性ハロゲン化銀乳
剤層に含有されるハロゲン化銀粒子の全投影面積の合計
に対する、アスペクト比が2以上30以下の平板状粒子
の投影面積の和の割合が、50%以上100%以下であ
ることが好ましく、特に80%以上100%以下である
ことが最も好ましい。また、感光性ハロゲン化銀乳剤層
に含有される平板状のハロゲン化銀粒子のアスペクト比
の平均は3以上20以下であることが好ましい。ここで
いうアスペクト比の平均とは、平板状粒子の投影面積円
相当直径の平均を平板粒子の厚みの平均で割った値であ
る。平板状ハロゲン化銀乳剤はアスペクト比がより高い
ほど、青色感度が低く、緑色感度が高くなるので、本発
明に従う増感スクリーンと組み合わせた場合に良好な性
能が得られる。
【0138】本発明において、平板状ハロゲン化銀乳剤
は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀
等、ハロゲン組成は任意であるが、平均0モル%以上
0.5モル%以下のヨウ化銀を含有するヨウ臭化銀、ヨ
ウ塩臭化銀が好ましい。または平均50モル%以上10
0モル%以下の塩化銀を含有する塩(ヨウ臭)化銀乳剤
も好ましく用いられる。このようなハロゲン組成の乳剤
の方が青色感度が低いため、本発明の増感スクリーンと
組み合わせた場合に良好な性能が得られる。本発明にお
いて好ましい平板状ハロゲン化銀粒子の製造方法として
は、当業界で知られた方法を適宜組み合わせることがで
きる。とりわけ、特開昭63−151618号公報に記
載された単分散六角平板粒子、および特開昭62−11
5435号公報、特開平6−43605号公報、特開平
6−43606号公報に記載された厚み平均が0.1μ
m以下である平板状ハロゲン化銀粒子は極めて有用であ
る。
【0139】本発明において感光性ハロゲン化銀乳剤層
上に設けられる表面保護層は公知のものと同様であって
よく、ゼラチン等の親水性コロイドがバインダーとして
用いられる。また、透明支持体としては公知の種々のも
のが用いられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)
等が好ましく用いられる。
【0140】以下に、本発明において放射線増感スクリ
ーンと組み合わせて用いるハロゲン化銀写真感光材料
(放射線写真フィルム)およびそれに用いる材料の好ま
しい例を記載する。 1)特開平6−332088号公報の実施例1に記載の
もの 特開平7−219162号公報の実施例1及び2に記載
のもの 2){100}主平面を有する塩化銀平板乳剤 特開平5−204073号公報の実施例3及び4に記載
のもの 特開平6−194768号公報の実施例2aに記載の乳
剤 特開平6−227431号公報の実施例1に記載のもの 3){111}主平面の沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀感
光材料 特開平8−76305号公報の実施例1に記載のもの 特開平8−69069号公報の実施例A〜Kに記載の乳
剤 4)単分散立方体粒子(好ましい単分散は、投影面積直
径の変動係数として3〜40%) 特開平8−76305号公報の実施例1に記載のもの なお、その他の好ましい写真感光材料あるいはそれに用
いる材料については、特開平6−67305号公報の1
0頁左欄10行〜21頁右欄33行に詳しい記載があ
る。
【0141】なお、本発明において、前記蛍光染料もし
くは蛍光顔料の発光波長の光をより有効に利用できるよ
うに、写真感光材料の分光感度分布を多少ずらすことも
好ましく行われる。分光感度分布を変動させる方法とし
ては、チオシアン酸塩の併用や、モノメチン色素、アザ
インデン化合物、イミダゾール色素、ヨウ化銀の併用な
ど広く知られている方法を挙げることができる。
【0142】写真感光材料と放射線増感スクリーンと
は、それぞれ一枚ずつ組み合わせて使用することもでき
るが、多くの場合、両面に写真乳剤層を備えた写真感光
材料を二枚の増感スクリーン(通常、フロント側増感ス
クリーンとバック側増感スクリーンと呼ぶ)を挟んで使
用する。
【0143】本発明において写真感光材料を処理するた
めの現像主薬としては、従来より医療用ハロゲン化銀写
真感材の処理システムに用いられてきたハイドロキノン
に代表されるポリヒドロキシベンゼン類化合物や、アス
コルビン酸、あるいはエリソルビン酸(アスコルビン酸
のジアステレオマー)およびこれらのリチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましく
用いられる。
【0144】また本発明の写真感材を処理するには、D
ry−to−Dryの処理時間は20〜100秒が好ま
しく、特に25〜50秒が最も好ましい。さらに本発明
の写真感材を処理するには、その現像、定着の各補充量
は写真感材1m2 当り25〜200mLが好ましく、4
0〜160mLがさらに好ましく、60〜130mLが
最も好ましい。
【0145】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、塗
布、乾燥後ロール状に巻き取る時の環境条件は、絶対湿
度が1.4重量%以下、好ましくは1.3〜0.6重量
%で巻き取られることが好ましい。本発明において、塗
布、乾燥後ロール状に巻き取ったハロゲン化銀写真感光
材料の製品加工は、絶対湿度が1.4重量%以下、好ま
しくは、1.3〜0.6重量%以下の環境下で、加工さ
れるのが好ましい。ここで、絶対湿度(重量%)とは、
湿り空気の状態を表し、湿り空気中の水蒸気量(kg)
と湿り空気中の乾き空気の重量(kg)の比を百分率で
表したものである。
【0146】ハロゲン化銀写真感光材料を防湿性のある
包装体内に入れ、包装体内の絶対湿度が1.4重量%以
下、好ましくは1.1〜0.6重量%になるように、そ
の口をヒートシール等の方法で密封し、感光材料が、上
記絶対湿度で平衡になっているのが好ましい。更に、加
工終了後、絶対湿度1.4重量%以下の環境下でシーズ
ニングしてから、同一環境下で包装体内にヒートシール
密封するのは特に好ましい。
【0147】
【実施例】[実施例1] 〈放射線増感スクリーンAの作製〉 1)二酸化チタン含有反射層付き支持体の製造 平均粒子径0.28μmのルチル型二酸化チタン粉末
(石原産業株式会社製、商品名:CR95)500gと
アクリル系バインダー樹脂(大日本インキ化学工業株式
会社製、商品名:クリスコートP1018GS)100
gとをメチルエチルケトンに加え、混合分散して、粘度
が10PSの塗布液を調製した。この塗布液を、二酸化
チタン粉末を練り込んだポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(厚み:250μm)の表面にドクターブレード
を用いて、乾燥後の厚みが40μmになるように均一に
塗布し乾燥して、二酸化チタン含有光反射層付き支持体
を得た。得られた光反射層付き支持体中の二酸化チタン
の体積充填率は48%で、波長545nm(後述のテル
ビウム賦活酸硫化ガドリニウム蛍光体の発光ピークに相
当する波長)の単色光に対する拡散反射率は95.5%
であった。
【0148】2)蛍光体シートの製造 テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム蛍光体(Gd22
S:Tb、Tb賦活量:0.003(0.3モル%)、
