JP2005194189A - 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法 - Google Patents

19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005194189A
JP2005194189A JP2001310588A JP2001310588A JP2005194189A JP 2005194189 A JP2005194189 A JP 2005194189A JP 2001310588 A JP2001310588 A JP 2001310588A JP 2001310588 A JP2001310588 A JP 2001310588A JP 2005194189 A JP2005194189 A JP 2005194189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkoxy
halogen atom
hydroxyl
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001310588A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumie Satou
史衛 佐藤
Sentaro Okamoto
専太郎 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Priority to JP2001310588A priority Critical patent/JP2005194189A/ja
Priority to PCT/JP2002/010217 priority patent/WO2003031402A1/ja
Publication of JP2005194189A publication Critical patent/JP2005194189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B53/00Asymmetric syntheses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C401/00Irradiation products of cholesterol or its derivatives; Vitamin D derivatives, 9,10-seco cyclopenta[a]phenanthrene or analogues obtained by chemical preparation without irradiation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
Figure 2005194189

〔式中、Wは水素原子、ハロゲン原子等を、Ra及びRbは互いに独立して、C1〜6アルキル基等を、又は、RaとRbが結合してC2〜3アルキレンジオキシ等を表わす。X1及びX2は互いに独立して、水素原子、水酸基の保護基又は該保護基を末端に有する固相を表わす。〕で表わされる光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物又はその鏡像体と、下記一般式(2)
Hal−Z (2)
〔式中、Halは、ハロゲン原子を表わす。Zは、C1〜26アルキル基等を表わす。〕で表わされる化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
【化2】
Figure 2005194189

〔式中、W、Z、X1及びX2は前記に同じ。〕
で表わされる19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、19−ノル−ビタミンD誘導体の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性型ビタミンD3(1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール)は、小腸におけるカルシウム輸送能、骨塩動員能などの生理活性が強く、そのため人の生理機能に重要な役割を果たすことが知られている。
さらに、その19−ノル−体には、血中のカルシウムイオン濃度を増加させることなく、腫瘍細胞の増殖抑制を行うという選択的な生理活性作用が報告されており、腎不全による続発生副甲状腺機能亢進症に対する臨床開発がなされている(Tetrahedron Letters 1990, 31, 1823、Tetrahedron Letters 1991, 32, 7663、及び Tetrahedron Letters 1992, 33, 2937 等)。
最近では、その特徴的な生理活性作用により、種々の19−ノル−ビタミンD誘導体が開発され、種々の疾患に対する有効な治療薬として期待されている(J. Drugs Future 1998, 23, 602、US Patent 5,969,190、Tetrahedron 2001, 57, 681 等)。
【0003】
従来、19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法としては、(1)25−ヒドロキシビタミンD3からの誘導(Tetrahedron Letters 1990, 31, 1823、特表平3−505330号公報等)、(2)A環部のホスフィンオキシド体を用いたホーナーエモンズ反応による方法(Tetrahedron Letters 1991, 32, 7663、特開平5−186421号公報等)、(3)A環部のケトン体を用いたJulia coupling反応による方法(Tetrahedron 2001, 57, 681等)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来法は、出発物質からの工程数が長い、全工程のトータル収率が低い等、種々の課題を抱えており、より実用的な製造方法の開発が望まれており、現在も効率的な製造方法の確立を目指して研究が盛んに行われているのが現状である。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、19−ノル−活性型ビタミンD誘導体の効率的、かつ、有用な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、上記一般式(1)で示される光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物(その鏡像体)を原料とすることで、19−ノル−活性型ビタミンD誘導体を効率的に製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
[1]下記一般式(1)
【化10】
Figure 2005194189
〔式中、Wは水素原子、ハロゲン原子又はC1〜6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい)を表わす。Ra及びRbは互いに独立して、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基もしくは水酸基を、又は、RaとRbが結合してC2〜3アルキレンジオキシ基(該C2〜3アルキレンジオキシ基はC1〜4アルキル基で任意に置換されていてもよい)を表わす。X1及びX2は互いに独立して、水素原子、水酸基の保護基又は該保護基を末端に有する固相を表わす。〕
で表わされる光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物又はその鏡像体と、下記一般式(2)
Hal−Z (2)
〔式中、Halは、ハロゲン原子を表わす。Zは、C1〜26アルキル基、C2〜26アルケニル基、C2〜26アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}、アリール基、フリル基、チエニル基又はピロール基(該アリール基、フリル基、チエニル基及びピロール基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)を表わす。〕
で表わされるハロゲン化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
【化11】
Figure 2005194189
〔式中、W、Z、X1及びX2は前記に同じ。〕
