JPH0530712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は洗剤投入機能を有する洗濯機に関する
ものである。

従来の技術 最近、濃縮洗剤が市場に出まわる中で、従来の
一般洗剤より比重が約２倍程度重くなり、溶けに
くくなりつつある。従つて、粉末合成洗剤におい
て、一般洗剤と濃縮洗剤とを兼用的に使用できる
洗濯機が必要となつてきている。特に予約タイマ
ー付洗濯機において、一般洗剤と濃縮洗剤を使用
可能な洗濯機が市場において必要となつてきてい
る。

一方、従来の洗濯機の洗剤投水に関しては、直
接洗剤を洗濯槽内に投入したり、一例では回転翼
のポンプアツプを利用した循環経路内に、洗剤投
入口を配備させる構造のものがある。

考案が解決しようとする課題 従来の構成ではリントを捕獲し、集塵させるた
めの循環経路途中に洗剤投入口を設けているが、
特に、濃縮洗剤の場合、洗剤が完全に溶けず、リ
ントフイルターに固まりとして付着したり、完全
に溶けず、少水位使用時など、洗剤そのものがタ
ンク上方に固形状に付着する場合が発生するとい
う課題を有していた。

本考案は上記課題に鑑み、濃縮洗剤も完全に溶
かして使用洗剤の範囲を拡大することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、機器本体
の上部を構成し、衣類投入口を有する上部枠体
と、前記衣類投入口部の後方に設けられ水平方向
に引き出し自在な洗剤投入ケースを収納する注水
口本体と、前記洗剤投入ケース上方に設けられ複
数の穴から水を噴流させる注水口金とを備え、前
記洗剤投入ケースは、注水口金から噴流した水を
受ける流水面を傾斜させ、前記流水面の低位側で
ある後方には側壁より低い洗剤溢れ壁を設け、こ
の洗剤溢れ壁の下部には空間窓を形成するととも
に、前記流水面は前記洗剤溢れ壁より後方に延設
し、前記注水口金の一部の水が前記洗剤投入ケー
スの洗剤溢れ壁より後方から噴流する構成とした
ものである。

作 用 この構成よれば、洗剤ケースはシヤワー状に噴
流させた給水を受ける流水面を傾斜させ、前記流
水面の低位側には空間窓を有する洗剤溢れ壁を設
けているため、濃縮粉末合成洗剤を完全に溶かす
ことができる。また、容量を多く必要とする一般
粉末洗剤も溢れ壁の上部まで洗剤ケース内に収納
でき、また、空間窓は粉末が流出しない程度にし
ておけば、水を流さなければ洗剤の流出は防止で
きる。また、空間窓から多少後少にあふれた粉末
洗剤は洗剤溢れ壁の後方からの噴流により完全に
溶かすことができる。

実施例 以下本考案の一実施例を第１図〜第４図を参照し
て説明する。

洗濯機本体１の上部を構成する上部枠体２には
衣類投入時の開閉を行う開閉蓋３を軸支し、後方
には給水バルブ４を設けている。５は回転翼でモ
ータ６の回転によりベルト７を介してメカユニツ
ト８より減速し回転駆動する。９は洗濯兼脱水槽
（以下洗濯槽）でメカユニツト８にて軸支され脱
水受１０によりサスペンシヨン１１を介し本体１
に垂下支持され、弾性的に支えられている。

前記上部枠体２は衣類を投入する際の円形フラ
ンジ状の衣類投入口１２を有し、衣類投入口１２
の後部には出し入れ自在なる洗剤投入ケース１３
を設けている。洗剤投入ケース１３の上方には複
数の水穴１４を設けた注水口金１５を配設し、給
水バルブ４を給水ホース１６を介して連通する給
水接続口１７に接続している。注水口本体１８は
前記洗剤投入ケース１３と注水口金１５を収設す
るように箱体に形成せしめている。

第２図において注水口金１５はビス１９あるい
は溶着によつて注水口本体１８に固着され、洗剤
投入ケース１３は注水口本体１８に設けたスタイ
ダー用の段付２０によつて前後に引き出し自在に
案内される。

圧力ホースより、給水された水は第２図の矢印
ａのように給水バルブ４、給水ホース１６を通
り、注水口金１５の水穴１４によつてシヤワー状
に下方へ向つて洗剤投入ケース１３に噴流され
る。

洗剤２１はシヤワー状に噴流された水によつて
混流され、後方へ流され、注水口本体１８の流水
ガイド２２に案内され前方へ押し流される。押し
流された洗剤水は洗濯槽９へ注水され、洗濯する
洗剤として効率よく溶かされた状態となつて洗濯
運転をさせることができる。