平均粒径:3.5μm)250g、ポリウレタン系バイ
ンダー樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品
名:パンデックスT5265M)8g、エポキシ系バイ
ンダー樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:
エピコート1001)2g、蛍光染料No.25(クマ
リン−6、Aldrich社製、化合物番号44,26
3−1)を10mg、およびイソシアネート化合物(日
本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートH
X)0.5gをメチルエチルケトンに加え、プロペラミ
キサで分散して、粘度が25PS(25℃)の蛍光体層
形成用塗布液を調製した。この塗布液を仮支持体(予め
シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレ
フタレートシート)の表面に塗布し、乾燥して蛍光体層
を形成した。この蛍光体層を仮支持体から剥がし取って
蛍光体シートを得た。
【0149】3)光反射層上への蛍光体シートの付設 前記の工程1)で製造した光反射層付き支持体の光反射
層の表面に、上記の蛍光体シートを重ね、カレンダロー
ルにて、圧力400kgw/cm2 、温度80℃の条件
で加圧し、光反射層上に蛍光体層を設けた。得られた蛍
光体層の厚みは100μmであり、蛍光体層中の蛍光体
粒子の体積充填率は68%であった。
【0150】4)表面保護層の形成 表面保護層用に厚み6μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)中にアナタース型酸化チタン(石原産業株
式会社製、商品名:A220)を3重量%練り込んだも
のを作製した。このPETフィルムの545nmの単色
光による散乱長は30μm、ヘイズは50であった。こ
の片面にポリエステル系の接着剤を塗布し、ラミネート
法で蛍光体層上に表面保護層を設けた。このようにし
て、支持体、光反射層、蛍光体層および表面保護層から
なる放射線増感スクリーンAを得た。
【0151】〈放射線増感スクリーンB、C、Dの作
製〉放射線増感スクリーンAの作製において、蛍光染料
No.25の添加量および種類を表2のように変更した
こと以外は同様にして、本発明の放射線増感スクリーン
B、C、Dを作製した。
【0152】〈比較放射線増感スクリーンX、Y、Zの
作製〉放射線増感スクリーンAの作製において、蛍光染
料No.25の代りに蛍光を発しない黄色染料(オリエ
ント工業株式会社製、商品名:oil yellow3
G)を表2に記載の量だけ添加したこと以外は同様にし
て、比較のための放射線増感スクリーンX、Yを作製し
た。また、放射線増感スクリーンAの作製において、蛍
光染料を添加しないこと以外は同様にして、比較のため
の放射線増感スクリーンZを作製した。
【0153】〈発光スペクトルの測定〉蛍光測定装置
(日立製作所(株)製、F−4010)を改良すること
によってX線(W管球、40kVp)による蛍光発光ス
ペクトルを測定した。その結果を図1〜3に示す。図1
は、本発明の蛍光染料を添加したスクリーンBの発光ス
ペクトルを示す。図2は、比較のための蛍光染料を添加
しない通常のスクリーンZの発光スペクトルを示す。図
3は、比較のための黄色の吸収染料を添加したスクリー
ンXの発光スペクトルを示す。
【0154】図1と2を比較すると、本発明のスクリー
ンBではそれに含まれる蛍光染料によって、Gd22
S:Tb蛍光体の複数の発光輝線のうち500nmより
短波長の光が吸収されて、520nmをピークとするブ
ロードな発光を示していることがわかる。すなわち、本
発明のスクリーンBは、青色発光成分(波長380〜5
00nm)が少なく、かつ緑色発光成分(波長500n
m〜570nm)が増加したスクリーンであることがわ
かる。また、図3から明らかなように、スクリーンXで
は、それに含まれる吸収染料によって、青色発光成分は
減少するのでクロスオーバーを減少させる効果としては
好ましいが、青色発光成分が寄与していた分だけ感度が
低下することは避けられない。
【0155】図4に、スクリーンBを417nmの波長
の光で励起したときの発光スペクトルを示す。蛍光染料
No.25が約520nmを発光ピークとする、半値幅
58nmの発光を示していることがわかる。さらに、図
5に、後述する本発明のハロゲン化銀写真感光材料(試
料1)の分光感度スペクトルを示す。図5から、青色発
光成分より緑色発光成分の方が感度に対する寄与がより
大きいことが明らかであり、蛍光染料の発光ピーク波長
は490〜600nmの範囲にあるのが好ましいことが
わかる。また、青色発光成分は感材による吸収が少ない
ことが明らかであり、スクリーンの青色発光成分の割合
を減らすことにより、クロスオーバーをより有効に低減
する放射線写真組体が得られることがわかる。
【0156】〈ハロゲン化銀写真感光材料(試料1)の
作製〉以下の方法でハロゲン化銀写真感光材料(試料
1)を作製した。 (乳剤A:{111}AgBr平板状粒子の調製)水1
リットル中に臭化カリウム6.0gと重量平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン7.0gを添加し、55℃に
保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝
酸銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液
38mlをダブルジェット法により37秒間で添加し
た。つぎにゼラチン18.6gを添加した後、70℃に
昇温して硝酸銀水溶液89mL(硝酸銀9.80g)を
22分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水
溶液7mLを添加し、そのままの温度で10分間物理熟
成したのち100%酢酸水溶液を6.5mL添加した。
引き続いて硝酸銀153gの水溶液435mLと臭化カ
リウム573gの水溶液677mLを、pAg8.5に
保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけ
て硝酸銀水溶液が全量添加されるで添加した。次に2N
のチオシアン酸カリウム溶液15mLを添加した。5分
間そのままの温度で物理熟成した後35℃に温度を下げ
た。
【0157】得られた粒子の形状特性値は、 (アスペクト比2以上30以下の{111}平板状粒子
の全投影面積/全ハロゲン化銀粒子の投影面積和)×1
00=a1=95% (アスペクト比2以上30以下の{111}平板状粒子
の平均アスペクト比(平均直径/平均厚さ))=a2=
12.0 (アスペクト比2以上30以下の{111}平板状粒子
の平均投影面積直径=a3=1.20μm (アスペクト比2以上30以下の{111}平板状粒子
の平均厚さ)=a4=0.10μm 投影面積直径の変動係数15.5%の単分散臭化銀{1
11}平板状粒子を得た。この後、沈降法により可溶性
塩類を除去した。再び40℃に昇温して脱イオン・アル
カリ処理ゼラチン30gとフェノキシエタノール2.3
5gおよび増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀でpH5.
90、pAg8.00に調整した。
【0158】(化学増感)以上のように調製した粒子を
攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。
まず、チオスルホン酸化合物−1をハロゲン化銀1モル
当たり1×10-4モル添加し、つぎに平均粒子直径0.
10μmのAgI微粒子を全銀量に対して0.1モル%
添加し、5分後、1重量%のKI溶液をハロゲン化銀1
モル当り1×10-3モル添加し、更に3分後、二酸化チ
オ尿素1×10-6モル/モルAg添加し、22分間その
まま保持して還元増感を施した。次に、4−ヒドロキシ
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを3
×10-4モル/モルAgと下記増感色素−1、2、3を
それぞれ下記量添加した。次いで、塩化カルシウムを1
×10-2モル/モルAg添加した。さらに塩化金酸1×
10-5モル/モルAg及びチオシアン酸カリウム3.0
×10-3モル/モルAgを添加し、引き続いてチオ硫酸
ナトリウム(6×10-6モル/モルAg)及びセレン化
合物−1(4×10-6モル/モルAg)を添加した。更
に3分後に核酸(0.5g/モルAg)を添加した。4
0分後に下記水溶性メルカプト化合物−1を添加し、3
5℃に冷却した。こうして乳剤の調製(化学熟成)を終
了した。
【0159】
【化31】
【0160】(乳剤層塗布液の調製)化学増感を施した
上記乳剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品
を添加して乳剤塗布液とした。
【0161】 ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 80g デキストラン(平均分子量3.9万) 10.0g ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1g ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2g 沃化カリウム 78mg 硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 4.3g 化合物A−1 42.1mg 化合物A−2 10.3g 化合物A−3 0.11g 化合物A−4 8.5mg 化合物A−5 0.43g 化合物A−6 0.04g 化合物A−7 15g 染料乳化物a(染料固形分として) 0.50g 染料乳化物m(染料固形分として) 30mg (NaOHでpH6.1に調整)
【0162】上記における化合物A−1〜A−7は以下
のとおりである。
【0163】
【化32】
【0164】また、上記の染料分散物a、mは以下のよ
うにして調製したものである。
【0165】(染料乳化物aの調製)下記染料−1を6
0gおよび2,4−ジアミルフェノールを62.8g、
ジシクロヘキシルフタレートを62.8gおよび酢酸エ
チル333gを60℃で溶解した。つぎにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムの5重量%水溶液65mlと
ゼラチン94g、水581mLを添加し、ディゾルバー
にて60℃で30分間乳化分散した。つぎにp−ヒドロ
キシ安息香酸メチルを2gおよび水6リットルを加え、
40℃に降温した。つぎに旭化成(株)製限外濾過ラボ
モジュールACP1050を用いて、全量が2kgとな
るまで濃縮し、p−ヒドロキシ安息香酸メチルを1g加
えて染料乳化物aとした。
【0166】
【化33】
【0167】(染料乳化物mの調製)下記染料−2を1
0g秤取し、トリクレジルフォスフェート10mLと、
酢酸エチル20mLからなる溶媒に溶解した後、下記ア
ニオン界面活性剤−1を750mg含む15重量%ゼラ
チン水溶液100mL中に乳化分散することにより、染
料乳化物mを調製した。
【0168】
【化34】
【0169】(染料層塗布液の調製)染料層の各成分
が、片面当り下記の塗布量となるように塗布液を調製し
た。
【0170】 ゼラチン 0.25g/m2 化合物A−8 1.4mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 5.9mg/m2 染料分散物A(染料として) (表1)
【0171】上記における化合物A−8は以下に示すも
のであり、染料分散物Aは以下のようにして調製した。
【0172】
【化35】
【0173】(染料分散物Aの調製)表1に示す各染料
を乾燥させないでウェットケーキとして取り扱い、染料
として2.5mモルになるように秤量した。下記分散助
剤Vは、25重量%の水溶液として1.2cc添加し
た。水を加えて全量を32gとし、よく混合してスラリ
ーとした。平均直径1mmのジルコニア製ビーズを12
0g用意し、スラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機
(1/16Gサンドグラインダーミル:アイメックス
(株)製)にて6時間分散し、染料濃度が2重量%とな
るように水を加えて染料分散液を得た。得られた分散液
は、染料固形物が5重量%、写真用ゼラチンが染料固形
分と等重量%となるように混合し、防腐剤として下記添
加剤Dがゼラチンに対して2000ppmとなるように
蒸留水を添加して冷蔵し、ゼリー状にて保存した。この
ようにして固体微粒子分散状の染料として染料分散物A
を得た。染料分散物の固体微粒子の平均粒子径は、F−
16の場合は0.4μmであった。
【0174】
【化36】
【0175】(表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗
布液を各成分が下記の塗布量となるように調製した。