で表わされる19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法、
[2]前記Zが、
【化12】
Figure 2005194189
〔式中、R4は、水素原子又はC1〜6アルキル基{該アルキル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表す。R5はC1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基又はC2〜18アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、
【化13】
Figure 2005194189
〔式中R6は、C1〜9アルキル基、C2〜9アルケニル基又はC2〜9アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、又は、
【化14】
Figure 2005194189
〔式中R5は、前記と同じ意味を表わす。〕で示される基であることを特徴とする[1]の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法、
[3]前記Zが、
【化15】
Figure 2005194189
〔式中、R5はC1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基又はC2〜18アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、又は、
【化16】
Figure 2005194189
〔式中R6は、C1〜9アルキル基、C2〜9アルケニル基又はC2〜9アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基であることを特徴とする[2]の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法、
[4]前記Zが、
【化17】
Figure 2005194189
〔式中、M1は水素原子、水酸基又は置換シリルオキシ基を表わす。M2は、水素原子又はC1〜6アルキル基を表す〕であることを特徴とする[3]の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法、
[5]前記Zが、
【化18】
Figure 2005194189
〔式中、M1は水素原子、水酸基又は置換シリルオキシ基を表わす。〕であることを特徴とする[3]の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法
を提供する。
【0008】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
なお、本明細書中において、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを意味する。
【0009】
本発明におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
C1〜6アルキル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル等が挙げられる。
【0010】
C1〜9アルキル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C1〜6アルキル基に挙げた置換基に加えて、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル等を挙げることができる。
C1〜18アルキル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C1〜9アルキル基に挙げた置換基に加えて、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル等が挙げられる。
【0011】
C1〜26アルキル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C1〜9アルキル基に挙げた置換基に加えて、n−ノナデシル、n−エイコシル等が挙げられる。
なお、上記各炭素数のアルキル基は、アルキル鎖の中ほどに、単環式又は縮合多環式の炭化水素基を含んでいてもよい。該炭化水素基としては、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
【0012】
【化19】
Figure 2005194189
【0013】
C2〜9アルケニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、エテニル、n−プロペニル、i−プロペニル、c−プロペニル、n−ブテニル、i−ブテニル、s−ブテニル、t−ブテニル、c−ブテニル、n−ペンテニル、1−メチル−n−ブテニル、2−メチル−n−ブテニル、3−メチル−n−ブテニル、1,1−ジメチル−n−プロペニル、c−ペンテニル、2−メチル−c−ブテニル、n−ヘキセニル、1−メチル−n−ペンテニル、2−メチル−n−ペンテニル、1,1−ジメチル−n−ブテニル、1−エチル−n−ブテニル、1,1,2−トリメチル−n−プロペニル、c−ヘキセニル、1−メチル−c−ペンテニル、1−エチル−c−ブテニル、1,2−ジメチル−c−ブテニル、n−ヘプテニル、n−オクテニル、n−ノネニル等が挙げられる。
【0014】
C2〜18アルケニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C2〜9アルケニル基に挙げた置換基に加えて、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル、n−オクタデセニル等が挙げられる。
C2〜26アルケニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C2〜18アルケニル基に挙げた置換基に加えて、n−ノナデセニル、n−エイコセニル等が挙げられる。
なお、アルケニル基の二重結合は2以上あってよく、また、アルケニル鎖の中ほどに、単環式もしくは縮合多環式の炭化水素基を含んでいてもよく、該炭化水素基としては、上記の炭化水素基が挙げられる。
【0015】
C2〜9アルキニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、エチニル、n−プロピニル、i−プロピニル、c−プロピニル、n−ブチニル、i−ブチニル、s−ブチニル、t−ブチニル、c−ブチニル、n−ペンチニル、1−メチル−n−ブチニル、2−メチル−n−ブチニル、3−メチル−n−ブチニル、1,1−ジメチル−n−プロピニル、c−ペンチニル、2−メチル−c−ブチニル、n−ヘキシニル、1−メチル−n−ペンチニル、2−メチル−n−ペンチニル、1,1−ジメチル−n−ブチニル、1−エチル−n−ブチニル、1,1,2−トリメチル−n−プロピニル、c−ヘキシニル、1−メチル−c−ペンチニル、1−エチル−c−ブチニル、1,2−ジメチル−c−ブチニル、n−ヘプチニル、n−オクチニル、n−ノニニル等が挙げられる。
【0016】
C2〜18アルキニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C2〜9アルキニル基に挙げた置換基に加えて、n−デシニル、n−ウンデシニル、n−ドデシニル、n−トリデシニル、n−テトラデシニル、n−ペンタデシニル、n−ヘキサデシニル、n−ヘプタデシニル、n−オクタデシニル等が挙げられる。
C2〜26アルキニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C2〜18アルキニル基に挙げた置換基に加えて、n−ノナデシニル、n−エイコシニル等が挙げられる。
なお、上記アルキニル基の三重結合は2個以上あってもよく、また、アルキニル鎖の中ほどに、単環式もしくは縮合多環式の炭化水素基を含んでいてもよい。該炭化水素基としては、例えば、上述した炭化水素基が挙げられる。
【0017】
C1〜6アルコキシ基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、c−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、c−ヘキシルオキシ等が挙げられる。
C1〜10アルコキシ基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、上記C1〜6アルコキシ基に挙げた置換基に加えて、例えば、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ等が挙げられる。
