JPH0751760B2 - Al−Mn合金めつき金属材料 - Google Patents

Al−Mn合金めつき金属材料

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JPH0751760B2
JPH0751760B2 JP61118694A JP11869486A JPH0751760B2 JP H0751760 B2 JPH0751760 B2 JP H0751760B2 JP 61118694 A JP61118694 A JP 61118694A JP 11869486 A JP11869486 A JP 11869486A JP H0751760 B2 JPH0751760 B2 JP H0751760B2
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plating
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metal material
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淳一 内田
宏久 瀬戸
敦義 澁谷
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐食性に優れたAl合金めっき金属材料、特に
Al−Mn合金めっき層を設けた剛材などの金属材料に関す
る。
(従来の技術) AlもしくはAl合金めっき金属材は優れた耐食性、美麗
さ、無毒性など多くの利点を有していることは良く知ら
れている。しかし、このAlもしくはAl合金めっきは、水
溶液からの電析が不可能なため、溶融金属浸漬法、真空
蒸着法、有機溶媒浴あるいは溶融塩電解浴による電気め
っき法等によって実施されている。このうち、現在で
は、主として溶融金属浸漬法が使用されているが、この
方法では、その対象がほとんどAl単体のめっきであり、
しかも、薄めっきが困難であり、かつ処理温度が700℃
を超えるため合金層の生成、母材への悪影響といった問
題がある。
そこで近年、後者の溶融塩電解槽浴によるAlの電気めっ
き法が着目され、より優れた耐食性を有するAl−Mn合金
(Mn:10〜70重量%)めっきが提案されている(特公昭4
3−18245号)。
これによると、Al−Mn合金めっき層は、亜鉛やAlめっき
層のように鋼材に対し、犠性防食性を有する皮膜として
働くのではなく、スズめっき層の場合と同様に障壁とし
て働くとされている。本発明者等も同様にして(後述の
鉄の制御を行わずに)、鋼板上にAl−Mn合金めっきを行
ったところ、優れた耐食性を有することが確認された
が、その場合、めっき層の端面をシールし、めっき層に
欠陥がないことが必要であった。すなわち、めっき材の
一般的な使用例としてめっき層端面が露出した場合や、
加工等によってめっき層に欠陥がある場合は、塩水噴霧
試験において約1日、大気曝露試験で約10日で赤錆が発
生した。これは、めっき皮膜の腐食電位が鋼板の腐食電
位より貴であること、すなわち、犠性防食性が全く無い
ことに起因するものであった。
(発明が解決しようとする問題点) ここに、本発明の目的は、前述のAl−Mn合金めっきによ
る裸耐食性、特にAl−Mn合金めっき層の端面あるいは欠
陥部における耐食性を改善したAl−Mn合金めっき金属材
を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、Al−Mn合金めっきのこの重大な欠点を改
善する方法を鋭意検討した結果、Al−Mn合金めっき皮膜
中の不純物である鉄が腐食電位に大きく関与しているこ
とを見出した。
第1図は、冷延鋼板を母材に、これにAl−20%Mn合金を
めっきした場合のめっき皮膜中のFe含有量と40℃の5%
NaCl溶液中の腐食電位との関係をグラフに示すものであ
る。通常の鋼材の腐食電位が約−0.6V(vs.Ag/AgCl)で
あることを考えると、皮膜中の鉄含有量が約0.5重量%
を超えると、めっき皮膜の電位は鋼材母材の腐食電位よ
り貴になってしまうため、犠性防食性が期待できないこ
とは明らかである。
不純物としての鉄は、他の不純物とは異なり、極めて混
入し易い。原料塩に混入している場合はもちろんのこ
と、めっきセル材料からの溶出さらには、基体金属であ
る鋼材からの溶出による混入も大きい。
第2図は、母材として鋼板を使い、めっき電流密度10A/
dm2、20A/dm2でめっき処理した場合、溶融塩電解槽浴中
