JPH0753630Y2 - 避難装置 - Google Patents

避難装置

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JPH0753630Y2
JPH0753630Y2 JP1989118657U JP11865789U JPH0753630Y2 JP H0753630 Y2 JPH0753630 Y2 JP H0753630Y2 JP 1989118657 U JP1989118657 U JP 1989118657U JP 11865789 U JP11865789 U JP 11865789U JP H0753630 Y2 JPH0753630 Y2 JP H0753630Y2
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維 前田
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城田鉄工株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ビル、マンション等の高層建築物や一般住宅
家屋等のベランダ、張出し部分の床等に設置され、火災
等の緊急避難時に使用される避難装置に関する。
(従来の技術) 近年、建物の高層化が進んで居り、安全性の点から各階
のベランダや張出し部分には火災等の緊急避難時に高所
から低所へ避難できる避難装置の設置が義務づけられて
いる。
従来、この種避難装置としては、例えば実公昭59−3120
号公報、実公昭59−36640号公報、実公昭61−29920号公
報、実公昭63−24238号公報及び実公平1−24320号公報
等に開示された構造のものが知られている。
即ち、前記各避難装置は、ベランダ等の床に穿設した開
口に格納箱を嵌挿固定し、該格納箱内にテレスコープ式
若しくはパンタグラフ式の伸縮自在な避難器具を収納す
ることにより構成されて居り、避難時には避難器具が伸
長垂下状態になって避難者がこれを伝って避難できるよ
うに為されている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、前記各避難装置は、建物の外部に位置するベ
ランダや張出し部分に設置され、然も避難器具が梯子構
造を呈し、使用時には伸長垂下して周囲が開放された状
態になる為、避難者が避難器具を伝って降下する際に周
囲即ち外の景色が見えて恐怖感を伴うことがある。その
結果、避難者が降下をためらって避難に極めて時間が掛
ったり、或いは途中で止まってしまって後続の避難者が
避難できなくなると云う問題があった。
特に、避難装置が建物の高所に設置されている場合や伸
長垂下状態になった避難器具が建物の壁面側へ向いてい
ない場合には避難時に外の景色が良く見えてより大きな
恐怖感を伴うことになり、前記問題がより一層顕著に現
れることになる。
又、避難器具は、使用時には周囲が開放された宙吊りの
状態を呈し、然も避難器具によっては若干量揺動するも
のもある為、避難者が手足を滑らせたり、足を踏み外し
たりした場合には簡単に落下してしまうと云う問題もあ
った。
本考案は、上記の問題点を解消する為に創案されたもの
であり、その目的は恐怖感を伴うことなく迅速に避難で
きると共に、落下事故の防止を図れる避難装置を提供す
るにある。
(課題を解決する為の手段) 上記目的を達成する為に、本考案の避難装置は、格納箱
と、格納箱内に取付けられ、不使用時には短縮状態で格
納箱内に収納されると共に、使用時には伸長垂下状態に
なる伸縮自在な避難器具と、少なくとも避難器具の上部
側及び下部側に夫々取付けられた支持枠と、上下端が支
持枠に、又、両側端が避難器具に夫々取付けられ、避難
器具と同期的に伸縮すると共に、伸長垂下状態の避難器
具により形成された避難経路の少なくとも左右並びに後
を覆う不燃性及び可撓性を有する伸縮自在な遮蔽カバー
とから構成されて居り、前記遮蔽カバーの長さを、伸長
時にその下端と床面との間に避難者が避難器具から降り
れる程度の間隙が形成されるように選定したものであ
る。
(作用) 火災等の緊急避難時に、避難者が格納箱内に短縮状態で
収納されている避難器具並びに遮蔽カバーを降下させる
と、避難器具が自重により順次伸長すると共に、これに