【0018】
C1〜4アルコキシカルボニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
C1〜6アルコキシカルボニル基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、上記C1〜4アルコキシ基に挙げた置換基に加えて、例えば、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0019】
C1〜6アルキルカルボニルオキシ基は、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロポピルボニルオキシ、i−プロピルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0020】
アリール基としては、フェニル、ナフチル、p−トリル等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェノキシ、ナフトキシ、p−トリルオキシ等が挙げられる。
C2〜3アルキレンジオキシ基としては、エチレンジオキシ、テトラメチルエチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、2,2−ジメチルプロピレンジオキシ等が挙げられる。
【0021】
水酸基の保護基としては、例えば、C1〜7アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、フルオロアセチル、ジフルオロアセチル、トリフルオロアセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、プロピオニル、ピバロイル及びチグロイル等が挙げられる)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル、ベンゾイルホルミル、ベンゾイルプロピオニル、フェニルプロピオニル等が挙げられる)、C1〜4アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、i−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等が挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル等が挙げられる)、C1〜4アルキルアミノカルボニル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル等が挙げられる)、アリールアミノカルボニル基(例えば、フェニルカルバモイル等が挙げられる)、トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジ−t−ブチルメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、テキシルジメチルシリル等が挙げられる)、トリアルキルアリールシリル基(例えば、ジフェニルメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジメトキシフェニルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる)等が挙げられる。
【0022】
水酸基の保護基を末端に有する固相としては、例えば、カルボニル基樹脂末端、カルボニルオキシ基樹脂末端、カルボニルアミノ基樹脂末端、シリル基樹脂末端等が挙げられる。
用いられる樹脂としては、ポリスチレン樹脂、PEG−ポリスチレン樹脂、PGA樹脂等が挙げられる。
【0023】
置換シリルオキシ基としては、トリアルキルシリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、ジエチルイソプロピルシリルオキシ、ジメチルイソプロピルシリルオキシ、ジ−t−ブチルメチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、テキシルジメチルシリルオキシ等が挙げられる)、トリアルキルアリールシリルオキシ基(例えば、ジフェニルメチルシリルオキシ、t−ブチルジフェニルシリルオキシ、t−ブチルジメトキシフェニルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ等が挙げられる)等が挙げられる。
【0024】
上記一般式(1)で示される化合物において、置換基Wとしては、水素原子、メチル、エチル、トリフルオロメチルを用いることが好ましい。
また、Ra及びRbは、上記のように、互いに独立して、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基もしくは水酸基を、又は、RaとRbが結合してC2〜3アルキレンジオキシ基(該C2〜3アルキレンジオキシ基はC1〜4アルキル基で任意に置換されていてもよい)を表わすが、特に、RaとRbとが結合したC2〜3アルキレンジオキシ基を用いることが好ましく、例えば、テトラメチルエチレンジオキシ基、2,2−ジメチルプロピレンジオキシ基を用いるが好ましい。
さらに、置換基X1及びX2としては、C1〜7アシル基、C1〜4アルコキシカルボニル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルアリールシリル基、シリル基樹脂末端等を用いることが好ましく、特に好ましくは、トリアルキルシリル基、トリアルキルアリールシリル基、シリル基樹脂末端等である。
なお、置換基X1及びX2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0025】
上記一般式(2)で示される化合物において、置換基Zは、上記のように、直鎖、分岐もしくは環状のC1〜26アルキル基、C2〜26アルケニル基、C2〜26アルキニル基、アリール基、フリル基、チエニル基又はピロール基を表わす。
ここで、上記アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は、何れもハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい。
【0026】
上記アリール基、フリル基、チエニル基又はピロール基は、いずれも任意の位置で、C1〜6アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい。
これらの置換基Zとしては、例えば、下記式で示されるものを挙げることができる。
【0027】
【化20】
Figure 2005194189
〔式中、R4は、水素原子又はC1〜6アルキル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表す。R5はC1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基、又はC2〜18アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。R6は、C1〜9アルキル基、C2〜9アルケニル基、又はC2〜9アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基、又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕
【0028】
これらの中でも、Zとしては、特に、下記式で示される置換基が好適に用いられる。
【0029】
【化21】
Figure 2005194189
〔式中、M1は、水素原子、水酸基又は置換シリル基を表す。M2は、水素原子又はC1〜6アルキル基を表す。〕
【0030】
本発明に係る製造方法に用いられる反応溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、かつ、不活性で反応を妨げないものであれば特に制限はなく、例えば、以下に示す溶媒を用いることができる。
具体的には、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンやメチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルやプロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリルやブチロニトリル等)等の溶媒が挙げられる。
