JPH0750975A - 油脂折込みパンの製造法 - Google Patents
油脂折込みパンの製造法Info
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- JPH0750975A JPH0750975A JP5204355A JP20435593A JPH0750975A JP H0750975 A JPH0750975 A JP H0750975A JP 5204355 A JP5204355 A JP 5204355A JP 20435593 A JP20435593 A JP 20435593A JP H0750975 A JPH0750975 A JP H0750975A
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Abstract
折込みパンを提供する。 【構成】 サッカロミセス属に属し、発酵能が低温感受
性を示す酵母と小麦粉を主成分とするパン用原料と水と
を混捏し生地とした後、該生地に油脂を折込み、油脂折
込み生地とし、ついで該油脂折込み生地を−2〜15℃の
低温で貯蔵(未成型生地の低温貯蔵)した後、該生地を
分割、成型、発酵および焼成する。
Description
クロワッサン等の油脂折込みパンの製造法に関する。
低温域において発酵力を抑制する能力を有するサッカロ
ミセス属に属する酵母を用いて食パンおよび菓子パンを
製造する方法を開示しているが、油脂折込みパンを製造
する方法については開示していない。
属に属し低温感受性かつ冷凍耐性の性質を有するパン酵
母を用いてパン類を製造する方法を開示しており、適用
できるパン類として食パン、菓子パン、デニッシュペス
トリーがあげられている。しかし、実施例としては食パ
ンの製法が記載されているだけで、デニッシュペストリ
ーの製法については何ら記載されていない。
であるが、生存性を有するパン酵母菌体の作製方法およ
びピザの製法を開示しているが、油脂折込みパンを製造
する方法については開示していない。油脂折込みパンの
製造法として、本出願人は次の方法を出願している(特
願平4−150852号明細書)。すなわち、サッカロミセス
属に属し、発酵能が低温感受性を示す酵母と小麦粉を主
成分とするパン用原料と水とを混捏し生地とした後、該
生地に油脂を折込み、油脂折込み生地とし、ついで、該
油脂折込み生地を分割および成型し、−2〜15℃の低温
で貯蔵(成型生地の低温貯蔵)した後、発酵および焼成
する方法である。
込みパンを製造するための優れた方法を提供することに
ある。
属に属し、発酵能が低温感受性を示す酵母と小麦粉を主
成分とするパン用原料と水とを混捏し生地とした後、該
生地に油脂を折込み、油脂折込み生地とし、ついで該油
脂折込み生地を−2〜15℃の低温で貯蔵(未成型生地の
低温貯蔵)した後、該生地を分割、成型、発酵および焼
成することを特徴とする油脂折込みパンの製造法に関す
る。
ス属に属し、発酵能が低温感受性を示す酵母であればい
ずれも用いられる。本明細書において「発酵能が低温感
受性を示す」とは「20〜40℃では正常に発酵し、−2〜
15℃では市販酵母の1/3以下の発酵能を示す」ことを
意味する。本発明で用いられる酵母は例えば次の方法で
得ることができる。例えば、市販酵母(例えば、パン酵
母、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、味噌・焼酎酵
母等)に公知の異変誘導法、例えば紫外線、放射線等を
照射させて得た菌体に抗生物質(例えば、アンチマイシ
ン、ナイスタチン等)を接触させ、低温(10〜15℃)で
培養し、この低温において増殖不能ないしは増殖の極め
て弱い細胞を選択する(一次選択)。この一次選択で選
択された菌株の中には、発酵能欠如のため、ないしは発
酵能が微弱なために増殖不能、あるいは増殖能の低下し
た菌株と、その他の原因で増殖が弱くなった菌株が含ま
れる。そこでその中から低温(2〜7℃)において発酵
能が欠如ないしは極めて微弱となった菌株を選択する
(二次選択)。次に、二次選択で選択さた菌株の中から
20℃以上の温度(20〜40℃)で発酵能の回復する菌株を
選択する(三次選択)。最後に三次選択で選択された菌
株の中から20℃以上の温度(20〜40℃)においてパン生
地等の発酵条件での発酵能が普通の酵母なみに優れた菌
株を選択する(四次選択)。
サッカロミセス・セルビジェ( Saccharomyces cerev
isiae ) RZT-3 (以下、RZT−3株と称す)があげら
れる。以下にRZT−3株の取得方法を示す。市販パン
酵母ダイヤイーストYST〔協和醗酵工業(株)〕(以
