JPH0920724A - 脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの製造方法

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JPH0920724A
JPH0920724A JP7187898A JP18789895A JPH0920724A JP H0920724 A JPH0920724 A JP H0920724A JP 7187898 A JP7187898 A JP 7187898A JP 18789895 A JP18789895 A JP 18789895A JP H0920724 A JPH0920724 A JP H0920724A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルに、触
媒として金属アルコキシド類を作用させ、エステル基が
互いにトランスの立体配置になるように異性化する一般
式3の脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの製造
方法。 (nは0または1を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル
基を示す。) 【効果】 脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルを
工業的に有利な方法により製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂環式トランス−ジカ
ルボン酸ジエステルの製造方法に関する。本発明で得ら
れる脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルは、光学
材料や構造材料として有用なポリエステルのモノマー原
料や添加剤として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来より、脂環式ジカルボ
ン酸や脂環式ジオールなどの脂環構造を有するモノマー
を原料として得られるポリエステルは、透明性、耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性などの物理的、化学的特性に
優れていることが知られている。かかるポリエステル
は、その脂環式骨格が本来もっている特性を生かして、
光ディスク、光カードの基板や液晶表示素子用基板等の
ような各種光学材料や構造材料として極めて有用なポリ
マー素材となる。
【0003】こうした脂環式骨格を有するポリエステル
のモノマー原料としては、特開平3−200830号公
報、特開平5−5026号公報、特開平5−17560
号公報等に記載されているビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン−トランス−2, 3−ジカルボン酸、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカン−トランス−
3, −ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類およびそ
れらのジエステル類、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−トランス−2, 3−ジメタノール、テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカン−トランス−
3, 4−ジメタノール等の脂環式ジオール類が知られて
おり、これらは、下記一般式(3):
【0004】
【化4】
【0005】(式中、nは0または1を示し、Rは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂環式トラ
ンス−ジカルボン酸ジエステル(以下、単にトランス−
ジエステルともいう)から誘導される。かかるトランス
−ジエステルは、一般的に、ジエン化合物であるシクロ
ペンタジエン又はジシクロペンタジエンとジエノファイ
ル化合物である下記一般式(4):
【0006】
【化5】
【0007】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示す。)で表されるフマル酸ジエステルとのディールス
・アルダー反応により製造されており、目的物であるト
ランス−ジエステルは、通常、ディールス・アルダー反
応混合物から減圧蒸留により単離・精製されている。し
かし、この蒸留精製工程において過剰に加熱した場合に
は、トランス−ジエステルが熱分解する。そのため、蒸
留温度は低い方がよく、上記一般式(3)または(4)
中のアルキル基としては炭素数が少ないものを使用する
のが好ましい。一方、アルキル基の炭素数が最も少ない
メチル基の場合には、蒸留精製の際に、未反応物として
の又はトランス−ジエステルの熱分解により生成したフ
マル酸ジメチルが多量に昇華し、蒸留ラインを閉塞して
しまい、目的物のトランス−ジエステルの収率低下をま
ねくばかりでなく、製造工程上の安全性の見地からも大
きな問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述したよ
うな従来の脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの
製造方法における欠点を克服すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、製造が比較的容易な脂環式シス−ジカルボン
酸ジエステルを一旦製造した後、当該シス体を金属アル
