JP3738739B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用する粉末洗剤を溶かして生成した洗剤液を洗濯槽内に供給する洗剤溶かし装置を備えた洗濯機が提案されている。
【0003】
洗濯機用の洗剤溶かし装置としては、モータで駆動する撹拌翼によって撹拌して溶かす電動方式(例えば特開平8−47594号公報)や、給水の水勢を利用して溶かす水力方式(特開平7−323186号公報,特開平9−276202号公報)などが知られている。
【0004】
電動方式の洗剤溶かし装置は、多数の小孔を有する筒形の洗剤溶解ケースと、洗剤溶解ケースの底面に設けた撹拌翼と、この撹拌翼を駆動する撹拌モータと、洗剤溶解ケースに給水する給水手段を備え、洗剤溶解ケースに投入した洗剤と給水手段からの水を前記撹拌翼の回転により撹拌することにより洗剤を溶解して前記洗剤溶解ケースの小孔より流出させ、洗濯槽に供給する構成である。
【0005】
水力方式の洗剤溶かし装置は、給水の水勢を利用して粉末洗剤の溶解を補助するものであり、特開平7−323186号公報に記載された装置は、外周面と底面を網で構成した洗剤収納容器を洗剤ケース内に回転自在に設置し、給水の水勢により回転させて洗剤の溶解を補助する構成である。また、特開平9−276202号公報に記載された装置は、設置状態で底面にスリットが位置する洗剤収納容器に洗剤を入れ、この底面にノズルから噴水を吹き付けることにより底面部に位置する洗剤を溶かし出す構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電動方式の洗剤溶かし装置は、洗剤溶解性能は良いが、構成部品が多く、構造が複雑でコストが高くなってしまう。
【0007】
水力方式の洗剤溶かし装置は、洗剤収納容器回転方式では、洗剤収納容器内の粉末洗剤が水に濡れて粘度が増加すると、洗剤収納容器が回転し難くなり、給水圧力が低いと回転しなくなって洗剤の溶け残りが発生する。また、給水圧力が高い場合には、洗剤収納容器内に流入する水の量が多くなって未溶解の洗剤が洗剤収納容器からオーバーフローして洗濯槽内に供給されてしまう。
【0008】
これらの洗剤溶かし装置は、何れの方式であっても、洗濯機のトップカバーの後部に形成される後部収納箱に収納することになるので、コンパクトな形態であることが望ましい。
【0009】
また、洗剤溶かし装置の洗剤ケースや洗剤収納容器は、洗剤が付着したり、不調になったりしたときに、取り外して清掃や修理などの作業を容易に行うことができる構成であることが望ましい。
【0010】
本発明の1つの目的は、粉末洗剤を効率良く溶かして洗濯槽に供給することができる簡単な構造で低コストでコンパクトな洗剤溶かし手段を備えた洗濯機を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、適度な高濃度の洗剤液を洗濯物に散布して浸透させることにより、洗剤の化学的洗浄力を有効に活用して洗浄率を向上することができる洗剤溶かし手段を備えた洗濯機を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、更に、清掃や修理作業が容易な洗剤溶かし手段を実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、洗剤溶かし室の底をメッシュで構成し、その下に隙間を介在させて対向するように洗剤溶かし水を噴水するシャワーヘッドを設置し、前記隙間を前記シャワーヘッドのノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされるように構成し、ノズルからの噴水を効率良く洗剤溶かし室内に導入して該洗剤溶かし室内に滞留させると共に撹拌水流を生成して洗剤を効率良く溶かし出すことを特徴とする。
【0014】
更に具体的には、
本発明は、洗濯物を入れる洗濯槽と、この洗濯槽に給水する給水手段と、粉末洗剤を溶かして前記洗濯槽内に供給する洗剤溶かし手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段とを備え、前記洗剤溶かし手段は、前記給水手段の給水経路の途中に設けられ前面もしくは上面に開口部を有する箱状の注水ケースと、この注水ケース内に前記開口部から出し入れが可能で上面が開口し底面にメッシュを設けた箱状の洗剤溶かし室と、この洗剤溶かし室の下方に設けられて該洗剤溶かし室の前記メッシュに向けて噴水するノズルを設けたシャワーヘッドとを備えた洗濯機において、
前記シャワーヘッドは、前記洗剤溶かし室の前記メッシュの略全面に対向する大きさでその略全面に均一に分布した多数のノズルを有し、前記シャワーヘッドと洗剤溶かし室のメッシュの間には、前記ノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされる隙間を介在させたことを特徴とする。
【0015】
そして、前記注水ケースは、洗剤溶かし室が押し入れられたときに該洗剤溶かし室の開口を塞ぐ蓋となる天板部を備え、前記洗剤溶かし室の側壁上部に開口を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、前記給水手段は、前記注水ケース内に直に給水する主給水手段と、前記シャワーヘッドに給水する洗剤給水手段を備え、前記シャワーヘッドによる給水で前記洗剤溶かし室から溶かし出した洗剤液を前記注水ケース内で前記主給水手段による給水と混合することを特徴とする。
【0017】
