JP2721550B2 - 縮合環含有化合物の製造方法 - Google Patents
縮合環含有化合物の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はペルヒドロジメタノナフタレン骨格を有する
化合物の製造方法に関する。
化合物の製造方法に関する。
本発明の方法により製造される化合物は各種の構造材
料、機能材料として有用な高分子化合物として用いられ
る。
料、機能材料として有用な高分子化合物として用いられ
る。
従来、ノルボルナン骨格またはペルヒドロジメタノナ
フタレン骨格を有するジメタノール化合物とアルキレン
ジカルボン酸、シクロアルキレンジカルボン酸、アルキ
レンビスアリーレンジカルボン酸またはアリーレンアル
キレンジカルボン酸等から得られるポリエステルは寸法
安定性に優れており、写真用フイルムのベースなどに用
いられることが知られている(米国防衛特許第896,033
号明細書参照)。
フタレン骨格を有するジメタノール化合物とアルキレン
ジカルボン酸、シクロアルキレンジカルボン酸、アルキ
レンビスアリーレンジカルボン酸またはアリーレンアル
キレンジカルボン酸等から得られるポリエステルは寸法
安定性に優れており、写真用フイルムのベースなどに用
いられることが知られている(米国防衛特許第896,033
号明細書参照)。
上記のジメタノール化合物と芳香族ジカルボン酸より
得られるポリエステルのうち、ペルヒドロジメタノナフ
タレン骨格を有するポリエステルは高いガラス転移温度
を有することが知られている〔ジヤーナル・オブ・ポリ
マー・サイエンス:ポリマー・ケミストリイ・エデイシ
ヨン(Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry
Edition)、10巻、3191頁(1972年)参照〕。この文献
には、上記のジメタノール化合物の製造方法として、フ
マル酸のジエチルエステルとシクロペンタジエンからデ
イールス−アルダー(Diels−Alder)反応によりノルボ
ルネン骨格またはノルボルネンの累積した骨格を有する
化合物を得、次いで該化合物をパラジウム触媒の存在下
に行う二重結合の水添反応に付してノルボルナン骨格ま
たはノルボルナンの累積した骨格を有する化合物に変換
させた後、銅−クロマイト触媒の存在下に行うエステル
部分の還元反応に付することにより該ジメタノール化合
物を製造する方法が開示されている。
得られるポリエステルのうち、ペルヒドロジメタノナフ
タレン骨格を有するポリエステルは高いガラス転移温度
を有することが知られている〔ジヤーナル・オブ・ポリ
マー・サイエンス:ポリマー・ケミストリイ・エデイシ
ヨン(Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry
Edition)、10巻、3191頁(1972年)参照〕。この文献
には、上記のジメタノール化合物の製造方法として、フ
マル酸のジエチルエステルとシクロペンタジエンからデ
イールス−アルダー(Diels−Alder)反応によりノルボ
ルネン骨格またはノルボルネンの累積した骨格を有する
化合物を得、次いで該化合物をパラジウム触媒の存在下
に行う二重結合の水添反応に付してノルボルナン骨格ま
たはノルボルナンの累積した骨格を有する化合物に変換
させた後、銅−クロマイト触媒の存在下に行うエステル
部分の還元反応に付することにより該ジメタノール化合
物を製造する方法が開示されている。
また、2−ブテン−1,4−ジオールとジシクロペンタ
ジエンとからノルボルネン−2,3−ジメタノールが製造
されることが知られている(英国特許第796,135号明細
書参照)。
ジエンとからノルボルネン−2,3−ジメタノールが製造
されることが知られている(英国特許第796,135号明細
書参照)。
ペルヒドロジメタノナフタレン骨格を有するジメタノ
ール化合物を製造する上記の方法においては、フマル酸
ジエチルとシクロペンタジエンより得られるペルヒドロ
−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチルを200℃、4,400psi(約300気圧)の水
素加圧下での18時間を要する反応に付することによつ
て、収率44.8%でペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフ
タレン−トランス−2,3−ジメタノールを得ているよう
に、ペルヒドロジメタノナフタレン骨格を有するジエス
テル化合物をジメタノール化合物に変換する還元反応を
高温かつ高圧の水素下という苛酷な条件下で長時間行う
必要があり、しかも目的とするジメタノール化合物の収
率が著しく低いという問題点がある。
ール化合物を製造する上記の方法においては、フマル酸
ジエチルとシクロペンタジエンより得られるペルヒドロ
−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチルを200℃、4,400psi(約300気圧)の水