伴って遮蔽カバーも順次伸長する。
そして、避難器具が伸長垂下状態になると、避難者はこ
れを伝って避難する。このとき、避難器具により形成さ
れた避難経路の周囲は遮蔽カバーによって覆われている
為、避難者は外の景色が全く見えず、恐怖感を覚えるこ
となく、安全且つ迅速に避難することができる。又、避
難者の周囲は遮蔽カバーによって囲まれる為、降下中に
避難者が手足を滑らせたり、足を踏み外したりしても、
遮蔽カバーによって落下が防止され、避難器具から落下
し難くなる。
(実施例) 以下、本考案の各実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図乃至第9図は本考案の第1実施例に係る避難装置
であって、当該避難装置は、格納箱1、避難器具2及び
遮蔽カバー3等から構成されている。
前記格納箱1は、ビルやマンション等の高層建築物のベ
ランダの床4に穿設した開口に嵌挿され、床4に埋設し
たアングル枠5により固定支持されて居り、本実施例に
於いては、格納箱1には実開平1−59150号公報に開示
されたものが使用されている。
即ち、格納箱1は、第1図及び第2図に示す如く、避難
口を形成すべく平面四角形状に枠組され、伸縮自在な避
難器具2及び遮蔽カバー3が収納される本体6と、本体
6の上端部に軸により枢着され、本体6の上方開口を開
閉する上蓋7と、本体6の下端部に軸により枢着され、
本体6の下方開口を開閉する下蓋8と、上蓋7と下蓋8
との間に介装され、上蓋7の開閉に応じて下蓋8を、
又、下蓋8の開閉に応じて上蓋7を夫々連動的に開閉し
得るリンク構造の連動開閉機構9と、上蓋7に設けら
れ、上蓋7の開放時にこれを起立位置でロックし得るロ
ック体10等から構成されている。
前記避難器具2は、伸縮自在に構成されて居り、本実施
例に於いては、避難器具2には実願平1−24946号に開
示されたものが使用されている。
即ち、避難器具2は、第6図及び第9図に示す如く、一
対の伸縮柱体11、複数の横材12、複数の連結材13及び複
数の支軸14等から構成されている。
前記伸縮柱体11は、複数の剛性ある柱材15を伸縮自在に
連結組合して成り、自重によって一直線状に垂下伸長す
るように構成されている。
具体的には、伸縮柱体11は、各柱材15を夫々径の異なる
円形の金属製パイプにて作製し、これらをテレスコープ
状に摺動自在に嵌挿し、伸長時には隣接する柱材15の一
部が重合して折曲らないように構成されている。
又、各柱材15は、最大径の柱材15を除いてその下端部外
周面に角筒状の取付け部15′を備えて居り、この取付け
部15′は角パイプにて作製され、柱材15の下端部外周面
に溶接により一体的に固着されている。
そして、一対の伸縮柱体11は、各柱材15の取付け部15′
が対峙する状態で上端部同志即ち最大径の柱材15同志が
連結体16によって連結されている。
尚、各柱材15の取付け部15′は、左右の取付け部15′間
の各間隔が同一になるように下方へ行くに従って順次長
くなっている。
又、隣接する柱材15間には若干量のクリアランスが設け
られている。
前記横材12は、伸縮柱体11の長手方向に沿って柱材15の
数と同数だけ配設されて居り、対向する左右の各柱材15
を連結するものである。
具体的には、各横材12は、同一長さの金属製角パイプに
て作製され、その両端が柱材15の取付け部15′に遊嵌状
態で嵌挿されるように構成されて居り、最上部の横材12
のみはその両端部が最大径の柱材15の下端部外周面に溶
接によって固着されている。
前記連結材13は、各横材12の両端位置で且つ各横材12間
に配設されて居り、各横材12同志を連結すると共に、伸
縮柱体11が伸長状態になったときに各柱材15が長手方向
へ抜けるのを防止するストッパーの役目をするものであ
る。
具体的には、各連結材13は、一対のリンク部材13′から
成り、リンク部材13′の端部同志がリベット17等で枢結
され、折畳み自在に構成されている。
又、各連結材13の枢結点即ちリベット部分には各リンク
部材13′が避難器具の中心側へ回動するように折り畳み
附勢するコイルスプリング(図示省略)が介装されて居
り、伸長状態の伸縮柱体11を短縮させて行くときに各連
結材13が自動的に順次折り畳まれて行くように為されて