また、前記洗剤給水手段は、この洗剤給水手段への給水圧が高いほど流路面積が小さくなる定流量化手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、洗濯物を入れる洗濯槽と、この洗濯槽に洗濯水を給水する主給水手段と、この主給水手段の給水経路の途中に設けられて前記洗濯槽の上方に開口する給水口と前面もしくは上面に開口部を有する箱状の注水ケースと、この注水ケース内に前記開口部から出し入れが可能で上面が開口し底面にメッシュを設けた箱状の洗剤溶かし室と、この洗剤溶かし室の下方に設けられ洗剤給水手段からの給水を前記洗剤溶かし室のメッシュに向けて噴水するノズルを有するシャワーヘッドと、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い、濯ぎおよび脱水の各工程の制御を行う制御手段とを備えた洗濯機において、
前記シャワーヘッドは、前記洗剤溶かし室の前記メッシュの略全面に対向する大きさでその略全面に均一に分布した多数のノズルを有し、前記シャワーヘッドと洗剤溶かし室のメッシュの間には、前記ノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされる隙間を介在させ、
前記注水ケースは、前記シャワーヘッドにより洗剤溶かし室から溶かし出した洗剤液を前記主給水手段による給水と混合して洗濯槽に供給するように機能し、
前記制御手段は、前記洗剤溶かし室に収容される洗剤量前記主給水手段を通過する水の流量前記洗剤給水手段を通過する水の水温前記洗剤給水手段の給水経過時間に応じて前記主給水手段の開閉を制御することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の洗濯機の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である全自動洗濯機の外観斜視図であり、図2は、図1におけるA−A線に沿う縦断側面図である。
【0020】
この実施の形態における全自動洗濯機は、鋼鈑製の外枠1内に吊り棒2およびコイルバネや弾性ゴムなどからなる防振装置3によって合成樹脂製の外槽4を吊り下げ支持する構成である。外槽4は、洗濯水を溜めたり、排水したりするように機能し、この外槽4内には、ステンレス製の洗濯兼脱水槽(以下、洗濯槽と呼ぶ)5を回転自在に設ける。この洗濯槽5には、その側面に多数の脱水孔5aを設け、上部に流体バランサ5bを設け、底の中央部に回転翼6を回転可能に設ける。
【0021】
洗いおよび濯ぎ工程では洗濯槽5を静止させた状態で、回転翼6を時計方向(正)および反時計方向(逆)に繰り返し回転させる。また、脱水工程では、洗濯槽5および回転翼6を一体的にして一方向に回転させる。洗濯槽5および回転翼6の回転駆動は、駆動装置により行う。
【0022】
駆動装置は、電動機7と、この電動機7と同軸上に配置したクラッチ装置8を備える。クラッチ装置8は、洗いおよび濯ぎ工程では回転翼6のみを回転駆動し、脱水工程では洗濯槽5と回転翼6を一体的に回転駆動するように切り換える切り換え機能を有する。この駆動装置は、外槽4の底の外面に鋼鈑製の支持板9を用いて固定する。
【0023】
外槽4には、この外槽4内の水位を圧力に変えて水位センサ10に伝達するエアートラップ4aと、給水温度を電気信号に変える水温センサ11と、この外槽4内の洗濯用水を排水する排水口4bを設け、エアートラップ4aはエアーチューブ12を介して水位センサ10に接続し、排水口4bは電磁弁を使用した排水装置13を介して排水ホース14に接続する。
【0024】
外枠1の上部にはトップカバー15を設ける。このトップカバー15は、洗濯物を出し入れする洗濯物投入口15aと、水道栓口16,給水電磁弁装置17,洗剤溶かし手段18,風呂水ポンプ19(後述する)等の給水用部品を収納して前記水道栓口16と風呂水ポンプ19の吸水口19aを突出させる後部収納箱15bと、マイクロコンピュータ等を実装して制御処理部を構成する制御回路基板20と前記水位センサ10を収納し、その上面に操作パネル21を取り付けた前部操作箱15cと、前記洗濯物投入口15aを覆うように取り付けた開閉可能な合成樹脂製の蓋22とを備える。
【0025】
前部操作箱15cの上面に取り付けた操作パネル21には、図3に示すように、電源スイッチ23,各種表示器24a〜24f,各種操作ボタンスイッチ25a〜25i,ブザー26(後述する)等を配設し、使用者が操作ボタンスイッチ25a〜25iを使用して洗濯機を操作し、また、その動作状態を表示器24a〜24fとブザー26による報知で確認できるように構成している。
【0026】
図4は、洗濯用水の給水用部品を納めた後部収納箱15bの部分の上蓋をはずした状態(図2におけるB−B線に沿う切断)の平面図である。
【0027】
後部収納箱15b内の給水電磁弁装置17は、水道栓等からのホースを接続する水道栓口16から水道水を受水し、各種の給水制御を行う。洗剤溶かし手段18と風呂水を洗濯槽5に供給する風呂水ポンプ19は、前記給水電磁弁装置17の隣に設置する。洗剤溶かし手段18は、詳細は後述するが、注水ケース27,洗剤投入箱28,シャワーヘッド29を備える。
【0028】
給水電磁弁装置17は、主給水電磁弁17a,洗剤給水電磁弁17b,仕上げ剤給水電磁弁17cを備えた3連弁である。主給水電磁弁17aは、主給水パイプ30aを介して注水ケース27に給水するように接続する。洗剤給水電磁弁17bは、洗剤給水パイプ30bを介して注水ケース27の底面に設けたシャワーヘッド29に給水するように接続する。仕上げ剤給水電磁弁17cは、仕上げ剤給水パイプ30cを介して仕上げ剤投入室31に給水するように接続する。主給水パイプ30aから注水ケース27に給水した水道水は、その一部を分流して呼び水パイプ19bを介して風呂水ポンプ19に呼び水を補給するように接続する。風呂水ポンプ19の風呂水給水パイプ19cは、注水ケース27に風呂水を給水するように接続する。
