以下、洗濯機に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1および図2に例示する洗濯機1は、その外郭を構成する矩形箱状の外箱2の上部にトップカバー3を備える。外箱2は、例えば鋼板からなり、トップカバー3は、例えば合成樹脂からなる。外箱2の内部には、洗濯水を溜めることが可能な有底円筒状の水槽4が、周知の弾性吊持機構5により弾性的に吊り下げられた状態で支持されている。水槽4の底部には、排水口6が形成されている。この排水口6には、例えば電子制御式の排水弁7を備えた排水路8が接続されている。また、水槽4の底部には、図示しないエアトラップが設けられており、このエアトラップに接続されたエアチューブを介して、水槽4内の水位を検出する水位センサ9が設けられている。
水槽4の内部には、洗濯槽および脱水槽を兼用する縦軸型の回転槽10が回転可能に収容されている。この回転槽10は、有底円筒状をなし、その周壁部には、多数の脱水孔10aが形成されている。この回転槽10の上端部には、例えば液体封入形の回転バランサ11が取り付けられている。また、回転槽10の内部の底部には、撹拌体であるパルセータ12が設けられている。回転槽10内には、衣類などの洗濯物が収容される。
水槽4の上部には、水槽カバー13が装着されている。この水槽カバー13には、ほぼ中央部に洗濯物出し入れ用の開口部13aが設けられている。また、この開口部13aには、当該開口部13aを開閉する内蓋14が設けられている。水槽カバー13のうち開口部13aよりも後側の部分には、水槽4内に給水を行うための給水口20が設けられている。
水槽4の外部の底部には、周知の駆動機構部15が設けられている。この駆動機構部15は、例えばアウタロータ形のDC三相ブラシレスモータからなる図5に例示する洗濯機モータ16、中空の槽軸18、この槽軸18を貫通する撹拌軸19、洗濯機モータ16の回転駆動力を軸18,19に選択的に伝達する図5に例示するクラッチ機構部17などを備えている。槽軸18の上端には、回転槽10が連結されている。また、撹拌軸19の上端には、パルセータ12が連結されている。
クラッチ機構部17は、例えばソレノイドを駆動源としており、洗濯機1の動作全般を制御する制御装置21により制御される。クラッチ機構部17は、洗い行程時およびすすぎ行程時には、回転槽10を停止させた状態で、洗濯機モータ16の駆動力を、撹拌軸19を介してパルセータ12に伝達してパルセータ12を正転方向および逆転方向に駆動する。また、クラッチ機構部17は、脱水行程時には、槽軸18と撹拌軸19を連結させた状態で、洗濯機モータ16の駆動力を槽軸18を介して回転槽10に伝達し、回転槽10およびパルセータ12を一方向に高速で駆動する。
洗濯機モータ16には、ロータの回転位置を検出する図5に例示する回転センサ22が設けられている。制御装置21は、回転センサ22の検出値に基づいて洗濯機モータ16の回転速度を制御する。また、制御装置21は、運転の開始時に、回転槽10内の洗濯物の重量を判定する重量センシングを実行可能に構成されている。周知のように、重量センシングは、洗濯物の重量に応じてパルセータ12の回転負荷が変化することを利用するもので、例えば水槽4内への給水前の状態で、パルセータ12を所定の短時間だけ回転させ、その際の洗濯機モータ16の回転数、即ち、回転センサ22の出力パルス数の変化を検出することにより行われる。
重量センシングによる洗濯物の重量判定の結果に基づき、洗い行程、すすぎ行程において水槽4内に供給する水の設定供給量、換言すれば設定水位や給水動作の実行時間などが自動的に設定される。制御装置21は、水槽4内への給水動作を開始する前に、ユーザに対し、洗濯物の重量判定の結果に応じた最適な洗剤使用量を一定時間、例えば1分間ほど表示するように構成してもよい。
トップカバー3は、下面が開口し、且つ、上面が前方に向けて下降傾斜する薄形の中空箱状をなす。トップカバー3の中央部には、回転槽10の上方、つまり、水槽カバー13の開口部13aの上方に位置して、ほぼ円形の洗濯物出入用の開口部3aが形成されている。トップカバー3の上面には、開口部3aを開閉するための蓋23が設けられている。蓋23は、全体として矩形板状をなす。なお、蓋は、折り畳み不能な蓋であってもよいし、前蓋部と後蓋部とを折りたたみ可能に連結した、いわゆる二つ折りタイプの蓋であってもよい。
トップカバー3の上面の前部には、横長形状の操作パネル24が設けられている。操作パネル24は、ユーザにより操作される操作部や、設定内容などを表示する表示部などを備えている。操作パネル24の裏面側には、制御装置21を含む電子ユニットが設けられている。
トップカバー3の後部には、水槽4内への給水を行うための給水機構部25が設けられている。この給水機構部25は、接続口26、給水弁27、注水ケース28、給水ホース29などを備え、水槽4に接続されている。この給水機構部25は、水槽4内に水を供給するための給水経路を構成する。なお、給水経路は、水槽4に直接的に接続された構成に限られず、例えば、他の構成要素を介して間接的に水槽4に接続された構成であってもよい。接続口26には、洗濯機1外部の図示しない水道の蛇口に接続された接続ホースの先端部が接続される。給水弁27は、電磁的に開閉動作する開閉弁を備え、接続口26に接続された1つの入口と、第1出口および第2出口の2つの出口とを備えている。給水弁27は、制御装置21により制御される。
注水ケース28は、箱状をなし、上部に、給水弁27の第1出口に接続された第1入口部と、給水弁27の第2出口に接続された第2入口部とを有する。また、注水ケース28は、下部に、1つの出口部を有する。給水ホース29は、可撓性を有し、基端側が注水ケース28の出口部に接続され、先端部が水槽カバー13の給水口20に接続されている。制御装置21により給水弁27が開放されると、外部の水源から流入する水が注水ケース28および給水ホース29を順に通って、給水口20から水槽4内に供給される。
注水ケース28内には、容器状の洗剤ケース30が、洗濯機1の前後方向に沿って出し入れ可能に収容されている。洗濯機1は、これら注水ケース28および洗剤ケース30により、水槽4内に供給する洗剤、柔軟剤などの洗濯処理剤を収容する洗剤収容部の一例を構成している。洗剤ケース30は、トップカバー3の内部に設けられており、後述するように、液体洗剤および粉末洗剤を収容可能な構成となっている。図3および図4に例示するように、洗剤ケース30は、上面が開口した矩形箱状をなす。洗剤ケース30の内部には、粉末洗剤が収容される粉末洗剤収容部31と、柔軟剤が収容される柔軟剤収容部32とが、洗濯機1の左右方向に並んで配列されている。粉末洗剤収容部31は、後壁部が開放された形態となっており、注水ケース28内の後部の下部に設けられている流路28aに連なっている。また、柔軟剤収容部32の内部には、周知のサイフォン構造を有する流出口32aが設けられている。サイフォン構造の流出口32aは、柔軟剤収容部32内に溜まった水が所定水位を超えたときに、その水が柔軟剤とともに連続的に流れ出るように構成されている。