コキシドで処理して対応するトランス体に異性化させる
ことにより、高収率かつ容易に脂環式トランス−ジカル
ボン酸ジエステルが得られることを見出した。本発明は
かかる新たな知識に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示す。)で表されるマレイン酸ジエステルとシクロペン
タジエン又はジシクロペンタジエンとを反応させて得ら
れる、一般式(2):
【0012】
【化7】
【0013】(式中、nは0または1を示し、Rは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂環式シス
−ジカルボン酸ジエステルを一旦製造した後、該ジエス
テルに、触媒として金属アルコキシド類を作用させ、エ
ステル基が互いにトランスの立体配置になるように異性
化することを特徴とする、一般式(3):
【0014】
【化8】
【0015】(式中、nは0または1を示し、Rは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂環式トラ
ンス−ジカルボン酸ジエステルの製造方法に関する。
【0016】以下、本発明の前記一般式(3)で表され
る脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルの製造方法
に関して詳細に説明する。
【0017】まず、マレイン酸ジエステルとシクロペン
タジエン又はジシクロペンタジエンとをディールス・ア
ルダー反応させて、一般式(2)で表される脂環式シス
−ジカルボン酸ジエステルを製造する。ディールス・ア
ルダー反応の条件は、特に制限はなく公知のいろいろな
手段を適用できる。例えば、比較的簡便な方法として
は、窒素雰囲気下、約170〜190℃に加熱撹拌した
1モルのマレイン酸ジエステルの中に、約0.5モルの
ジシクロペンタジエンを徐々に滴下しシクロペンタジエ
ンに分解させつつ反応させる方法があげられ、この方法
によればマレイン酸ジメチルとシクロペンタジエンの
1:1付加体(一般式(2)において、nが0、Rがメ
チル基の脂環式シス−ジカルボン酸ジメチル)が得ら
れ、該付加体は減圧蒸留により容易に単離精製できる。
また、マレイン酸ジメチル1モルに対してジシクロペン
タジエン1モルを用いて同様に反応を行えば、1:2付
加体(一般式(2)において、nが1、Rがメチル基の
脂環式シス−ジカルボン酸ジメチル)が主生成物として
得られ、該付加体も減圧蒸留によって容易に単離精製で
きる。なお、反応装置、反応温度、反応時間、蒸留温
度、減圧度等の種々の条件は目的生成物に応じて適宜に
公知の最適な手段を採用すればよい。
【0018】通常、上述の方法で得られる脂環式シス−
ジカルボン酸ジエステルは、1:1付加体の場合は約8
5モル%以上、1:2付加体の場合は約50〜65モル
%の収率で得られる。なお、脂環式シス−ジカルボン酸
ジエステルは、1:1付加体、1:2付加体のいずれの
場合にも、エンド体とエキソ体の幾何異性体混合物とし
て得られるが、本発明においては脂環式シス−ジカルボ
ン酸ジエステルの幾何異性体混合物を、次の異性化反応
にそのまま使用しても何ら差し支えない。
【0019】次いで、先に得られた一般式(2)で表さ
れる脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルに、触媒とし
て金属アルコキシド類を作用させることにより、エステ
ル基が互いにトランスの立体配置になるように異性化し
て、一般式(3)で表される脂環式トランス−ジカルボ
ン酸ジエステルを製造する。かかる異性化は、容易に、
しかも高収率で起こる。一般に、カルボニル基のα位に
水素をもつ化合物は、塩基性触媒の存在下で“ケト−エ
ノレ−ト”型の速い平衡をもつことは知られており、本
発明の異性化反応はこのことを応用した手法であるが、
本発明のような多環式脂肪族化合物に置換したジエステ
ル基のシス−トランスの異性化に利用した例はこれまで
見受けられない。なお、本発明者らは前記異性化反応の
触媒として、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のア
ルカリ金属水酸化物やリチウムジイソプロピルアミド
(LDA)等のアルカリ金属アミド類を試みたが、上記
のアルコキシド系触媒と比較すると異性化率が低かった
り、副反応を併発したりして好結果をもたらすことがで
きなかった。
【0020】上記の異性化反応で、触媒として使用する
金属アルコキシド類としては、例えばリチウム、ナトリ
ウムまたはカリウム等のアルカリ金属のメトキシド、エ
トキシド、n−プロポキシド、iso−プロポキシド、
n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブト
キシド、ペントキシド等が挙げられる。これらのアルカ
リ金属アルコキシドは、別途に合成されたものを用いて
もよく、本異性化反応の同じ系内で合成して用いてもよ
い(例えば、異性化反応に用いる溶媒中、または、該反
応に不活性で適当な溶媒中、アルコールとアルカリ金属
もしくはアルカリ金属水素化物と反応させて合成し、そ
のままその溶液を反応に用いる)。また、これらの金属
アルコキシド類は、それぞれ単独で使用してもよく、複
数の該アルコキシドを混合して使用してもよい。金属ア
ルコキシド類の使用量は、特に制限はないが、一般式
(2)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステル
1モルに対して0.05〜0.5モル当量の範囲で使用
するのが好ましい。金属アルコキシド類の使用量が0.