【0029】
前記洗剤投入箱28は、前記仕上げ剤投入室31と洗剤溶かし室32を並べて一体的に形成した箱状体であり、注水ケース27の前面に洗濯物投入口15aに臨んで開口させた開口部から該注水ケース27内に摺動させて挿脱自在に設置する。
【0030】
洗剤溶かし手段18について、図5〜図10を用いて説明する。図5は、洗剤溶かし手段18の縦断側面図(図4におけるC−C線に沿う断面図)、図6は、図5におけるD−D線に沿う横断平面図、図7は、図5におけるE−E線に沿う縦断正面図、図8は、シャワーヘッド29の縦断正面図、図9は、シャワーヘッド29のノズルの配列の一例を示す平面図、図10は、定流量化手段の縦断側面図である。
【0031】
注水ケース27と洗剤投入箱28は、それぞれ、樹脂成型によって形成し、洗剤投入箱28は、注水ケース27内に摺動させて着脱可能に設置し、注水ケース27から水平方向に引き出して洗剤や柔軟仕上げ剤を投入するように構成している。注水ケース27の底面に設置したシャワーヘッド29の上面と洗剤投入箱28に設けた洗剤溶かし室32の下面は、略等しい領域に広がる形状として隙間33を介して対面させ、シャワーヘッド29の後側および左右両側には通水路34を形成する。前記隙間33は、シャワーヘッド29からの噴水を洗剤溶かし室32内に導いて該洗剤溶かし室32内の粉末洗剤を溶かして洗剤液を生成し、生成した洗剤液を流し出すための流れを規制するように機能させる。注水ケース27の底面は、手前(洗濯物投入口15a)側を低くした傾斜面に形成し、最前部には洗濯物投入口15aに面して開口する給水口35を形成する。
【0032】
洗剤投入箱28の仕上げ剤投入室31と洗剤溶かし室32は、それぞれ、上面を開口させる。仕上げ剤投入室31は、その底面をすり鉢状に成型し、最低位部にサイフォン36を設ける。このサイフォン36は、仕上げ剤給水パイプ30cからの剤給水によって仕上げ剤投入室31内の仕上げ剤が薄められて水位が閾値以上になると通流して該仕上げ剤を注水ケース27の底部の通水路34に流し出すように機能する。洗剤溶かし室32は、その底面の略総てを樹脂製のメッシュ37で構成する。この洗剤溶かし室32は、筒状でも構わないし、洗剤を投入し易いようにケースの半分程度から上を広がり形状としても構わない。
【0033】
洗剤溶かし室32の底面のメッシュ37のメッシュサイズは、粉末洗剤の粒が抜け落ちない程度の大きさに設定する。但し、メッシュサイズが小さすぎると、このメッシュ37が抵抗となってシャワーヘッド29のノズルから噴射した噴水の勢いが弱まって洗剤溶かし室32内に入り難くなって洗剤の溶け残りが生じ易くなる。このために、メッシュサイズとしては、30メッシュから50メッシュが好適である(30メッシュ:1インチに糸が30本ある。数字が大きくなるほどメッシュサイズは小さくなる)。
【0034】
洗剤溶かし室32の高さは、後部収納箱15bに収容できる範囲内で極力高い方が良い。これは、高さが低いとシャワーヘッド29からの噴水によって未溶解の洗剤が洗剤溶かし室32の上部に噴き上げられて開口部からオーバーフローするのを防止するためである。この実施の形態では、未溶解の洗剤のオーバーフローを防止するために、洗剤投入箱28を注水ケース27に押し込んでセットした状態で、注水ケース27の天板部27aが洗剤溶かし室32の上縁に圧接して上面の開口を塞ぐ蓋として機能するように構成する。しかし、洗剤溶かし室32の開口部は、密閉せず、一部(この実施の形態では奥側の上縁)にスリット32aを設けて洗剤液のオーバーフローや通気(呼吸)ができるように開口する。
【0035】
洗剤投入箱28は、注水ケース27から引き出して上方に持ち上げることで、注水ケース27から簡単に取り外しできるように構成することにより、シャワーヘッド29,仕上げ剤投入室31,サイフォン36,洗剤溶かし室32の清掃やメンテナンス作業を容易にする。
【0036】
シャワーヘッド29は、洗剤溶かし室32の底面積と略同面積のノズル面29aを備え、このノズル面29aには多数のノズル29bを備える。ノズル29bは、メッシュ37の略全域に向けて噴水して洗剤溶かし室32内に給水して洗剤を撹拌することができるように、ノズル面29aに略均等に分布させて設ける。
【0037】
そのために、シャワーヘッド29は、その内部に給水室29cを設け、前記ノズル29bは、前記給水室29cとノズル面29aを連通するように垂直に設ける。給水室29cは、多数のノズル29bから均一に噴水できるようにするために設けたもので、この給水室29cの高さは5mm以上とすることが望ましい。この給水室29cは、流入口29dから水平方向に洗剤給水(洗剤溶かし給水)を受水し、この給水室29c内で流れ方向を上向きに変えてノズル29bから噴水させるが、この給水室29cを十分な容積に形成することにより、この給水室29c内で水圧の分布を均一にして均一な噴水を実現することができる。なお、各ノズル29bの穴形状は、円,楕円,角などどのような形状でも良い。また、複数本のスリット状ノズルとするように変形しても良い。
【0038】
ノズル面29aとメッシュ37の間の隙間33は、シャワーヘッド29からの噴水を効率良く洗剤溶かし室32内に導き入れて該洗剤溶かし室32内で乱流する撹拌水流を生成し、この撹拌水流で洗剤溶かし室32内の洗剤を撹拌しながら溶かして生成した洗剤液を流出させるように機能させる。この隙間33は、ノズル29bからの噴水と洗剤溶かし室32から流下する洗剤液によって形成する液層で満たすようにする。隙間33に形成される液層は、シャワーヘッド26のノズル面29aの周縁から注水ケース27内の通水路34に流れ落ちるが、隙間33の周縁部の隙間の広さ(シャワーヘッド29と洗剤投入箱28の間隔の大きさ)によって制限することができる。従って、シャワーヘッド29からの噴水量を多くすれば、隙間33は、その周縁部を除いて液層で満たすことができる。
