JP2558429Y2 - 洗濯機等の洗剤供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】［考案の目的］

【０００２】

【産業上の利用分野】本考案は洗剤を水により流して供
給する洗濯機等の洗剤供給装置に関する。

【０００３】

【従来の技術】従来より、例えば洗濯機においては、洗
い槽の上方部に洗剤受部を設け、使用者により投入され
る洗剤をその洗剤受部で受けて、該洗剤を、注水装置の
注水ケースから洗剤受部に向けて注出される水により流
し上記洗い槽に供給するようにしたものが供されてい
る。

【０００４】このものの場合、注水装置は、基本的には
図７に示すように構成されている。すなわち、洗剤受部
１が受ケース２で構成され、これの給水受口３に臨ん
で、給水弁４が外方で接続され、注水ケース５が内方で
装着されている。しかして、注水ケース５には、給水受
口３の向き（図中下方）と直交する方向（同左方）の部
位に注水出口６が多数の小孔で形成されており、この注
水出口６から注出される水により、上記洗剤受部で受け
た洗剤を流して洗い槽に供給するようにしているのであ
る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上記構成のものの場
合、給水受口３から出る水は、その勢いのままに図中矢
印Ａで示すように該給水受口３の向き方向に流れがち
で、その先方に多く流れる傾向にある。それでも、高水
圧時には、水量も多く、注水ケース５内に充分に充満し
て注水出口６から注出されるが、逆に低水圧時には、水
量も少なく、注水ケース５内に充分に充満するまで至ら
ないため、注水ケース５の注水出口６からは、水が多く
流れる傾向にある部分（図中下側）からのみ注出され、
反対に水がほとんど流れない部分（図中上側）からは注
出もされずして、洗剤受部１内を片寄って通る。この結
果、水の通らない部分に洗剤の残しを生じ、洗い効果が
不足するとか、あるいは、その残した洗剤が洗い後のす
すぎ時や脱水時に入って洗濯物の仕上がりを損ねるとか
いった問題点を有していた。

【０００６】本考案は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、低水圧時にも、注水ケース
から水を具合良く注出できて、洗剤を残さず供給するこ
とのできる優れた洗濯機等の洗剤供給装置を提供するに
ある。

【０００７】［考案の構成］

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の洗濯機等の洗剤供給装置においては、洗い
槽の上方部に洗剤受部を具えると共に、給水受口からそ
の向きと直交する方向の部位に注水出口を有する注水ケ
ース内に給水されて該注水ケースの注水出口から上記洗
剤受部に向け注水する注水装置を具え、洗剤受部で受け
た洗剤を、注水ケースの上記注水出口から注出される水
により流して上記洗い槽に供給するようにしたものにあ
って、上記注水装置の給水受口部分と注水ケース内との
間に、給水受口の向き方向に分散して複数個の通水口を
有する仕切壁を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記手段によれば、注水装置の給水受口から供
給された水は、仕切壁に遮られて、該仕切壁と給水受口
との間に充満し、この状態で、仕切壁の各通水口から注
水ケース内に分散供給されるようになる。従って、注水
ケースの注水出口からも水が洗剤受部に均等に注出され
るようになり、かくして、低水圧時にも、水を洗剤受部
に均等に供給できるようになって、洗剤のすべてを具合
良く流し出すことができる。

【００１０】

【実施例】以下、本考案を洗濯機の洗剤供給装置に適用
した一実施例につき、図１ないし図４を参照して説明す
る。

【００１１】まず図２には洗濯機全体の外箱１１を示し
ており、これの内部に、モータ１２を主とする駆動機構
１３を外底部に具えた桶１４を配設し、桶１４内に、こ
の場合、洗い槽であり、又、脱水槽でもある槽１５を配
設して、槽１５内の底部に撹拌体１６を配設している。

【００１２】一方、外箱１１上には、槽１５の上方に位
置してトップカバー１７を装着しており、このトップカ
バー１７には、洗濯物出入口１８を形成すると共に、こ
の出入口１８を開閉するこの場合二つ折りの蓋１９を枢
支している。

【００１３】又、上記トップカバー１７には、図３に示
すように、出入口１８周縁部中の後部中央部に洗剤受部
２０を設けている。ここで、その洗剤受部２０は、詳細
には図１に示す受ケース２１をトップカバー１７内に収
めてねじ２２により固定して構成したもので、該受ケー
ス２１には、その奥部に形成した給水受口２３に臨ませ
て、給水弁２４を外部で接続し、他方、注水ケース２５
を内部で装着することにより、注水装置２６を構成して
いる。

【００１４】上記注水装置２６にあって、更に注水ケー
ス２５には、給水受口２３の向きと直交する方向（図中
左方）の部位の底側部に、注水出口２７を多数の小孔に
よって形成している。又、この注水ケース２５内と給水
受口２３部分との間には、仕切壁２８を、受ケース２１
の溝２９に挟み込んで、注水ケース２５をねじ３０によ
り固定することにより設けている。この仕切壁２８は、
例えばゴム材から成るもので、注水ケース２５内と給水
受口２３部分との間のシールを兼ねており、その下部に
は、上記給水受口２３の向き方向に分散して図４に示す
ように複数個の通水口３１を形成している。

