JP2508155B2 - 4−ビフェニル酢酸の製造法 - Google Patents
4−ビフェニル酢酸の製造法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は4−ビフェニルアルデヒドより4−ビフェニ
ル酢酸を製造する方法に関する。
ル酢酸を製造する方法に関する。
4−ビフェニル酢酸は、インドメタシンとほぼ同等の
優れた鎮痛消炎作用を有し、鎮痛消炎剤として用いられ
る。また経皮吸収性に優れ且つ鎮痛消炎作用を持つヘキ
シルエステル及び2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)
エチルエステル〔ジエチレングリコールモノエステル〕
等の原料として有用である。
優れた鎮痛消炎作用を有し、鎮痛消炎剤として用いられ
る。また経皮吸収性に優れ且つ鎮痛消炎作用を持つヘキ
シルエステル及び2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)
エチルエステル〔ジエチレングリコールモノエステル〕
等の原料として有用である。
(従来の技術) 従来4−ビフェニル酢酸の製造法としては下記の方法
が知られている。
が知られている。
(1)ビフェニルを原料とし、無水酢酸と塩化アルミニ
ウムによるフリーデルクラフツ反応により4−ビフェニ
ルアセチルとした後、ウイルゲロット反応により4−ビ
フェニル酢酸を製造する方法。
ウムによるフリーデルクラフツ反応により4−ビフェニ
ルアセチルとした後、ウイルゲロット反応により4−ビ
フェニル酢酸を製造する方法。
(2)4−ビフェニルアルデヒドを原料とし、これを還
元・クロル化・ニトリル化・加水分解の各工程に付し4
−ビフェニル酢酸を製造する方法。
元・クロル化・ニトリル化・加水分解の各工程に付し4
−ビフェニル酢酸を製造する方法。
(3)4−ビフェニルアルデヒドをクロル酢酸エチルと
反応させ、アルカリ処理・塩酸処理をして4−ビフェニ
ルプロピオンアルデヒドとした後、酸化して4−ビフェ
ニル酢酸を製造する方法。
反応させ、アルカリ処理・塩酸処理をして4−ビフェニ
ルプロピオンアルデヒドとした後、酸化して4−ビフェ
ニル酢酸を製造する方法。
また芳香族アルデヒドから芳香族酢酸を製造する方法
として次の例がある。
として次の例がある。
(4)酸化ロジウムとヨウ素からなる触媒の存在下に一
酸化炭素と水素の混合ガスを用い、ベンズアルデヒドか
らフェニル酢酸とする方法(特開昭52-136133号)。
酸化炭素と水素の混合ガスを用い、ベンズアルデヒドか
らフェニル酢酸とする方法(特開昭52-136133号)。
(5)周期律表第VIII族貴金属化合物、臭素、ヨウ素あ
るいはこれらのハロゲン化合物、および銅または銀化合
物からなる三元系触媒の存在下に、一酸化炭素及び水を
用い,芳香族アルデヒドを芳香族酢酸とする方法(特開
昭53-56633号)。
るいはこれらのハロゲン化合物、および銅または銀化合
物からなる三元系触媒の存在下に、一酸化炭素及び水を
用い,芳香族アルデヒドを芳香族酢酸とする方法(特開
昭53-56633号)。
(6)p−トルアルデヒドをロジウムもしくはロジウム
化合物及びヨウ化水素からなる触媒の存在下に一酸化炭
素及び水と反応させ、p−メチルフェニル酢酸とする方
法(特開昭56-75444号)。
化合物及びヨウ化水素からなる触媒の存在下に一酸化炭
素及び水と反応させ、p−メチルフェニル酢酸とする方
法(特開昭56-75444号)。
(発明が解決しようとする問題点) 前述の従来技術においては次のような問題点がある。
(1)の方法では、製造に必要な各ステップの処理操
作に長時間を要し、またイオウ化合物を中間体として経
由するために異臭の発生とともに副生成物が多量に生成
するので、目的とする4−ビフェニル酢酸を純度良く製
造するには繁雑な精製操作が必要であり、しかも最終的
な収率も低い。
作に長時間を要し、またイオウ化合物を中間体として経
由するために異臭の発生とともに副生成物が多量に生成
するので、目的とする4−ビフェニル酢酸を純度良く製
造するには繁雑な精製操作が必要であり、しかも最終的
な収率も低い。
(2)の方法では、工程数が多いために収率の低下を
招き、しかも猛毒であるシアン化ナトリウムを使用する
ことも加えて工業的な製造法には不適当である。
招き、しかも猛毒であるシアン化ナトリウムを使用する
ことも加えて工業的な製造法には不適当である。
(3)の方法では、反応条件がそれほど苛酷でないた
めに処理操作が容易であるが、工程が長く、4−ビフェ
