JP2004123624A - 光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法 - Google Patents

光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法 Download PDF

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高村 実
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藪 一雄
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Abstract

【課題】毒性の強いオスミウム化合物を使用しない、触媒的な光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルを合成する方法を見出すこと。
【解決手段】一般式(I)
【化1】
Figure 2004123624

[Ar=アリール、ヘテロアリール、R=H、水酸基の保護基]の化合物を光学活性触媒の存在下、シアノ化剤と反応させることを特徴とする光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬として有用な化合物の重要中間体である、光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法に関するものである。本発明の方法により製造される光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルは、例えば、シアノ基を還元条件でアミノメチル基に変換した後、特許第3088672号公報(米国特許第6159967号公報)に記載されたサブスタンスP及びニューロキニンA受容体拮抗作用を有する光学活性化合物へと変換することができる。
【0002】
【従来の技術】
光学活性アルコールの合成法として一般によく知られている方法としてシャープレスの不斉ジヒドロキシル化反応がある。実際、医薬として有用な化合物である、特許第3088672号公報に記載されたサブスタンスP及びニューロキニンA受容体拮抗作用を有する光学活性化合物の合成法としてもシャープレスの不斉ジヒドロキシル化反応が使われているが、毒性が強く有害なオスミウム化合物を使用するという問題点があった。(例えば、特許文献1参照)
一方、最近になって、ケトンを光学活性触媒存在下、不斉シアノシリル化することにより光学活性アルコールに導く方法が知られてきている。しかし、実際の活性化合物の合成への応用例はごくわずかである。(例えば、非特許文献1〜4参照)
【0003】
【特許文献1】
特許第3088672号公報
【非特許文献1】
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of theAmerican Chemical Society)」(米国)2000年,第122巻,p.7412−7413
【非特許文献2】
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of theAmerican Chemical Society)」(米国)2001年,第123巻,p.9908−9909
【非特許文献3】
「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」(オランダ),2002年,第43巻,p.2919−2922
【非特許文献4】
「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」(オランダ),2002年,第43巻,p.2923−2926
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、毒性の強いオスミウム化合物を使用しない、触媒的な光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0006】
【化4】
Figure 2004123624
【0007】
[式中、Arはアリール基(該アリール基は同一若しくは異なった、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、低級脂肪族アシル基、低級脂肪族アシルアミノ基、アミノ基又はシアノ基で1乃至3個置換されていてもよい)又はヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は同一若しくは異なった、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、低級脂肪族アシル基、低級脂肪族アシルアミノ基、アミノ基又はシアノ基で1乃至3個置換されていてもよい)を示し、Rは水素原子又は水酸基の保護基を示す。]で表わされる化合物を、一般式 (A)
【0008】
【化5】
Figure 2004123624
【0009】
[式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示し、Rは同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アリールカルボニル基を示すか又は2個の基が一緒になって芳香環を示し、nは1乃至4の整数を示し、*はR又はS配置を示す。]で表される不斉配位子が金属に配位した光学活性触媒の存在下、一般式RCN [式中、Rは同一若しくは異なった3個の低級アルキル基で置換されたシリル基を示す。]で表されるシリル原子を含有するシアノ化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式 (II)
【0010】
【化6】
Figure 2004123624
【0011】
[式中、Ar 、R、R及び*は前述したものと同意義を示す。] で表わされる光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造方法である。
【0012】
下記一般式(A)
【0013】
【化7】
Figure 2004123624
【0014】
[式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示し、Rは同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アリールカルボニル基を示すか又は2個の基が一緒になって芳香環を示し、nは1乃至4の整数を示し、*はR又はS配置を示す。]で表される不斉配位子が金属に配位した光学活性触媒は、好適には下記式(A1)
【0015】
【化8】
Figure 2004123624
【0016】
で表される(2R, 3R, 4S)−2−ジフェニルフォスフィノメチル−4−(2−ヒドロキシフェノキシ)テトラヒドロピラン−3−オールがチタンに配位した光学活性触媒又は下記式(A2)