下、YST株と称す)をYPD培地(酵母エキス1%、
ポリペプトン2%、グルコース2%)で30℃で12時間培
養後、遠心分離し、菌体を集める。集めた菌体を0.067M
リン酸一カリウム溶液中に吸光度1.0 、すなわち、1ml
当りの細胞数が1×107 個になるように懸濁する。この
細胞懸濁液に対して生存率1〜30%になるように紫外線
を照射した後、一次選択に回す。
細菌懸濁液20μl を1mlのYPD培地に植菌し、30℃で
12時間培養する。培養終了後、遠心分離によって菌体を
集める。集めた菌体を無窒素源最小培地〔Yeast nitrog
en base w/o amino acid andammonium sulfate (デイフ
コ社) 0.17%、グルコース1%〕1mlで30℃で12時間培
養する。培養終了後、再び遠心分離し、菌体を集める。
集めた菌体をアンチマイシンを1×10-6M 添加されたY
PD培地0.9mlに懸濁し、10℃で36時間培養する。
/ml添加し、10℃で2時間培養する。この培養液を遠心
分離し、菌体を集める。集めた菌体をYPD平板培地
(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2
%、寒天2%)に塗布し、30℃で48時間培養しコロニー
を生育させる。生育したコロニーを下記の如く選択して
RZT−3株を得た。RZT−3はブダペスト条約に基
づいて平成4年5月26日付で工業技術院微生物工業技術
研究所に国際寄託されFERM BP-3871の寄託番号が付与さ
れている。
されたコロニーをYPG平板培地(酵母エキス1%、ポ
リペプトン2%、グリセロール3%、寒天2%)上に移
し、30℃で24時間培養し、コロニーを生育させる。その
上から色素寒天培地(酵母エキス0.5%、ペプトン1
%、シュークロース10%、ブロムクレゾールバーブル0.
02%、寒天1%)を重層した後、5℃で6〜12時間培養
する。この間にコロニー周辺の色調を観察すれば、5℃
における発酵能の強い株は色調が紫から黄色に変化する
が、発酵能欠如、ないし微弱な菌株では、色調の変化が
ないか、極わずかなことから識別できる。
て選択されたコロニーをYPG平板培地上に移し、30℃
で24時間培養しコロニーを生育させる。その上に色素寒
天培地を重層した後、30℃で2時間培養し、十分な発酵
能を持つ菌株(コロニー周辺の色調が紫から黄色に変化
した菌株)を選択する。四次選択は次の様に行う。三次
選択で選択された菌株について、下記の生地組成および
工程によりパン生地を調製し、−2〜40℃までの範囲で
炭酸ガスの発生量を測定し、発酵能の目安とする。 工程: ミキシング(ナショナルコンプリートミキサー
で100rpm、2分間) ↓ ねかす (30℃、45分間) ↓ 分 割 (35.44 g) ↓ 放 置 (10℃、3時間) ↓ 第1表に示す各温度で、2時間の炭酸ガス発生量を測定 2時間の炭酸ガス発生量の測定は、−2〜15℃までは、
パン生地 35.44gを100ml 三角フラスコに詰めて、発生
する炭酸ガスを飽和食塩水中のシリンダーに置換する方
法で測定した。20〜40℃までの測定は、ファーモグラフ
〔アトー(株)〕を用いて行った。その結果を第1表に
示す。
よび0℃では実質的に発酵していないが、2.5℃以上で
はだんだん発酵量が増加している。一方、RZT−3株
は−2〜5℃では実質的に発酵しておらず、15℃におい
ても発酵量はYST株の約 1/3 であり、20℃以上でY
ST株とほぼ同程度である。本発明で小麦粉を主成分と
するパン用原料としては、例えば、小麦粉、砂糖、食
塩、ショートニング、卵、脱脂粉乳、イーストフード等
を含む原料があげられる。
する。パン酵母の培養 酵母を炭素源、窒素源、無機物、アミノ酸、ビタミン等
を含有する通常の培地中、好気的条件下、温度27〜32℃
に調節しつつ培養し、菌体を回収、洗浄を行うことによ
りパン製造に適した酵母菌体を得ることができる。
ークロース、澱粉加水分解物、糖蜜等が使用できるが、
特に糖蜜が好適に用いられる。窒素源としては、アンモ
ニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アン
モニウム、酢酸アンモニウム、尿素、酵母エキス、コー
ン・スチープ・リカー等が用いられる。
酸カリウム等が、アミノ酸としてはグルタミン酸等が、
ビタミンとしては、パントテンサン、チアミン等が用い
られる。培養は、流加培養が適当である。製パン法 前記で得られた酵母と小麦粉、砂糖、食塩、ショートニ
ング、卵、脱脂粉乳、イーストフード等と水とを加え、
混捏し生地とする。該生地を一定時間(10〜60分間)発