粉末洗剤収容部31には、液体洗剤を使用する場合に用いる液体洗剤用アタッチメント33が着脱可能に装着される。液体洗剤用アタッチメント33は、上面が開口した矩形箱状をなし、内部に水を溜めることが可能な構成であり、粉末洗剤収容部31の内部に嵌合可能な大きさを有する。また、液体洗剤用アタッチメント33の内部には、周知のサイフォン構造を有する流出口33aが設けられている。サイフォン構造の流出口33aは、液体洗剤用アタッチメント33内に溜まった水が所定水位を超えたときに、その水が液体洗剤とともに連続的に流れ出るように構成されている。
注水ケース28には、当該注水ケース28内に洗剤ケース30が収納された状態において当該洗剤ケース30の上方となる位置に通水板34が設けられている。通水板34には多数の孔部が設けられており、これにより、注水ケース28の第1入口部から流入する水が粉末洗剤収容部31内にシャワー状に供給され、また、注水ケース28の第2入口部から流入する水が柔軟剤収容部32内にシャワー状に供給されるようになっている。また、粉末洗剤収容部31に液体洗剤用アタッチメント33が装着されている状態では、注水ケース28の第1入口部から流入する水が液体洗剤用アタッチメント33内にシャワー状に供給されるようになっている。
このような構成の洗剤ケース30によれば、洗剤ケース30に液体洗剤用アタッチメント33を取り付ければ当該洗剤ケース30を液体洗剤収容用の洗剤ケースとして使用することができ、一方、洗剤ケース30から液体洗剤用アタッチメント33を取り外せば当該洗剤ケース30を粉末洗剤収容用の洗剤ケースとして使用することができる。
液体洗剤用アタッチメント33の前部の上端部分には、被検出体として機能する磁石46が取り付けられている。一方、注水ケース28の前部の上部には、磁石46の磁気に反応するリードスイッチ47が設けられている。リードスイッチ47は、洗剤ケース30に液体洗剤用アタッチメント33が装着された状態において、磁石46の磁気を検出する。そして、リードスイッチ47は、その検出信号を制御装置21に出力する。これにより、制御装置21は、洗剤ケース30に液体洗剤用アタッチメント33が装着されていることを認識する。即ち、制御装置21は、磁石46およびリードスイッチ47と協働することにより、洗剤ケース30に液体洗剤用アタッチメント33が装着されていることを検知するアタッチメント装着状態検知手段として機能する。
例えば洗い行程における給水動作では、制御装置21が給水弁27の第1出口を開放することにより、注水ケース28に水が供給されて通水板34からシャワー状に流出する。このとき、粉末洗剤収容部31に液体洗剤用アタッチメント33が装着されておらず、粉末洗剤が投入されている場合には、通水板34から流出する水は、粉末洗剤を溶かしながら流路28aを流れ、出口部から給水ホース29を通して水槽4内に供給される。また。粉末洗剤収容部31に液体洗剤用アタッチメント33が装着され、液体洗剤が投入されている場合には、通水板34から流出する水は、液体洗剤とともに流出口33aを通して出口部から排出され、給水ホース29を通して水槽4内に供給される。
また、例えばすすぎ行程の最終段階の給水動作では、制御装置21が給水弁27の第2出口を開放することにより、注水ケース28に水が供給されて通水板34からシャワー状に流出する。このとき、柔軟剤収容部32に柔軟剤が投入されている場合には、通水板34から流出する水は、柔軟剤とともに流出口32aを通して出口部から排出され、給水ホース29を通して水槽4内に供給される。
制御装置21は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラムを実行することにより洗濯機1の動作全般を制御する。図5に例示するように、制御装置21には、操作パネル24からの操作信号が入力される。また、制御装置21は、操作パネル24の表示部の表示を制御する。また、制御装置21には、水位センサ9、回転センサ22、リードスイッチ47からの検知信号が入力される。また、制御装置21は、洗濯機モータ16、クラッチ機構部17、給水弁27、排水弁7などの駆動を制御する。制御装置21は、操作パネル24におけるユーザの設定操作などに応じて、各センサ類からの入力信号や予め記憶された制御プログラムに基づいて洗濯機1の各部の動作を制御し、周知の洗い行程、すすぎ行程、脱水行程などを含む運転を実行する。
また、制御装置21は、制御プログラムを実行することにより、給水制御処理部51をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、制御装置21は、給水制御処理部51を、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成してもよい。
給水制御処理部51は、給水制御手段の一例であり、給水経路を構成する給水機構部25を通して水槽4内に水を供給する給水動作を制御する。給水制御処理部51は、回転槽10内の洗濯物を洗う洗い行程において給水動作を行う場合には、給水量減動作を実行するように構成されている。給水量減動作は、洗い行程において給水動作を行う場合に、洗い行程以外の行程、例えば洗濯物をすすぐすすぎ行程に比べ、給水機構部25を通る水量を減らす動作である。制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が洗剤ケース30に装着されている場合、つまり、リードスイッチ47により磁石46の磁気が検知されている場合に、給水量減動作を実行するようになっている。
次に、上述した給水量減動作の制御例について説明する。なお、以下の説明では、給水弁27が開放されて水槽4内に水が供給される状態を「オン」、給水弁27が閉塞されて水槽4内に水が供給されない状態を「オフ」とする。
図6に例示するように、この制御例では、制御装置21は、洗い行程における給水動作において水槽4内に間欠的に水を供給することにより、給水機構部25を通る水量を減らすようになっている。この場合、制御装置21は、洗い行程において給水動作を開始すると、給水弁27を所定のオン時間、この場合、3秒オンし、その後、所定のオフ時間、この場合、5秒オフする間欠給水動作を複数回、この場合、5回繰り返す。この間欠給水動作において、給水弁27がオンされている期間では、液体洗剤用アタッチメント33内への水の供給が継続する。
そして、給水弁27のオン期間、つまり、液体洗剤用アタッチメント33内への給水期間が3秒ほどになると、液体洗剤用アタッチメント33内の水位が所定水位を超えてサイフォン構造の流出口33aが機能し、液体洗剤用アタッチメント33内の水が連続的に流れ出るようになる。その後、給水弁27がオフされている期間では、液体洗剤用アタッチメント33内への水の供給は停止され、流出口33aからの水の流出が継続する。即ち、給水弁27のオフ期間、つまり、液体洗剤用アタッチメント33内への給水が停止され流出口33aから水が排出される期間が5秒ほどになると、液体洗剤用アタッチメント33内は、ほとんど水が存在しない状態となる。このような間欠給水動作が繰り返されることにより、液体洗剤用アタッチメント33内の液体洗剤は、水とともに徐々に水槽4内に供給されていく。