【0017】
【化9】
Figure 2004123624
【0018】
で表される(2R, 3R, 4S)−2−ジフェニルフォスフィノメチル−4−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イルオキシ)テトラヒドロピラン−3−オールがチタンに配位した光学活性触媒である。
【0019】
一般式(A)、式(A1)、式(A2)で表される不斉配位子及びそれら不斉配位子が金属に配位した光学活性触媒は、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」2000年,第122巻,p.7412−7413(非特許文献1)又は「テトラヘドロン・レターズ」,2002年,第43巻,p.2919−2922(非特許文献3)に記載の方法により調製することができる。
【0020】
本発明において、「シリル原子を含有するシアノ化剤」とは、炭素−炭素結合を形成することによりシアノ基を導入する際に用いられるシリル原子を含む試薬である。このような「シリル原子を含有するシアノ化剤」としては、例えば、トリメチルシリルシアニド、トリエチルシリルシアニド、t−ブチルジメチルシリルシアニドを挙げることができ、最も好適には、トリメチルシリルシアニドである。
【0021】
本発明において、「低級アルキル基」とは、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルを挙げることができる。Arの置換基において、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、Rにおいて好適にはメチル基である。
【0022】
本発明において、「アリール基」とは、炭素数5乃至14個の芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナンスレニル、アントラセニルを挙げることができる。Arにおいて、好適には、フェニル基である。
【0023】
本発明において、「アリールカルボニル基」とは、前記「アリール基」がカルボニル基に結合した基であり、Rにおいて、好適には、ベンゾイル基である。
【0024】
本発明において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。Arの置換基において、好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、Rにおいて好適にはフッ素原子又は塩素原子である。
【0025】
本発明において、「ハロゲノ低級アルキル基」とは、上記「低級アルキル基」に前記「ハロゲン原子」が置換した基であり、例えば、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジブロモエチル基を挙げることができる。Arの置換基において、好適には、トリフルオロメチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチル又は2−クロロメチル基である。
【0026】
本発明において、「低級アルコキシ基」とは、前記「低級アルキル基」が酸素原子に結合した基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、n−ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を挙げることができる。Arの置換基において、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基である。
【0027】
本発明において、「低級アルコキシカルボニル基」とは、前記「低級アルコキシ基」がカルボニル基に結合した基であり、Arの置換基において、好適には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルを挙げることができる。
【0028】
本発明において、「低級脂肪族アシル基」とは、炭素数1乃至6個の脂肪族炭化水素基又は水素原子がカルボニル基に結合した基であり、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル基を挙げることができる。Arの置換基において、好適には、アセチル基又はプロピオニル基である。
【0029】
本発明において、「低級脂肪族アシルアミノ基」とは、アミノ基に前記「低級脂肪族アシル基」が置換した基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、ピバロイルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルアミノ基を挙げることができる。Arの置換基において、好適には、アセチルアミノ基又はプロピオニルアミノ基である。
【0030】
本発明において、「ヘテロアリール基」とは、硫黄原子、酸素原子又は窒素原子を1乃至3個含む5乃至7員芳香族複素環であり、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、アゼピン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアジアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環のような環を挙げることができる。Arにおいて、好適には、窒素原子を少なくとも1個含み、酸素原子又は硫黄原子を含んでいてもよい5乃至7員芳香族複素環基であり、さらに好適には、ピリジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピラジン環又はチアゾール環である。
【0031】
本発明において、「同一若しくは異なった3個の低級アルキル基で置換されたシリル基」とは、シリル基に前記「低級アルキル基」を3個置換した基であり、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリル基を挙げることができる。Rにおいて、好適には、tert−ブチルジメチルシリル基である。
【0032】