【0039】
隙間33が液層で満たされると、シャワーヘッド29からの噴水は、水勢の横方向への分散が抑制されることから、メッシュ37を通過して洗剤溶かし室32内に効率良く進入し、この洗剤溶かし室32内に留まって洗剤撹拌水流を生成する。そして、粉末洗剤を溶かして生成した洗剤液は、噴水を避けた領域からメッシュ37を通過して隙間33内に流下し、噴水の間を通って隙間の周縁から通水路34に流れ落ちるようになる。
【0040】
このように隙間33を液層で満たし、シャワーヘッド29からの噴水を効率良く洗剤溶かし室32内に導き入れて強い撹拌水流を生成するためには、シャワーヘッド29からの噴水の形態にもよるが、隙間33は2〜3mm程度が好適である。隙間33が広すぎると、隙間33に滞留する水の量が多く(液層が厚く)なり、ノズル29からの噴水の水勢がメッシュ37に到達するまでに弱まってしまい、洗剤溶かし室32内で十分な撹拌力が得られなくなる。また、隙間33が狭すぎると、メッシュ37を流下する洗剤液の量が減少し、洗剤溶かし室32内が水で満たされてしまうことから、その後のノズル29からの噴水が洗剤溶かし室32内に進入し難くなるために、噴水流による洗剤撹拌力が弱くなって洗剤溶解性能が低下する。
【0041】
シャワーヘッド29に洗剤給水する水源となる水道水圧は、場所によって異なり、一般には、0.03MPaから0.8MPaの範囲にある。従って、洗剤の溶解を安定して行うためには、最低水圧でもシャワーヘッド29から十分な流速で噴水するようなノズル29bを形成する必要がある。しかし、最低水圧で好適となるように設計したノズル29bは、水圧が高い場所では噴水流量が過大になり、洗剤溶かし室32からの未溶解洗剤の飛散や、注水ケース27からの水漏れなどの不具合が生じる恐れがある。また、流量の違いで得られる洗剤液の濃度も異なってしまう。
【0042】
そこで、この実施の形態では、洗剤給水流量を定量化するために、洗剤給水パイプ30b内に定流量化手段38を設置した。この定流量化手段38は、給水圧が高くなるに従って流路面積を狭くするように構成する。
【0043】
この定流量化手段38は、図10に示すように、中央に小孔38aを設けた円筒部材38bと、その上流側に位置するゴム製の弾性変形可能な円盤状変形部材38cを備える。
【0044】
前記円筒部材38bは、洗剤給水パイプ30bの内周面に隙間なく取り付け、変形部材38cの外周面と洗剤給水パイプ30bの内周面との間には隙間Δdを設ける。給水円筒部材38bの変形部材38c側の端面には小さな3個の突起38dを設け、圧力(給水圧)がない状態では、円筒部材38bと変形部材38cの間に隙間hを形成する構成とする。
【0045】
この定流量化手段38では、洗剤給水は、上流側の洗剤給水電磁弁17bから変形部材38cの外周部の隙間Δdを通り、隙間hから小孔38aを経て下流側のシャワーヘッド29に流れ出る。上流側の水圧が高くなると、変形部材38cが円筒部材38b側に押されて変形することにより、隙間hが小さくなって流路面積が減少する。従って、給水圧が高い場合の流量増加を抑制することができ、未溶解の洗剤が洗剤溶かし室32からオーバーフローすることを防止することができることから、給水圧の影響を軽減して略同じ濃度の洗剤液を生成して供給することができる。
【0046】
注水ケース27は、主給水パイプ30aから主給水を主受水口27bから分流室27cに受水し、散水隙間27dから通水路34に給水すると共に呼び水給水口27eから呼び水パイプ19bに給水する。また、風呂水給水パイプ19cから風呂水受水口27fに風呂水を受水して注水ケース27の通水路34に供給する。
【0047】
図11は、マイクロコンピュータを中心にして構成した制御手段のブロック図である。
【0048】
マイクロコンピュータ41は、内蔵したメモリや電気的書き込みが可能な不揮発性メモリであるEEPROM42に記憶した制御プログラムや運転条件に従って、洗濯および脱水運転制御処理を実行する。
【0049】
このマイクロコンピュータ41は、商用電源から、電源スイッチ23,降圧電源トランス43,制御用電源回路44を介して給電する。マイクロコンピュータ41は、前記水位センサ10,水温センサ11からの検出信号を入力し、前記操作ボタンスイッチ25a〜25iからの操作信号を操作ボタン入力回路45を介して入力し、洗濯および脱水運転制御処理を実行する。そして、駆動回路46〜52を介して前記主給水電磁弁17a,風呂水ポンプ19,排水装置13,電動機7,クラッチ8,洗剤給水電磁弁17b,仕上げ剤給水電磁弁17cを制御して洗濯および脱水運転を実行し、その動作状態を前記表示器24a〜24fを点灯したり前記ブザー26を鳴らせることによって表示する。
【0050】
前記制御用電源回路44は、交流電圧を整流および平滑して直流電圧を出力してマイクロコンピュータ41に供給する。また、前記各駆動回路46〜52は、双方向性3端子サイリスタ等の交流スイッチング素子で構成し、商用電源から電源スイッチ23を介して受電した交流電圧をマイクロコンピュータ41からの指示信号に従って前記主給水電磁弁17a,風呂水ポンプ19,排水装置13,電動機7,クラッチ8,洗剤給水電磁弁17b,仕上げ剤給水電磁弁17cに供給する。
【0051】
この全自動洗濯機は、次のように動作する。