この場合、1回の間欠給水動作に要する時間は8秒である。そのため、制御装置21は、洗い行程において給水動作を開始してから所定期間、この場合、8秒の間欠給水動作を5回繰り返すのに要する時間である40秒の間、給水機構部25を通る水量を減らすための給水量減動作を実行することになる。この40秒間において、給水弁27がオンされる期間、つまり、液体洗剤用アタッチメント33内への給水が行われる期間は、トータルで15秒である。液体洗剤用アタッチメント33内に水が供給される期間が15秒程度あれば、投入された液体洗剤を十分に水槽4内に供給することができる。
制御装置21は、すすぎ行程においては、給水動作の全体を連続給水により行うようになっている。よって、洗い行程の給水動作において間欠給水動作が実行されることにより、洗い行程において給水機構部25を通る水量は、洗い行程以外の行程であるすすぎ行程において給水機構部25を通る水量よりも少なくなる。また、洗い行程において間欠給水動作が行われている間は、水槽4内に供給される単位時間あたりの給水量が、すすぎ行程において水槽4内に供給される単位時間あたりの給水量よりも少なくなる。
本実施形態に係る洗濯機1によれば、制御装置21は、洗い行程において給水動作を行う場合には、洗い行程以外の行程であるすすぎ行程に比べ、給水機構部25を通る水量を、この場合、減らすように調整する。この構成によれば、給水機構部25に設けられる洗剤ケース30に洗剤、特に、液体洗剤が投入される場合であっても、水槽4内に水を供給する給水動作において洗剤ケース30に泡が発生することを抑えることができ、洗剤ケース30から泡や水が溢れてしまうことを回避することができる。また、洗剤ケース30に粉末洗剤が投入される場合においても、給水機構部25を通る水量を調整することにより、泡の発生を抑えることができる。
また、洗濯機1によれば、制御装置21は、水槽4内に間欠的に水を供給することにより、給水機構部25を通る水量を減らす。このような間欠給水によれば、水槽4内に供給する単位時間あたりの給水量を確実に減らすことができ、給水機構部25を通る水量を、確実に、且つ、効果的に減らすことができ、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しを一層回避することができる。また、泡が発生しやすい給水状態と泡が発生しにくい非給水状態とが交互に入れ換わるため、給水に伴い泡が発生したとしても、その泡を非給水状態においてある程度消すことができ、泡の発生を一層抑えることができる。
また、洗濯機1によれば、制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が洗剤ケース30に装着されていることを条件に、給水機構部25を通る水量を減らすための間欠給水動作を実行する。この構成によれば、洗剤ケース30に液体洗剤が投入されている場合、つまり、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しが懸念される場合に限り、給水機構部25を通る水量を減らすことができ、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しを一層確実に回避することができる。また、液体洗剤用アタッチメント33が洗剤ケース30に装着されていない場合、つまり、洗剤ケース30に粉末洗剤が投入されており泡や水の溢れ出しが懸念されない場合には、通常通り連続給水により水槽4内に水を供給することができ、水槽4内への給水量が無用に減ってしまうことを回避することができる。
また、洗濯機1によれば、制御装置21は、給水動作を開始してから所定期間が経過するまでの間に、給水機構部25を通る水量を減らす間欠給水動作を実行する。即ち、洗剤ケース30内の液体洗剤が水とともに水槽4内に供給された後においては、泡の発生や溢れ出しを懸念する必要が無く、従って、水槽4内への給水量を減らす必要も無い。よって、給水機構部25を通る水量を減らすための動作は、給水動作の初期段階、つまり、洗剤ケース30内の液体洗剤が水槽4内に流れ出るまでの間に行えば十分である。そのため、間欠給水動作を実行する期間を、給水動作を開始してから所定期間が経過するまでの期間とすることにより、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しを回避することができ、且つ、泡や水の溢れ出しの可能性が小さくなった場合には、通常通り連続給水動作を行うことで迅速に給水動作を完了することができる。
また、図7に例示するように、制御装置21は、間欠給水動作における給水弁27のオフ期間を徐々に短くするように構成してもよい。即ち、間欠給水動作が繰り返されることに伴い、液体洗剤用アタッチメント33内の液体洗剤の量は徐々に減っていく。そのため、液体洗剤の泡立ちも少なくなってくるので、給水弁27のオフ期間、つまり、液体洗剤用アタッチメント33内に水を供給しない期間を短くしたとしても、泡の発生や溢れ出しを十分に抑えることができる。また、図7に例示する制御例では、間欠給水動作が繰り返されることに伴い給水弁27のオフ期間は変更するようにしたが、給水弁27のオン期間、つまり、液体洗剤用アタッチメント33内に水が供給される期間は不変とした。よって、投入された液体洗剤を十分に水槽4内に供給することができる。
(第2実施形態)
図8に例示するように、この実施形態では、制御装置21は、回転槽10内の洗濯物の重量に基づいて、給水機構部25を通る水量を減らすための給水量減動作、この場合、間欠給水動作の内容を変更する。即ち、制御装置21は、重量センシングの結果、回転槽10内の洗濯物の重量が例えば6kg以上である場合には、給水弁27を3秒オンし5秒オフする間欠給水動作を5回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を5回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。また、制御装置21は、重量センシングの結果、回転槽10内の洗濯物の重量が例えば3kg以上6kg未満である場合には、給水弁27を3秒オンし5秒オフする間欠給水動作を4回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を4回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。また、制御装置21は、重量センシングの結果、回転槽10内の洗濯物の重量が例えば3kg未満である場合には、給水弁27を3秒オンし5秒オフする間欠給水動作を3回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を3回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。