本発明において、「水酸基の保護基」とは、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る「反応における保護基」である。このような「反応における保護基」としては、好適には、前記「低級脂肪族アシル基」;前記「芳香族アシル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イルのような「テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1乃至2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基等の「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ) メチルのようなハロゲノ低級アルコキシメチル等の「アルコキシメチル基」;1−エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのようなハロゲン化エチル基等の「置換エチル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個のアリール基で置換された低級アルキル基、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1乃至3個のアリール基で置換された低級アルキル基等の「アラルキル基」;前記「アルコキシカルボニル基」;ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリール環が置換されていてもよい「アラルキルオキシカルボニル基」を挙げることができる。Rにおいて、好適には、「シリル基」であり、さらに好適にはトリ低級アルキルシリル基である。
【0033】
本発明において「金属」とは、ガドリニウムなどのランタノイド類、チタンなどが挙げられ、好適にはチタン又はガドリニウムである。
【0034】
本発明において、Arは好適には、ハロゲン原子で1乃至3個置換されたアリール基であり、更に好適には、ハロゲン原子で1乃至3個置換されたフェニル基である。
【0035】
本発明において、Rは好適には、水酸基の保護基であり、更に好適にはトリ低級アルキルシリル基である。
【0036】
本発明において、Rは好適にはトリメチルシリル基である。
【0037】
本発明の本発明において、Rは好適には水素原子である。
【0038】
本発明において、Rは好適には水素原子である。
【0039】
本発明において、nは好適には1又は2である。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の方法(下記式中の工程A)及び、本発明の方法により製造される一般式(II)で表わされる化合物から公知の医薬中間体である光学活性アミン化合物(III)を製造する方法(下記式中の工程B)は、下記の通りである。
【0041】
【化10】
Figure 2004123624
【0042】
(式中、Ar、R、R及び*は前述したものと同意義を示す。)
工程Aは、本発明の反応であり、上記一般式(A)で表される光学活性触媒存在下、化合物(I)とRCN(式中、Rは前述したものと同意義を示す。)で表されるシアノ化剤を反応することにより達成される。
【0043】
上記一般式(I)で表される化合物は、特開平11−43490号公報(米国特許第6362179号公報)に記載の方法に準じて製造することができる。
【0044】
本反応における溶剤としては、本反応を阻害しない溶剤であれば特に制限はなく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、ヘキサンのような炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類を挙げることができる。好適にはテトラヒドロフラン、アセトニトリル又はプロピオニトリルである。
【0045】
反応温度は−75℃乃至100℃であり、好適には−30℃乃至75℃である。
【0046】
反応時間は30分乃至1週間であり、好適には1日乃至5日間である。
【0047】
工程Bは、アミン化合物(III)を製造する工程であり、本発明の方法により製造される光学活性化合物(II)のシアノ基を還元剤で処理し、アミノメチル基に変換することにより達成される。
【0048】
本反応の溶媒としては、本反応を阻害しない溶剤であれば特に制限はなく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはテトラヒドロフランである。
【0049】
本反応の還元剤としては、通常シアノ基をアミノメチル基に還元する反応に用いる還元剤であれば特に限定はないが、好適にはボラン−ジメチルスルフィド錯体のようなボラン錯体である。
【0050】
反応温度は−10℃乃至加熱還流下であり、好適には室温乃至加熱還流下である。
【0051】
反応時間は1時間乃至10時間であり、好適には1時間乃至3時間である。
【0052】
上記各工程の反応終了後、目的化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水等で洗浄後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
【0053】
得られた目的物は必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、吸着カラムクロマトグラフィー法、分配カラムクロマトグラフィー法等の合成吸着剤を使用する方法、イオン交換クロマトグラフィーを使用する方法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー法を適宜組み合わせ、適切な溶離剤で溶出することによって分離、精製することができる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0055】
【実施例1】
4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−トリメチルシロキシ−ブチロニトリル
(2R, 3R, 4S)−2−ジフェニルフォスフィノメチル−4−(2−ヒドロキシフェノキシ)テトラヒドロピラン−3−オール24mgにトルエン1.0mlを加え、さらにチタンテトライソプロポキシド16μlを加え75℃にて1時間攪拌した。つづいて室温にて反応溶液を減圧留去し、さらに1時間真空ポンプにて乾燥した。残った黄色粉末をテトラヒドロフラン0.18mlに溶解し、0℃にてトリメチルシリルシアニド14μlを加え、室温にて30分間攪拌した。このようにして調製した触媒溶液に−30℃にて、3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−プロパン−1−オン180mg、さらにトリメチルシリルシアニド144μlを加え110時間攪拌した。反応終了後、ピリジン0.1ml、水1.0mlを加え、酢酸エチルを用い3回抽出操作を行い、合わせた有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、粗(R)−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−トリメチルシロキシ−ブチロニトリル268mgを得た。
H−NMR(CDCl、δppm):0.02(6H, s), 0.16(9H, s), 0.84(9H, s), 2.08−2.15(1H, m), 2.20−2.28(1H, m), 3.60−3.66(1H, m), 3.73−3.79(1H, m), 7.35(1H, dd, J=2.0, 8.5Hz), 7.46(1H, d, J=8.5Hz), 7.60(1H, d, J=2.0Hz).