ニルアルデヒドとクロル酢酸エチルとの縮合反応におけ
る収率それほど良くなく、加えて副生成物の生成が多く
みられ、繁雑な精製工程が必要である。
めに処理操作が容易であるが、工程が長く、4−ビフェ
ニルアルデヒドとクロル酢酸エチルとの縮合反応におけ
る収率それほど良くなく、加えて副生成物の生成が多く
みられ、繁雑な精製工程が必要である。
(4)の方法は、高沸点生成物が副生しフェニル酢酸
の収率が低い。
の収率が低い。
(5)の方法は、生成物や触媒の取扱が極めて煩雑で
ある。
ある。
(6)の方法により4−ビフェニルアルデヒドを原料
として4−ビフェニル酢酸を製造する方法は、上記のよ
うな問題点がないので有利であるが、この方法では、触
媒量が多ければ副反応生成物の4−メチルビフェニルが
生成するため選択率が低下し、また触媒量が少なけれ
ば、4−ビフェニルアルデヒドの反応率が低下するため
に、収率を上げられないことが問題点としてあげられ
る。
として4−ビフェニル酢酸を製造する方法は、上記のよ
うな問題点がないので有利であるが、この方法では、触
媒量が多ければ副反応生成物の4−メチルビフェニルが
生成するため選択率が低下し、また触媒量が少なけれ
ば、4−ビフェニルアルデヒドの反応率が低下するため
に、収率を上げられないことが問題点としてあげられ
る。
また(4)−(6)の方法では、ロジウム等の高価な
貴金属を触媒として使用するため、触媒コストがかさむ
ことがプロセスにとって致命的である。
貴金属を触媒として使用するため、触媒コストがかさむ
ことがプロセスにとって致命的である。
(問題点を解決するための手段) 発明者等は以上のごとき問題点を有する4−ビフェニ
ル酢酸の製造に関し鋭意検討した結果、4−ビフェニル
アルデヒドを水素添加し、得られた4−ビフェニルメタ
ノールをニッケル化合物、ホスフィン、ヨウ素化合物あ
るいは臭素化合物から構成される触媒存在下で一酸化炭
素と反応させることにより、高価な貴金属類を用いなく
ても収率良く4−ビフェニル酢酸を製造できることを見
出し、本発明に至った。
ル酢酸の製造に関し鋭意検討した結果、4−ビフェニル
アルデヒドを水素添加し、得られた4−ビフェニルメタ
ノールをニッケル化合物、ホスフィン、ヨウ素化合物あ
るいは臭素化合物から構成される触媒存在下で一酸化炭
素と反応させることにより、高価な貴金属類を用いなく
ても収率良く4−ビフェニル酢酸を製造できることを見
出し、本発明に至った。
即ち本発明は4−ビフェニルアルデヒドを水素添加
し、得られた4−ビフェニルメタノールをニッケル化合
物、ホスフィン、ヨウ素化合物あるいは臭素化合物から
構成される触媒の存在下、一酸化炭素と反応させること
を特徴とする4−ビフェニル酢酸の製造法である。
し、得られた4−ビフェニルメタノールをニッケル化合
物、ホスフィン、ヨウ素化合物あるいは臭素化合物から
構成される触媒の存在下、一酸化炭素と反応させること
を特徴とする4−ビフェニル酢酸の製造法である。
本発明における原料の4−ビフェニルアルデヒドは、
公知の方法により強酸触媒下でビフェニルと一酸化炭素
から容易に製造される。
公知の方法により強酸触媒下でビフェニルと一酸化炭素
から容易に製造される。
4−ビフェニルアルデヒドから上記触媒系を用いて一
酸化炭素、水素と反応させることにより、一段で4−ビ
フェニル酢酸を合成できるが、4−メチルビフェニルの
生成速度が速いために4−ビフェニル酢酸の収率はかな
り低い。
酸化炭素、水素と反応させることにより、一段で4−ビ
フェニル酢酸を合成できるが、4−メチルビフェニルの
生成速度が速いために4−ビフェニル酢酸の収率はかな
り低い。
なお、他の周期律表第VIII属卑金属であるコバルト・
鉄化合物触媒系では4−ビフェニル酢酸はほとんど合成
できない。
鉄化合物触媒系では4−ビフェニル酢酸はほとんど合成
できない。
まず4−ビフェニルアルデヒドを水素添加して4−ビ
フェニルメタノールを合成する反応の反応条件について
以下に述べる。
フェニルメタノールを合成する反応の反応条件について
以下に述べる。
水素添加反応は、Rt,Rh,Ru,Pd,Re,Ni,Co,Cu-Cr等の触
媒を用いて通常行なわれる。実際の触媒としては、酸化
白金、ロジウム/カーボン、ルテニウム/カーボン、ル
テニウム/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウ
ム/アルミナ、酸化レニウム、ラネーニッケル、ニッケ
ル/ケイソウ土、ラネーコバルト,銅クロマイトなどが
用いられる。貴金属触媒を用いても水素添加は行なえる
