JPH07502266A - ホルムアルデヒドとフッ化水素とからビス(フルオロメチル)エーテル及び/又はジフルオロメタンの製造 - Google Patents

ホルムアルデヒドとフッ化水素とからビス(フルオロメチル)エーテル及び/又はジフルオロメタンの製造

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ホルムアルデヒドとフッ化水素とからビス(フルオロメチル)エーテル及び/又 はジフルオロメタンの製造 本発明は化学的方法、特にホルムアルデヒドとフッ化水素との反応によりビス( フルオロメチル)エーテルを製造する方法及びホルムアルデヒドとフッ化水素と からビス(フルオロメチル)エーテルを製造する工程を組合せてジフルオロメタ ンを製造する方法に関する。
ホルムアルデヒド及びフッ化水素は互いに反応してビス(フルオロメチル)エー テル及び水を生成する。この反応は平衡で制限され、平衡を生成物の方へ進行さ せるのにフッ化水素対ホルムアルデヒドの7:1モル過剰を使用してさえも20 °Cでホルムアルデヒドのビス(フルオロメチル)エーテルへの転化率が約55 %であるに過ぎない。本発明者か見出した所によれば、この平衡問題を克服する ためには生成物の1方又は両方をそれ/それらが生成された後に出来るだけ迅速 に反応混合物から取出して生成物の方に平衡を進行させ且つホルムアルデヒドの ビス(フルオロメチル)エーテルへのより高い転化率を達成できる。
更には、ビス(フルオロメチル)エーテルは、適当な触媒の存在下に上昇した温 度にビス(フルオロメチル)エーテルを加熱することによりジフルオロメタン及 びフッ化メチルを製造する原料として有用てあり、その際加熱されるビス(フル オロメチル)エーテル中に水が有意な量で存在しないのが望ましい。何故ならば 水は望ましくない副反応を促進させしかもビス(フルオロメチル)エーテルのホ ルムアルデヒド及びフッ化水素への分解を促進させることを本発明者は見出した からである。かくしてヒス(フルオロメチル)エーテルを次段で処理してジフル オロメタンを生成する前に水とビス(フルオロメチル)エーテルとの反応生成物 の混合物から水を除去するのが望ましい。
本発明者が今般見出した所によれば、反応剤から生成物の前記の分離及びまたビ ス(フルオロメチル)エーテルから水の分離は反応性蒸留を用いて有効に達成し 得る。
本発明によると、反応/蒸留容器中でホルムアルデヒドをフッ化水素と反応させ ることからなる、ビス(フルオロメチル)エーテルの製造方法が提供される。反 応/蒸留容器とは、フッ化水素とホルムアルデヒドとを接触させてビス(フルオ ロメチル)エーテルを製造し且つ容器中の蒸気を容器中の液体から分離し且つ抜 出す容器を意味する。反応生成物(等モル量のビス(フルオロメチル)エーテル と水)の点から見ると、蒸気は水に対してよりもビス(フルオロメチル)エーテ ル中で多く即ちビス(フルオロメチル)エーテルと水とのモル比はlより大きく 、然るに液体はビス(フルオロメチル)エーテルに対してよりも水中で多い。
前記の容器はフッ化水素/ホルムアルデヒド及び生成物の混合物に対して耐性の ある適当な材料から構成されたポット又はフラスコよりなることができ、該容器 中で回分方式を操作し即ち一段蒸留を行なう。この場合には、ホルムアルデヒド 及びフッ化水素をポットに装填でき、ポットを加熱してポットから蒸気を追出す ことができ、これによって液体から蒸気を分離する。所望ならば、蒸気を次いで 凝縮し、別の単一蒸留分離を行なう別の容器に装填できる。この方法は一連の容 器で反復でき、その各々において回分蒸留が行われる。
しかしながら本発明の方法は反応/蒸留容器が複数の反応/蒸留段階を有する反 応/蒸留塔(カラム)よりなる連続様式で行なうのが好ましい。
