JPH0546836B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は液体洗剤と合成洗剤とも兼用使用で
き、使用勝手のよい洗剤投入装置を備えた洗濯機
に関するものである。

従来の技術 従来の洗濯機の洗剤投入に関しては、直接洗剤
を洗濯槽内に投入したり、一例では回転翼のポン
プアツプを利用した循環経路を有する洗濯機にお
いて、リントフイルター近傍に洗剤投入口を循環
経路途中に配備させる構成のものがある。

発明が解決しようとする問題点 従来の構成では、リントを捕獲し、集塵させる
ための経路途中に洗剤投入口を設けたりしている
が、特に粉末洗剤の場合、洗剤が完全に溶けず、
リントフイルターに固まりとして、付着したり、
少水位使用時などには、洗剤そのものがタンク上
方に固形状に付着し、衛生上、不具合を発生して
いた。

本発明は上記問題点を解決し、操作性を向上さ
せ、液体洗剤と粉末洗剤のいずれも使用可能に
し、使用勝手の向上を図るとともに、液体洗剤を
効果的に希釈して洗濯槽内に供給することで、衣
類に悪影響を及ぼさないようにすることを目的と
する。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解消するため本発明は、機器本体
の上部を構成し、衣類投入口を有する上部枠体
と、この上部枠体の衣類投入口後部には洗剤投入
ケースを前後方向に出し入れ自在とする注水口本
体を設け、この注水口本体は洗剤ケースの上方
に、シヤワー状の水を噴流させる注水口金を設
け、前記洗剤ケースは上方を開口した箱体にし、
かつリブ壁により箱体内を左右に区画して液体洗
剤用投入部と粉末洗剤用投入部とを併設し、前記
液体洗剤用投入部はリブ壁に囲まれ、上方を開口
した箱体とし、この箱体内には筒状の通水穴を略
垂直に設け、この通水穴を覆うように筒状のキヤ
ツプを配設させ、前記液体洗剤用投入部内の液体
をサイフオン現象にて箱体裏面に滴下させる構成
とし、前記粉末洗剤用投入部も上方を開口した箱
体とするとともに、その後方壁の左右端部側に溝
状の切欠き部を設け、前記液体洗剤用投入部の後
方壁とは不連続とし、前記液体洗剤用投入部の後
方壁を形成するリブ壁の高さを他のリブ壁より低
くして後方壁からオーバーフローする構成として
いる。

作 用 この構成により、液体洗剤と粉末洗剤を洗剤投
入ケース一つにて使用可能にし、さらに洗剤投入
ケースがコンパクトで出し入れ自在可能で使用勝
手の良い洗剤投入装置を得ることができる。ま
た、液体洗剤用投入部内の液体洗剤は一段低くな
つた後方のリブ壁からオーバーフローするが、粉
末洗剤用投入部にも水が注入され、この水が粉末
洗剤用投入部の後方壁と左右端部側の切欠き部を
通して流出するので、この流出した水が液体洗剤
用投入部からオーバーフローした洗剤水と効率良
く混じり合い、十分希釈された後に洗濯槽内に供
給される。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図〜第６図を参照
して説明する。

第１図において、洗濯機本体１の上部を構成す
る上部枠体２は衣類投入時の開閉を行う開閉蓋３
を軸支し、その後方には給水バルブ４を設けてい
る。５は回転翼でモータ６の回転により、ベルト
７を介してメカユニツト８より減速し、回転駆動
する。９は洗濯槽兼脱水槽（以下洗濯槽）で、メ
カユニツト８にて軸支され脱水受１０により、サ
スペンシヨン１１を介し、本体１に垂下支持され
て弾性的に支えられている。

前記上部枠体２は衣類を投入するための円形フ
ランジ状の衣類投入口１２を有し、衣類投入口１
２の後部には第５図の矢印Ｃのように前後方向に
出し入れ自在な洗剤投入ケースを設けている。