が、Ni,Co,Cu等の卑金属触媒で充分である。また触媒は
不均一触媒だけでなく、均一触媒でも良い。
媒を用いて通常行なわれる。実際の触媒としては、酸化
白金、ロジウム/カーボン、ルテニウム/カーボン、ル
テニウム/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウ
ム/アルミナ、酸化レニウム、ラネーニッケル、ニッケ
ル/ケイソウ土、ラネーコバルト,銅クロマイトなどが
用いられる。貴金属触媒を用いても水素添加は行なえる
が、Ni,Co,Cu等の卑金属触媒で充分である。また触媒は
不均一触媒だけでなく、均一触媒でも良い。
触媒の使用量は4−ビフェニルアルデヒドに対する重
量比で1〜50%であり、好ましくは5〜20%である。触
媒量を50%より多く用いても差し支えないが、反応速度
の上昇が無くなるので経済的で無く、1%より少ないと
反応速度が低い。
量比で1〜50%であり、好ましくは5〜20%である。触
媒量を50%より多く用いても差し支えないが、反応速度
の上昇が無くなるので経済的で無く、1%より少ないと
反応速度が低い。
反応温度は10〜300℃であり、好ましくは30〜150℃で
ある。温度が低過ぎると反応が進行せず、高過ぎると4
−メチルビフェニル等の副生成物が増加する。
ある。温度が低過ぎると反応が進行せず、高過ぎると4
−メチルビフェニル等の副生成物が増加する。
圧力は1〜500Kg/cm2、好ましくは5〜200Kg/cm2の水
素分圧下で行なう。500Kg/cm2よりも高い場合は実用的
で無く,また1Kg/cm2より低い場合は反応速度が遅い。
なお水素添加反応に用いる水素には、窒素、メタン等の
不活性ガスが混合されていてもかまわない。
素分圧下で行なう。500Kg/cm2よりも高い場合は実用的
で無く,また1Kg/cm2より低い場合は反応速度が遅い。
なお水素添加反応に用いる水素には、窒素、メタン等の
不活性ガスが混合されていてもかまわない。
反応時間は、触媒量、温度及び圧力によるが、通常は
0.3〜20時間であり、好ましくは0.3〜5時間である。
0.3〜20時間であり、好ましくは0.3〜5時間である。
この反応は溶媒を用いずに行なうこともできるが、反
応を円滑に実施するためにには適切な溶媒を使用するこ
とが好ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、オクタンなどの炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、
酢酸、酪酸などの有機酸類及び水などが用いられる。溶
媒の使用量は,4−ビフェニルアルデヒド1g当たり100ml
未満である。100ml以上であると反応器も大きくなるの
で経済的で無い。
応を円滑に実施するためにには適切な溶媒を使用するこ
とが好ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、オクタンなどの炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、
酢酸、酪酸などの有機酸類及び水などが用いられる。溶
媒の使用量は,4−ビフェニルアルデヒド1g当たり100ml
未満である。100ml以上であると反応器も大きくなるの
で経済的で無い。
次に4−ビフェニルメタノールから4−ビフェニル酢
酸を合成する反応の条件について述べる。
酸を合成する反応の条件について述べる。
触媒のニッケル化合物には、反応に際してカルボニル
化合物を形成する化合物が用いられ、例えばニッケル金
属、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫
酸ニッケル、酢酸ニッケル、酸化ニッケル、ニッケロセ
ン、ジカルボニルビストリフェニルホスフィンニッケル
などである。
化合物を形成する化合物が用いられ、例えばニッケル金
属、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫
酸ニッケル、酢酸ニッケル、酸化ニッケル、ニッケロセ
ン、ジカルボニルビストリフェニルホスフィンニッケル
などである。
また触媒に用いられるホスフィンには、トリフェニル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチル
ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベン
ジルホスフィン、ビス−1,4−ジフェニルホスフィノブ