また、洗剤投入ケース１３の流水面１３Ａには
後方へ低くなるように傾斜ａを設けているため、
残洗剤や脱水等のないように配慮し、効率的な流
水効果をもたらしている。

さらに後方には洗剤溢れ壁１３ｂを設けその下
部に空間窓１３ｃを設けている。第３図に洗剤投
入ケース１３の単品斜視図を示し、１３ｄは洗剤
ケース引出し用のフツクである。

第４図に洗剤投入ケース１３内に粉末合成洗剤
を投入した状態を示す。同図ａに濃縮粉末合成洗
剤○イを標準量投入した状態を示し、同図ｂに一般
粉末合成洗剤○ロを標準量投入した状態を示してい
る。それぞれ矢印方向にて洗剤が洗剤投入ケース
１３内より流出する流れを示す。一般粉末合成洗
剤○イが洗剤ケース１３内に投入した場合、洗剤溢
れ壁１３ｂにより洗剤ケース１３内の容積を最大
に活用し、ケース１３外よりこぼれることなく、
洗剤を収納できる。なお、空間窓１３ｃは第４図
ｂのように粉末洗剤で塞がれた状態になり、外部
へ流れ出ることはない。また、濃縮粉末合成洗剤
は一般粉末合成洗剤に対し、体積比は約30％程度
であり一般粉末合成洗剤がケース１３内の最大容
積となる。濃縮○イ及び一般粉末合成洗剤○ロとも
に、第２図で示した注水口金１５の水穴１４より
シヤワー状に噴流された水によつて、洗剤は空間
窓１３ｃを通り、流出することができる。特に、
一般粉末合成洗剤の場合には第４図ｂに示すよう
に洗剤溢れ壁１３ｂの空間窓１３ｃより多少後方
に溢れた状態になるが、注水口金１５の噴流の一
部が第２図に示すように洗剤溢れ壁１３ｂの後方
から噴き出すので、溢れ出た洗剤も完全に溶か
し、しかも、空間窓１３ｃを介して洗剤投入ケー
ス内部の洗剤も溶かすので多量の粉末洗剤を短時
間で溶かすことができる。

第５図には洗剤投入ケース１３が矢印ｂの前後
方向に引出し自在である状態を示し、第６図には
洗剤投入ケース１３のセツト時における注水状態
を示している。

考案の効果 以上のように本考案によれば、洗剤投入ケース
に洗剤溢れ壁および空間窓を設けることにより、
容積の多い一般粉末合成洗剤および水に溶けにく
い濃縮粉末合成洗剤の両方を使用でき、幅広い範
囲の洗剤の使用を可能とできる。また、洗剤投入
ケースに一般粉末洗剤をいつぱいに入れた場合に
も、空間窓の後方から溢れ出た洗剤をそれより後
方からの噴流で完全に溶かすことができ、効率よ
く洗剤を溶かすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全自動洗濯機
の縦断面図、第２図は同洗剤投入ケースの断面
図、第３図は同洗剤投入ケースの外観斜視図、第
４図は同洗剤投入ケースに洗剤を投入した状態を
示す断面図、第５図は同洗剤投入ケース部の出し
入れ状態を示す外観斜視図、第６図は同注水状態
を示す斜視図である。 ２……上部枠体、４……給水バルブ、９……洗
濯槽、１２……衣類投入口、１３……洗剤投入ケ
ース、１３ａ……流水面、１３ｂ……洗剤溢れ
壁、１３ｃ……空間窓、１５……注水口金、１６
……給水ホース、１７……給水接続口、１８……
注水口本体、２２……流水ガイド、２１……洗
剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機器本体の上部を構成し、衣類投入口を有する
   上部枠体と、前記衣類投入口部の後方に設けられ
   水平方向に引き出し自在に洗剤投入ケースを収納
   する注水口本体と、前記洗剤投入ケース上方に設
   けられ複数の穴から水を噴流させる注水口金とを
   備え、前記洗剤投入ケースは、注水口金から噴流
   した水を受ける流水面を傾斜させ、前記流水面の
   低位側である後方には側壁より低い洗剤溢れ壁を
   設け、この洗剤溢れ壁の下部には空間窓を形成す
   るとともに、前記流水面は前記洗剤溢れ壁より後
   方に延設し、前記注水口金の一部の水が前記洗剤
   投入ケースの洗剤溢れ壁より後方から噴流する構
   成とした洗濯機。