JPH0751105Y2 - パチンコ機の施錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パチンコ機の前面枠を
本体枠に対し施錠する施錠装置に関し、特に、前面枠の
上方への移動を阻止し得る施錠装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機の前面枠を本体枠に対し施錠
する施錠装置として、取付板と支持板を断面Ｌ字状に一
体成形して基枠体が形成され、基枠体の内側に連結杆が
摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部材が連
結杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付板の中間部
にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に
差込むように固定され、錠軸の先端に連結杆と係合する
カム板が固定されてなる施錠装置が、一般に使用されて
いる。

【０００３】この種の施錠装置は、本体枠側に固定され
た係止金具に対し、前面枠の内側に突出する鉤部材が、
その下側から挿入され、この時、鉤部材の頭部が係止金
具の下縁部の当りながら鉤部材が下方に回動し、その凸
部をのり越したところで、コイルばねによって鉤部材が
復帰方向に回動して、施錠が行われる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、パチン
コ機の前面枠を開閉自在に支持する蝶番は、一般に、両
側の蝶番をその回動ピン側と軸受側とから脱着できる構
造であり、前面枠を本体枠に対し取付ける場合は、前面
枠側の蝶番を本体枠側の蝶番に上から合せ、回動ピンを
軸受に嵌合させるように組み付けが行われる。

【０００５】このため、施錠装置の鉤部材が本体枠側の
係止金具に係合した施錠状態であっても、鉤部材がコイ
ルばねの付勢力に抗して下方に回動可能であり、また蝶
番の構造上、前面枠が本体枠に対しある程度の範囲で上
方へ移動可能となる課題があった。

【０００６】本考案は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、簡単な構造で、係止金具の固定された本
体枠に対し、施錠装置の取付けられた前面枠の上方への
移動を防止することができるパチンコ機の施錠装置を提
供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案の施錠装置は、取付板と支持板を断面Ｌ字
状に一体成形して基枠体が形成され、その基枠体の内側
に連結杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に
鉤部材が連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付
板の中間部にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔
から内側に差込むように固定され、その錠軸の先端に前
記連結杆に係合するカム板が固定され、前記基枠体がパ
チンコ機の前面枠に縦に取付けられ、パチンコ機の本体
枠内に固定された係止金具に前記鉤部材が係止されるパ
チンコ機の施錠装置において、基枠体の支持板における
鉤部材の枢支部に、係止金具の係止部と係合して基枠体
の上方への移動を阻止する係合部を設けて構成される。

【０００８】

【作用】パチンコ機の前面枠を閉じると、前面枠側に固
定された施錠装置の鉤部材の頭部が、本体枠側に固定さ
れた係止金具の下縁部に当りながら傾動し、その凸部を
のり越えたときに復帰方向に回動し、係止される。この
ような施錠状態で、基枠体の支持板における鉤部材の枢
支部に設けた係合部が、係止金具の真下に位置し、基枠
体の上方への移動を阻止する。これによって、パチンコ
機の前面枠の本体枠に対する上方への移動が防止され
る。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１０】図１は施錠装置の正面図を、図２はその左
側面図を、図３はその右側面図を示している。１は取付
板２と支持板３を断面Ｌ字状に一体成形してなる縦長の
基枠体で、基枠体１の支持板３の上部と下部に枢支部が
形成される。

【００１１】その枢支部には、鉤部材４、５が図の位置
から下方に傾動可能に枢支ピン４ａ，５ａで枢支され
る。鉤部材４、５は三角形頭部の元部の上側に係合凹部
を有し、後述の係止金具１５の係止部１５ａと係合す
る。

【００１２】基枠体１の内側には、支持板３に沿って連
結杆６が摺動可能に配設され、連結杆６の上端は、鉤部
材４の元部に連結ピン４ｂで連結され、下端は下部の鉤
部材５の元部に連結ピン５ｂで連結される。

【００１３】取付板２の略中央部は幅広に形成され、そ
の箇所にシリンダ錠７がその錠軸を孔から基枠体１の内
側に挿入するように、ねじで固定される。シリンダ錠７
の錠軸には２つの係合部を持つカム板８が固定され、図
１反時計方向にカム板８を回動させた場合、カム板の係
合部が連結杆６の開口凹部に係合し、連結杆６を上方に
摺動させ、鉤部材４、５を回動させる。なお、連結杆６
はコイルばね９によって下方に付勢されている。

【００１４】支持板３と連結杆６の間に、ガラス枠解錠
用の作動片１０ａを持つガラス枠用作動杆１０が摺動可
能に配設され、シリンダ錠７によってカム板８が図１時
計方向に回動された場合、このガラス枠用作動杆１０
は、コイルばね１１の付勢力に抗して下方に摺動する。

【００１５】一方、支持板３における下部の鉤部材４を
枢支する枢支部には、その外側から係合部１２が鉤部材
と同じ方向に隣接して設けられる。この係合部１２は、
長方形鋼板により別部材として形成され、支持板３の下
部の枢支部外側に溶接等で固定される。

【００１６】そして、前面枠の閉鎖時に、後述の係止金
具１５の下縁部の直下に係合部１２の上縁部が位置し、
基枠体１つまり前面枠が上方へ持ち上げられたとき、係
止金具１５の下縁部に係合部１２の上縁部が当たる構造
である。

