JPH0755872Y2 - コンバインにおける穀稈搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインの穀稈搬送装置に係り、特に、穀
稈搬送チエンの搬送作用側に付勢弾持される挾扼レール
の組立および着脱を容易に行うことができるコンバイン
の穀稈搬送装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、コンバインにおいて、刈り取った穀稈を機体後部
の脱穀部に搬送する穀稈搬送装置は、穀稈搬送チエンの
搬送作用側に、付勢弾機を介して挾扼レールを圧接し、
該挾扼レールと搬送チエンとの間に、搬送する穀稈の稈
量に応じて適宜挟持し、該穀稈を傷つけることなく機体
後方の脱穀部へ搬送するように構成されたものが知られ
ている。

ところが、このものは、挾扼レールに支軸を外組みした
後、上記支軸に同軸状に装着されるコイル弾機、ワッシ
ャ等の構成部材を支持体内に仮装着し、上記コイル弾機
を圧縮した状態で、支軸を上記支持体に貫通させて係止
するように構成されているため、穀稈搬送装置の組立が
複雑になってしまい、また、分解、組立を必要とする保
守、点検においても煩わしい作業を伴って作業効率が低
下する、という欠点を有するものであった。

〔本考案が解決しようとする課題〕

本考案は、上記の如き実状に鑑み、従来の欠点を解消す
べく創案されたものであって、その目的とするところ
は、穀稈搬送装置を構成する挾扼レールを予め付勢弾持
された状態に組立てて、そのまま着脱できる構成とする
ことにより、複雑な組立、分解作業を必要とすることな
く装着し得て、保守、点検等を容易に行うことができる
コンバインにおける穀稈搬送装置を提供しようとするも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

課題を解決するため、本考案が採用した技術的手段は、
刈り取った穀稈を脱穀部に搬送する穀稈搬送チエンの搬
送作用側に、支軸を介して挾扼レールを付勢弾持する
に、弾機を介して付勢される上記支軸は、鉤状に屈曲す
る係止切欠部を形成した支持体に係脱自在に係着され、
かつ該支持体に取付けた係止切欠部を隠蔽して支軸の係
着位置を規制する着脱自在の保持体を介して機体側に支
持されていることを特徴とするものである。

〔考案の作用〕

したがって、本考案によれば、挾扼レールの支軸は、予
め弾機、ワッシャ、係止リング等を同軸状に装着して、
そのまま支持体に形成された鉤状の係止切欠部に係着す
ることができる。ついで支持体に取付た保持体が係止切
欠部を隠蔽して支軸を適正な係着位置に規制する。そし
てこの保持体で機体側に支持できるので複雑な組立、分
解作業を必要とすることなく装着し得て、穀稈搬送装置
の保守、点検等を容易に行うことができる。

〔実施例〕

本考案の構成を、図面に示した一実施例について、詳細
に説明する。

第１図において、１はコンバインであり、該コンバイン
１は、走行装置２を装備した機体フレーム３上に脱穀部
４と運転操作部５を備え、上記脱穀部４の前方には、刈
取部６が上下昇降自在に設けられている。また、上記刈
取部６の後部には、刈取部フレーム７の下端部に配設さ
れた刈刃装置８と、刈り取られた穀稈９を穀稈搬送装置
10に案内継走する掻込装置11が設けられている。

上記穀稈搬送装置10の上方には、該穀稈搬送装置10の搬
送方向に平行して穂先搬送装置12が設けられており、掻
込装置11より継走された穀稈９の立毛状態を維持したま
ま、後方の脱穀部４へ搬送するように構成されている。

上記掻込装置11は、第２図（ａ），（ｂ）に示す如く、
星型に形成された掻込部13aを有する掻込駆動ホイール1
3と、同形状の掻込部14aを有する掻込従動ホイール14を
噛合させて構成されており、上記掻込駆動ホイール13お
よび掻込従動ホイール14には、各々同軸状に掻込ベルト
15aおよび15bが装着されている。上記掻込駆動ホイール
13の上面は、ホイールカバー16により包覆され、かつ、
該ホイールカバー16の上部には、付勢支軸17を支点とし
て穀稈挟持ガイド18が、ガイドスプリング19により掻込
従動ホイール14側へ付勢されている。また、上記掻込従
動ホイール14の回転軌跡に沿うべく穀稈案内体20が配設
されると共に、巻き込み防止板20aが装着されて、中央
分草体21との穀稈案内作用により、穀稈９を穀稈搬送装
置10へ搬送するように構成されている。

上記掻込装置11の掻込動作中、掻きこまれる穀稈９は、
その稈量に応じて穀稈挟持ガイド18に適宜挟持され、か
つ巻き込み防止板20aにより案内搬送されるので、掻込
部13aおよび14aの噛合時に形成される隙間ａおよびｂに
穀稈９の一部が挾まったり、あるいは引掛ることがな
く、円滑な掻込作動を行うことができる。

前記穀稈搬送装置10は、第３図（ａ）ないし（ｃ）に示
す如く、基端側を機体フレーム３に固設した支持フレー
ム22の先端側に遊動ローラ23を軸支し、該遊動ローラ23
に穀稈搬送チエン24を懸回して搬送チエン機構25が形成
されており、上記穀稈搬送チエン24の搬送作用側24aに
は、挾扼レール26がＥリング26aを介して支軸27,28に回
動自在に連結され、該支軸27,28を、コ字状に形成され
た支持体29に係着して穀稈搬送装置10が構成されてい
る。