本発明の好ましい具体例によると、ホルムアルデヒドをフッ化水素と反応/蒸留 塔中で接触させることからなる、ビス(フルオロメチル)エーテルの製造方法が 提供される。
本発明のこの好ましい具体例の方法においては、ホルムアルデヒド及びフッ化水 素を反応/蒸留塔(以下では単に“塔”と記載する)に連続的に供給でき、高純 度の例えば99.5%のフッ化水素及びビス(フルオロメチル)エーテル程の純 粋なビス(フルオロメチル)エーテル及びフッ化水素を塔の頂部から連続的に抜 出すことができ、然るに該方法中にまた生成した水及び水/フッ化水素共沸物は 塔の底部から除去できる。この方法では、塔内の各々の反応性蒸留段階でのフッ 化水素及びビス(フルオロメチル)エーテルの取出しは、塔内の各々の段階で達 成される反応の程度を増大させ、かくしてホルムアルデヒドのビス(フルオロメ チル)エーテルへのきわめて高い、実際実質的に完全な転化を与えるものである 。
本性を行なう塔は慣用の蒸留塔であることができ、該塔では例えば泡鐘の棚板又 は濾板に堰及び降水管を付属させて設けることができる。蒸留塔は不均一な又は 組織的に構成した充填物を備え得る充填塔であり得る。
蒸留塔、あるいは塔の少なくとも内部表面及び他の部品、特に反応剤/生成物の 混合物と接触している塔内の内部部品例えば充填物、戸板又は泡鐘棚板はフッ化 水素と水との腐食性結合体に対して耐性である材質から構成すべきである。即ち 塔及び付属装置は例えばハステロイ又はインコネル合金から又はポリフッ素化重 合体例えばポリテトラフルオ、ロエチレン即ち”FEP’テトラフルオロエチレ ンとパーフルオロプロピレンとの共重合体から構成できる。塔はか\る材質から 完全に形成できあるいは塔は例えばフッ化水素と水との腐食性組合せ体に耐性の 材質で被覆又は裏打ちした鋼から構成できる。
本発明の方法の好ましい具体例を行なうに際して、塔は3つの機能部分(区分) よりなり即ちフッ化水素及びホルムアルデヒドが互いに接触する中央の“反応“ 部分、ビス(フルオロメチル)エーテル及びフッ化水素を存在する重質成分から 分離する上部の“ビス(フルオロメチル)エーテル/フッ化水素”精留(rec tifying)部分及び水及び水/フッ化水素共沸物を軽質成分から分離する 下部のストリッピング(追出し)部分よりなるのか有効である。
塔から回収した水/フッ化水素共沸物は次いで硫酸と接触させて、塔に再循環し 得るフッ化水素を回収できる。
別法として、別のストリッピング部分を塔の底部に設けることができ、該底部に 硫酸を供給して塔内のフッ化水素/水共沸物からフッ化水素を回収する。
塔の大きさは所望の生産速度及び作業還流比及び再沸比に応じてかなり大きく変 化し得る。然しなから、典型的な工業生産速度については、塔内の実際の蒸留段 階の回数は通常少なくとも20段であり、即ち少なくとも5段の精留段階と、少 なくとも5段のストリッピング段階と少なくとも10段の反応段階とである。塔 内に設は得る段階の個数については制限はないが、 150段より多い段階が塔 内に存在する必要性は一般にない。塔は約30〜約50段の実用段階を含有して なるのが好ましい。
充填物を塔内で使用する場合には、実用段階は“理論蒸留板と同等な充填物の高 さ”又は”HETP” ;即ち理論蒸留板と同じ程度の分離を行なう充填物の高 さにより測定する。
HETPは塔で用いた特定の充填物に応じて左右されるか、典型的には約0.1 m〜約1mの範囲にする。かくして塔は典型的には約20m〜約35mの充填物 を全部で含有してなる。
戸板又は泡鐘棚板を塔で使用する場合には、2枚の戸板又は泡鐘棚板は大体1段 の実用蒸留段階に対応する。
