JPH0755954B2 - カルバサイクリン中間体及びその製造法 - Google Patents

カルバサイクリン中間体及びその製造法

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JPH0755954B2
JPH0755954B2 JP62035309A JP3530987A JPH0755954B2 JP H0755954 B2 JPH0755954 B2 JP H0755954B2 JP 62035309 A JP62035309 A JP 62035309A JP 3530987 A JP3530987 A JP 3530987A JP H0755954 B2 JPH0755954 B2 JP H0755954B2
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憲司 古賀
河崎  久
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Description

【発明の詳細な説明】 [目的] (産業上の利用分野) カルバサイクリンは、血小板凝集抑制作用、血管拡張作
用をはじめ種々の薬理作用を有する有用な化合物であ
る。本発明は、このカルバサイクリンの重要な合成中間
体及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 光学活性なカルバサイクリンの合成法としては、テトラ
ヘドロン、37巻、4391頁(1981);ジャーナル・オブ・
オーガニックケミストリー、44巻、2880頁(1979)及び
同、46巻、1954頁(1981)に記載の方法が知られている
が工程が長い。
一方、(1SR,5RS)−7,7エチレンジオキシ−2−エトキ
シカルボニル−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オンを合成中間体として、短工程でカルバサイクリン
を合成する方法が、テトラヘドロンレターズ、3743頁
(1978);ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ
ー、ケミカルコミュニケーション、1067頁(1978)及び
テトラヘドロンレターズ、433頁(1979)に記載されて
いるが、合成中間体がラセミ体であるので光学活性なカ
ルバサイクリンは製造できない。
(当該発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、カルバサイクリン誘導体の合成について
鋭意研究を行なった結果、本発明の新規な化合物及び製
造工程が、光学活性なカルバサイクリンを短工程で合成
する上で優れた合成中間体及び製造工程となることを見
出し、本発明を完成した。
[構成] 本発明の新規なカルバサイクリン中間体は、 一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
級アルキレン基を示す。R3はシリル基を示す。]を有す
る。
R1及びR2の定義における低級アルキル基とは、例えばメ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、
n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3、3−ジメチルブチル、
2、2−ジメチルブチル、1、1−ジメチルブチル、
1、2−ジメチルブチル、1、3−ジメチルブチル、
2、3−ジメチルブチルのような炭素数1乃至6個の直
鎖又は分枝鎖アルキル基を示し、好適には炭素数1乃至
4個のアルキル基である。
アリール基とは、1乃至3個の置換基を有してもよいフ
ェニル基又はナフチル基を示し、該置換基としては、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲ
ン、シアノ基を挙げることができ、例えばフェニル、ト
リル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェ
ニル、3,4,5−トリメチルフェニル、4−メトキシフェ
ニル、2−ニトロフェニル、4−クロロフェニル、4−
ブロモフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−ニトロ
フェニル、4−シアノフェニル、3,4−メチレンジオキ
シフェニル、α−ナフチル、β−ナフチルのような1乃
至3個の置換基を有してもよい炭素数6乃至10個のアリ
ール基を示し、好適には1乃至3個の置換基を有しても
よいフェニル基である。
R1及びR2が一緒になって示す低級アルキレン基とは、例
えばメチレン、メチルメチレン、エチレン、プロピレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチルトリメ
チレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチ
レン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンのような炭素数
1乃至6個のアルキレン基を挙げることができ、好適に
はメチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレ
ンのような炭素数1乃至4個のアルキレン基である。