回転槽10内の洗濯物量に応じて、必要な液体洗剤の使用量が異なり、また、その液体洗剤を水槽4内に流出させるために必要な給水量も異なってくる。即ち、回転槽10内の洗濯物量が多いほど、必要な液体洗剤の使用量および必要な給水量が多くなる。本実施形態によれば、回転槽10内の洗濯物の重量、換言すれば洗濯物量が多いほど、間欠給水動作の実行回数を多くして、単位時間あたりの給水量を抑えつつも、給水機構部25を通る水量を多くするようにした。従って、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しを回避しつつ、洗濯物量に応じた量の液体洗剤および水を水槽4内に供給することができる。
なお、洗い行程において水槽4内に供給される水の設定供給量は、重量センシングが実行された場合には、その検知結果に基づいて自動的に設定される。そのため、制御装置21は、重量センシングの検知結果そのものではなく、その検知結果に基づいて設定された水槽4内への水の設定供給量に基づいて間欠給水動作の内容を変更するように構成してもよい。
(第3実施形態)
図9に例示するように、この実施形態では、制御装置21は、水槽4内への水の供給速度に基づいて、給水機構部25を通る水量を減らすための給水量減動作、この場合、間欠給水動作の内容を変更する。即ち、制御装置21は、例えば給水機構部25に設けられた図示しない流速センサの検出値に基づいて、水槽4内に供給される水の供給速度を特定する。そして、制御装置21は、特定した供給速度が例えば12L/分以上である場合には、給水弁27を3秒オンし5秒オフする間欠給水動作を5回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を5回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。また、制御装置21は、特定した供給速度が例えば9L/分以上12L/分未満である場合には、給水弁27を4秒オンし5秒オフする間欠給水動作を5回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を5回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。また、制御装置21は、特定した供給速度が例えば9L/分未満である場合には、給水弁27を5秒オンし5秒オフする間欠給水動作を5回繰り返す。そして、制御装置21は、間欠給水動作を5回繰り返すと、その後、通常通りの連続給水動作を実行する。
水槽4内への水の供給速度に応じて、洗剤ケース30内の液体洗剤を水槽4内に供給するのに要する水の供給時間も異なってくる。即ち、水槽4内への水の供給速度が遅いほど、洗剤ケース30内の液体洗剤を水槽4内に供給するのに要する水の供給時間は長くなる。本実施形態によれば、水槽4内への水の供給速度が遅いほど、間欠給水動作における給水弁27のオン時間を長くするようにした。従って、水槽4内への水の供給速度が遅くても、間欠給水動作において十分な水の供給時間を確保することができ、液体洗剤を水槽4内に供給しやすくすることができる。また、水槽4内への水の供給速度が速い場合には、間欠給水動作における給水弁27のオン時間を短くするようにしているので、液体洗剤の泡立ちを抑えつつ、迅速に液体洗剤を水槽4内に供給することができる。
(第4実施形態)
図10および図11に例示するように、この実施形態では、洗濯機1は、洗剤ケース30に溢水検知部61を備える。溢水検知部61は、例えば電極センサなどにより構成されており、この場合、洗剤ケース30の後壁部、換言すれば、当該洗剤ケース30の後壁部を構成する液体洗剤用アタッチメント33の後壁部の上端部に設けられている。液体洗剤用アタッチメント33内に泡が発生し、その泡や液体洗剤用アタッチメント33内の水が洗剤ケース30から溢れ出る場合には、その泡や水が溢水検知部61により検知され、検知信号が制御装置21に出力される。これにより、制御装置21は、洗剤ケース30から泡や水が溢れ出ていることを認識する。そして、制御装置21は、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しが溢水検知部61により検知された場合には、例えば給水動作を停止する。
本実施形態によれば、洗剤ケース30からの泡や水の溢れ出しが発生した場合には、洗剤ケース30への水の供給が制限されるため、泡や水がさらに溢れ出してしまうことを回避することができる。また、洗剤ケース30への水の供給が停止されることにより、さらなる泡の発生を抑えつつ、既に発生した泡の消泡を行うことができ、洗剤ケース30からの泡の溢れ出しを一層抑えることができる。
(第5実施形態)
図12に例示する構成例では、給水機構部25を構成する給水経路の先端部は、複数、この場合、通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bに分岐している。通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bは、何れも分岐経路の一例である。通常水用給水経路25Aの先端部および微細気泡水用給水経路25Bの先端部は、それぞれ注水ケース28に接続されている。
通常水用給水経路25Aは、通常水用給水弁25A1を備えている。なお、通常水用給水経路25Aは、後述する微細気泡水生成器100を備えていない。通常水用給水経路25Aは、接続口26から供給される水を、そのまま、微細気泡を含まない通常水として注水ケース28内に供給する。即ち、通常水用給水経路25Aは、洗濯用の水を水槽4内に供給するために洗濯機に備えられる一般的な給水経路として定義することができる。
一方、微細気泡水用給水経路25Bは、微細気泡水用給水弁25B1および微細気泡水生成器100を備えている。微細気泡水生成器100は、微細気泡を含む微細気泡水を生成する微細気泡水生成部の一例である。詳しい図示は省略するが、微細気泡水生成器100は、絞り部および突起部を有する流路を備えている。この流路を流れる水は、絞り部を通過する際に絞られて徐々に流速および圧力が増加し、高流速かつ高圧力となった状態で突起部に衝突する。そして、高流速かつ高圧力となった水が突起部に衝突して当該突起部を通過すると、その水の圧力が急激に低下する。この急激な圧力低下により生じるキャビテーション効果により、水の中に、直径が数十nm〜数μmサイズ、例えば直径50μm以下の微細な気泡が、多数、例えば106個以上/ml、発生する。