使用者が洗濯物を洗濯槽5に入れて電源スイッチ23を投入することによって洗濯および脱水運転が可能な状態となる。
【0052】
その後、使用者がスタートボタンスイッチ25aを操作すると、マイクロコンピュータ41は、布量検出制御処理を実行する。この布量検出は、給水前で洗濯物が乾燥している状態で電動機7を所定の短時間だけ運転して回転翼6を回転駆動し、このときの到達回転速度を検出し、この検出結果に基づいて洗濯物の量を推定することにより行う。そして検出した布量(洗濯物の量)に適量の水量と洗剤量を決め(設定し)て表示器24fに表示して使用者に知らせる。
【0053】
使用者は、洗剤投入箱28を注水ケース27から引き出し、表示を参考にして適量の粉末洗剤を洗剤溶かし室32に投入し、必要に応じて、柔軟仕上げ剤を柔軟仕上げ投入室31に投入した後、洗剤投入箱28を注水ケース27に押し込んでセットする。
【0054】
マイクロコンピュータ41は、所定の時間経過すると、洗剤給水電磁弁17bを開放して洗剤給水を開始する。洗剤給水電磁弁17bが開放すると、水道栓口16から供給される水道水(洗剤給水)は、洗剤給水パイプ30bを通り、定流量化手段38で定流量化されてシャワーヘッド29の給水室29cに流入し、ノズル29bから上方の洗剤溶かし室32の底面のメッシュ37に向かって噴水する。この噴水は、メッシュ37を通過して洗剤溶かし室32内に進入し、この洗剤溶かし室32内に投入されている粉末洗剤を撹拌しながら該洗剤溶かし室32内に溜まって撹拌水流を生成する。この撹拌水流は、洗剤溶かし室32内の粉末洗剤の全部を吹き上げて水に分散させるようにしないと、洗剤の一部が固まって溶け残る可能性が高い(特に水温が低く洗剤が溶けにくい場合)。このためには、ノズル29aや洗剤溶かし室32を適切な形状にすることが必要である。これについては後述する。
【0055】
洗剤溶かし室32内の撹拌水流で粉末洗剤を溶かして生成した洗剤液は、メッシュ37を通過して隙間33に流下し、ノズルヘッド29(隙間33)の周縁から注水ケース27の通水路34に流れ出し、底面の傾斜面から給水口35を通って洗濯槽5内の洗濯物上に流下する。洗剤溶かし室32内の未溶解の洗剤は、噴水流で吹き上げられて洗剤液と共に流下してメッシュ37上に沈降し、再度吹き上げられるように(洗剤溶かし室32内で上下方向の円運動をする)撹拌されながら溶けていく。
【0056】
洗剤溶かし室32内の粉末洗剤の量が多い洗剤溶解初期は、メッシュ37は未溶解の粉末洗剤で覆われている部分が多くて該メッシュ37の実質開口面積が少ないために、メッシュ37から流下する洗剤液の流量が少なく、洗剤溶かし室32内の水位は上昇する。そして、洗剤溶かし室32が洗剤給水で満杯になると未溶解の粉末洗剤を伴ってオーバーフローしてしまう。しかし、洗剤溶かし室32の高さが十分あれば、噴水流で持ち上げられた未溶解の洗剤は洗剤溶かし室32のスリット32aに至る前に沈降するために、未溶解のままでオーバーフローすることはない。しかし、一般には、洗剤溶かし手段18を収容する後部収納箱14bの大きさによって洗剤溶かし室32の高さが制限されて十分な高さを確保することが困難であるときには、未溶解の粉末洗剤がオーバーフローする恐れがある。
【0057】
そこで、この実施の形態では、洗剤溶かし室32の上部の開口は、洗剤投入箱28を注水ケース27に押し込んでセットしたときに該注水ケース27の天板部27aによって塞ぐようにしている。但し、洗剤溶かし室32の上部の開口を塞いでしまうと、水温や洗剤の種類,量によっては、次のような問題が生じることがある。すなわち、洗剤溶かし室32の上部開口を塞ぐことによってオーバーフローは防止することができるが、洗剤溶かし室32内が洗剤給水で満たされてしまうと、その後にノズル29bからの噴水がメッシュ37を通過して洗剤溶かし室32内に流入し難くなることから、洗剤溶かし室32内の撹拌水流の水勢が弱まって洗剤が固まってしまうことがある。
【0058】
これを防ぐために、この実施の形態では、洗剤溶かし室32の上縁に、少量の洗剤液をオーバーフローさせるためのスリット32aを設けている。このスリット32aは、洗剤給水開始初期には、洗剤溶かし室32内を排気して噴水の進入を容易にするように機能し、洗剤溶かし室32内が給水(洗剤液)で満たされた場合にはその一部をオーバーフローさせることにより、その後の噴水の進入を容易にして洗剤溶かし室32内の撹拌水流の水勢の弱まりを軽減するように機能し、洗剤溶解が確実に行えるようにする。スリット32aは、大きすぎると未溶解の粉末洗剤が流出するために、最小限の大きさとする(スリット32aの開口幅は0.5〜1mm程度とするのが良い)。
【0059】
洗剤溶かし室32内の粉末洗剤の溶解が進行するに従い、メッシュ37は、未溶解の洗剤で覆われる部分が減少して実質開口面積が増加していくために、メッシュ37から流下する洗剤液の流量が多くなり、洗剤溶かし室32内の水位は低下していく。そして、流入する噴水量と流下する水量が等しくなったところで、水位を略一定に保った状態で噴水の噴流によって粉末洗剤を撹拌し、粉末洗剤を効率良く溶かし出す。
【0060】
ノズル29bからの噴水は、メッシュ37を下から上に向かって通過して洗剤溶かし室32内に流れ込んで洗剤溶かし室32の下から上へ向かって流れ、粉末洗剤を溶解して生成した洗剤液は、メッシュ37を上から下へ向かって流れるようになる。このために、メッシュ37に付着しようとする未溶解の洗剤は、ノズル29bからの噴水によって洗われることになり、メッシュ37が粉末洗剤によって目詰まりすることがない。
【0061】
