JPH0753453A - ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ジカルボン酸誘導体及びその製造方法

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JPH0753453A
JPH0753453A JP5201449A JP20144993A JPH0753453A JP H0753453 A JPH0753453 A JP H0753453A JP 5201449 A JP5201449 A JP 5201449A JP 20144993 A JP20144993 A JP 20144993A JP H0753453 A JPH0753453 A JP H0753453A
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JP
Japan
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dicarboxylic acid
alkyl
acid derivative
tricyclo
group
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Application number
JP5201449A
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English (en)
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Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
Isao Hashiba
功 橋場
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Furan Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等
として、耐薬品性、耐候性、耐熱性に優れた新規なノル
ボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びそ
の製造方法の提供にある。 【構成】式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.
2,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体。 【化6】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
になって>O(酸素原子)を表す。)又、前記式〔I〕
で示されるジカルボン酸誘導体の製造方法は、トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジ
カルボン酸誘導体をPd触媒等を用いる接触還元法等で
還元して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なノルボルナン骨
格を有する脂環式ジカルボン酸誘導体及びその製造方法
に関する。ノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン
酸類は、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】ノルボルナン骨格を有するポリエステル
は、ガラス転移温度が高く、寸法安定性に優れており写
真用フィルムのベース等に用いられている。〔米国防衛
特許第896033号〕〔特開平5−132438〕 しかし、その原料である既知の化合物は、収率が低く製
造コスト面で不利を強いられている。
【0003】又、本発明者らは、すでにノルボルナン骨
格を有するトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を製造する方法を
見出している。(特公平4−60100,特公平2−3
2267,特公平5−2674) 即ち、安価な原料であるジシクロペンタジエン(DCP
D)、一酸化炭素及びアルコールを触媒及び酸化剤の存
在下に反応させることによって、高収率でトリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカ
ルボン酸ジエステル(TCDE)を得ることができる。
【0004】又、このジエステル化反応に於て特定のア
ルコール、例えば第3級アルコール、アリルアルコー
ル、エチレングリコールを用いることによって一挙にジ
シクロペンタジエン(DCPD)よりトリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン
酸無水物(TCDA)が得られる。TCDEは、加水分
解することによってトリシクロ〔5.2.1.02,6
デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸(TCDC)が
得られる。さらにTCDCは、脱水することによってT
CDAが得られる。又TCDCは、エステル化すること
によって種々のTCDEに誘導できる。
【0005】
【化3】
【0006】しかし用途によっては、樹脂内に二重結合
が残余することによる耐久性の欠如が懸念される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリエ
ステル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化剤等として、耐薬品
性、耐候性、耐熱性に優れたジカルボン酸誘導体を安価
な原料から高収率で得ることを目的として、下記のデセ
ン誘導体の二重結合を還元して、飽和脂環式ジカルボン
酸誘導体に誘いたところ、それぞれ高収率で、目的化合
物が得られる事を見出し本発明を完成させた。
【0008】
【化4】
【0009】即ち、TCDEを還元することによりトリ
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9−ジカル
ボン酸エステル(DH−TCDE)が得られる。同様に
TCDCを還元することによりトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−T
CDC)が得られる。さらにTCDAを還元することに
よりトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸無水物(DH−TCDA)が得られる。
さらにDH−TCDCをエステル化することによって種
々のDH−TCDEを得ることもできる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は式〔I〕で表さ
れるトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−8,9
−ジカルボン酸誘導体に関する。
【0011】
【化5】
【0012】(Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキ
ル基、不飽和アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン
置換アルキル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)
又は、一緒になって>O(酸素原子)を表す。) また、本発明は トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
セ−3−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を還元して
前記式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体を得ること
を特徴とする製造方法に関する。
【0013】本発明化合物の製造方法について述べる。
出発原料のトリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3
−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体とは、先に述べた
トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)、トリシ
クロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−
ジカルボン酸(TCDC)及びトリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デセ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無
水物(TCDA)が挙げられる。
【0014】TCDEを得る際に用いるアルコールはア
ルキルアルコール、不飽和アルキルアルコール、シクロ
アルキルアルコール、ベンゼン置換アルキルアルコー
ル、ベンゼン置換不飽和アルキルアルコールでアルキル
及び不飽和アルキルはO,N原子を含んでいても良く1
価又は多価アルコールの別は問わない。具体的にはメタ
ノール、エタノール、ブタノール、ノナノール、トリデ
カノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、
アリルアルコール、シンナミアルコール、フルフリルア
ルコール、プロパギルアルコール、ゲラニオール、プロ
パンジオール、グリセリン、エタノールアミン及びプロ
パノールアミン等を挙げることができる。
【0015】還元方法としては、一般に知られている金
属および金属塩による還元、金属水素化物による還元、
金属水素錯化合物による還元、ジボランおよび置換ボラ
ンによる還元、ヒドラジンによる還元、電解還元、接触
水素還元及びその他の方法の中で、種々の方法が可能で
あるが、実用的に最も有利な接触還元方法を採用するの
が好ましい。
【0016】接触還元方法としては、一般的接触還元条
件を採用することができる。即ち、接触還元方法に使用
する触媒の金属種としては、パラジウム、ルテニウム、
白金、ロジウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅及びこれ
らを含む合金類が使用できる。触媒の形体としては、金
属単身(コロイド及びブラック)、ラネー合金、担体
付、錯体のいずれも可能である。工業的には、担体付が
回収面で有利であり、担体としては、炭素、シリカ、ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、ケイソウ土及
びマグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチ
ウムの硫酸塩及び炭酸塩等が使用可能であるが、中でも
表面積の大きな炭素が好ましい。触媒の使用量は、基質
に対し金属として0.01〜10重量%で反応は進行す
る。
【0017】反応溶媒としては、反応に関与しない有機
溶媒は広く使用することができる。酢酸メチルや酢酸エ
チル等のエステル類、ジオキサンやテトラヒドロフラン
等のエーテル類、クロロホルムや1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭素水素類、シクロヘキサンやヘプタ
ン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)やN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
ジメチルスルホオキシド(DMSO)やスルホラン等の
スルホオキシド類、さらに基質がエステルの場合は、メ
タノールやエタノール等のアルコール類等が使用できる
が、特にはエステル類やエーテル類が好ましい。
【0018】使用する溶媒量は、基質に対し0.5〜1
0重量倍程度使用するのが経済的であるが、多くても反
応は可能である。水素圧は、低圧で進行するが、さらに
加圧し反応促進させることもでき、通常常圧から500
0KPa程度で行うのが好ましい。反応温度は、低温で
充分反応が進行するが通常0〜100℃程度で行うのが
好ましい。
【0019】反応時間は、水素の吸収量及びサンプリン
グによる分析結果から決定される。反応は、いずれもほ
ぼ定量的に進行し、反応後触媒を濾別し、溶媒を留去す
るだけでも高純度の目的物が得られる。さらに高純度品
を得る場合には、蒸留又は再結晶を行うことにより容易
に目的物が得られる。次に、エステル誘導体(DH−T
CDE)を加水分解して、ジカルボン酸誘導体(DH−
TCDC)へ導びく方法は、通常の酸又は塩基存在下で
行う方法により高収率で目的物が得られる。
【0020】又、ジカルボン酸誘導体(DH−TCD
C)を脱水してジカルボン酸無水物誘導体(DH−TC
DA)へ導く方法は、無水酢酸による脱水方法や加熱減
圧脱水法等によって容易に目的物を得ることができる。
さらにジカルボン酸誘導体(DH−TCDC)から種々
のアルコールを用いてエステル誘導体(DH−TCD
E)へ導く方法は、一般に知られている硫酸、塩酸等の
鉱酸、アルキル及び芳香族スルホン酸等の有機酸及びフ
ッ化ホウ素エーテル等のLewis酸等の存在下に行う
ことにより目的物が得られる。
【0021】次に実施例によって、さらに本発明を詳細
に説明するが、これらによって何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸ジエステル(TCDE)15g、
エタノール40g、5%Pd−炭素0.30g及び水素