塔内の各々の機能性部分に必要とされる充填物、戸板又は泡鐘棚板は他の機能性 部分に必要とされる充填物、戸板又は棚板とは別個であるのが一般に好ましいが 、機能性部分は単に塔内の連続充填物又は板/棚板の堆積物内の領域であり得る 。即ち、例えば、反応剤の供給分配器は部会長くは、種々の機能性部分に対応す る塔内の充填物、戸板又は棚板の間に配設できる。
ホルムアルデヒドはその既知の形の何れかで塔に供給し得るが、液相又は蒸気相 のホルムアルデヒドを供給するのが一般に好ましい。即ちホルムアルデヒドは例 えばその重合体形の1つで、パラホルムアルデヒド又はホルマリンとして一般に 知られる水溶液の形であり得るトリオキサンで又はその単量体形で提供でき、該 単量体形は例えばメタノールの酸化により新たに製造されたプロセス流から例え ば提供できる。従って本明細書で用いた時はいつでも用語“ホルムアルデヒド” はその既知形式の何れかのホルムアルデヒドを包含すると理解されるものである 。
フッ化水素に溶かしたホルムアルデヒドの溶液の形でホルムアルデヒドを塔に装 入するのが好ましい。何故ならばこれによって塔内の水含量が減少するからであ る。
この場合には、若干の反応が供給流中で生起するかもしれないので、供給流はま た若干のビス(フルオロメチル)エーテル及び水を含存するものである。然しな から、供給流中にビス(フルオロメチル)エーテル及び水が存在しても本法の操 作には有意な程には作用せず、ホルムアルデヒドの実質的に完全な転化と高純度 の生成物とが尚達成される。
ホルムアルデヒド及びフッ化水素は同じ入口を通して塔に供給でき、即ちこれら は塔内の同じ個所に供給できる。然しなから、フッ化水素の少なくとも若干とホ ルムアルデヒドとは相異なる入口を通して供給するのか好ましく、ホルムアルデ ヒドはフッ化水素が塔に装入される位置よりも上方の位置で塔に装入され、ホル ムアルデヒド及びフッ化水素は次いてそれらの沸点が異なる当然の結果として互 いに向流式に塔内を流通するものである。
かくしてホルムアルデヒドを液体フッ化水素中の溶液として塔に装入した場合に は、若干のフッ化水素はホルムアルデヒドの入口を通して塔に装入されるか、フ ッ化水素の追加の且つ別個の供給分はホルムアルデヒドを装入した位置よりも低 い塔の位置で供給されるのか好ましい。
ホルムアルデヒドを塔の精留部分と反応部分との間の位置で塔に装入し、フッ化 水素を塔の反応部分とストリッピング部分との間の位置で塔に装入するのが特に 好ましい。フッ化水素の入口を通って塔に装入されるフッ化水素は液体として又 は蒸気として装入し得るが、塔に印加する熱量を減少させるためにフッ化水素の 蒸気を装入するのが好ましい。
塔に装入される全フッ化水素とホルムアルデヒドとのモル割合は例えば約0.5 :1〜約50:lの範囲でかなり大きく変動し得るが、一般に化学量論量より過 剰のフ・ソ化水素が好ましい。典型的には、フッ化水素とホルムアルデヒドとの モル比は約2:l〜約10+1の範囲にあるのが好ましい。
塔へのホルムアルデヒドとフッ化水素との相対的な流量は、塔内で所望割合のフ ッ化水素及びホルムアルデヒドを生じるようなものであり、給体的な流量はまた 特定の作業還流比で所望の生産速度及び生成物の組成を与えるようなものである 。還流比は塔に再循環される生成物流と収集した生成物流との比率と定義される 。還流比は典型的には少なくとも0.1であり、0.3〜10の範囲内であるの か好ましい。かくして、例えば5の還流比でホルムアルデヒド供給物として37 %ホルマリン溶液を用い且つ10:1のモル過剰のフッ化水素を用いて1年当り 20、000 )ンのビス(フルオロメチル)エーテルの生産速度を達成するに は、塔へのホルマリン及びフッ化水素の流量はそれぞれ1時間当り約5.000 kg (1時間当り1、825kgのホルムアルデヒドに当量)及び約12.0 00kgである。