タン等がある。
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−ブチル
ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベン
ジルホスフィン、ビス−1,4−ジフェニルホスフィノブ
タン等がある。
ヨウ素化合物としては、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化
ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ
メチルホスホニウム等が用いられる。
ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ
メチルホスホニウム等が用いられる。
臭素化合物としては、臭素、臭化水素、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化メチル、臭化エチル、臭化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルホスホニウム
等が用いられる。
ム、臭化カリウム、臭化メチル、臭化エチル、臭化テト
ラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルホスホニウム
等が用いられる。
触媒のニッケル化合物の使用量は、4−ビフェニルメ
タノールに対するモル比で10-5〜1、好ましくは10-3〜
10-1である。1より多くても差し支えないが経済的で無
く、10-5よりも少ない場合は反応速度が低い。
タノールに対するモル比で10-5〜1、好ましくは10-3〜
10-1である。1より多くても差し支えないが経済的で無
く、10-5よりも少ない場合は反応速度が低い。
ホスフィンの使用量は、ニッケル化合物に対するモル
比で0.1〜10、好ましくは1〜5である。10より多い場
合は経済的で無く、0.1より少ないと4−ビフェニル酢
酸の収率および選択率が低下する。
比で0.1〜10、好ましくは1〜5である。10より多い場
合は経済的で無く、0.1より少ないと4−ビフェニル酢
酸の収率および選択率が低下する。
ヨウ素化合物及び臭素化合物の使用量はニッケル化合
物に対するモル比で0.1〜100、好ましくは1〜20であ
る。100より多くても差し支えないが経済的で無く、0.1
よりも少ない場合は反応速度が低下する。
物に対するモル比で0.1〜100、好ましくは1〜20であ
る。100より多くても差し支えないが経済的で無く、0.1
よりも少ない場合は反応速度が低下する。
反応は溶媒が無くても良いが、通常溶媒中で行なう。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、オクタ
ンなどの炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチル、酢
酸エチルなどのエステル類、酢酸、酪酸などの有機酸類
などが用いられる。溶媒の使用量は、4−ビフェニルメ
タノール1g当たり100ml未満である。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、オクタ
ンなどの炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチル、酢
酸エチルなどのエステル類、酢酸、酪酸などの有機酸類
などが用いられる。溶媒の使用量は、4−ビフェニルメ
タノール1g当たり100ml未満である。
4−ビフェニル酢酸合成反応の温度は、50〜300℃、
好ましくは150〜250℃である。温度が低過ぎると反応が
進行せず,高過ぎると副生成物が増加する。
好ましくは150〜250℃である。温度が低過ぎると反応が
進行せず,高過ぎると副生成物が増加する。
反応圧力は、5〜500Kg/cm2、好ましくは10〜200Kg/c
m2の一酸化炭素分圧下で行なう。500Kg/cm2より高い一
酸化炭素分圧は実用的でなく、5Kg/cm2より低い一酸化
炭素分圧では4−ビフェニル酢酸の収率が低い。なお一
酸化炭素には窒素,メタンなどの不活性ガスが混合され
ていてもかまわない。
m2の一酸化炭素分圧下で行なう。500Kg/cm2より高い一
酸化炭素分圧は実用的でなく、5Kg/cm2より低い一酸化
炭素分圧では4−ビフェニル酢酸の収率が低い。なお一
酸化炭素には窒素,メタンなどの不活性ガスが混合され
ていてもかまわない。
反応時間は触媒量、温度及び圧力によるが、通常は0.
