JPH08103593A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯兼脱水槽洗濯兼脱水槽の底部に回転自在
に配設したパルセーターにより洗濯する洗濯機におい
て、洗濯初期に洗剤をはやく溶解するようにする。 【構成】 洗濯兼脱水槽３の底部にパルセーター２を回
転自在に配設し、パルセーター２の裏面の羽根８の外周
に形成したポンプ室９から洗濯兼脱水槽３の側壁に循環
水路７を形成し、循環水路７の吐出口１０を洗濯兼脱水
槽３の中心方向に向けて開口する。パルセーター２の上
方を覆いパルセーター２とは動的に切り離して多孔体１
２を設け、パルセーター２を洗濯開始直後の所定時間、
循環水路７の吐出口１０から洗濯液が吐出しない短い反
転時限で運転するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯兼脱水槽洗濯兼脱
水槽の底部に回転自在に配設したパルセーターにより洗
濯する洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の洗濯機は、洗濯兼脱水槽
内の洗濯物を水を介して、またはパルセーターが直接洗
濯物に接触することにより洗濯物を回転させて洗浄して
いた。このため、洗濯中の洗濯物がパルセーターに直接
接触し、洗濯物が傷むという問題や、水を沢山使うとい
う問題を有していた。発明者らは、これらの課題を解決
するために、図７に示すような洗濯機を提案している。
以下、その構成について説明する。

【０００３】図に示すように、水受け槽１は、底部にパ
ルセーター２を回転自在に配設した洗濯兼脱水槽（以
下、洗濯槽という）３を内包し、吊り棒４により洗濯機
外枠５に吊り下げている。循環水路カバー６は、洗濯槽
３の内面に複数個取着し、洗濯槽３との間に独立した複
数の循環水路７を形成している。パルセーター２の裏面
に羽根８を一体に設け、羽根８の外周に形成したポンプ
室９を複数の循環水路７に連通している。

【０００４】複数の循環水路７の上部に洗濯槽３の内部
に向けて開口した吐出口１０を設け、パルセーター２の
上に多数の孔１１を有する多孔体１２を着脱自在に設け
ている。モータ１３は、Ｖベルト１４および減速機構兼
クラッチ１５を介して、パルセーター２または脱水槽３
を駆動する。排水弁１６は洗濯槽３内の洗濯液を排水
し、給水弁１７は洗濯槽３に給水するものである。洗濯
槽３には脱水時の振動を低減させるための流体バランサ
ー１８を設け、洗濯槽３の上部を蓋１９で覆っている。

【０００５】制御装置２０は、モータ１３、排水弁１
６、給水弁１７などを制御して、洗濯、すすぎ、脱水の
各行程を逐次制御するものである。洗濯物２１は、多孔
体１２の上に乗せられており、直接洗濯物２１とパルセ
ーター２が接触することはない。

【０００６】上記構成において、制御装置２０によりモ
ータ３を駆動してパルセーター２を回転すると、略ハー
ト型の水流２２が発生すると同時に、吐出口１０から滝
状の洗濯液２３が吐出され、この２つの水流によって洗
濯物２１が洗浄される。したがって、今まで洗うことが
難しかったブラウスやセーターなどのデリケートな衣類
も、型くずれや傷みが起こすことなく洗うことができる
ようになり、かつ、少ない水と洗剤で洗うことが可能に
なった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな洗濯物の中に洗剤液を通過させて洗浄する洗濯機で
は、洗剤が溶けない状態で吐出口１０から吐出される
と、洗濯物がフィルターとなって、溶けていない洗剤が
洗濯物の上に残ってしまい、洗濯物に機械力が加わらな
いため、洗濯物の上に残ってしまった洗剤はなかなか溶
けないという問題を有していた。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、洗濯
初期に洗剤をはやく溶解するようにすることを第１の目
的としている。

