JPH0750324Y2 - 粉粒体輸送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は粉粒体輸送装置に係り、詳しくはテーブルフィ
ーダ、ロータリバルブ、チェンコンベヤ等の粉粒体の輸
送機や供給機の排出口部の壁面への粉粒体の付着を防止
する粉粒体輸送装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば第４図および第５図に示すように粉粒体の輸送機
としてのチェンコンベヤ１にはその輸送面2aの途中に粉
粒体を別の機器へ輸送するために下方向の排出管３へ開
口する排出口２が設けられる。粉粒体はチェンコンベや
１の移動に伴ってその羽根1aにより輸送面2aを水平方向
へ輸送され、排出管３への排出口２位置で排出管３内へ
落下して排出され次の行程へ輸送される。

〔考案が解決しようとする課題〕

例えば石炭等の粉粒体は運転初期は粒子は輸送面2aの排
出口２から排出管３の壁面3aに沿って落下するが、運転
するにつれて微粒子が壁面3aに付着し成長するようにな
る。これは特に水分に含有した石炭であるとその度合い
が大きい。そして、さらにその付着層の上に粗粒子をも
付着するようになり益々付着が成長しついには排出口２
や排出管３の開口が狭められ排出不能となって粉粒体輸
送装置として機能しなくなる。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであ
り、粉粒体の付着を効果的に防止しうる粉粒体輸送装置
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の粉粒体輸送装置は、上記目的を達成するため
に、 （１）粉粒体輸送面2aから下方向の排出管３へと粉粒体
を落とし込むようにした粉粒体の輸送装置において、前
記粉粒体輸送面2aから下方向の排出管３へ通じる排出口
５部の粉粒体が落下する部分に鍔10を排出口５部に対し
て摺動可能に取付け、鍔10の端面と排出管３の鍔10の下
方に位置する側の内壁面3aとの間に空間７を形成させる
と共に該空間７を調整可能に構成したものである。

〔作用〕

粉粒体は粉粒体輸送面2aから排出口５部を通って排出管
３へ落とし込まれるが、このとき排出口５部には鍔10が
位置して該鍔10の端面と排出管３の鍔10の下方に位置す
る側の内壁面3aとの間には空間７が形成されているた
め、粉粒体の落下部において排出管３の内壁3aに粉粒体
が接触せず、粉粒体の付着が防止される。しかして、該
鍔10は排出口５部に対して摺動可能に取付けられて鍔10
の端面と排出管３の鍔10の下方に位置する側の内壁面3a
との間に形成される空間７が調整自在であるので、粉粒
体の性状（含有水分や微粒子の含有度の大小、或いはそ
の粉粒体自体の付着性の大小）や輸送装置の輸送量の大
小に応じて該空間７の大きさを調整して排出管３の内壁
3aへの粉粒体の接触度やそれによる付着度を調整できる
ため、付着防止がより確実かつ容易に行われる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例を参照しながら、本考案を詳細
に説明する。

第１図は本考案に至る過程で考案された粉粒体輸送装置
の概略構成を示す縦断面図、第２図は第１図のＡ矢視平
面図である。なお、本構成例において第４図および第５
図と同一部分または相当する部分には同一符号を用いそ
の説明は省略する。

チェンコンベヤ１の輸送面2aの途中に設けられた排出管
３への粉粒体の排出口５部（開口部）には鍔６が取付け
られており、この鍔６の内径は第２図にも示すように排
出管３の内径よりも小径に形成されている。本構成例で
はこの鍔６は矩形の開口部の全辺に設けられている。そ
して、鍔６と排出管３の内壁3aとの間に空間部７が形成
されている。