【0176】 ゼラチン 0.780g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.025g/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)0.0012g/m2 マット剤−1(平均粒径3.7μm) 0.072g/m2 マット剤−2(平均粒径0.7μm) 0.010g/m2 化合物A−9 0.018g/m2 化合物A−10 0.037g/m2 化合物A−11 0.0068g/m2 化合物A−12 0.0032g/m2 化合物A−13 0.0012g/m2 化合物A−14 0.0022g/m2 化合物A−15 0.030g/m2 プロキセル(ICI社製) 0.0010g/m2 (NaOHでpH6.8に調整)
【0177】上記のマット剤1、2、化合物A−9〜A
−15は以下に示すものである。
【0178】
【化37】
【0179】
【化38】
【0180】(支持体の調製) (1)第一下塗層の形成 二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
なる第一下塗液調製液を塗布量が4.9cc/m2 とな
るようにワイヤーコンバーターにより塗布し、185℃
にて1分間乾燥し第一下塗層を設けた。次に反対面にも
同様にして第一下塗層を設けた。使用したポリエチレン
テレフタレートには染料−1(前記)が0.04重量%
含有されているものを用いた。
【0181】 (第一下塗層調製液) ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形物40%、ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158mL 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩4重量%溶液 41mL 蒸留水 801mL ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物A
−16をラテックス固形分に対し0.4重量%含有させ
た。
【0182】
【化39】
【0183】(2)第二下塗層の形成 上記両面の第一下塗層の上に下記の組成からなる第二下
塗層調製液を、片面当りの塗布量が下記に記載の量とな
るように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーダー方式
により塗布し(塗布量は片面当り7.9cc/m2 )、
155℃で乾燥した。
【0184】 ゼラチン 0.06g/m2 染料分散物B(染料として片面当り) (表1) 化合物A−17 1.8g/m2 化合物A−18 0.27g/m2 マット剤 平均粒径2.5μmのポリメタルメタクリレート 2.5g/m2
【0185】染料分散物Bは染料分散物Aと同様にして
作製した。上記における化合物A−17、A−18は以
下に示すものである。
【0186】
【化40】
【0187】(写真感光材料の調製)前述のように準備
した支持体上に支持体側から染料層、乳剤層と表面保護
層の構成となるように同時押し出し法により両面に同時
塗布し、乾燥した。片面当りの塗布銀量は1.5g/m
2 であった。
【0188】(膨潤率の測定)まず、測定する写真材料
を40℃、60%RHの条件下で7日間経時した。次
に、この写真材料を21℃の蒸留水に3分間浸漬し、こ
の状態を液体窒素で凍結固定した。この写真材料をミク
ロトームで写真材料面に垂直となるよう断面を切った
後、−90℃で凍結乾燥した。以上の処理を行なったも
のを走査型電子顕微鏡で観察し膨潤膜厚Twを求めた。
一方、乾燥状態の膜厚Tdも走査型電子顕微鏡を用いた
断面観察により求めた。このようにして求めたTwとT
dの差をTdで除して100倍した値を膨潤率(単位
%)とした。
【0189】 {(Tw−Td)/Td}×100=膨潤率(%)
【0190】試料1においては、Td=2.7μm、T
w=7.0μm、膨潤率は159%であった。
【0191】〈染料層、下塗層の染料の吸収の測定〉こ
のようにして作製した試料1の染料層および/または下
塗層の染料の吸収を測定するために同様な方法で、乳剤
層のない試料(下塗層、染料層及び表面保護層のみ)を
作製し、吸収を測定した。吸収の測定には通常の分光光
度計を用い、試料を積分球の前におき、比較に使用して
いるポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。こ
の測定より吸収ピーク波長及び550nmでの吸収係
数、450nmでの吸収係数を求めた。表1に、吸収の
ピーク波長、および550nmの吸収係数と450nm
の吸収係数との比を示す。
【0192】
【表1】
【0193】[放射線増感スクリーンとハロゲン化銀写
真感光材料との組合せによる評価1]このようにして得
られた試料1と、スクリーンA〜D、X〜Zを組み合わ
せて評価した。
【0194】(X線による露光)前記スクリーンと感材
の片面を密着させてX線源から順にX線源、感材、スク
リーンとなるように配置して、X線露光量を距離法によ
ってlogE=0.15の幅でステップ露光を行った。
使用したX線装置は、(株)東芝製の商品名DRX−3
724HDであり、タングステンターゲットを用いた。
フォーカルスポットサイズは0.6mm×0.6mmと
し、絞りを含め3mmのアルミニウム等価材料を通っ
て、X線を発生する装置であった。三相にパルス発生器
で80kVpの電圧をかけ、人体とほぼな吸収を持つ水
7cmのフィルタを通したX線を光源とした。
【0195】(フィルムの現像)撮影後の写真フィルム
は、富士写真フイルム(株)製のローラー搬送型自動現
像機(商品名:CEPROS−M2)により、現像液と
定着液として、それぞれCED2とCEF2(いずれも
富士写真フイルム(株)製の商品の商品名)を用いてD
ry−to−Dryが45秒(SPモード)で現像処理
した。現像液及び定着液の補充量はそれぞれ10cc/
四切であった。 1)得られた現像後の両面試料を各々2つに分けて、増
感スクリーンに接していた面を残して、バック面を酵素
処理により脱膜した。この試料を濃度測定することによ
り、スクリーンの感度を求めた。なお、感度はスクリー