塔は典型的には約り0℃〜約80°Cの範囲の反応部分の温度て操作される。然 しなから、特定の温度は例えば反応剤の流量、作動圧力及び所望の生産速度を含 めて多数の要因に応じて左右される。塔の全体内の温度分布は典型的には塔の頂 部で約20°C〜約40°Cから塔の底部で約115°C〜約140°Cまでで ある。
何れかの好都合な手段により、例えば基本ヒーター中にスチームを散布すること により又は再沸器の使用により熱分を処理過程に供給できる。
塔は典型的にはほり大気圧で作動させ得るが、大気圧以上の圧力又は大気圧以下 の圧力を所望ならば使用し得る。本発明者が見出した所によれば大気圧以上の圧 力及びそれ故より高い温度を使用する場合には、塔内てモノフルオロメタンが製 造される傾向が増大するものである。
前述した如く、きわめて高い純度のビス(フルオロメチル)エーテルとフッ化水 素とを塔の頂部から連続的に取出すことができる。この生成物流は所望ならば更 に精製して諸成分を分離でき即ちビス(フルオロメチル)エーテルからフッ化水 素を分離でき及び/又は生成物流に存在し得る少数の汚染物から主成分を分離で きる。この次段の精製は慣用の技術を用いて例えば生成物流を1個又はそれ以上 の追加の蒸留塔に通送することにより行なうことかできる。
別法としてしかも本法の更なる具体例として、別の精留部分を”フッ化水素/ビ ス(フルオロメチル)エーテル”精留部分より上方の塔内に設けて塔内のビス( フルオロメチル)エーテルからフッ化水素を分離できる。この場合には、フッ化 水素を塔の頂部から回収でき、ビス(フルオロメチル)エーテルを゛フッ化水素 /ビス(フルオロメチル)エーテル”精留部分と追加の精留部分との間の位置で 側流として塔から取出し得る。
本発明の方法は十分に高純度のビス(フルオロメチル)エーテルとフッ化水素と の製造を容易とするのでビス(フルオロメチル)エーテル流は、場合によっては フッ化水素を除去した後に、ビス(フルオロメチル)エーテルをジフルオロメタ ンに転化させる反応帯域に直接通送し得る。
本発明の別の好ましい具体例によると、次の工程、(a)前記した卯く反応/蒸 留容器中でホルムアルデヒドをフッ化水素と接触させしかも (b)工程(a) からのビス(フルオロメチル)エーテルをジフルオロメタン製造用の反応帯域に 供給する工程からなるジフルオロメタンの製造方法が提供される。
本発明のこの好ましい具体例の工程(b)は液相又は気相で実施できる。工程( b)は工程(a)からのビス(フルオロメチル)エーテルを上昇した温度に加熱 することにより気相中で行なうのが好ましい。それ数工程(a)からのヒス(フ ルオロメチル)エーテルを加熱帯域に供給するのが好ましい。
ビス(フルオロメチル)エーテルの加熱はフッ化水素蒸気の存在下で行い得る。
フッ化水素は工程(a)で製造したビス(フルオロメチル)エーテル流中に存在 するフッ化水素であることができあるいは追加のフッ化水素を工程(b)に供給 し得る。
ジフルオロメタンを製造するのに工程(b)でビス(フルオロメチル)エーテル を加熱することは触媒の存在下で行い得るのが有利である。ビス(フルオロメチ ル)エーテルの転化率及びジフルオロメタンへの選択率は選択した触媒に応じて 左右され、本発明者が見出した所によると成る触媒はジフルオロメタンへの高度 の選択率を促進するけれども、別の触媒はモノフルオロメタンへの高度の選択率 を促進させ、面別の触媒はジフルオロメタンとモノフルオロメタンとの両方の混 合物を生成する。
触媒は、例えばカルシウムの如きS−ブロックの金属、アルミニウム、錫又はア ンチモンの如きp−ブロックの金属、ランタンの如きf−ブロックの金属又はニ ッケル、銅、鉄、マンガン、コバルト及びクロムの如きd−ブロックの金属を含 めての金属又はこれの合金:金属酸化物例えばクロミア又はアルミナ、金属フッ 化物例えばフッ化アルミニウム、フッ化マンガン又はフッ化クロム又は金属オキ シフッ化物例えば前記した金属のうちの1つのオキシフッ化物であることかでき る。該金属はd−又はp−ブロックの金属、これの酸化物、フッ化物又はオキシ フッ化物であるのが好ましく、クロム、アルミニウム又はVIIIa族の金属で あるのかより好ましい。