の鉄濃度とめっき皮膜中の鉄濃度との関係を示すグラフ
である。第2図に示すように、めっき浴中にわずか20〜
30ppmFeが含まれるだけでめっき皮膜中に0.5重量%混入
してしまうという厳しい関係を考えれば、特に除鉄を行
わない場合は、目的の耐食性にすぐれためっき皮膜を得
ることは極めて難しいと考えられる。
ここに、本発明は、最も広義には、前述の特公昭43−18
245号公報記載の基体金属の一部または全面にAl−Mn合
金(Mn:10〜70重量%)めっき層を設けたAl合金めっき
金属材料であって、該金属材料の基体金属に対し、犠性
防食能を有する範囲内に皮膜中の鉄含有量を制限するこ
とを特徴とする耐食性にすぐれた金属材である。
より特定的には、本発明の要旨とするところは、基体で
ある金属表面に、Mn:10〜30重量%、残部実質的にAlよ
りなり、かつ不純物としてめっき中に含まれるFeが0.5
重量%以下であり、基体金属より腐食電位が卑であるAl
−Mn合金めっき層を有することを特徴とするAl−Mn合金
めっき金属材料である。
前記基体金属を構成する金属材料は特に制限されず、普
通鋼材、クロム鋼材、ステンレス鋼材などである。この
際、ステンレス鋼等においてはめっき密着性の改善のた
め、常法のプレNiめっき、プレCoめっき等の前処理を行
ってもよい。また、その形状としては、板材、線材、棒
材などいずれの形状でもよい。
また、本発明における合金めっき皮膜は、いわゆる溶融
塩電気めっき法によって形成されるものであるが、目的
とするAl−Mn合金めっき浴を調整した後、十分な除鉄を
行えばよい。めっき浴は通常、溶融塩化物浴を使うこと
によって調製すればよい。
かかる溶融塩化物浴には通常50ppm以上のFeイオンが存
在することは常識であり、特に鋼材をめっき処理する場
合にはそれから溶出するFeイオンで浴中濃度は100ppm以
上にもなる。本発明にあっては後述するようにアルミニ
ウムパウダーを添加するなどして、このFeイオン含有量
を20ppm以下にまで低減させる。
かくして、本発明によれば、著しく耐食性に優れ、かつ
犠性防食性を有することによって、端面や、皮膜欠陥部
においても優れた防食性を有するAl−Mn合金めっき金属
材料が提供されるのである。
(作用) 本発明のめっき金属材料におけるめっき皮膜中のMn含有
量は特に限定されないが、Mn含有量が10重量%未満では
美麗なめっき皮膜を形成することが困難なこと、また、
30重量%を超えると皮膜の加工性が劣化することから通
常10〜30重量%である。
また、本発明のめっき金属材料のめっき皮膜の鉄含有量
は基本金属の腐食電位よりめっき皮膜の腐食電位が貴と
ならない量に制限すべきである。基体金属の腐食電位
は、その種類によって若干異なるため必ずしも限定する
ことは困難であるが、40℃での5%食塩水中における通
常の鋼材の腐食電位が−0.6V(vs.Ag/AgCl)であること
から、その場合には皮膜中0.5重量%以下が望ましい。
すなわち、めっき層中のFe量は、犠性防食性を有する範
囲内であればよいが、鋼材の電位は、その使用環境によ
り多少変化するので、犠性防食となるFe量も実際には変
化するが、めっき鋼材の一般の使用環境では、腐食電位
が−0.6V(vs.Ag/AgCl)となるので、皮膜中のFe含有量
を0.5重量%以下とすることにより、ほゞすべての使用
環境で犠性防食の効果が発揮される。
次に、本発明に係るAl−Mn合金めっき皮膜の製造方法
は、好ましくは溶融塩浴を使用する電気めっきである
が、通常AlCl3−XCl(X:アルカリ金属)の2成分、また
は多成分浴にMnイオンを添加したものである。なお、本
発明に係る皮膜中の鉄含有量を制限するためには、めっ
きする前に十分に除鉄を行うとともに、連続してめっき
する場合は、連続して除鉄を行う必要がある。これは、
通常の工業薬品に含まれる鉄の量が、本発明の限界鉄含
有量を超えるものであること、および通常のめっき過程
で溶出する鉄の量が無視できないからである。除鉄方法
はいかなる方法を用いてもよいが、例えば、電解によっ
て除去する方法や金属アルミニウムパウダーを用いて置
換析出させる方法が優れている。溶融塩電解浴における
Feイオン含有量は数ppm以下に抑えるのが好ましい。
なお、電着性および耐食性をさらに一層優れたものとす
るため、並びに基体金属からの鉄の溶出を防止するた
め、予め表面にZn等のめっきを行ってもよい。
実施例 溶融塩専用のフローセル(インコネル600製)を作成
し、フローチャンネル内に陽極として純度99.8%のAl板
を設置し、被めっき材である0.8mm厚の各種鋼板を陰極