【0031】
これらの溶媒は反応の起こり易さに従って適宜選択され、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。なお、必要に応じて適当な脱水剤や乾燥剤により水分を除去し、非水溶媒として用いてもよい。
以上述べた溶媒は、本発明を実施する際の一例であって、本発明はこれらの条件に限定されるものではない。
【0032】
次に、上記一般式(1)で示される光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物の製造方法について説明する。
例えば、化合物(W=水素原子、Ra及びRb=テトラメチルエチレンジオキシ基、X1=X2=t−ブチルジメチルシリル基)は、下記スキーム1に示す方法により製造することができる。
【0033】
【化22】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0034】
すなわち、出発原料である光学活性シクロヘキセノン化合物をエポキシ化し、シクロヘキセノンオキシド体とした後、ケトンにブロムメチレン化導入反応をしてブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体とし、さらにエポキシドを還元しヒドロキシル体とし、その水酸基をシリル化しジシロキシ体とした後、最後に臭素原子をホウ素で置換することにより製造することができる。
最初のエポキシ化反応の酸化剤としては、例えば、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸等の過酸類、過酸化水素、酸素等が挙げられ、好ましくは、過酸化水素である。
酸化剤の使用量は、通常、基質に対して0.8〜50モル倍の範囲であり、特に、1.0〜20モル倍の範囲が好ましい。
【0035】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋なシクロヘキセノンオキシド体を単離することができる。
【0036】
次に、ケトンへのブロムメチレン化導入反応としては、例えば、ブロムメチルトリフェニルホスホニウムブロマイドを用いたウィティッヒ反応、又は、例えば、ジイソプロピルブロムメチルホスホネートを用いたホーナー・エモンズ反応等が挙げられ、好ましくは、ブロムメチルトリフェニルホスホニウムブロマイドを用いたウィティッヒ反応である。
この場合、ブロムメチルトリフェニルホスホニウムブロマイドの使用量は、通常、基質に対して0.8〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜5.0モル倍の範囲が好ましい。
【0037】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒のうち、水及びケトン類以外の溶媒を用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋なブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体を単離することができる。
【0038】
次に、得られたブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体のエポキシドを還元する還元剤としては、例えば、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビスメトキシエトキシアルミニウムナトリウム等が挙げられ、好ましくは、水素化ジイソブチルアルミニウムである。
還元剤の使用量は、通常、基質に対して0.5〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜10モル倍の範囲が好ましい。
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒のうち、水、ケトン類及びエステル類以外の溶媒を用いることができる。
【0039】
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、純粋なヒドロキシル体を単離することができる。
【0040】
上述のようにして得られたヒドロキシル体の水酸基を保護する保護試剤としては、例えば、アシル化剤、オキシカルボニル化剤、アミノカルボニル化剤、シリル化剤等が挙げられるが、シリル化剤を用いることが好ましい。
シリル化剤としては、例えば、トリメチルシリルクロライド、t−ブチルジメチルシリルクロライド、ジフェニル−t−ブチルシリルクロライド等が挙げられる。
シリル化剤の使用量は、通常、基質に対して0.5〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜10モル倍の範囲が好ましい。
【0041】
この場合、反応を促進させるために、反応系に塩基を共存させることもでき、この様な塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、DBU、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、ピリジン、メチルエチルピリジン、ルチジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、イミダゾール、ピラゾールが挙げられ、好ましくは、イミダゾールである。
塩基の使用量は、通常、基質に対して0.5〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜10モル倍の範囲が好ましい。
【0042】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒のうち、水、アルコール類及びセロソルブ類以外の溶媒を用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、純粋なジシロキシ体を単離することができる。
【0043】
最後に、得られたジシロキシ体のハロゲンをホウ素で置換することにより目的とする化合物を製造することができる。
すなわち、ジシロキシ体をリチオ化した後、ホウ素化剤で処理することにより製造することができる。
リチオ化剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等を挙げることができる。
リチオ化剤の使用量は、通常、基質に対して0.5〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜10モル倍の範囲が好ましい。
【0044】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒のうち、水、アルコール類、セロソルブ類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類及びエステル類以外の溶媒を用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80℃から0℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
【0045】
リチオ化した化合物は単離せずに、反応系にそのままホウ素化剤を加えてホウ素化合物とする。
さらに、得られたホウ素化合物をピナコールで処理することにより化合物を合成することができる。
ここで、ホウ素化剤としては特に限定されるものではなく、例えば、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン等が挙げられる。
ホウ素化剤の使用量は、通常、基質に対して0.5〜20モル倍の範囲であり、特に、1.0〜10モル倍の範囲が好ましい。
【0046】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、リチオ化に使用した溶媒をそのまま用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは、−80℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、純粋な化合物を単離することができる。
【0047】
上記スキーム1において、ヒドロキシル体の水酸基を、反応性シリル基を末端に持つ樹脂と反応させることにより、シリル基樹脂末端を持つ化合物を合成し、ホウ素で置換することにより化合物(W=水素原子、Ra及びRb=テトラメチルエチレンジオキシ基、X1又はX2のどちらか一方=t−ブチルジメチルシリル基、他方=シリル基樹脂末端)を製造することができる。