3〜20時間であり、好ましくは0.3〜5時間である。
3〜20時間であり、好ましくは0.3〜5時間である。
本反応は、回分式、連続式のいずれの方法でも実施で
きる。
きる。
生成した4−ビフェニル酢酸は、反応混合物からアル
カリ抽出・ベンゼン再結晶することにより、99.9%以上
の純度に容易に分離精製される。
カリ抽出・ベンゼン再結晶することにより、99.9%以上
の純度に容易に分離精製される。
またこれにより分離された触媒は、そのまま再使用す
ることができる。
ることができる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、猛毒であるシアン化ナトリウ
ム等を使用することが無く、またロジウム等の高価な貴
金属を特に用いる必要も無しに、高収率に4−ビフェニ
ル酢酸が得られる。
ム等を使用することが無く、またロジウム等の高価な貴
金属を特に用いる必要も無しに、高収率に4−ビフェニ
ル酢酸が得られる。
また本発明においては、反応生成物からの4−ビフェ
ニル酢酸の分離、精製が容易であり、分離された触媒を
そのまま使用することができる。
ニル酢酸の分離、精製が容易であり、分離された触媒を
そのまま使用することができる。
以上の点より本発明は、工業的に非常に有利な4−ビ
フェニル酢酸の製造法である。
フェニル酢酸の製造法である。
(実施例) 次に実施例により本発明を具体的に説明する。しかし
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
実施例において生成物の同定及び定量は1HNMRおよび
液体クロマトグラフィーにより行なった。
液体クロマトグラフィーにより行なった。
各成分の選択率は次式により算出した。
実施例1 内容積100mlのハステロイC製振盪式オートクレーブ
に4−ビフェニルアルデヒド2.0g、5%Ru−カーボン0.
2g、エタノール8g、水2gを仕込み、水素を5Kg/cm2とな
るように圧入して60℃で2時間反応させた。反応後オー
トクレーブを冷却し、残留ガスをパージして液体クロマ
トグラフィーにより内部標準法で分析した。
に4−ビフェニルアルデヒド2.0g、5%Ru−カーボン0.
2g、エタノール8g、水2gを仕込み、水素を5Kg/cm2とな
るように圧入して60℃で2時間反応させた。反応後オー
トクレーブを冷却し、残留ガスをパージして液体クロマ
トグラフィーにより内部標準法で分析した。
この結果、4−ビフェニルアルデヒドの反応率は98.8
%であり、4−ビフェニルメタノールの選択率は99.4%
であった。
%であり、4−ビフェニルメタノールの選択率は99.4%
であった。
次にベンゼンからの再結晶により、4−ビフェニルメ
タノールを分離、精製した。
タノールを分離、精製した。
上記オートクレーブに、この4−ビフェニルメタノー
ル2.0g、ジカルボニルビストリフェニルホスフィンニッ
ケル0.35g、ヨウ化メチル0.77g、溶媒ベンゼン10gを仕
込み,一酸化炭素を分圧が50Kg/cm2となるように圧入し
て200℃で2時間反応させた。反応後オートクレーブを
冷却し、残留ガスをパージして液体クロマトグラフィー
により内部標準法で分析した。その結果、4−ビフェニ
ルメタノールの反応率は99.8%であり、4−ビフェニル
酢酸の選択率は91.5%であった。
ル2.0g、ジカルボニルビストリフェニルホスフィンニッ
ケル0.35g、ヨウ化メチル0.77g、溶媒ベンゼン10gを仕
込み,一酸化炭素を分圧が50Kg/cm2となるように圧入し
て200℃で2時間反応させた。反応後オートクレーブを
冷却し、残留ガスをパージして液体クロマトグラフィー
により内部標準法で分析した。その結果、4−ビフェニ
ルメタノールの反応率は99.8%であり、4−ビフェニル
酢酸の選択率は91.5%であった。
実施例2 内容積100mlのハステロイC製振盪式オートクレーブ
に実施例1と同様に分離、精製した4−ビフェニルメタ
ノール2.0g、ヨウ化ニッケル0.23g、トリフェニルホス
フィン0.29g、ヨウ化メチル0.62g、溶媒ベンゼン10gを
仕込み、一酸化炭素を分圧が50Kg/cm2となるように圧入
して200℃で2時間反応させた。反応後オートクレーブ
を冷却し、残留ガスをパージして液体クロマトグラフィ
ーにより内部標準法で分析した。
に実施例1と同様に分離、精製した4−ビフェニルメタ
ノール2.0g、ヨウ化ニッケル0.23g、トリフェニルホス
フィン0.29g、ヨウ化メチル0.62g、溶媒ベンゼン10gを
仕込み、一酸化炭素を分圧が50Kg/cm2となるように圧入
して200℃で2時間反応させた。反応後オートクレーブ
を冷却し、残留ガスをパージして液体クロマトグラフィ
ーにより内部標準法で分析した。
その結果、4−ビフェニルメタノールの反応率は99.7
%であり、4−ビフェニル酢酸の選択率は90.8%であっ
た。
%であり、4−ビフェニル酢酸の選択率は90.8%であっ
た。
実施例3〜5 ホスフィンとして実施例2のトリフェニルホスフィン
の代わりに、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン、ビス1,4−ジフェニルホスフィノ