洗剤投入ケース１３は第４図に示すように、上
方を開口した箱体に形成し、この箱体内をリブ壁
により左右に区画し、液体洗剤用投入部１４と粉
末洗剤用投入部１５とを併設するように設けてい
る。液体洗剤用投入部１４はリブ壁に囲まれ、上
方を開口した箱体１７を有し、この箱体１７内に
は第２図に示すように、筒状通水穴１８を略垂直
に設け、筒状通水穴１８を覆うように筒状キヤツ
プ１９を嵌着させ、液体洗剤用投入部１４内の液
体をサイフオン現象にて箱体１７裏面側へ筒状通
水穴１８を介して滴下させる。また、液体洗剤用
投入部１４の箱体１７を形成するリブ壁のうち後
方に位置するリブ壁２９（以降後方リブ壁とい
う）の高さを後方壁２９以外のリブ壁より低く
し、後方から水をオーバーフローするようにして
いる。

粉末洗剤用投入部１５は第４図に示すように前
記液体洗剤用投入部１４の箱体と同様に上方を開
口した箱体とし、この箱体の後方壁を形成する後
方リブ２０の左右両端部側に溝状の切欠部２１を
設け、隣接する液体洗剤用投入部１４の後方壁と
不連続状態としている。

前記洗剤投入ケース１３の上方には、第２図お
よび第３図に示すように複数の水穴２２を設けた
注水口２３を配設し、給水バルブ４と給水ホース
１６を介し連続する給水接続口２４を備えた注水
口本体２５と注水口２３を収設するように箱体に
形成せしめている。注水口２３はビス２６によつ
て注水口本体２５に固着され、洗剤投入ケース１
３は注水口本体２５に設けたスライダー用の段付
３２によつて前後に引き出し自在に案内される。

まず、液体洗剤用投入部１４の洗剤流れ方式を
説明すると、液体洗剤２７の適量をｘまで投入
し、予約洗濯時刻までそのままの状態となる。予
約洗濯時刻になると、洗濯運転開始となり、圧力
ホース２８より給水された水は矢印ａのように給
水バルブ４、給水ホース１６を通り、注水口２３
の水穴２２によつてシヤワー状に下方へ向つて液
体専用投入部１４に噴流される。液体洗剤２７は
シヤワー状に噴流された水によつえ混流されると
同時に、液体専用投入部１４内の洗剤水は増加
し、筒状キヤツプ１９内の筒状通水穴１８の頂部
に位置する通水口穴２８に到達し、かつ洗剤水は
箱体１７の後方壁２９からオーバーフローする。
前記後方壁２９は後方へ流れやすくするため、他
の壁より低くしている。オーバーフローした洗剤
水と筒状通水穴１８に引きこまれた洗剤水は注水
口本体２５の流水ガイド３０に案内され、前方へ
押し流され、洗濯槽９へ注水し、効率よく溶かさ
れた状態となつて洗濯させることができる。ま
た、液体洗剤用投入部１４に噴流する際に、それ
と併設した粉末洗剤用投入部１５内にも水が入
り、この水は後方リブ２０の両側に設けた溝状の
切欠き部２１より流出する。切欠き部２１の一方
は液体洗剤用投入部１４の後方壁２９側に位置し
ているので、この後方壁２９からオーバーフロー
した洗剤水と混じり合うとともに、その水は筒状
通水穴１８に引きこまれる洗剤水とも混じり合
い、効果的に洗剤水を希釈し、洗濯槽内の衣類に
濃度を低くした洗剤水を供給している。洗濯が終
了し、給水バルブ４が止められると液体専用投入
部１４内の水はサイフオン現象作用により、筒状
キヤツプ１９の底面３０の水位まで引きこみ、ほ
とんどの水を下方へ滴下させる構成となつてい
る。