【０００９】また、洗濯初期にできるだけ泡を立てない
で洗剤を溶解することを第２の目的としている。

【００１０】また、洗濯初期により確実にすべての洗剤
を溶解することを第３の目的としている。

【００１１】また、上記第１から第３の目的を達成する
とともに、多孔体の着脱を容易にして使い勝手を向上す
ることを第４の目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配
設したパルセーターと、前記パルセーターの裏面の羽根
の外周に形成したポンプ室から前記洗濯兼脱水槽の側壁
に形成した循環水路と、前記洗濯兼脱水槽の中心方向に
向けて開口した循環水路の吐出口と、前記パルセーター
の上方を覆い前記パルセーターとは動的に切り離して設
けた多孔体とを備え、前記パルセーターを洗濯開始直後
の所定時間前記循環水路の吐出口から洗濯液が吐出しな
い短い反転時限で運転するようにしたことを第１の課題
解決手段としている。

【００１３】また、第２の目的を達成するために、上記
第１の課題解決手段のパルセーターを洗濯開始直後の所
定時間循環水路の吐出口から洗濯液が吐出しない短いオ
ン時間で運転するようにしたことを第２の課題解決手段
としている。

【００１４】また、第３の目的を達成するために、上記
第１または第２の課題解決手段の洗濯兼脱水槽の下部の
所定の高さの部分に脱水孔を設けないようにしたことを
第３の課題解決手段としている。

【００１５】また、第４の目的を達成するために、上記
第１から第３の課題解決手段の多孔体は、略中央部にて
パルセーターの中央部と動的に切り離した状態で連結し
たことを第４の課題解決手段としている。

【００１６】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
吐出口から洗濯液が吐出しないようにパルセーターを短
い時限で反転させるので、洗濯液はパルセーターと多孔
体の間で撹はんされ、この中に洗剤を投入することによ
り、洗剤を容易に溶解させることができる。

【００１７】また、第２の課題解決手段により、反転時
限を変えることなく、オン時間を短くすることによっ
て、泡立ちを押さえて洗剤を溶解することができる。

【００１８】また、第３の課題解決手段により、パルセ
ーターで洗剤を撹はんしたとき、洗剤の粒子が脱水用の
孔から水受け槽に逃げることがなくなり、より完全に洗
剤を溶解することができる。

【００１９】また、第４の課題解決手段により、洗剤を
容易に溶解することができるとともに、多孔体を容易に
着脱することができ、使い勝手を向上することができ
る。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１および図
２を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成の
ものは同一符号を付して説明を省略する。

【００２１】図に示すように、制御装置２４は、モータ
１３、排水弁１６、給水弁１７などを制御して、洗濯、
すすぎ、脱水の各行程を逐次制御するとともに、洗濯開
始直後の所定時間（たとえば、３０秒間）、パルセータ
ー２を循環水路７の吐出口１０から洗濯液が吐出しない
短い反転時限で運転するようにしている。

【００２２】すなわち、通常はパルセーター２を図２
（Ａ）に示すような反転時限で反転し、洗濯開始直後の
所定時間はパルセーター２を図２（Ｂ）に示すような反
転時限で反転する。なお、図２（Ａ）（Ｂ）において、
休止状態をはさんで、縦軸の上側が右回転している状
態、下側が左回転状態を示し、横軸は時間経過を示して
いる。

【００２３】上記構成において図３を参照しながら動作
を説明すると、まず、ステップ３１で洗剤を洗濯槽３に
投入し、ステップ３２で多孔体１２をセットしてステッ
プ３３で洗濯物２１を投入する。つぎに、ステップ３４
で制御装置２４に設けたスタートスイッチ（図示ぜず）
を押すと、制御装置２４の指令により、ステップ３５で
給水弁１７がオンし、給水を開始する。

【００２４】この給水状況を水位センサ（図示せず）に
より監視し、この水位センサ出力によりステップ３６で
制御装置２４が水位を判定し、所定水位に達していなけ
れば、ステップ３５に戻り給水をつづけ、所定水位に達
していれば、ステップ３７に進み、給水弁１７をオフし
て給水を停止する。給水弁１７がオフするとステップ３
８に進み、制御装置２４の指令によりパルセーター２が
回転を開始する。