05モル当量より少ない場合は、異性化が起こらない
か、もしくは進行が極めて遅く実用的ではない。また、
0.5モル当量より多いと、金属アルコキシドが強アル
カリ性のためいろいろな副反応を併発する危険性があ
る。
【0021】上記異性化反応は、溶媒が存在しなくても
可能であるが、通常は適当な溶媒を用いる方がよい。使
用する溶媒としては、一般式(2)で表される脂環式シ
ス−ジカルボン酸ジエステルを完全にあるいは部分的に
溶解することができ、反応に不活性であれば特に制限は
ない。かかる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類等の有機溶媒が挙げら
れる。好ましくはテトラヒドロフランやジオキサン等の
エーテル類の非プロトン性の有機溶媒である。また、こ
れらの溶媒は、市販されているものをそのまま使用して
も充分に好結果は得られるが、単蒸留もしくは脱水蒸留
したものを用いるのが好ましい。
【0022】異性化の反応温度は、通常−50〜100
℃、好ましくは−10〜50℃とするのがよい。反応時
間は、上述してきたような条件下では速やかに異性化が
完了するので、通常は3時間以内で充分である。
【0023】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、一般式
(3)で表される脂環式トランス−ジカルボン酸ジエス
テルを工業的に有利な方法により製造できる。すなわ
ち、本発明の製造方法では、ディールス・アルダー反応
におけるジエノファイル化合物にはシス体であるマレイ
ン酸ジエステルを使用するので、トランス体のフマル酸
ジエステルを使用した場合に比べて、シクロペンタジエ
ン又はジシクロペンタジエンとの反応性が良く、上記一
般式(2)で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエス
テルを高収率で得られる。また、得られた一般式(2)
で表される脂環式シス−ジカルボン酸ジエステルの蒸留
精製工程においても、昇華物も生成することなくスムー
ズに該シス−ジエステルを蒸留できるため作業性および
安全性が著しく向上する。また、本発明の製造方法は、
従来の原料ジエノファイルとフマル酸ジエステルとのデ
ィールス・アルダー反応により一般式(3)で表される
脂環式トランス−ジカルボン酸ジエステルを直接製造し
た場合と比較して反応工程数は一つ増えるが、シス体を
トランス体に容易に異性化できるため、従来法に比べて
一般式(3)で表される脂環式トランス−ジカルボン酸
ジエステルの最終的な収率が向上する。
【0024】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが本発明はこれらの実施例のみに何ら限定
されるものではない。
【0025】実施例1 ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−トランス−
2, 3−ジカルボン酸ジメチル(一般式(3)において
nが0、Rがメチル基)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた500m
Lセパラブルフラスコにマレイン酸ジメチル144g
(1.00モル)を仕込み、フラスコ内を窒素で置換
し、195℃に加熱撹拌した。次いで、フラスコ内の温
度を190〜200℃に保ちながら、ジシクロペンタジ
エン72g(0.54モル)を1時間かけて滴下し、さ
らに30分間反応を続けた。反応終了後、この反応混合
物を減圧蒸留し、85〜90℃/0.5mmHgの留分
183gを得た。これを、 1H−NMR及びガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、純度99重量%のビシク
ロ[2.2.1]−5−ヘプテン−シス−2, 3−ジカ
ルボン酸ジメチル(一般式(2)においてnが0、Rが
メチル基、エンド体/エキソ体=47/53)であるこ
とを確認した。
【0026】次に、撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒
素導入管を備えた1Lセパラブルフラスコに、上で得ら
れたビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−シス−
2, 3−ジカルボン酸ジメチル183g(0.87モ
ル)、テトラヒドロフラン500mL、カリウムter
t- ブトキシド9.77g(0.087モル)を仕込
み、室温で30分間撹拌した。反応終了後、水50mL
を加えてクエンチした後、反応混合物を約250mLに
減圧濃縮し、さらに、水1L、トルエン1Lで分液抽出
を行った。得られた有機層を減圧蒸留し、175gの無
色透明の液体を得た。この液体を 1H−NMR、13C−
NMR、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、純度
99.6重量%のビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテ
ン−トランス−2, 3−ジカルボン酸ジメチルであるこ
とを確認した。マレイン酸ジメチルに基づく収率は83
モル%であった。
【0027】実施例2 実施例1において、異性化反応の触媒であるカリウムt
ert- ブトキシドの使用量を19.5g(0.174
モル)に変更した以外は、全く実施例1と同様に行っ
た。その結果、純度99.5重量%のビシクロ[2.