このように発生する微細な気泡は、マイクロバブル、ナノバブル、ウルトラファインバブルなどと称されている。ここで、一般に微細気泡は、その気泡の粒子径によって次のように分類されている。例えば、粒子径が数μmから50μm程度つまりマイクロオーダーの気泡は、マイクロバブルまたはファインバブルなどと称されている。これに対し、粒子径が数百nm〜数十nm以下つまりナノオーダーの気泡は、ナノバブルまたはウルトラファインバブルなどと称されている。
気泡の粒子径が数百nm〜数十nm以下になると、光の波長よりも小さくなるため視認することができなくなり、液体は透明になる。そして、ナノオーダーの微細気泡は、マイクロオーダー以上の気泡に比べて、総界面面積が大きいこと、浮上速度が遅いこと、内部圧力が大きいこと等の特性を有している。例えば、粒子径がマイクロオーダーの気泡は、その浮力によって液体中を急速に上昇し、液体表面で破裂して消滅するため、液体中の滞在時間が比較的短い。一方、粒子径がナノオーダーの微細気泡は、浮力が小さいため液体中での滞在時間が長い。
そして、このような微細な気泡を含む水は、界面活性作用に優れており、洗濯物の洗浄性能、特に、皮脂汚れをはじめとする油脂汚れに対する洗浄性能の向上に寄与する。即ち、微細気泡水生成器100により生成される微細気泡水は、微細な気泡による洗浄性能の向上機能を有する。
微細気泡水用給水経路25Bは、微細気泡水生成器100により、接続口26から供給される水に微細気泡を含ませて微細気泡水を生成する。そして、微細気泡水用給水経路25Bは、生成した微細気泡水を注水ケース28内に供給する。即ち、微細気泡水用給水経路25Bは、水槽4内に微細気泡水を供給するために、一般的な給水経路とは別に設けられた微細気泡水供給用の給水経路として定義することができる。
ここで、微細気泡水用給水経路25Bは、微細気泡水生成器100を経由する分、その流路抵抗が通常水用給水経路25Aよりも大きくなっている。そのため、微細気泡水用給水経路25Bの単位時間あたりの流量は、通常水用給水経路25Aの単位時間あたりの流量よりも低くなっている。即ち、通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bは、その単位時間あたりの流量が異なっている。
図12に例示する構成例において、制御装置21は、図13に例示する2つの給水パターンにより給水動作を実行可能に構成されている。即ち、給水パターン1では、制御装置21は、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする。これにより、給水機構部25は、接続口26から供給される水を、全て、単位時間あたりの流量が高い通常水用給水経路25Aのみに流し、単位時間あたりの流量が低い微細気泡水用給水経路25Bには流さない。従って、この給水パターン1によれば、単位時間あたりの給水量を低下させることなく、注水ケース28内、さらには水槽4内に水、この場合、微細気泡水を含まない通常水を供給することができる。
一方、給水パターン2では、制御装置21は、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする。これにより、給水機構部25は、接続口26から供給される水を、全て、単位時間あたりの流量が低い微細気泡水用給水経路25Bのみに流し、単位時間あたりの流量が高い通常水用給水経路25Aには流さない。従って、この給水パターン2によれば、単位時間あたりの給水量を低下させて、注水ケース28内、さらには水槽4内に水、この場合、微細気泡水を含む微細気泡水を供給することができる。
図14には、給水機構部25の異なる構成例を示している。図14に例示する構成例では、給水機構部25は、接続口26と注水ケース28との間に1つの給水経路25Cを有し、その給水経路25Cの途中に1つの絞り給水弁25C1を備えている。絞り給水弁25C1は、その絞り量つまり開度を、例えば0パーセントである全開状態から100パーセントである全閉状態との間でリニアに調整可能に構成されている。なお、給水経路25Cは、微細気泡水生成器100を備える構成としてもよいし、備えない構成としてもよい。
図14に例示する構成例において、制御装置21は、図15に例示する2つの給水パターンにより給水動作を実行可能に構成されている。即ち、給水パターン1では、制御装置21は、絞り給水弁25C1の絞り量を0パーセントつまり全開状態にする。この給水パターン1によれば、給水経路25Cを介する単位時間あたりの給水量を低下させることなく、注水ケース28内、さらには水槽4内に水を供給することができる。
一方、給水パターン2では、制御装置21は、絞り給水弁25C1の絞り量を例えば30パーセントつまり全開状態から若干閉じた状態にする。この給水パターン2によれば、給水経路25Cを介する単位時間あたりの給水量を低下させて、注水ケース28内、さらには水槽4内に水を供給することができる。
次に、上述した図12または図14に示した構成例における制御例について説明する。即ち、図16に例示するように、制御装置21は、洗い行程またはすすぎ行程において給水動作を開始すると、液体洗剤用アタッチメント33が装着されているか否かを確認する(S1)。制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が装着されていない場合(S1:NO)には、給水パターン1により給水を開始する(S2)。そして、制御装置21は、給水パターン1による給水動作を開始すると、水槽4内の水位が第1目標水位に到達したか否かを確認する(S3)。
制御装置21は、水槽4内の水位が第1目標水位に到達したことを確認すると(S3:YES)、給水パターン1による給水を停止して、給水パターン2による給水を開始する(S4)。そして、制御装置21は、給水パターン2により給水動作を開始すると、水槽4内の水位が第2目標水位に到達したか否かを確認する(S5)。第2目標水位は、第1目標水位よりも高い水位であって、且つ、後述する設定水位よりも低い水位である。
制御装置21は、水槽4内の水位が第2目標水位に到達したことを確認すると(S5:YES)、給水パターン2による給水を停止して、給水パターン1による給水を開始する(S6)。そして、制御装置21は、給水パターン1により給水動作を開始すると、水槽4内の水位が設定水位に到達したか否かを確認する(S7)。
制御装置21は、水槽4内の水位が設定水位に到達したことを確認すると(S7:YES)、給水パターン2による給水を停止して、洗い行程またはすすぎ行程における給水動作を完了する。そして、制御装置21は、制御プログラムに従ってパルセータ12などの駆動を制御することにより、回転槽10内の洗濯物を洗う洗い動作または洗濯物をすすぐすすぎ動作を実行する。