すなわち、上記支持体29には、鉚状に屈曲する係止切欠
部30,30が形成されている。そして支軸27,28にコイル弾
機31,31およびワッシャ31a,31a、係止リング31b,31b等
を同軸状に装着して、そのまま係止切欠部30,30に係着
するのみで、支軸27,28を進退自在な圧縮付勢弾持状態
に維持できるように構成されている。上記支持体29の上
面部および両側面部は、該支持体29の係止切欠部30,30
…の切欠端部30a,30a…に一致する位置に隠蔽切欠部32
a,32a…を形成した保持体32により包覆され、かつボル
ト33,33…により着脱自在に螺着されて、上記支軸27,28
の係止切欠部30,30…への係着状態を適正な位置に規制
するように構成されている。また、上記保持体32は、一
端を機体フレーム３に固着したＶ字状をなす支持杆34の
他端に固定することにより、該支持杆34により上記支持
体29は、保持体32を介して機体フレーム３に固定され
る。

叙上の如き構成において、コンバインによる刈取作業を
行う際、穀稈搬送装置10により穀稈９の搬送を行うと、
上記穀稈９は、穀稈搬送チエン24の搬送作用側と挾扼レ
ール26との間に、搬送される穀稈９の稈量に応じて、支
軸27,28のコイル弾機31,31の弾性付勢により適宜挟持さ
れ、かつ穀稈９の穂先部は、穂先搬送装置12により穀稈
搬送装置10の搬送動作に連繋して脱稿部４へ搬送され
る。

このような穀稈搬送動作中、上記穀稈搬送チエン24を懸
回する遊動ローラ23や進退自在に挾扼レール26を弾持す
る支軸27,28のコイル弾機31,31等に穀稈９の一部や排ワ
ラが詰り、穀稈搬送チエン24の円滑な搬送を妨げたり、
また、コイル弾機31,31の弾性付勢力が不適正となって
確実な穀稈搬送を行えなくなった場合には、支持体29と
保持体32とを固定するボルト33,33…を取外し、上記保
持体32から挾扼レール26と共に支持体29を分離した後、
係止切欠部30,30…から支軸27,28の係着を解除させるこ
とによって、コイル弾機31,31、ワッシャ31a,31aおよび
係止リング31b,31bを容易に分解することができ、速や
かな点検、保守作業を行うことができる。また、上記点
検、保守作業後に再度組立を行う際にも、ワッシャ31a,
31aおよび係止リング31b,31bを支軸27,28に装着し、コ
イル弾機31,31を同軸状に嵌挿したままの状態で、上記
支軸27,28を支持体29の係止切欠部30,30…に係着できる
ので、簡単に支持体29への支軸27,28の装着を行うこと
ができる。更に、上記支持体29を支持杆34に固着された
保持体32に螺着することにより、上記係止切欠部30,30
…は、保持体32の隠蔽切欠部32a,32aに隠蔽されて、支
軸27,28の係着状態が確実に保持されることになる。

なお、本実施例では、搬送チエン機構25を構成する支持
フレーム22の基端側のみを機体フレーム３に固設したも
のを示したが、これに限定されることなく、第４図に示
す如く、刈取部６に配設された刈刃装置８、掻込装置11
等の各装置への駆動力を供給する伝動軸を内蔵した伝動
パイプ35の上部に、上記支持フレーム22の先端部に軸着
した遊動ローラ23の支点軸23aを下方に突設し、該支点
軸23aの先端に調整ボルト23bを螺着して、上記伝動パイ
プ35上に当接させるように構成すれば、支持フレーム22
の基端側のみによる従来の支持フレーム22の片持状態を
堅牢な構造に改善し、穀稈搬送時における支持フレーム
22のブレ、振動等を防止することができ、掻込装置11か
らの穀稈継走を確実かつ円滑に行うことができる。

〔考案の効果〕 これを要するに、本考案は、刈り取った穀稈を脱穀部に
搬送する穀稈搬送チエンの搬送作用側に、支軸を介して
挾扼レールを付勢弾持するに、弾機を介して付勢される
上記支軸は、鉤状に屈曲する係止切欠部を形成した支持
体に係脱自在に係着され、かつ該支持体に取付けた係止
切欠部を隠蔽して支軸の係着位置を規制する着脱自在の
保持体を介して機体側に支持されていることから、挾扼
レールの支軸に、コイル弾機、ワッシャ等の構成部材を
同軸状に装着したまま、支持体に形成された鉤状に屈曲
する係止切欠部に、簡単に係着でき、しかも支持体に取
付けた保持体が係止切欠部を隠蔽して支軸の係着位置を
規制するので、挾扼レールを予め付勢弾持された適正な
状態に組立てるとができる。

そして予め一体に組立てられた挾扼レールを保持体によ
って機体側に支持できるので、複雑な組立、分解作業を
必要とすることなく挾扼レールを穀稈搬送チエンの搬送
作用側に装着し得て、保守、点検等を容易に行うことが
できるという極めて有用な実用的効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るコンバインにおける穀稈搬送装置
の一実施例を示すものであって、第１図は要部側面図、
第２図（ａ）（ｂ）および第３図（ａ）（ｂ）（ｃ）は
要部作用説明図、第４図は他例を示す要部側面図、であ
る。 図中、 ４…脱穀部、９…穀稈、10…穀稈搬送装置、24…穀稈搬
送チエン、26…挾扼レール、27,28…支軸、30…係止切
欠部、31…コイル弾機、32…保持体 である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】刈り取った穀稈を脱穀部に搬送する穀稈搬
   送チエンの搬送作用側に、支軸を介して挾扼レールを付
   勢弾持するに、弾機を介して付勢される上記支軸は、鉤
   状に屈曲する係止切欠部を形成した支持体に係脱自在に
   係着され、かつ該支持体に取付けた係止切欠部を隠蔽し
   て支軸の係着位置を規制する着脱自在の保持体を介して
   機体側に支持されていることを特徴とするコンバインに
   おける穀稈搬送装置。