2.1]−5−ヘプテン−トランス−2, 3−ジカルボ
ン酸ジメチル178gが得られた。マレイン酸ジメチル
に基づく収率は85モル%であった。
【0028】実施例3 実施例1において、異性化反応の触媒としてナトリウム
メトキシド9.40g(0.174モル)を使用し、反
応時間を1時間に変更した以外は、全く実施例1と同様
に行った。その結果、純度99.7重量%のビシクロ
[2.2.1]−5−ヘプテン−トランス−2, 3−ジ
カルボン酸ジメチル169gが得られた。マレイン酸ジ
メチルに基づく収率は80モル%であった。
【0029】実施例4 テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−8−ド
デセン−トランス−3, 4−ジカルボン酸ジメチル(一
般式(3)においてnが1、Rがメチル基)の合成 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた500m
Lセパラブルフラスコにマレイン酸ジメチル144g
(1.00モル)を仕込み、フラスコ内を窒素で置換
し、195℃に加熱撹拌した。次いで、フラスコ内の温
度を195〜205℃保ちながら、ジシクロペンタジエ
ン132g(1.00モル)を3時間かけて滴下し、さ
らに1時間反応を続けた。反応終了後、この反応混合物
を減圧蒸留し、140〜155℃/0.5mmHgの留
分179gを得た。これを、 1H−NMR及びガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、純度97重量%のテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−8−ドデセ
ン−シス−3, 4−ジカルボン酸ジメチル(一般式
(2)でnが1、Rがメチル基、エンド体/エキソ体=
49/51)であることを確認した。
【0030】次に、撹拌機、温度計、滴下漏斗、及び窒
素導入管を備えた1Lセパラブルフラスコに、上で得ら
れたテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−8
−ドデセン−シス−3, 4−ジカルボン酸ジメチル17
9g(0.65モル)、テトラヒドロフラン500m
L、カリウムtert- ブトキシド14.6g(0.1
3モル)を仕込み、室温で30分間攪拌した。反応終了
後、水50mLを加えてクエンチした後、反応混合物を
約250mLに減圧濃縮し、さらに、水1L、トルエン
1Lで分液抽出を行った。得られた有機層を減圧濃縮
し、残査をエタノールから再結晶し、165gの白色結
晶を得た。この結晶を 1H−NMR、13C−NMR、ガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、融点82〜83
℃、純度99.9重量%のテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−8−ドデセン−トランス−3, 4−
ジカルボン酸ジメチルであることを確認した。マレイン
酸ジメチルに基づく収率は60モル%であった。
【0031】比較例1 テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−8−ド
デセン−トランス−3, 4−ジカルボン酸ジメチル(一
般式(3)でにおいてnが1、Rがメチル基)の合成
(フマル酸ジメチルをジエノファイル原料とした場合) 撹拌機、冷却器、温度計、滴下ロートを備えた500m
Lセパラブルフラスコにフマル酸ジメチル144g
(1.00モル)を仕込み、フラスコ内を窒素で置換
し、195℃に加熱撹拌した(この間かなり昇華物が生
成した)。次いで、フラスコ内の温度を195〜205
℃に保ちながら、ジシクロペンタジエン132g(1.
00モル)を4時間かけて滴下し、さらに1時間反応を
続けた。反応終了後、この反応混合物を減圧蒸留し(こ
の間かなりの昇華物が生成した)、140〜155℃/
0.5mmHgの留分125gを得た。これをエタノー
ルから再結晶し、115gの白色結晶を得た。この結晶
1H−NMR、13C−NMR、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、融点82〜83℃、純度99.3重
量%のテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
8−ドデセン−トランス−3, 4−ジカルボン酸ジメチ
ルであることを確認した。フマル酸ジメチルに基づく収
率は42モル%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/333 C07C 67/333 67/347 67/347 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表
    されるマレイン酸ジエステルとシクロペンタジエン又は
    ジシクロペンタジエンとを反応させて得られる、一般式
    (2): 【化2】 (式中、nは0または1を示し、Rは炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す。)で表される脂環式シス−ジカルボン
    酸ジエステルに、触媒として金属アルコキシド類を作用
    させ、エステル基が互いにトランスの立体配置になるよ
    うに異性化することを特徴とする、一般式(3): 【化3】 (式中、nは0または1を示し、Rは炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す。)で表される脂環式トランス−ジカル
    ボン酸ジエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261980A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Arakawa Chem Ind Co Ltd エキソ体ノルボルネンモノカルボン酸エステルの製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261980A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Arakawa Chem Ind Co Ltd エキソ体ノルボルネンモノカルボン酸エステルの製造方法

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