また、制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が装着されている場合(S1:YES)には、給水パターン2により給水を開始する(S8)。そして、制御装置21は、給水パターン2による給水動作を開始すると、水槽4内の水位が第3目標水位に到達したか否かを確認する(S9)。第3目標水位は、上述した第1目標水位または第2目標水位と同じ水位であってもよいし、異なる水位であってもよい。
制御装置21は、水槽4内の水位が第3目標水位に到達したことを確認すると(S9:YES)、給水パターン2による給水を停止して、給水パターン1による給水を開始する(S6)。そして、制御装置21は、水槽4内の水位が設定水位に到達したことを確認すると(S7:YES)、給水パターン2による給水を停止して給水動作を完了する。
なお、上述の制御例において、水槽4内の水位は、例えば水位センサ9により検出することができる。また、第1目標水位、第2目標水位、第3目標水位、設定水位は、例えば、周知の重量センシング処理により特定された回転槽10内の洗濯物の重量に基づいて設定することができ、また、実行中の運転コースに対応付けて予め規定されている水位で設定することができ、また、ユーザによる操作パネル24の操作を介して入力された水位で設定することができる。
本実施形態によれば、制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が洗剤収容部の洗剤ケース30に装着されている場合(S1:YES)には、給水動作の初期段階、この場合、水槽4内の水位が第3目標水位に到達する段階までにおいて、給水パターンを給水パターン2に切り換えることにより、給水機構部25を通る水量を減らすように調整する。そして、制御装置21は、その後、給水パターンを給水パターン2から給水パターン1に切り換えることにより、給水機構部25を通る水量を給水パターン1による給水量に戻す。
この構成によれば、泡立ちやすい液体洗剤が投入されている場合には、給水動作の初期段階において流量を下げて給水を行うことができ、泡立ちを抑えつつ円滑に液体洗剤を水槽4内に供給することができる。また、液体洗剤の濃度が高い状態で水槽4内に給水することができ、回転槽10内の洗濯物に対する液体洗剤の浸透性を高めることができる。また、給水動作の初期段階の後においては、水槽4内への給水量が給水パターン1による標準的な給水量に戻される。そのため、水槽4内の水位が設定水位に到達するまでに要する時間が長くなることを回避することができ、ひいては、給水動作の所要時間が長くなることを回避することができる。
また、制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33が洗剤収容部の洗剤ケース30に装着されていない場合(S1:NO)には、給水動作の初期段階、この場合、水槽4内の水位が第1目標水位に到達する段階までにおいて、給水パターンを給水パターン1のまま維持することにより、給水機構部25を通る水量を調整しない。そして、制御装置21は、その後、給水パターンを給水パターン1から給水パターン2に切り換えることにより、給水機構部25を通る水量を減らすように調整する。そして、制御装置21は、さらにその後、給水パターンを給水パターン2から給水パターン1に切り換えて、給水機構部25を通る水量を給水パターン1による給水量に戻す。
この構成によれば、泡立ちにくい粉末洗剤が投入されている場合には、給水動作の初期段階において流量を下げることなく給水を行うことができ、水に溶けにくい粉末洗剤を迅速に且つ円滑に溶解しながら水槽4内に供給することができる。また、その後、単位時間あたりの給水流量が下げられるため、水槽4内において粉末洗剤の濃度が高い状態を維持することができ、回転槽10内の洗濯物に対する粉末洗剤の浸透性を高めることができる。また、その後においては、水槽4内への給水量が給水パターン1による標準的な給水量に戻される。そのため、水槽4内の水位が設定水位に到達するまでに要する時間が長くなることを回避することができ、ひいては、給水動作の所要時間が長くなることを回避することができる。
また、図12に例示する構成例では、制御装置21は、洗い行程またはすすぎ行程において給水動作を行う場合に、通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bのうち水を流す分岐経路を変更することにより、給水機構部25を通る水量を調整することが可能である。この構成によれば、給水流量の調整を、経路の切り換えにより精度良く行うことができる。
なお、制御装置21は、通常水用給水弁25A1の駆動つまり開度を適宜制御することにより、給水機構部25を通る通常水の水量を適宜調整するように構成してもよい。また、制御装置21は、微細気泡水用給水弁25B1の駆動つまり開度を適宜制御することにより、給水機構部25を通る微細気泡水の水量を適宜調整するように構成してもよい。この構成によっても、給水流量の調整を、通常水用給水弁25A1および微細気泡水用給水弁25B1の駆動制御により精度良く行うことができる。
また、図14に例示する構成例では、制御装置21は、洗い行程またはすすぎ行程において給水動作を行う場合に、給水弁25C1の絞り量を変更することにより、給水機構部25を通る水量を調整することが可能である。この構成によっても、給水流量の調整を、給水弁25C1の絞り量の制御により精度良く行うことができる。なお、図14の構成例において、絞り給水弁25C1は、その絞り量を、リニアではなく複数段階で調整可能に構成してもよい。
また、図12の構成例において、給水機構部25は、微細気泡水生成器100を備えない構成としてもよい。この場合、例えば、複数の分岐経路の流路径を異ならせたり、それぞれの分岐経路に備えられる給水弁の絞り量を異ならせたりすることにより、複数の分岐経路の単位時間あたりの流量を異ならせるようにすればよい。
また、図12の構成例において、制御装置21は、通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bの双方から同時に水を流す動作を実行することも可能である。この構成によれば、通常水および微細気泡水の混合水を水槽4内に供給することができる。また、通常水用給水弁25A1および微細気泡水用給水弁25B1の駆動つまり開度を適宜制御することにより、混合水に含まれる微細気泡水の濃度を調整しながら水槽4内に供給することができる。
また、図16のステップS1において、制御装置21は、液体洗剤用アタッチメント33の装着の有無を確認する処理に代えて、ユーザにより給水パターン1,2の何れのパターンが選択されたか否かを確認する処理を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、操作パネル24に給水パターンを選択するための選択ボタンを設け、制御装置21は、その選択ボタンの操作に応じて、何れの給水パターンが選択されたのかを確認することができる。