洗剤溶かしが終了したならば、洗剤給水電磁弁17bを閉じる。洗剤溶かし終了の判断は、洗剤溶かし室32に投入された粉末洗剤の量とこれを溶かし終えるのに要する洗剤給水時間を予め定めておき、布量検出に基づいて決めて表示した量の粉末洗剤が洗剤溶かし室32内に投入されているものと仮定し、この粉末洗剤を溶かすのに要する時間管理で行うようにする。また、注水ケース27の通水路34を流れる給水に洗剤成分が含まれているか否かを検出する検出器(例えば電導度センサを設ける)で行うようにしても良い。
【0062】
次に、マイクロコンピュータ41は、主給水電磁弁17aを開き、洗い水の給水を開始する。そして、水位センサ10からの水位検出信号に基づいて洗濯槽5(外槽4)内の水位を監視し、布量検出結果に基づいて設定した水位まで給水されたことを検出すると、主給水電磁弁17aを閉じて給水を停止させる。そして、回転翼6を正逆転させて洗濯物を撹拌する洗い工程を開始する。その後の洗濯および脱水工程は、通常の全自動洗濯機と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
洗剤溶かし室32内で粉末洗剤の溶け残りがなく、短時間で粉末洗剤を溶かし出すためには、シャワーヘッド29と洗剤溶かし室32を適切に構成することが必要である。特に、ノズル29bから噴出する噴水の流速とノズル29bの分布密度が重要であり、流速は4m/s以上、密度は2.5〜3.5個/cm程度が好適である。また、目詰まりや加工性を考慮すると、ノズル29bの穴径は、0.5mm以上であることが望ましい。洗剤溶かし室32への粉末洗剤の投入し易さを考慮すると、洗剤溶かし室32は、60mm角より大きい方が良い。また、洗濯機の後部収納箱15b内への搭載を考慮すると、シャワーヘッド29と洗剤溶かし室32(洗剤投入箱28)を合わせた高さは、可及的に低い方が良い。
【0064】
一例として、洗濯容量8kgの全自動洗濯機(高水位が68リットルの給水量に相当)に適用した場合について述べる。シャワーヘッド29の高さは20mm、ノズル29bは穴径0.5mm、穴数104個とし、洗剤溶かし室32は60mm角の立方体とした。ノズル29bからの噴水の流速を4m/sとするための流量は5リットル/minとなり、従って、定流量化手段38は、給水圧に影響されずに略5リットル/minの流量となる仕様である。
【0065】
図12は、この仕様の洗剤溶かし手段18によって得られる洗剤液(洗剤溶かし室32から流下する洗濯液)の濃度変化を示す特性図である。この特性は、高水位(洗い水量68リットル、粉末洗剤量45g)と最低水位(洗い水量24リットル、粉末洗剤量16g)における洗剤溶かし時間と洗剤液の濃度の関係である。洗剤濃度は、標準濃度(洗剤メーカの推奨濃度:水30リットルに粉末洗剤20gを溶かしたときの濃度)の倍数で示している。水温は、冬場の最も厳しい条件である5℃の場合である。
【0066】
洗剤溶解開始直後の洗剤液の濃度は、洗剤量45gの場合には、標準濃度に比べ30倍程度である。溶解時間の経過(洗剤の溶解が進む)に伴って濃度が低下し、総てが溶けると濃度が0となる。また、洗剤液の濃度は、洗剤溶かし室32内に投入した粉末洗剤の量でも変わり、投入した洗剤量が多いほど洗剤液の濃度が高くなる。
【0067】
洗剤液の濃度が高くなるほど、洗剤液中の界面活性剤の浸透作用や乳化作用、洗剤液のアルカリ剤成分の作用(遊離脂肪酸汚れのけん化、油汚れの乳化分散)によって洗濯物(衣類)内の汚れが浮き出してくるために、汚れが取れ易くなる。市販されている、衿・袖汚れ用のプレケア洗剤は、この効果を狙ったものである。予めプレケア洗剤を衿や袖に塗ってから、洗濯機で普通に洗うことで、汚れが取れ易くなる。
【0068】
一方、添加剤として蛍光増白剤や漂白剤を含む粉末洗剤では、高濃度の蛍光増白剤や漂白剤のために洗濯物の色むらや色落ちが発生する可能性がある。高い洗浄力を維持したままで、このような色むらや色落ちを防ぐためには、洗剤液の濃度を標準濃度に比べ6〜10倍程度にすることが望ましい。
【0069】
洗剤液の濃度を標準濃度の6〜10倍に制御して洗濯物に散布すれば、上述のプレケア洗剤と同様の効果を発揮し、洗濯機の回転翼6の撹拌力を弱くして機械力を小さくしても高い洗浄力が得られる。そこで、洗剤溶かし手段18で生成する洗剤液の濃度を標準濃度の6〜10倍の濃度にする方法について説明する。
【0070】
図12から、洗剤量16gの場合には、洗剤溶解を開始すると洗剤濃度が約10倍から始まるので濃度調整の必要はない。しかしながら、洗剤量45gの場合には、洗剤濃度約30倍から始まり20秒後に濃度約10倍になるので、洗剤溶解開始から20秒間だけは濃度調整を行う。この洗剤濃度調整は、洗剤給水電磁弁17bを開放して洗剤溶かし給水を開始すると略同時に主給水電磁弁17aも開放して注水ケース27に給水し、洗剤溶かし室32から流下する洗剤液を注水ケース27内の通水路34で混合して薄めることにより実現する。そして、洗剤溶解開始から20秒経過して洗剤液の濃度が低下したならば主給水電磁弁17aを閉じ、洗剤給水のみを行って洗剤液を生成して供給するようにすれば良い。
【0071】
図14は、このような給水を行うための各給水電磁弁17a,17bの開閉制御のタイムチャートを示している。
【0072】