定圧3000KPaを100mlオートクレーブに仕込
み25℃で撹拌を開始した。
【0022】即座に水素吸収が開始し、41℃まで発熱
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、減圧蒸留によって109〜11
0℃/5KPaの留分13gを得た。この留分の分析結
果は以下の通りとなった。
【0023】ガスクロマトグラフィー:純度99% IR(NaCl):2930,1730,1430,1
200,1038(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):253
(M+1)(36),221(100),193
(7),133(25),86(37)1 H−NMR:7.27,3.62,2.93,2.4
8,2.43,2.20,2.18,1.65,1.5
3(δppm)13 C−NMR:174.1,77.4,77.1,7
6.9,51.6,45.2,44.8,44.4,4
0.7,28.8,26.6(δppm) 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6
デカン−8,9−ジカルボン酸ジエステル(DH−TC
DE)であることが判明した。
【0024】実施例2 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸(TCDC)5g、酢酸エチル1
5g、5%Pd−炭素0.10g及び水素圧5000K
Paを100mlオートクレーブに仕込み、25℃で撹
拌を開始した。即座に水素吸収が開始し、48℃まで発
熱し約20分で吸収がほとんど停止した。さらに、その
まま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気さ
せてから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。触媒上に析出付着した結晶はアセトニトリルで溶出
洗浄した。濾液を濃縮すると結晶が得られた。この結晶
を分析の結果は以下の通りとなった。
【0025】ガスクロマトグラフィー(N−トリメチル
シリルアセトアミドでシリル化し分析した。):純度9
7% IR(KBr):2900,2800〜2500,16
90,1410,1220,890(cm-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):225
(M+1)(54),207(100),179(1
9),133(56),91(44),61(35)1 H−NMR:7.26,2.98,2.49,2.4
5,2.25,2.23,1.71,1.55,1.5
4(δppm)13 C−NMR:176.5,77.5,77.3,4
5.3,44.7,44.5,40.6,28.8,2
6.6(δppm) 融点:151〜152℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6
デカン−8,9−ジカルボン酸(DH−TCDC)であ
ることが判明した。
【0026】実施例3 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ−3−エン−
8,9−ジカルボン酸無水物(TCDA)15g、酢酸
エチル50g、5%Pd−炭素0.5g及び水素圧定圧
1500KPaを100mlオートクレーブに仕込み、
25℃で撹拌を開始した。
【0027】即座に水素吸収が開始し、45℃まで発熱
し約30分で吸収がほとんど停止したが、さらにそのま
ま1時間撹拌を継続した。反応終了後、水素を排気させ
てから、反応液を採り出し濾過によって触媒を除去し
た。濾液を濃縮した後、乾燥し結晶15.1gを得た。 ガスクロマトグラフィー:純度99% IR(KBr):2930,1850,1780,14
75,1445,1210,1090,920(c
-1) マススペクトル(FAB+ ,m/e(%)):207
(M+1)(100),191(9),179(5),
154(43),137(41),136(39),9
1(23)1 H−NMR:7.27,3.08,2.72,2.5
8,1.76,1.73,1.67,1.65,1.6
2,1.57,1.45,1.42(δppm)13 C−NMR:174.1,77.3,77.1,7
6.8,45.9,44.4,44.1,38.4,2
8.2,26.6(δppm) 融点:84.0〜85.0℃ 以上から本留分は、トリシクロ〔5.2.1.02,6
デカン−8,9−ジカルボン酸無水物(DH−TCD
A)であることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/753 Z 9279−4H C07D 307/93 // C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.
    2.1.02,6 〕デカン−8,9−ジカルボン酸誘導
    体。 【化1】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
    アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
    ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
    アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
    になって>O(酸素原子)を表す。)
  2. 【請求項2】 トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デセ
    −3−エン−8,9−ジカルボン酸誘導体を還元して、
    式〔I〕で表されるトリシクロ〔5.2.1.02,6
    デカン−8,9−ジカルボン酸誘導体を得ることを特徴
    とするジカルボン酸誘導体の製造方法。 【化2】 (Aは、−OH基、−OR基(Rはアルキル基、不飽和
    アルキル基、シクロアルキル基、ベンゼン置換アルキ
    ル、ベンゼン置換不飽和アルキルでアルキル及び不飽和
    アルキルはO,N原子を含んでいてよい。)又は、一緒
    になって>O(酸素原子)を表す。)
  3. 【請求項3】 還元反応が、触媒の存在下に水素ガスに
    よって行う接触還元反応であることを特徴とする請求項
    2記載の製造方法。
JP5201449A 1993-08-13 1993-08-13 ジカルボン酸誘導体及びその製造方法 Pending JPH0753453A (ja)

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Effective date: 20031216