JPH0753453A - ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents
ジカルボン酸誘導体及びその製造方法Info
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- JPH0753453A JPH0753453A JP5201449A JP20144993A JPH0753453A JP H0753453 A JPH0753453 A JP H0753453A JP 5201449 A JP5201449 A JP 5201449A JP 20144993 A JP20144993 A JP 20144993A JP H0753453 A JPH0753453 A JP H0753453A
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- JP
- Japan
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- dicarboxylic acid
- alkyl
- acid derivative
- tricyclo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Furan Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等
として、耐薬品性、耐候性、耐熱性に優れた新規なノル
ボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びそ
の製造方法の提供にある。 【構成】式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体。 【化6】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
になって>O(酸素原子)を表す。)又、前記式〔I〕
で示されるジカルボン酸誘導体の製造方法は、トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジ
カルボン酸誘導体をPd触媒等を用いる接触還元法等で
還元して得る。
として、耐薬品性、耐候性、耐熱性に優れた新規なノル
ボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びそ
の製造方法の提供にある。 【構成】式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体。 【化6】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
になって>O(酸素原子)を表す。)又、前記式〔I〕
で示されるジカルボン酸誘導体の製造方法は、トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジ
カルボン酸誘導体をPd触媒等を用いる接触還元法等で
還元して得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なノルボルナン骨
格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びその製造方法
に関する。ノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン
酸類は、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等
として有用な化合物である。
格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びその製造方法
に関する。ノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン
酸類は、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】ノルボルナン骨格を有するポリエステル
は、ガラス転移温度が高く、寸法安定性に優れており写
真用フィルムのベース等に用いられている。〔米国防衛
特許第896033号〕〔特開平5−132438〕 しかし、その原料である既知の化合物は、収率が低く製
造コスト面で不利を強いられている。
は、ガラス転移温度が高く、寸法安定性に優れており写
真用フィルムのベース等に用いられている。〔米国防衛
特許第896033号〕〔特開平5−132438〕 しかし、その原料である既知の化合物は、収率が低く製
造コスト面で不利を強いられている。
【0003】又、本発明者らは、すでにノルボルナン骨
格を有するトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を製造する方法を
見出している。(特公平4−60100,特公平2−3
2267,特公平5−2674) 即ち、安価な原料であるジシクロペンタジエン(DCP
D)、一酸化炭素及びアルコールを触媒及び酸化剤の存
在下に反応させることによって、高収率でトリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボン酸ジエステル(TCDE)を得ることができる。
格を有するトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を製造する方法を
見出している。(特公平4−60100,特公平2−3
2267,特公平5−2674) 即ち、安価な原料であるジシクロペンタジエン(DCP
D)、一酸化炭素及びアルコールを触媒及び酸化剤の存
在下に反応させることによって、高収率でトリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボン酸ジエステル(TCDE)を得ることができる。
【0004】又、このジエステル化反応に於て特定のア
ルコール、例えば第3級アルコール、アリルアルコー
ル、エチレングリコールを用いることによって一挙にジ
シクロペンタジエン(DCPD)よりトリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン
酸無水物(TCDA)が得られる。TCDEは、加水分
解することによってトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸(TCDC)が
得られる。さらにTCDCは、脱水することによってT
CDAが得られる。又TCDCは、エステル化すること
によって種々のTCDEに誘導できる。
ルコール、例えば第3級アルコール、アリルアルコー
ル、エチレングリコールを用いることによって一挙にジ