本発明者か見出した所によれば、用いた触媒がニッケル、アルミニウム、鉄又は クロムよりなる群から選んだ金属である場合にはしかも特に触媒がこれらの金属 のうちの少なくとも1つの合金又は混合物である場合には、きわめて高い選択率 でジフルオロメタンを工程(b)で製造できる。合金又は混合物はまた別の金属 例えばモリブデン、銅又はコバルトを含有できる。好ましい合金の例にはハステ ロイ及び不銹鋼があり;不銹鋼は特に好ましい合金である。
更には、触媒を使用前に空気処理する即ち触媒を空気の存在下に高められた温度 に加熱する例えば300°C〜500°Cの範囲の温度に加熱するのが好ましい 。別法として又は追加的にこの触媒予備処理はフッ化水素の存在下に行い得る。
別の好ましい触媒はクロミア及び酸化鉄であり、これらは好ましい合金程の高度 のジフルオロメタンへの選択率を促進し得ないけれどもきわめて頑丈な触媒であ る。
クロミア及び酸化鉄はそれらの使用前に予備処理を施すことができる。
触媒はまた例えば含浸された金属酸化物又はオキシフッ化物又は単純な混合物の 如き、金属、これの酸化物、フッ化物又はオキシフッ化物の混合物よりなり得る 。即ち例えば触媒は、鉄、ニッケル、銅又は別の金属又はこれの化合物例えばこ れの酸化物又はハロゲン化物で含浸されたクロミアよりなることができあるいは 触媒はクロミアと別の金属酸化物例えば酸化鉄との混合物よりなり得る。
高度の選択率でモノフルオロメタンが製造される別の触媒例えば亜鉛含浸済みク ロミア又はフッ化錫よりなる触媒も使用し得る。
触媒は支持体上に担持してもしなくても良い。
従って本発明の別の好ましい具体例では、工程(b)は触媒の存在下に且つ場合 によってはまたフッ化水素の存在下に上昇した温度で気相中でビス(フルオロメ チル)エーテルを加熱することからなる。触媒は少なくとも1種の金属、金属酸 化物、金属フッ化物又は金属オキシフッ化物であるのが好ましい。
面別の好ましい本発明の具体例によると、工程(b)はニッケル、クロム、アル ミニウム及び鉄よりなる群から選んだ金属又はこれらの金属の少なくとも1種の 合金又はこれの酸化物、フッ化物又はオキシフッ化物よりなる触媒の存在下に高 められた温度で気相中でビス(フルオロメチル)エーテルを加熱することからな る。
ビス(フルオロメチル)エーテルを工程(b)で加熱する温度は少なくとも成る 程度までは、加熱を触媒の存在下で行なうかどうかに応じて決まるものである。
加熱を触媒の存在下で行なう場合には、好ましい温度は用いた特定の触媒に応じ て決まり;一般に触媒が存在する場合には温度は触媒が存在しない時程高い温度 を必要としない。
典型的には触媒をフッ化水素の存在下で使用する時には温度は約450°Cより 高いのを必要としない。即ち例えば加熱を不銹鋼及びフッ化水素の存在下に行な う場合には、温度は好ましくは少なくとも約250°Cであり、より好ましくは 少なくとも300°Cであるが、約400℃より高いのを必要とせず一般に約3 50°Cより高いことを必要としない。然しなからフッ化水素の存在下に触媒が クロミアである場合には温度は好ましくは約り80℃〜約320℃、より好まし くは約200°C〜約280°Cである。
本性の工程(b)は大体大気圧で行なうのが都合良いが、大気圧以上の圧力又は 大気圧以下の圧力も所望ならば使用できる。実際上より低い温度で約15バール までの大気圧以上の圧力が一般に好ましい。何故ならばか\る条件下ではジフル オロメタンの収率及びジフルオロメタンへの転化率が増大し得るからである。