いる。このコイルスプリングの附勢力は、伸縮柱体11の
伸長時には各連結材13が一直線状になるように設定され
ている。
前記支軸14は、各横材12の端部並びに各連結材13の端部
を各柱材15の取付け部15′へ遊嵌状態で枢結するもので
ある。
具体的には、支軸14にはリベットが使用されて居り、こ
れは各連結材13の端部、各横材12の端部並びに各取付け
部15′に夫々穿設された前後方向の貫通穴へ挿通され、
ワッシャ18を嵌挿して端部をかしめることによって抜け
止めされている。
尚、支軸14の外径は、各貫通穴の内径よりも若干小さめ
に設定され、支軸14の周囲に若干量のクリアランスがで
きるように設定されている。
而して、避難器具2は、各柱材15を摺動自在に嵌挿する
と共に、柱材15の取付け部15′に横材12の端部を嵌挿
し、横材12の端部へ連結材13の端部を重ね合せ、連結材
13、横材12並びに取付け部15′に穿設した貫通穴へ支軸
14を挿通した後、支軸14にワッシャ18を嵌めてその端部
をかしめることにより、組立られる。
このとき、避難器具2は、隣接する柱材15並びに各支軸
14部分にクリアランスが設けられている為、各柱材15は
各横材12に対して若干量動くことができる。その結果、
加工精度が低くても各柱材15を簡単且つ容易に嵌挿する
ことができ、高い加工精度を必要とすることなく伸縮柱
体11の組立を極めて簡単且つ容易に行える。又、避難器
具2は、各横材12及び連結材13が左右の伸縮柱体11間に
位置している為、避難器具2自体の厚みが薄くなって格
納箱1内へ収納し易くなっている。更に、避難器具2
は、隣接する柱材15間及び各支軸14部分にクリアランス
が設けられている為、極めて円滑且つスムースに伸縮す
ることになる。
そして、前記避難器具2は、第2図に示す如く、伸長し
たときに建物の壁面側へ向くように、伸縮柱体11の上端
部が格納箱1の本体6前面に固定したブラケット19に回
動自在に取付けられて居り、不使用時には水平且つ短縮
状態で格納箱1内へ収納されると共に、使用時には水平
位置から垂直位置へ回動し、伸長垂下状態になるように
為されている。
尚、本実施例に於いては、避難器具2の連結体16には避
難器具2の伸長降下速度を緩和する緩降機20と、伸長状
態の避難器具2を短縮状態にする為の巻取機21とが夫々
配設されて居り、これらは従来公知のものと同様構造に
構成されている。
又、避難器具2の上端部から離間した格納箱1の本体6
後面と伸縮柱体11との間には伸長垂下状態になった避難
器具2の前側方向への揺動を防止するワイヤーロープ製
の支持杆22が介設されている。
前記遮蔽カバー3は、不燃性及び可撓性を有する材料に
より伸縮自在に構成されて居り、避難器具2と同期的に
伸縮し、且つ伸長垂下状態の避難器具2により形成され
た避難経路23の少なくとも左右並びに後を覆うように避
難器具2に取付けられている。
即ち、遮蔽カバー3は、炭素繊維製の一枚のシートによ
り作製されて居り、避難器具2により形成された避難経
路23の左右(第1図左右方向)並びに後(第2図左方
向)を覆うべき平面形状略半円弧状に形成され、且つ上
下に伸縮すべき蛇腹構造に構成されている。
そして、遮蔽カバー3は、第2図に示す如く、その上下
端が伸縮柱体11の最上部の柱材15前面と下から数段目の
柱材15の前面に夫々取付けられた略半円弧形状の支持枠
24に止着され、又、その両側端も対向する柱材15に部分
的に止着されている。
従って、遮蔽カバー3は、避難器具2の伸縮に伴ってこ
れと同期的に伸縮し、且つ避難経路23の左右並びに後を
覆うことになる。
尚、本実施例に於いては、第6図乃至第8図に示す如
く、上方の支持枠24は柱材15の前面に設けたガイド部材
25に摺動自在に支持された支持具26に、又、下方の支持
枠24は柱材15の前面に固着された支持具26に夫々俯仰自
在に軸支されて居り、各支持枠24は伸縮柱体11が水平状
態のときには伸縮柱体11側へ傾倒し、伸縮柱体11が水平
位置から垂直位置へ回動したときには自重によって下方
へ回動し、支持具26により水平位置で保持されるように
為されている。この支持枠24を遮蔽カバー3の短縮時に
伸縮柱体11側へ倒すことによって遮蔽カバー3を短縮柱
体11に沿わせることができ、これによって格納箱1内へ