シクロペンタジエン(DCPD)よりトリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン
酸無水物(TCDA)が得られる。TCDEは、加水分
解することによってトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸(TCDC)が
得られる。さらにTCDCは、脱水することによってT
CDAが得られる。又TCDCは、エステル化すること
によって種々のTCDEに誘導できる。
【0005】
【化3】
【0006】しかし用途によっては、樹脂内に二重結合
が残余することによる耐久性の欠如が懸念される。
が残余することによる耐久性の欠如が懸念される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリエ
ステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等として、耐薬品
性、耐候性、耐熱性に優れたジカルボン酸誘導体を安価
な原料から高収率で得ることを目的として、下記のデセ
ン誘導体の二重結合を還元して、飽和脂環式ジカルボン
酸誘導体に誘いたところ、それぞれ高収率で、目的化合
物が得られる事を見出し本発明を完成させた。
ステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等として、耐薬品
性、耐候性、耐熱性に優れたジカルボン酸誘導体を安価
な原料から高収率で得ることを目的として、下記のデセ
ン誘導体の二重結合を還元して、飽和脂環式ジカルボン
酸誘導体に誘いたところ、それぞれ高収率で、目的化合
物が得られる事を見出し本発明を完成させた。
【0008】
【化4】
【0009】即ち、TCDEを還元することによりトリ
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9−ジカル
ボン酸エステル(DH−TCDE)が得られる。同様に
TCDCを還元することによりトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−T
CDC)が得られる。さらにTCDAを還元することに
よりトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸無水物(DH−TCDA)が得られる。
さらにDH−TCDCをエステル化することによって種
々のDH−TCDEを得ることもできる。
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9−ジカル
ボン酸エステル(DH−TCDE)が得られる。同様に
TCDCを還元することによりトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−T
CDC)が得られる。さらにTCDAを還元することに
よりトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸無水物(DH−TCDA)が得られる。
さらにDH−TCDCをエステル化することによって種
々のDH−TCDEを得ることもできる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は式〔I〕で表さ
れるトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸誘導体に関する。
れるトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸誘導体に関する。
【0011】
【化5】
【0012】(Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキ
ル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン
置換アルキル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)
又は、一緒になって>O(酸素原子)を表す。) また、本発明は トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
セ−3−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を還元して
前記式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体を得ること
を特徴とする製造方法に関する。
ル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン
置換アルキル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)
又は、一緒になって>O(酸素原子)を表す。) また、本発明は トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
セ−3−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を還元して
前記式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体を得ること
を特徴とする製造方法に関する。
【0013】本発明化合物の製造方法について述べる。
出発原料のトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体とは、先に述べた
トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)、トリシ
クロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−
ジカルボン酸(TCDC)及びトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無
水物(TCDA)が挙げられる。
出発原料のトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体とは、先に述べた
トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)、トリシ
クロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−
ジカルボン酸(TCDC)及びトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無
水物(TCDA)が挙げられる。
【0014】TCDEを得る際に用いるアルコールはア
ルキルアルコール、不飽和アルキルアルコール、シクロ
アルキルアルコール、ベンゼン置換アルキルアルコー
