JPH0752710Y2 - 洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はトップカバーに洗剤受部を設けた洗濯機に関す
る。

（従来の技術） 従来より、洗濯機においては、洗濯槽上方のトップカバ
ーに、洗剤受部を設けたものが供されている。しかし
て、このものの場合には、更に、その洗剤受部に対して
注水器からシャワー状に注水する注水装置が設けられ、
その注水により、上記洗剤受部に受けられた洗剤を洗濯
槽内に向け流し出すようにしたものが供されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記構成のものの場合、洗剤の流し出し効果を良くする
ためには、シャワーの噴水圧を上げれば良く、そのため
には注水器の噴水孔を小さくすれば良い。しかし、単に
そのようにしただけでは、注水器のいわゆる水切れが悪
くなり、該注水器の噴水孔からは、洗剤の流し出しを終
えたその後にも、振動があるたび等に水がしたたり落ち
ることになって、その水により、例えば脱水後の洗濯物
を濡らしてしまうといった問題点を呈する。又、かとい
って、水切れを良くすべく、注水器の噴水孔を大きくす
ると、シャワーの噴水圧が不足し、洗剤を全部流し出し
切らずに残してしまうという問題点を呈する。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的は、注水器の水切れを良くしながら、洗剤の
流し出し効果も充分良好に得ることのできる優れた洗濯
機を提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の洗濯機において
は、洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤を受ける洗剤受
部と、この洗剤受部に向けて注水器からシャワー状に注
水し該注水によって上記洗剤受部に受けられた洗剤を洗
濯槽内に向け流し出す注水装置とを設けたものであっ
て、その注水器の底部に、該注水器による前記注水方向
とは異なる方向に開口して前記洗剤受部の周壁部に近接
対向する水抜口を設けたことを特徴とするものである。

この場合、洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤受部と、
この洗剤受部に対して出し入れされる洗剤投入ケース、
並びに上記洗剤受部及び収納状態の上記洗剤投入ケース
内に向けて注水し該注水によってそれら洗剤受部及び洗
剤投入ケース内に存した洗剤を洗濯槽内に向け流し出す
注水装置とを設けたものにあって、前記洗剤受部の上方
に、前記洗剤投入ケース内に向かって突出し該洗剤投入
ケース内に入れられた洗剤を該洗剤投入ケースが洗剤受
部外から洗剤受部内に収納される過程でならすならし突
部を設けることも考えられる。

（作用） 上記手段のうち、注水器の底部に、該注水器による注水
方向とは異なる方向に開口して洗剤受部の周壁部に近接
対向する水抜口を設けたものでは、シャワー注水すると
き、その注水方向とは異なる方向に開口して洗剤受部の
周壁部に近接対向する水抜口からは、これと洗剤受部の
周壁部との間にわずかな隙間があるだけであるから水が
出にくく、これにより、注水器に入った水を水抜口から
の流出で圧力を落とすことなく該注水器の他の噴水孔か
ら噴出させることができる。又、シャワー注水後には、
水抜口と洗剤受部の周壁部との間にわずかな隙間しか存
在しなくても、自然落下により、注水器内に残る水は上
記水抜口からスムーズに流出する。従って、このものの
場合には、注水器の噴水孔を充分に小さく設定して差支
えなく、シャワーの噴水圧を充分に上げ得るから、洗剤
の流し出し効果も充分に良くすることができる。

一方、洗剤受部の上方に、洗剤投入ケース内に向かって
突出し該洗剤投入ケース内に入れられた洗剤を該洗剤投
入ケースが洗剤受部外から洗剤受部内に収納される過程
でならすならし突部を設けたものでは、洗剤投入ケース
内に洗剤が集中して山盛りに入れられたときでも、その
洗剤を、そのならし突部によりならすことができ、この
ならし効果で、洗剤の接した部分における単位面積当た
りの重量が小さくなり、且つ、シャワー注水される水が
洗剤の多くに有効に接して流れるようにもなって、洗剤
がより流れ出されやすくなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例につき、第１図ないし第５図を
参照して説明する。

まず第２図には洗濯機全体の外箱１を示しており、これ
の内部に、モータ２を主とする駆動機構３を外底部に具
えた桶４を配設し、桶４内に、この場合、洗濯槽であ
り、又、脱水槽でもある槽５を配設して、槽５内の底部
に撹拌体６を配設している。