の遮蔽カバー3及び支持枠24の収納が可能となる。
又、本実施例に於いては、上方の支持具26は、第7図に
示す如く、ロープ27によって伸縮柱体11の上から二段目
の柱材15に連動連結されて居り、伸縮柱体11の短縮時に
は柱材15の下端部に位置し、伸長時にはロープ27に引っ
張られて柱材15の上端部へ摺動移動するように為されて
いる。
尚、遮蔽カバー3の開口面積及び支持枠24の大きさは避
難者が通過できる程度の大きさに選定され、遮蔽カバー
3の長さは伸長時にその下端と床4面との間に避難者が
避難器具2から降りれる程度の間隔が形成されるように
選定されている。
次に、前記避難装置の作用について説明する。
不使用時には第4図に示す如く、避難器具2は水平且つ
短縮状態で、又、遮蔽カバー3は短縮状態で且つ伸縮柱
体11に沿う状態で夫々格納箱1内に収納されている。
火災等の緊急避難時に、避難者が上蓋7を開放すると、
連動開閉機構9により下蓋8が連動的に開放されると共
に、上蓋7がロック体10により起立位置に保持される。
上下蓋7,8を開放すると、第5図に示す如く、避難器具
2が水平位置から垂直位置へ回動し、これに伴って上下
の支持枠24が自重によって下方へ回動し、水平位置で保
持される。このとき、避難器具2は、支持杆22によって
前側方向への揺動が防止される。
次に、階下の安全を確認してから巻取機21を操作して避
難器具2を降下させると、避難器具2が自重により順次
伸長すると共に、これに伴って遮蔽カバー3も順次伸長
し、第1図及び第2図に示すように伸長垂下状態とな
る。
このとき、避難器具2は、緩降機20によりその伸長降下
速度が緩和され、衝撃荷重等を受けることなく、良好に
伸長する。又、避難器具2は、隣接する柱材15間及び各
支軸14部分にクリアランスが設けられている為、極めて
スムースに伸長することになる。更に、伸縮柱体11の伸
長に伴って上方の支持枠24及び遮蔽カバー3の上端部が
柱材15に沿って自動的に上方へ移動し、避難器具2によ
り形成された避難経路23の上方部の周囲が覆われること
になる。
そして、避難器具2が伸長垂下状態になると、避難者は
遮蔽カバー3内に入って避難器具2を伝って降下する。
このとき、避難器具2に形成された避難経路23の左右並
びに後は遮蔽カバー3により、避難経路23の前は建物の
壁面により夫々覆われている為、避難者は外の景色が全
く見えず、恐怖感を覚えることなく、安全且つ迅速に避
難することができる。又、避難者の周囲は遮蔽カバー3
によって囲まれる為、降下中に避難者が手足を滑らせた
り、足を踏み外したりしても、遮蔽カバー3によって落
下が防止される。更に、避難器具2の各支軸14部分には
クリアランスを設けているので、横材12に若干のガタ付
きを生じるが、横材12は避難者の荷重が掛ったときに下
方へ押え付けられて固定状態になり、その結果各支軸14
部分にクリアランスを設けていても、避難者は安全且つ
円滑に降下することができる。
一方、収納時には巻取機21によって避難器具2を短縮し
て行く。そうすると、これに伴って遮蔽カバー3が順次
短縮すると共に、上方の支持枠24が自重によって柱材15
の下方へ移動し、第5図の状態になる。
この状態から避難器具2を水平位置に回動すると共に、
支持枠24を伸縮柱体11側へ倒して避難器具2と遮蔽カバ
ー3を格納箱1内へ収納し、上下蓋7,8を閉じる。
第10図乃至第13図は本考案の第2実施例に係る避難装置
であって、これは伸長垂下状態の避難器具2により形成
された避難経路23の左右並びに前後を遮蔽カバー3によ
って覆ったものであり、避難経路23の前を遮蔽カバー3
で覆ったこと以外は上記第1実施例のものと同様構造に
構成されている。
即ち、避難器具2により形成された避難経路23の前面
は、伸縮柱体11の最上部の柱材15後面と下から数段目の
柱材15後面に上記第1実施例の下方の支持枠24と同様に
支持具26を介して支持枠24を夫々俯仰自在に取付け、こ
の支持枠24間に遮蔽カバー3を介装することにより覆わ
れている。この遮蔽カバー3も炭素繊維製のシートを蛇
腹状にすることにより作製されている。
而して、避難器具2の前後にある遮蔽カバー3は、不使
用時には第12図に示すように短縮状態で且つ伸縮柱体11
に沿う状態で格納箱1内に収納され、使用時には第13図