【００２５】このとき、パルセーター２の反転時限を図
２（Ｂ）に示すように、通常の約３分の１にして、約３
０秒間撹はんする。このようにすることにより、洗濯液
は循環水路７を上り切ることができず、パルセーター２
と多孔体１２の間で激しく撹はんされる。パルセーター
２と多孔体１２の間には先に投入した洗剤の大部分が存
在し、この激しい撹はんで洗剤は短時間のうちに溶解す
る。

【００２６】所定時間（３０秒間）撹はん後、ステップ
３９に進む。ステップ３９では図２（Ａ）に示す通常の
反転時限になり、完全に洗剤が溶けた洗濯液は、循環水
路７を通って吐出口１０から、滝状の洗濯液２３となっ
て洗濯物２１に注がれ、かつ、ハート水流２２が発生
し、洗濯物を傷めずに洗浄する。このように洗剤がほぼ
完全にはやく溶けるので、洗浄率を高めることができ
き、かつ洗剤の溶け残りが洗濯物に付くことはない。

【００２７】つぎに、本発明の第２の実施例を図４を参
照しながら説明する。図１における制御装置２４は、パ
ルセーター２を洗濯開始直後の所定時間（たとえば、３
０秒間）循環水路７の吐出口１０から洗濯液が吐出しな
い短いオン時間で運転するようにしている。すなわち、
通常はパルセーター２を図４（Ａ）に示すような反転時
限で反転し、洗濯開始直後の所定時間はパルセーター２
を図４（Ｂ）に示すように、反転時限が同じで、オン時
間が短くなるように反転する。

【００２８】上記構成において動作を説明すると、図４
（Ｂ）に示すように、オン時間を通常の半分以下にする
ことによって、洗剤溶解時に洗濯液が吐出口１０から吐
出しないようにすると同時に、反転回数を押さえて、泡
立ちしやすい洗剤のときに、泡立ちを防止しながら洗剤
を溶解することができる。

【００２９】つぎに、本発明の第３の実施例を図５を参
照しながら説明する。なお、上記第１の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。

【００３０】図に示すように、洗濯兼脱水槽２５は、下
部の所定の高さの部分に脱水孔２６を設けないようにし
ている。

【００３１】上記構成において動作を説明すると、ま
ず、洗濯に先だって投入した洗剤の大部分は、パルセー
ター２と多孔体１２の間に存在し、上記第１または第２
の実施例で説明した反転時限でパルセーター２を駆動す
ると、この間の洗濯液が激しく撹はんされるので、洗剤
も短時間で溶解する。

【００３２】ここで、脱水孔２６を多孔体１２の下まで
設けた場合には、この撹はん時に、洗剤が溶ける前に洗
剤粒がこの脱水孔２６を通って、水受け槽１に流れ出る
ものが出てくる。また、一部の洗剤はハート水流２２に
乗って、多孔体１２の上に出てくるものもある。この洗
剤の一部も脱水孔２６から水受け槽４１に流れ出す。こ
のようにして水受け槽１に流れ出た洗剤は、パルセータ
ー２の影響を受けにくくなり、なかなか溶解しない。

【００３３】本発明では、脱水孔２６を洗濯兼脱水槽２
５の下部の所定の高さ（略１／３の高さ）の部分に設け
ていないため、上述した問題は起こらず、すべての洗剤
がはやく溶けるので、洗浄率を上げることができる。な
お、本実施例では、洗濯兼脱水槽２５の下部に脱水孔２
６がないので、脱水率が落ちそうであるが、洗濯兼脱水
槽２５が上部に向けて広がるようにテーパを持っている
ので、実用上問題とはならない。

【００３４】つぎに、本発明の第４の実施例を図６を参
照しながら説明する。なお、上記第１の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。