R3の定義におけるシリル基とは、例えばトリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、
t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリ
ル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシ
リルのようなトリ低級アルキルシリル基;ジフェニルブ
チルシリル、ジフェニルイソブロピルシリル、フェニル
ジイソプロピル、トリフェニルシリルのような1乃至3
個のアリール基によって置換されたトリ低級アルキルシ
リル基等のシリル基を挙げることができる。
シリルハライドとは、上記シリル基がハロゲン原子と結
合した化合物を示し、ハロゲン原子とは、塩素原子、臭
素原子及び沃素原子を示す。シリルハライドとしては、
例えばトリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルブ
ロミド、トリエチルシリルクロリド、トリエチルシリル
ブロミド、トリプロピルシリルクロリド、トリプロピル
シリルブロミド、イソプロピルジメチルシリルクロリ
ド、t−ブチルジメチルシリルクロリド、t−ブチルジ
メチルシリルブロミド、メチルジイソプロピルシリルク
ロリド、メチルジ−t−ブチルシリルブロミド、トリイ
ソプロピルシリルクロリドのようなトリ低級アルキルシ
リルハライド;ジフェニルt−ブチルシリルクロリド、
ジフェニルt−ブチルシリルアイオダイド、ジフェニル
イソプロピルシリルブロミド、フェニルジイソプロピル
クロリド、トリフェニルシリルクロリドのような1乃至
3個のアリール基によって置換されたトリ低級アルキル
シリルハライド等のシリルハライドを挙げることがで
き、好適にはトリ低級アルキルシリルハライドである。
光学活性なアミンとは、 を有する基(式中、R4,R5及びR6は異なって、水素原
子、低級アルキル基;ベンジル、フェネチル、3−フェ
ニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフ
チルジフェニルメチル、4−メチルベンジル、2、4、
6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジ
ル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフ
ェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジ
ル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シ
アノベンジル、4−シアノベンジルフェニルメチル、ビ
ス(2−ニトロフェニル)メチル、ピペロニルのような
1乃至3個のアリール基で置換された低級アルキル基;
アリール基又は例えばフリル、チエニル、ピロリル、ア
ゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チ
アゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピ
ラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピ
ラジニルのような硫黄原子、酸素原子若しくは/及び窒
素原子を1乃至3個含む5乃至7員複素芳香環基を示
し、R7,R8及びR9は同一又は異なって、水素原子、低級
アルキル基、1乃至3個のアリール基で置換された低級
アルキル基、アリール基又は硫黄原子、酸素原子若しく
は/及び窒素原子を1乃至3個含む5乃至7員複素芳香
環基を示す。)を示す。
アルカリ金属塩とは、リチウム、ナトリウム、カリウム
のようなアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムの
ようなアルカリ土類金属塩を示す。
Eで定義された求電子残基とは、 式−CHOを有する基(IV)、 (式中、R10は低級アルキル基又はアリール基を示
す。)、 (式中、A及びBは前記と同意義を示し、R11及びR12
同一又は異なって、低級アルキル基若しくはアリール基
を示すか、又はR11及びR12は一緒になって、低級アルキ
レン基を示す。)或いは (R13は、低級アルキル基;ビニル、アリルのような炭
素数2乃至6個のアルケニル基;アセチレニル、プロピ
ニル、ブチニル、ペンチニルのような炭素数2乃至6個
のアルキニル基; -(CH2)n-O-R14(式中、nは1乃至6の整数を示し、R14
はアリール基又は硫黄原子、酸素原子若しくは/及び窒
素原子を1乃至3個含む5乃至7員複素芳香環基を示
す。)又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシルのような炭素数3乃至6個のシク
ロアルキル基を示す。)を示す。
Yで定義された脱離基とは、Eが式(IV)を示す場合に
は、水素原子である。Eが式(V)を示す場合には、塩
素、臭素、沃素のようなハロゲン原子;シアノ基;イミ
ダゾール基;低級アルキルオキシ基又はアリールオキシ
基である。Eが式(VI)を示す場合には、ハロゲン原子
である。Eが式(VII)を示す場合には、ハロゲン原
子;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキ
シ、1−プロパンスルホニルオキシのような低級アルカ
ンスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニル
オキシ、ペンタフルオロエタンスルホニルオキシのよう
なフッ素化された低級アルカンスルホニルオキシ基;ベ
ンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキ
シのようなアリールスルホニルオキシ基;アセトキシ、
プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオ
キシ、ペンタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、バレリ
ルオキシ、イソバレリルオキシのような低級アルキルカ
ルボニルオキシ基、クロロアセチルオキシ、ジクロロア
セチルオキシ、トリクロロアセチルオキシ、トリフルオ
ロアセチルオキシのようなハロゲン化低級アルキルカル
ボニルオキシ基、メトキシアセチルオキシのような低級
アルキルオキシアルキルカルボニルオキシ基、(E)−
2−メチル−2−ブテノイルオキシのようなアルケニル
カルボニルオキシ基等の脂肪族アシルオキシ基又はベン
ゾイルオキシ、α−ナフトイルオキシ、β−ナフトイル
オキシ、2−ブロモベンゾイルオキシ、4−クロロベン
ゾイルオキシ、2,4,6−トリメチルベンゾイルオキシ、
4−トルオイルオキシ、4−アニソイルオキシ、4−ニ
トロベンゾイルオキシ、2−ニトロベンゾイルオキシの
ようなアリールカルボニルオキシ基である。
本発明の化合物の製造及び製法は、以下に記載する方法
によって実施される。
第一工程は、化合物(II)とシリルハライド化合物と
を、溶媒中、光学活性なアミンのアルカリ金属塩の存在
下に反応させ、化合物(I)を製造する工程である。
使用される溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルのようなエーテル類;トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類及び
これらの混合溶媒を挙げることができる。好適には、エ
ーテル類又はエーテル類とアミド類との混合溶媒であ
る。
反応温度は、−150℃乃至10℃であり、好適には、−78
℃乃至0℃であり、反応時間は、反応温度、溶媒及び反
応試薬により異なるが、通常1分乃至10時間であり、−
78℃乃至0℃で反応を行なう場合には、好適には5分乃
至2時間である。反応終了後、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン、ピリジンのような有機塩基を
加え、更に、水を加えて、反応生成物を抽出する。抽出
溶媒としては、有機溶媒であれば限定はないが、好適に
はペンタン、ヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ベン
ゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエ
ーテルのようなエーテル類又は酢酸エチルのようなエス
テル類である。抽出液は、酸の水溶液、次で食塩水で洗
浄され、乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸
留によって精製される。酸の水溶液としては、塩酸、硫
酸、クエン酸、酢酸、酸の0.5乃至10%水溶液が好適
である。
第二工程は、化合物(I)と有機リチウム金属化合物と
を、溶媒中で反応させた後に、 一般式E-Yで表わされる求電子試薬(式中、E及びYは
前記と同意義を示す。)と反応させ、化合物(III)を
製造する工程である。使用される溶媒としては、例えば
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのような
エーテル類;トルエン、キシレンのような芳香族炭化水
素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類及びこれ
らの混合溶媒を挙げることができる。好適には、エーテ
ル類又はエーテル類とアミド類との混合溶媒である。
有機リチウム金属化合物としては、例えばメチルリチウ
ム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブ
チルリチウムのような低級アルキルリチウム金属化合物
及びフェニルリチウムのようなアリールリチウム金属化
合物を挙げることができ、好適には、炭素数1乃至4個
のアルキルリチウム金属化合物である。
反応温度は、−150℃乃至10℃であり、有機リチウム金
属化合物との反応においては、好適には、−50℃乃至10
℃であり、 一般式E-Yで表わされる求電子試薬(式中、E及びYは
前記と同意義を示す。)との反応においては、好適に
は、−100℃乃至−50℃である。反応時間は、反応温
度、溶媒及び反応試薬により異なるが、有機リチウム金
属化合物との反応においては、0.5乃至10時間であり、
好適には、0.5乃至2時間であり、一般式E-Yで表わされ
る求電子試薬(式中、E及びYは前記と同意義を示
す。)との反応においては、1乃至20時間であり、好適
には、1乃至7時間である。
本工程においては、有機リチウム金属化合物と反応させ
た後、一般式E-Yで表わされる求電子試薬(式中、E及