素加圧下での18時間を要する反応に付することによつ
て、収率44.8%でペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフ
タレン−トランス−2,3−ジメタノールを得ているよう
に、ペルヒドロジメタノナフタレン骨格を有するジエス
テル化合物をジメタノール化合物に変換する還元反応を
高温かつ高圧の水素下という苛酷な条件下で長時間行う
必要があり、しかも目的とするジメタノール化合物の収
率が著しく低いという問題点がある。
本発明の目的は、ペルヒドロジメタノナフタレン骨格
を有するジメタノール化合物およびそのカルボン酸エス
テルを工業的に有利に製造するための方法を提供するこ
とにある。
を有するジメタノール化合物およびそのカルボン酸エス
テルを工業的に有利に製造するための方法を提供するこ
とにある。
本発明によれば、上記の目的は、下記一般式(III) R11OCH2CH=CHCH2OR21(III) (式中、R11およびR21はそれぞれ水素原子またはアシル
基を表す。) で示される化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンを反応させ、得られた下記一般式(II) (式中、R11およびR21は上記に定義したとおりであ
る。) で示される化合物を水素添加反応に付するか、または該
一般式(II)で示される化合物を加水分解反応に付した
のち、その加水分解物を水素添加反応に付し、得られた
下記一般式(I−1) (式中、R12およびR22はそれぞれR11またはR21と同一ま
たは異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物を必要に応じて加水分解反応に付する
ことを特徴とする下記一般式(I−2) (式中、R1およびR2はそれぞれR12またはR22と同一また
は異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物の製造方法を提供することによつて達
成される。
基を表す。) で示される化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンを反応させ、得られた下記一般式(II) (式中、R11およびR21は上記に定義したとおりであ
る。) で示される化合物を水素添加反応に付するか、または該
一般式(II)で示される化合物を加水分解反応に付した
のち、その加水分解物を水素添加反応に付し、得られた
下記一般式(I−1) (式中、R12およびR22はそれぞれR11またはR21と同一ま
たは異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物を必要に応じて加水分解反応に付する
ことを特徴とする下記一般式(I−2) (式中、R1およびR2はそれぞれR12またはR22と同一また
は異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物の製造方法を提供することによつて達
成される。
一般式(I−2)におけるR1およびR2、一般式(I−
1)におけるR12およびR22、ならびに一般式(II)およ
び一般式(III)におけるR11およびR21がそれぞれ表す
アシル基としては、炭素数2〜5のアシル基が好まし
く、その具体例として次のものが挙げられる。
1)におけるR12およびR22、ならびに一般式(II)およ
び一般式(III)におけるR11およびR21がそれぞれ表す
アシル基としては、炭素数2〜5のアシル基が好まし
く、その具体例として次のものが挙げられる。
本発明の方法においては、まず一般式(III)で示さ
れる化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロペンタ
ジエンを反応させることにより、一般式(II)で示され
る1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4−:5,8−ジメ
タノナフタレン−2,3−ジメタノールおよびそのジカル
ボキシレートが製造される。一般式(III)で示される
化合物としては、R11およびR21がともに水素原子である
2−ブテン−1,4−ジオールよりもR11およびR21がとも
にアシル基である2−ブテン−1,4−ジオール ジカル
ボキシレートを用いる方が、反応速度が大であり、かつ
一般式(II)で示される化合物の収率がよいことから好
ましい。一般式(III)においてR11およびR21がアセチ
ル基である化合物、すなわち、1,4−ジアセトキシ−2
−ブテンを用いるのが特に好ましい。なお、一般式(II
I)で示される化合物はトランス体、シス体またはそれ
らの混合物のいずれであつてもよく、これらの幾何異性
体に対応した一般式(II)で示される化合物の幾何異性
体が得られる。シクロペンタジエンは一般式(III)で
示される化合物1モルに対して2モル倍以上の量で用い
るのが好ましい。ジシクロペンタジエンはこれをシクロ