また、図16のステップS3,S5,S7,S9において、制御装置21は、水槽4内の水位を確認する処理に代えて、給水を開始してから所定時間が経過したか否かを確認する処理を実行するように構成してもよい。この場合、所定時間は、例えば、周知の重量センシング処理により特定される回転槽10内の洗濯物の重量に基づいて設定することができ、また、実行中の運転コースに対応付けて予め規定されている時間で設定することができ、また、ユーザによる操作パネル24の操作を介して入力された時間で設定することができる。また、給水を開始してからの経過時間は、例えば、図示しないタイマ回路などを備えることにより特定することができる。
(第6実施形態)
本実施形態は、運転コースに応じて、すすぎ行程において給水動作を行う場合に給水機構部25を通る水量を異ならせるようにした実施形態である。本実施形態では、制御装置21は、運転内容が異なる複数種類の運転コースを実行可能に構成されており、この場合、少なくとも、標準コースとスピードコースを実行することができる。標準コースは、洗濯機に備えられる一般的な運転コースであり、例えば、周知の重量センシング処理により特定される回転槽10内の洗濯物の重量に基づいて、運転時間、給水量、洗剤類の使用量などを算出し、その算出した情報に基づいて洗い行程、すすぎ行程、脱水行程などを実行する運転コースである。スピードコースは、上述した標準コースに比べ、運転時間を短縮、あるいは、行程の一部を省略した運転コースである。
図17に例示するように、標準コースおよびスピードコースは、何れも、少なくとも、洗い行程、シャワーすすぎ行程、ためすすぎ行程を含む。洗い行程は、水槽4内に所定の洗い行程用の水位まで水を供給し、パルセータ12を回転させることにより回転槽10内の洗濯物を攪拌して洗う行程である。シャワーすすぎ行程は、図示しない循環経路を介して、水槽4内の水を循環して水槽4の上部から回転槽10内にシャワー状に戻しながら回転槽10内の洗濯物をすすぐ行程である。ためすすぎ行程は、水槽4内に所定のすすぎ行程用の水位まで水を供給し、パルセータ12を回転させることにより回転槽10内の洗濯物を攪拌してすすぐ行程である。なお、シャワーすすぎ行程における水槽4内の水位は、ためすすぎ行程における水槽4内の水位よりも低い水位で設定することができる。
そして、標準コースを実行する場合、制御装置21は、洗い行程の前半では、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が低い微細気泡水用給水経路25Bのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させて、注水ケース28内、さらには水槽4内に微細気泡水が供給されるようになる。また、制御装置21は、洗い行程の後半では、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が高い通常水用給水経路25Aのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させることなく、注水ケース28内、さらには水槽4内に通常水が供給されるようになる。
また、制御装置21は、シャワーすすぎ行程の前半では、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が低い微細気泡水用給水経路25Bのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させて、注水ケース28内、さらには水槽4内に微細気泡水が供給されるようになる。また、制御装置21は、シャワーすすぎ行程の後半では、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が高い通常水用給水経路25Aのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させることなく、注水ケース28内、さらには水槽4内に通常水が供給されるようになる。
また、制御装置21は、ためすすぎ行程では、その全体にわたって、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が高い通常水用給水経路25Aのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させることなく、注水ケース28内、さらには水槽4内に通常水が供給されるようになる。
また、スピードコースを実行する場合、制御装置21は、洗い行程の前半では、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする。これにより、接続口26から供給される水が全て、単位時間あたりの流量が低い微細気泡水用給水経路25Bのみに流れるため、単位時間あたりの給水量を低下させて、注水ケース28内、さらには水槽4内に微細気泡水が供給されるようになる。また、制御装置21は、洗い行程の後半では、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1もオンつまり開状態とする。これにより、接続口26から供給される水が通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bの双方に分かれて流れるため、注水ケース28内、さらには水槽4内に通常水および微細気泡水の混合水が供給されるようになる。
また、スピードコースにおいて、制御装置21は、標準コースと同様に、シャワーすすぎ行程を実行する。即ち、制御装置21は、シャワーすすぎ行程の前半では、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする。また、制御装置21は、シャワーすすぎ行程の後半では、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする。
また、制御装置21は、ためすすぎ行程では、その全体にわたって、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1もオンつまり開状態とする。これにより、接続口26から供給される水が通常水用給水経路25Aおよび微細気泡水用給水経路25Bの双方に分かれて流れるため、注水ケース28内、さらには水槽4内に通常水および微細気泡水の混合水が供給されるようになる。
本実施形態によれば、制御装置21は、標準コースとスピードコースとで、ためすすぎ行程における給水量を異ならせている。即ち、制御装置21は、スピードコースのためすすぎ行程における単位時間あたりの給水量を、標準コースのためすすぎ行程における単位時間あたりの給水量よりも多くしている。従って、スピードコースのためすすぎ行程において、その給水動作に要する時間を短縮することができ、ひいては、スピードコースの全体の所要時間を短縮することができる。