びYは前記と同意義を示す。)との反応において、ルイ
ス酸を所望により使用することができる。
使用されるルイス酸としては、通常ルイス酸として用い
られるものであれば限定はないが、好適には四塩化チタ
ン、三弗化ホウ素−ジエチルエーテル、四塩化スズ、二
臭化亜鉛及びトリメチルシリルトリフレートのようなト
リ低級アルキルシリルトリフレートを挙げることができ
る。
反応終了後、反応液に酸の水溶液を加え酸性とし、反応
生成物を抽出する。抽出溶媒としては、有機溶媒であれ
ば限定はないが、好適にはペンタン、ヘキサンのような
脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンのような芳香族
炭化水素類;ジエチルエーテルのようなエーテル類又は
酢酸エチルのようなエステル類である。酸の水溶液とし
ては、塩酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酸の0.5乃至10
%水溶液が好適である。抽出液は、食塩水で洗浄され、
乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸留によっ
て精製される。
別工程は、化合物(II)と一般式E-Yで表わされる求電
子試薬(式中、E及びYは前記と同意義を示す。)と
を、溶媒中、光学活性なアミンのアルカリ金属塩の存在
下、化合物(III)を製造する工程である。
使用される溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルのようなエーテル類;トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルアミドのようなアミド類及び
これらの混合溶媒を挙げることができる。好適には、エ
ーテル類又はエーテル類とアミド類との混合溶媒であ
る。
反応温度は、−150℃乃至30℃であり、好適には、−100
℃乃至20℃であり、反応時間は、反応温度、溶媒及び反
応試薬により異なるが、通常5分乃至10時間であり、−
100℃乃至−50℃で反応を行なう場合には、好適には30
分乃至3時間である。
本工程においても、ルイス酸を所望により使用すること
ができる。
使用されるルイス酸としては、前記第二工程に記載した
ものと同様の化合物である。
反応終了後、反応液に酸の水溶液を加え酸性とし、反応
生成物を抽出する。抽出溶媒としては、有機溶媒であれ
ば限定はないが、好適にはペンタン、ヘキサンのような
脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンのような芳香族
炭化水素類;ジエチルエーテルのようなエーテル類又は
酢酸エチルのようなエステル類である。酸の水溶液とし
ては、塩酸、硫酸、クエン酸、酢酸、酸の0.5乃至10
%水溶液が好適である。抽出液は、食塩水で洗浄され、
乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィー又は蒸留によっ
て精製される。
尚、本発明の原料化合物(II)は、公知化合物であり、
例えば、ベルツらの方法[S.H.Bertz,G.Rihs and R.B.W
oodward,Tetrahedron,38,63(1982)]に従って、合成
される。
又、化合物(III)を、例えば、小島らの方法[K.Kojim
a,S.Amemiya,K.Koyama and K.Sakai,Chem.Pharm.Bull.,
33,2688(1985)]に従って、処理することにより、医
薬品として有用な光学活性カルバサイクリンを製造する
ことができる。
[効果] 本発明により製造される光学活性な合成中間体を使用す
ることによって、光学活性なカルバサイクリンを容易、
大量、安価に製造することができる。
以下に、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明す
る。
実施例1 (1S,5R)−7,7−エチレンジオキシ−3−トリメチルシ
リルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エ
ン アルゴン気流下、((R)−1−フェネチル)(イソプ
ロピル)アミン(311.6mg,1.91mmol)をテトラヒドロフ
ラン38mlに溶解し、−78℃に冷却後、1.61規定のn−ブ
チルリチウム−ヘキサン溶液(1.12ml,1.8mmol)を加え
た。30分攪拌後トリメチルシリルクロリド(0.951ml、
7.5mmol)を加え、続いて、7,7−エチレンジオキシ−3
−オキソ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(271.9m
g,1.49mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3ml)を−78
℃に冷却したものをカニューレで12分かけて加えさらに
1mlのテトラヒドロフランで洗い込み、10分間攪拌し
た。トリエチルアミン(3ml)及び飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(8ml)を加えて反応を停止させた。少量の
水を加えペンタンで抽出し(50mlx3)、ペンタン層を水
(40ml),0.1規定クエン酸(80mlx2,40mlx2)及び飽和