一方、外箱１上には、槽５の上方に位置してトップカバ
ー７を装着しており、このトップカバー７には、洗濯物
出入口８を形成すると共に、この出入口８を開閉するこ
の場合二つ折りの蓋９を枢支している。

又、上記トップカバー７には、第３図に示すように、出
入口８周縁部中の後部中央部に洗剤受部10を設けてい
る。ここで、その洗剤受部10は、詳細には第１図に示す
受ケース11をトップカバー７内に収めてねじ12により固
定して構成したもので、該受ケース11には、その奥部に
形成した給水受口13に臨ませて、給水弁14を外部で接続
し、他方、注水器15を内部で装着することにより、注水
装置16を構成している。

上記注水装置16にあって、更に注水器15には、第４図に
も示すように、その前部と底部とに小さな噴水孔17,18
をそれぞれ多数形成しており、そして、その底部の後側
部には、上記噴水孔17,18による注水器15の注水方向と
は異なる方向であるこの場合後方に開口する水抜口19を
形成し、この水抜口19を、上記洗剤受部10の周壁部であ
る受ケース11の後壁部に充分近接させて対向させてい
る。

一方、受ケース11の前部開口部部分には、例えば透明材
から成る洗剤投入ケース20を軸部21により前後回動可能
に枢着しており、その回動によって、洗剤投入ケース20
が洗剤受部10に対して図中二点鎖線及び実線で示すよう
に出し入れされるようにしている。なお、この場合、洗
剤投入ケース20の突出状態は、該洗剤投入ケース20側部
の段部22が、受ケース11の前部開口部の側部に形成した
凸部23に衝接することによって保持されるようにしてお
り、又、洗剤投入ケース20の収納状態は、該洗剤投入ケ
ース20上部の小凸部24が、受ケース11の前部開口部の上
部に形成した孔25に係合することによって保持されるよ
うにしている。そして更に、その洗剤投入ケース20の突
出状態では、洗剤投入ケース20内に注水器15の前部の噴
水孔17の一例が臨むように定めている。

さて、上述のごとく構成したものの場合、洗剤をセット
するときは、蓋９を開放させた状態で、洗濯物出入口８
より手を入れ、洗剤投入ケース20を第１図に二点鎖線で
示すように前方へ回動させて洗剤受部10から突出させ、
この突出した洗剤投入ケース20内に洗剤（図示せず）を
入れる。そしてその後、洗剤投入ケース20を後方へ回動
させて洗剤受部10内に収める。すると、洗剤投入ケース
20内に入れられた洗剤が、それによって洗剤投入ケース
20内から洗剤受部10内に移され、この洗剤受部10内に、
あるいは洗剤投入ケース20内から洗剤受部10内にかけて
貯留される。

このように操作して後、洗剤供給時に至れば、注水装置
16の注水器15には、給水弁14から給水受口13を通じて水
が供給され、この供給された水が注水器15内を満たして
噴水孔17,18から洗剤受部10内及び洗剤投入ケース20内
に向けシャワー状に注出される。よって、上述の洗剤受
部10内に、あるいは洗剤投入ケース20内から洗剤受部10
内にかけて貯留された洗剤は、そのシャワー状に注出さ
れた水を受けて、それら洗剤受部10内及び洗剤投入ケー
ス20内から流し出され、槽５内に供給される。

しかして、このようにシャワー注水するとき、注水器15
の水抜口19は、その注水方向とは異なる方向である後方
に開口して洗剤受部10の周壁部に近接対向しているので
あるから、該水抜口19と洗剤受部10の周壁部との間には
わずかな隙間しかなくて、水が出にくく、これにより、
注水器15に入った水を水抜口19からの流出で圧力を落と
すことなく該注水器19の他の噴水孔17,18から噴出させ
ることができる。又、シャワー注水後には、水抜口19と
洗剤受部10の周壁部との間にわずな隙間しか存在しなく
ても、自然落下により、注水器15内に残る水は上記水抜
口19からスムーズに流出し、いわゆる水切れを良くする
ことができる。従って、このものの場合には、注水器15
の噴水孔17,18を充分に小さく設定して差支えなく、シ
ャワーの噴水圧を充分に上げ得るから、洗剤の流し出し
効果も充分に良くすることができる。

なお、洗剤投入ケース20を突出させた状態で、注水を行
なえば、該洗剤投入ケース20内には、注水器15の前部の
噴水孔17から噴出する水が第５図に示すように溜まるも
ので、これにより、洗剤投入ケース20内の水洗いを、洗
剤投入ケース20を逐一取外すことなく行なうことができ
る。又、この場合、洗剤投入ケース20が透明材から成る
ことにより、洗剤の固まり、残りが見やすく、より確実
な清掃を行なうことができる。