この様な化合物は、固相担持されているため、反応系から容易に分離でき、コンビナトリアルケミストリーや自動合成装置による高速合成に適している。
【0048】
【化23】
Figure 2005194189
【0049】
なお、スキーム1において化合物を製造する際の出発原料となる光学活性シクロヘキセノン化合物は、スキーム3に示すようにTetrahedron Letters, 1997, 38, 8299、及びJ. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3640に記載の方法にしたがって製造することができる。
【0050】
【化24】
Figure 2005194189
(式中、Etはエチル基、TBSはt−ブチルジメチルシリル基、iPrはイソプロピル基を表わす。)
【0051】
すなわち、光学活性クロルヒドリンエステルをヨウ素化して、ヨードヒドリン体10とし、次いで水酸基をシリル化して、シロキシ体11とし、さらにビニルグリニャールを反応させてホモアリルエーテル体12とし、最後にTiで環化することにより製造することができる。
【0052】
次に、一般式(2)で示されるハロゲン化合物の製造方法について説明する。
一般的には、市販のハライド化合物を用いることができるが、例えば、化合物13は、公知の方法(J. Org. Chem., 1992, 57, 3173、Chem. Lett., 1993, 3, 1845及びJ. Org. Chem., 1988, 53, 3450等)に準じて製造することができる。
【0053】
【化25】
Figure 2005194189
(式中、TMSはトリメチルシリル基を表わす。)
【0054】
次に、上記一般式(3)で示される19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法について説明する。
一般式(3)で示される化合物は、上記一般式(1)で示される光学活性ビニリデンシクロヘキサン化合物と、一般式(2)で示される化合物とを反応させることにより製造することができ、例えば化合物14は、上記で得られた化合物と化合物13を反応させることにより製造することができる。
【0055】
【化26】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を、TMSはトリメチルシリル基を表わす。)
【0056】
また、例えば、化合物17は、上記で得られた化合物と化合物16を反応させることにより製造することができる。
【0057】
【化27】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を、TESはトリエチルシリル基を表わす。)
【0058】
この場合、ハロゲン化物の使用量は、通常、基質に対して0.5〜2.0モル倍の範囲である。
また、上記一般式(1)で示される化合物と、一般式(2)で示される化合物との反応を進行させるためには、パラジウム触媒又はニッケル触媒が必要である。
これらの触媒としては、いわゆる低原子価のパラジウム錯体又はニッケル錯体が好適であり、特に、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とするゼロ価錯体が好ましい。また、反応系中で容易にゼロ価錯体に変換される適当な前駆体を用いることもできる。さらに、反応系中で、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体と3級ホスフィンや3級ホスファイトとを混合し、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とする低原子価錯体を発生させることもできる。
【0059】
配位子として用いられる3級ホスフィン、3級ホスファイトとしては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられ、これらの配位子の2種以上を混合して含む錯体も好適に用いることができる。
【0060】
一方、3級ホスフィンや3級ホスファイトを含まない錯体としては、ビス(ベンジリデンアセトン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸ニッケル、塩化ニッケル等が挙げられる。
また、ホスフィン又はホスファイト錯体としては、ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルホスフィン)パラジウム、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が挙げられる。
これらパラジウム触媒又はニッケル触媒の使用量は、いわゆる触媒量でよく、一般的には基質に対して、20モル%以下で十分である。
【0061】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることができる。
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは、−30℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋な化合物19−ノル−ビタミンD誘導体を単離することができる。
【0062】
【実施例】
以下、参考例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、参考例及び実施例にて採用した分析条件等は以下の通りである。
▲1▼1H NMR(300MHz)及び13C NMR(75MHz)測定条件;
装置:Varian Gemini-2000
測定溶媒:CDCl3
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.00)又はCHCl3(δ7.26)
▲2▼IR測定装置;JASCO FT/IR-230
▲3▼GC/MS、DI/MS測定装置;Shimadzu QP-5000 GC-mass spectrometer
▲4▼HPLC測定装置;Shimadzu LC-VP system
【0063】
[参考例] 光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物の合成
(1)シクロヘキセンオキシド体の合成
【0064】
【化28】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0065】
光学活性5−シロキシ−2−シクロへキセノン(6.14g,27.2mmol)と35%過酸化水素水(23.6mL,272mmol)のメタノール(210mL)の混合液を−78℃に冷却し、これに、3M水酸化ナトリウム水溶液(4.8mL,14.4mmol)を−78℃で加えた。
そのまま、−65℃で30時間激しく攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(210mL)を加えた。
反応液を減圧下で約半量まで濃縮し、その溶液を塩化メチレン(150mL)で3回抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物(淡黄色油状物)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、光学活性5−シロキシ−2,3−エポキシシクロヘキサノンを収率87%(5.74g)で得た。
下記のGC分析から立体異性体比は>96:<4であった。
GC分析条件;HR-1キャピラリーカラム0.25φ×30m、He 0.5mL/min、60℃(2min)→280℃(10℃/min)、12.57min=主異性体、12.72min=副異性体
【0066】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ4.21−4.30 (m, 1H), 3.55 (br s, 1H), 3.26 (d, J=3.9Hz, 1H), 2.76 (dd, J=3.0, 15.3Hz, 1H), 2.39 (dd, J=3.9, 15.3Hz, 1H), 2.19 (dd, J=6.6, 15.3Hz, 1H), 2.00 (br d, J=15.3, 1H), 0.85 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ204.8, 67.3, 55.4, 54.7, 44.9, 32.9, 25.5, 17.8, −5.0,−5.1.