混合する給水流量は、濃度30倍の洗剤液を10倍にすれば良いので、洗剤給水流量の2倍程度の流量で主給水電磁弁17aから注水ケース27に給水すれば良い。例えば、洗剤給水流量は5リットル/minであるので、主給水電磁弁17aから注水ケース27への給水流量は10リットル/minとする。濃度調整された洗剤液の濃度は、洗剤溶解初期では約10倍となるが、20秒経過すると約3倍になってしまう。そこで、洗剤溶かし室32から通水路34に流下する洗剤液の濃度が約20倍になったならば、主給水電磁弁17aからの給水流量を5リットル/minに制限する。このようにすることで、洗剤溶解開始から20秒後の洗剤液の濃度は約6倍となり、最適な条件で洗濯物に散布することができる。主給水電磁弁17aによる給水流量を10リットル/minから5リットル/minにするには、例えば主給水電磁弁17aを間欠的に開閉制御することによりその平均流量が所望の水量となるようにすれば良い。
【0073】
また、図13に示すように、水源である水道の水圧により給水流量が変化するために、主給水電磁弁17aの開時間と閉時間は、水圧(給水流量)に応じても変える必要がある。
【0074】
給水流量の検知方法を説明する。水位センサ10の検出信号を参照してゼロ点水位からそれよりも高く、設定可能な最低水位よりも低い水位までの給水時間Tを計測する。給水時間Tは、給水流量Qが大きいほど短くなる反比例関係にあることから、給水時間Tから給水流量Qを知ることができる。詳細に見ると、同じ給水流量でも洗濯物の量により若干差があるが、実用上は平均値を使用すればよい。給水時間Tと給水流量Qの関係は、予めマイクロコンピュータ41に記憶しておき、給水時間Tから求められる給水流量QをEEPROM42に記憶する。
【0075】
このように、洗剤量,溶解時間,洗剤液の濃度の関係や給水時間と給水流量の関係を予めテーブル化してマイクロコンピュータ41の内部メモリやEEPROM42に記憶させ、これを利用して給水電磁弁の開時間と閉時間を制御することで、適正な濃度の洗剤液を得ることができる。そして、この洗剤液を洗濯物上に散布して浸透させることで、洗濯物の色むらや色落ちを発生させずに、高い洗浄力を有する洗濯機を実現することができる。なお、マイクロコンピュータ41のメモリを節約するために、溶解時間や給水時間に閾値を設定し、テーブルデータ量を減少させるようにしてもよい。
【0076】
更に、図15に示すように、洗剤溶解終了後にも洗剤給水電磁弁17bを主給水電磁弁17aによる洗い水給水中にも開放したままとしても良い。このようにすれば、両方の給水電磁弁17a,17bから洗い水を給水することになって給水流量が増加するので、給水時間を短縮することができる。また、洗剤溶かし室32への給水時間が長くなるので、冬場など水温の低いときのように洗剤溶解に長時間を要する場合には効果的である。このような水温に応じた給水制御は、水温センサ11からの検出信号を参照し、水温が低いとき(例えば10℃以下のとき)には洗剤給水電磁弁17bからも洗い水を給水して該洗剤給水電磁弁17bからの給水時間を長くするように制御する構成とすれば良い。
【0077】
図16は、洗剤溶かし室32の底部のメッシュ37のクリーニングを実行する制御処理のタイムチャートである。
【0078】
洗剤溶解終了までは、図14と同様である。洗剤給水電磁弁17bを閉じると、洗剤溶かし室32とシャワーヘッド29の隙間33には、表面張力で水が溜まったままとなる。この溜り水を放置すると、残留している洗剤があるとこれを溶かし出す。そして、残留洗剤を溶かし出した残留水が濯ぎ水を給水するときに通水路34を流れる濯ぎ給水に混入すると、洗濯槽5に給水する濯ぎ水に洗剤成分が混入することになる。従って、この隙間33内で残留洗剤を溶かし出した残留水は、洗い工程中に排出することが望ましい。
【0079】
この残留洗剤を溶かし出した残留水の排出は、洗い水を排水する前まで(もしくは排水中)に洗剤電磁給水弁17bを5〜20秒間開放する制御を行ってクリーニング給水することによって実現することができる。このようなタイミングで洗剤給水電磁弁17bを開放することにより、シャワーヘッド29からの噴水が隙間33で残留洗剤を溶かし出した残留水を注水ケース27へ流し出し洗濯槽5内の洗い水中に流し入れることができる。このように隙間33内の残留水を流し出すためのクリーニング給水は、洗い水の給水後から洗い工程終了までであれば何時でも良いが、残留水の放置時間をなるべく長くして洗い水排水直前または排水中に行うことで残留洗剤をより良く溶かしてメッシュ37をきれいに保つことができるようになる。
【0080】
図15および図16は、洗剤濃度調整を行う場合の制御を例示しており、濃度調整を行わない場合は、洗剤溶解時に主給水電磁弁17aは開閉しない。
【0081】
【発明の効果】
本発明は、洗剤溶かし室の底のメッシュとその下に対向するように設けたシャワーヘッドの間の隙間をノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされるように構成し、ノズルからの噴水を効率良く洗剤溶かし室内に導入して該洗剤溶かし室内に滞留させると共に撹拌水流を生成して洗剤を効率良く溶かし出すようにしたことにより、粉末洗剤を効率良く溶かして洗濯槽に供給することができる簡単な構造で低コストでコンパクトな洗剤溶かし手段を備えた洗濯機とすることができる。
【0082】
また、洗剤溶かし室で粉末洗剤を溶かして生成した洗剤液を適度な高濃度に調整して洗濯物に散布して浸透させることができるように構成したので、洗剤の化学的洗浄力を有効に活用して洗浄率を向上することができる。
【0083】
しかも、前記洗剤溶かし室は、注水ケースから簡単に取り外すことができるので、清掃や修理作業が容易な洗剤溶かし手段とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全自動洗濯機の外観斜視図である。
【図2】図1に示した全自動洗濯機のA−A線に沿う縦断側面図である。
【図3】図1に示した全自動洗濯機の操作パネルの平面図である。