工程(b)の完了後に、ジフルオロメタンは常法を用いて例えば蒸留により未変 化の原料及び副生物から単離できる。
本発明を添附図面の第1図及び第2図を参照して更に説明する: 第1図は本発明の連続法で用いる反応/蒸留塔を示す図解図であり、 第2図は蒸気−液体平衡塔の図解図である。
第1図において、塔1は例えばハステロイ合金から構成できしかも規則的なハス テロイ摺曲充填物の3つの区分2.3.4を含有してなる。区分2は塔の精留区 分を表わし、区分3は塔の反応区分を表わし、区分4は塔のマドリッピング(追 出し)区分を表わす。
塔lはホルムアルデヒド供給流5用の入口を備えておリ、供給流5は反応区分3 と精留区分2との間に位置した分配器6を通して塔に供給される。塔はまたフッ 化水素流7用の入口を備えており、フッ化水素流は反応区分3とストリッピング 区分4との間に配設した分配器8を通して塔に提供される。
am器12をライン13により塔の頂部に接続し、凝縮器はそれぞれ凝縮用媒体 の入口ライン14及び出口ライン15を備えている。凝縮液のライン16は凝縮 器からの出口を、通気孔18及び出口ライン19を備えた還流ドラム17に接続 させ、出口ライン19は還流分配器21を介して還流生成物が塔の頂部に返送さ れる還流返送供給ライン20及び頭上生成物流取出しライン22に導通している 。
再沸器(リボイラー)23をライン24を介して塔の底部に接続させ、再沸器は それぞれ再沸用媒質入口ライン25及び出口ライン26を備えている。底部生成 物を生成物ライン27を通して塔の底部から収集し、底部生成物をライン28に より再沸器に供給し次いで再沸返送ライン29により塔に返送する。
塔を操作するに当っては、ホルムアルデヒド及びフッ化水素はそれぞれ供給ライ ン5及び7及び分配器6及び8を通して塔に供給される。凝縮用媒質例えば水又 はエチレングリコールを凝縮器12内で循環させ、再沸用媒質例えばスチーム又 は熱油を再沸器23内で循環させる。
ホルムアルデヒドは塔の反応区分3を通って下降し、反応区分を通って上昇する フッ化水素と各々の段階て反応するものである。ビス(フルオロメチル)エーテ ル及び過剰のフッ化水素は各々の段階て流出させ(flash out)且つ塔 を上昇する。水及びフッ化水素/水共沸物は塔内を下降する。
塔の精留区分2においては、ビス(フルオロメチル)エーテル及びフッ化水素を 水、ホルムアルデヒド及び/水/フッ化水素共沸物から分離する。頭上生成物流 をライン13に通して抜出し、凝縮器12に供給し、凝縮液ライン16を通って 凝縮器から還流ドラム17に供給する。還流の流れをライン20に通して塔に返 送し、生成物流をライン22に通して取出す。
ストリッピング区分4においては、水及びフッ化水素/水共沸物をビス(フルオ ロメチル)エーテル及びフッ化水素から分離し、底部の生成物をライン24に通 して塔の基部から抜出す。底部の生成物流をライン27に通して取出し、再沸流 をライン28に通して再沸器に供給し次いてライン29に通して塔に返送する。
第2図においては、ポリテトラフルオロエチレンで裏張りした炭素鋼から構成さ れた回分操作の蒸気−液体平衡基30は、充填容器を塔の底部に接続する供給ラ イン(管路)31及び弁32、凝縮器34及び再沸器35を備えている。平衡基 は組織的なハステロイ スルツアーBX充填物36の区分を備えており、各々の 区分は6インチの深さの充填物を含有してなる。充填物の各々の区分は多孔板の 液体再分配器(図示せず)によって充填物の隣接区分とは分離されている。抜取 りライン37及び付属弁38は試料の抜取りのため塔から設けられている。
塔を操作するに当っては、組成物を塔に装入し、塔についての全ての入口/出口 を閉鎖する。熱油流を再沸器に通して循環させ、グリコール流を凝縮器に通して 循環させる。塔内の組成物を平衡に達しさせる。次いで試料を抜取り個所から取 出し、分析して塔内の種々の高さ位置での組成物を測定する。