以上に対して、第６図は本考案の異なる実施例を示した
もので、洗剤受部10の上方に、注水器15から延出させて
洗剤投入ケース20内に向かって突出するならし突部26を
設けたものを示しており、それによって、洗剤投入ケー
ス20内に洗剤が集中して山盛りに入れられたときでも、
その洗剤を、洗剤投入ケース20が洗剤受部10外から洗剤
受部10内に収納される過程でならすことができ、このな
らし効果で、先に注水による洗剤の流し出し効果も一段
と良くすることができる。

すなわち、洗剤が集中して山盛りに入れられたままで
は、洗剤の接した部分における単位面積当たりの重量が
大きく、ただでさえ流れにくいのに加えて、シャワー注
水される水が洗剤の存在する部分以外のところに落ちて
洗剤に接しないまま無駄に流れる分も少なくなく、総じ
て洗剤の流し出しが良好に行なわれないが、上述のよう
にならすことで、洗剤がより均等に広がり、洗剤の接し
た部分における単位面積当たりの重量が小さくなって流
れやすくなる。又、広がった洗剤に対して、シャワー注
水される水が有効に接して流れるようにもなり、無駄に
流れる分が少なくなって、洗剤の流し出し効果を上げる
ことができるのである。

［考案の効果］ 本考案の洗濯機は、以上説明したとおりのもので、下記
の効果を奏する。

洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤を受ける洗剤受部
と、この洗剤受部に向けて注水器からシャワー状に注水
し該注水によって上記洗剤受部に受けられた洗剤を洗濯
槽内に向け流し出す注水装置とを設けたものにあって、
その注水器の底部に、該注水器による前記注水方向とは
異なる方向に開口して前記洗剤受部の周壁部に近接対向
する水抜口を設けたことにより、注水器の水切れを良く
しながら、洗剤の流し出し効果を充分良好に得ることが
できる。

又、洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤受部と、この洗
剤受部に対して出し入れされる洗剤投入ケース、並びに
上記洗剤受部及び収納状態の上記洗剤投入ケース内に向
けて注水し該注水によってそれら洗剤受部及び洗剤投入
ケース内に存した洗剤を洗濯槽内に向け流し出す注水装
置とを設けたものにあって、前記洗剤受部の上方に、前
記洗剤投入ケース内に向かって突出し該洗剤投入ケース
内に入れられた洗剤を該洗剤投入ケースが洗剤受部外か
ら洗剤受部内に収納される過程でならすならし突部を設
けたことにより、洗剤の流し出し効果を一層良好に得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示したもの
で、第１図は主要部分の縦断側面図、第２図は全体の概
略縦断面図、第３図は全体の蓋を除く平面図、第４図は
注水器単体の斜視図、第５図は掃除状態での第１図相当
図である。又、第６図は本考案の異なる実施例を示した
第１図相当図である。 図面中、５は槽（洗濯槽）、７はトップカバー、10は洗
剤受部、15は注水器、16は注水装置、19は水抜口、20は
洗剤投入ケース、26はならし突部を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤を受け
   る洗剤受部と、この洗剤受部に向けて注水器からシャワ
   ー状に注水し該注水によって上記洗剤受部に受けられた
   洗剤を洗濯槽内に向け流し出す注水装置とを設けたもの
   であって、その注水器の底部に、該注水器による前記注
   水方向とは異なる方向に開口して前記洗剤受部の周壁部
   に近接対向する水抜口を設けたことを特徴とする洗濯
   機。
2. 【請求項２】洗濯槽上方のトップカバーに、洗剤受部
   と、この洗剤受部に対して出し入れされる洗剤投入ケー
   ス、並びに上記洗剤受部及び収納状態の上記洗剤投入ケ
   ース内に向けて注水し該注水によってそれら洗剤受部及
   び洗剤投入ケース内に存した洗剤を洗濯槽内に向け流し
   出す注水装置とを設けたものであって、前記洗剤受部の
   上方に、前記洗剤投入ケース内に向かって突出し該洗剤
   投入ケース内に入れられた洗剤を該洗剤投入ケースが洗
   剤受部外から洗剤受部内に収納される過程でならすなら
   し突部を設けたことを特徴とする洗濯機。