IR (neat) 2929, 2888, 2857, 1726, 1472, 1406, 1361, 1331, 1255, 1075, 1031, 985, 935, 871, 837, 778, 715 cm-1.
[α]29 D -12.1 (c 0.500 CHCl3)
Anal. Calc. for C12H22O3Si: C, 59.46; H, 9.15. Found: C, 59.15; H, 8.98.
【0067】
(2)ブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体の合成
【0068】
【化29】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0069】
ブロムメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(11.3g,26mmol)とトルエン(50mL)の縣濁液に、室温下でカリウムビストリメチルシリルアミド(0.5M/トルエン液,52mL,26mmol)を加え、そのまま室温下で30分撹拌した。
0℃に冷却した後、光学活性5−シロキシ−2,3−エポキシシクロヘキサノン(4.84g,20mmol)を加え、その反応液を30分かけて室温まで昇温した。
反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にヘキサン(200mL)を加え、析出した結晶をセライトでろ過した。
ろ液を減圧下濃縮して得られたブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体の粗生成物はそのまま次の反応に用いた。
【0070】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ6.49 (t, J=1.8Hz, 1H), 3.87-4.02 (m, 1H), 3.49 (d, J=3.9Hz, 1H), 3.38-3.45 (m, 1H), 2.42 (br d, J=15.9Hz, 1H), 2.27 (dd, J=4.2, 15.0Hz, 1H), 2.16 (ddd, J=2.1, 8.1, 15.9Hz, 1H), 1.81 (ddd, J=2.7, 6.9, 15.0Hz, 1H), 0.86 (s, 9H), 0.06 (s, 6H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ137.5, 109.2, 64.3, 54.7, 54.1, 35.4, 33.9, 25.8, 18.1, -4.6, -4.7.
【0071】
(3)ヒドロキシル体の合成
【0072】
【化30】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0073】
氷冷下、上記で得られたブロムメチレンシクロヘキセンオキシド体の粗生成物のヘキサン(50mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0M/ヘキサン液,26.0mL,26.0mmol)を加え、そのまま0℃で1.5時間攪拌した。
反応液に、水(3.6mL)、フッ化ナトリウム(10g)、セライト(10g)を加えて、その混合液をセライトでろ過した。
ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1−ブロムメチレン−3−ヒドロキシ−5−シロキシシクロヘキサンを収率82%(5.25g)で得た。
【0074】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ6.02 (br s, 1H), 4.04-4.16 (m, 2H), 2.43-2.54 (m, 2H), 2.37 (dd, J=6.9, 13.5Hz, 1H), 2.15 (dd, J=7.5, 13.5Hz, 1H), 1.70-1.80 (m, 2H), 1.42 (d, J=5.1Hz, 1H), 0.88 (s, 9H), 0.07 and 0.09 (2s, each 3H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ139.0, 102.0, 66.9, 66.8, 42.9, 42.3, 39.0, 25.6, 17.9, -5.1, -5.2
IR (neat) 3366, 2928, 1471, 1361, 1254, 1096, 837, 776 cm-1
[α]26 D +20.2 (c 1.12, CHCl3)
Anal. Calcd. for C13H25BrO2Si: C, 48.59; H, 7.84. Found: C, 48.92; H, 7.91.
【0075】
(4)ジシロキシ体の合成
【0076】
【化31】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0077】
上記で得られた1−ブロムメチレン−3−ヒドロキシ−5−シロキシシクロヘキサン(5.25g,16.4mmol)とイミダゾール(2.46g,36.1mmol)のジメチルホルムアミド(20mL)溶液に、0℃でt−ブチルジメチルシリルクロライド(3.02g,20.0mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。
飽和重曹水(30mL)を加えた後、ヘキサン(40mL)で抽出した。有機層を乾燥(無水硫酸マグネシウム)し、ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1−ブロムメチレン−3,5−ジシロキシシクロヘキサンを収率93%(6.62g)で得た。
【0078】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ5.94 (br s, 1H), 4.02-4.15 (m, 2H), 2.30-2.48 (m, 3H), 2.09 (ddd, J=0.9, 7.5, 13.5Hz, 1H), 1.62-1.84 (m, 2H), 0.87 and 0.89 (2s, each 9H), 0.06 and 0.09 (2s, each 3H), 0.04 (s, 6H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ139.3, 101.2, 67.4, 67.1, 43.6, 43.2, 39.2, 25.90, 25.87, 18.20, 18.16, -4.64, -4.67, -4.74, -4.86
IR (neat) 2953, 2857, 1637, 1471, 1362, 1255, 1099, 1026, 914, 837, 775 cm-1
[α]30 D +11.1 (c 1.08, CHCl3)
Anal. Calcd. for C19H39BrO2Si2: C, 52.39; H, 9.02. Found: C, 52.31; H, 8.76.