【0056】
【実施例2】
4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−トリメチルシロキシ−ブチロニトリル
実施例1に従い、(2R, 3R, 4S)−2−ジフェニルフォスフィノメチル−4−(2−ヒドロキシフェノキシ)テトラヒドロピラン−3−オール24mgの代わりに(2R, 3R, 4S)−2−ジフェニルフォスフィノメチル−4−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イルオキシ)テトラヒドロピラン−3−オール26.8mg、テトラヒドロフラン0.18mlの代わりに0.08ml、3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−プロパン−1−オン180mgの代わりに3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−1−(3,4−ジクロロフェニル)−プロパン−1−オン180mgのテトラヒドロフラン0.1ml溶液を用い実験を行い、目的化合物261mgを得た。H−NMRの値は実施例1で得られた値に一致した。
【0057】
【参考例】
【0058】
【参考例1】
(R)−1−アミノ−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−ブタン−2−オール
実施例1で得られた粗(R)−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−トリメチルシロキシ−ブチロニトリル268mgをテトロヒドロフラン4.0mlに溶解し、10mol/lのボラン・ジメチルスルフィド錯体テトラヒドロフラン溶液108μlを加え、3時間加熱還流を行った。反応終了後、反応溶液をメタノール置換し、ジクロロメタン:メタノール=20:1のカラムクロマトグラフィーを用いて精製を行い、無色油状の目的化合物198mgを得た。H−NMRの値は特許第3088672号公報(実施例75(e))に記載の値に一致した。光学異性体過剰率は、得られた目的化合物のジクロロメタン溶液を、ピリジンとベンゾイルクロリドで処理することによってアミノ基をベンゾイル化した後、HPLCを用いて決定した。
HPLC(ダイセル キラルパックOD、ヘキサン:イソプロパノール=9:1、1ml/min、λ=254nm):t=12.8分および16.2分(光学異性体過剰率87%ee)
【0059】
【参考例2】
(R)−1−アミノ−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−ブタン−2−オール
実施例2で得られた粗(R)−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−2−トリメチルシロキシ−ブチロニトリル261mgを用い参考例1と同様に実験を行い、無色油状の目的化合物195mgを得た。H−NMRの値は特許第3088672号公報(実施例75(e))に記載の値に一致した。光学異性体過剰率は、参考例1と同様に実験を行うことによってアミノ基をベンゾイル化した後、HPLCを用いて決定した。
HPLC(ダイセル キラルパックOD、ヘキサン:イソプロパノール=9:1、1ml/min、λ=254nm):t=12.8分および16.2分(光学異性体過剰率86%ee)
【0060】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、医薬として有用な化合物の重要中間体である、光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルを、オスミウム化合物を使用することなく、触媒的に光学純度良く製造することができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2004123624
    [式中、Arはアリール基(該アリール基は同一若しくは異なった、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、低級脂肪族アシル基、低級脂肪族アシルアミノ基、アミノ基又はシアノ基で1乃至3個置換されていてもよい)又はヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は同一若しくは異なった、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、水酸基、低級脂肪族アシル基、低級脂肪族アシルアミノ基、アミノ基又はシアノ基で1乃至3個置換されていてもよい)を示し、Rは水素原子又は水酸基の保護基を示す。]で表わされる化合物を、一般式 (A)
    Figure 2004123624
    [式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示し、Rは同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アリールカルボニル基を示すか又は2個の基が一緒になって芳香環を示し、nは1乃至4の整数を示し、*はR又はS配置を示す。]で表される不斉配位子が金属に配位した光学活性触媒の存在下、一般式RCN [式中、Rは同一若しくは異なった3個の低級アルキル基で置換されたシリル基を示す。]で表されるシリル原子を含有するシアノ化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式 (II)
    Figure 2004123624
    [式中、Ar 、R、R及び*は前述したものと同意義を示す。] で表わされる光学活性4−オキシ−2−アリール−2−アルキルシロキシブチロニトリルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006151839A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Univ Of Tokyo α,β−不飽和カルボン酸誘導体からのエナンチオ選択的β−シアノカルボン酸誘導体の調製方法、及び該方法に用いる触媒
WO2007100086A1 (ja) * 2006-03-03 2007-09-07 The University Of Tokyo 配位子及びその製造方法、並びに該配位子を用いた触媒

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