として、第1表に示す条件で次の各種めっき試験および
得られた鋼板の特性試験を行った。めっき面積は、0.7d
m2であった。鋼板は前処理として有機溶剤で脱脂後、10
%オルトケイ酸ナトリウム中で電解脱脂し、さらに10%
HClで酸洗を行った後、100%エタノールに浸漬し温風乾
燥を行った。
第1表 めっき条件 浴組成:AlCl3−NaCl−KCl (AlCl3:62mol%、NaCl:20mol%、 KCl:18mol%) 浴温度:200℃ 添加物:Mn:MnCl2(浴中イオン濃度50〜6000ppm) Fe:5〜200ppm 不純物として原料塩より混入。
めっき母材、セル、陽極より 混入し、自然増加。
Fe板を陽極溶解して添加。
除鉄方法:Alパウダー(100メッシュ充填カラムに流通) 浴流速:0.5m/sec 電流密度:40A/dm2 第2表にこれらの結果をまとめて示す。
サンプルNo.1〜5までは何ら除鉄を行っておらず、鉄
は不純物として原料塩より含有されていたものと考えら
れる。皮膜中のMn含有量が10重量%未満では(No.1、
2)めっき性状も悪く、耐食性も不十分である。一方、
Mn含有量が10重量%を超えると耐食性は著しく向上する
が、不純物として含有される鉄によって、めっき皮膜の
腐食電位は鋼板母材より貴であり、端面が露出する場合
は、1日以内で赤錆が発生する。
No.5〜12はAlパウダーによって除鉄を行った場合であ
る。鉄含有量が1重量%以下でめっき皮膜の腐食電位は
鋼板母材より卑となり犠性防食性がある。このため、N
o.7〜12までは端面が露出する場合も、7〜14日間赤錆
発生を防止し得る。
なお、皮膜中のMn含有量が30重量%超では(No.12)、
曲げ等の加工により皮膜に割れが生じる。No.13〜18は
やや貴な腐食電位を持つ母材を用いた場合である。この
場合は、めっき浴建浴後アルミニウムパウダーを用いて
十分に除鉄を行った後、特に除鉄を行わず自然増加させ
た。最初のサンプルがNo.13で以後10枚目毎にNo.14、1
5、16、17、18と合計50枚のめっきを行った。第2表か
ら明らかなように、わずか10枚目(No.14)で鉄が0.77
重量%に達し、鋼板母材と同程度の腐食電位を示すよう
になり、20枚目(No.15)以降では母材の腐食電位より
貴になって、端面の腐食性が著しく劣化している。
以上の結果は、特に鉄含有量の制御を行わない場合、皮
膜の腐食電位は容易に貴側にシフトし、犠性防食性を失
ってしまうことを示している。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、Al−Mn合金めっきが本
来有している耐食性、美麗さそして無毒性とともにめっ
き層端面あるいはめっき欠陥部での耐食性にすぐれたAl
−Mn合金めっき金属材料が得られ、特に建材や自動車用
に厳しい腐食環境で使用される材料としてすぐれた効果
が発揮される。
従来、耐食性の機構が単なる障壁作用によるものと考え
られていたAl−Mn合金めっきについて、犠性防食性を持
たせたということ、またそれを実現するのにFe不純物の
低減ということで達成した本発明は、これまでにも述べ
たそのすぐれた耐食性改善効果からも斯界の発展に寄与
するすぐれた発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、めっき皮膜中のFe含有量と腐食電位との関係
を示すグラフ;および 第2図は、めっき浴中Fe濃度とめっき皮膜中のFe含有量
との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体である金属表面に、Mn:10〜30重量
    %、残部実質的にAlよりなり、かつ不純物としてめっき
    層に含まれるFeが0.5重量%以下であり、基体金属より
    腐食電位が卑であるAl−Mn合金めっき層を有することを
    特徴とするAl−Mn合金めっき金属材料。
JP61118694A 1986-05-23 1986-05-23 Al−Mn合金めつき金属材料 Expired - Lifetime JPH0751760B2 (ja)

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JP5568883B2 (ja) * 2009-03-27 2014-08-13 住友電気工業株式会社 溶融塩浴および溶融塩浴の製造方法

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