JPH0751835B2 - 石材等構造物の連結装置 - Google Patents

石材等構造物の連結装置

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JPH0751835B2
JPH0751835B2 JP4373091A JP4373091A JPH0751835B2 JP H0751835 B2 JPH0751835 B2 JP H0751835B2 JP 4373091 A JP4373091 A JP 4373091A JP 4373091 A JP4373091 A JP 4373091A JP H0751835 B2 JPH0751835 B2 JP H0751835B2
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彰 西海知
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株式会社大理石工芸社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビルや木造建造物など
の外壁,内壁,天井壁などに用いられる石材等構造物の
連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のものとして実開昭63−7
3430号公報には、建造物の壁面にはL字形掛金具の
垂直部が固定され、該L字形掛金具の水平部には受金具
の一端がボルト,ナットにより取付けられ、受金具の他
端には石材の小口面が配置されており、該石材の小口面
に設けられた孔部には前記受金具に設けられたネジ切り
付透孔を貫通させて頭部と頭部近傍にネジ部とネジ部先
端にピン部を有する連結ビスが挿入され、上部孔部と挿
入された連結ビスとの間隙には、接着剤を介在させて連
結ビスを孔部内に固定させた石材の壁面への取付け構造
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、石材を多段に積み重ねると上段および下段の小口面
間に、隙間が掛金具の水平部によって生じるため、これ
をモルタル等の充填材により塞ぐことにより目地部があ
らわれ美感に劣る問題点があった。また前記従来技術に
おいては、作業が熟練を要するという問題点があった。
また、この問題を解決するため石材の小口面に設けられ
た縦孔に軸を挿入して石材どうしを連結することも考え
られるが、この場合には縦孔に挿入された軸が不安定に
なり石材の連結強度が弱くなることが懸念される。
【0004】本発明は前記問題点を解決して目地があら
われずに美感に優れ、構造材の連結強度が高く、作業を
簡単に行うことができる石材等構造物の連結装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、建造物の側面
に沿って構造材を積み重ねて相互に連結しかつ連結具を
介して建造物に固設する石材等構造物の連結装置におい
て、前記構造材の上,下部小口面に穿設した上,下部縦
孔と、上,下段の構造材の対向する上,下部縦孔に上,
下部を挿入する位置決め用軸と、前記構造材の内面側か
ら前記上部縦孔と交差するように穿設したリング状の取
付孔と、この取付孔に挿入されるとともに先端に前記位
置決め用軸の下部が挿入する貫通孔を有し基端に雄螺子
が形成された筒状の連結用挿入部材と、この連結用挿入
部材の雄螺子に螺合して前記位置決め用軸を前記縦孔に
圧着する締付部材とを具備したものである。
【0006】
【作用】構造材のリング状の取付孔に筒状の連結用挿入
部材を挿入し、上部縦孔に位置決め用軸を挿入するとと
もにこの軸の下部を前記連結用挿入部材の貫通孔に挿入
し、かつ前記連結用挿入部材の基端突出部分に締付部材
を螺合することにより前記連結用挿入部材を建造物側に
引いて前記位置決め用軸を前記縦孔に圧着して固定す
る。前記構造材の下部縦孔をこれより下段の構造材上に
突出する位置決め用軸に挿入して位置決めし、連結具を
介して建造物に固設する。
【0007】
【実施例】次に本発明の第1実施例を図1ないし図5を
参照して説明する。
【0008】1は下段より順次積み重ね状態に設けられ
る構造材たる板状の石材であり、これは例えばコンクリ
ート建造物2の側面たる壁3の外側に配設されている。
【0009】4は前記石材1の内面上部に横向きに穿設
されたリング状の取付孔であり、また5,6は前記石材
1の上部小口面7および下部小口面8に穿設された上部
縦孔、下部縦孔であり、これら上部縦孔5および下部縦
孔6は同一軸状に対向して配設されている。また上部縦
孔5は前記リング状の取付孔4内の円柱壁部9を貫通し
てその取付孔4と直交するようにして形成されている。
【0010】10は前記取付孔4に挿入した連結用挿入部
材たる筒部材であり、これは前記取付孔4から突出する
基端部分に雄螺子11が設けられている。また前記筒部材
10の先端上下には前記上部縦孔5に対向した貫通孔12が
形成されている。13は前記筒部材10の雄螺子11に座金14
を介して螺合する締付部材たるナットであり、10Aは前
記筒部材10の基端に被着するゴムキャップである。そし