ブタンを使用した以外は実施例2と全く同様の操作を行
なった。結果を第1表に示す。
の代わりに、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロ
ヘキシルホスフィン、ビス1,4−ジフェニルホスフィノ
ブタンを使用した以外は実施例2と全く同様の操作を行
なった。結果を第1表に示す。
実施例6〜7 実施例2の仕込み一酸化炭素分圧50Kg/cm2を、20Kg/c
m2および200Kg/cm2とした他は、実施例3と全く同様の
操作を行なった。その結果を第2表に示す。
m2および200Kg/cm2とした他は、実施例3と全く同様の
操作を行なった。その結果を第2表に示す。
比較例1 内容積100mlのハステロイC製振盪式オートクレーブ
に4−ビフェニルアルデヒド2.0g、ジカルボニルビスト
リフェニルホスフィンニッケル0.347g、ヨウ化メチル0.
77g、溶媒ベンゼン10gを仕込み、一酸化炭素50Kg/cm2、
水素10Kg/cm2の分圧となるようにガスを圧入し、水素添
加と4−ビフェニル酢酸の合成を一段で、230℃におい
て2時間反応させた。反応後オートクレーブを冷却し、
残留ガスをパージして液体クロマトグラフィーにより内
部標準法で分析した。
に4−ビフェニルアルデヒド2.0g、ジカルボニルビスト
リフェニルホスフィンニッケル0.347g、ヨウ化メチル0.
77g、溶媒ベンゼン10gを仕込み、一酸化炭素50Kg/cm2、
水素10Kg/cm2の分圧となるようにガスを圧入し、水素添
加と4−ビフェニル酢酸の合成を一段で、230℃におい
て2時間反応させた。反応後オートクレーブを冷却し、
残留ガスをパージして液体クロマトグラフィーにより内
部標準法で分析した。
その結果、4−ビフェニルアルデヒド反応率68.5%に
おいて,4−ビフェニル酢酸選択率9.1%、4−メチルビ
フェニル選択率87.2%であった。
おいて,4−ビフェニル酢酸選択率9.1%、4−メチルビ
フェニル選択率87.2%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】4−ビフェニルアルデヒドを水素添加し、
得られた4−ビフェニルメタノールをニッケル化合物、
ホスフィン、ヨウ素化合物あるいは臭素化合物から構成
される触媒の存在下、一酸化炭素と反応させることを特
徴とする4−ビフェニル酢酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289558A JP2508155B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 4−ビフェニル酢酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289558A JP2508155B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 4−ビフェニル酢酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132544A JPH01132544A (ja) | 1989-05-25 |
JP2508155B2 true JP2508155B2 (ja) | 1996-06-19 |
Family
ID=17744790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62289558A Expired - Fee Related JP2508155B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 4−ビフェニル酢酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2508155B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100641825B1 (ko) | 2003-11-05 | 2006-11-02 | 주식회사 코오롱 | 4-바이페닐아세트산의 제조 방법 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100730766B1 (ko) * | 2001-12-06 | 2007-06-22 | 코오롱생명과학 주식회사 | 비페닐아세트산의 신규 제조방법 |
-
1987
- 1987-11-18 JP JP62289558A patent/JP2508155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100641825B1 (ko) | 2003-11-05 | 2006-11-02 | 주식회사 코오롱 | 4-바이페닐아세트산의 제조 방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132544A (ja) | 1989-05-25 |
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