このような構成において、チェンコンベヤ１の羽根1aの
水平移動によって輸送面2aを送られて来た石炭である粉
粒体は輸送面2aの排出口５に到り、そこの鍔６の内縁を
通過して排出管３内へ落下する。このとき、石炭は空間
部７の存在により排出管３の内壁3aには接触せず、即ち
内壁3aに添って落下せず、排出管３のより中央部を通っ
て下方へと落下する。このため、排出管３の内壁3aへの
付着が防がれる。なお、本構成例では排出口５における
開口の四辺に鍔６を取付けた場合を示したが、粉粒体の
落下量の少ない例えばチェンコンベヤ１の移動前方側の
辺5aには設けなくてもよい場合もある。また、第１図に
二点鎖線で示すように、排出管３の側壁に圧縮空気管８
をそれぞれ対向する壁面3aへ向けて圧縮空気が吹き付け
られるように設け、圧縮空気によっても微粒子等の粉粒
体の付着防止を助けるようにすることもでき、粉粒体の
性状による付着度合の変化に対応させるようにすること
もできる。この場合、圧縮空気管８は、対向する壁面3a
に対して互いに段違いに（高さを異ならせて）設けると
対向する壁面3aに圧縮空気がより確実に供給され易い。
また、粉粒体の落下を助けるように圧縮空気管８を下方
の粉粒体の落下方向に傾斜させて設けてもよい。さら
に、対向する壁面3aに対して圧縮空気管８を同じ高さ位
置に設け、対向する壁面から噴出される圧縮空気同士を
衝突させて乱流となし、これによって内壁3aへ付着しよ
うとする粉粒体を除去するようにしてもよい。しかし
て、上述したように第１図に示した装置では鍔６の端面
と排出管３の内壁3aの間に空間部７が形成されるので、
ここへの粉粒体の侵入を極力防止し、内壁3aへの接触や
それによる付着を防止するようにすることができる。し
かし、鍔６の排出口５への突出量が固定された長さとさ
れているために、粉粒体の含有水分や微粉含有量が異な
った場合など粉粒体の付着性状の変化に応じて適宜な内
壁3aへの付着防止策が取れなかったり、或いは、チェン
コンベヤ１の供給量の大小による粉粒体の落下飛散状態
の変化に応じて粉粒体の内壁3aへの接触度や付着度を調
整し難い。

第３図は本考案の実施例を第１図に対応して示す縦断面
図である。

本図において、排出口５部のチェンコンベヤ１の羽根1a
の移動方向上流側の排出管３の上端部には、鍔10が排出
管３に設けたガイド部材3bに摺動可能に取付けられてお
り、鍔10の端面と排出管３の鍔10の下方に位置する側の
壁面3aとの間に空間７が形成されると共に該空間７は該
ガイド部材3bを摺動させることにより調整可能に構成さ
れている。この場合、この摺動可能な鍔10は排出量の最
も多い排出口５部の一辺に設けた場合を示しているが、
勿論、対向する辺や隣接する辺に設けることもできる。
この場合、隣接し合う鍔10は互いに高さ位置を異ならせ
て設ければ、摺動が円滑にいく。

本実施例はこのように構成されているので、鍔10の端面
と排出管３の鍔10の下方に位置する側の壁面3aとの間の
空間７の大きさを調整することができるため、粉粒体の
含有水分や微粉含有量が異なった場合など、粉粒体の付
着性状が異なったり変化した場合でもその付着性状の変
化に応じて適宜、内壁3aへの付着防止を図ることがで
き、また、チェンコンベヤ１の供給量の大小による粉粒
体の落下飛散状態の変化に応じて粉粒体の壁面3aへの接
触状態を調整し該壁面3aへの付着度を調整することがで
きる。従って、より確実かつ容易に付着を防止するよう
にすることができる。

勿論、この実施例においても前記したような圧縮空気管
８を排出管３に設置することもできる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案の粉粒体輸送装
置は、粉粒体の排出口部等での付着を効果的に防止する
ことができ、粉粒体の輸送を円滑に行うことができると
いう実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に至る過程において考案された粉粒体輸
送装置の一構成例の概略構成を示す縦断面図、第２図は
第１図のＡ矢視平面図、第３図は本考案の実施例を第１
図に対応して示す縦断面図、第４図は従来の粉粒体輸送
装置を示す縦断面図、第５図は第４図のＢ矢視平面図で
ある。 １……チェンコンベヤ、1a……羽根、２、５……排出
口、2a……輸送面、３……排出管、3a……壁面、６、10
……鍔、７……空間部、８……圧縮空気管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】粉粒体輸送面2aから下方向の排出管３へと
   粉粒体を落とし込むようにした粉粒体の輸送装置におい
   て、前記粉粒体輸送面2aから下方向の排出管３へ通じる
   排出口５部の粉粒体が落下する部分に鍔10を排出口５部
   に対して摺動可能に取付け、鍔10の端面と排出管３の鍔
   10の下方に位置する側の内壁面3aとの間に空間７を形成
   させると共に該空間７を調整可能に構成したことを特徴
   とする粉粒体輸送装置。