【００３５】図に示すように、多孔体２７は、多数の孔
２８を有しており、その略中央部をパルセーター２の略
中央部にて動的には切り離した状態で連結している。多
孔体２７は、パルセーター２の取り付け部のリング状の
凹部２９に回転自在に取り付けており、パルセーター２
が回転中でも多孔体２７を回転させようとする力はほと
んど伝わらない。多孔体２７の着脱はボタン３０を押す
ことにより、多孔体２７とボタン３０が上下方向にずれ
て、両者は着脱できる。

【００３６】上記構成における動作は、多孔体２７の構
造が異なるが、第１の実施例と同じ働きをし、第１の実
施例と同じ洗浄効果を上げることができる。また、多孔
体２７の着脱が容易で、使い勝手を向上することができ
る。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明は、洗濯兼脱水槽の
底部に回転自在に配設したパルセーターと、前記パルセ
ーターの裏面の羽根の外周に形成したポンプ室から前記
洗濯兼脱水槽の側壁に形成した循環水路と、前記洗濯兼
脱水槽の中心方向に向けて開口した循環水路の吐出口
と、前記パルセーターの上方を覆い前記パルセーターと
は動的に切り離して設けた多孔体とを備え、前記パルセ
ーターを洗濯開始直後の所定時間前記循環水路の吐出口
から洗濯液が吐出しない短い反転時限で運転するように
したから、洗剤をほぼ完全にはやく溶かすことができ、
洗浄率を高めることができ、しかも、洗剤の溶け残りが
洗濯物に付くのをなくすことができる。

【００３８】また、パルセーターを洗濯開始直後の所定
時間循環水路の吐出口から洗濯液が吐出しない短いオン
時間で運転するようにしたから、洗剤溶解時のパルセー
ターの反転回数を押さえて、泡立ちしやすい洗剤であっ
ても泡立ちを防止しながら洗剤を溶解することができ
る。

【００３９】また、洗濯兼脱水槽の下部の所定の高さの
部分に脱水孔を設けないようにしたから、洗剤溶解の撹
はん時に、洗剤が溶ける前に洗剤が脱水孔を通って、水
受け槽に流れ出るものがなくなるため、すべての洗剤を
はやく溶かすことができ、洗浄率をより高めることがで
きる。

【００４０】また、多孔体は、略中央部にてパルセータ
ーの中央部と動的に切り離した状態で連結したから、上
記と同じ洗浄効果を上げることができるとともに、多孔
体の着脱が容易となり、使い勝手を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の洗濯機の断面図

【図２】同洗濯機のパルセーターの反転時限を示すタイ
ムチャート

【図３】同洗濯機の要部動作フローチャート

【図４】本発明の第２の実施例の洗濯機のパルセーター
の反転時限を示すタイムチャート

【図５】本発明の第３の実施例の洗濯機の要部断面図

【図６】本発明の第４の実施例の洗濯機の断面図

【図７】従来の洗濯機の断面図

【符号の説明】

２ パルセーター ３ 洗濯兼脱水槽 ７ 循環水路 ８ 羽根 ９ ポンプ室 １０ 吐出口 １２ 多孔体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設し
   たパルセーターと、前記パルセーターの裏面の羽根の外
   周に形成したポンプ室から前記洗濯兼脱水槽の側壁に形
   成した循環水路と、前記洗濯兼脱水槽の中心方向に向け
   て開口した循環水路の吐出口と、前記パルセーターの上
   方を覆い前記パルセーターとは動的に切り離して設けた
   多孔体とを備え、前記パルセーターを洗濯開始直後の所
   定時間前記循環水路の吐出口から洗濯液が吐出しない短
   い反転時限で運転するようにした洗濯機。
2. 【請求項２】 パルセーターを洗濯開始直後の所定時間
   循環水路の吐出口から洗濯液が吐出しない短いオン時間
   で運転するようにした請求項１記載の洗濯機。
3. 【請求項３】 洗濯兼脱水槽の下部の所定の高さの部分
   に脱水孔を設けないようにした請求項１または２記載の
   洗濯機。
4. 【請求項４】 多孔体は、略中央部にてパルセーターの
   中央部と動的に切り離した状態で連結した請求項１〜３
   のいずれか１項に記載の洗濯機。