【0079】
(5)光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物の合成
【0080】
【化32】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表わす。)
【0081】
1−ブロムメチレン−3,5−ジシロキシシクロヘキサン(348mg,0.80mmol)のジエチルエーテル(3mL)溶液に、t−ブチルリチウム(1.35M/ペンタン液,1.30mL,1.76mmol)を−78℃で加え、そのまま−78℃で1時間撹拌した。
トリイソプロポキシボラン(2.0M/ジエチルエーテル液,0.6mL,1.2mmol)を、−78℃で加え、反応液を4時間かけて室温に昇温した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(8mL)と酢酸エチル(8mL)とを加えた。
続いて、酢酸エチル(6mL)で2回抽出し、有機層を減圧下濃縮した。
残渣に酢酸エチル(3mL)を加えて溶解し、これに、ピナコール(113mg,0.96mmol)と硫酸マグネシウム(1.0g)とを加えて、室温下12時間撹拌した。
ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物を収率93%(415mg)で得た。
【0082】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ5.12 (s, 1H), 4.03-4.11 (m, 2H), 2.67 (dd, J = 3.6, 13.2 Hz, 1H), 2.54 (dd, J = 6.9,13.2, Hz, 1H), 2.36 (dd, J = 3.6, 12.9 Hz, 1H), 2.13 (dd, J = 7.5, 12.9 Hz, 1H), 1.62-1.76 (m,2H), 1.22 (s, 6H), 1.21 (s, 6H), 0.86 (s, 9H), 0.84 (s, 9H), 0.043, 0.036, 0.008 and 0.004 (4s,each 3H);
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ160.1, 115.6 (br s), 82.5, 68.3, 67.9, 48.0, 43.1, 40.8, 25.8, 25.7, 24.9, 24.6, 18.1, 17.9, -4.9, -5.0, -5.1, -5.2; IR (neat) 2954, 2856, 1645, 1471, 1386, 1256, 1096, 1028, 837, 775 cm-1
[α]28 D -4.80 (c 0.878, CHCl3)
Anal. Calcd. for C25H52BrO4Si2: C, 62.21; H, 10.65. Found: C, 62.30; H, 10.54.
【0083】
[実施例1] 19−ノル−ビタミンD誘導体15の合成
【0084】
【化33】
Figure 2005194189
(式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基、TMSはトリメチルシリル基を表わす。)
【0085】
参考例で得られた光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物(191mg,0.40mmol)と3M水酸化カリウム水溶液(0.106mL)のTHF(0.3mL)溶液に、ハロゲン化合物13(106mg,0.25mmol)と塩化パラジウム・ジフェニルホスフィノフェロセン錯体(11.8mg,0.016mmol)のTHF(0.5mL)溶液を室温下で加えた。
そのまま室温下で8時間撹拌した後、40℃に昇温し、さらに12時間撹拌した。
反応液を冷却し、エーテル(10mL)を加えた後、1M塩酸(5mL)で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した。
【0086】
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、カップリング生成物14を得た。
得られたカップリング生成物14をTHF(1mL)に溶解し、これに30%フッ化水素酸(2滴)を加え、室温で3時間撹拌した。
反応液に飽和重曹水(10mL)を加えて、酢酸エチル(10mL)で3回抽出した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、19−ノル−ビタミンD誘導体15を収率72%(73mg)で得た。
【0087】
融点;156〜157℃
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ143.1, 131.3, 123.8, 115.3, 71.1, 67.3, 67.1, 56.4, 56.2, 45.7, 44.5, 44.3, 42.1, 40.4, 37.1, 36.3, 36.0, 29.2, 29.1, 28.8, 27.5, 23.4, 22.1, 20.7, 18.7, 11.9
[α]27 D 68.7 (c 2.16, CHCl3).