ペンタジエンに換算した量が該シクロペンタジエンの使
用量となるような量で用いるのが好ましい。なお、シク
ロペンタジエンはそれ自体重合し易い化合物であること
から、一般式(III)で示される化合物1モルに対して
最終的に2モル倍以上となるように反応系中に連続的ま
たは断続的に供給し、反応系中でのシクロペンタジエン
の濃度があまり高くならないように制御することが好ま
しい結果を与える。シクロペンタジエンの使用量が一般
式(III)で示される化合物に対して2モル倍よりも少
ない場合は、一般式(II)で示される化合物の収率が低
いことから好ましくない。シクロペンタジエンまたはジ
シクロペンタジエンの使用量の上限は通常はシクロペン
タジエンに換算した量で一般式(III)で示される化合
物に対して5モル倍以下であることが適当である。この
反応は溶媒の不存在下で行うことも可能であるが、適当
な有機溶媒の存在下で行うのが一般式(II)で示される
化合物の収率が良好となる点で好ましい。有機溶媒とし
てはベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラ
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、ク
ロロホルム、N−メチルピロリドン等を使用することが
好ましい。反応は通常約100℃から300℃の範囲内の温度
で実施される。ジシクロペンタジエンを用いる場合に
は、ジシクロペンタジエンのシクロペンタジエンへの熱
分解を容易にするために通常160℃以上の温度で反応を
行うのが望ましい。反応時間は約10分間ないし100時
間、好ましくは約30分間ないし30時間の範囲内である。
れる化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロペンタ
ジエンを反応させることにより、一般式(II)で示され
る1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4−:5,8−ジメ
タノナフタレン−2,3−ジメタノールおよびそのジカル
ボキシレートが製造される。一般式(III)で示される
化合物としては、R11およびR21がともに水素原子である
2−ブテン−1,4−ジオールよりもR11およびR21がとも
にアシル基である2−ブテン−1,4−ジオール ジカル
ボキシレートを用いる方が、反応速度が大であり、かつ
一般式(II)で示される化合物の収率がよいことから好
ましい。一般式(III)においてR11およびR21がアセチ
ル基である化合物、すなわち、1,4−ジアセトキシ−2
−ブテンを用いるのが特に好ましい。なお、一般式(II
I)で示される化合物はトランス体、シス体またはそれ
らの混合物のいずれであつてもよく、これらの幾何異性
体に対応した一般式(II)で示される化合物の幾何異性
体が得られる。シクロペンタジエンは一般式(III)で
示される化合物1モルに対して2モル倍以上の量で用い
るのが好ましい。ジシクロペンタジエンはこれをシクロ
ペンタジエンに換算した量が該シクロペンタジエンの使
用量となるような量で用いるのが好ましい。なお、シク
ロペンタジエンはそれ自体重合し易い化合物であること
から、一般式(III)で示される化合物1モルに対して
最終的に2モル倍以上となるように反応系中に連続的ま
たは断続的に供給し、反応系中でのシクロペンタジエン
の濃度があまり高くならないように制御することが好ま
しい結果を与える。シクロペンタジエンの使用量が一般
式(III)で示される化合物に対して2モル倍よりも少
ない場合は、一般式(II)で示される化合物の収率が低
いことから好ましくない。シクロペンタジエンまたはジ
シクロペンタジエンの使用量の上限は通常はシクロペン
タジエンに換算した量で一般式(III)で示される化合
物に対して5モル倍以下であることが適当である。この
反応は溶媒の不存在下で行うことも可能であるが、適当
な有機溶媒の存在下で行うのが一般式(II)で示される
化合物の収率が良好となる点で好ましい。有機溶媒とし
てはベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラ
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、塩化メチレン、ク
ロロホルム、N−メチルピロリドン等を使用することが
好ましい。反応は通常約100℃から300℃の範囲内の温度
で実施される。ジシクロペンタジエンを用いる場合に
は、ジシクロペンタジエンのシクロペンタジエンへの熱
分解を容易にするために通常160℃以上の温度で反応を
行うのが望ましい。反応時間は約10分間ないし100時
間、好ましくは約30分間ないし30時間の範囲内である。
このようにして得られた一般式(II)で示される化合
物を水素添加反応に付すことにより一般式(I−1)で
示される化合物が製造される。水素添加反応は水素ガス
の存在下、通常は適当な触媒の共存下で実施される。触