【００１７】上記構成の施錠装置は、図４に示すよう
に、パチンコ機の前面枠１９の縦枠部分に、鉤部材４、
５を本体枠側に向けて取付けられ、係止金具１５、１５
はその上下の鉤部材４、５に対向した位置の本体枠１８
内に各々取付けられる。

【００１８】パチンコ機の前面枠１９を閉じると、前面
枠側に固定された施錠装置の鉤部材４、５の三角形頭部
が、本体枠側に固定された係止金具１５の係止部１５ａ
の下縁部に当りながら、傾動してそこをのり越え、コイ
ルばね９の付勢力によって戻り、図４のように係止され
る。

【００１９】ところで、鉤部材４、５のみが係止金具１
５と係合される構造であった場合、前面枠側の蝶番が上
に持ち上げ可能な構造のため、さらに、鉤部材４、５が
下方へ回動可能であるため、前面枠１９を上方を持ち上
げると、前面枠１９の上への移動が可能となってしま
う。

【００２０】しかし、本案では、支持板３の枢支部に設
けた係合部１２の上縁部が、係止金具１５の係止部１５
ａの下縁部に当たるため、基枠体１つまり前面枠１９の
上方への移動が阻止される。これによって、パチンコ機
の前面枠１９の本体枠１８に対する上方への移動が不可
能となり、ガタツキが最小に抑えられる。

【００２１】前面枠１９を解錠する場合は、キーによっ
てシリンダ錠７を回し、カム板８を図１反時計方向に回
転させると、カム板８の係合部が連結杆６と係合してこ
れを上方へ摺動させ、上下の鉤部材４、５が下方へ回動
する。この鉤部材４、５の回動によって、本体枠１８側
の係止金具１５との係合が外れ、前面枠１９は開放可能
な状態となる。

【００２２】一方、カム板８を図１時計方向へ回動させ
た場合、ガラス枠用作動杆１０が下方に摺動し、その作
動片１０ａが図示しないガラス枠施錠具の解錠用レバー
を動かし、ガラス枠施錠具が解錠される。

【００２３】図５は他の実施例の施錠装置を示してい
る。この施錠装置では、基枠体２１の支持板２３におけ
る下側の枢支部に拡幅部２３ａが形成され、その拡幅部
２３ａの上縁部が鉤部材２５の長手方向に沿ってのびる
係合部３２となる。その係合部３２は、上記実施例と同
様に、鉤部材２５の係合凹部の真下に位置し、施錠状態
において、前面枠つまり基枠体２１が持ち上げられた場
合、係合部３２の上縁部が係止金具の係止部１５ａの下
縁部に当たり、前面枠の上方への移動が阻止される。

【００２４】支持板２３の拡幅部２３ａには、滑りロー
ラ３３が軸支される。この滑りローラ３３は、前面枠１
９の開閉時に、本体枠１８側に設けられた滑り板の上に
進入して転動し、前面枠１９が容易に開閉できるように
している。

【００２５】なお、上記実施例では、係合部１２又は３
２が支持板３又は２３の下部の枢支部に設けられている
が、支持板の上部の枢支部にその係合部を設けることも
できる。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したように、本考案のパチンコ
機の施錠装置によれば、基枠体の支持板における鉤部材
の枢支部に、係止金具の係止部と係合して基枠体の上方
への移動を阻止する係合部を設けたから、係止金具と係
合する鉤部材が下方へ回動可能であって、前面枠を上方
を持ち上げると、前面枠側の蝶番が上に持ち上げ可能な
構造であっても、前面枠を閉じて施錠装置の鉤部材を、
本体枠側の係止金具に係止させた際、基枠体の支持板の
枢支部に設けた係合部が、係止金具に設けた係止部と係
合し、基枠体の上方への移動を阻止する。このため、前
面枠の上方への移動が不可能となり、前面枠の上方への
ガタツキを最小に抑えることができる。

【００２７】また、係止部が支持板の枢支部に設けられ
るため、別部材を枢支部に固定し或は、支持板の枢支部
を拡幅するだけで、簡単に構成でき、鉤部材の背後に隠
れる位置に係合部が位置するため、係合部が大きな突起
物となって他の取付部品の邪魔になることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】施錠装置の正面図である。

【図２】その左側面図である。

【図３】その右側面図である。

【図４】施錠状態の斜視図である。

【図５】他の実施例の右側面図である。

【符号の説明】

１−基枠体、 ２−取付板、 ３−支持板、 ４，５−鉤部材、 ６−連結杆、 ７−シリンダ錠、 ８−カム板、 １２−係合部、 １５−係止金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付板と支持板を断面Ｌ字状に一体成形
   して基枠体が形成され、該基枠体の内側に連結杆が摺動
   可能に配設され、該支持板の上部と下部に鉤部材が連結
   杆に連結されて傾動可能に枢支され、該取付板の中間部
   にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に
   差込むように固定され、該錠軸の先端に前記連結杆と係
   合するカム板が固定され、前記基枠体がパチンコ機の前
   面枠に縦に取付けられ、パチンコ機の本体枠内に固定さ
   れた係止金具に前記鉤部材が係止されるパチンコ機の施
   錠装置において、前記基枠体の支持板における前記鉤部
   材の枢支部に、該係止金具の係止部と係合して該基枠体
   の上方への移動を阻止する係合部を設けたことを特徴と
   するパチンコ機の施錠装置。