食塩水(40ml)で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を減圧下留去後、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ペンタン−エーテル(5:1)で溶
出)により精製し、溶媒を減圧下留去後バルブ トゥ
バルブ蒸留(180℃/1mmHg)に付し、無色油状の目的化
合物を259.2mg(68.5%)得た。
赤外吸収スペクトル νmax(液膜)cm−1 1640 NMRスペクトル(C6D6)δ0.17(9H,s),1.07-3.47(8H,
m),3.53(4H,s),4.67(1H,m). ▲[α]25 D▼ −26.0(C=3.1,ベンゼン)72%ee 実施例2 (1S,5R)−7,7−エチレンジオキシ−3−トリメチルシ
リルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エ
ン アルゴン気流下、((R)−1−フェネチル)(イソプ
ロピル)アミン(899.5mg,5.52mmol)をテトラヒドロフ
ラン111mlに溶解し、−78℃に冷却後、1.61規定のn−
ブチルリチウム−ヘキサン溶液(3.27ml,5.26mmol)を
加えた。30分攪拌後トリメチルシリルクロリド(2.781m
l、21.92mmol)を加え、続いて、7,7−エチレンジオキ
シ−3−オキソ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(7
87.9mg,4.38mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8.8ml)
を−78℃に冷却したものをカニューレで22分かけて加
え、10分間攪拌した。トリエチルアミン(8.8ml)及び
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(23.5ml)を加えて反応
を停止させた。水(50ml)を加えペンタンで抽出し(15
0mlx3)、ペンタン層を水(120ml),0.1規定クエン酸
(240mlx2,120mlx2)及び飽和食塩水(120ml)で洗った
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去
後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ペ
ンタン−エーテル(5:1)で溶出)により精製し、溶媒
を減圧下留去後バルブ トゥ バルブ蒸留(180℃/1mmH
g)に付し、無色油状の目的化合物を890.4mg(80.1%)
得た。
赤外吸収スペクトル νmax(液膜)cm−1 1640 NMRスペクトル(C6D6)δ0.17(9H,s),1.07-3.47(8H,
m),3.53(4H,s),4.67(1H,m). ▲[α]25 D▼ −24.1(C=2.95,ベンゼン)67%ee 実施例3 (1S,5R)−7,7−エチレンジオキシ−3−トリメチルシ
リルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エ
ン アルゴン気流下、((R)−1−フェネチル)(イソプ
ロピル)アミン(311.6mg,1.91mmol)をジメトキシエタ
ン38mlに溶解し、−78℃に冷却後、1.50規定のn−ブチ
ルリチウム−ヘキサン溶液(1.202ml,1.8mmol)を加え
た。30分攪拌後トリメチルシリルクロリド(0.951ml、
7.5mmol)を加え、続いて、7,7−エチレンジオキシ−3
−オキソ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(272.5m
g,1.5mmol)のジメトキシエタン溶液(3ml)を−78℃に
冷却したものをカニューレで15分かけて加えさらに1ml
のジメトキシエタン1mlで洗い込み、40分間攪拌した。
トリエチルアミン(3ml)及び飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液(8ml)を加えて反応を停止させた。少量の水を
加えペンタンで抽出し(50mlx3)、ペンタン層を水(40
ml),0.1規定クエン酸(80mlx2,40mlx2)及び飽和食塩
水(40ml)で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を減圧下留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ペンタン−エーテル(5:1)で溶出)に
より精製し、溶媒を減圧下留去後バルブ トゥ バルブ
蒸留(180℃/1mmHg)に付し、無色油状の目的化合物を2
85.1mg(75%)得た。
赤外吸収スペクトル νmax(液膜)cm−1 1640 NMRスペクトル(C6D6)δ0.17(9H,s),1.07-3.47(8H,
m),3.53(4H,s),4.67(1H,m). ▲[α]25 D▼ −21.7(C=3.56,ベンゼン)60%ee 実施例4 (1S,5R)−2−エトキシカルボニル−3−オキソ−7,7
−エチレンジオキシビシクロ[3.3.0]オクタン アルゴン気流下、(1S,5R)−7,7−エチレンジオキシ−
3−トリメチルシリルオキシ−シス−ビシクロ〔3.3.