酵(フロアタイム)した後、適当な大きさに分割する。
ついで、生地を一定時間(20〜90分間)冷却(約−20
℃)して生地温度を5〜10℃まで下げる。ついで、マー
ガリン、バター等の油脂を生地に包み、圧延、折りたた
みを繰り返すことにより、生地と油脂の多層を作る。こ
の油脂を折込む作業をロールインという。得られた多層
(4〜12層)の油脂折込み生地を低温(−2〜15℃好ま
しくは0〜10℃)で10〜72時間放置する。ついで、折込
み圧延を繰返し、最終的に多層(18〜50層)の油脂折込
み生地を得る。得られた生地を適当な大きさに分割した
後、成型(例えば、ロール状)する。
分間発酵(ホイロ)した後、180 〜210 ℃で5〜20分間
焼成し、油脂折込みパンを製造する。油脂折込みパンと
してはデニッシュペストリー、クロワッサン等があげら
れる。
T−3株白金耳植菌し、30℃で24時間培養した。培養
後、その培養液全量を 270mlの糖蜜培地(糖蜜3%、尿
素0.193 %、りん酸二水素カリウム 0.046%、消泡剤2
滴)の入った2リットルのバッフル付三角フラスコに移
植し、30℃で24時間振盪培養した。培養終了後、遠心分
離により集菌し、2回脱イオン水で洗浄後、素焼製吸収
板の上で水分を除去し、菌体を取得した。
と同様にして菌体を得た。この得られた酵母菌体が製パ
ン用に用いられた。製パン 下記生地組成および工程によりデニッシュペストリーを
得た。 生地組成: (重量部) 強力粉 70 薄力粉 30 砂 糖 10 食 塩 1.2 ショートニング 6 脱脂粉乳 3 全 卵 10 イーストフード {パンダイヤC−500 〔協和醗酵工業(株)〕} 0.1 酵母菌体 (RZT-3 株またはYST 株) 6 水 50 折込み用マーガリン 50 工程: ミキシング〔低速(100rpmm :以下省略) 3分 中速(190rpmm :以下省略) 8分 高速(290rpmm :以下省略) 1分〕 捏上温度 (22℃) フロアタイム (20分) 分 割 (1kg×4) 冷 却 (−20℃、30分) ロールイン〔3つ折 2回(9層)(折込み用マーガリ
ン:小麦粉に対して50%)〕 冷 蔵 (5℃、1、2、3および4日間) 解冷蔵 (20℃、1時間) 圧 延 〔3つ折 1回(27層) 4mmに圧延〕 分割・成型 (50g ロール状) ホイロ (35℃、75%RH、70分) 焼 成 (200 ℃、12分) 得られたデニッシュペストリーの比容積はなたね置換法
により求めた。また、外観および内相を観察した。その
結果を第2表に示す。 比較例1 特願平4−150852号明細書の実施例3に準じて次の如く
行った。実施例1において、工程を次の条件にする以外
は実施例1と同様にしてデニッシュペストリーを製造し
た。 工程: ミキシング (低速3分、中速8分、高速1
分) 捏上温度 (22℃) フロアタイム (20分) 分 割 (1kg×4) 冷 却 (−20℃、30分) ロールイン〔3つ折 2回(9層)(折込み用マーガリ
ン:小麦粉に対して50%)〕 冷 蔵 (5℃、60分) 圧 延 (3つ折 1回(27層)、4mmに圧延) 分割・成型 〔50g ロール状) 冷 蔵 (5℃、1、2、3および4日間) ホイロ (35℃、75%RH、70分) 焼 成 (200 ℃、12分) 以下、実施例1と同様にして、デニッシュペストリーの
比容積、外観および内相を第2表に示す。
記の生地組成および工程によりデニッシュペストリーを
得た。 生地組成: (重量部) 強力粉 80 薄力粉 20 砂 糖 20 食 塩 1.2 ショートニング 6 脱脂粉乳 2 全 卵 10 イーストフード(パンダイヤC−500 ) 0.12 酵母菌体(RZT−3株) 6 水 42 折込み用マーガリン 50 工程: ミキシング (低速4分、中速6分、高速4分) 捏上温度 (28℃) フロアタイム (45分) 分 割 (4kg×3) ベンチタイム (15分) 冷 却 (−20℃、1時間) ロールイン 〔2つ折1回×3つ折り1回(6層) (折込み用マーガリン:小麦粉に対して50%)〕 冷 蔵 (8℃、1、2および3日間) 解冷蔵 (20℃、1時間) 圧 延 〔4つ折1回(24層)、4mmに圧延〕 分割・成型 (50g、ロール状) ホイロ (33℃、80%RH、 70 分) 焼 成 (190 ℃、10分) デニッシュペストリーの比容積、外観、内相を第3表に
示す。 比較例2 特願平4−150852号明細書の実施例3に準じて次の如く
行った。実施例2において、工程を次の条件にする以外
は実施例2と同様にしてデニッシュペストリーを製造し