さらに、制御装置21は、スピードコースの洗い行程における単位時間あたりの給水量を、標準コースの洗い行程における単位時間あたりの給水量よりも多くしている。従って、スピードコースの洗い行程においても、その給水動作に要する時間を短縮することができ、ひいては、スピードコースの全体の所要時間を短縮することができる。なお、運転コースに応じて給水量を異ならせる制御例は、上述した図17に示す制御例に限られるものではない。
例えば、図18に示す制御例では、標準コースのシャワーすすぎ行程における制御内容が異なる。即ち、制御装置21は、標準コースのシャワーすすぎ行程では、通常水用給水弁25A1をオフつまり閉状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオンつまり開状態とする第1状態、および、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1をオフつまり閉状態とする第2状態を、複数回、少なくとも2回以上繰り返し切り換える。この構成によれば、通常水の給水と微細気泡水の給水とを細目に切り換えながら給水動作を行うことができ、水槽4内において通常水と微細気泡水との混合を効率良く行うことができる。
また、図19に示す制御例では、スピードコースの洗い行程における制御内容が異なる。即ち、制御装置21は、スピードコースの洗い行程では、その全体にわたって、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1もオンつまり開状態とする。即ち、制御装置21は、スピードコースの洗い行程における単位時間あたりの給水量を、標準コースの洗い行程における単位時間あたりの給水量よりも多くしている。従って、スピードコースの洗い行程において、その給水動作に要する時間を短縮することができ、ひいては、スピードコースの全体の所要時間を短縮することができる。
また、図20に示す制御例では、スピードコースのシャワーすすぎ行程における制御内容が異なる。即ち、制御装置21は、シャワーすすぎ行程の最終段階に、通常水用給水弁25A1をオンつまり開状態とし、且つ、微細気泡水用給水弁25B1もオンつまり開状態とする期間を設けている。この構成によれば、シャワーすすぎ行程の最終段階における給水量を増加させることができ、シャワーすすぎ行程の所要時間、ひいては、スピードコースの全体の所要時間を短縮することができる。
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した複数の実施形態に限られるものではなく、例えば、次のように拡張または変更することができる。例えば、本実施形態に係る洗濯機は、上述した複数の実施形態を組み合わせた構成としてもよい。また、本実施形態は、回転槽の回転軸が水平軸または傾斜軸となる、いわゆる横軸型のドラム式洗濯機にも適用することができる。
また、洗濯機1は、洗剤ケース30に液体洗剤が収容されている場合には、給水機構部25を通る水量を、洗剤ケース30に粉末洗剤が収容されている場合において給水機構部25を通る水量よりも減らすように構成してもよい。なお、洗剤ケース30に液体洗剤および粉末洗剤の何れが収容されているのかの判定は、例えば、液体洗剤用アタッチメント33の装着の有無に基づいて判定することができ、また、液体洗剤を使用する液体洗剤コースおよび粉末洗剤を使用する粉末洗剤コースの何れが選択されているかに基づいて判定することもできる。
また、洗濯機1は、洗剤ケース30内に投入されている洗剤が粉末洗剤であるか否かを判定するための粉末洗剤検知センサを設ける構成としてもよい。粉末洗剤検知センサは、例えば櫛歯状の2つの電極を僅かな隙間を有して配置し、これら電極間の導電度を検知する構成としたものが考えられる。これら電極間を粉末洗剤が溶けた水が通過すると、電極間の導電度が変化する。粉末洗剤検知センサによれば、電極間の導電度の変化に基づき、使用されている洗剤が粉末洗剤であるか否かを特定することが可能である。そして、制御装置21は、粉末洗剤検知センサにより粉末洗剤が検知された場合には、給水動作において給水機構部25を通る水量を減らす動作、例えば、間欠給水動作を行わないように設定する。これにより、それほど泡立ちが懸念されない粉末洗剤については、通常通りの連続給水動作により水槽4内に供給することができ、粉末洗剤の溶け残りを回避しつつ迅速に水槽4内に供給することができる。
また、制御装置21は、水位センサ9により検知される水槽4内の水位の変化に基づいて、水槽4内への給水動作が異常無く行われているか否かを判定することができる。そして、制御装置21は、水槽4内への給水動作の異常を検知した後に給水動作を開始した場合には、給水機構部25を通る水量を減らす動作として例えば間欠給水動作を実行するように構成してもよい。水槽4内への給水動作に異常が発生している場合には、洗剤ケース30内の洗剤の供給も不十分となっている可能性があり、洗剤ケース30内に洗剤が残っていることが懸念される。そのため、水槽4内への給水動作の異常を検知した後に給水動作が再開された場合に間欠給水動作を行うことにより、仮に洗剤ケース30内に洗剤が残っていたとしても、その洗剤を、泡立ちを抑えつつ水槽4内に供給することができる。
また、制御装置21は、水槽4内への給水動作が一時停止され、その後、再開された場合には、給水機構部25を通る水量を減らす動作として例えば間欠給水動作を実行するように構成してもよい。例えば洗剤ケース30内に洗剤を投入せずに給水動作が開始された場合あるいは洗剤ケース30内に洗剤を追加したい場合などには、ユーザは、運転を一時停止して洗剤ケース30内に洗剤を投入する場合がある。そのため、水槽4内への給水動作が一時停止され、その後、再開された場合に間欠給水動作を行うことにより、洗剤ケース30内に投入あるいは追加された洗剤を、泡立ちを抑えつつ水槽4内に供給することができる。
また、洗濯機1は、給水量が大きい第1給水弁と、給水量が小さい第2給水弁と、を備え、給水機構部25を通る水量を減らす場合には第2給水弁を用いて給水動作を行うように構成してもよい。この構成によっても、給水機構部25を通る水量が少なくなるので、洗剤の泡立ちを抑えることができる。
また、液体洗剤用アタッチメント33は、洗剤ケース30に取り付けられる構成に限られない。例えば、洗濯機1は、注水ケース28内に、洗剤ケース30と、これとは別部品のアタッチメントとを、それぞれ独立して収容する構成としてもよい。
本実施形態に係る洗濯機によれば、洗濯槽内の洗濯物を洗う洗い行程において給水動作を行う場合には、洗い行程以外の行程に比べ、あるいは、粉末洗剤が使用される場合に比べ、給水経路を通る水量を例えば減らすように調整する。この構成によれば、給水経路に設けられる洗剤収容部に洗剤、特に、液体洗剤が投入される場合であっても、水槽内に水を供給する給水動作において洗剤収容部に泡が発生することを抑えることができ、洗剤収容部から泡や水が溢れてしまうことを回避することができる。
なお、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。