ンZを100として相対値で表した。 2)次に、増感スクリーンに接していなかった面を残し
てフロント面(増感スクリーンに接していた面)を脱膜
した。この試料を濃度測定し、1)の試料との感度差を
求め、そして前述の計算式によりクロスオーバー(%)
を求めた。表2に、このようにして求めた各々のスクリ
ーンの感度及びクロスオーバー特性値を示す。
【0196】
【表2】 表2 ────────────────────────────────── スクリーン 染料添加量 感度 クロスオーバー (mg/蛍光体1kg) (%) ────────────────────────────────── 実施例 A 蛍光染料No.25 40mg 105 7.5 B 蛍光染料No.25 120mg 108 7 C 蛍光染料No.25 15mg 100 8.5 D 蛍光染料No.23 60mg 105 8 ────────────────────────────────── 比較例 X 黄色の吸収染料 40mg 95 10.5 Y 黄色の吸収染料 120mg 85 8 Z − 100 12 ──────────────────────────────────
【0197】表2から明らかなように、本発明のスクリ
ーンA、B、C、Dは感度が高く、クロスオーバーも少
なかった(従って、鮮鋭度が高いといえる)。特に、ス
クリーンBは最も性能が優れていた。比較のための公知
の吸収染料を用いたスクリーンX、Yでもクロスオーバ
ーを減少させることはできるが、感度も同時に減少し
た。図1〜図3の発光スペクトルから予想された結果が
得られたことがわかる。
【0198】[実施例2] 〈感光材料(試料2〜5)の作製〉実施例1において、
染料層の染料塗布量を表1のように変更したこと以外は
実施例1と同様にして、感材(試料2〜5)を作製し
た。
【0199】[スクリーン/感材での評価2]評価1と
同様にして、表3に記載したようにスクリーンと感材
(試料1〜5)を組み合わせることにより感度とクロス
オーバーを評価した。その結果を表3に示す。
【0200】
【表3】 表3 ────────────────────────────── 感材 スクリーン 感度 クロスオーバー(%) ────────────────────────────── 実施例 試料1 B 108 7 試料2 B 108 5 試料3 B 108 2 試料4 B 108 11 試料5 B 108 17 ────────────────────────────── 比較例 試料1 Z 100 12 試料2 Z 100 10 試料3 Z 100 7 試料4 Z 100 14 試料5 Z 100 18 ──────────────────────────────
【0201】この結果から、本発明の蛍光染料を含有す
るスクリーンBは、比較のための通常のスクリーンZと
比べて、クロスオーバーが10%以下となるような感材
と組み合わせたときに、特にそのクロスオーバー減少効
果が大きく現れることがわかる。
【0202】[実施例3] 〈感光材料(試料6〜9)の作製〉実施例1において、
染料層および下塗層の染料の種類、塗布量を表1のよう
に変更したこと以外は実施例1と同様にして、感材(試
料6〜9)を作製した。
【0203】[スクリーン/感材での評価3]評価1と
同様にして、表4に記載したようにスクリーンと感材
(試料6〜9)を組み合わせることにより感度とクロス
オーバーを評価した。その結果を表4に示す。
【0204】
【表4】 表4 ────────────────────────────── 感材 スクリーン 感度 クロスオーバー(%) ────────────────────────────── 実施例 試料6 D 105 10 試料7 D 105 3 試料8 D 105 5 試料9 D 105 12 ────────────────────────────── 比較例 試料6 X 100 14 試料7 X 100 9 試料8 X 100 7 試料9 X 100 14 ──────────────────────────────
【0205】表4から明らかなように、本発明のスクリ
ーンは種々の感材との組合せで、感度の増加およびクロ
スオーバーの低減が達成された。特に、550nmでの
吸収係数/450nmでの吸収係数の比の大きい試料ほ
ど(表1参照)、クロスオーバー低減の効果が大きいこ
とがわかる。
【0206】[実施例4]以下のようにしてスクリーン
/感材の組体を作製した。 〈放射線増感スクリーンE〜Iの作製〉 (1)実施例1において、カレンダー後の蛍光体層の厚
みが80μmとなるように蛍光体層形成用塗布液の塗布
量を調節したこと以外は実施例1と同様にして、本発明
の蛍光染料を含むスクリーンEを作製した。 (2)実施例1において、蛍光体層に含有させる蛍光体
粒子を平均粒径が2.0μmの蛍光体粒子50gと、平
均粒径が6.2μmの蛍光体粒子200g(蛍光体の化
学組成は同一)に変え、カレンダー処理後の蛍光体層の
厚みが120μmとなるように蛍光体層形成用塗布液の
塗布量を調節したこと以外は実施例1と同様にして本発
明のスクリーンFを作製した。蛍光体層中の蛍光体粒子
の体積充填率は72%であった。 (3)上記(2)において、カレンダー処理後の蛍光体
層の厚みが95μmとなるように蛍光体層形成用の塗布
液の塗布量を調節したこと以外は上記(2)と同様にし
て、本発明のスクリーンGを作製した。 (4)実施例1において、蛍光体層を、平均粒径が3.
0μm、粒径分布の変動係数が45%の蛍光体粒子を含
む層(下側層)と、平均粒径が6.2μm、粒径分布の
変動係数が30%の蛍光体粒子を含む層(上側層)(蛍
光体の化学組成は同一)の重層構成(下側層の層厚:8
0μm、上側層の層厚:100μm、いずれもカレンダ
ー処理後の層厚)に変えたこと以外は実施例1と同様に
して、本発明のスクリーンHを作製した。蛍光体層中の
蛍光体粒子の体積充填率は70%であった。 (5)実施例1において、蛍光体層を、平均粒径が3.