に示すように水平姿勢になって避難器具2と一緒に伸長
するように為されている。
この避難装置は、避難経路23の周囲四面が完全に覆われ
ている為、仮え伸長垂下状態になった避難器具2が建物
の壁面側を向いていない場合でも避難時には外の景色が
全く見えず、避難者は恐怖感を覚えることなく、安全且
つ迅速に避難することができる。
尚、上記第1実施例の避難装置と同じ部材には同じ符号
を付し、その説明を省略している。
第14図は本考案の第3実施例に係る避難装置であって、
これは避難器具2の長さと略同一長さの遮蔽カバー3を
用い、避難経路23の左右並びに後を覆ったものであり、
遮蔽カバー3の下端部の一部分には避難者が通過できる
ように切欠28を形成したものである。
この避難装置も上記第1実施例のものと同様の作用効果
を奏し得る。
第15図及び第16図は本考案の第4実施例に係る避難装置
であって、これは上方の支持枠24を下方の支持枠24と同
様にして最上部の柱材15前面に取付け、上方の支持枠24
と最上部の柱材15との間に不燃性及び可撓性を有する折
り畳み自在な扇形状の遮蔽カバー3を介設したものであ
る。
而して、扇形の遮蔽カバー3は、不使用時には第15図に
示すように折り畳まれ、使用時には第16図に示すように
上方の支持枠24の回動に伴って開き、避難経路23の上方
部の左右を覆うように為されている。
この避難装置も上記第1実施例のものと同様の作用効果
を奏し得る。
第17図乃至第22図は本考案の第5実施例に係る避難装置
であって、これは避難経路23の左右並びに後を覆う遮蔽
カバー3を前後方向(第18図左右方向)へ折り畳み可能
且つ上下方向へ伸縮可能に構成したものである。
即ち、伸縮柱体11の上部及び下部の柱材15前面に前後方
向へ折り畳み自在なリンク構造の支持枠24を支持具26を
介して夫々取付け、この上下の支持枠24間にシート状の
遮蔽カバー3を介装したものである。
又、上下の支持枠24にはこれが第19図の一点鎖線位置に
示す折り畳み状態から第19図の実線位置に示す拡張状態
へ自動的に拡張するように支持枠24を拡張附勢する為の
コイルスプリング29が介装されて居り、各支持枠24は拡
張時には支持具26によってコ字状に保持されるように為
されている。
而して、不使用時には第21図に示す如く、遮蔽カバー3
は短縮且つ折り畳まれた状態で、又、支持枠24も折り畳
まれた状態で格納箱1内に収納されている。
使用時に避難器具2を垂直状態にすると、第22図に示す
如く、支持枠24がコイルスプリング29の附勢力によって
自動的に拡張し、これに伴って遮蔽カバー3も前後方向
へ拡張する。
この状態で避難器具2を降下させると、避難器具2と一
緒に遮蔽カバー3も順次伸長し、伸長垂下状態となる。
この避難装置も上記第1実施例のものと同様の作用効果
を奏し得る。
尚、上記第1実施例の避難装置と同じ部材には同じ符号
を付している。
第23図乃至第25図は本考案の第6実施例に係る避難装置
であって、これは避難器具2がパンタグラフ構造を呈
し、これに遮蔽カバー3を取付けたものである。
即ち、避難器具2には実開昭59−88200号公報に開示さ
れたものが使用されて居り、避難器具2の上部及び下部
に水平姿勢で取付けた支持枠24間に伸縮自在な遮蔽カバ
ー3を介装し、避難器具2と遮蔽カバー3が同期的に伸
縮するようにしたものである。
この避難装置も上記第1実施例のものと同様の作用効果
を奏し得る。
尚、上記第1実施例の避難装置と同じ部材には同じ符号
を付している。
上記各実施例に於いては、格納箱1には実開平1−5915
0号公報に開示されたものを使用したが、格納箱1は上
記実施例のものに限定されるものではなく、如何なる構
造及び形式のものであっても良い。
上記各実施例に於いては、避難器具2には実願平1−24
946号並びに実開昭59−88200号公報に開示されたものを
使用したが、避難器具2は上記実施例のものに限定され
るものではなく、不使用時には短縮状態で格納箱内に収
納され、使用時には伸長垂下状態になるものであれば、
如何なる構造及び形式のものであっても良い。例えば、
避難器具2には実開昭56−167200号公報、実開昭57−77
599号公報及び実願平1−95654号等に開示された構造の
ものを使用しても良い。