本発明を次の実施例により更に例示する。
実施例1一段回分蒸留 182.6gの無水フッ化水素と40.9 gのパラホルムアルデヒド小粒とを 、液体試料の取出し用ポリテトラフルオロエチレン浸漬管と蒸気の取出し用ポリ テトラフルオロエチレン蒸気出口管とを備えた閉鎖済み500m1 F E P ポットに装入した。蒸気はピリジン又は水を交互に含有する100m1 F E  Pビンに収集した。500m1のポットを、温度調節手段を備えた熱油浴に配 置した。
液体及び蒸気の試料を時間的な間隔を置いて取出し試料の組成を次の要領で分析 した。
ピリジン中に捕集した蒸気試料はガスクロマトグラフィーによりそれらのビス( フルオロメチル)エーテル含量について分析した。水中に捕集した蒸気試料は水 酸化ナトリウムでの滴定によりそれらのフッ化水素含量について且つ重亜硫酸ナ トリウムでの滴定によりそれらのホルムアルデヒド含量について分析した。
液体試料を水又はピリジン中に噴太し、同じ仕方で分析した。
蒸留の終了時にFEPボットに残留している残渣の組成もまた分析した。
結果を以下の表1に且つ第3図及び第4図でのグラフ形で示す。
表 1 フッ化水素及びホルムアルデヒドについての質量収支もまた、留出物中に捕集さ れた且っ残渣中に残留しているホルムアルデヒド及びフッ化水素の全量を測定す ることにより算出された。ホルムアルデヒドの転化率は79%であった。比較と してホルムアルデヒド及びフッ化水素を同じ条件下で但し蒸留なしに反応ポット 中で接触させた時は55%の転化率が達成された。
この実施例は水からCH2F−0−CH2Fを分離するという利点及び蒸留を同 時に行なう容器中でホルムアルデヒドとフッ化水素との間の反応を行なうことに より得られたホルムアルデヒドの転化率が増大するという利点を示している。こ の実施例は多段式蒸留塔内で各々の一段蒸留での本発明の操作を例示しているこ とは容易に理解されるであろう。
次の実施例2は第2図に概略的に示した回分操作の多段式蒸気−液体平衡塔で実 施した。
実施例2 表2に示したモル分率組成を有する組成物976gを塔に装入した。
塔に対する全ての入口及び出口を閉鎖し、熱油流を再沸器に供給し、グリコール を凝縮器に供給した。蒸留器を12時間放置して平衡に達しさせ次いで試料を塔 から取出し、前記した技術を用いて分析した。結果を以下の表2に示し、その課 全ての成分量はモル分率で表わしである。
表 2 次の実施例3〜6は本発明の更に好ましい具体例の工程(b)を例証する。
実施例3 HF−処理したクロミアの存在下でのBFMEの加熱 75m1/分の流量で室温で液体のビス(フルオロメチル)エーテル、BFMH に窒素を泡出させることによりビス(フルオロメチル)エーテルを蒸発させた。
クロミアペレットを150m1/分の流量を存するフッ化水素流中で4時間35 0°Cに加熱することにより予備処理しておいたクロミアペレット 120gを 充填したインコネル管(長さ12インチ、直径1インチ)に前記の蒸気を供給し た。インコネル管を室温から上昇した温度にまで加熱し、反応器の排ガスの組成 を温度の関数として追求しくガスクロマトグラフィー)、結果を表3に示す。
表 3 実施例4 ニッケルでドープしたクロミアの存在下でのBFMEの加熱 100gのクロミアペレットを硝酸ニッケルの飽和水溶液に添加し、次いで15 0″Cに直接加熱することにより水を除去して2.7%のニッケルで含浸された クロミア触媒を得た。100gの該触媒をインコネル反応器(長さ12インチ及 び直径1インチ)に装入し、300 ”Cで28時間窒素中で加熱し次いで35 0 ”Cで4時間フッ化水素中で加熱することにより予備フッ素化した。最後に 該触媒を窒素中で250℃で15時間加熱した。