0〕オクト−2−エン(328.5mg,1.29mmol)をテトラヒ
ドロフラン(5.70ml)に溶解し、0℃に冷却後、1.41規
定のメチルリチウム−エーテル溶液(1.11ml,1.55mmo
l)を加えた。1時間10分攪拌後、−78℃に冷却し、シ
アノ炭酸エチル(0.153ml、1.55mmol)を加え、40分間
攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10ml)を加えて
反応を停止させた。反応液を10%塩酸水溶液によりpH約
1とし、酢酸エチルで抽出し(30mlx3)、酢酸エチル層
を飽和食塩水(30ml)で洗った後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を減圧下留去後、残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン−エーテル(2:1)
で溶出)により精製し、無色油状の目的化合物を153.3m
g(47%)得た。
赤外吸収スペクトル νmax(液膜)cm−1 1760,1730,1660,1620 NMRスペクトル(C6D6)δ1.3(3H,t,J=7.2Hz),1.5-3.
6(9H,m),3.92(4H,s),4.25(2H,q,J=7.2Hz),10.4
(1H,m). ▲[α]25 D▼ +16.8(C=1.39,クロロホルム)68%
ee マススペクトル(m/z):254(M ) 実施例5 (1S,5R)−2−エトキシカルボニル−3−オキソ−7,7
−エチレンジオキシビシクロ[3.3.0]オクタン アルゴン気流下、((R)−1−フェネチル)(イソプ
ロピル)アミン(314.2mg,1.93mmol)をテトラヒドロフ
ラン12mlに溶解し、−78℃に冷却後、1.61規定のn−ブ
チルリチウム−ヘキサン溶液(1.12ml,1.8mmol)を加え
た。30分後に7,7−エチレンジオキシ−3−オキソ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(270mg,1.484mmol)の
テトラヒドロフラン溶液(3ml)を−78℃に冷却したも
のをカニューレで12分かけて加え、さらに1mlのテトラ
ヒドロフランで洗い込み、10分間攪拌した。
シアノ炭酸エチル(0.178ml,1.8mmol)を加え、1時間3
0分間攪拌後、室温まで昇温し、飽和塩化アンモニウム
水溶液(10ml)を加えて反応を停止させた。反応液を10
%塩酸水溶液によりpH約1とし、酢酸エチルで抽出し
(100mlx3)、酢酸エチル層を飽和食塩水(100ml)で洗
った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留
去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン−エーテル(2:1)で溶出)により精製し、
無色油状の目的化合物を150mg(40%)得た。
赤外吸収スペクトル νmax(液膜)cm−1 1760,1730,1660,1620 NMRスペクトル(C6D6)δ1.3(3H,t,J=7.2Hz),1.5-3.
6(9H,m),3.92(4H,s),4.25(2H,q,J=7.2Hz),10.4
(1H,m). ▲[α]25 D▼ +7.1(C=1.405,クロロホルム)28%
ee マススペクトル(m/z):254(M
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/18 V

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
    黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
    ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
    級アルキレン基を示す。R3はシリル基を示す。]で表わ
    される光学活性なカルバサイクリン中間体。
  2. 【請求項2】一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
    黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
    ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
    級アルキレン基を示す。]で表わされる化合物とシリル
    ハライド化合物とを、光学活性なアミンのアルカリ金属
    塩の存在下に反応させることを特徴とする 一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
    黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
    ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
    級アルキレン基を示す。R3はシリル基を示す。]で表わ
    される光学活性なカルバサイクリン中間体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
    黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
    ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
    級アルキレン基を示す。]で表わされる化合物と一般式
    E-Yで表わされる求電子試薬(式中、Eは求電子残基を
    示し、Yは脱離基を示す。)とを、光学活性なアミンの
    アルカリ金属塩の存在下に反応させることを特徴とする 一般式 [式中、A及びBは、同一又は異なって酸素原子又は硫
    黄原子を示し、R1及びR2は同一又は異なって低級アルキ
    ル基若しくはアリール基を示すか又は一緒になって、低
    級アルキレン基を示す。Eは求電子残基を示す。]で表
    わされる光学活性なカルバサイクリン中間体の製造法。
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