媒としては水素添加反応に一般に使用される触媒が使用
されるが、例えば、還元ニツケル触媒、ラネーニツケル
触媒、コバルト触媒、鉄触媒、銅触媒、銅−クロム触
媒、白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒、ルテニ
ウム触媒、イリジウム触媒、レニウム触媒等を挙げるこ
とができる。これらの触媒は均一系または不均一系のい
ずれでもよい。触媒は一般式(II)で示される化合物に
対して0.001−10重量%の範囲内の量で使用される。水
素ガスの圧力としては1気圧から300気圧、好ましくは
1気圧から100気圧の範囲内である。反応温度としては
室温から300℃、好ましくは室温から200℃の範囲内であ
る。反応時間は1分間から50時間の範囲以内から選ばれ
る。なお、水素ガスの圧力、反応温度および反応時間は
使用する触媒の種類に応じて上記の範囲内から適宜選ば
れる。水素添加反応は溶媒の不存在下で行うことも可能
であるが、通常は適当な有機溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、テト
ラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、およ
び生成物である一般式(I−1)で示される化合物等を
使用することができる。反応は攪拌槽型反応器、気泡塔
型反応器、充填塔型反応器等の一般の水素添加反応に用
いられる任意の形状の反応器を用いることができる。
物を水素添加反応に付すことにより一般式(I−1)で
示される化合物が製造される。水素添加反応は水素ガス
の存在下、通常は適当な触媒の共存下で実施される。触
媒としては水素添加反応に一般に使用される触媒が使用
されるが、例えば、還元ニツケル触媒、ラネーニツケル
触媒、コバルト触媒、鉄触媒、銅触媒、銅−クロム触
媒、白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒、ルテニ
ウム触媒、イリジウム触媒、レニウム触媒等を挙げるこ
とができる。これらの触媒は均一系または不均一系のい
ずれでもよい。触媒は一般式(II)で示される化合物に
対して0.001−10重量%の範囲内の量で使用される。水
素ガスの圧力としては1気圧から300気圧、好ましくは
1気圧から100気圧の範囲内である。反応温度としては
室温から300℃、好ましくは室温から200℃の範囲内であ
る。反応時間は1分間から50時間の範囲以内から選ばれ
る。なお、水素ガスの圧力、反応温度および反応時間は
使用する触媒の種類に応じて上記の範囲内から適宜選ば
れる。水素添加反応は溶媒の不存在下で行うことも可能
であるが、通常は適当な有機溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、テト
ラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、およ
び生成物である一般式(I−1)で示される化合物等を
使用することができる。反応は攪拌槽型反応器、気泡塔
型反応器、充填塔型反応器等の一般の水素添加反応に用
いられる任意の形状の反応器を用いることができる。
一般式(III)においてR11およびR21がともにアシル
基である化合物を用いて一般式(I−2)においてR1お
よびR2がともに水素原子である化合物、すなわち、ペル
ヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノ
ールを製造する場合には、一般式(I−1)においてR
12およびR22がともにアシル基である化合物を製造した
のち、該一般式(I−1)で示される化合物を加水分解
反応に付することにより製造することができるほか、一
般式(II)においてR11およびR21がともにアシル基であ
る化合物を製造し、該一般式(II)で示される化合物を
加水分解反応に付することにより一般式(I−1)にお
いてR12およびR22がともに水素原子である化合物に変換
したのち、該一般式(I−1)で示される化合物を水素
添加反応に付することにより製造することも可能であ
る。
基である化合物を用いて一般式(I−2)においてR1お
よびR2がともに水素原子である化合物、すなわち、ペル
ヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノ
ールを製造する場合には、一般式(I−1)においてR
12およびR22がともにアシル基である化合物を製造した
のち、該一般式(I−1)で示される化合物を加水分解
反応に付することにより製造することができるほか、一
般式(II)においてR11およびR21がともにアシル基であ
る化合物を製造し、該一般式(II)で示される化合物を
加水分解反応に付することにより一般式(I−1)にお
いてR12およびR22がともに水素原子である化合物に変換
したのち、該一般式(I−1)で示される化合物を水素
添加反応に付することにより製造することも可能であ
る。