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルアルコールでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいても良く1
価又は多価アルコールの別は問わない。具体的にはメタ
ノール、エタノール、ブタノール、ノナノール、トリデ
カノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、
アリルアルコール、シンナミアルコール、フルフリルア
ルコール、プロパギルアルコール、ゲラニオール、プロ
パンジオール、グリセリン、エタノールアミン及びプロ
パノールアミン等を挙げることができる。
ルキルアルコール、不飽和アルキルアルコール、シクロ
アルキルアルコール、ベンゼン置換アルキルアルコー
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルアルコールでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいても良く1
価又は多価アルコールの別は問わない。具体的にはメタ
ノール、エタノール、ブタノール、ノナノール、トリデ
カノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、
アリルアルコール、シンナミアルコール、フルフリルア
ルコール、プロパギルアルコール、ゲラニオール、プロ
パンジオール、グリセリン、エタノールアミン及びプロ
パノールアミン等を挙げることができる。
【0015】還元方法としては、一般に知られている金
属および金属塩による還元、金属水素化物による還元、
金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボラ
ンによる還元、ヒドラジンによる還元、電解還元、接触
水素還元及びその他の方法の中で、種々の方法が可能で
あるが、実用的に最も有利な接触還元方法を採用するの
が好ましい。
属および金属塩による還元、金属水素化物による還元、
金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボラ
ンによる還元、ヒドラジンによる還元、電解還元、接触
水素還元及びその他の方法の中で、種々の方法が可能で
あるが、実用的に最も有利な接触還元方法を採用するの
が好ましい。
【0016】接触還元方法としては、一般的接触還元条
件を採用することができる。即ち、接触還元方法に使用
する触媒の金属種としては、パラジウム、ルテニウム、
白金、ロジウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅及びこれ
らを含む合金類が使用できる。触媒の形体としては、金
属単身(コロイド及びブラック)、ラネー合金、担体
付、錯体のいずれも可能である。工業的には、担体付が
回収面で有利であり、担体としては、炭素、シリカ、ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土及
びマグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチ
ウムの硫酸塩及び炭酸塩等が使用可能であるが、中でも
表面積の大きな炭素が好ましい。触媒の使用量は、基質
に対し金属として0.01〜10重量%で反応は進行す
る。
件を採用することができる。即ち、接触還元方法に使用
する触媒の金属種としては、パラジウム、ルテニウム、
白金、ロジウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅及びこれ
らを含む合金類が使用できる。触媒の形体としては、金
属単身(コロイド及びブラック)、ラネー合金、担体
付、錯体のいずれも可能である。工業的には、担体付が
回収面で有利であり、担体としては、炭素、シリカ、ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土及
びマグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチ
ウムの硫酸塩及び炭酸塩等が使用可能であるが、中でも
表面積の大きな炭素が好ましい。触媒の使用量は、基質
に対し金属として0.01〜10重量%で反応は進行す
る。
【0017】反応溶媒としては、反応に関与しない有機
溶媒は広く使用することができる。酢酸メチルや酢酸エ
チル等のエステル類、ジオキサンやテトラヒドロフラン
等のエーテル類、クロロホルムや1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭素水素類、シクロヘキサンやヘプタ
ン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)やN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
ジメチルスルホオキシド(DMSO)やスルホラン等の
スルホオキシド類、さらに基質がエステルの場合は、メ
タノールやエタノール等のアルコール類等が使用できる
が、特にはエステル類やエーテル類が好ましい。
溶媒は広く使用することができる。酢酸メチルや酢酸エ
チル等のエステル類、ジオキサンやテトラヒドロフラン
等のエーテル類、クロロホルムや1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭素水素類、シクロヘキサンやヘプタ
ン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)やN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
ジメチルスルホオキシド(DMSO)やスルホラン等の
スルホオキシド類、さらに基質がエステルの場合は、メ
タノールやエタノール等のアルコール類等が使用できる
が、特にはエステル類やエーテル類が好ましい。
【0018】使用する溶媒量は、基質に対し0.5〜1
0重量倍程度使用するのが経済的であるが、多くても反
応は可能である。水素圧は、低圧で進行するが、さらに
加圧し反応促進させることもでき、通常常圧から500
0KPa程度で行うのが好ましい。反応温度は、低温で
充分反応が進行するが通常0〜100℃程度で行うのが
好ましい。
0重量倍程度使用するのが経済的であるが、多くても反
応は可能である。水素圧は、低圧で進行するが、さらに
加圧し反応促進させることもでき、通常常圧から500
0KPa程度で行うのが好ましい。反応温度は、低温で
充分反応が進行するが通常0〜100℃程度で行うのが
好ましい。
【0019】反応時間は、水素の吸収量及びサンプリン
グによる分析結果から決定される。反応は、いずれもほ
