JPH0752211Y2 - 身障者用便器ユニットのスイッチ手段配置構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は身障者用便器ユニットの改良に関する。

（従来の技術） 身体障害者（以下、身障者と略す）や老人など所謂ハン
ディキャップパーソンの日常生活を円滑化する手段の一
つとしての身障者用トイレがある。

身障者用トイレは車いすの乗り入れや介添者の介助を容
易にすべく一般トイレと比べて大きな室を要し、この室
に洋風大便器を置き、丈夫な手すりを配置している。

前記大便器は車いす使用者を考慮して便座の高さを車い
すの標準的座面高さに合せている。結果、便座は一般な
ものより高く形成され、このような便器を身障者用便器
と呼んでいる。

前記便器には給水配管に例えば実開昭64−676号に示さ
れる公知のフラッシュバルブが介設されている。このフ
ラッシュバルブは略一定量の洗浄水を通過せしめる作用
を為し、一般に人手で突起しバーを操作する必要があ
る。

（考案が解決しようとする課題） しかし、身障者や老人にとって、力の点でレバーを容易
に操作出来ないと云う第１の課題と、手足の一方が不自
由で他方のみしか使えないと云う第２の課題があり、こ
れら第１・第２の課題を解決することがより良い便器ユ
ニットを提供することになる。

第１の課題に対して、壁面に電気式スイッチを設け、こ
のスイッチに非接触若しくは軽くタッチしてスイッチを
オン・オフせしめ、フラッシュバルブを電動アクチュエ
ータにて作動させる所謂自動フラッシュバルブが提案さ
れ実用化されつつある。

しかし、このようなスイッチは防水性に乏しく、トイレ
の床面の如き冠水部分に設置できる良いものが無く、前
記第２の課題を解決するものは無かった。

一方、足踏み式操作弁と称する水用バルブは実用化され
ている。このバルブは純機械構造であって防水性並びに
堅牢性に富むが施工が大がかりとなり且つ操作力は小さ
くなく第１の課題を解決し得ない。

仍って、第１・第２の課題双方を解決し得る技術が望ま
れている。

（課題を解決するための手段） 上記要望に応えるべく本考案の身障者用便器ユニット
は、身障者用便器を取付ける前面パネルと、この前面パ
ネルに接し、かつ身障者用便器の側方に位置する側面パ
ネルと、前記前面パネル及び側面パネルに接して配置さ
れた床面パネルとを備えた一体形の配管ユニットに、前
記自動フラッシュバルブのソレノイドに接続するスイッ
チ手段を２個設け、第１のスイッチ手段を便座周囲の壁
面に設けるとともに第２のスイッチ手段を便座周囲床面
に設け、この第２のスイッチ手段を、スイッチ機構を内
蔵するスイッチハウジングと、このスイッチハウジング
上部を上下動自在に貫通して上方に突出するプランジャ
ーと、プランジャーとスイッチハウジングとの間に介設
したシール部材とから構成したことを特徴とする。

（作用） 前面パネルと側面パネルと床面パネルとを一体化して防
水構造とする。

便器ユニット利用者は壁面、床面のスイッチの双方若し
くは一方に触れてフラッシュバルブを遠隔操作する。

床面のスイッチ手段はスイッチハウジングにてスイッチ
機構を外力から保護するとともに、シール部材で水の侵
入を防ぐ。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明する。

第１図は本考案に係る便器ユニット付き配管ユニット斜
視図であり、配管ユニット１は形鋼2aを組合せてなした
枠体２に前面パネル３と側面パネル４と床面パネル５と
カウンタ6a,6bとを取りつけ、前面パネル３に身障者用
便器７を取りつけるとともに枠体２内に給水管8aと排水
管8bと通気管8cを通してなるプレハブユニットである。

前記身障者用便器７はその便座7a高さが車いすの標準座
面高さと略等しく440mmとされている。

更に、前面パネル３の背面枠体内には自動フラッシュバ
ルブ10が収容され、また側面パネル４と床面パネル５に
は夫々第１のスイッチ手段20と第２のスイッチ手段30と
が設けられている。

第２図は自動フラッシュバルブ図であり、自動フラッシ
ュバルブ10は給水管8aに接続する入口11と便器７に接続
する出口12を備え、これら入口・出口11,12間に少なく
ともフラッシュバルブ13とソレノイドアクチュエータ14
とを備えたことを特徴とする。

前記フラッシュバルブ13は便座13aと弁棒13b付き弁体13
cを備え、給水は弁座13aのパイロット孔13dを通って貯
水室13eに一定量蓄えられる。垂下している弁棒13bが外
力にて水平方向に押されると弁体13cは傾動し弁座13aか
ら離れるので、前記貯水室13eの水が出口12を介して便
器７へ供給される。弁体13cはバネ13fの付勢力を受けて
少しの時間の後に水平に戻り弁座13aに密接する。