0μm、粒径分布の変動係数が40%の蛍光体粒子を含
む層(下側層)と、平均粒径が6.2μm、粒径分布の
変動係数が30%の蛍光体粒子を含む層(上側層)(蛍
光体の化学組成は同一)の重層構成(下側層の層厚:8
0μm、上側層の層厚:240μm、いずれもカレンダ
ー処理後の層厚)に変えたこと以外は実施例1と同様に
して、本発明のスクリーンIを作製した。
【0207】〈感光材料(試料10)の作製〉実施例1
における乳剤Aと同様にして、ただし粒子形成の温度を
変更し、化学増感を適当に調節することにより、 (アスペクト比2以上30以下の{111}平版状粒子
の平均アスペクト比(平均直径/平均厚さ))=a2=
8.0 (アスペクト比2以上30以下の{111}平版状粒子
の平均投影面積直径)=a3=0.6μm (アスペクト比2以上30以下の{111}平版状粒子
の平均厚さ)=a4=0.07 投影面積直径の変動係数が18%の単分散臭化銀{11
1}平版状乳剤Bを得た。実施例2における試料と同様
に、染料層の染料としてF−16を片面当り50mg/
2 を添加して、ただし乳剤層を乳剤Aと乳剤Bを重層
構成で塗布することにより、富士写真フイルム(株)製
UR2フィルム(商品名)と同一の感度、階調をもつ感
材(試料10)を作製した。
【0208】〈比較放射線増感スクリーンP〜Tの作
製〉実施例4の(1)〜(5)においてそれぞれ、蛍光
染料No.25を添加しなかったこと以外は実施例4と
同様にして、比較のためのスクリーンP、Q、R、S、
Tを作製した。
【0209】[スクリーン/感材での評価4]試料10
の両面に表5に示すように、2枚のスクリーンを密着さ
せて性能の評価を行った。ここで、2枚のスクリーンの
うちX線管球側に配置されたスクリーンをフロントスク
リーン、反対側のスクリーンをバックスクリーンとし
た。これらのスクリーン/感材対を評価1に示したのと
同ようなX線源を用いX線露光量を距離法によってlo
gE=0.15の幅でステップ露光を行った。評価1と
同様にCEPROS−M2自動現像機による現像処理を
行った後濃度測定を行い、スクリーンの感度を求めた。
なお、スクリーンの感度はフロントスクリーン/バック
スクリーン=P/Qの場合を100として相対値で示し
た。
【0210】また、鮮鋭度を測定するために、MTF測
定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:80μm、空
間周波数:0本/mm〜10本/mm)を用いて撮影し
た。チャートはX線管球から2mの位置に置いた。その
後感度の測定と同様な現像処理を行った。なお、先のX
線撮影時の露光量は、この現像処理後の最高濃度と最低
濃度との平均値が1.0となるように調節した。次に、
評価試料をマイクロデンシトメーターで走査した。この
時のアパーチャアは走査方向が30μm、それに垂直な
方向が500μmのスリットを使用し、サンプリング間
隔30μmで濃度プロフィールを測定した。この操作を
20回繰り返して平均値を計算し、それをコントラスト
伝達関数(CTF)の計算ベースの濃度プロフィールと
した。その後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩
形波のピークを検出し、各周波数毎の濃度コントラスト
を算出した。そして、その濃度コントラストを0周波の
濃度差で規格化したものをCTF(2lp/mm)と
し、鮮鋭度を表す尺度とした。得られた感度および鮮鋭
度(CTF)の結果を表5に示す。
【0211】
【表5】 表5 ────────────────────────────────── 感材 フロント バック 感度 鮮鋭度 スクリーン スクリーン (CTF) ────────────────────────────────── 実施例 試料10 E F 104 0.610 試料10 G H 140 0.53 試料10 G I 210 0.37 ────────────────────────────────── 比較例 試料10 P Q 100 0.585 試料10 R S 130 0.510 試料10 R T 190 0.36 UR−2 HGM2 HGM2 100 0.500 ────────────────────────────────── (注)UR−2:富士写真フイルム(株)製品 HGM2:化成オプトニクス(株)製品
【0212】表5から明らかなように、本発明のスクリ
ーンE〜Iは上記感材(試料10)と組み合わせた場合
に感度が高く、かつ鮮鋭度(CTF)も高かった。
【0213】[実施例5] 〈感光材料(試料11、12)の作製〉実施例4におい
て、試料10の代りに乳剤の感度を調節したこと以外は
実施例4と同様にして、UR−1およびUR−3(全て
富士写真フイルム(株)製商品名)と同じような層構
成、感度、階調の感材(試料11、12)を作製した。
【0214】[スクリーン/感材での評価5]評価4と
同様にスクリーン対と組み合わせて評価したが、表5と
同様の好ましい結果が得られた。
【0215】[スクリーン/感材での評価6]実施例
4、5の感材をCEPROS−M2自動現像機の代り
に、CEPROS−30、CEPROS−S、CEPR
OS−Pの自動現像機に以下の処理液を入れて、それぞ
れDry to Dry30秒、60秒、120秒で現
像処理したが、残色もなく好ましい画像が得られた。
【0216】(現像液の調製)下記処方のエリソルビン
酸ナトリウムを現像主薬とする現像液を調製した。 ジエチレントリアミン五酢酸 8.0g 亜硫酸ナトリウム 20.0g 炭酸ナトリウム・1水塩 52.0g 炭酸カリウム 55.0g エリソルビン酸ナトリウム 60.0g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 13.2g 3,3’−ジフェニル−3,3’−ジチオプロピオン酸 1.44g ジエチルレングリコール 50.0g 下記化合物を下記量
【0217】
【化41】
【0218】
【化42】
【0219】水を加えて2リットルとした。水酸化ナト
リウムでpH10.1に調整した。
【0220】(現像補充液の調製)上記現像液をそのま
ま、現像補充液として使用した。
【0221】(現像母液の調製)上記現像液2リットル
をとり、下記組成のスタータ液を現像液1リットル当た
り55ml添加し、pH9.5の現像液を現像母液とし
た。
【0222】 (スタータ液の調製) 臭化カリウム 11.1g 酢酸 10.8g 水を加えて55mLとした。
【0223】(濃縮定着液の調製)以下の処方の濃縮定
着液を調製した。 水 0.5リットル エチレンジアミンテトラ酢酸・2水塩 0.05g チオ硫酸ナトリウム 200g 重亜硫酸ナトリウム 98.0g 水酸化ナトリウム 2.9g NaOHでpH5.2に調整し、水を加えて1リットル
とした。
【0224】(定着補充液の調製)上記濃縮定着液を第