た。 工程: ミキシング (低速4分、中速6分、高速4分) 捏上温度 (28℃) フロアタイム (45分) 分 割 (4kg×3) ベンチタイム (15分) 冷 却 (−20℃、1時間) ロールイン 〔2つ折1回×3つ折り1回(6層) (折込み用マーガリン:小麦粉に対して50%)〕 冷 蔵 (5℃、60分) 圧 延 〔4つ折1回(24層)、4mmに圧延〕 分割・成型 (50g、ロール状) 冷 蔵 (8℃、1、2および3日間) ホイロ (33℃、80%RH、 70 分) 焼 成 (190 ℃、10分) 以下、実施例1と同様にして、デニッシュペストリーの
比容積、外観および内相を第3表に示す。
は優れた品質(比容積、外観、内相等)を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】 サッカロミセス属に属し、発酵能が低温
感受性を示す酵母と小麦粉を主成分とするパン用原料と
水とを混捏し生地とした後、該生地に油脂を折込み、油
脂折込み生地とし、ついで該油脂折込み生地を−2〜1
5℃の低温で貯蔵した後、該生地を分割、成型、発酵お
よび焼成することを特徴とする油脂折込みパンの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20435593A JP3266708B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 油脂折込みパンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20435593A JP3266708B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 油脂折込みパンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0750975A true JPH0750975A (ja) | 1995-02-28 |
JP3266708B2 JP3266708B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=16489141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20435593A Expired - Lifetime JP3266708B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 油脂折込みパンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3266708B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005245423A (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Tsubasa:Kk | 生地を氷温熟成させたパン及びその製法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61195637A (ja) * | 1985-02-27 | 1986-08-29 | 鐘淵化学工業株式会社 | パン類の製造法 |
JPS6379553A (ja) * | 1986-09-22 | 1988-04-09 | 日清製粉株式会社 | 油脂折込みパン生地の製造法 |
JPH04173048A (ja) * | 1990-11-07 | 1992-06-19 | Asahi Denka Kogyo Kk | 層状構造を有するベーカリー製品の製造法 |
JPH05336872A (ja) * | 1992-06-10 | 1993-12-21 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | パンの製法 |
-
1993
- 1993-08-18 JP JP20435593A patent/JP3266708B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2005245423A (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Tsubasa:Kk | 生地を氷温熟成させたパン及びその製法 |
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JP3266708B2 (ja) | 2002-03-18 |
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