て、前記ナット13を前記筒部材10の雄螺子11に螺合する
ことによって前記筒部材10を壁3側に引いて前記上部縦
孔5および貫通孔12に挿入された位置決め用軸15を前記
縦孔5に圧着して該軸15を固定するようになっている。
16は前記コンクリート建造物2の外壁3の前記石材1の
上方に埋設されたホールアンカー金具であり、このホー
ルアンカー金具16には雌螺子17が形成されるとともに、
この雌螺子17には連結用受け具たる雄螺子部材18が螺着
している。19は前記雄螺子部材18に上部を連結し前記筒
部材9に下部を連結するとともに途中を段状に外側へ折
曲した連結具であり、この連結具19は前記筒部材9およ
び前記雄螺子部材18に対して左右方向および上下方向に
その取り付けを調節できるように下部には横長なる孔20
が形成され、また上部には縦長な孔21が形成されてい
る。尚22は前記雄螺子部材18に螺着するナット、また23
は座金である。
【0011】24は前記最下段の石材1Aを支持する支持
金具であって、これは平面がL形でそのベース部25をア
ンカーボルト26によってコンクリート建造物2に固定し
た一側片27に先端が石材1Aの下部小口面8に形成した
下部縦孔6に挿入する他側片28を孔29を通したボルト・
ナット30により固定したものである。尚連結具、ホール
アンカー金具などはステンレス等金属などにより形成さ
れている。
【0012】次に前記構成につきその作用を説明する。
【0013】まず、コンクリート建造物2の外壁3の適
所にドリルにより孔を形成するとともに、ホールアンカ
ー金具16を打ち込み、該ホールアンカー金具16に雄螺子
部材18を螺入しておく。また二段、三段の石材1B,1
Cには予め上部および下部縦孔5,6とリング状の取付
孔4を穿設しておき、さらに前記取付孔4には筒部材10
を打ち込むとともに、この筒部材10の貫通孔12に挿入す
るように位置決め軸15を上部縦孔5に挿入する。この場
合筒部材10内には円柱壁部9が位置し前記軸15は円柱壁
部9に形成されている上部縦孔5に挿通される。そし
て、前記筒部材10の基端突出部分に前記連結具19の孔20
及び座金14を挿入し雄螺子11にナット13を螺着すること
により、前記ナット13の緊締により雄螺子11を介して筒
部材10がコンクリ―ト建造物2側へ引かれ、これにより
位置決め用軸15が上部縦孔5の壁面に圧着され、かつ軸
部材10が抜止めされて堅牢に固着されるものである。そ
して前記雄螺子11により連結具19の下端が固定されて石
材1を固定できるものである。
【0014】次に支持金具24を外壁3に取り付けた後、
下部縦孔6に他側片28の先端を挿入して一段目の石材1
Aを位置決めし、さらに連結具19の孔21を雄螺子部材18
に掛け止めするとともに、ナット22および座金23によっ
てこれを固定することにより、一段目の石材1Aは連結
具19を介して前記外壁3に吊り下げ状態に保持される。
【0015】次に一段目の石材1Aの上部小口面7上に
二段目の石材1Bを載置する。この際一段目の石材1A
の上部小口面7には軸15が突出しており、この軸15に二
段目の石材1Bの下部縦孔6を挿入して該石材1Bを位
置決めする。この際、前記一段目の石材1Aの上部縦孔
5と二段目の石材1Bの下部縦孔6には予めモルタル,
接着剤などの充填材(図示せず)を設けておいてもよ
く、また下段の上部小口面7と上段の下部小口面8間を
接着しておいてもよい。そして二段目の石材1Bに連結
されている連結具19の孔21を雄螺子部材18に掛け止め
し、そしてナット22を、上方より差し込んだレンチ(図
示せず)により緊締して該二段目の石材1Bを固定する
ものである。
【0016】このようにして順次三段、四段・・・の石
材1C,1D・・・を積み重ねながら固定するものであ
る。
【0017】以上のように、前記実施例においては、リ
ング状の取付孔4に挿着された筒部材10の貫通孔12に挿
入するように位置決め軸15を上部縦孔5に挿入し、前記
筒部材10の基端突出部分の雄螺子11にナット13を螺着す
ることにより、前記ナット13の緊締により筒部材10がコ
ンクリ―ト建造物2側へ引かれ、これにより位置決め用
軸15が上部縦孔5に圧着され、かつ筒部材10の抜け止め
が施されることにより、上下に配設される石材1A,1
B・・・が、軸15のぐらつきなどによって不安定になる
ことはなく、堅牢に組立てできるとともに石材1の表面
側には目地部などがあらわれることはなく美感も向上で
きる。また、筒部材10内には円柱壁部9がありこの円柱
壁部9にも軸15が挿通するため一層確実に抜き止めされ
ると共に、取付孔4をリング状にに形成したことにより
取付孔4を筒状ドリルなどにより穿設でき石材1の切削
量を減らし、穿孔作業も簡単に行うことができる。また
実施例上の効果として、連結具19の下端を石材1の内面
側に連結して該石材1を外壁3に対して吊設状態として
取り付けたことにより、従来技術のように壁面と石材と
の間で掛金具と受金具とをボルト,ナットで連結するこ
とを省略できるので外壁3と石材1との間の空隙幅は20
mm程度まで小さくでき、しかも連結具19を石材1の上
方位置で壁3に連結できるため作業も簡単である。また