【図4】図1に示した全自動洗濯機の後部収納箱の内部を示す図2におけるB−B線に沿う横断平面図である。
【図5】図1に示した全自動洗濯機の洗剤溶かし手段を示す図4におけるC−C線に沿う縦断側面図である。
【図6】図5に示した洗剤溶かし手段のD−D線に沿う横断平面図である。
【図7】図5に示した洗剤溶かし手段のE−E線に沿う縦断正面図である。
【図8】図5に示した洗剤溶かし手段におけるシャワーヘッドの縦断正面図である。
【図9】図5に示した洗剤溶かし手段におけるシャワーヘッドのノズルの配置例を示す平面図である。
【図10】図4に示した洗剤溶かし手段における定流量化手段の縦断側面図である。
【図11】図1に示した全自動洗濯機の電気接続を示すブロック図である。
【図12】図1に示した全自動洗濯機における洗剤溶かし時の洗剤濃度変化を示す特性図である。
【図13】図1に示した全自動洗濯機における給水圧と給水流量の関係を示す特性図である。
【図14】図1に示した全自動洗濯機における各給水電磁弁の開閉タイミングの一例を示すタイムチャートである。
【図15】図1に示した全自動洗濯機における各給水電磁弁の開閉タイミングのたの例を示すタイムチャートである。
【図16】図1に示した全自動洗濯機における各給水電磁弁の開閉タイミングの更に他の例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
4…外槽、5…洗濯兼脱水槽(洗濯槽)、10…水位センサ、15…トップカバー、15b…後部収納箱、15c…前操作箱、16…水道栓口、17…給水電磁弁装置、17a…主給水電磁弁、17b…洗剤給水電磁弁、17c…仕上げ剤給水電磁弁、18…洗剤溶かし手段、20…制御回路基板、23…電源スイッチ、24a〜24f…表示器、28a〜25i…操作ボタンスイッチ、27…注水ケース、27a…天板部、28…洗剤投入箱、29…シャワーヘッド、29a…ノズル面、29b…ノズル、29c…給水室、32…洗剤溶かし室、33…隙間、34…通水路、35…吸水口、37…メッシュ、38…定流量化手段、41…マイクロコンピュータ。

Claims (5)

  1. 洗濯物を入れる洗濯槽と、この洗濯槽に給水する給水手段と、粉末洗剤を溶かして前記洗濯槽内に供給する洗剤溶かし手段と、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段とを備え、前記洗剤溶かし手段は、前記給水手段の給水経路の途中に設けられ前面もしくは上面に開口部を有する箱状の注水ケースと、この注水ケース内に前記開口部から出し入れが可能で上面が開口し底面にメッシュを設けた箱状の洗剤溶かし室と、この洗剤溶かし室の下方に設けられて該洗剤溶かし室の前記メッシュに向けて噴水するノズルを設けたシャワーヘッドとを備えた洗濯機において、
    前記シャワーヘッドは、前記洗剤溶かし室の前記メッシュの略全面に対向する大きさでその略全面に均一に分布した多数のノズルを有し、前記シャワーヘッドと洗剤溶かし室のメッシュの間には、前記ノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされる隙間を介在させたことを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1において、前記注水ケースは、洗剤溶かし室が押し入れられたときに該洗剤溶かし室の開口を塞ぐ蓋となる天板部を備え、前記洗剤溶かし室の側壁上部に開口を設けたことを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項1または2において、前記給水手段は、前記注水ケース内に直に給水する主給水手段と、前記シャワーヘッドに給水する洗剤給水手段を備え、前記シャワーヘッドによる給水で前記洗剤溶かし室から溶かし出した洗剤液を前記注水ケース内で前記主給水手段による給水と混合することを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項3において、前記洗剤給水手段は、この洗剤給水手段への給水圧が高いほど流路面積が小さくなる定流量化手段を備えたことを特徴とする洗濯機。
  5. 洗濯物を入れる洗濯槽と、この洗濯槽に洗濯水を給水する主給水手段と、この主給水手段の給水経路の途中に設けられて前記洗濯槽の上方に開口する給水口と前面もしくは上面に開口部を有する箱状の注水ケースと、この注水ケース内に前記開口部から出し入れが可能で上面が開口し底面にメッシュを設けた箱状の洗剤溶かし室と、この洗剤溶かし室の下方に設けられ洗剤給水手段からの給水を前記洗剤溶かし室のメッシュに向けて噴水するノズルを有するシャワーヘッドと、前記洗濯槽内の水を排水する排水手段と、洗い,濯ぎおよび脱水の各工程の制御を行う制御手段とを備えた洗濯機において、
    前記シャワーヘッドは、前記洗剤溶かし室の前記メッシュの略全面に対向する大きさでその略全面に均一に分布した多数のノズルを有し、前記シャワーヘッドと洗剤溶かし室のメッシュの間には、前記ノズルからの噴水と洗剤溶かし室からメッシュを通して流下する洗剤液により形成される液層で満たされる隙間を介在させ、
    前記注水ケースは、前記シャワーヘッドにより洗剤溶かし室から溶かし出した洗剤液を前記主給水手段による給水と混合して洗濯槽に供給するように機能し、
    前記制御手段は、前記洗剤溶かし室に収容される洗剤量前記主給水手段を通過する水の流量前記洗剤給水手段を通過する水の水温前記洗剤給水手段の給水経過時間に応じて前記主給水手段の開閉を制御することを特徴とする洗濯機。
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