一般式(III)で示される2−ブテン−1,4−ジオール
ジカルボキシレートは、例えば、パラジウム触媒の存
在下にブタジエン、低級カルボン酸および酸素を反応さ
せることにより容易に製造できる(特公昭52−12172号
公報参照)。2−ブテン−1,4−ジオールは2−ブテン
−1,4−ジオール ジカルボキシレートを加水分解する
ことにより製造することができ、またアセチレンとホル
マリンとからレツペ反応により製造することもできる。
なお、2−ブテン−1,4−ジオールから2−ブテン−1,4
−ジオール ジカルボキシレートを製造することも可能
である。
ジカルボキシレートは、例えば、パラジウム触媒の存
在下にブタジエン、低級カルボン酸および酸素を反応さ
せることにより容易に製造できる(特公昭52−12172号
公報参照)。2−ブテン−1,4−ジオールは2−ブテン
−1,4−ジオール ジカルボキシレートを加水分解する
ことにより製造することができ、またアセチレンとホル
マリンとからレツペ反応により製造することもできる。
なお、2−ブテン−1,4−ジオールから2−ブテン−1,4
−ジオール ジカルボキシレートを製造することも可能
である。
本発明の製造方法によれば、前記の従来法によるジエ
ステル化合物の高温かつ高圧水素下での還元反応を経ず
に温和な条件下でペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフ
タレン−2,3−ジメタノールまたはそのジカルボキシレ
ートを高収率で製造することが可能である。
ステル化合物の高温かつ高圧水素下での還元反応を経ず
に温和な条件下でペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフ
タレン−2,3−ジメタノールまたはそのジカルボキシレ
ートを高収率で製造することが可能である。
本発明の方法により得られる一般式(I−2)で示さ
れる化合物は公知の方法に従つて各種の構造材料、機能
材料として有用なポリエステル、ポリカーボネートまた
はポリエステルカーボネートに容易に誘導することがで
きる。
れる化合物は公知の方法に従つて各種の構造材料、機能
材料として有用なポリエステル、ポリカーボネートまた
はポリエステルカーボネートに容易に誘導することがで
きる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではな
い。なお、1H−NMRスペクトルは重クロロホルム中で測
定し求めたものである。
発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではな
い。なお、1H−NMRスペクトルは重クロロホルム中で測
定し求めたものである。
実施例1 電磁攪拌装置を備えた内容1のオートクレーブにト
ランス−2−ブテン−1,4−ジオール ジアセテート120
g、ジシクロペンタジエン60gおよびキシレン300gを仕込
み、窒素ガスで系内を置換した。次いで、オートクレー
ブの内温を220℃に昇温し、同温度で攪拌下に3時間反
応させた。次に、定量ポンプを用いてジシクロペンタジ
エン60gをオートクレーブに供給した。さらに同温度で
3時間攪拌を続けた。反応終了後、反応混合液を減圧蒸
留に付することにより、沸点200℃/5mmHg以上の留分を1
12g得た。マススペクトルおよび1H−NMRによる分析の結
果、この留分は1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノ
ール ジアセテートであることが確かめられた。なお、
1H−NMRスペクトルは次のとおりであつた。
ランス−2−ブテン−1,4−ジオール ジアセテート120
g、ジシクロペンタジエン60gおよびキシレン300gを仕込
み、窒素ガスで系内を置換した。次いで、オートクレー
ブの内温を220℃に昇温し、同温度で攪拌下に3時間反
応させた。次に、定量ポンプを用いてジシクロペンタジ
エン60gをオートクレーブに供給した。さらに同温度で
3時間攪拌を続けた。反応終了後、反応混合液を減圧蒸
留に付することにより、沸点200℃/5mmHg以上の留分を1
12g得た。マススペクトルおよび1H−NMRによる分析の結
果、この留分は1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノ
ール ジアセテートであることが確かめられた。なお、
1H−NMRスペクトルは次のとおりであつた。
0.9ppm〜2.3ppm:18H 3.7ppm〜4.2ppm: 4H (酸素原子に結合したメチレン基のプロトン) 6.0ppm:2H (二重結合のプロトン) 上記と同じ内容1のオートクレーブに、1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテート40g、
メタノール400mlおよび5%のパラジウムを担持した活
性炭触媒1gを仕込み、系内を水素ガスで充分置換したの
ち、水素ガスを30気圧仕込み、100℃で2時間攪拌し
た。冷却後、反応液を取出し、触媒を濾別したのち、メ