次に粉末洗剤用投入部１５の洗剤流れ方式を説
明すると、適量に投入された粉末洗剤３１はシヤ
ワー状に噴流された水によつて混流され、後方へ
流され流水ガイド３０に案内され前方へ押し流さ
れ、洗濯槽９へ注水する。この流水経路を矢印ｂ
で示す。粉末洗剤用投入部１５の後方リブ２０の
両側に設けている溝状の切欠部２１により、初期
に注水口２３からシヤワー状に噴流された水を粉
末洗剤３１とを粉末洗剤用投入部１５内に溜水さ
せる作用を発揮し、粉末洗剤３１を効率的に溶か
しながら、切欠部２１より押し流される。この溜
水作用によつて水道圧の低圧時での給水少流量時
でも洗剤を溶かし、かつ粉末洗剤用投入部１５内
に残洗剤が発生しないようになつている。また粉
末洗剤用投入部１５の底面は後方へ低くなるよう
に傾斜しているため、残洗剤や残水等のないよう
に配慮し、効率的な流水効果をもたらしている。

第４図は洗剤投入ケース１３の斜視図を示し、
前方には引き出し用の取手３２を設け、左側に液
体洗剤用投入部１４、右側に粉末洗剤用投入部１
５とを備えている。

なお洗剤投入ケース１３のセツト時における注
水は第６図に示す状態となる。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように本発明によれ
ば、液体洗剤と粉末洗剤のいずれも使用可能に
し、しかも洗剤投入ケース一つで兼用化させ、使
用勝手の向上を図ることができる。特に液体洗剤
用投入部では予約洗濯開始まで、洗濯槽内へ滴下
させないため、洗剤付着による衣類の変色を未然
に防止する。

また、従来のような粉末洗剤の溶けない状態で
洗剤固形によるリントフイルター部の付着やタン
ク上方の付着による衛生上の不具合を未然に防止
する等、使用勝手が簡単で、洗剤を効率よく活用
せしめる洗剤投入装置を備えた洗濯機を提供でき
る。さらに、液体洗剤用投入部内の液体洗剤は一
段低くなつた後方のリブ壁からオーバーフローす
るが、粉末洗剤用投入部にも水が注水され、この
水が液体洗剤用投入部のリブ壁と粉末洗剤用投入
部の後方壁との間の切欠き部を通して流出するの
で、この流出した水が液体洗剤用投入部からオー
バーフローした洗剤水と混じり合い、十分希釈さ
れた後に洗濯槽内に供給することができ、洗濯槽
内の衣類には濃度をできるかぎり低くした洗剤水
が当たるようにしているので、衣類の変色といつ
た悪影響を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全自動洗濯機
の縦断面図、第２図は同要部の液体洗剤用投入部
を示す断面図、第３図は同要部の粉末洗剤用投入
部を示す断面図、第４図は同洗剤投入ケースの斜
視図、第５図は同洗剤投入ケースの出し入れ状態
を示す斜視図、第６図は同注水状態を示す斜視図
である。 ４……給水バルブ、９……洗濯槽、１２……衣
類投入口、１３……洗剤投入ケース、１４……液
体洗剤用投入部、１５……粉末洗剤用投入部、１
８……筒状通水穴、１９……筒状キヤツプ、２０
……後方リブ、２１……切欠部、２３……注水
口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機器本体の上部を構成し、衣類投入口を有す
   る上部枠体と、この上部枠体の衣類投入口後部に
   は洗剤投入ケースを前後方向に出し入れ自在とす
   る注水口本体を設け、この注水口本体は洗剤ケー
   スの上方に、シヤワー状の水を噴流させる注水口
   金を設け、前記洗剤ケースは上方を開口した箱体
   にし、かつリブ壁により箱体内を左右に区画して
   液体洗剤用投入部と粉末洗剤用投入部とを併設
   し、前記液体洗剤用投入部はリブ壁に囲まれ、上
   方を開口した箱体とし、この箱体内には筒状の通
   水穴を略垂直に設け、この通水穴を覆うように筒
   状のキヤツプを配設させ、前記液体洗剤用投入部
   内の液体をサイフオン現象にて箱体裏面に滴下さ
   せる構成とし、前記粉末洗剤用投入部も上方を開
   口した箱体とするとともに、その後方壁の左右端
   部側に溝状の切欠き部を設け、前記液体洗剤用投
   入部の後方壁とは不連続とし、前記液体洗剤用投
   入部の後方壁を形成するリブ壁の高さを他のリブ
   壁より低くして後方壁からオーバーフローする構
   成とした洗濯機。