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物を原料として用いることで、19−ノル−ビタミンD誘導体を、比較的簡便に、かつ、効率的に製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2005194189
    〔式中、Wは水素原子、ハロゲン原子又はC1〜6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい)を表わす。Ra及びRbは互いに独立して、C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基もしくは水酸基を、又は、RaとRbが結合してC2〜3アルキレンジオキシ基(該C2〜3アルキレンジオキシ基はC1〜4アルキル基で任意に置換されていてもよい)を表わす。X1及びX2は互いに独立して、水素原子、水酸基の保護基又は該保護基を末端に有する固相を表わす。〕
    で表わされる光学活性ホウ素ビニリデンシクロヘキサン化合物又はその鏡像体と、下記一般式(2)
    Hal−Z (2)
    〔式中、Halは、ハロゲン原子を表わす。Zは、C1〜26アルキル基、C2〜26アルケニル基、C2〜26アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}、アリール基、フリル基、チエニル基又はピロール基(該アリール基、フリル基、チエニル基及びピロール基は、C1〜6アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)を表わす。〕
    で表わされるハロゲン化合物とを反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
    Figure 2005194189
    〔式中、W、Z、X1及びX2は前記に同じ。〕
    で表わされる19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
  2. 前記Zが、
    Figure 2005194189
    〔式中、R4は、水素原子又はC1〜6アルキル基{該アルキル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表す。R5はC1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基又はC2〜18アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、
    Figure 2005194189
    〔式中R6は、C1〜9アルキル基、C2〜9アルケニル基又はC2〜9アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、又は、
    Figure 2005194189
    〔式中R5は、前記と同じ意味を表わす。〕で示される基であることを特徴とする請求項1記載の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
  3. 前記Zが、
    Figure 2005194189
    〔式中、R5はC1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基又はC2〜18アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基、又は、
    Figure 2005194189
    〔式中R6は、C1〜9アルキル基、C2〜9アルケニル基又はC2〜9アルキニル基{該アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜10アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい)、C1〜6アルコキシカルボニル基、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基又は置換シリルオキシ基で任意に置換されていてもよい}を表わす。〕で示される基であることを特徴とする請求項2記載の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
  4. 前記Zが、
    Figure 2005194189
    〔式中、M1は水素原子、水酸基又は置換シリルオキシ基を表わす。M2は、水素原子又はC1〜6アルキル基を表す〕であることを特徴とする請求項3記載の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
  5. 前記Zが、
    Figure 2005194189
    〔式中、M1は水素原子、水酸基又は置換シリルオキシ基を表わす。〕であることを特徴とする請求項3記載の19−ノル−ビタミンD誘導体の製造方法。
JP2001310588A 2001-10-05 2001-10-05 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法 Pending JP2005194189A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310588A JP2005194189A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法
PCT/JP2002/010217 WO2003031402A1 (fr) 2001-10-05 2002-10-01 Procede de preparation de derives de 19-norvitamine d

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310588A JP2005194189A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005194189A true JP2005194189A (ja) 2005-07-21

Family

ID=19129533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001310588A Pending JP2005194189A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2005194189A (ja)
WO (1) WO2003031402A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003074480A1 (fr) * 2002-03-05 2003-09-12 Nissan Chemical Industries, Ltd. Compose halovinylidenemethylenecyclohexane, compose borovinylidenemethylenecyclohexane et procede permettant de produire un derive de vitamine d a partir desdits composes

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003031402A1 (fr) 2003-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4510086A (en) 2(4-Allylthioazetidin-2-on-1-yl)acetic acid ester compounds
AU2005330829B2 (en) Silicon-containing reagent for crosscoupling reaction and process for producing organic compound with the same
Grieco et al. Total synthesis of (.+-.)-eriolanin
JP2005194190A (ja) 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造法
US8173824B2 (en) Process for producing vitamin D derivative using convergent method
JP2005194189A (ja) 19−ノル−ビタミンd誘導体の製造方法
CA2192373A1 (en) Deacetoxytaxol derivative
JP4396810B2 (ja) ビタミンd誘導体の製造法
JP4381003B2 (ja) ホウ素ビニリデンメチレンシクロヘキサン化合物及び該化合物を用いるビタミンd誘導体の製造方法
JPWO2018220888A1 (ja) Pge1コアブロック誘導体およびその製造方法
JP4126555B2 (ja) 光学活性ジオキシシクロヘキサン化合物および光学活性ヒドロキシエチレンジオキシシクロヘキサン化合物の製造方法
Pieczykolan et al. 1, 3-Dipolar cycloaddition of a cyclic nitrone derived from 2-deoxy-D-ribose to α, β-unsaturated lactones: An entry to carbapenem antibiotics
JP4404186B2 (ja) ビタミンd中間体−a環部シクロヘキサン誘導体の製造法
EP3686208B1 (en) Intermediates for preparing halichondrin compounds and preparation method therefor
JP4051967B2 (ja) ホスホノジヒドロピラン誘導体の製造法
JP4314455B2 (ja) シス及びトランスエンイン、並びにシス及びトランスオリゴエンイン化合物の製造法
Illa et al. Highly stereoselective and easy synthesis of enantiopure phosphoranyl oxiranes
JP4811547B2 (ja) 光学活性シクロヘキセン化合物の製造法及びこの製造に用いる光学活性シクロヘキセン誘導体
WO2003074480A1 (fr) Compose halovinylidenemethylenecyclohexane, compose borovinylidenemethylenecyclohexane et procede permettant de produire un derive de vitamine d a partir desdits composes
JP3863956B2 (ja) ホスホン酸ジエステルの新規な製造方法
JP4488161B2 (ja) 光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法
WO2023080243A1 (ja) C-アリールグリコサイド誘導体の製造方法
JPS63203687A (ja) カルバサイクリン中間体及びその製造法
JP4591778B2 (ja) α,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体の製造法
KR100645373B1 (ko) 세 고리형 테트라하이드로퓨란 락톤 화합물과 이의 제조방법