一水洗水廃液で2倍希釈し、定着補充液として使用し
た。
【0225】(定着母液の調製)上記濃縮定着液2リッ
トルを水で希釈し4リットルとした。pHは5.4であ
った。
【0226】 (水洗水補充液) グルタルアルデヒド 0.3g ジエチレン−トリアミン−ペンタ−アセティック−アシッド 0.5g 蒸留水にて希釈し、かつNaOHでpH4.5に調整
し、完成液1リットルを得た。
【0227】[実施例6] 〈放射線増感スクリーンJ〜Mの作製〉実施例1におい
て、蛍光染料の種類および添加量を表6のように変更し
たこと以外は実施例1と同様にして、本発明に従う放射
線増感スクリーンJ〜Mを作製した。
【0228】[スクリーン/感材での評価7]評価1と
同様にして、スクリーンと感材(試料2)を組み合わせ
ることにより感度とクロスオーバーを評価した。その結
果を表6に示す。なお、表6には各スクリーンに含まれ
る蛍光染料を417nmの波長の光で励起したときの発
光のピーク波長および半値幅も併せて示す。
【0229】
【表6】
【0230】表6から明らかなように、種々の蛍光染料
において本発明の効果は好ましく発現した。また、蛍光
染料の発光のピーク波長が特に500〜555nmの範
囲にある場合に感度が高く、クロスオーバーが少ないこ
とがわかる。蛍光染料の発光波長が短波長になればその
発光が有効に感度に寄与しないであろうことは、図5に
示した感光材料の分光感度スペクトルからもわかる。一
方、蛍光染料の発光波長が長波長になると、その励起ス
ペクトル(吸収スペクトル)も長波長化して、545n
mに発光ピークを示すGd22 S:Tb蛍光体による
有効な発光光の一部も吸収するようになるため、感度が
低下する傾向にあると推定される(スクリーンJ)。吸
収スペクトルが短波長のままであれば(すなわち、スト
ークスシフトが適度に大きければ)、感光材料の分光感
度がより高い545nm付近に発光ピークがある方が好
ましいと推定される。さらに、蛍光染料による発光の半
値幅も、狭い方が感度が高くなることがわかる。
【0231】図6に、性能の最も良い本発明のスクリー
ンBを520nmの波長で発光させたときの励起スペク
トル(すなわち、蛍光染料の吸収スペクトル)を示す。
図6から明らかなように、スクリーンBに含まれる蛍光
染料は380〜500nmにかけて高い吸収を示す一
方、545nm付近には全く吸収がなかった。従って、
本発明においてはスクリーンBの蛍光染料(クマリン−
6)のように、380〜500nmの範囲の光を吸収し
て、545nm近傍に半値幅の狭い発光を示す蛍光染料
もしくは顔料が最も好ましいと推定される。
【0232】[実施例7] 〈放射線増感スクリーンB2、B3の作製〉実施例1の
スクリーンBの作製において、Gd22 S:Tb蛍光
体のTb付活量を表7のように変更したこと以外は実施
例1と同様にして、本発明の放射線増感スクリーンB
2、B3を作製した。
【0233】〈比較放射線増感スクリーンZ2、Z3の
作製〉実施例1のスクリーンZの作製において、Gd2
2 S:Tb蛍光体のTb賦活量を表7のように変更し
たこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射
線増感スクリーンZ2、Z3を作製した。
【0234】[スクリーン/感材での評価8]評価1と
同様にして、スクリーンと感材(試料2)を組み合わせ
ることにより感度とクロスオーバーを評価した。その結
果を表7に示す。
【0235】
【表7】
【0236】表7から明らかなように、本発明に従う蛍
光染料はGd22 S:Tb蛍光体が種々のTb賦活量
であっても効果を発揮した。蛍光染料による効果は蛍光
体のTb賦活量が0.001〜0.02の範囲にある場
合に大きいことがわかる。
【0237】[実施例8] 〈放射線増感スクリーンN1の作製〉 1)カーボンブラック含有下塗層付き支持体の製造 カーボンブラック粉末40gとアクリル系バインダー樹
脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:クリスコ
ートP1018GS)80gとをメチルエチルケトンに
加え、混合分散して、粘度が3PSの下塗層用塗布液を
調製した。この塗布液を厚み250μmの黒色ポリエチ
レンテレフタレート支持体(東レ(株)製、商品名:ル
ミラーX−30)上に、ドクターブレードを用いて均一
に塗布し乾燥して、カーボンブラック含有下塗層付き支
持体を得た。下塗層は乾燥後の厚みが20μmであり、
充分な遮光性を有する、表面平滑性の高いものであっ
た。
【0238】2)蛍光体シートの製造 テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム蛍光体(Gd22
S:Tb、Tb賦活量:0.003、平均粒径:2μm
(電子顕微鏡法による球相当平均直径)、粒径分布の変
動係数:55%)250g、ポリビニルブチラール系バ
インダー樹脂を固形分として6g、及びエポキシ系バイ
ンダー樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品名:エ
ピコート1001)1gをメチルエチルケトンに加え、
更に蛍光染料No.25を20mg加えてプロメラミキ
サーで分散し、粘度が20PS(25℃)の蛍光体層用
塗布液を調製した。この塗布液を仮支持体(予めシリコ
ーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレ
ートシート)上に塗布し、乾燥して蛍光体層を形成し
た。この蛍光体層を仮支持体から剥がし取って蛍光体シ
ート(厚み:125μm)を得た。
【0239】3)下塗層上への蛍光体シートの付設 1)の下塗層付き支持体表面に2)の蛍光体シートを重
ね、カレンダーロールにて圧力400kgw/cm2
温度80℃の条件で加圧し、下塗層上に蛍光体層を設け
た。得られた蛍光体層の層厚は105μmであり、蛍光
体層中の蛍光体粒子の体積充填率は68%であった。こ
のようにして、支持体、下塗層および蛍光体層からなる
放射線増感スクリーンN1を作製した。
【0240】〈放射線増感スクリーンN2の作製〉放射
線増感スクリーンN1の作製において、蛍光体層の層厚
を135μmに変更したこと以外は同様にして、放射線
増感スクリーンを得た。次に、このスクリーンの蛍光体
層表面に実施例1と同様にして表面保護層を設けて、支
持体、下塗層、蛍光体層及び表面保護層からなる放射線
増感スクリーンN2を作製した。
【0241】[スクリーンの評価9]得られたスクリー
ン、及び比較のための市販のAD−Mammo−Fin
e、AD−Mammo−Mediumスクリーン(いず
れも化成オプトニクス(株)製)について、以下のよう
にして評価を行った。
【0242】(感度、階調の測定)スクリーンとAD−
M片面感材(富士写真フィルム(株)製)とを組み合わ
せて、評価1と同様にして、ただし感電圧50kVpで