タノールを除去した。残渣をアセトンより再結晶するこ
とにより、白色結晶39gを得た。得られた結晶の1H−NMR
スペクトルは次のとおりであり、該結晶はペルヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタ
ノール ジアセテートであることが確かめられた。
a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレ
ン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテート40g、
メタノール400mlおよび5%のパラジウムを担持した活
性炭触媒1gを仕込み、系内を水素ガスで充分置換したの
ち、水素ガスを30気圧仕込み、100℃で2時間攪拌し
た。冷却後、反応液を取出し、触媒を濾別したのち、メ
タノールを除去した。残渣をアセトンより再結晶するこ
とにより、白色結晶39gを得た。得られた結晶の1H−NMR
スペクトルは次のとおりであり、該結晶はペルヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−ジメタ
ノール ジアセテートであることが確かめられた。
0.8〜2.3ppm:22H 3.7〜4.3ppm: 4H (酸素原子に結合したメチレン基のプロトン) 実施例2 攪拌装置および還流冷却器を備えた内容500lの三つ口
フラスコに実施例1におけると同様の方法で得たペルヒ
ドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−
ジメタノール ジアセテート20g、メタノール300mlおよ
び5%水酸化ナトリウム水溶液120mlを仕込み、3時間
還流下に反応させた。エバポレータを用いて約240mlの
メタノールを留去したのち、エーテル抽出および濃縮に
より13gの白色粉末を得た。マススペクトルによる分析
の結果、この粉末はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノールであることが
確かめられた。なお、このものの1H−NMRスペクトルは
次のとおりであつた。
フラスコに実施例1におけると同様の方法で得たペルヒ
ドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−トランス−2,3−
ジメタノール ジアセテート20g、メタノール300mlおよ
び5%水酸化ナトリウム水溶液120mlを仕込み、3時間
還流下に反応させた。エバポレータを用いて約240mlの
メタノールを留去したのち、エーテル抽出および濃縮に
より13gの白色粉末を得た。マススペクトルによる分析
の結果、この粉末はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノールであることが
確かめられた。なお、このものの1H−NMRスペクトルは
次のとおりであつた。
0.8〜2.0ppm:12H 2.0〜2.3ppm: 4H (ノルボルナン骨格橋頭位のプロトン) 3.0〜3.8ppm: 6H (酸素原子に結合したメチレン基のプロトンおよび水酸
基のプロトン) 実施例3 実施例2においてペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテー
ト20gの代りに実施例1におけると同様の方法で得た1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテー
ト20gを用いた以外は同様な操作により加水分解を行つ
た。得られた粉末14gを用いて実施例1におけると同様
にして水素添加反応を行つた。冷却後、反応液を取出
し、触媒を濾別したのち、メタノールを除去した。残渣
をエタノールにより再結晶することにより、白色結晶12
gを得た。マススペクトルおよび1H−NMRスペクトルによ
る分析の結果、該結晶はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタ
ノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノールであるこ
とが確かめられた。
基のプロトン) 実施例3 実施例2においてペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテー
ト20gの代りに実施例1におけると同様の方法で得た1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−トランス−2,3−ジメタノール ジアセテー
ト20gを用いた以外は同様な操作により加水分解を行つ
た。得られた粉末14gを用いて実施例1におけると同様
にして水素添加反応を行つた。冷却後、反応液を取出
し、触媒を濾別したのち、メタノールを除去した。残渣
をエタノールにより再結晶することにより、白色結晶12
gを得た。マススペクトルおよび1H−NMRスペクトルによ