【００１５】そして、受ケース２１の前部開口部部分に
は、洗剤投入ケース３２を軸部３３により前後回動可能
に枢着しており、その回動によって、洗剤投入ケース３
２が洗剤受部２０に対して図中二点鎖線及び実線で示す
ように出し入れされるようにしている。なお、この場
合、洗剤投入ケース３２の突出状態は、該洗剤投入ケー
ス３２の後縁部３４が、注水ケース２５の前底部に形成
した凸部３５に衝接することによって保持されるように
しており、又、洗剤投入ケース３２の収納状態は、該洗
剤投入ケース３２前部の凸部３６が、受ケース２１の前
部開口部の上部に形成した凸部３７に衝接することによ
って保持されるようにしている。

【００１６】さて、上述のごとく構成したものの場合、
洗剤を供給するに当たっては、蓋１９を開放させた状態
で、洗濯物出入口１８より手を入れ、洗剤投入ケース３
２を図１に二点鎖線で示すように前方へ回動させて洗剤
受部２０から突出させ、この突出した洗剤投入ケース３
２内に洗剤（粉末洗剤・図示せず）を入れる。そしてそ
の後、洗剤投入ケース３２を後方へ回動させて洗剤受部
２０内に収める。すると、洗剤投入ケース３２内に入れ
られた洗剤が、それによって洗剤投入ケース３２内から
洗剤受部２０内に移され、この洗剤受部２０内に、ある
いは洗剤投入ケース３２内から洗剤受部２０内にかけて
貯留される。

【００１７】このように操作して後、洗剤供給時に至れ
ば、注水装置２６の給水弁２４からは、水が給水受口２
３を通じて受ケース２１内の奥部に供給される。この供
給された水は、給水受口２３から出た勢いのままにその
給水受口２３の向き方向に流れがちで、その先方に多く
流れる傾向にあるものの、本構成のものの場合、仕切壁
２８に遮られることで、そのまま流出することが避けら
れる。しかして、かようにそのまま流出することが避け
られた水は、受ケース２１内の奥部、すなわち、仕切壁
２８と給水受口２３との間に充満し、この状態で、仕切
壁２８の各通水口３１から注水ケース２５内に分散供給
されるから、該注水ケース２５の注水出口２７からも洗
剤受部２０内に均等に注出される。かくして、高水圧時
はもとより、低水圧時にも、水は注水ケース２５から洗
剤受部２０内に均等に供給されるようになるものであ
り、よって、上述の洗剤受部２０内に、あるいは洗剤投
入ケース３２内から洗剤受部２０内にかけて貯留された
洗剤は、注水ケース２５内から均等に供給される水を受
けて、溶かされながら、それら洗剤受部２０内及び洗剤
投入ケース３２内からすべて流し出され、槽１５内に供
給される。

【００１８】このように、本構成のものによれば、低水
圧時にも、水を注水ケース２５内に均等に供給できて、
洗剤のすべてを具合良く流し出し得るもので、それによ
り、不足のない量の洗剤で洗いができ、充分な洗い効果
が得られる。又、洗剤受部２０に洗剤を残さないのであ
るから、残った洗剤のすすぎ時や脱水時の入り込みも防
止できて、洗濯物の仕上がりを損ねる不具合の発生を防
止できる。

【００１９】以上に対して、図５及び図６は本考案の異
なる実施例を示したもので、受ケース２１内の奥部（仕
切壁２８と給水受口２３との間）に、スポンジ様の緩衝
体３８を装填したものを示しており、このようにするこ
とによって、水の分散を促進し、より均等に供給できる
ようになる。

【００２０】なお、本考案は洗濯機の洗剤供給装置に限
られず、例えば食器洗浄機の洗剤供給装置等にも同様に
適用して実施することができる。

【００２１】そのほか、本考案は上記し且つ図面に示し
た実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００２２】

【考案の効果】以上の記述で明らかなように、本考案の
洗濯機等の洗剤供給装置は、洗い槽の上方部に洗剤受部
を具えると共に、給水受口からその向きと直交する方向
の部位に注水出口を有する注水ケース内に給水されて該
注水ケースの注水出口から上記洗剤受部に向け注水する
注水装置を具え、洗剤受部で受けた洗剤を、注水ケース
の上記注水出口から注出される水により流して上記洗い
槽に供給するようにしたものにあって、上記注水装置の
給水受口部分と注水ケース内との間に、給水受口の向き
方向に分散して複数個の通水口を有する仕切壁を設けた
ことを特徴とするものであり、それによって、高水圧時
はもとより、低水圧時にも、注水ケースから水を具合良
く注出できて、洗剤を残さず供給することができ、もっ
て、充分な洗い効果が得られると共に、洗濯物の仕上が
りを損ねる不具合の発生もなくし得るという優れた実用
的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す主要部分の縦断側面図

【図２】洗濯機全体の概略縦断側面図

【図３】洗濯機全体の蓋を除く平面図

【図４】仕切壁の部分斜視図

【図５】本考案の異なる実施例を示す図１相当図

【図６】仕切壁及び緩衝体の部分斜視図

【図７】従来の注水装置の概略横断面図

【符号の説明】

１５は槽（洗い槽）、２０は洗剤受部、２５は注水ケー
ス、２６は注水装置、２７は注水出口、２８は仕切壁、
３１は通水口を示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗い槽の上方部に洗剤受部を具えると共
   に、給水受口からその向きと直交する方向の部位に注水
   出口を有する注水ケース内に給水されて該注水ケースの
   注水出口から上記洗剤受部に向け注水する注水装置を具
   え、洗剤受部で受けた洗剤を、注水ケースの上記注水出
   口から注出される水により流して上記洗い槽に供給する
   ようにしたものであって、上記注水装置の給水受口部分
   と注水ケース内との間に、給水受口の向き方向に分散し
   て複数個の通水口を有する仕切壁を設けたことを特徴と
   する洗濯機等の洗剤供給装置。