上記各実施例に於いては、遮蔽カバー3には炭素繊維製
のシート状のものを使用したが、遮蔽カバー3は上記実
施例のものに限定されるものではなく、不燃性及び可撓
性を有するものであれば良い。例えば遮蔽性を有し、折
り畳みできる細い目の金網であっても良い。
上記各実施例に於いては、伸長時の遮蔽カバー3の平面
形状を略半円弧状としたが、他の実施例に於いては、矩
形状としても良い。
上記第3乃至第6実施例に於いては、避難経路23の左右
並びに後を遮蔽カバー3で覆うようにしたが、避難経路
23の左右並びに前後を遮蔽カバー3で覆うようにしても
良い。
(考案の効果) 上述の通り、本考案の避難装置は、伸長垂下状態になっ
た避難器具の避難経路の少なくとも左右並びに後を遮蔽
カバーで覆う構成とした為、避難者が避難器具を伝って
避難する際に外の景色が全く見えず、避難者は恐怖感を
覚えることなく、避難することができる。その結果、本
考案の避難装置を使用すれば、従来の避難装置のように
避難者が降下をためらって避難に時間が掛ったり、或い
は途中で止まってしまって後続の避難者が使用できなく
なると云うこともなく、避難者は安全且つ迅速に避難す
ることができる。
又、避難経路の周囲が遮蔽カバーによって覆われている
為、降下中に避難者が手足を滑らせて落下しかけても遮
蔽カバーによって落下が防止され、安全性の大幅な向上
を図れる。
然も、遮蔽カバーは不燃性を有している為、より一層安
全性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例に係る避難装置の一部切欠
縦断正面図、第2図は同じく縦断側面図、第3図は一部
分を省略した平面図、第4図は避難器具及び遮蔽カバー
を格納箱内に収納した状態の縦断側面図、第5図は避難
器具及び遮蔽カバーを短縮して垂直状態にした縦断部分
側面図、第6図は避難器具の短縮状態を示す拡大正面
図、第7図は第6図A−A線断面図、第8図は第6図の
B−B線断面図、第9図は第6図のC−C線拡大断面
図、第10図は本考案の第2実施例に係る避難装置の縦断
側面図、第11図は同じく一部分を省略した平面図、第12
図は同じく第4図同様の縦断側面図、第13図は同じく第
5図同様の縦断部分側面図、第14図は本考案の第3実施
例に係る避難装置の縦断側面図、第15図は本考案の第4
実施例に係る避難装置を示し、第4図同様の縦断側面
図、第16図は同じく第5図同様の縦断部分側面図、第17
図は本考案の第5実施例に係る避難装置の縦断正面図、
第18図は同じく縦断側面図、第19図は同じく一部分を省
略した平面図、第20図は支持枠の拡大平面図、第21図は
第4図同様の縦断側面図、第22図は第5図同様の縦断部
分側面図、第23図は本考案の第6実施例に係る避難装置
の一部切欠縦断正面図、第24図は同じく縦断側面図、第
25図は第5図同様の縦断部分側面図である。 1は格納箱、2は避難器具、3は遮蔽カバー、23は避難
経路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】格納箱(1)と、格納箱(1)内に取付け
    られ、不使用時には短縮状態で格納箱(1)内に収納さ
    れると共に、使用時には伸長垂下状態になる伸縮自在な
    避難器具(2)と、少なくとも避難器具(2)の上部側
    及び下部側に夫々取付けられた支持枠(24)と、上下端
    が支持枠(24)に、又、両側端が避難器具(2)に夫々
    取付けられ、避難器具(2)と同期的に伸縮すると共
    に、伸長垂下状態の避難器具(2)により形成された避
    難経路(23)の少なくとも左右並びに後を覆う不燃性及
    び可撓性を有する伸縮自在な遮蔽カバー(3)とから構
    成されて居り、前記遮蔽カバー(3)の長さは、伸長時
    にその下端と床面との間に避難者が避難器具(2)から
    降りれる程度の間隙が形成されるように選定されている
    ことを特徴とする避難装置。
JP1989118657U 1989-10-09 1989-10-09 避難装置 Expired - Lifetime JPH0753630Y2 (ja)

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