る分析の結果、該結晶はペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタ
ノナフタレン−トランス−2,3−ジメタノールであるこ
とが確かめられた。
本発明の方法によれば、温和な条件下でペルヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールまた
はそのジカルボキシレートが高収率で製造できる。本発
明によれば、従来提案されている方法に比べて工業的に
有利なペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3
−ジメタノールまたはそのジカルボキシレートの製造方
法が提供される。
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールまた
はそのジカルボキシレートが高収率で製造できる。本発
明によれば、従来提案されている方法に比べて工業的に
有利なペルヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3
−ジメタノールまたはそのジカルボキシレートの製造方
法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 33/05 9155−4H C07C 33/05 B
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式(III) R11OCH2CH=CHCH2OR21(III) (式中、R11およびR21はそれぞれ水素原子またはアシル
基を表す。) で示される化合物とシクロペンタジエンまたはジシクロ
ペンタジエンを反応させ、得られた下記一般式(II) (式中、R11およびR21は上記に定義したとおりであ
る。) で示される化合物を水素添加反応に付するか、または該
一般式(II)で示される化合物を加水分解反応に付した
のち、その加水分解物を水素添加反応に付し、得られた
下記一般式(I−1) (式中、R12およびR22はそれぞれR11またはR21と同一ま
たは異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物を必要に応じて加水分解反応に付する
ことを特徴とする下記一般式(I−2) (式中、R1およびR2はそれぞれR12またはR22と同一また
は異なり、水素原子またはアシル基を表す。) で示される化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1189561A JP2721550B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 縮合環含有化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1189561A JP2721550B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 縮合環含有化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0356429A JPH0356429A (ja) | 1991-03-12 |
JP2721550B2 true JP2721550B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=16243393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1189561A Expired - Lifetime JP2721550B2 (ja) | 1989-07-21 | 1989-07-21 | 縮合環含有化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2721550B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0011202D0 (en) * | 2000-05-09 | 2000-06-28 | Kci Licensing Inc | Abdominal wound dressing |
US8551075B2 (en) | 2006-06-02 | 2013-10-08 | Kci Medical Resources | Assemblies, systems, and methods for vacuum assisted internal drainage during wound healing |
-
1989
- 1989-07-21 JP JP1189561A patent/JP2721550B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0356429A (ja) | 1991-03-12 |
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