ソレノイドアクチュエータ14はソレノイド14aとスピン
ドル14bとスプリング14cとを備え、ソレノイド14aに通
電すると、その電磁力でスピンドル14bを図示左方へ押
し出し、結果前記弁棒13bを傾動せしめる。

第３図は第２のスイッチ手段平面図、第４図は第３図の
Ａ−Ａ線断面図である。

第２のスイッチ手段30は、例えば角タイルと同一な100m
m×100mmの平面寸法を有するスイッチハウジング31と、
このスイッチハウジング上部を貫通して突出するプラン
ジャー32に嵌合したＯリング状シール部材33と、プラン
ジャー32を上方へ付勢する皿バネ34及び押え板35と、ス
イッチハウジング31内部に収容したスイッチ機構36と、
スイッチハウジングの蓋37とからなる。

本実施例では蓋37にスイッチ機構36をビス止めするとと
もに配線38,38を介設している。

更に、スイッチハウジング31a上面にはタイル39を貼着
している。

上記スイッチハウジング31と蓋37とをアルミ合金ダイカ
スト品とすれば軽量で且つ堅牢性に富む。

前記プランジャー32を押すことで、プランジャーはスイ
ッチ機構36の接点を閉じ、ソレノイド14aを作動させる
ことができる。

以上に説明したスイッチ手段30を床面パネル５に他の角
タイルと並べて配置し、この第２のスイッチ手段30を自
動フラッシュバルブ10に電気的に接続する。スイッチ手
段30は第１のスイッチ手段20に転用して差支えないの
で、これを側面パネル４に他の角タイルと並べて配置
し、この転用された第１のスイッチ手段20を自動フラッ
シュバルブ10に電気的に接続すれば良い。

以上の構成からなる便器ユニット付き配管ユニットの作
用を次に説明する。

第１図に示す配管ユニット１を搬入し室内所定場所に設
置し、給水管8a、排水管8b及び通気管8cを夫々建物側の
それらに接続する。

なお、配管ユニット１を建物床の凹部に落し込んで床面
パネル５上面に建物床上面と合致させることが望まし
い。しかし、適当なスロープを付設して建物床から床面
パネル５上面へ登るようにしても良い。

便器利用者は、壁面の第１のスイッチ手段20と床面の第
２のスイッチ手段30の双方若しくは一方にタッチするこ
とにより、適宜水洗を為せる。

尚、壁面に取付けた第１のスイッチ手段は、第３図、第
４図の構成に限らず、非防水型又は簡易防水型のスイッ
チ手段でも良い。

（考案の効果） 以上に述べたように本考案は前面パネルと側面パネルと
床面パネルとを一体構造としたので、防水性が高まり、
このようなパネルに取付けるスイッチに、堅牢性および
防水性に富むスイッチ手段を採用することで、床面にも
電気的スイッチを配設可能になり、便器利用者は壁面と
床面のスイッチ手段を任意に操作でき、以って身障者や
老人の便器ユニットの取扱いを容易にした効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る便器ユニット付き配管ユニット斜
視図、 第２図は自動フラッシュバルブ図、 第３図は第２のスイッチ手段平面図、 第４図は第３図のＡ−Ａ線断面図、 １……身障者用便器ユニット付き配管ユニット ３……前面パネル ４……側面パネル ５……床面パネル ７……身障者用便器、7a……便座 8a……給水管、8b……排水管 10……自動フラッシュバルブ 14a……ソレノイド 20……第１のスイッチ手段 30……第２のスイッチ手段 31……スイッチハウジング 36……スイッチ機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車いすの座面高さと略同一高さに便座を位
   置せしめた身障者用便器と、この便器へ洗浄水を供給す
   る給水配管と、この給水配管に介設された自動フラッシ
   ュバルブと、便器から排水する排水配管とからなる身障
   者用便器ユニットにおいて、身障者用便器を取付ける前
   面パネルと、この前面パネルに接し、かつ身障者用便器
   の側方に位置する側面パネルと、前記前面パネル及び側
   面パネルに接して配置された床面パネルとを備えた一体
   形の配管ユニットに、前記自動フラッシュバルブのソレ
   ノイドに接続するスイッチ手段を２個設け、第１のスイ
   ッチ手段を便座周囲の壁面に設けるとともに第２のスイ
   ッチ手段を便座周囲床面に設け、この第２のスイッチ手
   段を、スイッチ機構を内蔵するスイッチハウジングと、
   このスイッチハウジング上部を上下動自在に貫通して上
   方に突出するプランジャーと、プランジャーとスイッチ
   ハウジングとの間に介設したシール部材とから構成した
   ことを特徴とする身障者用便器ユニットのスイッチ手段
   配置構造。