ぼ定量的に進行し、反応後触媒を濾別し、溶媒を留去す
るだけでも高純度の目的物が得られる。さらに高純度品
を得る場合には、蒸留又は再結晶を行うことにより容易
に目的物が得られる。次に、エステル誘導体(DH−T
CDE)を加水分解して、ジカルボン酸誘導体(DH−
TCDC)へ導びく方法は、通常の酸又は塩基存在下で
行う方法により高収率で目的物が得られる。
グによる分析結果から決定される。反応は、いずれもほ
ぼ定量的に進行し、反応後触媒を濾別し、溶媒を留去す
るだけでも高純度の目的物が得られる。さらに高純度品
を得る場合には、蒸留又は再結晶を行うことにより容易
に目的物が得られる。次に、エステル誘導体(DH−T
CDE)を加水分解して、ジカルボン酸誘導体(DH−
TCDC)へ導びく方法は、通常の酸又は塩基存在下で
行う方法により高収率で目的物が得られる。
【0020】又、ジカルボン酸誘導体(DH−TCD
C)を脱水してジカルボン酸無水物誘導体(DH−TC
DA)へ導く方法は、無水酢酸による脱水方法や加熱減
圧脱水法等によって容易に目的物を得ることができる。
さらにジカルボン酸誘導体(DH−TCDC)から種々
のアルコールを用いてエステル誘導体(DH−TCD
E)へ導く方法は、一般に知られている硫酸、塩酸等の
鉱酸、アルキル及び芳香族スルホン酸等の有機酸及びフ
ッ化ホウ素エーテル等のLewis酸等の存在下に行う
ことにより目的物が得られる。
C)を脱水してジカルボン酸無水物誘導体(DH−TC
DA)へ導く方法は、無水酢酸による脱水方法や加熱減
圧脱水法等によって容易に目的物を得ることができる。
さらにジカルボン酸誘導体(DH−TCDC)から種々
のアルコールを用いてエステル誘導体(DH−TCD
E)へ導く方法は、一般に知られている硫酸、塩酸等の
鉱酸、アルキル及び芳香族スルホン酸等の有機酸及びフ
ッ化ホウ素エーテル等のLewis酸等の存在下に行う
ことにより目的物が得られる。
【0021】次に実施例によって、さらに本発明を詳細
に説明するが、これらによって何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)15g、
エタノール40g、5%Pd−炭素0.30g及び水素
定圧3000KPaを100mlオートクレーブに仕込
み25℃で撹拌を開始した。
に説明するが、これらによって何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)15g、
エタノール40g、5%Pd−炭素0.30g及び水素
定圧3000KPaを100mlオートクレーブに仕込
み25℃で撹拌を開始した。
【0022】即座に水素吸収が開始し、41℃まで発熱
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、減圧蒸留によって109〜11
0℃/5KPaの留分13gを得た。この留分の分析結
果は以下の通りとなった。
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、減圧蒸留によって109〜11
0℃/5KPaの留分13gを得た。この留分の分析結
果は以下の通りとなった。
【0023】ガスクロマトグラフィー:純度99% IR(NaCl):2930,1730,1430,1
200,1038(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):253
(M+1)(36),221(100),193
(7),133(25),86(37)1 H−NMR:7.27,3.62,2.93,2.4
8,2.43,2.20,2.18,1.65,1.5
3(δppm)13 C−NMR:174.1,77.4,77.1,7
6.9,51.6,45.2,44.8,44.4,4
0.7,28.8,26.6(δppm) 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸ジエステル(DH−TC
DE)であることが判明した。
200,1038(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):253
(M+1)(36),221(100),193
(7),133(25),86(37)1 H−NMR:7.27,3.62,2.93,2.4
8,2.43,2.20,2.18,1.65,1.5
3(δppm)13 C−NMR:174.1,77.4,77.1,7
6.9,51.6,45.2,44.8,44.4,4
0.7,28.8,26.6(δppm) 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸ジエステル(DH−TC
DE)であることが判明した。
【0024】実施例2 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸(TCDC)5g、酢酸エチル1
5g、5%Pd−炭素0.10g及び水素圧5000K
Paを100mlオートクレーブに仕込み、25℃で撹
拌を開始した。即座に水素吸収が開始し、48℃まで発
熱し約20分で吸収がほとんど停止した。さらに、その
まま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気さ
せてから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。触媒上に析出付着した結晶はアセトニトリルで溶出
洗浄した。濾液を濃縮すると結晶が得られた。この結晶
を分析の結果は以下の通りとなった。
8,9−ジカルボン酸(TCDC)5g、酢酸エチル1
5g、5%Pd−炭素0.10g及び水素圧5000K
Paを100mlオートクレーブに仕込み、25℃で撹
拌を開始した。即座に水素吸収が開始し、48℃まで発
熱し約20分で吸収がほとんど停止した。さらに、その
まま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気さ
せてから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。触媒上に析出付着した結晶はアセトニトリルで溶出
洗浄した。濾液を濃縮すると結晶が得られた。この結晶
を分析の結果は以下の通りとなった。
【0025】ガスクロマトグラフィー(N−トリメチル
シリルアセトアミドでシリル化し分析した。):純度9
7% IR(KBr):2900,2800〜2500,16
90,1410,1220,890(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):225
(M+1)(54),207(100),179(1
9),133(56),91(44),61(35)1 H−NMR:7.26,2.98,2.49,2.4