施工においては、予め外壁3のホールアンカー金具16に
雄螺子部材18を固着し、また石材1側には筒部材10に軸
15を固定し、そして連結具19の下部を前記筒部材10に固
定した後、この連結具19を固定した石材1を雄螺子部材
18に掛け止めして、ナット22を緊締すればよいため、熟
練を要せずに簡単に施工することができる。
【0018】図6、図7ならびに図8は本発明の第2実
施例および第3実施例を示しており、前記第1実施例と
同一部分には同一符号を付しその詳細な説明を省略す
る。
【0019】第2実施例においては、連結具19の孔19,2
0 の全周面に位置決めテーパ部31を形成するとともに、
ナット13,22 の下端全周面に位置決めテーパ部32を形成
しており、これによって連結具19を壁3および石材1に
連結する際、ナット13,22を緊締するとナット13,22と
孔19,20との位置決めテーパ部31,32どうしが衝合し
て、適正に位置決めされて緊締される。
【0020】第3実施例においては、石材1を内壁とし
て木製の柱33に固設するものを示しており、この場合連
結具19Aの上端に4個の孔34,35,36,37を横に並べて
設け、両側端の孔34,37は螺子孔として形成し、内側の
2個の孔35,36は円孔として形成し、孔34,39には度当
り調整螺子38,39を進退可能に螺挿入するとともに孔3
5,36には木螺子40,41が緩挿入可能になっている。そ
して取付時には左右の度当り調整螺子38,39の挿入端を
柱33に度当りさせて軸15と縦孔6との挿入で位置決めさ
れた石材1の取付け位置を適正に調整した状態で木螺子
40,41で連結具19を柱33に止着する。このようにして木
造建造物などに適用できるものである。
【0021】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば建造物としては仕切り壁や鉄筋柱,鉄
骨あるいは木柱などでもよく、また構造材としてはガラ
ス製品、タイル、凝石、セメントブロック、陶板などで
もよく、また建造物の壁面は外壁ではなく内壁や天井壁
などでもよい。さらに実施例では受け具を雄螺子部材と
したが、接着剤などで固着されたフックなどでもよい。
【0022】また前記連結用挿入部材、軸、雄螺子部
材、連結具、軸部材、筒部材、平板部などは鋼等硬質材
料により形成されることは当然である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、建造物の側面に沿って構造材
を積み重ねて相互に連結しかつ建造物に固設する石材等
構造物の連結装置において、前記構造材の上,下部小口
面に穿設した上,下部縦孔と、上,下段の構造材の対向
する上,下部縦孔に上,下部を挿入する位置決め用軸
と、前記構造材の内面側から前記上部縦孔と交差するよ
うに穿設したリング状の取付孔と、この取付孔に挿入さ
れるとともに先端に前記位置決め用軸の下部が挿入する
貫通孔を有し基端に雄螺子が形成された筒状の連結用挿
入部材と、この連結用挿入部材の雄螺子に螺合して前記
位置決め用軸を前記縦孔に圧着する締付部材とを具備
し、目地があらわれずに美感に優れ、構造材の連結強度
が高く、作業を簡単に行うことができる石材等構造物の
連結装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の縦断面図である。
【図2】同実施例の組立状態を示す一部切欠き斜視図で
ある。
【図3】同実施例の平断面図である。
【図4】同実施例の連結具の斜視図である。
【図5】同実施例の支持金具の平断面図である。
【図6】第2実施例を示す縦断面図である。
【図7】第3実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図8】同実施例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 石材 2 コンクリ―ト建造物(構造物) 3 外壁(側面) 4 取付孔 5 上部縦孔 6 下部縦孔 7 上部小口面 8 下部小口面 10 筒部材(連結用挿入具) 11 雄螺子 12 貫通孔 13 ナット(締付部材) 15 位置決め用軸 19 連結具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の側面に沿って構造材を積み重ね
    て相互に連結しかつ連結具を介して建造物に固設する石
    材等構造物の連結装置において、前記構造材の上,下部
    小口面に穿設した上,下部縦孔と、上,下段の構造材の
    対向する上,下部縦孔に上,下部を挿入する位置決め用
    軸と、前記構造材の内面側から前記上部縦孔と交差する
    ように穿設したリング状の取付孔と、この取付孔に挿入
    されるとともに先端に前記位置決め用軸の下部が挿入す
    る貫通孔を有し基端に雄螺子が形成された筒状の連結用
    挿入部材と、この連結用挿入部材の雄螺子に螺合して前
    記位置決め用軸を前記縦孔に圧着する締付部材とを具備
    したことを特徴とする石材等構造物の連結装置。
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