75m1/分の流量で室温で液体のビス(フルオロメチル)エーテルに窒素を泡 出させることによりビス(フルオロメチル)エーテルを気化させた。蒸気をイン コネル反応器に供給した。反応管を室温から高められた温度にまで加熱し、反応 器排ガスの組成を温度の関数として追求しくガスクロマトグラフィー)、結果を 表4に示す。
実施例5 混成酸化鉄/クロミアの存在下でBFMEの加熱 9二lの重量比の酸化鉄(I[)とクロミアとよりなる触媒112.7gをイン コネル反応器(長さ12インチ及び直径1インチ)に装入し、300℃で12時 間フッ化水素中で加熱した。次いで触媒を窒素中で230°Cで15時間加熱し Iこ 。
75m1/分の流量で室温で液体のビス(フルオロメチル)エーテルに窒素を泡 出させることによりビス(フルオロメチル)エーテルを揮発させた。蒸気をイン コネル反応器に供給した。反応管を室温から高温にまで加熱し、反応器排ガスの 組成を温度の関数として追跡しくガスクロマトグラフィー)、結果を表5に示す 。
実施例6 予備フッ素化したフッ化アルミニウムの存在下でのBFMEの加熱 103.9gのフッ化アルミニウムをインコネル反応器(長さ12インチ、直径 1インチ)に装入し、窒素中で300°Cで4時間加熱し、次いでフッ化水素中 で300°Cで12時間加熱した。触媒を次いで窒素中で240°Cで16時間 加熱した。
75m1/分の流量で室温で液体のビス(フルオロメチル)エーテルに窒素を泡 出させることによりビス(フルオロメチル)エーテルを気化させた。蒸気をイン コネル反応器に供給した。反応管を室温から上昇した温度にまで加熱し、反応器 排ガスの組成を温度の関数として追求しくガスクロマトグラフィー)、結果を表 6に示す。
表 6 補正書の翻訳文の提出書(特許法第184条の8)平成6年5月13日

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.反応/蒸留容器中でホルムアルデヒドをフッ化水素と接触させることからな る、ビス(フルオロメチル)エーテルの製造方法。
  2. 2.ホルムアルデヒドとフッ化水素とのモル比は約12〜約1:10の範囲にあ る、請求の範囲1記載の方法。
  3. 3.反応/蒸留容器は蒸留塔よりなる請求の範囲1又は2記載の方法。
  4. 4.ホルムアルデヒド及びフッ化水素を蒸留塔中で向流式に流通させる請求の範 囲3記載の方法。
  5. 5.ホルムアルデヒドとフッ化水素の少なくとも一部とを、相異なる入口を通し て蒸留塔に供給する請求の範囲3又は4記載の方法。
  6. 6.フッ化水素の少なくとも一部を蒸留塔に供給した位置よりも上方の位置でホ ルムアルデヒドを蒸留塔に供給する請求の範囲5記載の方法。
  7. 7.ホルムアルデヒドは、フッ化水素に溶かしたホルムアルデヒドの溶液として 蒸留塔に供給する請求の範囲3〜6の何れかに記載の方法。
  8. 8.次の工程、 (a)請求の範囲1〜8の何れかに定義した如く反応蒸留容器中でホルムアルデ ヒドをフッ化水素と接触させ、しかも(b)ビス(フルオロメチル)エーテルを 反応帯域に供給してビス(フルオロメチル)エーテルをジフルオロメタンに転化 させる工程からなる、ジフルオロメタンの製造方法。
  9. 9.工程(b)は、好ましくは触媒の存在下に気相中でビス(フルオロメチル) エーテルを上昇した温度に加熱することからなる、請求の範囲9記載の方法。
  10. 10.触媒はニッケル、クロム、アルミニウム及び鉄よりなる群から選んだ金属 又はこれらの金属の少なくとも1種の合金又はこれらの酸化物、フッ化物又はオ キシフッ化物よりなる請求の範囲10記載の方法。
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