5,2.25,2.23,1.71,1.55,1.5
4(δppm)13 C−NMR:176.5,77.5,77.3,4
5.3,44.7,44.5,40.6,28.8,2
6.6(δppm) 融点:151〜152℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−TCDC)であ
ることが判明した。
シリルアセトアミドでシリル化し分析した。):純度9
7% IR(KBr):2900,2800〜2500,16
90,1410,1220,890(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):225
(M+1)(54),207(100),179(1
9),133(56),91(44),61(35)1 H−NMR:7.26,2.98,2.49,2.4
5,2.25,2.23,1.71,1.55,1.5
4(δppm)13 C−NMR:176.5,77.5,77.3,4
5.3,44.7,44.5,40.6,28.8,2
6.6(δppm) 融点:151〜152℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−TCDC)であ
ることが判明した。
【0026】実施例3 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸無水物(TCDA)15g、酢酸
エチル50g、5%Pd−炭素0.5g及び水素圧定圧
1500KPaを100mlオートクレーブに仕込み、
25℃で撹拌を開始した。
8,9−ジカルボン酸無水物(TCDA)15g、酢酸
エチル50g、5%Pd−炭素0.5g及び水素圧定圧
1500KPaを100mlオートクレーブに仕込み、
25℃で撹拌を開始した。
【0027】即座に水素吸収が開始し、45℃まで発熱
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、乾燥し結晶15.1gを得た。 ガスクロマトグラフィー:純度99% IR(KBr):2930,1850,1780,14
75,1445,1210,1090,920(c
m-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):207
(M+1)(100),191(9),179(5),
154(43),137(41),136(39),9
1(23)1 H−NMR:7.27,3.08,2.72,2.5
8,1.76,1.73,1.67,1.65,1.6
2,1.57,1.45,1.42(δppm)13 C−NMR:174.1,77.3,77.1,7
6.8,45.9,44.4,44.1,38.4,2
8.2,26.6(δppm) 融点:84.0〜85.0℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DH−TCD
A)であることが判明した。
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、乾燥し結晶15.1gを得た。 ガスクロマトグラフィー:純度99% IR(KBr):2930,1850,1780,14
75,1445,1210,1090,920(c
m-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):207
(M+1)(100),191(9),179(5),
154(43),137(41),136(39),9
1(23)1 H−NMR:7.27,3.08,2.72,2.5
8,1.76,1.73,1.67,1.65,1.6
2,1.57,1.45,1.42(δppm)13 C−NMR:174.1,77.3,77.1,7
6.8,45.9,44.4,44.1,38.4,2
8.2,26.6(δppm) 融点:84.0〜85.0℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DH−TCD
A)であることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/753 Z 9279−4H C07D 307/93 // C07B 61/00 300
Claims (3)
- 【請求項1】 式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導
体。 【化1】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
になって>O(酸素原子)を表す。) - 【請求項2】 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ
−3−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を還元して、
式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体を得ることを特徴
とするジカルボン酸誘導体の製造方法。 【化2】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
になって>O(酸素原子)を表す。) - 【請求項3】 還元反応が、触媒の存在下に水素ガスに
よって行う接触還元反応であることを特徴とする請求項
2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201449A JPH0753453A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201449A JPH0753453A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753453A true JPH0753453A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16441276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5201449A Pending JPH0753453A (ja) | 1993-08-13 | 1993-08-13 | ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753453A (ja) |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP5201449A patent/JPH0753453A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031216 |