JPH0637743Y2 - 身障者用可動式手洗い器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、トイレ内に設けた身障者用の可動式手洗い器
に関するものである。

（従来の技術） 従来身障者用のトイレでは、通常のトイレブースよりも
広いスペースに便器と手洗い器を配設している。又、こ
のような広いスペースをとれない場合には、手洗い器は
トイレブースの外のトイレットルーム内に設けられたも
のを使用するようにしている。更に余りスペースをとれ
ない場合、トイレブース内の便器の側部壁面に手洗い器
を取り付けたものもある。

（考案が解決しようとする課題） ところが手洗い器が便器から離れた位置にある場合、身
障者が立って移動するのに困難が伴ったり、その度に車
イスを利用しなければならない煩雑さがあった。又、狭
いトイレブース内の便器の側部壁面に手洗い器を設けた
場合、車イスや体の移動の邪魔になっていた。

本考案は上記従来の使い勝手の悪さを解決するためにな
されたもので、その目的とする処は、トイレ利用後便器
から移動することなく、手洗い器を使用でき、車イスや
体の移動の際に邪魔にならないような手洗い器を提供す
ることにある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために本考案は、便器11、手摺り1
3,15等を備えた身障者用トイレ１において、前記便器11
の側部壁面９に出入り自在の手洗い器19を設け、この手
洗い器19の底部19aを手摺り15で支持した。又、手洗い
器19の底部19aに指掛け用の凹部19bを設けた。

（上記手段による作用） 上記手段によれば手洗い器を使用する時には指掛け用の
凹部に指を掛けて壁から引き出し、車イスや体を移動さ
せる時には壁に収納して、トイレのスペースを広く出来
る。

（実施例） 次に本考案の好適実施例を添付した図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案の身障者用可動式手洗い器を取り付けた
トイレ・ブースの斜視図、第２図は同正面図、第３図は
同平面図である。

図で１は身障者用のトイレブースを示し、トイレブース
１には入隅になった側壁W₁,W₂に沿って平面視Ｌ字型の
配管ユニット３が配設されている。配管ユニット３は、
給水管、排水管、汚水管等を収納した配管ケースの上面
にカウンター５が冠着され、前面にフロントカバー7,9
が取着されている。

側壁W₁側のフロントカバー７を臨む床面Ｆには洋式便器
11が設けられ、洋式便器11の左手にはフロントカバー７
と床面Ｆに支持された手摺り13が設けられている。又、
洋式便器11の右側部のフロントカバー９には床面Ｆと平
行に手摺り15が設けられ、手摺り15より上方には略正方
形状の開口部17が設けられている。そしてこの開口部17
から出し入れ自在の手洗い器19が配管ユニット３に取り
付けられている。

次にこの手洗い器19の詳細を第４図により説明する。

手洗い器19は、開口部17と略同じ大きさの平面視略正方
形で、プラスチック等の軽量の素材で形成される。この
手洗い器19の底部19aは配管ユニット３に収納した時に
フロントカバー９と面一となるように平底に形成されて
いる。又、底部19aには引き出す時に指を掛ける凹部19b
が形成されている。そして手洗い器19の上面19cには、
レバー21によって操作する水栓23が設けられ、ボール19
dの底には排水口25が設けられている。

手洗い器19を取り付ける配管ユニット３の配管ケース27
は、フレームメンバーF₁,F₂…を適宜組み付けて形成し
た枠構造体をなし、アンカーボルト29…で床Ｆに固定さ
れる。配管ケース27内には給水管P₁、排水管P₂等が配設
され、夫々フレキシブル管T₁,T₂によって手洗い器19の
水栓23及び排水口25に接続されている。又、配管ケース
27の手摺り15よりやや下の位置に横架されたフレームメ
ンバーF₈の開口部17側には、支持フレーム31が左右一対
立設され、この支持フレーム31の上部で手洗い器19の両
側部を軸支33している。

第２図及び第３図に仮想線で示すように、配管ユニット
３に収納された手洗い器19の凹部19bに指を掛けて手前
に引くと、手洗い器19は軸33を中心に回動して底部19a
が手摺り15に支持され、使用可能となる。この操作は洋
式便器11に坐ったままでも行うことができ、身障者にと
って非常に使い易い。又、車イスで移動する時や、体を
動かす時には手洗い器を配管ユニット内に収納できるの
で、邪魔にならない。

（考案の効果） 以上詳述したように本考案によれば、トイレ利用後、便
器から移動することなく、指掛け用の凹部に指を掛け、
手洗い器を引き出して使用することができ、又、車イス
や体を移動させる時には壁に収納しておくことができ邪
魔にならない。そのため狭いトイレのスペースでも有効
に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適実施例を示すもので、第１図は本考
案の身障者用可動式手洗い器を取り付けたトイレ・ブー
スの斜視図、第２図は同正面図、第３図は同平面図、第
４図は手洗い器の側断面図である。 尚、図面で１は身障者用トイレ、９は配管ユニットの壁
面、11は便器、13,15は手摺り、19は手洗い器である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西村 国男 神奈川県茅ケ崎市本村２丁目８番１号 東 陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)考案者 河村 浩 東京都港区虎ノ門１丁目１番28号 東陶機 器株式会社東京支社内 (56)参考文献 実開 昭56−67251（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】便器、手摺り等を備えた身障者用トイレに
   おいて、 前記便器の側部壁面に出入り自在の手洗い器を設け、こ
   の手洗い器の底部を手摺りで支持したことを特徴とする
   身障者用可動式手洗い器。
2. 【請求項２】前記手洗い器の底部に指掛け用の凹部を設
   けたことを特徴とする身障者用可動式手洗い器。