水フィルタを用いないでX線源による露光を行った。そ
の後、富士写真フィルム(株)製の自動現像機(商品
名:FPM5000)により、同社製のRD−3現像液
とFuji−F定着液を用いて現像温度35℃、Dry
to Dry90秒で現像処理した。得られた試料を
濃度測定し、カブリ+1.0の光学濃度を与えるX線露
光量を求めることにより感度を決定した。なお、感度は
X線露光量の逆数で表し、AD−Mammo−Fine
スクリーンの感度を100として相対値で表した。ま
た、カブリ+0.25とカブリ+2.0の点を結ぶ階調
を求めた。
【0243】(鮮鋭度の測定)鮮鋭度を測定するため
に、MTF測定用矩形チャート(スズ製、厚み:30μ
m、空間周波数:0本/mm〜10本/mm)を用いて
撮影した。X線源にはMoターゲット26kVpに30
μm厚のMoとアクリル4cmのファントームをフィル
タとして用いた。その後感度の測定と同様な現像処理を
行い、評価4と同様にしてCTFを求めた。鮮鋭度は2
lp/mmでの値で表し、AD−M感材/AD−Mam
mo−Fineスクリーンの値を100として相対値で
表した。得られた結果を表8に示す。
【0244】
【表8】 表8 ────────────────────────────────── 感材 スクリーン 感度 階調 鮮鋭度 (CTF) ────────────────────────────────── 実施例 AD−M N1 106 4.25 103 AD−M N2 142 4.2 85 ────────────────────────────────── 比較例 AD−M AD-Mammo-Fine 100 4.2 100 AD−M AD-Mammo-Medium 140 4.2 77 ──────────────────────────────────
【0245】表8から明らかなように、本発明のスクリ
ーンN1、N2は市販のスクリーンに比べて感度、鮮鋭
度とも高かった。よって、マンモグラフィー用システム
にも好ましく用いることができることがわかる。
【0246】[スクリーンの評価10]AD−M片面感
材の代りに、特願平8−342636号の実施例1に記
載の感材Lを用いて評価9と同様にして評価を行った
が、表8と同様の好ましい結果が得られた。
【0247】[実施例9]蛍光体層形成材料を、テルビ
ウム賦活酸硫化ガドリニウム蛍光体250g、ポリウレ
タン系バインダー樹脂(パンデックスT5265M)6
g、エポキシ系バインダー樹脂(エピコート1001)
1g、そしてイソシアネート化合物(コロネートHX)
0.25gに変えて蛍光体層形成用塗布液を調製した以
外は、実施例4の放射線増感スクリーンE、F、G、
H、Iと同様にして、放射線増感スクリーンE2、F
2、G2、H2、I2を作成した。蛍光体層中の蛍光体
粒子の体積充填率は、それぞれ、放射線増感スクリーン
E、F、G、H、Iと同様であった。また、これらの放
射線増感スクリーンを感材試料10、11、12と組合
わせて、実施例4、5と同様にして評価した結果、同様
に良好な結果が得られた。
【0248】
【発明の効果】本発明の特定の蛍光染料もしくは蛍光顔
料を含有するテルビウム賦活酸硫化ガドリニウム蛍光体
を用いた放射線増感スクリーンは高感度であって、かつ
クロスオーバーの減少により高鮮鋭度の画像を与えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光染料を添加したスクリーンBの発
光スペクトルを示すグラフである。
【図2】蛍光染料を添加しない通常のスクリーンZの発
光スペクトルを示すグラフである。
【図3】比較のための黄色の吸収染料を添加したスクリ
ーンXの発光スペクトルを示すグラフである。
【図4】スクリーンBを417nmの波長の光で励起し
たときの発光スペクトルを示すグラフである。
【図5】ハロゲン化銀感光材料(試料1)の分光感度ス
ペクトルを示すグラフである。
【図6】スクリーンBを520nmの波長で発光させた
ときの励起スペクトル(蛍光染料の吸収スペクトル)を
示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の蛍光体層を
    有する放射線増感スクリーンにおいて、該蛍光体層がテ
    ルビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍光体からなり、か
    つ増感スクリーンが該蛍光体の発光光の一部を吸収して
    490〜600nmの波長範囲に発光のピークを示す蛍
    光染料もしくは蛍光顔料を含有していることを特徴とす
    る放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】 蛍光染料もしくは蛍光顔料が500nm
    より短波長側の波長領域に光吸収ピークを有し、かつ4
    50〜600nmの波長領域内に発光ピークを有する
    が、該発光ピークの波長は該光吸収ピークの波長よりも
    少なくとも10nm長波長側にあるものであることを特
    徴とする請求項1に記載の放射線増感スクリーン。
  3. 【請求項3】 蛍光染料もしくは蛍光顔料が400〜4
    90nmの波長領域内に光吸収ピークを有し、かつ50
    0〜600nmの波長領域内に発光ピークを有するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の放射線増感ス
    クリーン。
  4. 【請求項4】 蛍光染料もしくは蛍光顔料が示す発光の
    半値幅が100nm以下である請求項1乃至3の内のい
    ずれかの項に記載の放射線増感スクリーン。
  5. 【請求項5】 蛍光染料もしくは蛍光顔料がカルボシア
    ニン色素、キサンテン色素、トリアリールメタン色素、
    クマリン色素、フタルイミド化合物、ナフタルイミド化
    合物、ジケトピロロピロール化合物および/またはペリ
    レン化合物である請求項1乃至4の内のいずれかの項に
    記載の放射線増感スクリーン。
  6. 【請求項6】 蛍光染料もしくは蛍光顔料が蛍光体層に
    含有されている請求項1乃至5の内のいずれかの項に記
    載の放射線増感スクリーン。
  7. 【請求項7】 テルビウム賦活酸硫化ガドリニウム系蛍
    光体におけるテルビウムの賦活量が、ガドリニウム1モ
    ル当たり、0.001〜0.02モルである請求項1に
    記載の放射線増感スクリーン。
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CN114380319A (zh) * 2020-10-19 2022-04-22 厦门稀土材料研究所 一种新型片堆积球形结构稀土硫氧化物及其制备方法和应用

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